1 :
名無し募集中。。。:
2 :
名無し募集中。。。:2007/07/10(火) 10:13:13
はいはいほのまらほのまら
3 :
名無し草:2007/07/10(火) 12:20:50
31 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/26(火) 22:21:04.44 O
黒魔術師りしゃこの大冒険
これは魔法の国・ハロモニアにまつわる、ある一人の少女の物語―
とてものどかな街・ベリーフィールズの片隅で、一人の少女が魔法の練習をしている
「うーん…ムムム…、『ファイア!!』」
ボッ!!
「…やった!!ついにせいこうしたもん!!きっとミヤビもびっくりするもん!!」
魔法の練習に成功して大はしゃぎの少女―彼女の名前はりしゃこ…
彼女には夢がある…
『小さな頃に別れたお母さんに会うこと』
でも、生まれて間もない頃に教会の前に捨てられてたりしゃこには母親の記憶が全くない―
たった一つの手掛かりは、彼女が身につけていた珍しい色をしたペンダント―
きっと会える日を信じて…今日も魔法の練習に励んでいる
4 :
名無し草:2007/07/10(火) 18:57:02
47 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/27(水) 06:39:28.70 O
そんなりしゃこだったが、母親を捜す唯一の希望―
それは
『女王様に願い事を叶えてもらう』
ここハロモニアでは10年に一度、『天下一魔導大会』が開かれ、優勝者にはご褒美があるという―
と、一年前、同じ孤児院のミヤビお姉ちゃんから教えてもらった
それ以来、孤児院のシスター・サキの目を盗んでは魔法の練習に明け暮れていた
52 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/27(水) 13:39:12.03 O
そして一年後の今、子供ながらりしゃこはある決心をしていた―
『旅に出よう!』
ハロモニアの女王が開く『魔導大会』が一年後に迫っていたから、だ
確かに今のりしゃこは弱い…だけど気持ちが抑えられなかった。もし、今回のチャンスを逃すと、また10年待たなくてはいけない…
それにもし、優勝出来なくても、女王様に会えれば、もしかしたらお母さんを捜してもらえるかもしれない…
そう幼心に思っていた…
この一年前から心の奥の扉にしまいこんでいた気持ちを打ち明ける日がきた―
5 :
名無し草:2007/07/10(火) 18:58:43
54 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/27(水) 13:57:51.88 O
丁度りしゃこが決心した日は奇しくもりしゃこの10才の誕生日だった―
朝一番に目を覚ます。もうお姉ちゃんのミヤビはどうやら朝御飯の支度で食堂へ行ったようだ…
食堂へ着くと、もう朝御飯の準備は終えていた
「おはよう、りしゃこ」と台所から声が聞こえてくる
ミヤビだ。孤児院での、りしゃこにとってのお姉ちゃんだ。
「お誕生日、おめでとう」と屈託のない笑顔で声をかける
だが、嬉しいはずの誕生日なのに、りしゃこの顔は曇っていた―
56 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/27(水) 14:50:03.94 O
『お母さんを捜す旅にでる』ということは、ずっと物心ついたときから一緒に暮らしていたミヤビとの『別れ』でもある
何かを得るには、大事な何かを失うこと―
幼いりしゃこには重たすぎる現実―
でも、10年間想い続けた気持ちは抑え切れない…
とうとう、りしゃこはミヤビに旅に出ることを告げようとした
だけど言葉が出てこない…
どうしてもミヤビを目の前にすると、旅立つ決心が揺らいでしまう…
この10年間のミヤビとの楽しかった思い出が次々にりしゃこの頭の中をぐるぐる回り出す…
やがて何も言えなくなり…
りしゃこは泣き出してしまった…
6 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:00:10
58 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/27(水) 15:01:43.40 O
「…ち、ちょっとどうしたのりしゃこ!」
急にりしゃこが泣き出したのに驚くミヤビ
「シスター!りしゃこが大変!!」
今までのりしゃこに無かった出来事にシスター・サキに助けを求めるミヤビ。
その間、泣きじゃくるりしゃこをぎゅっと抱きしめ「…大丈夫、大丈夫だから…」と一生懸命落ち着かせようとする…
「どうしたのミヤビ!?」
物静かなミヤビが大声を出すので、すっ飛んでくるシスター・サキ
シスターの目の前には泣きじゃくるりしゃこと慰めるミヤビ…
りしゃこの誕生日のケーキを焼く作業もそこそこに、二人に何があったのか、優しく問いかける―
89 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/28(木) 01:47:19.01 O
泣いたままのりしゃこをあやして、なんとか話が出来るようになった
本当の母親に会いたいこと、女王様の魔導大会に優勝すれば願い事が叶えてもらえること、
そのためにミヤビから魔法を教わっていたこと…ゆっくりとりしゃこは話し出す
ミヤビは正直ショックだった…今までりしゃこは自分には何でも相談したり、話してくれたりしてたのに…
でも、それ以上にショックだったのはりしゃこが母親を恋しがる気持ちの強さ…
『なんとかしてあげたい!でも…』
現実問題、ミヤビがりしゃこより魔法が上手いとはいえ、超一流の魔術師にはまだまだであった…
そして、ずっと黙ってりしゃこの話を聞いていたシスターが口を開く―
7 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:01:55
95 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/28(木) 06:48:50.45 O
沈黙を破ってシスターが言った言葉は意外なものだった―
「行ってきなさい」
りしゃこは自分の耳を疑った…てっきり止められるものだと思っていたのに、シスターからあっさりとOKが出てしまった…
思わず喜ぶりしゃこ
「…但し!」
シスターは言葉を続ける
喜びもつかの間、一瞬にしてりしゃこの表情が曇ってゆく…
だが、さらに意外な言葉がシスターから告げられる
「保護者の同伴は必要ね」
一人で旅に出るつもりだったりしゃこにとって二重の喜び―
一方で、あまりの話のスピードにミヤビはついていけなかった―
8 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:05:01
112 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/28(木) 13:22:17.40 O
「シスターありがとう…」
シスターの胸に抱きつき、また泣き出してしまうりしゃこ
そんな二人と違って不安で一杯なミヤビ
「…ちょっと待ってシスター!旅に出るのはいいけど、この教会はどうするつもり!?」
とシスターに問いかける
「ふぉえ!?教会?いーのいーの大丈夫!」
…
唖然となるミヤビ。それ以前にシスターの様子が変だ…。
いつものシスターはもっとおしとやかだったはずなのに、急にさばけた感じになった…。
またまたシスターからとんでもない発言が…
「だってウチ、シスターじゃないし」
!!
9 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:06:06
114 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/28(木) 13:37:22.95 O
今までのりしゃことミヤビの人生が根底から覆されるショッキングな発言だった…。
「じゃあ、一体…シスターじゃない、て言うなら何なの!?」眩暈しながらもミヤビが尋ねる
今はシスターではないサキが事も無げに言う…
「ウチは元々ハロモニアの兵士なのよ」
!!
目を白黒させるりしゃことミヤビ…。
『シスターが…、シスターじゃないなんて!!』
ショックのあまりミヤビは気を失いそうになる…
構わずサキが続ける
「…実はね、りしゃこはハロモニアのある重要人物の娘で、ウチはその護衛役ってこと」
10 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:07:18
116 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/28(木) 16:49:24.03 O
サキは話を続ける…
要約すると…
・りしゃこはハロモニアの重要人物の娘
・サキはりしゃこのお目付け役兼護衛役
・サキはハロモニアの兵士、厳密には考古学・歴史学者になる
・りしゃこが成長して時期がきたらハロモニアに連れて行く約束
など…
「ねーシスター?りしゃこのママはどんな人なんだもん!?」
今までの泣き顔がすっかり笑顔のりしゃこがわくわくしながらサキに質問する
だがサキもりしゃこの母親が誰かは知らない、と言う。女王の指令でりしゃこを守ることのみを伝えられたのだ―
がっかりするりしゃこだったが、思わぬ幸運とママに会える希望に胸がときめいていた―
11 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:08:35
118 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/28(木) 17:14:53.42 O
だが、ここで憮然としている者が一人…
「…待ってよ!何なの!?訳分かんない!!」
話に置いてきぼりのミヤビ
「じゃあ、私は…」
りしゃこが『ハロモニアの重要人物の娘』と聞き、同じ孤児院で育てられた自分は何物なのか…ミヤビは事情を知ってるであろうサキに質問する
ミヤビからの質問に、目を閉じて、しばらくの間考えた後、サキが切り出す
「覚悟は出来てる?」
その一言にミヤビは動揺した…
まるで、りしゃこ同様かそれ以上に、今までの自分が根底から覆されるかも知れないのだ…
でも、知りたい…
意を決してミヤビはサキに向かって「知りたい…」と伝えた―
12 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:10:13
128 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/28(木) 22:43:09.18 O
ミヤビの決意の言葉を聞いたサキは少しためらった素振りをした後、静かに口を開いた―
「…驚かないでね。実はあなたは…」
口にしかけたところでまたサキが少しためらう
固唾を呑んでサキの言葉を待つミヤビ
「…あなたはりしゃこの実のお姉さんなの…」
サキ「リl|*´∀`l|<でも嘘なんだよ」
繁ノl#∂Д∂'ル
プッ 州*‘ ー‘リ
…このあと、ミヤビが炎の魔法でりしゃことサキを丸焼きにしたのは言うまでもない―
13 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:12:35
131 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/29(金) 00:09:21.27 O
お肉が焼ける香ばしい匂いが充満する食堂の中、ミヤビがサキに問い詰める―
「…ねぇ、ホントはどうなの!!」
『実はあなたは、私の実の妹』とボケようと思っていたサキだが、次こそは本当に火炙りの刑にされる!と感じ、素直に答えることにした―
「ミヤビの両親はエリート魔術師なの」
「…ホントに?…」
完全に疑ってかかるミヤビ
「悲しいケド、これって本当なのよね…」
どこかで聞いたようなセリフをのたまうサキ
「…ミヤビがお姉ちゃんじゃなくてさみしいもん」
りしゃこはちょっとがっかりする
自分の両親がエリート魔術師なのを聞いて思わず嬉しくなるミヤビ。りしゃこと違って平凡なのが気にくわないが…
14 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:13:40
134 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/29(金) 00:55:16.77 O
取り敢えず旅立つ目的と決心は出来た
あとは、あと一年後に迫った魔導大会に優勝してりしゃこの母親に会うこと―
そのためには準備と計画が必要だ
今までノープランで挑む強者は掃いて捨てる程いたが、その多くは冒険の途中で命を落とす羽目となった…
「…ねぇ、シスター?」
「もうシスターじゃないよ!?」
「じゃあ何て呼べばいいもん!?」
「そうねー、『キャプテン』がいい☆カナ?」
すっかりキャラが180゜変わってしまったサキに呆れ果てるミヤビ…
15 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:16:07
138 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/29(金) 02:18:57.22 O
シスター・サキ改めキャプテン・サキがりしゃことミヤビに今後のことを告げる
まず、三日間の内に旅の支度を済ませる
ここ、ベリーフィールズはハロモニアの南東部の端にあるため、中央に位置する王都・ハロモニアキャッスルにたどり着くには
『迷いの森』や『霊峰』やら『死の大地』といった難所をくぐり抜けていかねばならないから、万端の準備が必要だ。
そして、三日後―
思い出深いベリーフィールズの街を後にする時が来た
街の人々がわざわざ見送りに来てくれた
孤児院のりしゃことミヤビは街の人々にとってはちょっとしたアイドルだったからだ
三人にとっては長く住み慣れた街。りしゃことミヤビはどうしても溢れる涙が止まらない
街の人々の見送りを背に、馬車に乗った三人はようやく旅立つ
「それじゃ出発進行〜♪」
キャプテン・サキの掛け声高らかに街の門をくぐり抜けてハロモニアへ進み始めた
それにしても、この女、ノリノリである…
16 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:17:24
140 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/29(金) 06:55:30.38 O
ようやく旅に出たりしゃこ一行。まずは道なりに草原を進んで隣の街・ベリーナイスまで向かう
隣町・ベリーナイスはベリーフィールズと違って様々な地域へ向かう際の交通拠点のため、非常に賑やかなところだ―
これからの長旅には必要な…例えば、ベリーフィールズで準備出来なかったものを購入したり、
酒場にある『ギルド』で仲間を募ったり出来るチャンスだ
ただ、それでも隣町とはいえ、最短で5日はかかる―
旅に出ること自体初めてのりしゃことミヤビは期待と不安が入り交じっていた
148 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/29(金) 12:00:15.02 O
りしゃこ一行はあと一年に迫った魔導大会に間に合うため、旅路を急ぐ
…素振りは無く、むしろ目的地に向かいながら、世界を見てまわったり、仲間を集めたり、といったことを同時進行させるつもりのようだ
ベリーナイスへの道は比較的平坦であまり変わらない風景が続けていた
ヒマすぎて仕方ないのか、はじめははしゃいでいたりしゃことミヤビもいつしかうとうと居眠りしだした…
だが、急に馬のいななきと共に馬車が止まって二人は目を覚ます―
17 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:18:31
150 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/29(金) 13:59:07.73 O
「…何!?」
すぐさま飛び起きるミヤビ
「…うーん…もうバナナは食べれないもーん…」
寝ぼけているりしゃこ
りしゃこを放っておいてミヤビは馬車を動かしているサキの元に行った
「どうしたの!?」
「それがね…」
サキが前方を指差す
少女が一人、道のど真ん中で倒れている―
「どーしよっか?」
「大変だよ!助けないと…」
もっともらしいことを言うミヤビ
「でもねー、こういうシチュエーションの時ってさ、助けた人が『殺人鬼』って場合もあるじゃん?だからここはスルーしようかと」
「!!」
「どしたのミヤビ?」
「何か、あの子が動いたような気が…」
18 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:19:45
152 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/29(金) 16:27:13.68 O
しばらく考えこむサキ
なかなか助けにいかないのかが不思議で仕方ないミヤビ
「もう面倒くさいから、もーいいや。放っておこう」
サキの発言にミヤビ思わずのけぞる。ここ数日の変貌ぶりにはついていけてない様子だ
そして、道のど真ん中で倒れている少女もサキの発言を聞いてか、突然苦しみ出す
「…ううう、もう動けないですよぅ…」
顔を見合せるサキとミヤビ
「…何か…助けなきゃいけないシチュエーションに、なっちゃったよね…?」
「…そうだよね…」
それでもまだ、あまりのタイミングの良さと不自然さにためらっているサキとミヤビ
しばらくすると、先ほどより聞こえるような大きめの声で「…ううううう…もう!動けないですよぅぅ…」と催促するかのように助けを求める少女―
19 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:21:27
155 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/29(金) 18:21:13.36 O
うめき声をあげて助けを求める少女―
サキとミヤビは―
…無視することに決めた
よくよく考えると倒れ方からうめき声まで全部怪しい…怪し過ぎる…
馬に鞭をくれて先へ進む馬車―
丁度、馬車が少女を通り過ぎようとした時、
「…も〜う〜動〜け〜な〜い〜助〜け〜て〜…」
とうめき声が一層大きくなった!
