◇◆◇◆有閑倶楽部を妄想で語ろう27◇◆◇◆

ここは一条ゆかり先生の「有閑倶楽部」が好きな人のためのスレッドです。
　前スレ　◇◆◇◆有閑倶楽部を妄想で語ろう24◇◆◇◆　（dat落ち）
　　　　　http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1113916800/

お約束
　■sage推奨　〜メール欄に半角文字で「sage」と入力〜
　■妄想意欲に水を差すような発言は控えましょう
＊作品への感想は大歓迎です。作家さんたちの原動力になり、スレも華やぎます。

関連サイト、お約束詳細などは>>2-6の辺りにありますので、ご覧ください。
特に初心者さんは熟読のこと！

◆関連スレ・関連サイト

「有閑倶楽部　妄想同好会」 http://houka5.com/yuukan/
　ここで出た話が、ネタ別にまとまっているところ。過去スレのログもあり。
　＊本スレで「嵐さんのところ」などと言う時はココを指す(管理人が嵐さん)

「妄想同好会ＢＢＳ」 http://jbbs.livedoor.jp/movie/1322/
　上記サイトの専用ＢＢＳ。本スレに作品をＵＰしにくい時のＵＰ用のスレあり。
　＊本スレで「したらば」と言う時はココを指す

「有閑倶楽部アンケート スレッド」
　http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/1322/1077556851/
　上記ＢＢＳ内のスレッド。ゲストブック代わりにﾄﾞｿﾞｰ。

◆作品ＵＰについてのお約束詳細（よく読んだ上で参加のこと！）

＜原作者及び出版元とは全く関係ありません＞

・初めから判っている場合は、初回ＵＰ時に長編／短編の区分を書いてください。

・名前欄には「題名」「通しNo.」「カップリング(ネタばれになる場合を除く)」を。

・性的内容を含むものは「18禁」又は「Ｒ」と明記してください。

・連載物は、2回目以降、最初のレスに「>○○(全て半角文字)」という形で
　前作へのリンクを貼ってください。

・リレー小説で次の人に連載をバトンタッチしたい場合は、その旨明記を。

・作品ＵＰする時は、直前に更新ボタンを押して、他の作品がＵＰ中でないか
　確かめましょう。重なってしまった場合は、先の書き込みを優先で。

・作品の大量ＵＰは大歓迎です！

◆その他のお約束詳細

・萌えないカップリング話やキャラ話であっても、 妄想意欲に水を差す発言は
　控えましょう。議論もＮＧ(必要な議論なら、早めに別スレへ誘導)。

・作家さんが他の作品の感想を書く時は、名無しの人たちも参加しやすいように、
　なるべく名無し(作家であることが分からないような書き方)でお願いします。

・あとは常識的マナーの範囲で、萌え話・小ネタ発表・雑談など自由です。

・950を踏んだ人は新スレを立ててください。
　ただし、その前に容量が500KBを越えると投稿できなくなるため、
　この場合は450KBを越えたあたりから準備をし、485KB位で新スレを。
　他スレの迷惑にならないよう、新スレの1は10行以内でお願いします。

◆初心者さんへ

○２ちゃんねるには独特のルール・用語があるので、予習してください。
　「２ちゃんねる用語解説」http://www.skipup.com/~niwatori/yougo/

○もっと詳しく知りたい時
　「2典Plus」http://www.media-k.co.jp/jiten/
　「２ちゃんねるガイド」http://www.2ch.net/guide/faq.html

○荒らし・煽りについて
・「レスせずスルー」が鉄則です。指差し確認(＊)も無しでお願いします。
　＊「△△はアオラーだからスルーしましょう」などの確認レスをつけること

・荒らし・アオラーは常に誰かの反応を待っています。
　反撃は最も喜びますので、やらないようにしてください。
　また、放置されると、煽りや自作自演でレスを誘い出す可能性があります。
　これらに乗せられてレスしたら、「その時点であなたの負け」です。

○誘い受けについて
・有閑スレでは、同情をひくことを期待しているように見えるレスのことを
　誘い受けレスとして嫌う傾向にありますので、ご注意を

◆「ＳＳスレッドのガイドライン」の有閑スレバージョン

＜作家さんと読者の良い関係を築く為の、読者サイドの鉄則＞
・作家さんが現れたら、まずはとりあえず誉める。どこが良かったとかの
　感想も付け加えてみよう。
・上手くいけば作家さんは次回も気分良くウプ、住人も作品が読めて双方ハッピー。
・それを見て自分も、と思う新米作家さんが現れたら、スレ繁栄の良循環。
・投稿がしばらく途絶えた時は、妄想雑談などをして気長に保守。
・住民同士の争いは作家さんの意欲を減退させるので、ﾏﾀｰﾘを大切に。

