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名無し草:
第三話 集結
075年4月。時空管理局、遺失物対策部隊「機動六課」隊舎。真新しいその建物の一室、部隊長オフィスにて
機動六課分隊長フェイト・T・ハラオウン、そして同分隊長高町なのはによる着任の挨拶が行われていた。
毅然とした挨拶もそこそこに笑顔を交し合う三人。そこに訪れた副官グリフィスが、機動六課隊員が全員揃ったことを告げる。
集まった様々な顔触れの前に立ち、挨拶を行う機動六課課長 …八神はやて。
盛大な拍手によって締め括られた挨拶と共に、「機動六課」は事実上成立となった。
その後、なのはは早速新人魔導師四人の機動六課における初訓練の開始を告げる。
湾上に建設された訓練施設。メカニックのシャーリーを迎え、挨拶もそこそこに訓練に入るなのは一行。
それを見つめるヴィータ、シグナム。一方シャマルはあてがわれた医務室と設備を堪能していた。
開始される初訓練。それは訓練用に調整された魔導兵器8体を破壊することだった。
高い機動性と魔法を無効化する「AMF」、さらに思うようにとれな連携に苦戦する四人……。
その頃フェイトとはやては、ミッドチルダ地上本部にて上層部の面々に機動六課設立の経緯――
第一種捜索指定ロストロギア「レリック」に関する情報を説明していた。
レリックを追う機械兵器、そしてその背後にいる犯罪者の存在。二人は広域次元犯罪の可能性を示唆する。
なのは達が見つめる中、四人の新人魔導師はティアナを中心になんとか持ち直し、
それぞれの個性を生かし工夫を凝らしてて一機また一機と魔導兵器を破壊していく。
ティアナが渾身の一撃で最後のターゲットを破壊し、初訓練は終了。はしゃぐスバルに思わず仰向けに倒れるティアナだった。
その夜。食堂で会するはやてとシグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ。
それぞれ中央での会議や訓練の様子などを交えて談笑する。そこには紛れもなく十年を経て育まれた「家族」の温もりがあった。
一方、なのはとフェイトも寝室にて新人たちについて語り合う。当の新人四人はクタクタになって帰路に着いていた。
満点の星空の下、機動六課最初の一日は、そうして更けていくのだった―――
続く