八千草薫「熱い秋」

このエントリーをはてなブックマークに追加
608名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/06(木) 00:06:20 ID:bsWCr1Sh
ところで和子さんについての今後の進め方なのですが、相手の男と少しずつ
親しくなるような展開か、それともまだまだ苦悩するような展開か、どちらが
いいと思われますか?私も迷っています。もしよろしければリクエストください。
609名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/06(木) 00:13:33 ID:bsWCr1Sh
603さん、前後してしまいましたけど、有難うございます!
八千草さんファンでない方に読んでいただけるなんて光栄です。
ROM専などとおっしゃらずに、どうぞどんどんリクエストください。
あと、ご存知かもしれませんが、いつも励ましのレスをいただく八千草マニアさんも
ttp://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/zurineta/1124710471/l50
にてオリジナル小説を書いておられます。はっきり言ってこちらより過激で
萌えます!
今後ともよろしくお願いいたします。
610八千草マニア:2006/04/07(金) 07:16:53 ID:tk/F/Q5m
作者さん
横山和子さんですが、私は「苦悩する」というより、少しずつ親しくなると
いう方がいいと思います。
勿論、それまでには苦悩も必要でしょうけど、その方がドラマとしては面白い
のではないかと思います。
611和子さんファン(^_^;):2006/04/07(金) 09:13:13 ID:9B1oHv9K
和子さんの今後ですが・・・
うーん、八千草マニアさんと意見が分かれてしまいました。
私は苦悩する展開がいいです。
以前、別のスレで
【人妻は家庭に戻る度にバージンになるんだよ。 エロスの源は「貞操」ということ。 
今の女の貞操は、結婚して初めて生まれるものかもしれないからな。
 「人妻を犯す」とは「貞操を侵す」ということか。】
と書かれた方がいました。
妙に納得してしまいました。
人妻の貞操、男を拒絶する心と受け入れてしまう体といいましょうか・・
苦悩する和子さんの姿を是非みたいと思いますし、
もし、そのような展開をされるのならば、そのような難しいシーンを
作者さんはどう表現されるのだろうと、今からワクワクする気がします。
以前書きましたが、完全合意の則子さんと双璧的な存在でいてもらえたら・・と言う思いと
和子さんには積極的にのめり込んでほしくいないという気持ちもあります(苦笑)
どうでしようか・・・

それから、山内住江さん知らないんですよ(申し訳ありません・・)
作者さんのイメージに相反するかもしれませんが、市毛良枝さんあたりをイメージしてました。(笑)
612名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/07(金) 22:32:26 ID:E1Mmvp1p
八千草マニアさん、和子さんファンさん、貴重なご意見本当に有難うございます。
助かりました。おかげさまで自分なりに方向性が見えてきました!ぜひ今後とも
よろしくお願いいたします!!

和子さんファンさん、市毛良枝さん、いいですね!たまたま自分が山内住江さんを好きなので
(おそらく山内住江さんファンなんていまどき私だけでしょう・・)イメージし勝手にしていますが、
市毛さんも合っていると思います。私も市毛さん好きですよ!

前にも書きましたが、レイプされる人妻 のシーンが好きなので、随分前、少年時代に、もしTBSなどで
普通のドラマ(?)として「犯された人妻たち」という1話完結型のドラマがもしあったらと仮定して
勝手に配役や小説を考えていた時期がありました(アホですねぇ・・)その配役とは・・
中原ひとみさん・司葉子さん・香川京子さん・小林千登勢さん・三ツ矢歌子さん・池内淳子さん・
丘みつ子さん・浜木綿子さん・・・そして市毛良枝さんも入っていました・・!
そして、その中でも最高と言うかトリと言うか・・別格として連想していたのが八千草薫さんでした(アホ!)
あの、岸辺のアルバムの八千草さんがレイプされるシーンなんて想像しただけでも最高でした。それが
まさか「熱い秋」で実現するなんて・・再放送しないかなぁ・・
あと、市毛さんと言えば、阿刀田高原作のマッチ箱の人生をベースにした単発ドラマで不思議な家の中で夢とも
現実ともつかない中で若い男と浮気に夢中になり、最後には妊娠してしまうドラマがあり、萌えました・・
あと、八千草マニアさんから「岩本多代さん」という女優さんを教えていただきました。これがとっても素敵な女優さんで
、レイプシーンも演じたとのことです。見てみたかったなぁ・・
前述の列挙した女優さんはかなりお年を召したり亡くなられた方もいらっしゃいますが、最近の女優さんでは床嶋佳子さんや
余貴美子さん当たりがいいなぁレイプシーンないかなぁ・・などと思っています。
おっと、つい熟女女優さんの話に熱中してしまいました。こんな暇があるならさっさと続きを書けと言われそうですね。
いずれにしても皆様のレスがいつも本当にうれしく、自分がカキコした後レスが上がっているのを楽しみにしている状態です。
どうか今後ともよろしくお願いいたします。
613八千草マニア:2006/04/09(日) 13:27:35 ID:O5iPhRhV
作者さん
お気持ち、よく分かります。
あと、長内美那子さんも忘れてはいけませんね。
この方は80年代に放送された「温情判事」というドラマでヌード(多分吹き替え
でしょうが)が見られます。
他にも「蛇苺」というドラマでは、濃厚なからみのシーンも見られます。
一見、ごく普通の「お母さん」に見えるのですが、そんな人が濃厚なシーンを
演じておられると、不思議に興奮してしまいます。
「熟女女優」といえば、山本陽子さんもいいですね。
「白い悪魔が忍びよる」というドラマでは、覚醒剤に溺れて、佐藤慶と、濃厚な
場面を演じると言うのもありました。
山本さんは、随分ドラマで際どいシーンがありますけど、この「白い悪魔が」は
ピカイチだと思います。
しかし、内容が内容だけに、もう再放送は叶わないでしょうけど。
614名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/11(火) 13:31:59 ID:aNRBqIcG
・・ごく普通の「お母さん」に見えるのですが、そんな人が濃厚なシーン・・
そうなんですよね。そこがいいんですよね。だから日活モノ(古!)やAVではどうも萌えないんですよね。
そう、山本陽子さんもよかったですよね。例によって、ミニスカートブームの研究(?)
をしているわたしですが、たしか若い頃の山本さんのミニスカ姿の写真を持っていたはずです。
今度探しておきます。