「!!」
ここまでくると『怪しい』ってレベルではない
サキは黙って馬にもうひとつ鞭をくれて逃げる決意をした…
20 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:22:30
158 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/29(金) 19:28:43.61 O
馬が歩調を早足から駆け足に変え始めた
しばらくして後ろを振り返ると、倒れてた少女の姿は見えなくなっていた…
ほっとするサキ
しかし!
「ぎゃあ〜〜〜〜〜!!」
マンドラゴラかと思ってしまうような金切り声が聞こえてきた!
すぐさま馬を止めて後ろを振り替える―
繁ノl#∂Д∂'ルつ
思い切り顔面を強ばらせているミヤビの姿が目に飛び込んできた―
21 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:23:54
164 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/29(金) 23:03:31.41 O
強ばった表情のミヤビの傍には、どこかで見たような…
それもごく最近、
いや、そんなもんじゃない…
今、さっき!
確か仏恥義理で放ったらかしにしたハズの…!
ル*’-’リ<もぉ〜!置いていっちゃヤですよぉ〜ウフフ
…あの少女がいた…!!
サキは思わず卒倒してしまった…
ミヤビはボー然としている…
りしゃこは寝ぼけたまま…
時が止まってしまった―
22 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:25:15
170 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/30(土) 06:11:41.75 O
ここ数分間の間に起きた怪奇現象に固まりまくりのミヤビ
だが、ふと我にかえっておそるおそる少女に向かって尋ねた
「…あなた一体、何者なの!?」
だが、少女はその質問に答えることはなかった―
ルヽ´-`リ<…あぁ…もぉ…だめぇ………
バタン!!
少女がいきなり倒れてしまった
もう何がなんだかわからないミヤビ
それでも取り敢えずわかったのは、この少女、幽霊の類ではないらしい
心配なのだが慎重に少女に近寄るミヤビ
ルヽ´-`リ<…おなかペコペコで…もぉだめですぅ……
開いたアゴ…もとい、開いた口がふさがらないミヤビ
『おなかペコペコ』の言葉に過剰反応して急に目を覚ますりしゃこ
と倒れたハズのサキ…
23 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:26:41
171 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/30(土) 06:44:20.41 O
…そういえば出発してからまともに食事をしてないことに気がつく一行
少女にも聞きたいことがてんこ盛りなので、馬車を停めて、見晴らしのいい場所で昼食をとることにした―
袋から食料を出してちょっとしたピクニック気分での昼食。ミヤビには新鮮だった
(外で食べるご飯ってと〜ってもおいし〜い!)
そんなほのぼのした空気を台無しにしたのが…
「ミヤビー、おかわりー」「りしゃこもおかわりするもん」
「とってもおいしいですぅウフフ。おかわりお願いしまーす!」
育ち盛り食べ盛り
底なしの胃袋の三人衆
またしてもミヤビの開いたアゴ…もとい開いた口がふさがらなかった…
24 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:27:59
173 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/30(土) 08:28:52.26 O
昼食を終えて一服したあと、サキは謎の少女に―
『…いきがかり上、助けてあげたケド、あなた一体何者なの?』
と質問する前に
「モモでぇ〜す!ヨロシクお願いしま〜す(はぁと)」
…聞かれてもないのに一人でしゃべってしまう少女―モモ
「ハロモニアからあちこちを旅してたんですけどぉ、お金が無くなっちゃってぇ、仕方ないから馬車に乗らずに歩いて行こうと思ったんですけどぉ…」
「…行き倒れになったわけね…」
あまりに一人でしゃべっているのでイライラきたのか言葉を遮るサキ
「そぉ〜なんですよぅ!!ホントたいへんだったですぅウフフ」
嬉々としてしゃべり続けるモモ
その様子を見てミヤビは(きっとウザがられてたんだろうな…)と気の毒に思った―
モモと、モモにうっかり話しかけた人に…
25 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:29:07
176 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/30(土) 10:56:03.14 O
それからまた30分くらいは一人でしゃべりまくったモモ…
目を覚ましたりしゃこはまたうとうと居眠りを始めるミヤビもこっそり欠伸をする
サキは呆れ果てる
モモについてわかったことは…
・ハロモニアから来た旅人・お金が無い
結局、それくらいしか聞き出せなかった…
また、困ったことに『一飯一宿の恩は働いて返す』と、りしゃこ一行について行く、と言いだした…
頑なに断ったキャプテン・サキだったが、
『モモ憲法・第69条に一飯一宿の恩は働いて返せ』と言い張るモモに根負けして、仲間に加えることにした…
キングボ〇ビー・モモの誕生である―
26 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:30:14
178 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/30(土) 13:50:48.43 O
モモを仲間に加えて?ベリーナイスへと進んでゆく一行
道中、トラブルらしいトラブルは無く(モモの仲間入り以外は)、予定より早くベリーナイスに到着した
道のりとしては、現在のベリーズ地域からキュート地域を抜けてハロモニアへと向かう予定だ
すんなり行けば1ヶ月から2ヶ月でハロモニアに到着し、魔導大会の準備やりしゃこやミヤビの母親捜しの時間も十分出来る―
ただ、次の目的地・キュート地域の最大都市・キューティアまでは難所が待ち構えている
その前に、ここベリーズ地域最大都市・ベリーナイスで万端の準備をする必要がある
頼れる仲間の補充、アイテムや食料の補充、路銀稼ぎの仕事の請け合いなど…大事なことは沢山ある
特に扶養家族(モモ)が増えた今、キャプテン・サキはギルドでの仕事の請け合いを優先させるため、
予定より長く、ベリーナイスに滞在することを決心した―
27 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:31:54
182 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/30(土) 16:08:30.14 O
ベリーナイスの街を探索する一行
まずは宿探しだ
旅をする以上、今までの教会生活のような寄付や差し入れが無くなったわけなので、安くあげる必要がある
5〜6軒の宿を回っていると、子供のりしゃこやミヤビは豪華な宿に泊まりたい、と駄々をこねだす
何せ質素な孤児院育ちだから豪華な宿に泊まりたがる気持ちはわかる。でも、節約しなきゃならない―
サキが宿選びで迷っていると突然、モモが「あそこにしましょ」と指を差す
その先には普通ランクの宿だった
「ちょっと待ってて」と言うなり一人で宿に入っていくモモ
5分後、嬉しそうな顔をしたモモが戻ってくる
「えへん!あの宿に決まりました!」
サキとしてはもうちょっと安い宿を考えていた
そんなサキの気持ちをお見通しなのか、
「なんと半額ですよぉ〜ウフフ」と言う
サキはびっくりした…予想以上に安くなったからだ
サキも快諾し、宿の部屋へ向かう
…宿屋の人達が憐れみの目で一行を見ていたのは少々気になったが…
28 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:34:03
188 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/30(土) 18:42:55.15 O
宿も決まって取り敢えず部屋でくつろぐ4人…
サキは胸のモヤモヤを取り除きたくてモモに聞いてみた
「何故、宿代が半額になっちゃったの?」
「…ここだけの話ですけどぉ…あたし達、孤児院のシスターとその子供達、という設定なんですよぅ〜」
偶然とはいえ、ほんの数日前までの生活に逆戻りだ
「シスター役のサキちゃんが暴力をふるうダンナに愛想を尽かして子供達と一緒逃げてる、
って涙ながらに話したら、宿屋のおじさんが半額にしてあげるって…」
「だから皆さんそのフリをして下さいねぇ〜」
…憐れみの目だったのはこのことか…
聞かなきゃよかった…と後悔するサキ
でも、GJ!!
29 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:35:31
197 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/30(土) 23:14:45.56 O
ベリーナイスにたどり着くまでは厄介者と思っていたモモが、宿屋代を値切って、意外に役に立ったのを満足するサキ
でも、まだ気を許せないのは確かだ…
それでもこの街でしなきゃならないことは沢山ある…
取り敢えず、サキはモモを一人にする訳にいかず、4人で食料の買い出しやギルドでの仕事探しのために外出をすることにした
4人で街をしばらく練り歩いていると、人だかりが出来ている―
なにやらケンカのようなので、トラブルに巻き込まれたくないサキは近づかないようにした
が、モモがいない―
いつのまにか野次馬となっていたようだ…
モモの野次馬根性に呆れるものの、放っておく訳にいかず、サキたちも人だかりの中に割って入った
すると、大の大人が子供達相手に罵声を浴びせている…
一人の少女は泣きべそをかいており、男の子の方は大人に食ってかかっている…
30 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:36:37
206 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/06/30(土) 23:49:14.46 O
「おい、厚化粧のクソババァ!オレの妹に何しやがんだ!」
「ンマー!!ワタクシのことをクソババァですって!!ンマー!!」
「クソババァをクソババァって言って何が悪いんだ!!それよりオレの妹に謝れよ!!」
「ンモー!堪忍袋の緒がキレたザマス!!」
男の子に罵倒された厚化粧のオバサンは手にした扇子を男の子の顔面めがけてフルスイング!!そしてクリティカルヒット!!
男の子も反撃を試みるがオバサンの飼ってる毛むくじゃらの大型犬に阻まれ反撃できない…
「オーホッホッホッホッ!!何も出来なくて悔しいザマスか?クソガキ!!」
オバサンになじられ、みるみるうちに泣きべそ顔になる男の子
「あの男の子、かわいそうだゆー」
「ホント!許せない!!」
りしゃことミヤビが憤る
トラブルは避けたいサキだったが、さすがにオバサンを許せなくなってきた
と、その時!!
31 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:38:31
217 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 00:45:49.77 O
どこからともなく卵が飛んできて、厚化粧のオバサンの顔面に見事に命中!!続けざまに2個、3個とさらに命中していく
一瞬、何が起きたかわからなかったオバサンだったが、卵が顔面にぶつけられたことに気付き、
「ンマ〜〜〜〜〜!!!」と雄叫びをあげる
「おばちゃま、子供相手に暴力なんてサイテーですよ!!」
声の主はモモだったが、いつものぶりっこ口調でなく、明らかに怒っている声だ…
悔しがるオバサン。
「チャールズ!!あのバカ女に噛み付いてしまいなさい!!」と傍らにいた大型犬に命令する
即座に飛び掛かるチャールズだったが、モモが再び小袋をチャールズの顔面にヒットさせる!
次の瞬間、チャールズが悲鳴をあげて、地面をのたうち回っている…
「さすがに胡椒を食らったら、ひとたまりもないですねぇ〜」
チャールズを尻目にオバサンに近づくモモ
卵まみれのオバサンの顔を見て「プッ♪」と吹き出すモモ
最大限の侮辱に怒りに震えるオバサン
「厚化粧、崩れてますわよぅウフフ」とトドメをさすモモ…
厚化粧が崩れたと聞いて、慌てて顔を隠し、逃げていくオバサン
32 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:41:04
225 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 07:19:58.48 O
一目散に逃げていくオバサンを尻目に子供達に駆け寄るモモ。
そして、男の子に「…もう大丈夫よ。痛くなかった?」
と優しく声をかける
男の子は黙っている…。きっとオバサンに何も出来なかった悔しさで何も言えないのだろう…
先ほどまで泣いていた女の子は、オバサンが逃げたのに気づいてようやく泣き止んだ
と、突然、周りの野次馬達から拍手が起こった…
キョトンとするモモ…
同じく、キョトンとしてる子供達…
さらにキョトンとしてるりしゃこ達…
その時、何か閃いたのか、モモが手持ちの布袋を口を広げた状態で置き、
拍手する野次馬達に両手をあげて歓声に応える
そして、スカートの裾をつまんで、可愛くお礼のポーズをとる―
すると、どこからともなく、コインが飛んできた…
おひねりだ!!
この異様な光景を、子供達やりしゃこ達はポカーンと眺めているのだった…
33 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:43:32
226 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 07:40:04.17 O
しばらくして周りにいた野次馬達も少しずつ立ち去り始める
おひねりをかき集め、子供達に再び駆け寄ると、まず、女の子に「もう大丈夫!!」と優しく抱きしめる
泣き止んだ女の子も元気になって「うん!」とモモに言った
次に、男の子のところに行き、「…よくやったぞ!えらいよお兄ちゃん」と男の子の頭を撫でてやった
すると男の子がモモの頭を撫でている手を払いのける
最初は照れ隠しかと思ったが…
リ#・一・リ<オレは女だ!オ・ン・ナ!!
ポカーンとするモモ
とりしゃこ達
でもしばらくすると、女の子が
ノソ*・ー・リ<ありがとうお兄ちゃん!!
と言うではないか!!
リ;・一・リ<…
思わず黙り込んでしまう『お兄ちゃん』
34 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:46:09
227 名前:名無し募集中。。。[マーサー王楽しみに見てます] 投稿日:2007/07/01(日) 08:07:56.98 O
そんなコントみたいなやりとりに
本日2度めのおひねり!!
