【情報公開中】踊る大捜査線No.26【特別捜査本部】

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375名無しさん@お腹いっぱい。
ここは完璧な密室だぞ?と彼はにやりと口元を小さく歪めて笑いました。
この人のこの笑みは私が一番苦手な笑顔です、何か楽しい事を企むような怖くて分からない笑顔。
確かにこの書斎は今やこの人のテリトリーになってしまいました。
ここにある過去の死体解剖の死因の結果などを纏めた膨大な資料は、滅多にここに来て調べる事はありません。
だけどこの人はその書斎で色々な事をしているので、もう誰も近寄る事は珍しくなってしまいました。
黒川先生なんてこの人が居なくても書斎に行くのが少し嫌だそうです(煙草の匂いとか)
そう考えあぐねていた私に、この人は痺れを切らしたのか私の肩を思い切り掴んで引き寄せられました。
彼の・・・・・・・・・・・司馬さんの腕に私は何時の間にか抱きしめられていました。
私はこういうことが全然慣れていないので(っていうか初めてに近いので)凄くドキドキしてこの人を見ます。
だけど、彼は私の視線にも何も無いかのようにそのまま書類を読み始めたんです。
私を腕の中に抱いて、何も無かったかのように当然というように。
私は何とかその網羅から抜け出したくて恥ずかしくて彼の中でもがきました。精一杯。

「はなして、ください・・・っ」
「嫌、大人しく眠れ。俺から逃げれるわけねーだろうが」
「司馬さん・・・・っ!!恥ずかしいんです・・・・・////」
「暴れるな、それ以上暴れたらこの場でヤって無理やり意識飛ばさせるぞ」
「っ!!!!?」

頬を両手で包まれ思い切り向かされた視線の先には、本気で楽しそうな顔の彼が居ました。
本当に今度こそ大人しくしていないと私は駄目だと体全体で感じ取りました。
だから、ゆっくりと抜け出そうと振り上げた手を下ろして、恐る恐る彼の背中に腕を回してみました。
そんな私の行動に彼は「いい子だ」と呟いて小さく舌打ちをしました。

376名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/23 00:07 ID:c0A6B2eF
「いい子だけど今そうじゃなくても俺は別に良かったのにな」
「や、です・・・・・・」
「分かってる。眠れ、お前の体は最近休息をとっていない」
「何で、分かるんですかぁ・・・・・」
「医者だからだな」

尤もらしい理由を言われて私は納得するしかありませんでした。
抱きしめられてその上頭に彼の大きな手が置かれて、私は意識がうっすらと無くなって行くのを感じます。
それでも彼と離れたくなくて、私はきゅっと彼の服を握り締めてぼんやりと映る彼の姿に縋りつきます。

「1時間・・・したら、起こしてください・・・ね・・・?」
「分かった」
「ずっと・・・・いてくださいね?」
「分かってる、眠れ・・・・・・・・・・・・・・・・ひかる」
「はぁい・・・・おやすみ・・・なさい」

最後に聞いた彼の声が私の名前を唱えてくれた時、私の意識はがくんと急激に音を立てて落ちていくのを感じました。
ああ、私はこの人の声に安心して眠れるんだなぁと思って嬉しくなりました。
実は私は最近寝不足気味だったので眠れて嬉しいのです。
きっと私が眠っている間守ってくれていると信じて身を委ねます。

お休みなさい、司馬さん。