【キジョ】アンチサエコヲチスレ その8【既女】

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140中田光利
〜〜〜〜〜〜中略〜〜〜〜〜
「あなた傲慢ね。」
アリスは私を真正面から見た。私はそれまで私が傲慢で偉そうな態度を取ってきたことを意識しなかった。
青い目が光を通して私の脳に呼びかける。
「あなた傲慢ね。」その光の信号は私の脳細胞に突き刺さった。
青い目の奥にナカがほくそ笑んでいるのが映った。

〜〜〜〜〜中略〜〜〜〜〜〜
主役はナカだった。私ではなかった。この台本の中でキャストはもう私の言うことは聞かないような気がした。主役は穫られた。
私の考えることは正しくて 周りはサポート役、いつだってそうだった。私の見えるものが全て
聞こえるものが全て、すべて私が基準。
ウィットが富んでるのは私。得意先で気に入られるのも私。私を通せば話が通る。
他の意見は間違いで それを否定する私の意見は正しい。私の言ってることは確信に迫り、他ののたまうことは どうでもいい「遊び」。
私の情報はいつも正しい。周りを納得させるだけの力があった。
しかしアリスは私ではなくナカを選んだ

「傲慢だと?」
低い口調に怒りを含んでいた。普段からアリスに対して私は優しく接していた。
わがままを言っても、粋がってきても接客業の彼女に対し私は「営業」をしていた。
そのいつもと違う反応にアリスは少し戸惑いを見せた。青い目の奥からナカが消えた。
「ンフ!なんでもないわ」彼女はおどけてみせた。私は不思議に感じた。彼女はなぜ私の傲慢さに気付いたのだろう。
私の「営業」は完璧だった。抜かりない。見た目や口調で誤魔化しても 言ってる内容が傲慢だったのか。
そもそも私は彼女のその かまかけとも見える質問を受けるまで自分の傲慢さに気付くこともなく、考えもしなかった
人の心を見抜く商売を続けるうちに磨かれた「彼女のセンサー」が私の傲慢さをキャッチしたのだろうか。
私が客観的に自分の言動を見れてなかったのだろうか。優秀さによる奢り、見えない壁が 傲慢さを見れなくしてたのか。
バカは騙せたがアリスは騙せなかったのか。アリスには見破られたのか。ナカがそう仕組んだのか