【情報公開中】踊る大捜査線No.26【特別捜査本部】

このエントリーをはてなブックマークに追加
381名無しさん@お腹いっぱい。
その頃は悪どい事も何もかも躊躇無く出来ていた、それは自分だけの問題だから。
しかしあそこを止めさせられ自分と正反対だったあの男が死に、病院を出たあと自分は刺され。
死を覚悟して受け入れたあの瞬間、自分は一筋の光に救われた。
自分とは正反対の白く無垢で無防備な少女。小さな存在が今の司馬を救った。
刺された後は面倒な事も色々有った。それでも自分はあの時生まれ変われたと感じている。
自分のこの冷徹な性格がいきなり変わるわけではないが、死を突き放し生を与えた少女だけには。
優しくあろうと思った。それが彼なりの今までの人生の生まれ変わりだと信じて。

その少女は今はもうすでに大人の女性をへと変化を遂げている。
自分よりも8歳年下の少女に心奪われた事は今は誇りに思っている。
それを他人に教えてやる義理は無いだろうけど。

キーボードを叩く手を止めて物思いに耽っていた自分に気付き司馬は溜息を付く。
どうも彼女の事を思うと周りが見えなくなってくる。
こんな自分に戸惑いを覚える事はもう無くなった。
出会った当初は何故と自問自答を繰り返して悪循環にはまっていたりしたのに。
そんな事さえ懐かしいと思えるほど自分は彼女に溺れて居る。
微かに口元を緩めた時、コンコンと忙しそうに扉を叩く音が響いた。