中には「いいぞ!」「もっとやれ!」と煽る野次馬もいた…
りしゃこ達はその場から一旦そそくさと立ち去って
モモと兄妹?は前回同様お礼のポーズを決めて退場していった…
モモと兄妹?が人だかりから離れてしばらく歩いていると、りしゃこ達がモモ達に駆け寄ってくる
「モモちゃんカッコよかったもん!!」
「すっごくスーっとしたよ!!」はしゃぐりしゃことミヤビ
「…わたしは恥ずかしかったわ…」とサキ。表向きはそう言うものの、表情は怒ってるどころか誇らし気である―
ちょっと照れくさそうに「…見てたんですかぁ〜?恥ずかし〜ですぅウフフ」とモモが言う
「でもぉ、モモに惚れたらダメですよぉ〜ウフフ」
またもポカーンとするサキ
「ほれちゃったもーん!」「わたしもわたしも〜!」とモモの策略にハマるりしゃことミヤビ
女の子がモモに向かって
「お姉ちゃん、ありがとー!!」と元気良くお礼を言う
お兄ちゃん?も「…ありがとう…」とボソッと言う。照れてるのだろう
二人を見て、笑顔のモモ
35 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:48:18
229 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 09:41:34.87 O
そんな微笑ましい雰囲気をぶち壊す出来事が―
…ぐぅ〜きゅるるる〜…
みんな一斉に音のなった方向へ向く
「…アハハ…ゴメ〜ンチャイ!」よりによってサキだった
みんなの気を反らすため、「ね、ね、みんなご飯にしよ?おなかペコペコじゃない!?」
と言ったところでみんなのおなかも
ぐぅ〜〜〜〜きゅるるる〜と条件反射のように鳴り出す…
みんなで顔を見合せて大爆笑した
しばらくして、食堂に入ったご一行、モモが「お金ならコレがあるから」とおひねりの入った袋を取り出す
お言葉に甘えて遠慮なく食べまくるご一行
次から次へと皿が重なっていく様はかえって清々しい
ようやく食べ終えてから、モモが兄妹?に事の顛末を尋ねた
すっかり警戒心の溶けた兄妹?は自己紹介をする
「オレの名前はチッサー=オ・カール。で、妹がアッスー=オ・カールって言うんだ。ヨロシク」
36 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:50:17
234 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 12:41:02.80 O
みんなで食事をした後、チッサーが事の顛末を話し出した
オ・カール一家はこのベリーナイスに商売のために来た、と言う
キュート地域の街で小さいながらも地道に食料品のお店をしている、と。そこそこうまくいっていた、と。
ただ、最近ハロモニアから大きな総合販売店「マコーレ」が来たため、売り上げが落ちて苦心してるのだ、と言う
世間を知ってるサキとモモは「マコーレ」のことはよく知っていた。
女王御用達の総合販売店として有名だ。確かに、客をとられて大変だろう…
幼いオ・カール姉妹は何故ベリーナイスに来たかの理由は知らない
店を閉めてまでここにくるのだからかなり深い事情があると思われる…
ちょっとしんみりしかけたところで、例のオバサンとの話を聞いてみた
そこで驚きの事実が…
聞けば、その厚化粧のオバサンこそ、「マコーレ」の大店主・ピーマッコ婦人だという…
どうやらケンカの発端は、アッスーが大通りの曲がり角でピーマッコ婦人にぶつかったのが原因だ
気位の高いピーマッコ婦人が汚らわしい子供、とアッスーを罵倒して泣かせてしまった、と。
それに怒ってチッサーが食ってかかった―という訳だ
37 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:51:33
236 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 14:05:12.56 O
ピーマッコ婦人の仕打ちに憤るサキとモモ
子供心によくわからないがなんとなく怒るりしゃことミヤビ
「絶対仕返ししてやるんだ!!」と鼻息の荒いチッサー
いつしか日も暮れようとしたので食堂を出ることにした
先に会計を済ませるために店主のところへ行くモモ
モモが会計を済ませたのを確認して店を後にするご一行
宿屋同様、憐れみの目で見られるご一行…
サキは理由を知っていたが敢えて何も言わなかった…
店でお別れの時、モモが急に「ギルドで仕事探しをしてきます〜ウフフ」と足早に一人立ち去っていった―
ここ数日のモモの働きをみて、信頼することにしたサキ
そしてりしゃこ達は宿屋へ帰って行く
が、何故かオ・カール姉妹もついてくる…
(きっと、途中までの道が偶然一緒なんだ…)と思い、すたすた歩いていくりしゃこ達…
だが、姉妹と別れることなく、宿屋に着いた…
「あれ?ねーちゃん達もここの宿屋なの?」
「…ひょっとして、チッサー達もここなの?」
偶然にも、同じ宿屋だったようだ
38 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:54:12
238 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 15:21:21.18 O
そこでチッサーが両親を紹介する、という
隣の部屋に駆け込む。しばらくして人の良さそうな夫婦が出てきた。オ・カール夫婦だ
オ・カール夫婦はサキに丁重にお礼を述べ、立ち話もなんですから、とサキを部屋に招き入れた
その間、りしゃこ達は子供達同士で遊ぶことにした
オ・カール夫婦が言うには、ベリーナイスには、特産品『霊峰キノコ』を仕入れにやってきた、という。
「マコーレ」に売り上げを奪われているが、『霊峰キノコ』だけはオ・カール夫婦店だけしか扱ってなかった。
が、しかし、ピーマッコ婦人が仕入れ先を嗅ぎ付け、『霊峰キノコ』を二倍の値段で買い上げる上に独占契約を結ぼうとしてるのだ―
商売の世界は弱肉強食の世界だが、「マコーレ」には黒い噂も少なくない…
やりきれない気持ちのサキ
隣の部屋ではそんなことも知らず、無邪気に遊んでいる子供達
もし、今回の仕入れに失敗したら、オ・カール一家はどうなるだろう?
サキは小さな胸が締め付けられる思いに駆られた―
39 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:56:27
241 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 16:21:58.87 O
長居をしたつもりはなかったが、いつのまにか窓の外はすっかり暗くなっていた…
重い空気が漂う部屋の中、(自分に何かこの一家にしてあげられる事はないだろうか?)と考え込むサキ
ふと、窓の外で街の灯りをぼーっと眺めている内に閃いた―
「ちょっと待ってて下サイ」と言うなり、部屋に戻るサキ
遊んでいるりしゃことミヤビに手招きして呼び寄せる
「どうしたのサキちゃん?」「何か用かもん?」
せっかく遊んでいたのを中断されてちょっとご機嫌ナナメなミヤビとりしゃこ
「あのね…」と二人に耳打ちするサキ
「へぇ〜いいジャン!!」「何か面白そうだもん!」
とサキの考えにノリノリの二人
二人の意志を確認すると、オ・カール一家を呼び寄せるサキ
「これからオ・カールさん達にお見せしたいものがありマス」
と言うと、一家を街の外れに連れ出すサキ
そして誰もいない森の原っぱにくると、
「これからステキなショーが始まりマス!!」とサキが言った
だが、何もない原っぱで『ステキなショー』と言われて訝しがるオ・カール一家
40 :
名無し草:2007/07/10(火) 19:58:09
244 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 18:24:00.98 O
ショーの始まりを告げた後、サキも森の中へ消えていく…
しばらくして
暗いはずの夜空が明るく照らされた…
花火だ―
滅多に見られない花火が次から次へと打ち上げられていく…
花火なんてとても高価なので、大きな祭ぐらいでしか使われない代物だ
興奮状態のオ・カール一家
そして10分ほどの短いショーが終わった後、汗だくのサキやりしゃこ達が森から帰ってきた
「わぁー!とってもステキー!!」
「りしゃこ、お前スゲーな!!」チッサー達も興奮醒めやらない
「でもどうやって花火なんて出来たんだ?」と聞くチッサー
事も無げにサキが
「…みんなにナイショだけど魔法だよ」と姉妹に耳打ちをする
「!!」言葉を失うオ・カール一家
それもそのはず、この世界では魔法が存在するとはいえ、使える人間はごく一握りだ。
そのため、王都・ハロモニアでは魔法の使える子供達をスカウトするという―
そんな珍しい魔法が見られたのだ―
41 :
名無し草:2007/07/10(火) 20:07:57
250 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 20:24:50.94 O
オ・カール一家が元気になったことで森から街へと帰り道をたどるりしゃこ達ご一行
ちょうど街の入り口に差し掛かってきた時だった
りしゃこがモモの存在に気付いた
そしてモモを呼び止めみんなで宿屋へ向かった途中チッサーから花火の話を聞いて本気になって梅しがるモモ
それよりモモが驚いたのはり3人が魔法使いだったことだ
今までナイショにされてたことに拗ねていたが、秘密を打ち明けてくれたことは素直に喜んでいた
サキはモモにギルドで仕事が見つかったか聞いてみた
「見つかったんですけどぉ、夜のお仕事なんですよぉウフフ」
と嘆いているのか嬉しいのかよくわからない返事だった
宿屋に帰ってきたりしゃこ達は魔法の使い過ぎに疲れたのかベッドに寝転がるなり寝息をたて始めた…
サキは寝付いたりしゃことミヤビをじっと見つめて、これからの旅のことなど物思いに耽っていた
42 :
名無し草:2007/07/10(火) 20:09:32
256 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 21:49:18.81 O
「?」
サキが何かの拍子に目を覚ますと窓の向こうの屋根づたいに
ピンク色の物体が走り抜けていくのを目撃した…ような気がした
しかし、屋根を移動する動物なんてネコぐらいしかいないし、ましてやピンク色のネコなんて見たことがない…
…サキは気のせいにすることにした…
ほどなくして、モモがこっそりと物音を立てずに帰ってきた
真夜中の仕事とは聞いていたが、こんなに遅いのにはびっくりした
「ふぁぁ…遅かったわね…一体、何の仕事だったの!?」
サキが起きてたのに驚いたモモ
そして酒場で働いていたことを明かす…
モモが無事帰ってきたことで急に猛烈な睡魔がサキに襲いかかってきた…
目を覚まして、気がつくと、サキのベッドにモモが潜り込んでいた―
夜遅くまで働いていたモモを労って寝かしてやることにしたサキ
だが、その時すでに事件が起きていた―
43 :
名無し草:2007/07/10(火) 20:19:44
258 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/01(日) 23:01:51.02 O
目が覚めたサキは宿屋を出て、散歩がてらに朝のベリーナイスの街並を散策することにした
サキ達の宿屋のある東地区から一番の繁華街の中央地区まで歩く。
8時だというのに賑わっている
この街で一番豪華な宿屋に差し掛かってきた時だ―
「ぎゃああああ〜〜〜〜〜!!」
とこの世のものとは思えない叫び声が聞こえてきた
豪華な宿屋からだ!
