452 :
名無し草:
冷め切った町を一人、足元を見つめ歩く
小さなプライドをポケットに詰め込んで
もう茜色はしていない景色からは笑みが消えている
自問し、自答する
答えが必要なわけじゃない、と
ポケットが膨れる
満足げな声がきこえる
常に歩んではいるが、進んではいないのだろう
結局円に終わりも始まりもない
吐き出した煙に話す
あんたは勝ち組みだよ、と
そして、
闇に歌う
人生のアリアを、
闇も歌う
悠久のラプソディーを、
彼が話す、
僕が生きたしるしとして、この調べを残そう
夢想のコンツェルトを
緩慢な時を一人歩んだ
僕の轍を