あと、以前少しお話しましたが、主婦がレイプされてしまう赤い殺意(片山由香さん)
というドラマのダビングの話が進みそうです。またいずれご報告いたします。
615名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/11(火) 13:32:39 ID:aNRBqIcG
首筋がうずく・・。
「奥さん・・」
男は耳元でもう一度そう言うと、抱きしめていた手を移動させ、ジャンバースカートのホックを外した。
そして、ジャンバースカートはまさぐられて、たくし上げられ、そのまますっぽりと脱がされてしまった。
ブラウスの裾から、パンティーに包まれた和子のヒップが覗いている。
そのパンティーの鮮やかな白さが、薄暗いホテルの部屋の中では妖しく際立つ。
やはり男は、ひかれるようにその和子のパンティーに手を触れてきた。
おぞましい手つきだと思った。
おぞましいと思うから、嫌悪感と恐怖感で、体が熱くなってくるのだと和子は思った。
パンティーに触れていた男の手は、やがてブラウスに移動して、それを脱がした。
ブラジャーが、外される。
パンティーも、下ろされていく。
真裸にされた和子は、男に抱えられてベッドの上へ運ばれた。
男が服を脱いでいく。そのわずかな時間を和子は仰向けのまま無言で過ごす。
やがて、男は、和子の上に体を重ねてきた。
男が唇を重ねようと和子へ顔を近づけた。
その顔を、和子は右手で思わず遮った。
男は少しひるんだが、その遮る和子の右手をどけようと片手をあてがうと、その和子の手は難なく彼女の体の横へ投げ出された・・。
男はとうとう、その人妻の唇を奪った。

「ただいまー」
玄関で、父の声がした。
「あら、パパおかえりなさい!」
まだ6時半なのに、帰宅した父の英昭に驚きながら、横山晴香はリビングのドアを開けた。
「どうしてこんない早いの?」
「半休を取って、車屋の源太郎さんの街工場に行ってきたんだよ。ほら!」
そう言って英昭は紙袋から『ケンとメリーのスカイライン』と書いてあるカタログを取り出した。
「えー!カリーナじゃないの?」
横山晴香は、思わずそう声を上げた。
616八千草マニア:2006/04/11(火) 15:16:27 ID:WZDE3ilO
作者さん
アップありがとうございます。
和子さん、おぞましいと思いながらも、益々男にのめり込んでいってしまって
るようで・・・
この先、とても気になります。
あ、それから・・・則子さんのお話も、またお願いしますね!
繁くんの事も気になりますし・・・
とにかく、ここを読むのが、私の一番の楽しみになっております。
無理をなさらない程度にお願い致します。
617名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/11(火) 17:49:27 ID:aNRBqIcG
八千草マニアさん 有難うございます。
繁君についてはもう少し先ですが期待してください。
取り急ぎ続きを・・
618名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/11(火) 17:50:42 ID:aNRBqIcG
「わたし言ったよ!ちばチャンのカリーナでなきゃいやだって!」
「だって仕方ないだろ。源太郎さんのところの工場では日産しか扱っていないんだよ」
英昭は娘の晴香にそういいながら、かばんを食卓に置いて、背広の上着を脱ぐ。
「それに日産車のほうが故障が少ないんだよ。いまのうちの古いスカイラインだって4年で2回しかオーバーヒートしなかったんだよ」
「つまんないの・・」
「どうせ晴香が欲しかったのは買ったときもらえるポスターなんだろ?」
「ちがうわ」
そう言って晴香は食卓に座ってふくれっつらを魅せた。
「ママは?」英昭が言う。
「分からないわ。学校から帰ってきたらいなかったわ。きっとお買い物の途中で、きっと田島さんとまた喫茶店でお話しているのかも」
そんな時、玄関のドアが開く音がした。
「ママー!」
「晴香ちゃん、ただいま・・」
晴香は玄関の和子に走り寄った。英昭が続いた。
「パパッたら、あんなにわたしが言ったのに、スカイラインにしちゃったのよ!」
「あら・・」
その時ようやく、和子は夫の英昭も帰宅していたことに気付いた。
「パパ・・。早かったのね」
「源さんのところへ行っていたんだ。ここのところ忙しかったから、少し息抜きでもしないとな」
そう言ってサンダルを脱ぐ和子の手を支えて、買い物籠を受け取った。
「おっ!今日はカレーか!」
「パパ!すぐお話をそらすんだから」晴香が言う
さあさあと和子が晴香の背を押しながら言った。
「いいじゃない。新しい自動車が来るんでしょ」
和子は満足そうな英昭の顔を見た。
「それに、パパはどうせ源太郎さんと、車の話より釣りの話のほうが長かったんではないの?」
そう言われて、英昭は照れくさそうに笑った。
「いや、今度の日曜にまた金沢八景に約束したんだ・・」
「ええー!新しい自動車でドライブじゃないの?」と晴香。
「そんなに早く車は来ないわよ・・。それならばパパ。今の車、引き取ってもらう前に洗っておいたほうがいいかしら・・」
619名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/11(火) 17:51:57 ID:aNRBqIcG
「そうだな・・そんなに丁寧に洗っておく必要は無いけど、軽くやっておいてくれないか」
晴香が買い物籠をまさぐる。
「わぁー!カレーソフトだ!」
「えっ!?」
和子の表情が一瞬曇った。

<奥さんの家は、このカレーを使っているんだね>
<やめて!家で使うものに触らないで!>

和子は振り切るように、作り笑いを浮かべた。
「さあ、すぐ作って、食べましょうね・・」
随分前は、カレー粉を小麦粉で混ぜて炒めたり、S&Bのモナカカレーを使ったりした。
しかし、今の即席カレーは作るのが簡単である。
食卓を囲んで、そこには平和な家族の姿があった。
「わたしも金沢八景に行きたいな」
「晴香も釣りに行くか?」
「だめですよパパ!」
和子が英昭をたしなめた。
「あんな揺れる小さな釣り船に晴香ちゃんを乗せられないわ」
「わたしは釣りなんてしたくないわ」
「晴香ちゃんが八景に行きたいのは潮干狩りをしたいからでしょう?」
和子の問いに、晴香が嬉しそうにうなずいた。
しばらく、3人はカレーを食べ続けていたが、英昭が口を開いた。
「でも、いつかあそこの海岸の一部を埋め立てて、大きな遊園地を作る話もあるぞ」
「あんなところに?」
「何十年後かに、そういう計画があるらしいぞ」
「すごいおなはしね!向ヶ丘遊園より大きいのかしら」
晴香が目を輝かせた。
「そんなお話あてにならないわよ。ほら、浦安の砂浜にディズニーランドが出来るなんていううわさ話があるのと同じよ」
「晴香はあの話、信じているのよ!」
620名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/11(火) 17:56:17 ID:aNRBqIcG
「あら、そうなの・・。もうごちそうさまなら、お皿を下げるわね・・」
和子はそう言って、笑みを浮かべて、カレーの食器をまとめた。
皿を持って台所に入る。
水道の蛇口をひねる。
背中のほうでは、二人がテレビを見て、笑っている声が聞こえる。
その笑い声が、平和で幸せな家族の笑い声が、和子の背に突き刺さった。
和子に笑みはなかった。
蛇口から水が流れている。
その水の流れが、つい先ほどまでの自分たちの体の動きに重なって写った。

