【どっちが】おれがあいつであいつがおれで【どっち！】

「えおえお、お前今さ、すげえやらしい顔してんの自分でわかる？」

「あ、わ･･･、そんなの、してねえっ･･･」

「してんべ、ほら、その顔。やらしくてかわいい。だいすき。」

涙で濡れた瞳とかさ、だらしなく半開きの唇とかさ、ほてった肌とか。
えおえおはこれ以上聞いてられないというようにぎゅうっと目を瞑って
両側から耳を手のひらで押さえた。
うん、押さえんのはいいんだけどさ、お前それヘッドホンつけてるから意味ねえべ。
お前ってほんと天然。

俺が笑ったことで自分の間違いに気がついたのか、
ぽろぽろ落ちてくる涙を抑えるみたいに手で顔を覆った。

「な、手どけて？えおえおのかわいい顔見てえんだよ」

「かわいく、ねえっ･･･」

「俺の恋人なんだからかわいくねえわけねえだろ」

「っあろま、なあ･･･やだ･･･」