たばこCM自粛後は喫煙シーンが増える、人気ドラマの分析結果から
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/152/152959.html 日本のたばこ会社は、テレビやラジオ、インターネットなどにおけるたばこの製品広告を
1998年月から自粛している。一方で、テレビドラマには、たばこの喫煙シーンが登場する。
こうしたシーンの未成年者への影響を懸念している川村学園女子大学教育学部の坂口早苗氏らは、
喫煙シーンやたばこ関連の場面が何回出てくるかを人気テレビドラマ6作品で詳細に分析し、
その結果を日本公衆衛生学会で発表した。
同氏らは、「喫煙シーン」と「セットの道具」の登場回数をカウントし、そのシーンの
放送時間をストップウォッチで計測した。「喫煙シーン」とは、実際に喫煙している、
たばこに火をつけるといった場面と、副流煙や置きたばこ、たばこ銘柄の描写などの
シーン。「セットの道具」とは、火がついていないたばこ、たばこを購入する、吸殻や
灰皿などのシーンとした。
調査したドラマのタイトル(放送年)は、「人生は上々だ」(1995年)、「ロングバケーション」
(1996年)、「協奏曲」(1996年)、「眠れる森」(1998年)、「ビューティフルライフ」(2000年)、
「HERO」(2001年)の6作品。このうち、前の3作品を自主規制前のドラマ(規制前群)、
後の3作品を自主規制後のドラマ(規制後群)として比較した。
喫煙場面をドラマの実放送時間1時間当たりの平均回数で比較すると、規制前群は
6.1回、規制後群は10.5回だった。規制後は、6分に1回の割合で実際の喫煙シーンを
目撃していることになる。また、「喫煙シーン」の1時間当たりの平均回数は、規制前群は
10.8回だったが、規制後群は17.9回と多くなっている。「喫煙シーン」と「セットの道具」を
合わせて1時間当たりの平均回数をみると、規制前群は18.2回だったのが、規制後群は
37.3回に増加していた。
また、「喫煙シーン」だけでなく、たばこの銘柄が読み取れる場面の登場回数も
カウントしている。1時間当たりの平均回数は、規制前群は0.6回、規制後群は1.6回で、
回数そのものは喫煙場面ほど多くはないが、「喫煙シーン」などと同様に増加していた。