キスを終えた男が、自分の上をうごめく。
二つの乳房を、男が大きく持ち上げるように揉みしだきながら、乳首には指をふれてくる。
恐ろしかった。
和子は乳房の動きに敏感に反応する体の性質があった。
男の手の動きはそれを知っているかのような動きだった。
だから、恐ろしい・・不安であった。
不安は確かな感覚となって和子の全身を襲った。
我慢するのだ。
声を出すまいと口を真一文字に結ぶ。
しかし男の手は、敏感な下腹部を経て、彼女の股間へと確実に進んでくる。
ピッタリと合わせるようにして、股間への男の手の侵入を防ぐのが精一杯の抵抗であった。
しかしもちろん、そんな和子の努力は報われることなく、男の手は難なく和子の股間を捕らえた。
和子がいやだったのは、股間を刺激されることよりも、むしろそこに触れられることで既にそこが潤いを帯びていることを相手
に知られてしまうことであった。
ただ、いずれにしても和子の体が男の手中にされしまうことは時間の問題であった。
せめて、男が自分の体の変化について何も言葉をかけることのないことを願った。
そんな主婦の切ない願いは、この若い男にもわかっていたのかもしれない。
男は何も語らず、大きく和子の足を押し広げて、そしてつないだ。
621和子さんファン(^^;):2006/04/11(火) 22:51:54 ID:knqfDzhy
う〜ん、まさに静かなる興奮といいましょうか!
ますます目が離せません!
ところで、山本陽子さんの「白い悪魔が忍びよる」ですが、
あるスレであらすじは知りましたが、ぜひ一度見てみたいドラマです。
あと、赤い殺意(片山由香さん)の方もぜひ一度見てみたいです。
622八千草マニア:2006/04/12(水) 16:23:06 ID:8GmN16ca
作者さん
作者さんの描写は、本当にリアルですね。
時代感覚がよく盛り込まれていて、そして、情景が目の前に浮かんで来るのが
良く分かります。

和子さんファンさん
「白い悪魔が・・・」
は、一度東京の方で再放送されたようですが、その後は一度も目にしておりません。
まあ、内容が内容ですから、無理もないでしょうけど・・・
それにしてもあの山本陽子さんの演技、本当に凄かった・・・
もう一度見て見たいドラマですね。
623名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/12(水) 18:43:08 ID:RGh1fnKP
和子さんファンさん 有難うございます。赤い殺意のダビングについてはまたあらためて
お伝えいたしますので楽しみにお待ちください。
八千草マニアさん 有難うございます。白い悪魔・・は私はまったく知らないのですが
どんな激しいシーンだったのか是非見てみたいですね。(レイプシーンだったのでしょうか?)

いずれにしても自分は貞淑な妻の浮気やレイプのシーンがとっても好きです!(病気か!?)
また是非情報交換できればと思います。
あと本日、司葉子さんのミニスカート姿(35年位前のもの)の写真を入手しました。
いずれアップしたいと思います。
624名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/12(水) 18:50:02 ID:RGh1fnKP
激しく突かれた。
激しく揉まれた。
それが確かな感覚となって、和子を襲った。
焦る・・我慢しなければと思った。
絶対我慢しなければ・・・
「ああっ!ああっ!ああんっ!」
和子は大きくそう声を上げて、惑わされて、そして首を大きく後ろにそらして、悶えた。
そんな和子を愛おしそうに男は抱いた。
二人は抱き合った。
ギシッギシッとベッドが揺れた。
和子の全身をかき混ぜるように規則的な往復が続いた。
絡み合い、もつれ合いながら、一つになった二つの体はホテルの殺風景な部屋の中で、汗を散らした。
自分の体が熱くなっていく度に、自分はこの男に奪われていくのだと和子は悟った。
奪われていく・・自分は奪われていく・・和子はせめて、自分の家庭・家族だけは守らなくてはと思った。
家族だけは守るの!自分の体を犠牲にしても、それだけは・・
だから、自分の体を差し出すの?
いま、自分がわけの分からない声を大きく挙げているのは、それは家庭を守るため・・
そう・・!私は守る!私の大切な家族を守るの!
そして、そうすることが今の自分の大儀にかなうかのように、和子は男と激しく唇を重ねあい、額をこすりあい、
そしてあらためてその筋肉質のたくましい体に抱きついた。
押し寄せてくる。
わからない・・もうなんだかわからない!
その感情が下半身から全身に押し寄せてくる。
私!私!私!
そうよ!守りきった!だからいま、私はこんなに幸せなの!私は幸せ!あああーっ!
 
水道の・・水が流れる。
それが、先程、自分の体内に何度も放たれたあの男の体液に思えて・・。
なぜ・・・とあらためて和子は思った。
なぜ自分は男の言われるまま、ホテルなどに入ってしまったのだろう・・。
625名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/12(水) 19:01:36 ID:RGh1fnKP
逃げようと思えば、いくらでも逃げることが出来ただろうか。
いや!
仕方がなかったのだ・・と和子は自分に言い聞かせた。
あそこで逃げていればきっと男に捕まえられて、人々の注目を浴びていただろう。
だから自分は逃げることが出来なかったのだ。
そうなのだ・・。
「ママ?」
はっとして振り向くと、手伝いをしようと皿を運んできた晴香の姿があった。
「あら、お手伝いえらいわね・・」
和子は作り笑いを浮かべた。
あの男の影を振り払うかのように。