事件の匂いとお金の匂いを感じとったサキは宿屋のお手伝いさんをスルーしながら叫び声の元へと急いだ
そして部屋を探り当て、挨拶も無しに飛び込んでいった―
そこには笑撃の光景が広がっていた
叫び声の主・ピーマッコ婦人だが、厚化粧がグロテスクなものになっている上に、
額に何故か『肉』と書かれていた―
きっと、朝一番に鏡を見て悲鳴をあげたのだろう…
笑いをこらえるのに必死なサキ
きっと、盗賊が入ったのに違いない…
根っからの商売人のピーマッコ婦人は素早く他に被害がないか、
部屋の中をキモい厚化粧を落とすことなく調べてまわった―
そして、またしてもピーマッコ婦人がこの世のものとは思えない叫び声をあげた―
44 :
名無し草:2007/07/10(火) 20:21:47
264 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 00:46:25.92 O
すぐさまサキがピーマッコ婦人のところへ駆けつける
「…チャールズ!!チャールズ!!」
サキが見たのは、変わり果てたチャールズの姿
ふさふさだった自慢の毛並みは無惨にも羊のように刈り取られ、まるでチワワのようだ
「…一体誰ザマス!?ワタクシにこんなことする愚か者は!?」
鼻息荒く、報復を誓うピーマッコ婦人
ここでようやくサキの存在に気付いたピーマッコ婦人
早速、サキに
「あらアナタ!いいところにいたわ!ワタクシのチャールズをこんな目にあわせた犯人を捜し出して頂戴!!」
とヒステリックに言い放つ
笑いをこらえるのに精一杯のサキだが、ちゃっかり
「じゃあ前金で…」と応酬する
「ンモー!!がめつい子ね!!いいわ!!これで十分ザマショ!?」と金貨の袋を投げてよこす
「毎度あり!!」と中身をあらためる現金なサキ
だが、途中で笑顔が鬼の形相に変化する―
45 :
名無し草:2007/07/10(火) 20:22:48
265 名前:名無し募集中。。。[
>>262さんありがとう] 投稿日:2007/07/02(月) 01:17:46.38 O
サキがピーマッコ婦人に
「…オバサン、こんなのいらないわよ」と貰った金貨の袋を足元に投げてよこす
「…アラ、これでは不満なの?どんだけがめついのよ!?」
と言いつつも、金貨の袋を拾うピーマッコ婦人
が、何かおかしい…
不審に思った婦人が袋の中身をあらためる
みるみると顔色が青ざめていく―
袋の中身は全部鉄クズと石ころだった―
慌てて他の袋の中身もあらためてみるピーマッコ婦人
予想通り、残りの金貨の袋もがらくただった―
「ムキー!!」と言うなり、泡を吹いて倒れてしまったピーマッコ婦人…
『金の切れ目が縁の切れ目』とピーマッコ婦人の部屋を後にするサキ…
46 :
名無し草:2007/07/10(火) 20:26:03
267 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 01:57:47.11 O
ピーマッコ婦人が泥棒にあったことを早く言いたくて、早足で宿屋に戻るサキ
ちょうど、ミヤビとりしゃこが目を覚ましていた
「…ねぇ、チョット、聞いて聞いて!!」と人の不幸を嬉しそうに話すサキ
ピーマッコ婦人に天誅が下ったことに大喜びするりしゃことミヤビ
早速、二人は隣のオ・カール一家の部屋へ飛び込んでゆく
朝っぱらから迷惑をかけては…と二人の後を追って部屋に駆け込むサキ
ちょうど、オ・カール一家も目が覚めたところらしい
「チッサー、ニュースニュース!!」と嬉しそうにしてる二人
ただ、興奮のあまり、何を言ってるのかわからない…
仕方なく、目撃者のサキが事の顛末を話すことにした
思わぬ吉報に早速、身支度を整え、仕入れ先へ向かうオ・カール夫婦
その間、チッサー姉妹はりしゃこ達と遊んで待つことにした―
2時間後、満面の笑みを浮かべたオ・カール夫婦が帰ってきた
予想通り、霊峰キノコの仕入れを契約できた、と言う
オ・カール一家の苦労を知ってるだけに、りしゃこ達はまたも大喜びだ
47 :
名無し草:2007/07/10(火) 20:27:31
270 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 06:29:46.37 O
大喜びのりしゃこ達だったが、いつの時代も出会いがあれば別れもある―
ピーマッコ婦人の盗難騒ぎで大逆転したオ・カール一家がすぐさまキュートの街へと戻る、というのだ―
商売の世界は弱肉強食、とサキは理解できても、子供達には理解できるものではなかった…
夕方にはベリーナイスを発つ、ということで、サキと子供達とで街に遊びにいくことにした―
一方、モモもようやく眠い目をこすりながら起きてきた
サキがオ・カール一家とのお別れの件を伝えて、最後に子供達と街へ遊びにいくのでモモを誘ったのだが、
「仕事が残っているからゴメン」と断ってきた
仕方なく、子供達と遊びにいくサキ
お腹いっぱい思い出いっぱいみんなで遊び回った
そしていよいよお別れの時がきた―
48 :
名無し草:2007/07/10(火) 20:28:36
271 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 07:50:26.50 O
沢山の霊峰キノコを積んだ馬車がベリーナイスを発とうとしている
りしゃこ達とオ・カール一家はたった2日間だったが、とてもステキな時間を過ごすことが出来た
名残惜しむ両者
不意にモモからチッサー姉妹にプレゼントがある、という
「わあっ!とっても可愛い!!」「可愛いじゃん!」
それは手作りのピンクの熊のぬいぐるみだった
(仕事が残っているから、ってこの事だったのね…)とサキは感心する
49 :
名無し草:2007/07/10(火) 20:29:59
275 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 11:45:40.89 O
そしていよいよ本当にお別れの時がきた
「今度はオレん家に遊びに来いよ!じゃあな!!」
「うん…きっと遊びに行くもん!!」
子供達同士の可愛いらしくてまぶしい友情物語―
みるみるうちに馬車が遠く…そして見えなくなっていく…
いつしかりしゃこの目に涙が光っていた…
「ねぇ泣いてるの、りしゃこ?」とミヤビが声をかける
「…泣いてないもん!泣いてたらチッサーたちが帰れなくなるから泣かないもん!!」
ちょっと強がっているりしゃこがいじらしくて、ミヤビは何も言わず、ぎゅっと抱き締めた…
強がっていたりしゃこも寂しかったのをこらえきれず、ミヤビの胸で泣き始めた…
そんな光景を見て、お母さん気分のサキ
50 :
名無し草:2007/07/10(火) 20:31:26
276 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 11:58:02.97 O
「…行っちゃったね…」
とポツリと言うモモ
「あのぬいぐるみ、大事にしてくれるかな…?」
「…大事にしてくれるよ、きっと」と答えるサキ
「そうだよね!?そうじゃなかったらチャールズも浮かばれないものね!!」
「チャールズ?」
「…ううん、独り言独り言…」
怪訝そうな顔をするサキ
一方、その頃、オ・カール一家の馬車の中でも、とんでもない事件が発生していた―
街へ帰る道中のオ・カール一家が野宿をしていると、食料袋の中から小さな重い袋が4つ出てきた
早速、中身をあらためてみると金貨がぎっしり詰まっていて、ピンク色のメッセージカードが入っていた―
『M.P参上』―
51 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:04:33
279 :名無し募集中。。。:2007/07/02(月) 14:44:20.18 O
オ・カール一家が去って、りしゃこ達もベリーナイスを後にすることにした
結局、戦力補強がうまくいかなかったので、滞在する理由が減ったのだ
また、モモが『夜の仕事』をしてくれたおかげで資金的なゆとりが出来て、次のキュート地域に旅立つ準備が出来たのだ
「ねぇ〜?これからど〜するのぉ〜!?」
今までの居候の立場はどこへやら、すっかり仲間のポジションに収まったモモがサキに訪ねる
「とりあえず、この森を抜けた方が近道だと思うの」
と、サキが地図で森の位置を指す
サキの指した場所をみて、モモが血相を変えて大反対した
「そこは『妖精の森』。だけど、今では『迷いの森』なのよ〜」
モモが言うには、最近になって妖精の森で遭難者が多発してると…
ただ、大人のサキを説得できても、「妖精さんに会いた〜い!!」と駄々をこねるりしゃこを説得するのはさすがのモモでも無理だった…
りしゃこ一行は妖精の森へと進路をとった―
52 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:21:33
279 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 14:44:20.18 O
オ・カール一家が去って、りしゃこ達もベリーナイスを後にすることにした
結局、戦力補強がうまくいかなかったので、滞在する理由が減ったのだ
また、モモが『夜の仕事』をしてくれたおかげで資金的なゆとりが出来て、次のキュート地域に旅立つ準備が出来たのだ
「ねぇ〜?これからど〜するのぉ〜!?」
今までの居候の立場はどこへやら、すっかり仲間のポジションに収まったモモがサキに訪ねる
「とりあえず、この森を抜けた方が近道だと思うの」
と、サキが地図で森の位置を指す
サキの指した場所をみて、モモが血相を変えて大反対した
「そこは『妖精の森』。だけど、今では『迷いの森』なのよ〜」
モモが言うには、最近になって妖精の森で遭難者が多発してると…
ただ、大人のサキを説得できても、「妖精さんに会いた〜い!!」
と駄々をこねるりしゃこを説得するのはさすがのモモでも無理だった…
りしゃこ一行は妖精の森へと進路をとった―
53 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:23:06
281 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 16:39:47.35 O
モモの助言をスルーして妖精の森へ向かうりしゃこ一行
かく言うモモも内心、妖精には興味があった。むしろ、誰よりも妖精さんに会いたい、と思っていたのだ―
わざと、逆の助言をして妖精の森に進路をとらせてしまったモモ、さすがプロである―
森の入り口の段階で、妖精話で盛り上がるりしゃこ達
「ねぇねぇ、妖精さんってどんな格好してるのかな?」とミヤビ
「いろんな妖精さんがいるらしいよ」とサキ
「けっこう美しい、って言うよね〜」と再びミヤビ
「可愛い妖精さんがいいもん!」とりしゃこ
「でもぉ、ムキムキマッチョの妖精さんだったらヤですよぉ〜ウフフ」とモモ
一瞬、想像して凹んでしまうりしゃこ達
「モモ〜!そんなこと言わないでよもう!」とせっかくの妄想が台無しになり、ちょっぴりご立腹のミヤビ
「ホント、夢が無いわねぇ〜」とサキ
「でも強そうだもん!」とマッチョもまんざらでもないりしゃこ
そんな調子で妖精の森に入り込んだ―
54 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:24:28
282 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 16:59:50.81 O
妖精の森は『迷いの森』のイメージと違って、木漏れ日の差し込む、おとぎ話に出てきそうな森だった
妖精さん見たさで森に入ったりしゃこ一行にすれば、妖精どころか動物一匹すら出て来ない森にはガッカリしていた
「…妖精さん、出て来ないねー」
「…うん」
「せっかく楽しみにしていたのにー」
「モモもですぅー」
「あんたは反対しとったやん!?」
「えへへ、やっぱりモモも見たかったですよぉ〜」
そんなおバカな会話の中、ずっとりしゃこが黙り込んでいる―
異変に気付いたミヤビが
「りしゃこ、どうしたの?気分が悪いの?」と問いかけるが、
「…ううん」と首を横に振る
「お腹が空いたの?」とサキの問いかけにも首を振る
「じゃあ、どうしたの?」とモモが優しく問いかけると、我慢しきれなくなって
「…りーちゃん、おしっこ!!」と恥ずかしそうに言った…
55 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:27:43
290 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 20:55:10.65 O
ゴゴゴゴゴ…
馬車から降りて用を足そうとしたりしゃこだったが、突然の地鳴りに少し先走ってしまった…
ようやく地鳴りが止んで、あらためて用を足して、ホッと一息つくりしゃこ
と、その時、茂みががさがさっと揺れた
尻もちをついてアバるりしゃこ
だが、茂みから出て来たのは、可愛いらしい、栗鼠のような生物だ
思わず、その栗鼠のような生物の後を追いかけるりしゃこ
りしゃこの帰りを待ちわびるサキ達
あまりに遅いのでりしゃこを手分けして捜すことにした―
56 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:29:04
296 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 23:28:35.53 O
栗鼠のような生物を追いかけているうちに、馬車から離れてしまい、帰り道がわからなくなるりしゃこ―
街とは違って、道を尋ねることは出来ないし、目印になる建物もない…
見渡す限り、樹木ばかり…
心細くなり、サキ達の名前を叫ぶが返事が返ってこない…
途方にくれて座り込み、泣きべそをかくりしゃこ―
どれくらい、独りぼっちで泣いたのだろう…
ふと、気がつくと、りしゃこが追いかけていた栗鼠のような生物がりしゃこの傍に近寄っていた
すがるような思いで栗鼠のような生物に手を差し出す―
栗鼠のような生物は、しばらくはりしゃこを警戒していたが
その後、りしゃこの肩の上に飛び乗り、座り込んだ
懐いたのだ
顔をすり寄せてくる栗鼠のような生物
和んでいたのもつかの間、再びりしゃこの前に予期せぬ来訪者が現れた―
57 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:30:43
297 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/02(月) 23:41:54.87 O
茂みから、一際大きな物音がする―
さっきの生物の比ではない…
りしゃこの肩に乗っていた生物もりしゃこから飛び降り、再び茂みの中へ消え去ってしまった…
また独りぼっちになり、不安が募る
茂みからの物音がだんだんりしゃこに近づいてきているのがわかる…
今までりしゃこは魔法を生きてない対象物に使ったことはあっても、生き物相手に使ったことはない…
誰よりも寂しい思いをしているから、誰よりも優しい子なのだ
茂みの向こうの生き物に魔法を使うのはしたくない―
でも、使わなきゃ自分の身が危ないことは本能でわかる―
初めての実戦での魔法に足元が震えるが、りしゃこは決心した
茂みからの物音がもうすぐ側まで来ている
ようやく物音の主が顔を出した
58 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:32:32
300 名前:名無し募集中。。。[
>>298サイコー!!] 投稿日:2007/07/03(火) 00:50:42.04 O
茂みから顔を覗かせたのは全身毛むくじゃらのゴリラみたいな化け物だった
その毛むくじゃらの化け物がりしゃこに無防備に近寄ってくる
その威圧感にアバってしまうりしゃこ
さっき用を足したばかりなのにおもらしをしてしまいそうだ…
だが、りしゃこは無我夢中で化け物に火の玉の魔法を放つ―
化け物に一直線に飛んでいった…
成功した!
見事に化け物にヒット!
したかに思えたが、なんと化け物はりしゃこの魔法を素手で払いのけた
打つ手がなくなったりしゃこ。思わず脱力して、その場にへたり込む…
化け物は一歩、また一歩とりしゃこに近寄ってくる…
もうダメだ…りしゃこに大声で泣き叫ぶ暇すらなかった
化け物がりしゃこの頭をむんずと掴む―
59 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:35:44
301 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/03(火) 01:08:20.24 O
りしゃこの頭をむんずと掴んだ化け物
りしゃこの頭の中では、きっとこの化け物が、
りしゃこに味噌かマヨネーズでもつけて、頭からボリボリ食べると思っていた
このままだと死んでしまう…ママにも会えなくなる…
頭を化け物に掴まれたまま、りしゃこは大声で泣き叫ぶ
すると、化け物が予期せぬ行動に出た
りしゃこの頭を掴んでいた手を降ろし、りしゃこをぎゅっと抱き締める―
泣きじゃくっていたりしゃこが化け物の胸に収まった格好だ
化け物を通じて伝わってくるぬくもり―
ふと、りしゃこは
「…ママ…」と口にした…
それを聞いた化け物が以外なことに
「…ママが恋しいのか?とゆいたい…」
と人間の言葉をしゃべるではないか!
