【腐女子カプ厨】進撃の巨人雑談570【なんでもあり】

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452韓流
「エレン」
聞き覚えのある、けれどどうしたってこの場にいるはずのない声が聞こえて、慌てて振り向いた。視界にその人を捉えた瞬間、驚きのあまりに全身硬直してしまう。
どんな反応をすれば正解なのか、焦る思考で必死に考えるけれどそんなの解りっこない。そうこうしているうちに目の前に彼が歩み寄ってきて、呆れたようにふっと息を零した。
「てめえ、何呆けた面してやがる」
「…リヴァイさん…」
別れを告げて以来連絡すら取っていなかった彼が、そこにいた。相変わらずきつめの三白眼は、けれど少しだけまなじりが柔らかい。
呆けた面なんて言われても、想像すらしていなかった突然の再会にどんな顔をしていいのか解らなくなる。うまく言葉も出てこなくって、それでも浮かんだ疑問を辛うじて口にした。
「…どうして、ここに?」
「そろそろお前が卒業する頃だろうと思ってな。留年してねえか心配したが…まさか首席とは思わなかった」
「え…式見てたんですか?」
「ああ、卒業生の兄だと言ったらあっさり入れてくれたぞ」
そうして彼は後ろ手に隠していたそれを殆ど押し付けるようにして渡してきた。それはまさかの、一輪の赤いバラ。しかもきれいにラッピングまでしてある。
男である自分がこのタイミングで貰うなんて、意味が欠片も解らなくて目を白黒させていると、にやりと笑って彼が言い放つ。
「卒業、おめでとう」
「…何キザなことしてるんですか、俺なんかに」
「てめえだからだ、言わせんな」
飄々と言ってのけるこの人の考えていることがさっぱり掴めない。けれど自分にちっとも似合わないバラがどういうわけか嬉しいと思ってしまって、にやける口元を慌てて手で隠す。
それでも彼にはばれてしまったらしく、「何笑ってやがる」とでこぴんを一発くらった。…相変わらず、物凄く痛い。ちくしょう。