北川がバスルームから出てくると、既に則子は身支度を終えていた。
美しくワンピースを着飾って、あとは鏡台に向かって、乱れた髪をブラシで整えるだけと言ったところであった。
「そのまま家へ戻られるのですか?」
髪をとかしながら則子が答えた。
「この間、息子の受験の下見で群馬に行くとお話ししたでしょう・・その宿泊先をそろそろ探しておこうと思うの・・」
「楽しみですね」
則子は笑みを浮かべるだけで、また鏡に向かった。
こういう時は、女よりも男のほうが手がかからない。則子が身支度を全て終えたとき、同じように北川も身支度を終えていた。
二人は向きあった。
「今日は、悪いことをしてしまったわね」
則子は下を向いて自嘲気味に言った。 Image   ttp://up.mugitya.com/img/Lv.1_up31436.jpg
626八千草マニア:2006/04/12(水) 19:59:48 ID:8GmN16ca
作者さん
アップありがとうございます。
久しぶりに則子さんの登場ですね!
和子さんの事も気にはなりますが、やはり本作の柱は「八千草則子」
さんだと私は思いますので・・・(笑)
今後とも則子さんのご活躍を期待しております!
627名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/12(水) 20:05:56 ID:RGh1fnKP
八千草マニアさん 早速のコメント有難うございます。構想としてはこのあとすぐ
繁君と恵美さんの話に移り、則子と北川氏の再度の絡みは少し先になりますが、どうかよろしく
お願いいたします。
628名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/13(木) 04:39:17 ID:YRP+3vug
恥ずかしかった。
北川と出逢って、半年ほどになるであろうか・・。
これまでずっと、北川の人間性に惹かれ、付き合い、そしてそれを継続するためにたまたま身体的なつながりに応じた・・
則子はそう認識してきた。
やさしく相手に導かれて至福を何度も体験し、まれに同時に激しく燃え上がった時もあったが、しかし則子自身から進んで
快楽を得ようとしたことはしなかったつもりであった。
しかし今日は、横山和子のことでショックを受け、どうすることも出来ない感情の処理を北川にゆだねてしまった。
「いいんですよ・・」
北川はやさしく則子の頬に触れた。
「ご旅行、楽しんできて下さい。」
則子は頷くと、小声で言った。
「また、・・あなたとも行きたいわ・・」
二人は抱き合った。

(繁ちゃんは・・、もう帰っているのかしら・・)
早く帰って来いと言った手前、自分が帰宅を遅らせてはまずいと思い、旅行案内のパンフレットの入った封筒を抱えたまま、足を速めた。
家の前に来た。灯りついていない・・。
もう・・あの子・・
繁は帰っていなかった。ただ今日は安堵した。
『早く帰って来いといっといて、お母さんこそどこへ行っていたんだい?』
繁が先に帰宅していて、そんなことを言われたらどうしようかと思っていた。
あの子が・・北川と逢っていることを知っている気配はない。先日の旅行の時は勘ぐられるのではと心配したが、北川のアドバイスのせいもあって
事なきを得た。もっともあの子は随分寂しがってはいたようであったが・・。
寂しい・・?そう、わたしも寂しかった・・。
ふと、則子は、この和室で黙々とミシンを踏んでいた半年前の自分の姿を思い起こした。
あいかわらず多忙な謙作と、大人びた女になった律子・・自分に残されたのは繁だけであったが、その繁も受験シーズンに入ると
いつかはこの子も独り立ちするのだという現実を突きつけられて、いつものような穏やかな日中が急にわびしい不安なものに感じられた。
629名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/13(木) 04:41:15 ID:YRP+3vug
北川からの突然の電話が合ったのはその頃のことであった。
出逢った頃・・電話で話しをするようになった頃や、喫茶店で逢う様になった頃は、あまりやましい気持ちはしなかったし、
『深い関係』になった時であっても半年でやめようと思っていた。やめられると思っていた。
それが、今では北川なしの日常が考えられないくらいに自分はのめりこんでいる。
北川は、ホテル等の外と中を明確に分ける男である。外で逢い、話す時は教養の深い頼れるもの静かな紳士であり、一方、
誰も知らないところでいったんベッドの中に入れば、愛する言葉を刺激的に囁きながら最後まで悦びを分かち与えてくれる・・
それが、そこか自分が家族を裏切っていると言う思いを希薄にさせ、加えて、家族を捨ててこの北川と言う男と暮らしたいと
いうまで自分を思いつめさせることをしなかった。
理想的、と言ってしまうのは都合が良すぎるであろうか。
ただ、満たされてくると、繁に隠し事があるということがどうしても後ろめたさとして思うようになってくる。
特に昨日からの自分は・・。
受験と言う大事な時期を迎えて、今では自分のほうが繁を粗雑に扱っているのではないかとこの2日間の異様な自分の精神の高揚を
終えて自覚した。
だから、たとえ受験の下見と言う目的があるにせよ、今度の繁との外出は大切にしたい。
そう思いながら、則子は普段着に着替えた。
よそ行きのワンピースと、汗などにまみれた下着を洗面所の脱衣カゴに置いたとき、戻ってきた繁の気配を感じた。

