215 :
名無し草:
──場面は変わって六年後
自宅で身支度を整えている大雅。走ってきてぶつかるように大雅に抱きつく四歳くらいの女の子
「パパ、今日もドラマのお仕事?」
「そうだよ」
「○○も行きたーい」
「遠いところでロケだから無理だよ。今度連れていってあげるよ」
「うん、今度ね」
キッチンから顔を出す桜
桜「パパ、もう出掛ける?」
「ああ」
家の外に出る大雅。郵便受けを開けて中を見る
いくつかの郵便物の中からひとつの手紙を見つける。詩織からの手紙だった
封を開けて中身を取り出す大雅
そこには、テレビで活躍をいつも拝見しています、応援しています、こちらも元気でやっていますという内容が書かれた便箋と、一枚の写真
その写真には詩織と小学校高学年になる海の二人が笑顔で写っていた
微笑みながらも、少し寂しげな目をして写真を見つめる大雅
桜と子供が見送りで外に出てくる
手紙をバッグにしまう大雅。車に乗り込み、エンジンを掛ける
パパ、行ってらっしゃい、気をつけてねと笑顔で手を振る桜と子供
大雅も笑顔で手を振り、車を発進させる。外に出ると赤信号で車を止める
ふと窓の外を見た大雅は何かに気づいたような表情をする。窓を開けて空を見上げる大雅
そこには綺麗な虹が
虹を見つめる大雅
おしまい