12/7(木) 第五部「愛のゆくえ・対決編」第214回
<箱根ホテルのロビー> 真知子と副島がソファーに座っている。
明日、写真を同封して浜口に手紙を送る、頃合を見て直接会いに行く
そう話すど副島、「貴方の嫁を僕にくれと言うつもりだ」
気が重いと言う真知子に、何事も初めは怖いものだ腹を決めなくてはならないと話す。
相手は半信半疑になって、真知子に電話をかけてくるだろうが
その時は上手く芝居するようにと念を押す副島。
指輪を外そうとする真知子に、僕達は婚約したんだから外すなという副島。
真知子に秘訣と言って、ベテランの詐欺師は人をペテンにかけようと思ったら
99%は本当のことで押し、残りの1%で相手をはめるのだという。
後宮さんは、相手が無理難題を言ったから騙すと言うのは安易な事だと
言われたと話す真知子に、悪いが後宮という人に遠慮しないと言う副島。
「貴方が自由になったら、本当に僕の妻になって欲しい」条件は付けない
約束のはずと言う真知子に、押し売りです、いやなら追い払えばいいと言う副島。
<現代口論編集者> 後宮机の雑誌が落ちたのを拾い集めている。
三好、後宮を呼んでこないだの経済時評の激突対談スタイルがよかったと言う。
架空対談とは思えない出来、売り上げも好調なので、これを読者の反論に喧嘩する格好で
続けて欲しいと言う。例の特派員の件だが、金の割り振りと記事の配分で揉めているが
そちらは例の彼女の件はどうなのか?と聞かれる。
勝則の離婚条件は、海外派遣の問題に絡んで春樹を苦しめた。
<浜口家> 応接室に向かう徳枝と勝則
応接間に入る二人、ソファーに座っている美子。
徳枝に勝則の離婚はまだなのかと尋ねる美子。徳枝は慰謝料は決まったけど...
大変失礼ながら、多少のお金は美子が用立てしてもいい、母方の祖父が
自分に山林を残してくれたのがあるので..という。
徳枝はムッとした様子で、心配ない勝則が美子の気持ちが休まるように
早くけりをつけなさいと言う。
<箱根ホテルフロント> カウンターの中で真知子打ち合わせをしている。
そこに蘭子が入ってくる。
蘭子は、安城夫妻と宝石の商談の仕事で来たらしい。
つづき@
運が向いてきて、夫も建設機械の職場に就職出来たらしい。
蘭子、バッグから千枝子からの葉書を取り出す。
葉書にはお母さん元気ですか?とあり、自分の事をお母さんと
書かれていることに感激している蘭子だった。
「昨日お母さんの夢を見ました。お母さんはご馳走を作りながら
歌を歌ってました。ではさようなら..さ××千枝子」
私に会いたいのかしら、きっとそうだと言う真知子に..じゃないわね。
<回想>
「うちはここにおる、うちはやっぱりいかへん」
「手を差し伸べて、ごめんなさいと涙を浮かべる千枝子がいる」
ばかねぇ、葉書が来た位でと言う蘭子に、真知子は
「千枝子が志摩に残ると言ったのは、一年以上も前の事ですよ
千枝子ちゃんはどんどん成長しているんですから..と慰める」
蘭子笑って、でももういいのくよくよするのは辞めて、もう少し様子を見るわ。
お互いに頷きあい、真知子は蘭子に葉書を返した。
「あの〜」真知子は蘭子の前にポケットから指輪を差し出す。
真知子「これ幾らくらいするものでしょうか」副島からの指輪を見せる。
「ダイヤね」指輪を取り、ルーペで調べる蘭子。
「いいものね、細工も一流だし、10万より下って事は無い」
お驚く真知子に、後宮からかと聞く蘭子。別の方からだと答える真知子。
<現代口論者分室> 蘭子が座っている。
春樹お茶を持って入ってくる。
春樹、加瀬田が出所する事を話すが..蘭子は、今度は自分は迎えに行けないのねと話す。
加瀬田の奥さんもお嬢さんも、気持ちの整理が撞かずにいると話す。
内ポケットから手紙を出し蘭子に渡す春樹、「もうすぐじゃない」と蘭子
春樹は奥さんが加瀬田が帰りたいところへ返してあげたい、だから心当たりがあれば
手紙を渡して欲しい、といって自分に渡された事を話す。
奥さんやお嬢さんが、気持ちよく迎えてやれたらいいのだけどといい
蘭子が手紙を預かる事にした。
つづきB 蘭子、バックから宝石ケースを出して、後宮に選ばせる。
「愛する人の為に勇気をだしてといわれ、その中の一つを手に取る」
「10円だ」という蘭子、後宮は桁が4つ5つ違うと言うが..
蘭子は真知子に会い、副島が真知子に指輪を送り偽装婚約した事を話す。
そこまで進んでた事に春樹は驚くが、蘭子は危ないと言う。
副島は、本気で真知子を取り込もうとしているようだと話す。
春樹は、真知子を信じているだけじゃ駄目なのかというが..
蘭子はたぶん駄目だと首を振る。
<浜口家応接間> 勝則郵便物を調べている。
差出人副島の封筒をあげる、中から真知子と副島の写真が出てくる。
「小生横浜にて貿易商を営む副島伝次と申すものです。仕事柄、外人バイヤーや
国内の顧客先の接待で、箱根ホテルを行きつけにしております。
お勤めの浜口真知子さんと知り合う機会を持ち、第一印象から、
稲妻に打たれたようね衝撃をうけ、虜になり、日を重ねるうちにもはや
将来の伴侶は真知子さん以外にいないと思いつめるようになり・・・」
徳枝が入ってきて、今日存じ上げない方からの封書が届いていたようだけどと聞く・
「これですよ」と見せる勝則。
早速後宮以外の男と、結婚すると言う手紙が届いた事を話す。
これで真知子さんとはキッパリ離婚しておしまいなさいと言う徳枝に
「騙しているかもしれない、きっとそうだ!!」「喜んで騙されなさい」
「いずれは大臣と呼び声高い、清宮次官のお嬢様と結婚できるんですよ」
追い出した妻といつまで遊んでいる気なんですか、いいかげんにしなさい。
と徳枝はいった。
勝則は半信半疑だった、これまでの経緯からみても真知子と春樹が
その愛を諦める筈が無い、だが・・・・