「この旅館なんかいいんじゃないかしら。大きくないから団体さんもいなくて静かなんですって」
則子は夕飯を食べることをそっちのけで、パンフレットの説明を繁にした。Image   ttp://up.mugitya.com/img/Lv.1_up31490.jpg
「なんかおかしいな」
「どうして?」
「だってお母さん、まるで温泉に行くことが目的みたいに話しているからさ」
「あら、だって、せっかく群馬まで行くんですもの。いい温泉に入りたいわ」
久しぶりに楽しい夕食だと繁は思った。
「でも最近、夕食はいつも二人だよね」
「そうよねぇ・・お父さんが帰ってくるのは夜中だし、お姉ちゃんはクラブ活動に夢中だし・・」
そう言って則子はパンフレットを閉じた。
しばらく二人は箸を進めた。
630八千草マニア:2006/04/13(木) 08:34:45 ID:HQkRXlmR
作者さん
いつも思うのですが、作者さんの描写力の確かさには感服させられてばかりです。
加えて、登場人物の心理描写も的確で・・・私などは、まだまだだなぁ・・・という
思いですね。
それともう一つ、タイミングよく取り入れられている「挿し絵」ですが、これは
すべて「岸辺」のドラマの場面を写したものなのでしょうね。
ひょっとして全話ビデオで所蔵しておられるのですか?
素晴らしいですね。
その中から、小説に適した場面をアップされるなんて、なかなか出来ないと思います
これだけでも、作者さんの情熱が感じられます。
今後も期待しておりますので、よろしくお願い致します。
631八千草マニア:2006/04/13(木) 14:59:56 ID:HQkRXlmR
作者さん
「白い悪魔が・・・」
は、レイプシーンなどはなかったですが、覚醒剤によって、良家の人妻である
山本陽子さんが男に翻弄されて、ついには娼婦みたいな真似までさせられるという
お話でした。
本当に凄いシーンの連続で、「こんなの放送していいの?」と思ったほどです。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/13(木) 23:05:52 ID:YRP+3vug
八千草マニアさん 有難うございます。
岸辺は最終回は除いて(録画し忘れた)DVDでいちおう全部録画しています。
適当にそこからデジカメでとって、トリミングの上アップしている次第です。
前にも述べたように上手くキャプチャーできる方法が知りたいです・・・
岸辺・・のコーナーがある 駒友テレビ館 ttp://www.komatomo.com/tv/menu.html
さんのキャプチャー画像なんてとってもきれいです。どうやっているんだろう??
まあ、とりあえず、今後もなるべく上手く(こじつけですが)画像はアップしていきたいと思っています。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/13(木) 23:07:20 ID:YRP+3vug
「でもよかったよ」
「なにが?」
「なんか、お母さん、昨日から少し機嫌が悪かったからさ」
「あら・・」
則子は少し驚いて、口を開いた。
「そう、ごめんなさい。機嫌を悪くさせてしまってたかしら・・・・ごみの出し方のすごく悪い人がいて、町内会で少しもめてたの。
いやな感じの奥さんなのよ。みんな嫌ってるのそれでね・・」
則子はそう取り繕った。
実際に、そういうことで町内会でもめているのは確かであった。しかし則子は委員でもないし直接関わっているわけではない。
やはり・・と則子は思った。
鈍感だと思っていたこの子でも気付いていたのだ。昨日からの自分のおかしな心の状態を・・・
北川に今日逢えて、そして恥らわずに思い切り燃えたことをようやく良かったと思った。
そうでなければ、また息子を不快な思いにさせていたかもしれない。
「別に、お母さんの好きなところでいいよ」
「えっ?」
「群馬の温泉」
「あっ・・そう、そうね・・それなら、明日予約してくるわね」
則子がそういった後。二人はまたしばらく箸を進めた。
「そうそう・・」
繁が口を開いた。
「明日、信彦が京都に行くんだ。下宿するらしいよ」
「京都?受験で?」
「向こうで専門の先生について実技を勉強するんだよあいつ。それであした、あいつを駅まで見送りに行くんだ。」
「まあ・・実技がある学校は色々大変なのねぇ・・」
則子がそういった後、付け加えた。
「信彦君のお母さんもお見送りに行くのかしら」
何気ない母のその言葉に、繁は必要以上にドキリとした。
<内緒にしているのよ・・>
先ほどの、沖田恵実の言葉が繁の頭の中にこだまする。
「信彦君にもよろしく言っておいてね・・」
そんな繁の驚きを察することはもちろんなく、則子はそう言うと、笑いながらお茶をゆっくりとすすった。
634名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/13(木) 23:11:35 ID:YRP+3vug
翌日、繁が信彦の家を訪れると、ちょうど信彦と恵実が支度を終えて、玄関から出ようとしているところであった。
信彦はラフなジーンズ姿で、スポーツバッグを抱えた不恰好な姿で他の二人と多摩川の土手を歩いた。
「相変わらずサマにならないな」
そういう繁に、信彦は何食わぬ顔で答えた。
「オレにファッションなんかは永遠に無縁だよ」
繁と信彦はそんなことを話しながら歩いた。
悪友がしばらくいなくなるのだ。よく話すのはおかしいことではないが、それよりも繁は・・二人を見ながらにこやかについてくる
その信彦の母を、なるべく意識しないようにすることもあった。
今日の恵実は・・ツーピースと言うのか、スーツと言うのかは分からないが、上下同じデザインの
グレー系の涼しげな装いで・・  Image ttp://up.mugitya.com/img/Lv.1_up31542.jpg
多摩川の風が彼女の薄いスカートをなびかせている。
「そういえば親父さんは?」
繁はなんとなく、このところ姿を見ない信彦の父の事を聞いた。
「親父はしばらく帰ってこないよ」
「帰ってこないって?」
「そうなのよ・・」
恵実が頷きながら繁に話した。
「いま、日本で伐採できる材木の量が限られてきて・・安くていい材木を調達できるように木材組合の人たちと、東南アジアへ行っているの」
「東南アジアへ・・」
会社勤めの自分の父と違い、信彦の父親は時間の調整が出来たので、小学生の頃はよく信彦と3人でキャンプへ言ったり、
材木を運ぶオート3輪の荷台に乗せてもらったりしたものだった。
親父さんというよりアニキと言った感じの、気さくな人であった。痩せ型で無骨な顔立ちをしていて、誰が見ても信彦が父親似だということがわかる。
「しばらくお袋一人だから、もし何か力仕事とかがあったら、たのむかもな」
そういう信彦の言葉を受けて繁は二つ返事で答えた。
「僕でよければ何でも用を言いつけてください」
「まぁ、頼もしいわね」
そんなことを話しながら、3人は狛江駅に着いた。
見送りといっても、上野駅に向かう集団就職の列車(確か、もう廃止されたのだっけ?)と違い、小田急線のホームから新宿行きの
各駅停車に乗るのを見届けることは、なんだかあっけないものであった。
そうして、信彦は旅立っていった。
635八千草マニア:2006/04/14(金) 16:41:13 ID:5VsBhPmL
作者さん
「最終回を除いて全話」お持ちとは・・・羨ましい限りです。
それはそうと、とうとう信彦君はいなくなって、繁君と恵実さんが急接近・・・
現実的な「接触」は、まだまだ先だそうですが、これから機会は増えそう
ですね。
楽しみです。
636名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/15(土) 00:00:41 ID:T9T2gLYm
八千草マニアさん、有難うございます。
・・「接触」は、まだまだ先・・