呆気にとられるりしゃこ…
60 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:37:55
307 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/03(火) 06:55:14.86 O
人間の言葉をしゃべる化け物にびっくりしていれりしゃこに対し、
「…ちょっと待てとゆいたい」といって、抱きつくりしゃこを一旦離し、なにやら呪文を唱える化け物…
すると、一瞬、化け物がまばゆい光に包まれたかと思うと、あっという間に人間に早変わりした―
突然の出来事にまたもアバってしまうりしゃこ
「びっくりしたか?とゆいたい」と元・化け物
うなずくりしゃこ
続けて「…ウチの名前はマァ=サ。妖精の一族。
今後ともよろしくとゆいたい」と元・化け物が自己紹介をした
はからずも、『妖精さんに会いたい』という希望が叶ったりしゃこ。
ご丁寧にムキムキマッチョの条件も満たしている…
「…迷子になったのか?とゆいたい」とマァが尋ねると、黙ってうなずくりしゃこ
「ちょっと待つがいい、とゆいたい」
いつの間にか、マァの傍に例の栗鼠のような生物が待機していた
「マイハ、頼んだ、とゆいたい」というと、栗鼠のような生物・マイハは茂みの中に再び消えていった―
「大丈夫、とゆいたい」といって、また優しくりしゃこを抱き締めるマァ
61 :
名無し草:2007/07/10(火) 21:40:50
310 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/03(火) 08:47:53.55 O
一方、りしゃこを手分けして捜しているサキ達
お互い声を掛け合いながらの作業だったので、りしゃこのようにはぐれることはなかった
「どう?手掛かりは?」
「…ううん、何にも…」
「ホントにどこ行ったのかしら?」
「見つけたら、モモがくすぐりの刑にしてやるんだから!」と重い気分を紛らわせながら捜索作業を続ける
と、3人の前にマイハが現れ、手招きをするではないか―
道をひょいひょい進むマイハの後をついていく3人
62 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:08:03
318 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/03(火) 11:59:26.93 O
栗鼠のマイハの後をついていくと、やや大きめの広場で、りしゃこと見知らぬ女性が抱き合っているのを発見する3人…
りしゃこを見つけた嬉しさから、思わずミヤビが
「りしゃこ〜!!」
と叫ぶ
ミヤビに気付いたりしゃこも顔をくしゃくしゃにして「みや〜!!」
と叫ぶ
そして抱き合って、大声で泣き出す…
サキとモモは敵ではないと思ってはいるが、用心のため、女性に素性を尋ねた
マァが妖精である、と明かすとサキとモモは不謹慎にも
「プッ!」
と吹き出してしまった…
みんなで会話してたムキムキマッチョの妖精が、本当に実在してたからだ…
みるみるうちに機嫌の悪くなるマァ…
やがて
从#゚ー゚从<お前ら、マヨネーズをつけて頭からボリボリ食べてやるぞ!とゆいたい
とへそをまげてしまった…
63 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:08:31
321 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/03(火) 12:25:39.26 O
へそをまげてしまったマァ
申し訳ない気持ちのサキとモモ
そんな時、
ぐぅ〜〜ぐぅ〜〜〜〜〜
と大きな腹の虫が聞こえてきた…
サキとモモは思わず
『誰だ!?ここで石臼をひいているのは!?』
とボケようとしたが、味噌をつけられて、頭からボリボリ食べられたくなかったので必死にスルーした…
从o゚ー゚从<…腹がへったとゆいたい
とマァが言ったので、絶好の仲直りの機会だと思い、一緒にお昼ご飯を食べることにした―
64 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:08:54
325 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/03(火) 13:15:25.07 O
早速、お昼ご飯を用意することにした
妖精のマァにすれば、街の食材などは珍しいものばかりだった…
いざ、ご飯となると、人一倍どころか二倍、三倍の食欲のマァ…
あっという間に一日分の食料がマァの胃袋に消えていった…
すっかり機嫌が良くなったマァが自分のこと、森のことを話し出す
65 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:09:17
332 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/03(火) 18:21:01.58 O
マァが言うには、この『妖精の森』には、複数の妖精の種族がお互いの利点を活かしあって生活してる
マァの種族は魔法よりかは身体能力に優れているため、守人みたいな役割だと言う
また、森に入ってきた人間に危害を加えるつもりがないので、わざと化け物の姿に変化しているのだ―と
「へぇ〜!わたし、てっきり化け物の方が本物って思ってたの!」
とうっかり本音を言ってしまったモモ
その直後、モモにマヨネーズが塗られたのは言うまでもない…
66 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:09:41
334 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/03(火) 18:52:02.58 O
気を取り直して、再び話し出すマァ
ただ、最近では妖精の中でも人間の生活に興味を示して、人里に降りてくるものも少なくないと言う
かく言うマァも、人間の食べ物に興味があり、一度は人間の生活をしてみたいのだ―と熱く語る
「別にいいんじゃないのぉ〜?」とマヨネーズを拭きながらモモが言う
「そうはいかない、とゆいたい」とマァが答える
なんでも、マァは意外なことに、一族の長の娘だったのだ―
「じゃあ、さしずめマァ=サ王だよね、マァ=サ―王…」
華麗にギャグが滑ったサキ…
その直後、サキの頭の上に味噌がのっけられたのは言うまでもない―
67 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:10:36
347 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/03(火) 23:08:34.69 O
とりあえず、長に一度、人間の生活をしたい―と直訴することにしたマァ
お昼ご飯のお礼に、マァはりしゃこ達を一族の里に案内するという
マァが道案内をして、馬車がそのあとを追う―
10分ぐらい歩いたところで大きな木が一本だけ生えてる原っぱに到着した
マァが呪文を唱えると、大木の根っこの部分に大きなな穴が浮かび上がってきた…
「こっちだとゆいたい」
りしゃこ達を案内するマァ
穴をくぐり抜けると、急に視界が拡がった―
先程までの森と何ら変化はないが、今までなかった石畳の道が続いている
ずんずんと先へ進むマァ
後をついていくりしゃこ達
やがて、村に到着した
68 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:13:12
351 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/04(水) 00:27:13.88 O
村に到着したりしゃこ達だが、妖精の姿が見当たらない―
マァ曰く、「警戒してるから出てこない」のだそうだ
構わずマァは村の奥へ進む
ほどなく、ひと回り大きな屋敷が出てきた
「長の家だ。入ってくれとゆいたい」
と、りしゃこ達を招き入れるマァ
大広間には一族の長がマァを待ちかねていた
「ただいま、とゆいたい」
「お帰り、とゆいたい」
長は思いの外、りしゃこ達を快くもてなしてくれた
とりわけ、恥ずかしがり屋のりしゃこをいたく気に入ったようだ…
りしゃこをひざの上にのせてやる長…
69 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:13:34
>>68続き
その時、ふと、りしゃこの首にかかっていたペンダントに目がいった…
急に長がマァに向かって、「この娘さんは誰の子だ?とゆいたい」
と尋ねる
長がペンダントに目がいったのを知っていたサキが、素直にりしゃこの生い立ちから今に至るまでを話した…
すると長は
「マァ、この子を守ってあげなさい、とゆいたい」 とマァに命じた
長の言葉に戸惑いを隠せないマァとりしゃこ達―
70 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:14:04
354 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/04(水) 01:04:57.81 O
長はマァ達に語り始めた…
「この子はハロモニア王家に縁のある子だとゆいたい。胸のペンダントがその証だとゆいたい」
一同は驚きを隠せなかった…。
サキは、りしゃこがハロモニアの重要人物の子供とは聞いていたが、王家の子供とは思ってもいなかった…
言われてみれば、ちょっとアフォな顔立ちも凛々しく見えてくる―
ミヤビは何だか寂しかった…。ずっと妹のように暮らしてきたりしゃこが、まるで自分と住む世界が違う人間だと思うと胸が痛かった…
二人とは正反対に俄然ヤル気の出てきたモモ…
思わぬかたちで人間の生活をすることとなったマァ…
そして、長の提案で、村に一泊してから次の目的地に向かうことにしたりしゃこ一行…
71 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:14:30
358 名前:名無し募集中。。。 [mail] :2007/07/04(水) 06:50:53.30 O
長の粋な計らいで、妖精の村で一泊してから次の目的地に向かうことにしたりしゃこ一行
夜はちょっとした宴になった
はじめは警戒していた妖精達だったが、元来、陽気でお祭り好きなので、宴は大いに盛り上がった
そしてその夜遅く…
ミヤビはなかなか寝付けないでいた―
今まで妹のように可愛いがってきたりしゃこが、王家の血縁者と知って、距離を感じてしまったのだ―
物思いに耽るミヤビ…
しばらくして、ミヤビは背後に気配を感じた
いつの間にかサキがいた―
眠れないミヤビを心配して…そして自身もりしゃこの知られざる血縁の秘密になかなか寝付けなかったのだ―
同じ気持ちとは思いつつも、サキはミヤビにりしゃこの件を聞いてみた―
ミヤビは頭の中で考えていたことをサキに打ち明けた―
しばらく沈黙が続く…
そんな二人の背後にりしゃこが立っていた―
72 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:15:23
360 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/04(水) 09:23:29.91 O
寝付けないでいる二人の後ろにりしゃこが立っていた
寝付けないのはりしゃこも一緒だった…
幼心にながら、自分が王家の血縁者だと知って、ミヤビ達と離ればなれになるんじゃないか…?と思うと眠れなかったのだ…
急に二人がいなくなり、心配してついてきたりしゃこ…
だが、いつの間にかりしゃこのそのまた後ろにはモモが立っていた…
「…もぉ〜、明日は早いから〜、もう寝なきゃダメですよぉ〜ウフフ」
と能天気におどけてみせる…
ちょっとみんなが気が軽くなったところで続けて言う
『王家の血筋かも知れないけど、りしゃこはりしゃこだよね?』
頭のモヤモヤが吹き飛んだ3人…
そうなんだ
今、目の前にいるのは、自分達のよく知ってる
泣き虫で
怖がりで
恥ずかしがり屋で
甘えん坊の
りしゃこなんだ…
73 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:15:38
>>72続き
いつまでも、りしゃこなんだ…
たとえ、王家の血筋であっても、3人で暮らした日々は変わらない―
いつの間にか、3人、いや4人の顔は笑顔に変わっていた―
74 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:15:59
368 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/04(水) 13:29:38.90 O
素晴らしい朝が来た
希望の朝だ
だが、りしゃこ一行もマァも思い切り爆睡中である―
りしゃこ達は寝付けなかったせいで
マァは酒の飲み過ぎで…
マァの友達の栗鼠系妖精のマイハに起こされ、眠い目をこすりながら支度する
りしゃこはいつになく上機嫌だ
ミヤビとサキも珍しくハイテンションだ
唯一、モモだけはくさいセリフを吐いてしまい、ちょっと後悔している
マァも長とのしばしの別れを告げて、妖精の村を旅立った―
75 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:16:55
380 名前:名無し募集中。。。 [mail] :2007/07/04(水) 21:54:12.89 O
〜次回予告〜
(エヴァンゲリオン風に)
妖精の森を旅立ったりしゃこ達…
しかし、無情にも、りしゃこ達を巨大な山が行く手を阻む!!
次回『黒魔術師りしゃこ』
『決戦!!霊峰クマイ岳!!』
乞うご期待!!
381 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/04(水) 22:38:45.52 0
何この週刊で打ち切りになったから月刊誌に移る前触れみたいな予告
76 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:17:35
387 名前:名無し募集中。。。 [mail] :2007/07/04(水) 23:19:04.92 O
>>380の続き
という訳で、次のキュート地域へ行くには難攻不落の絶壁の山『クマイ岳』を攻略しなければならない…
その訳は聞かないで…
マァが入ったからじゃないのよ…
ただ、自給自足の旅をしてるので、稼げる時に稼がなきゃならない…
そこで『霊峰キノコ』ですよ、ダンナ…
オ・カール一家の時に登場した特産品『霊峰キノコ』は正式名称『クマイ茸』と言う
そして、そのキノコが生えているのが『クマイ岳』
『クマイ岳のクマイ茸』と言うのが紛らわしいので、通称『霊峰キノコ』と呼んでいる…
特産品、というくらい味に特徴があって、成長期前に食べてしまうと、舌にピリリと痺れる味覚があり、中毒症状がみられる―
昔の人はクマイ茸の中毒症状を恐れてか、
『クマイちゃんはピリリまでだなぁ』という諺を残して、注意を促した―
だが、成長すると美味なのだが、禁断の中毒症状を味わいたいがために命知らずの若者が、こぞって成長期前のクマイ茸を食するのだ…
かくして、りしゃこ達は路銀稼ぎの『クマイ茸狩り』を敢行する―
77 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:17:58
394 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/05(木) 06:38:18.78 O
霊峰・クマイ岳に着いたりしゃこ達
クマイ茸狩り、とは言ったものの、そう簡単に採れる代物でもないらしい…
まず、クマイ茸はクマイ岳の頂上付近に生息しているが、平坦な地形が多いハロモニアでは、ちょっとした山も大きく感じる
また、山には常に霧がかかっていて、クマイ茸を探すのはひと苦労だという
加えて、最近になって、魔物が住み着いた、とも聞く…
そうとは知らず、りしゃこ達はクマイ茸狩りに挑む…
78 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:18:34
400 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/05(木) 13:31:50.46 O
朝から出発して昼過ぎにようやく山頂にたどり着いたりしゃこ達
とりあえず、ぐ〜ぐ〜と鳴り響く腹の虫を退治するべく、お昼ご飯を食べるりしゃこ達
楽しい団らんのひととき…
そんな楽しいひとときをぶち壊す乱入者が現れた…
ガシャン…ガシャン…
身の丈2mはあろうか、鈍い銀色の巨人が、音を立てて、りしゃこ達に向かって歩いてくるではないか!!
401 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/05(木) 14:12:24.12 0
逃げてー
79 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:18:54
402 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/05(木) 15:56:51.64 O
>>401の続き
りしゃこ達は逃げ出した!しかし、まわりこまれた!
謎の巨人の攻撃!サンドイッチが盗まれた!
りしゃこはメラをとなえた!しかし、謎の巨人には効かなかった!
ミヤビはイオラをとなえた!しかし、謎の巨人には効かなかった!
サキはバイキルトをとなえた!マァの攻撃力がふえた!
モモの攻撃!サンドイッチを盗み返した!
マァの攻撃!会心の一撃!!謎の巨人に901ポイントのダメージを与えた!
謎の巨人を倒した!!
謎の巨人はヘルメットを被っていた
りしゃこはヘルメットを開けた!
ヘルメットの中から可愛い妖精が出てきた
┏川;×∇×)|┓
りしゃこ達は可愛い妖精を手に入れた!!
