ACT.734

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475名無し草
苦しそうに喘いでいた体がもう離せといわんばかりに乱暴な仕草で俺を押し返した。
どこにいくのと声を掛けると冷たい一瞥をくれただけで、かすれた息のままベットから
抜け出してキッチンの方向へと向かっていく。おぼろげな足取りで手探りで壁をつたって
いく姿がどうも庇護欲をかきたてた。性懲りもない欲は底をつくことがないらしい。
その背中をじっとみつめて、抱きしめたいなあと思う邪な気持ちを抑えながらでも機嫌を
損ねてはいけないから我慢、と自分に言い聞かせた。