どうか続きを・・
637名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/15(土) 00:01:23 ID:T9T2gLYm
「さあ・・」
遠ざかって行く小田急の電車を見送った後、恵実が口を開いた。
「今日はどうもありがとう・・戻りましょうか・・」
「はい・・」
久しぶりに、恵実と二人だけで歩く。
おかしいことではない。しかし、昨日の恵実の、内緒だ、という言葉がまだ繁の中でこだましていて、繁の胸の鼓動を早めていた。
「少し待っていてくれる?」
恵実は商店街のパピヨンというケーキ屋の前で立ち止まると、そう言った。
「あっ、はい・・」
恵実は笑みを浮かべてケーキ屋の中に入った。
そして、すぐに出てくる。
「よかったわ。『ゴンドラ』がまだあったわ」
そう言って恵実はケーキの小さな箱を持ち上げて見せた。
ゴンドラとは、バナナとクリームををパンケーキで包んでいる、ここのケーキ屋の人気商品である。
「知ってますよ。僕もここのゴンドラは好きなんですよ」
「あら、まあよかった!すぐ売り切れちゃうのよね・・さ、早く帰って、食べましょ・・」
(えっ!)
つまり、恵実は、自分の家で二人きりで一緒にケーキを食べましょうということを繁に言ったのだ。
今度は明らかに繁の胸が高鳴った。
言葉が出なかった。
信彦のお母さんは・・沖田恵美さんは・・とってもきれいで、やさしくて、素敵な人であった。
いい人であるといつも思っている。
しかし、そう彼女を思うこととはまったく違う次元の感情が、押さえ切れない何かが、ふつふつと沸いてきていることを、繁はまだ気がついていなかった。
638名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/15(土) 00:04:35 ID:T//YU/qw
恵実の家で、二人だけでいる。
それに、もうこの家のものは事実上、恵実一人しかいないのだ。
(何考えているんだ。オレ・・・)
繁はリビングの椅子にまんじりともせす腰掛けて、お茶の準備をする恵実を待った。
なんだか緊張して、意味もなく、横にあるテレビのスイッチを入れる。
ゆっくりと、画面が現れたころ、反対側から声がした。
「さあ、お茶が入ったわ・・」
恵実が、先ほどの優雅なグレーのツーピース姿のまま、ケーキとティーカップを運んできたのだ。
「わあ、ゴンドラ・・おいしそうですね」
自分でも恥ずかしくらいの棒読みの、さまにならない口調ではあったが、繁はどこか心躍らせている自分を感じた。
「あそこのタルトも好きなのよ。でもうちの子は甘すぎるって言うの。男の子はやっぱりこっちのほうがいい?」
「ぼくは、ゴンドラか、チーズケーキですね。やっぱりほかは甘すぎて・・」
「やっぱりそう?」
「あと、子供の頃に食べた不二家の誕生日に買うケーキ・・なんかあれも駄目なんですよね」
「そうね、あれはバタークリームなの。生クリームのものがやっぱりいいわよね・・」
不思議と・・会話が弾んだ。緊張していたのに、自然と繁の口から言葉が出てきた。以外だった。
ふと、先ほどつけたままだったテレビを見る。
『3時のあなた』をやっている。
スクープがあるらしい。
なんでも、俳優の上原謙が何十歳も年下の娘くらいの歳の女性と再婚する、というのである。
「ええ?ほんとう?びっくりねぇ」
「本当ですねえ、加山雄三も驚いているんじゃないかなぁ・・」
「でも、これって、男の人が年上だから出来るのよね。逆なんて・・奥さんが何十歳も年上で旦那さんが若い人なんて、ありえないものね」
「そんなことないですよ」
その時、繁は本当に心の底から本心でそういった。
「あら、だってぇ・・」
恵実は口に手を当てて、笑いながら言った。
「それって、例えば、私と繁君がカップルになるようなものよ。若い男の子が、こんなおばさんに関心を持つなんてことはないでしょ」
「いえ!」
はっきりと繁は言った。
639名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/15(土) 00:07:37 ID:T//YU/qw
「ほかの人ならともかく・・信彦君のお母さんなら・・とっても美人だし、素敵だし・・そんなことはないと思います・・」
おかしいぞオレ!何か、もう一人別の自分がいて、それが、そいつがこんなことを言わしめている!
しかし、恵実はうれしそうに笑みを浮かべている。
「まぁ!繁君たら、ずいぶんお世辞が上手くなったのねぇ」
「いえ、お世辞なんかじゃないんです!」
まただ!と繁は思った。僕じゃない、別の僕が・・!
「あら・・それならば繁君はこんなおばさんでも一緒にデートもしてくれるとでもいうのかしら?」
それから・・繁は自分が何を言ったのか良く覚えていない。
覚えているのは、沖田恵実が、紅茶のお変わりを入れようと立ち上がって、そして自分もその前に立ち上がって・・彼女の顔が、その美しい顔が
すぐ前にあることであった。
どうしてそうできたのかそうなったのか分からなかった。男の本性か?そんな野蛮なもので片付けたくはなかった。純粋な、彼女への思い一つであった。
恵実は、突然自分の前に立ちふさがった繁の瞳を、驚きと、しかし何かを予感したような潤んだ瞳で見つめ返した。
澄んだ瞳であった。
どれくらいか、そのまま二人は無言で見つめあった。
そして恵実は、聞こえるか聞こえないか分からないくらい、小さな声で繁にこう言った。