80 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:19:33
407 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/05(木) 21:24:13.77 O
謎の巨人を倒し、優雅なランチタイムを守ったりしゃこ達…
特に『食』に執着のあるモモとマァを敵に回したのが謎の巨人の敗因だ…
平和が訪れたことで再びランチタイムにしようとするりしゃこ達
だが、倒した巨人のことも気になる…
ランチタイムを後回しにして巨人の正体を調べることにした…
謎の巨人は一見ロボットみたいな外見だが、よく見ると、全身鎧を着けた人型の生物とわかる―
全身鎧を着けて山に登るなんて正気の沙汰ではない…
中身が気になるりしゃこ達
まずは兜を脱がせたみる。ひょっとしたら化け物かも知れないし、美少年かも知れない…
おもむろにモモが兜を取る…すると、中から出てきたのは絶世?の美少女だった…
思わずため息の出るりしゃこ達だが、マァだけは違っていた―
『ユリーナ!しっかりしろ!とゆいたい』
絶世?の美少女の名前を何故か知ってるマァ…
(…自分でやっておいて、「しっかりしろ!」はないだろ?)
とゆいたい気分のりしゃこ達だが、タルタルソースをつけられて、頭からボリボリと食べられたくなかったから黙っていた…
81 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:19:59
409 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/05(木) 21:32:58.30 0
>>402 ドラクエ式か
410 名前:名無し募集中。。。 [mail] :2007/07/05(木) 21:52:38.68 O
>>409 ええ、新しい試みです
>>401 の「逃げてー」にピコーン!!と来ました…
82 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:20:28
412 名前:名無し募集中。。。 [mail] :2007/07/05(木) 22:51:41.75 O
『ユリーナ』と呼ばれる美少女の頬をぺしぺし叩いて起こそうとするマァ
でも、なかなか起きない…
「こういうのって、物語だったら『王子様のキス』で目覚めるのよねぇ〜ウフフ」と唐突にとんでもないことをのたまうモモ…
一瞬、場が凍り付く…
だが、『♪これだけの美少女なんてい〜ひんちゃうのん!?』と思うと、チャンスとも言える…
お互いの顔を見合うりしゃこ達…
「ここは責任をとってマァがやる、とゆいたい」「りーちゃんがお姫様にチューするもん!」「…別になんとも思ってないわよ…」「ここは言い出しっぺだしモモが…」「いや、ここは中立のワタシが…」「クゥ〜ン」
変な盛り上がりをみせている…
そこへ颯爽と変態が現れた!!
从´∇`从<ユリーナちゃんのお目覚めのキッスはウチがやるジャン!?
真打ち登場にボー然とするりしゃこ達…
83 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:21:01
417 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/06(金) 06:37:35.00 O
変態さんの登場にボー然とするりしゃこ達
その隙を狙って、何食わぬ顔してユリーナちゃんに近づく黒ごぼう…
我に返ったマァが黒ごぼうにタックルをかましてキッスを阻止する…
かくして、変態さんの変態行為は未然に防がれた…
「チナリ、いい加減にしろとゆいたい」
「やだ!ユリーナちゃんはウチのことが」
話についていけず、混乱するりしゃこ達…
謎の変態さんを縛りあげたマァが口を開く…
謎の美少女は『ユリーナ』といい、謎の変態さんは『チナリ』という名前だ…
二人ともマァと同じ妖精で、ユリーナがライトエルフ、チナリがダークエルフだという…
なるほど、エルフは細身の種族というだけあって、当てはまっている…
84 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:21:41
446 名前:名無し募集中。。。 [mail] :2007/07/07(土) 00:12:36.52 O
とりあえず、ユリーナを叩き起こすことにした
マァがユリーナの背後に回り、「ムン!」と活を入れる…
バキッ!!
鈍くて乾いた音がした…
『…あ〜あ、殺っちゃった…』
とその場の誰もが思った…
重たい空気の中の沈黙…。マァに視線が集まる…
从o゚ー゚从<…気のせい、だとゆいたい…
と誤魔化すマァ…
ただ、これだけの目撃者という証人がいるのに逆転無罪を勝ち取るのは、ほぼ奇跡に近い…
現行犯でタイーホされそうなマァ…
と、その時!!
ヽ川*^∇^)|/<…ん〜!ぐっもーにん!!
なんと!被害者が生き返ったではないか!!
85 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:22:06
ようやく目を覚ましたユリーナ
寝坊まなこで周りを見たら知らない人ばっかり…
その中にマァを見つけるなり、
ε=ヽ川*//∇//)|/<マァ〜〜〜〜!!
と、マァに向かって飛び付くユリーナ…
見てる方が赤面してしまうくらいラブラブだ
しばらくすると、何故か全身鎧姿なのに気付き、パニックになるユリーナ
自分でもわからないという…
「…何でもいいから思い出せとゆいたい」とマァ
しばらく悩んで考えた後、「アッ〜〜〜〜〜〜〜!!」と何かを思い出したようなユリーナ
相変わらず、放ったらかしのチナリ…
86 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:22:31
449 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/07(土) 01:27:32.60 O
何かを思い出したユリーナ…。ぶるぶると肩が震えている…
「…どうした?とゆいたい」と肩に手をかけるマァ
と、そこで
「クマイ茸を食べて幻覚症状を見てたんだどーん!」と口を挟むチナリ
ゲシッ!!
次の瞬間、チナリの顔に二つの拳が突き刺さった…
どうやら思い出したくなかったようだ…
懲りずに
「うわごとのように『家系だ〜!行方不明の家系だ〜!』と言ってたんだどーん!」とまたまた口を挟むチナリ
ガスッ!!
次の瞬間、チナリの顔が二倍に膨れ上がった…
87 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:22:57
456 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/07(土) 08:53:06.95 O
出しゃばりのチナリを黙らせて、話を進めるマァ…
「何故クマイ茸を食べたのか?とゆいたい。小一時間ほど問い詰めたいとゆいたい」
うつむいて黙りこむユリーナ…
すると、
「背が小さくなりたいからなんだどーん!」
と、懲りずに口を挟むチナリ…
マァは驚く
背が小さくなりたいのもさることながら、クマイ茸を食べて背が縮んだ―なんて聞いたことがない…
「そんなのはデマたとゆいたい」
「でも、チーが…」
次の瞬間、チナリはチョークスラムで宙を舞った…
(マリオじゃあるまいし、毒キノコを食べて小さくなるかよ!!)とツッこむりしゃこ達…
88 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:23:24
463 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/07(土) 15:18:06.02 O
ピクピクと痙攣しているチナリ…
「でも、何故小さくなりたいのか聞きたいとゆいたい…」と問い詰めるマァ
「…だって、マァは小さな子が好きって言ってたじゃない…」とうつむきながら答えるユリーナ
そんなラブラブな二人をみて(おうおう!!見せつけてるんじゃねーぞ!オラ!)状態のりしゃこ達
まぁ、いろんな謎は解けた…
解けない唯一の謎はチナリがユリーナのストーカー行為をしてるか?だ
ピクピクしてるチナリの背後に回り、「ムン!」と活を入れるマァ
ゴキッ!!
…ヤバい音がした…。
が、よほど日頃から鍛えているのか、耐性があるのか、パッと目を覚ましたチナリ
「何故、ユリーナのストーカーをしてるか、とゆいたい」と凄むマァ
「…だって、ユリーナのパパが『娘を見つけた者は嫁にくれてやる』って…』
まさに泥沼の人間模様…
89 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:23:54
470 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/07(土) 19:55:07.29 O
とりあえず、
マァ⇔ユリーナ=相思相愛
チナリ⇒ユリーナ=好き
ユリーナ⇒チナリ=好意はわかるが迷惑気味
という図式らしい…
混乱がひと段落した途端、全員が一斉にガクッと地面に片膝をついてしまった…
あまりの空腹で…
と、言う訳でランチ再開
村を出ていって三日三晩飲まず食わずだったユリーナの食欲が凄まじい…
まるで冬眠前のクマさながらだ…
負けじとマァも手当たり次第に食べまくる
冷や汗をかいているのは会計係のサキ…。いきなり扶養家族が更に二人、追加されたのだ…
平和な団らんが終わりに近づく中、突然、『キャー!!』と悲鳴があがる…
声の主はユリーナ
原因は全身鎧を脱いだら、中には小さなクマイ茸がびっしり生えていたのだ…
気絶するユリーナを介抱するマァ
クマイ茸の生えた鎧を奪い合うチナリとサキとモモ…
大人の醜い争いとは無縁にりしゃことミヤビは呑気にお昼寝をするのだった―
90 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:24:20
479 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/07(土) 23:10:01.89 O
日が暮れはじめてきた
とりあえず、大量のクマイ茸を確保して、クマイ岳を降りることにしたりしゃこ達
ユリーナはずっと「…キノコやだー…キノコやだー…」とうなされている…
そのユリーナを甲斐甲斐しく看病するチナリ…
クマイ茸を食べさせた負い目があるのだろうか?
その憎きクマイ茸を鎧から引き剥がしているサキとモモ…
モモは「ピチピチのエルフから、きっといいエキスがでてますよぉ〜ウフフ」と空恐ろしいことをのたまう…
ついサキもつられて「…へっへっへっ…いい出汁がでてますよぉダンナァ…」とのたまう
そんな二人を軽蔑の眼差しで見てるりしゃことミヤビ…
マァと栗鼠型妖精のマイハは仲良く居眠り中だ
次の目的地・キュート地域まであと少しだ―
91 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:24:45
482 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/08(日) 00:30:47.34 O
〜次回予告〜
ようやくクマイ岳からキュート地域までやってきたりしゃこ達だったが、新たな敵二人が立ちはだかる!
次回『黒魔術師りしゃこ』『一心同体!二人はミヤりしゃ』
乞うご期待!
92 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:25:11
491 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/08(日) 11:00:51.22 O
―キュートの章―
ベリーフィールズを旅立って約1ヶ月―長いようで短かった
はじめはたった3人だけでどうなることか、とても不安で一杯だっただろう…
その間、いろんな出逢いと別れがあって、今では7人と一匹?の大所帯だ
そんな個性派揃い粒揃いのぐさんしゃいんな面子が、キュート地域の国境までやってきた―
―そして国境―
当たり前だが、いつの時代も国境は警備されてるものである
当然、事情聴取される。が、キュート地域とベリーズ地域はもともと一つの地域だったので警備は緩い…
それでも衛兵が何人もいる中を通るので、念のため、サキ以下メンバーはシスター姿になっておいた―
予想通り、国境をすんなり通してもらえた
衛兵達がマッチョなシスター、でかいシスター、黒いシスターにざわついていたが…
無事、国境を越えてりしゃこ達が最初の街へ向かう途中だった―
「お〜い、コラ待て〜!」(銭形警部風に)
と何物かに呼び止められてしまった!!
93 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:25:58
495 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/08(日) 14:07:04.61 O
「お〜い、コラ待て〜!」と呼び止められてしまったりしゃこ達…
待てと言われて待つ奴はいない。当然、りしゃこ達は逃げ出した…
しかし、二つの影にまわりこまれてしまった!
そして二つの影が全貌をあらわす―
从*・ゥ・从 リl|*´∀`l|
二人の正体に気付くモモ
「お前達は…“クラッシュガールズ”のヤジウメ!」
モモの声に気付いた二人。「違うわ!!“キューティーペア”のマイミン&エリカンよ!!」と反論する
そしてモモの姿を見た二人が衝撃的なことを言った―
「アラ、アナタは貧乏人泥棒の“モモコ・プロ”…またの名を“マジカル・ピーチ”でしたっけ?」
モモの顔が一瞬にして険しくなる―
「ワタシが泥棒ならお前達はならず者だね!」と言い返す
「ケッ!オレ達はバウンティ・ハンター(用心棒)なんだよ!!」
「じゃあ、ワタシはトレジャー・ハンターよ!!」
両者の言い争いは続く…
94 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:26:22
497 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/08(日) 15:35:19.79 O
両者の言い争いが続く中、突然、キューティーペアに巨大な火の玉が飛んできた…
キューティーペアが振り向くと、小さな女の子が立っていた
すんでのところで火の玉は躱したが、魔法使いがいたとは誤算である
「モモをバカにするやつは許さないんだもん!」とプンスカ怒るりしゃこ…
「アラ、あのコすっごく可愛い〜〜〜!!」とキューティーペアの片割れエリカンが言うと、「ちぇっ…」と拗ねるマイミン
エリカンに対して(♪あ〜の〜コ〜が〜い〜い〜な〜ら、そっちいけばいいジャン♪)と心の中で突っ込むモモ
舌打ちしたマイミンに対しては(♪誰〜にアピ〜って〜る〜の〜♪)と心の中で突っ込むユリーナ
wktkなチナリ…
95 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:26:45
501 名前:名無し募集中。。。 [mail] :2007/07/08(日) 16:23:12.19 O
「可愛いなら、オレ等の流儀で…」
「さらいましょう!!」
というなり、りしゃこに襲いかかるキューティーペア…。その動きは凄まじく速い!!あっという間にりしゃこに詰め寄る!!
しかし、炎の壁によってキューティーペアの行く手は遮られた―
「私のたった一人の大切な“妹”を誘拐するなんて…許さない!絶対!!」
怒りを露にしたミヤビがりしゃこの後ろから援護する
「ヒュー…やるねぇ…」「面白いわ…とても刺激的だわ!!」と逆に興奮するキューティーペア…
ミヤりしゃコンビとキューティーペアがお互いを牽制し合ってる。
懐に入らせなければミヤりしゃの優位で、入られるとほぼ、負けに等しい―
キューティーペアの二人はミヤりしゃの周囲をぐるぐると回りだす…
的を絞らせないつもりだ。キューティーペアも遂に本気を出してきた―
96 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:27:06
504 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/08(日) 18:08:15.66 O
キューティーペアが陽動作戦に出た―
何をする訳でもなく周囲を回り続ける…
痺れを切らしたりしゃこが火球を放つ…
だが、躱される…
1発でダメなら…、と2発め、3発めを放っていく…
いずれも躱され、逆に隙が出来てしまった…
その一瞬の隙を逃さない百戦錬磨のキューティーペア…懐から「何か」取り出すと、それをミヤりしゃに向かって投げつける
すると、その「何か」はミヤりしゃの身体に生き物のように巻き付き、二人の身体の自由を奪ってしまった!!
