221: 小説版 か(面ライダー)まどっち 708 [sage] 2014/10/04(土) 19:41:25.84 ID:9AQLsHsH0
「シャー」 背後からかまどっちが直弥の肩に鎌を突き立てて掴んだ。
「シャー」 かまどっちの鋭い眼光に直弥の体がピクッと震えた。
「ま、RAHまどか」
だが、ポケットに忍ばせたRAHまどかを取り出すことはできなかった。
直弥の片腕をかまどっちが切り落としていた。
カエル色のダサいパーカーが破られ、かまどっちの鎌の切先が胸に当たってくる。
ほんのりと黄ばんだ安物のシャツが引き裂かれ、毛の生えた汚い腹があらわになった。
やめろ、まどか!
杏寿ちゃんに薦められた短足を隠すためのユニクロジーンズごと膝が切り刻まれる。
直弥は激しく抵抗した。かまどっちの顔に工具を突き立て、バスケットボールをぶつけた。
だが、突然自分の体から力が抜けていくのを直弥は感じた。
(直弥くん、やっと私と『一緒』だね)
ダルマパネルマドカの物言わぬ眼差しが、直弥の体から力を奪った。
(そういや目や顔を描いていなかったな。手や足は奪ったのに。奪うばかりで何も与えていなかったんだな…)
次の瞬間、鎌の切先が大きく弧を描き、鋭い感覚が直弥を切り裂いて
>>708乙
脚注:乙の字 ジグザグな形を形取ったもので、そこから種から出た芽が地上に出ようとして曲がりくねった状態の意味
直弥妹は小さなRAHまどかをテーブルに置いた。
兄が何年も連れ添っていた何度も塗装し直された『まどか』だった。
「お誕生日おめでとう、なお兄ちゃん」 直弥妹は暗がりのベッドに向かって声をかけた。
ベッドの上でもぞもぞと人間の形を失った直弥が動いていた。
「どうしたの、なお兄ちゃん?なにも心配することはないんだよ」
直弥妹はもがき続ける直弥の体を抱いた。
「お着替えがしたいの……?うん、わかったよ。まどっちの格好、させてあげるね」
ひとつだけ飾られた小さなRAHまどかが、テーブルの真ん中に置き去りにされていた。
まどっち、朝8:00〜8:30はテレ朝で仮面ライダードライブを、朝8:31〜9:00はヲチスレで仮面ライダー831兄貴を見よう!