「キスだけよ・・キスだけ・・・」
恵実の瞳が一瞬揺れる・・。
繁は、その、恵実の小さな唇に、そっと、自分の唇を重ねた。
そこには、夢にまで見た沖田恵実がいた。
それは可愛らしく、柔らかだった。
640八千草マニア:2006/04/15(土) 07:12:16 ID:A3Dqgx1O
作者さん
アップありがとうございます。
「キスだけよ・・・キスだけ・・・」
いいですね!思わず想像してしまいました。
ところで「沖田恵実」役の秋山しのぶさんですが、
「岸辺のアルバム」の前に放送されていた「光る崖」(田宮ニ郎、吉永小百合出演)
に出ておられたようです。
役柄は、どうも田宮二郎の妻役だったらしいですが・・・
641名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/16(日) 00:01:11 ID:RuJP1HQe
八千草マニアさん、有難うございます。
えっ!秋山さんて女優もされていたんですか?確かにされててもおかしくない
美貌の方ですが、驚きです!是非見てみたいです。しかも岸辺・・の前番組とは・・
あの秋山さんが動いて(!?)しゃべる様子を想像してうれしくなってしまいました。
それにしても八千草マニアさんの情報量はすごいですね。
また是非情報お願いいたします。
642名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/16(日) 00:02:03 ID:T//YU/qw
そっと肩をつかんで、さらに自分に引き寄せる。
夢のようであった。
ずっとこうしていたかった。
恵実はそうされることを拒まず、繁の唇を受け入れ続けた。
一瞬、繁は唇を離す。
静かに目をあけると、そこにはあまりにも美しい、陶酔して瞳を閉じている沖田恵実がいた。
繁が我慢できず、彼女を抱きしめると、再び強く激しく唇を重ねた。
自分だけが彼女の唇を求めるだけではなく、恵実も自らの唇を自分に押し付けてきていることを繁は悟った。
繁の体が猛烈に熱くなり、感情が高ぶり、さらに恵実を抱く腕に力が入ると、繁はその唇を、おもわず彼女の首筋に移動させた。
やさしい匂いがした。
同級生の女子高生がすれ違いざまになびかせるあの匂いとも違う。
大人の女性という一言でも説明できない匂いであった。
沖田恵実の匂い・・そうとしか説明が出来なかった。
その首筋を繁は夢中で求めた。
キスだけよ・・彼女はそう言った。そう、まだ自分は彼女との約束は守っている・・繁は精一杯の僅かな冷静な判断でそう思った。
恵実がかすかに息を吐いた。
わずかな吐息ではあったが、それが熱を帯びたものであることを繁は肌で知った。
進むのだ・・もう一人の自分がそう言う。
その声を聞いた繁は、唇はそのままに、いま彼女が着ている上着のボタンを3つ、手早く外した。
上着を広げる。
その下には、恵実はブラジャーしか身に着けていなかった。
まばゆい、真っ白なブラジャーであった。
それを、息を飲み込んで、繁は上に押し上げた。
そして、そこにある彼女の乳房に、繁は思い切り吸い付いた。
繁はまだ女性というものを知らなかった。
母を尾行したとき、どれくらいで母がホテルから出てくるのか見当がつかず惨めな思いをしたこともあった。
しかし今は、知っている限りの、ありったけの知識で、今目の前にいるこの人に悟られないようになんとかして何かを与えようとした。
繁はその恵実の乳房を吸い、その先端を舌で触れた。
触れるときは、いつまでも触れているのではなく、相手がじれったさを感じるくらいに触れては離れ、それを繰り返せと、
プレイボーイ誌には書いてあった・・
643名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/16(日) 00:59:23 ID:qtlbe6eq
繁、頑張れ。
644八千草マニア:2006/04/16(日) 12:00:32 ID:kyBNuV2W
作者さん、
繁君、大胆になってきましたね!ドキドキします。
それから、秋山さん情報ですが、私は、秋山さんの動いて、声を出している映像のビデオ
を何本か持っています。
CMにも割に出演しておられましたし、一番多かったのは、かつてNHKで放送されていた
「おしゃれ工房」ですね。
その中で「美人はしぐさから」という特集で、中年女性の若々しく見えるしぐさを
レクチュアしていた特集にモデルとして出演され、トークにも参加していました。
なかなか上品で、素敵な声でしたよ。
「女優」の件ですが、私も「光る崖」は、見たわけではないので、確認はしていませんが、
あの名前のままで「同姓同名」の女優さんがいたという話は聞きませんので、まず
間違いはないかと思います。
秋山さんはかつて松竹映画のニューフェースに合格し、一時は女優を目指された事もあった
そうです。
一見、背はそれほど高く無さそうに見えますが、なんと165センチだそうです。
645名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/17(月) 01:12:46 ID:lAmWAnMN
八千草マニアさん、すごい映像をお持ちですね。秋山さんのドラマも見たいですが、
それよりもモデルの秋山さんが好きなので(といっても皆様にここで教えていただいて
知ったわけですが)おしゃれ工房のほうを是非見てみたいです!声が素敵と言うのも
イメージにピッタリですね。