鎖だ―
一生懸命もがいて抜け出そうにも鎖が食い込んで抜け出せない!!
「結構、頑張ったけど…」「…勝負あり、ね?」と得意げにいうキューティーペア。不敵に笑みを浮かべる
悔しくて涙がぽろぽろ出てくるりしゃこ…
そんなりしゃこにハァ〜〜〜〜ン!!なドSのキューティーペア
97 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:27:30
510 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/08(日) 23:14:25.15 O
勝利を確信して二人に近づいていくキューティーペア
身動きが取れずにもがくミヤりしゃ
見るに見兼ねて助けに入ろうとするマァたちだが、サキが止めた…
「あの子たちの成長を信じまショウ」と…
だが、耐えることは辛いのだろう…。サキの口元を見れば、唇をギュッと噛んでいる…
一歩、二歩とミヤりしゃに歩を進めるキューティーペア…
遂にミヤりしゃを捕まえてしまった…
泣くりしゃこを見て
「あぁ〜ん、やっぱり可愛い〜!」とエリカンが言えば、「オレ、こういう子、嫌いじゃないんだよね」と睨み付けるミヤビに言う…
二人に油断が出来た―
次の瞬間、ミヤビの口から詠唱された呪文が解き放たれた…
『ほのまら!!』
98 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:27:56
514 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/09(月) 00:16:08.69 O
ミヤビの口から解き放たれた『ほのまら』の呪文…
次の瞬間、ミヤりしゃに手をかけていたキューティーペアの身体に火がついた!
「きゃあ〜〜〜!!」「うぉっ!あっち〜〜〜!!」
あまりの熱さに燃え広がる炎を消そうとのたうち回るキューティーペア…
と、同時に目の色が変わる…マジだ…
背中や腰からマイミンが両手剣を、エリカンがボウガンを取り出し、構える―
「遊びは…」「…これまでよ!!」キューティーペアが叫ぶ
なんとか一時的にピンチを脱したミヤりしゃだが、依然ピンチだ…
だが、両者の間に割って入る影が…
ル* '- 'リ<…お遊びはこれまでよ!!
…全身ピンクづくめのモモがいつの間にかミヤりしゃの傍に立っていた…
ミヤりしゃに「よく頑張ったぞ!!」と労いの言葉をかけて鎖をほどく…
「…お待たせしたわね。わたし、そーとー怒っているから覚悟しなさいよ!!」凄むモモことマジカル・ピーチ
おもむろに、腰から短刀を取り出し、両手に持つモモ…
99 :
名無し草:2007/07/10(火) 22:28:21
519 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/09(月) 06:42:16.64 O
モモが加勢することになったミヤりしゃ
一方のキューティーペアにも焦りが見える…
何しろ、相手側に『マジカル・ピーチ』が加わったからだ…
二人とも『マジカル・ピーチ』の実力は知っている…だから迂闊に手が出せない
二人がためらっている隙に、逆にモモから切り込んだ!!
あっという間に間合いを詰めるモモ…
エリカンがボウガンで足止めしようとするも、躱されてしまう…
逆に遠方から火球が立て続けに4、5発飛んできた!
ミヤりしゃだ…
モモを信頼し切って遠慮なく魔法を叩きこんでいく…
分断されたキューティーペア
マイミンの両手剣は身軽なモモを傷つけることが出来ず、エリカンのボウガンも数の論理でミヤりしゃに圧倒される―
そして、遂に均衡が崩れた…
520 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/09(月) 06:55:34.35 O
「きゃあ〜〜〜〜!!」
叫び声が聞こえる…
交戦中のモモとマイミンが一瞬、悲鳴の方へ目をやる…
被弾したのはエリカンだ…思わずマイミンが一瞬、棒立ちになる―
その隙をモモは逃さなかった―
マイミンの鎧の隙間に短刀を突き立てた!!
だが、致命傷ではない…
すぐさま反撃に打って出るマイミンだったが、急に片膝をついてしまう…
勝負あった―
524 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/09(月) 12:29:36.28 O
ミヤりしゃの対人デビュー戦はモモの協力があったとはいえ、勝利を収めた―
モモが言うには、この「キューティーペア」、なかなかの賞金首であるという…
そんな相手になんとか対等に立ち回ったのだから、満点をつけてもいいだろう…
さて、戦後処理…
神妙に縄についたキューティーペア…
闇ギルドに突き出せば相当の賞金はもらえること間違いない(この世界の用心棒=悪党狩り)
だが、守銭奴かと思われたサキは「逃がしてやる」と言う…
この言葉にはモモも意外だった…
「…何故、闇ギルドに突き出さない!?」とキューティーペアが問いかける…
サキは
「…仲間は売れないデショ!?」と謎の言葉とともに微笑む―
527 名前:名無し募集中。。。 [] :2007/07/09(月) 14:54:35.15 O
『仲間』?
キューティーペアのことをそう呼んだサキ…
だが、当の本人たちがぽかーんと口を広げている…
「ハテ?どこのどちら様でしたっけ?」と二人とも口を揃えて言う…
「“コードネーム:ブラック・ハムスター”と言えば思い出してもらえて?」
とサキが言う…
エリカンはピコーン!ときたようだが、マイミンはまだ、わかってない…
しかも、モモまでもが「アッ〜〜〜〜〜!!」と言う始末…
見るに見兼ねて、エリカンが耳打ちすると…
从*・ゥ・从<えーと、ブサハム?
次の瞬間、マイミンはサキの風の刃の魔法を食らってしまった…
前スレここまで
ご苦労さん
ありがとうございます!!
108 :
名無し募集中。。。:2007/08/11(土) 21:49:56
ご苦労様です
本編も最終章に入りました
みなさまには感謝します!
今後ともよろしくお願いします!!
(3)が69までしかないから(4)が読めん
誰か保管よろ
110 :
109:2007/08/23(木) 12:39:59
113 :
名無し募集中。。。:2007/09/04(火) 01:02:30
いつもありがとうございます!
115 :
名無し募集中。。。:2007/09/12(水) 12:10:41
難民で言うのもあれなんだが(4)が保管庫に掲載されないようなので、
ここに保管してはいただけないだろうか
117 :
名無し募集中。。。:2007/09/13(木) 13:35:27
>>116 ありがとうございます、なんとかやってみます
120 :
名無し募集中。。。:2007/09/21(金) 11:34:29
>>119 どうも
ちなみに(4)も解読できましたよ
>>120 解読ってなんや
ヘブライ文字ででも表記されてたのか
122 :
名無し募集中。。。:2007/09/21(金) 12:38:08
>>121 ははは、とりあえずありがとうございました
123 :
名無し募集中。。。:2007/09/21(金) 14:01:52
(´ロ`)
保全するよ!ほめてほめて!
128 :
名無し草:2007/10/06(土) 18:44:54
難民が沸いて出てきてるみたいだな
落ちた
立てる
(7)保管してくれ
132 :
名無し募集中。。。@黒:2007/10/14(日) 10:00:05
ご苦労様です!
7保管してくれ
落ちた
テンプレは以下で誰かよろ
戦闘中、ずっと寝ていたりしゃこにお仕置きをする双子…
と、それを叱りつけるミヤビ…
「…ちょっと、あなた達!いい加減にしなさい!」 と、大声で双子を怒鳴り付けるミヤビだったが…
「…あら、いいの?」
「…ホントにいいの?」
「…私達、神様なのよ?」
「…ミヤビちゃんの願い事を叶えた、ステキな女神様なのよ?」
突然の切り返しに絶句するミヤビ…
「…だって、ミヤビちゃん言ってたじゃない?」
「…『神様助けて!』って…」
「…で、私達が助けたから…」
「…私達が『神様』って訳ね!」
と、よく分からない論理を展開する双子…
「…とゆう訳で…」
「…ミヤビちゃんは私達の下僕だね♪」
と、ジャイアニズム爆発の双子に、
「…な、何バカなこと…!それに…あなた達にはお願いしてないわよ!」
と反論するミヤビだが、歩が悪い…
3人の大騒ぎに、ようやくりしゃこが目を覚ました…
黒魔術師りしゃこ(8)
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1191846004/
135 :
名無し募集中。。。:2007/10/19(金) 10:30:55
とりあえず次行く前に保管してくれ
落ちた
けど時間も時間だし立てるのは夜が明けたらな
140 :
名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2007/10/29(月) 03:10:49
いつもご苦労様です!
物語も佳境なので、どんどん書いていきたい、と思います!
(-o-)<ちゃんと保全しないと落ちるよ本スレ
8 名前:名無し募集中。。。[再開します] 投稿日:2007/07/10(火) 00:17:21.21 O
サキの魔法をモロに食らって、宙を舞うマイミン…
さながら、風の妖精のようなのだが…
一方…
サキの正体が『ブラック・ハムスター』だと知り、衝撃を受ける3人(キューティーペアとモモ)
…と、置いてきぼりの5人(ミヤりしゃと妖精さんたち)と一匹(マイハ)…
「コードネームでお互いの素性なんてロクに知らなかったからね」とサキが言う
「ちょっと待って!!あたし、この二人なんて知らないわ!!」とモモ
エリカンも「ワタシだってアナタのこと知らないわよ!!」と言い返す
「昔はさ、モモは『モモ・ピンク』、エリカンは『グリーン・ビーン』、
マイミンは『レッド・ホット・シード』だったからね」
と当時の通り名をあげていくサキ…
初めて3人が「アッ〜〜〜〜〜〜〜!!」と声を揃えて叫ぶ
そして、大爆笑…
「え〜〜〜〜!気付かなかったぁ〜〜〜!ウフフ」
「すっごい偶然だよね〜〜〜!」
「結構みんな変わったよね〜〜〜〜!」
まるで同窓会だ
14 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/10(火) 08:07:36.77 O
4人が旧知の間柄とわかり、話がはずむ…
のはいいが、まるで井戸端会議のオバチャンだ…
そんな4人だったが、やはり腹がへってることに気付き、お昼休みへ―
総勢9人と一匹のランチタイム―先程までの殺伐とした雰囲気はどこへやら、だ…
早速、好奇心旺盛な妖精さんたちが、4人の間柄について尋ねる
要は…
・4人は匿名性特殊部隊「EX-ZYX(イクジックス)」に所属していた
ことだ
23 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/10(火) 12:57:27.99 O
匿名性特殊部隊EX-ZYX…
ごく一部の人間しか知らない組織…
主な仕事はハロモニア王国の平和維持活動…
そのための諜報活動や軍事活動を行っている…
が、比較的平和な現在では、たまにしか出番は無い…
但し、いろんな分野のスペシャリスト揃いのエリート集団なのは違いない…
その特殊部隊出身の一人が護衛してるのがりしゃこであることに、キューティーペアは驚く…
「…あまり詳しいは知らされてないケド…」とサキ…
「恐らく、王位継承の絡みかも?」とモモ…
すると、キューティーペアが気色ばむ
「だったら…」
「…大仕事ね!」
いきなり、部外者なのに大盛り上がりだ…
「ぜひ、ここは護衛役を…!」
急に護衛役をかって出るキューティーペア
ウラがあると思い、モモが「さっきまで私たちに襲いかかってたのに、信用ならないわ」と牽制する…
黙り込むキューティーペア…
しばらくの沈黙の後、観念したのか、こう答えた…
「サイフ落とした!」
「助けて下さい!」
24 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/10(火) 13:48:04.10 O
「じゃあ何?あなたたち追い剥ぎでもやろうとしてたの?」とサキの顔色が変わる…
それに対し、
「違う違う。オレ達の腕前を披露して…」「用心棒の仕事にありつけたら…と思ってたの」
とキューティーペア
そこへ
「バカねぇ!死んだフリすれば確実じゃないのウフフ」とモモがうっかり…
そして、口を滑らせたことをモモは身を以て後悔する…
一人の少女が華麗に宙を舞った…
25 名前:名無し募集中。。。[
>>16さん、ありがとう!!] 投稿日:2007/07/10(火) 14:13:17.25 O
また、扶養家族が増えるのに頭を痛めるサキ…
さりとて、『仲間』という台詞を吐いた以上、『吐いたツバ、飲まんとけや!』状態に陥ってしまった…
とりあえず、キューティーペアを近くの街まで送ることにした…
その道中の馬車内は大変賑やかになった
サキ達の昔話に始まり、妖精の村での出来事、ピーマッコ婦人の鼻をあかしたモモの大活躍…
特にモモはこっそりオ・カール一家に金貨の袋を忍ばせたことを自慢した…
『…あの時のピンクの物体は見間違いじゃなかったのね』と妙な安心をする一方、
『そのお金、うちに入れんかい!』の会計係のサキ
クマイ茸の話を聞いたマイミンが早速、ユリーナにキノコを見せて意地悪をしたり…
あっという間に夜が更けていく…
26 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/10(火) 15:09:19.09 O
のんびりと旅をするりしゃこ一行
新しい仲間?のキューティーペアもすっかりメンバーに馴染んでしまう…
可愛いもの好きのエリカンはりしゃこがお気に入りで、ちょっとおバカなマイミンは類友のチナリとウマが合う…
そうこうしながらも、街に到着したりしゃこ一行
―ここはキュート地域の交易地・マハ・アリ・カンナ―
この街の富豪がつけた名前らしい
ベリーズ地域との玄関口でもあるので、ベリーナイス同様、なんでも揃っているのだ―
そこでりしゃこ一行は数奇な運命の出逢いを果たす…
55 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/10(火) 23:20:12.55 O
「おーい、りしゃこー!」
初めての街なのに、りしゃこを呼ぶ声がする…
振り返ると、見覚えのある二人の姿が…
「やっぱりりしゃこじゃねーか!久しぶり!!」
「あー!りしゃこだー!」
声の主は、ベリーナイスの街で仲良くなったオ・カール兄妹…、もとい、オ・カール姉妹だ
再会を懐かしむ6人(ミヤビ、モモ、サキを含めて)…
しかし、1ヶ月もしないうちに大所帯に膨れ上がったのには、開いた口が塞がらなかった…
加えて、ダークエルフのチナリがチッサーに向かって「仲間、仲間!」と言い出す始末…
再会を充分懐かしんだ後、サキとモモがオ・カール一家の近況をそれとなく聞いてみた―
すると、姉妹は顔をほころばせて、両親の商売が繁盛してること、何故か荷物に金貨が入ってたことを嬉しそうに話した
当事者のサキとモモも自然と笑みがこぼれる…
と、そこで思い出したかのように、キノコを取り出すサキとモモ
「これは乙女の妖精のエキスたぁ〜〜〜っぷりのスッペシャルキノコなのよ」と嬉しそうに語るモモ…
だが、背後には大きな影が迫っていた…
57 名前:名無し募集中。。。[皆さん乙です!!] 投稿日:2007/07/10(火) 23:38:28.41 O
大きな影の手によって、まだ成長してないクマイ茸を口いっぱいに詰め込まれるモモ…
おバカな相棒を尻目に、街の案内を依頼するサキ…
りしゃこ一行はオ・カール姉妹に案内されて、家に招かれた―
街の中心地のはずれに位置してたが、結構しっかりとした造りの自宅兼店舗である…
喜びいさんで両親にりしゃこ達が来たことを告げに行く姉妹。しばらくすると、オ・カール夫婦がやってきた…
目を丸くして、りしゃこ達を出迎える夫婦。サキをはじめ、りしゃこ達も大喜びだ
ベリーナイスでのお礼を述べた後、夫婦は旅で足りなくなった物品の補充や宿屋の手配までしてくれた―
「いいことはするもんだね!ウフフ」と大威張りのモモ。この時ばかりはやれやれ、と呆れ顔のサキ
そうこうしてるうちに日も暮れて、オ・カール一家とりしゃこ達は、街のちょっとした食堂でディナーをすることになった―
59 名前:名無し募集中。。。[
>>30さん、
>>32さんに捧ぐ…] 投稿日:2007/07/11(水) 00:46:58.81 O
りしゃこ達、オ・カール一家ディナータイムが始まった…
総勢13人と一匹という面子の時点で食堂中の注目の的だ
しかも、食べる食べる…
まずはオ・カール姉妹。育ち盛りなので、みるみるうちに食べ物が消えていく…
続いて、サキとモモ。何気に大食いだ。自分の払いじゃないとメシが美味い…
腹ペコビンボーのキューティーペアも凄い。親の仇のように次から次へと食いまくる!!
