【スキビ】仲村佳樹スレ@難民 ACT.13【避難所】

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28バレ
ACT.112 父子記念日



━━先生が米国に帰るまであと4日
「よし!!上出来」とキョーコはホールケーキの出来映えを確認しクーの待つ部屋へ持っていく。
―せめて日本にいられる間もう少し生徒として甘えてみたいな
…先生 私…まだまだダメっ子生徒で居たいんです…
クーの帰国が明日と言われキョーコは取り分けていたケーキを机に落としてしまう。
キ「確かもう少し滞在される予定じゃ…」
ク「そのつもりだったんだが予定が変わってしまってな」
―クオンを口説くのに難航すると思っていたから クオンのメッセージを受け取れたら やはり ジュリに少しでも早くみせてやりたい…
キ「…そうですか それは残念ですね…」と、落としたケーキを皿にとる。
ク「ああ…折角 しごき甲斐のある役者の面白卵を見つけたというのに この手で成長を促せないのは本当に残念だ」

クーはケーキを食べ始め
ク「―しかし お前は本当に何を作らせても上手いよな いいお母さんになるぞ〜」
キョーコはスプーンを落としてしまい「…お母さんって …何…ですかね」とおどろどろどろオーラを出す。
ク(…し…っまった タブーな話題か…!!)
キ「…とりあえず 子供にご飯とおやつやっとけば なれるですかね…」
ク「そりゃ…一番大事なのは愛情だが」
キ「愛〜(←地獄の死霊ボイス) …無理です 私には愛せる自信がありません… 愛情の示し方すらわからないのに」
ク「子供に 手作りのご飯やおやつを作ってやるのは愛情表現にならないのか?」
キ「…食事なんて『世間体』だけで作れますから 自分の子供を幸せに出来る自信がないなら いりません 初めから」
29バレ:2007/10/03(水) 10:30:56



キ「…そういえば 先生の奥様はお料理なさるんですか?(久遠少年のお母さんて事だよね?いいお母さんしてそう)」
ク「ああ 忙しいわりにはよく作ってくれる が 味付けがとても斬新で神秘的なせいか 万人受けはよくないんだよな〜」
キ(ひょっとしてマズイっていうんじゃ…)
ク「しかし妻は家族で食事というのを大切にする女性でね 嫌がる久遠の口に息がつまる程 ノルマの料理をつめ込んでたよ
キ(ゴーモンです!先生!)
ク「…思えば 食事というと目に涙を一杯ためていた とても幸せな子供の顔をしていたとは思えない…
あの頃から徐々に 成長と共にあの子の笑顔が消えていったのは…わたしのせいではあるんだが
 わたしが米国で役者として頑張れば頑張る程 あの子に辛い思いをさせてしまった 仕事が忙しいくて 気づいてやれなかった
身動きできなくなってしまうまで… わたしも妻も あの子を心から愛してるし幸せにしてやれてると信じていた
 しかしあの子にとっては そうじゃなかったかもしれない…」
━━わたしの息子じゃなかったら あの子はもっと幸せだったんじゃないだろうか 何度も思い 続けて来た…

沈んだクーを見てキョーコは困る。蓮が言った、素直に言葉にすればいい…を思い出す。
━━辛いのは生徒じゃ居られなる事 …だけど
キ「幸せだったに決まってるじゃないですか たった数時間先生の息子が幸せだったんですよ
『もっと久遠少年でいてみたい』なんて思うくらい 私…気持ちだけは久遠少年とシンクロしてたって自負できますよ
 敦賀さんに言われたんですもの『久遠の気持ちをつかんでたよな』って」
ク「そう なのか?ほんとに?だまされて?かつがれてないか?」
キ「確かに 敦賀さんに騙されもしますが 今日の敦賀さんは真剣でしたよ」
ク「…そう なのか…」といって微笑う。
30バレ:2007/10/03(水) 10:35:23



キ(…言っちゃった…これで『お前にはもう教える事は何も無い』とか言ってビズリ流門下生を
 クビになりんだわ…でも先生の悲しい顔見てるの嫌だったしな…)と料理しながら思う。
クーが明日の朝ちらし寿司が食べたいと言うので制作中。
クーも手伝っていて包丁さばきに驚くキョーコ。
キ「すごい…そんなりお料理できるならなんで私呼ばれたんですかね今回」
ク「そ…それは休暇を兼ねて帰国してたからな」
キ「成程… 先生お仕事で忙しいのにお料理までこなしてしまうなんて 『世界の母』っぽくて
 格好良くありません?伝説の父って感じ」
ク「残念だが世界に配れる程わたしの愛は大きくない」
キ「そんな事ありませんよぉ 先生 私の中ではもうすっかり『伝説の父』ですよ…?
…私 今までお父さんが欲しいなんて思った事 一度もなかったんですけど 先生みたいな
 お父さんなら…欲しかった…な…」
ク「何バカな事言ってんだ お前は わたしはお前の 父さん で お前は父さんね子なんだろう?
 親子の縁を切った覚えはな無いのだが…? お前はもう わたしを父さんとは呼んでくれないのか?」
ボロボロと泣きだすキョーコ。
キ「―だって…いいんですか…?先生に教えてもらえる事など 何一つないというのに」
ク「…何様だお前… 教え込んでいかねばならない事なんて山積みだろうが」
とキョーコの頭をわしゃわしゃとつかみ叱りだす。

━━そう言って 先生は一杯何か怒っていたけど 私は全然聞いていられる場合ではありませんでした
だって 明日 米国へ帰ってしまう先生に 改めて 呼びかけるチャンスを頭の中で模索するのに精一杯だったから
こんどは‘お父さん’って


22号につづく