さて、続きをアップします。この後続きははまだ書いていないので、火曜日あたりまで
お待ちください。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/17(月) 01:14:27 ID:lAmWAnMN
その通りにした。何度も、恵実のそこを・・。繁の胸に安堵とも喜びともつかない感情が沸いたのはその時であった。
彼女の乳首が、しっかりと、ピンと、張り詰めてきたのである。
不安と期待が交錯していた繁の、その視界が一気に広がった気がした。
おもわず繁は恵実を後ろ向きにさせると、彼女の脇から乳房を両手でわし掴みにし、そして彼女の方までかかる優雅な黒髪を
額で掻き分けるように押し付けて、そしてそこに現れた彼女のうなじへ、顔を埋めた。
そうして、ずっと立ったままであった二人は、ようやくソファーに沈み込むように腰を下ろした。
繁はそっと、彼女の乳房を揉んだ。
また、恵実が息を吐いたような気配がした。
その吐息と、とろけるようなその感触が、繁の男としての本能をさらに活性化させ、何度も何度も、恵実の乳房を揉みしだいた。
明らかにそれは、『キス』以上のことであった。約束を破ったことに対し彼女がどう答えるのか・・その判断は恵実に任せようと繁は思った。
もし彼女がそこまでは・・と拒んだら、すぐにやめて謝ろうと思っていた。まだそれだけの判断が繁は出来た。
それまでは・・それまでは・・
激しくうなじと首筋にキスしながら繁は恵実の乳房を揉んだ。
「繁君・・」
とうとう、恵実は口を開いた。
繁はドキッとして、彼女の乳房を揉む手を止めた・・
「わかったわ・・。もう、わかったから・・・・、ちゃんと、お部屋へ行きましょう・・」
恵実はそう言った。
647八千草マニア:2006/04/17(月) 07:52:34 ID:hD86UEZj
作者さん
「わかったわ・・。もう、わかったから・…、ちゃんと、お部屋へ行きましょう・・」
す、すごい!
繁君、とうとう「開通式」(笑)
ですね。
思わず頭の中で、色っぽいシーンを想像してしまいましたよ。
作者さんの描写力、本当に素晴らしいです。
すぐに映像になってイメージできるところがいいですね。
648名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/18(火) 22:04:19 ID:rlFa4sBF
その『お部屋』は・・2階にある筈であった。
小学生の頃繁は、信彦と家の中で暴れまわっている時に、何度もその部屋へ勢いで入ってしまったことがある。
整然と、ベッドが二つ置いてあった。
自分の親は寝る時は1階の和室に布団を敷いていたから、その時はベッドで寝るなんてモダンな親だなとしか思わなかった。
だから繁は、その部屋を知っていた。
そこまで彼女を導くのだ・・。
その彼女は、繁の少し前を、胸元を押さえてうつむいて歩いた。
ほんの短い距離なのに、しかし繁にとってそれは大変長く感じられた。
まるでこれまでの二人のように。
初めて沖田恵実に会った時のことを、繁は鮮明に覚えている。
小学校3年生の時であった。
『俺んちここなんだ!』
沖田信彦にそう言われて見上げた家は洋風の外観だった。自分の家よりも大きいと繁は思った。
玄関を入って、居間に入って、たぶんしばらくそこで信彦と話しか何かをしていたと思う。そしてその時、自分の後ろから声が聞こえた。
『いらっしゃい。よく来てくれたわね』
涼しげにグラスに注がれた2つのカルピスをのせたおぼんを両手で持って、その人は自分に微笑んだ。
カールしたショートカットだった。
薄いピンク色のスカートをはいていた。
きれいな素敵なお母さんだと、その時確かに思った。
好きになりそうだだとか、いい女だとか、当然そんなませた感情ではなかったが、何か明らかに他の友人の母親とは
違う印象があり、そしてそれは歳を追うごとに、自分が成長していくごとに強くなっていった。
それから10年が過ぎる間、その友人の母親は、いつしか自分が思う人になった。
そして今、その人は部屋のカーテンを閉める。
そしてその人は、振り向いて、やさしく微笑む。
その部屋は・・小ぶりの窓が一つだけ。
カーテンと入り口のドアを閉めれば、もうそこは外界とは完全に隔たれた。
繁は、その人を再び抱きしめた。
唇を重ねた。
もう彼女の胸は完全にはだけている。上着とブラジャーを取り去る。
繁は、震える手で、彼女の腰の辺りにあるものを探った。
649名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/18(火) 22:05:39 ID:rlFa4sBF
すぐにそれは見つかった。スカートのファスナー・・。
薄い生地のスカートは、すっと、床に落ちる。
繁の下半身がもう張り裂けそうになるくらいに感情がこもった。
それは、恵実の純白のパンティーを目にしたからだ。
パンティー1枚だけの姿のされた恵実が、その時少し恥ずかしそうに身を縮めて、繁に微笑んだ。
繁はとうとう、恵実をベッドに押し倒した。
恵実にキスをして、乳房を揉んだ。
自然な流れで、自分も全部脱ぎ捨てていく。
そして、最後の1枚を、彼女から取り去った。
仰向けになって目を閉じている恵実を今にも抱きしめたくなる感情を抑えて、繁は恵実の体に触れた。
燃え上がらせなくてはいけない。
それは男の使命である。
どうする・・。
分からなかった。
どうすればそれがうまく行くのか、いざその場になってみると分からなかった。
しかし、自分のやっていることが正しかったことを、恵実が身をもって知らしめた。
彼女は身をよじって、喘いだのだ。
甘い優美な声で、繁の手の動きに反応した。
それが、焦りから繁を開放させた。
繁は大胆になれた。繁は右手で、彼女の股間を探ることまで推し進めた。
そして繁ははっとした。
彼女のそこは、溢れかえるくらいに瑞々しくなっていたのであった。
でも、でもまだだ・・
繁は手を震わせながら、そこにあるはずの、女性のもっとも敏感な部分を探った。
そしてそこに繁の中指が触れたとき、彼女の下半身がビクンと動いた。
繁は我慢出来なくなった。
せわしく、ベッドの上に膝立ちした。
恵実の両脚を横に大きく押し広げた。
そこに広がる恵実。
上手く出来るのか・・
650名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/18(火) 22:07:10 ID:rlFa4sBF
興奮と、緊張と、不安!
繁が恵実に触れる。
その時、どこからか彼女の右手はそっと伸びてきて、やさしく、自分のほうへ、繁を導いた。
恵実のその手をあてがうしぐさは、まるで女神のようだというのが、繁のその時の素直な気持ちであった。
そして、二人は結ばれた。
繁は思わず恵実を抱きしめた。
動かす。
感じる。その人を、沖田恵実を、感じる。
そして、また動かす。
その時繁は、女の人のそこは、自分を包み込んでくるのだということを知った。
自分が一方的に行動するのではなく、その中では女性も自分の動きに呼応する。
そう、今まさに、恵実が自分に呼びかけている。
これが、愛し合うということなのか。
わかります!
ぼくはわかります!
651名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/18(火) 22:07:44 ID:rlFa4sBF
繁は恵実に答えるかのように唇を重ねた。
しっかりと目を閉じている恵実が、頷いたように思えた。
繁は頭の中が真っ白になるような錯覚を覚えながら、夢中で腰を動かした。
肌と肌が触れ合う。
恵実の乳房が揺れる。
心身の感情が、若い繁をまくしたてた。
そして、恵実は喘いだ。
熱い息を繁に吹き返し、首を左右に振った。
恵実は悶え始めたのだ。
声を上げて首を左右に振る。
それは初めての繁にとって、完全に予想の容量を凌駕する出来事であった。
わけが分からなくなって、一気に動きを早めた。
繁はそうして、本能の塊のようになって・・
そしてついに登りつめた。
腰を震わせて、恵実のその奥へ自分の思いの全てを放ち始めた。
あこがれ、思い続けた日々のことを思い返しながら、繁は射精を続ける。
今その人は、やさしく目を閉じて、それを受け止めている。
なんて素敵な表情なんだろう。
繁は果てていくことで自分を見失わないように、恵実の手をしっかりと握り締めた。
やさしく、しかし強く、彼女は握り返してきた。
652八千草マニア:2006/04/18(火) 22:15:03 ID:XU9xHeCr
作者さん
す、凄い!
とうとう繁君は「男」になりましたね!
それも、親友のお母さんと・・・
そのモデルがあの「秋山しのぶ」さんとは・・・
それにしても、作者さんの文章って、場面のイメージがすぐに映像になって
浮かべる事ができますから、素晴らしいです。
653名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/18(火) 22:32:41 ID:rlFa4sBF
八千草マニアさん、早速有難うございます。
山場の一つと思っていましたので、一気に書いてアップしてみました。
かなり粗がありますが・・いずれ補修版で修正します・・
原作や映像のある則子と北川の場面とは異なり、オリジナルの展開ですので、うまく
表現できるか、秋山さんのイメージを浮かば手もらえるか心配でしたが、なんとか
お伝えできたようで安心しています。
またどうかよろしくお願いいたします。
654名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/18(火) 23:59:27 ID:1p16mFtl
作者さん、ノリノリだなw
でも童貞の勢いが感じられていいね。
655名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/19(水) 08:32:08 ID:T7BaCyfG
>>654さん ありがとうございます。 結構ノリノリで書けました^^
繁初体験編はもう少し続きますので、よろしくお願いいたします。また、
ご要望なども是非お寄せください。
656名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/19(水) 09:48:55 ID:T7BaCyfG
657八千草マニア
作者さん

写真アップありがとうございます。
特に「パッソル」の広告と、文化出版の「ハイミセス」
の表紙写真には感激しました。
あと、山内佳江さんや秋山しのぶさんの写真も・・・
こういう写真があると、イメージが一層ふくらみますね。