798 :
名無し草:
「気持ちいいの?」
麻也がそう尋ねると、篤人は眉間に皺を寄せながら不服そうに頷いた。
麻也が腰を動かす度にぐちゃぐちゃと潤滑油の音が鳴る。目を瞑り嫌そうに顔をしかめながら快感に耐える篤人を見て、麻也はにやと笑みを零す。
肌がぶつかると同時に、じっとりとかいた汗が粒になって篤人の肌に落ちた。
「うっちーってさあ、ほんと淫乱だよね」
そう言うと篤人は瞑っていた目を開ける。
その目にはじわりと涙が浮かんでいて、麻也を見る目には違うと言いたげに僅かな非難が混じる。
「入れられるだけで感じんの?男なのに、ここ入れられて感じるんだ?」
「…っ、ちが…」
「違う?そんなこと言えんの、こっちもすごい反応してるけど。俺一回も触ってないのに」
下腹部に感じる篤人のものは、しっかりと硬くなり先走りも溢れさせていた。篤人が感じているのはどう見ても明らかだった。
麻也の腰の動きと言葉で、篤人はベッドのシーツを握る。言葉をかけられるたびに篤人は中を収縮させていた。
間接照明の仄かな灯りが、お互いの欲を煽る。性交を感じさせるムードとお互いの体臭。
「男なのに入れられて感じて、それでいくとかさ。物好きだよな、ほんと」
篤人はこうやって、性を否定するような言葉を浴びせられると興奮する。”男なのに”男とセックスをしている自分と、それでも感じていることを考えて興奮するようなのだ。
淫猥な言葉を浴びせたおかげで幾分か締まりのよくなったそこに満足して、深く腰を埋めようとした、その矢先、
「……っるせ、」
「え?」
「…お前の方が変態だろうが、」