取材場所に指定されたのは東京都内の繁華街のカラオケボックス。男性は表情を変えず淡々と語り始めた。
「今は良くなりましたが、少し前まで大浴場や公園を避けていました。
男の子が近くに来るとパニックになってしまうので」。男性は40代の団体職員。
首都圏のマンションで1人暮らしをしている。
中学生のころ、電車で隣に座った男児の太ももを見て「触りたい」と思った。
「なぜこんな気持ちになるんだろう」。まだそれが性欲とも気づかなかった。
20歳になり漫画雑誌で男児が性虐待される描写を見た。「僕が求めていたのはこれだ」。
ありのままの自分を見つけた気がした。でも誰にも言えなかった。
インターネット上で仲間を探した。児童ポルノアニメの愛好サークルを見つけ会合に出たが、
話が合わずにやめた。悩みを共有したくて掲示板も作った。
メールで「一緒に銭湯でものぞきに行きますか」と誘われたこともあった。気後れして連絡を絶った。
男児が載っている漫画やビデオを買いあさり「こんなものを持っているからだめになる」と捨てる。
欲望と自己嫌悪のはざまで行き来し、痴漢行為もするようになっていた。
そして数年前。駅前で遊んでいた男児に声を掛け、人けのない場所に連れ込んだ。
口をふさいでズボンを脱がせようとすると男児が逃げ出し、我に返る。
ロープやカッターナイフまで準備していた自分が怖くなり、交番に自首した。
男性は強制わいせつ未遂容疑で逮捕され、執行猶予付き有罪判決を受けた。
(中略)
「もう児童ポルノは見ない」=つづく
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080604ddm041040181000c.html