だが、もぐもぐチャンピオンはこの人…
从o゚ー゚从<早く次の食べ物を持って来い、とゆいたい!!
食欲の権化・マァ…
一人でキューティーペア分の量を平らげる!!
正直、見てる方がお腹いっぱいだ…
そんな中、りしゃこも頑張っておかわりしている…
食の細いりしゃこが一生懸命頑張って食べている
大活躍だ!!
62 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/11(水) 06:55:40.32 O
ご一行がひとしきり夕食を満喫した後、りしゃこ達とオ・カール一家で近況を語り合った…
オ・カール一家は商売のことを、りしゃこ達は旅の経過を伝えた
そして、ギルドで仕事を探そうとしていることを言ったとき、オ・カール夫婦から、提案があった…
信用しているサキ達だけに話すから、内密にしてくれ…との事だ
実は、このマハ・アリ・カンナの町長の娘が行方不明なのだ、と言う…
街の住民にも知れ渡って、不安が広がってるという…
「その話…乗った!!」
と話の腰を折るようにマイミンが依頼話をフラゲする…
「マイミン素敵!!」とエリカンも便乗する…
「…ちょ、ちょっと…!」「ウチらへの依頼話なんだよ!?」とサキモモ
「ま、いいじゃねーか!?」「ウチらが力を合わせれば、必ず解決するって!」
と、もう規定路線といわんばかりのキューティーペア…そら、無一文なんだから必死だ…
やれやれ、といった風に依頼を受けることにしたサキ達…。
もちろん、オ・カール夫婦からの頼みなんで、最初から受けるつもりだった―
159 :
名無し募集中。。。:2007/11/20(火) 23:05:32
66 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/11(水) 12:06:18.78 O
まずは被害者の街一番の富豪のところへ向かうりしゃこ達と案内役のオ・カール夫婦
しばらくして、街のど真ん中にヒトケタ大きい屋敷にたどり着く…
ここが街一番の富豪にして町長のアリ氏の豪邸だ
警備の中、オ・カール夫婦に案内されて、大きな中庭を抜けて屋敷にたどり着く…。その間、5分…
ようやく屋敷の中に入り、メイドに案内されて客間に通される
そしてアリ氏が姿をあらわした
意志の強そうな眉と浅黒い健康的な肌が印象的だ
席に着くなり、アリ氏が切り出す
「金に糸目はつけん。必ず見つけ出しさえすれば、な…」とビジネスライクな口調だ…
「わかりました…。で、何か失踪時の情報とかありませんか?」と話を進めるサキ
アリ氏は
「私は多忙だ。だから、屋敷のメイドにでも聞いてくれ…。お、済まない。商談の時間だ。失礼させてもらうよ…」
と、言いたいことだけを伝えて、そのまま立ち去っていった…
68 名前:名無し募集中。。。[『なんかご飯の話ばっかだな…』] 投稿日:2007/07/11(水) 12:42:39.87 O
立ち去っていくアリ氏をボー然と見送るサキ達
「…なんだアイツは!!とんでもねーヤローだな!!」と憤慨するマイミン…。と、それをなだめるエリカン…。
「それが富豪なんだから…」とモモ。
「…あんな態度はないよね…」とミヤビが寂しそうに言う…。傍らのりしゃこも同じ表情をしてる…
幼い頃から両親がいないミヤビやりしゃこにとって、『親』は憧れの存在だった…
それがアリ氏のような現実の姿を見て、感受性の強い子供のりしゃこ達にとってはショックだったのだろう…
そんな二人を見て、肩をしっかり抱き寄せて
「なんかお腹が空いたね!ご飯にしよっか?」と気分を紛らわせようとするサキ…。
二人を元気づけるために声をかけた…
それを見て、感心するお姉さん達…
だが、
从´∇`从<ご飯だったら一時間前に食べたばっかジャン!?
せっかくのいい話が台無しになった…
その後、大通りには見事な人柱が立ったとか…
69 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/11(水) 13:06:06.12 O
「それよりはメイドさん達から話を聞かないと!」ともっともなことをユリーナが言う
「ふぉえ?あ、そうだった…」と先程までの凛々しさはどこへやら、のサキ
ここでオ・カール夫婦と一旦別れて、事情聴取に向かう一行…
メイドさん達の控え室にやってきた
アリ氏では3人のメイドを雇っていた
一人目が『キャメイ』。なんか頭が常春のような印象を受ける…
二人目が『サユミン』。かなりのブリッ子のような印象を受ける…
三人目が『ナッキー』。薄幸そうな印象を受ける…
とりあえず、サキ達はメイドさん達から情報を聞き出すことにした―
72 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/11(水) 16:18:05.43 O
メイドさんから話を聞き出すことにしたサキ達だったが…
キャメイに聞けば、マイペースの与太話に付き合わされ…
サユミンに聞けば、自分が可愛い!と自慢話しかしないし…
収穫らしい収穫がなかった…
一縷の望みを託して、ナッキーに話を聞いてみるサキ達
「何かお嬢さんについて、知ってることとか無い?」とモモが尋ねてみる…
「…いえ、何も…」と素っ気ない返事のナッキー
「どんな些細なことでもいいのよ」とサキが優しく問いかける
「…よくわからないです」と先程と変わらない…
そんなナッキーを見てイライラしたマイミンが
「柿の種ぶちこんだろか!?」と言いだす
一方、なだめ役のエリカンも今回ばかりは「マイミンが一番可愛いよ!!」
と支持表明する…
どうやらナッキーには、人をイライラさせる能力があるらしい…
とうとう、のんびり屋のユリーナまでもが痺れを切らした!
「いいから、知ってること全部言えよ!人の命がかかっているんだ!!」
とナッキーの腕を掴み、訴えかける…
74 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/11(水) 16:42:57.41 O
腕を掴まれ、ユリーナに詰問されるナッキー…
ビクッと身体を萎縮させ、やがてハラハラと涙を流しはじめるナッキー…
「…私、ホントに何もしらないんです…」と逆に涙ながらに訴えかける…
「やーい!泣かしたー!泣かしたー!」と小学生のように囃し立てるマイミン
さすがにまずい、と思ったか、マイミンに当て身を食らわせ、気絶させるエリカン…
「…あっ、大丈夫?」と我にかえったユリーナだったが、
ナッキーがメソメソ泣いている事実からは逃れられない…
そんな慌てふためくユリーナの肩をポン!と叩くマァ…
「慰めろ、とゆいたい」と一言アドバイスをする
仕方なく別室でナッキーを慰めることにしたユリーナ
結局、収穫らしい収穫はなかった…
一方のりしゃことミヤビはというと…
メイドさんの控え室でメイド服に着替えてご満悦だ…
大活躍だ
76 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/11(水) 17:01:46.07 O
ナッキーを慰め終えたユリーナが出てきて、サキ達は宿屋へと戻る…
訳あって、サキ達は宿屋をオ・カール一家の近くから、アリ氏の側に移った―
もしかしたら、次の標的はアリ氏かも知れないのだ―
大富豪なのだから、商売仇から恨まれる、など、標的にされる理由はいくらでもある―
ひょっとしたら、『敵』がサキ達の存在を知って、アリ氏にすぐにでも危害を加えるかも…ということも考えられる…
そこで、何かあってもすぐ駆け付けられるように―との配慮からだ
何も起きなければ取り越し苦労だが、用心に越したことはない
そして、
その予感は、
的中してしまう…
82 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/11(水) 22:35:05.74 O
それは深夜のこと
サキはアリ氏の娘の失踪について思いを巡らせていた
ふと、何気に窓の外へ目をやると、黒い影が二つ、屋敷から出ていくのが見えた!!
素早く外へ飛び出し、後を追う―
が、二つの影はもう見当たらなかった…
見間違えるはずがない―
仕方なく宿屋に戻るサキ
そして翌日―
86 名前:名無し募集中。。。[少しでも多く更新します] 投稿日:2007/07/11(水) 23:46:25.36 O
翌日―
朝早くからサキは、眠たい目をこすりながらのモモとキューティーペアを連れてアリ氏の屋敷へ訪れる
「あら?昨日の…」
メイドのキャメイと顔見知りだったおかげですんなり玄関を通してもらえた
そして屋敷に入るとメイドのサユミンが出迎え、案内されて、アリ氏を待つ…
なかなかアリ氏が姿を見せない…
少し不安になるサキ達…
と、言った後、アリ氏はその後すぐに姿を見せた
アリ氏の無事を確認してホッとするサキ
そしてサキは昨晩の屋敷から出ていく二つの影の話をする…
アリ氏は
「いや、見ての通り、私は元気だよ!」
と、危害を受けてないことをアピールし、サキの見たことを豪快に笑い飛ばした…
ひとしきり笑った後で喉が乾いたのか、
「おい、ナッキー!オレとお客さんにお茶をお出ししてくれ!」とメイドのナッキーに用事を申し付ける
だが、ナッキーが出てこない…
「…おい!ナッキー!」
叫んでも出てこない…
93 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/12(木) 06:43:20.45 O
『もしや…!!』
4人とも考えが一致した…すぐさまメイドの控え室に突入する4人
そして控え室には―
やはり、誰もいない…
でも、最悪の事態であればナッキーが殺害されていてもおかしくなかった…
そう考えると少しは気が楽になる…
だが、事態が好転していないのも事実だ…
4人が急に控え室に突入したため、おっとり刀でアリ氏もやってきた…
そして、がらんどうの控え室を見て驚愕する…
「…あまり、考えたくはないのですが…」
とサキが切り出すやいなや、
「…必ずや賊どもを捕まえてくれ…!!」
と今までの尊大な態度から一転、怒りが感じられる…
「…たとえメイドとはいえ、私の“家族”だ…。その“家族”に手をかけるやつは、私は断じて、許さん!!」
凄い剣幕だ…
アリ氏の決意を目の当たりにして、昨晩の己の迂闊さを恥じるサキ…
それを察知して、ポン!と肩を叩いて
「なーに、オレ達なら…やれるだろ?」と声をかけるマイミン…
その一言で、サキの先程までのしかめっ面も笑顔に変わった
96 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2007/07/12(木) 10:41:12.44 O
とはいえ、何も手掛かり無しの実情に変わりは無い…
再び、渋い顔になるサキ…
そんな気持ちを察してか、そっとしておく3人
宿屋に戻り、ナッキーの行方不明を留守番のりしゃこ達に一応、伝えておく…
滞在期間が延びそうだからだ
りしゃこやミヤビは気にも留めてないが、昨日、ナッキーを泣かせてしまったユリーナだけはひどく動揺した―
そして、
「わたしも一緒に探す!!」と名乗り出た…
断る理由はない…
ユリーナを捜索メンバーに加えることにした
(^o^)<落ちたぞ
171 :
名無し草:2007/11/25(日) 09:13:07
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/  ̄/\ | 下がり過ぎや!急浮上━━(゚∀゚)━━ !!
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〃:\  ̄ \ \./ \_(´∀` ||) |__|∴
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173 :
名無し募集中。。。@黒:2007/11/25(日) 21:32:45
175 :
名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2007/11/30(金) 13:28:36
176 :
名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2007/11/30(金) 13:29:51
177 :
名無し草:2007/12/02(日) 23:27:14
178 :
名無し草:2007/12/02(日) 23:48:15
復帰したか
(-o-)<20スレ目も落ちそうだな・・・まっ落ちてもいっか
(-o-)<落ちたから立ててやんよ
ただいま移転のため非常に重くなっています
大丈夫かな
189 :
名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 21:02:19
書き込み出来ない
193 :
名無し草:2007/12/26(水) 12:05:43
195 :
名無し募集中。。。: