133 :
中田光利:
〜〜〜〜中略〜〜〜〜
「あらすじ」
舘巻は幼い頃より優秀、スポーツ万能、しかし入社後、ライバル「中田(ナカ) 」 に出会い、そのプライドを
大きく傷つけられた。
〜〜〜〜〜中略〜〜〜〜〜〜
アリスはナカを気に入ってるようだった。「ナカさん最近いらっしゃらないわ」
なにをとぼけたことを、、私は感じた。ナカが店に来てないことを強調して私の疑念を 消そうとしているのだ。
店で会ってなくても外で会ってるんだろう? 私は興奮を隠した。
「ナカは忙しいからね!」私はノリのいい調子で答えた。気づいてることを気付かれないように
私の人生の主役は私だった。「私が私だから主役が私なんだ」と思うだけでなく、客観的に見ても 主役は私だった。
体育祭で私はアンカー、5人抜きをする役。抜かれた奴等は私に抜かれるための雑魚役。
高校でも成績学年1位。バレンタインデーとは私のためのイベントだ。誰が見ても私は主役だった。ナカに会うまでは。
ナカには勝てなかった。この一人に勝てないことを認めると、次々に ナカのようなやつが現れてくるような気がした。
認めたくなかった。 アリスは私のそのデリケートな部分を突くのを楽しんでいるかのように思えた。