【情報公開中】踊る大捜査線No.26【特別捜査本部】

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392名無しさん@お腹いっぱい。
今更と言わんばかりに聞き返す田所に知るわけねぇだろ!と司馬は心の中で言い返す。
知る訳が無かった。彼女がこんなにも可愛く甘えるなんて。
ひかるは一見甘えたがりに見えるがそんなことは決してない。
自分に任せられた仕事は自分できっちりとこなしてしまうし、自分で何もかも背負いがちで。
甘える時はある、しかしあんな風に全ての緊張を解け切った甘え方など殆ど無い。
それは自分のこの性格で甘えてきたら拒まれるだろうと、思わせてしまったかもしれない。
司馬はこの日初めて自分のこの性格を恨んだ・・・かもしれない。

「好きですーv」
「はいはい。私もだから、大人しくしなさい」
「えへへ、はいーvv」

しかし。司馬は腐っても司馬だった。
自分の性格を恨んだのは約1秒(早っ)その後すぐに来たのは怒りと嫉妬の炎が彼の心に渦巻いた。
ひかるのそんな顔を月山や田所、兎に角自分以外の人間が見ているのが不快に思う。
そしてひかるにもその怒りの矛先は向かう。
彼女に電話を入れてすぐに家に帰れと言っておいたはずなのに。
自分の言い付けを守らずこんな所で酔っ払って、もし自分が迎えに来なければどうしたのかとかなりの怒りに駆られる。
ここには彼女を狙う輩は大勢居るのだ、雑魚にしろ厄介な奴にしろ。
とりあえず今酔っ払っている彼女を今すぐ連れて帰ろうと、司馬は足を一歩前に踏み出した。
すると、先ほどまで月山にくっついていたひかるの丸い瞳がくるんっとコチラに向けられて。
ひかるはおぼろげな足取りで椅子から立ち上がると、てけてけと歩き出した。
その行動に司馬は自分に気付いてくれたのだと足を止めて待っていたのだが。