＜これから作家(職人)になろうと思う人達へ＞
・まずは過去ログをチェック、現行スレを一通り読んでおくのは基本中の基本。
・最低限、スレ冒頭の「作品ＵＰについてのお約束詳細」は押さえておこう。
・下手に慣れ合いを求めず、ある程度のネタを用意してからウプしてみよう。
・感想レスが無いと継続意欲が沸かないかもしれないが、宣伝や構って臭を
　嫌う人も多いのであくまでも控え目に。
・作家なら作品で勝負。言い訳や言い逃れを書く暇があれば、自分の腕を磨こう。
・扇りはあまり気にしない。ただし自分の振る舞いに無頓着になるのは厳禁。
　レスする時は一語一句まで気を配ろう。
・あくまでも謙虚に。叩かれ難いし、叩かれた時の擁護も多くなる。
・煽られても、興奮してレスしたり自演したりｗする前に、お茶でも飲んで頭を
　冷やしてスレを読み返してみよう。
　扇りだと思っていたのが、実は粗く書かれた感想だったりするかもしれない。
・そして自分の過ちだと思ったら、素直に謝ろう。それで何を損する事がある？
　目指すのは神職人・神スレであって、議論厨・糞スレでは無いのだろう？

前スレが最後の書き込みから日が浅いのに
dat落ちしたのようなので新スレを立てました。
こまめに保守はした方がいいかもしれません。

>1
乙です。
保守がてらに思い付いた事を。
有閑メンバーはみんな携帯を持ってると思うんだけど、
どんな色＆機種かな？
悠理はオレンジかイエロー
可憐はピンク
野梨子は白かな。

個人的には機会オンチな野梨子に分かりやすく説明するため
清四郎がお揃いの機種の色違いだといい。
ついでに勝手にＧＰＡ機能を使って、
常にどこにいるか把握してるといい。

>>1
乙です！

祝新スレ
私も前から思ってた6人の色のイメージ。

悠理　黄色（やっぱり悠理は黄色のイメージ）
野梨子　白か赤（清い白か、血のような赤も似合いそう）
可憐　紫（濃い紫でも薄い紫でも紫のドレスを着てみてほしい）

清四郎　黒か紺色　（黒いコートが似合いそう）
魅録　緑　（若葉、若いイメージで）
美童　ピンクか薄い水色　（白人の肌に映える氷の青、ピンクも似合いそう）

有閑で5レンジャーか6レンジャーをやるとしたら、
絶対に美童にピンクレンジャーをやってほしい。

前ｽﾚの移動に気づいたばっかりだったけど、また引越しだね。
前ｽﾚはいいかんじに住人もいたしSS投下もあったのに
いきなり落ちたのは残念だった。
今ｽﾚも職人さんやﾈﾀ投下あるといいな。

突然だったから気づいてない人も多そう。
作品投下、ﾏﾀｰﾘ待ちますか。

>1
乙です！

>1
スレ立て乙です。
前スレが違ってるので貼り直しておくね。
◇◆◇◆有閑倶楽部を妄想で語ろう26◇◆◇◆
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1144930553/

>1
乙です。

>8
悠理＝金色、野梨子＝ﾋﾟﾝｸ系白orﾍﾞｰｼﾞｭﾋﾟﾝｸ、可憐＝赤色　かな。
悠理はストラップをたくさんつけてて、可憐は装飾を自らしてそう。
野梨子は神社の勾玉ｽﾄﾗｯﾌﾟｵﾝﾘｰ。

＞個人的には機会オンチな野梨子に分かりやすく説明するため
＞清四郎がお揃いの機種の色違いだといい。

もしくは、「（携帯を持ってる）清四郎が側にいますので必要ありませんわ。
連絡は清四郎にしてください」と言って持たないとか。ＧＰＳ機能付携帯は是非悠理に！！
魅録はやはり最先端の携帯で、美童は各社の携帯を持ってナンパに利用してるとみた。
ナンパといえば、世界の恋人＝美童や可憐は合コンには行かないのかな。

>>1
乙です。
最終書き込みがもっと古いスレが生き残ってるから、
足切りというより、鯖移転時に何かエラーがあったのかな。

美童は合コンに誘われなさそう。
男友達少なそうだし、あんなの誘ったら目ぼしい女の子は
全部持っていかれそうだし。
ヨーロッパ社交界に顔出してるみたいだから、
広い意味では合コンみたいな感じになってるかもしれないけど。
可憐はどうかな。
合コンに来るような男なんて趣味じゃないわ、とか言いそうだけど、
相手のメンツ次第では、どうして誘わないのよ、とも言いそう。

ウッカリして前スレを貼りかえるのを忘れてました。
ありがとうございます。>>14

>>16
鯖落ちで運悪く前スレが落ちたのかもですね。
今回のようなことがまた起こった時、
深く考えずに新スレを立て直した方が良さそうですね。

>1
乙です。

>8
携帯だけに関してなら
悠理：特注のタマフク二つ折り。au・ストラップなし
アプリにハマってそう
野梨子：ドコモのパールホワイトの二つ折り・小ぶりのストラップ一つ
携帯番号は激レア
可憐：ドコモのメタリック系薄ピンク、二つ折り・上品な程度に装飾
アンテプリマのストラップだといい。昔の男のアドレスは即刻消去
清四郎：ソフトバンクのサムスン製極薄シルバー二つ折り
渋い黒か藍色の皮ストラップ・絵文字顔文字は使わない派
魅録：ドコモの黒スライド・ワンセグやipod機能搭載
ストラップはシルバー系。中身を改造してるといい
美童：各社数台所持。ウィルコム愛用
携帯の知識なら魅録にも負けない

こんなイメージ。

ｽﾏﾝ。>19さんは清四郎がソフトバンクだと書いてるのに、
清四郎苛めたさに思い浮かんでしまった。


可　憐「じゃあ、その件は電話して。九時までに」
美　童「うん。携帯かけるよ。九時までに」
魅　録「清四郎にも電話するよ」
清四郎「…あ、いいですよ。僕にかけるとお金かかりますし…」
魅　録「そっか。ソフトバンクじゃないんだ…」
清四郎「…すいません」
魅　録「いいよ。清四郎が悪いんじゃないんだし」
可　憐「いいわよ、いいわよ」
美　童「そうだよ。気にしないで」

お前ら全員お金持ちのくせにｗ
どう見てもイジメです本当に（ｒｙ

>20
ワロタｗナイスです

携帯ネタに便乗して
メンバーそれぞれのの着メロはなんだろ？
魅録、可憐、悠理は常に最新をダウンロードしてそう
美童は女の子一人一人をイメージしてかえてそう
清四郎や野梨子は・・・？
野梨子の携帯をいじるのは清四郎だとおもうから
自分からの着メロだけはみんなのと違うのにしてそうだ。

魅録は着メロになってない曲を自分で作って使ってるんじゃないかな。
悠理も気に入った曲を魅録にオーダーして作ってもらってそう。

野梨子は携帯について否定的な発言してたから、携帯自体持ってなさそうな気も。
野梨子が携帯を持ってるって知ったら、
学園の男子は番号を必死でゲットしようとするんだろうな。
「携帯メールなら白鹿さんに愛の告白を読んでもらえるかも」
と鼻息が荒くなって、野梨子を困らせそうだ。

着メロかぁ。
清四郎は懐かしい洋楽のものやクラッシックとかどうかな。
野梨子もクラッシックは好きそう。
魅録はロック同好会らしくハードロックの物とか。
悠理も魅録からオススメの着メロを教えてもらってロック系。
でも悠理ならアニメ物でもおもしろいと思うけど。

清四郎→悠理の着メロだけベートーベン第九の頭とかｗ
ぎゃああぁ清四郎からだぁぁ！

清四郎「おや？聞き捨てならないですね。何かやましい事でも？」
魅録「・・・アホ（呆）」

悠理はｼｭﾜちゃんの着ボイスかな？
清四郎や野梨子はクラシックっぽいけど、
懐メロも似合いそう…
そういえば可憐と美童、明菜と少年隊好きだっけ…

清四郎はノーマルな着信音のイメージだな。
でも人によって微妙に変えてそうだ。

>28
中森明菜を見る度に美童を思い出すよ。
いまでいうと誰みたいな感じだろう？
KAT-TUNや倖田來未ちゃんはちょっと違うような・・・

音楽聞くのと着信音は別って考えてノーマルかもね。
服装に表れてるように、博学多識だけど、凝るタイプでもないし。

美童は倖田來未でも、ビヨンセでもハロモニでも女性アーティストなら誰でも詳しそう。
可憐はすごいベタだけど、福山雅治じゃないかな。
ttp://contents.oricon.co.jp/news/ranking/39990/（参考）

美童や可憐はbondとか聴きそう。
野梨子は十二楽坊とかかな

十二楽坊…。
そういう系統ももしかしたら聞くかもしれないけど、
流石に着メロにはしてなさそうな気がする。
私的に野梨子はシンプルに着信音のイメージ。
「音楽はじっくり聴くものですわ」とか言って。
着信音も五月蝿いのは嫌いそうだから、
耳に響かない感じの音か、常にバイブ。

デフォルトで入ってるオルゴール系の音とか＞野梨子の着信音

野梨子の携帯番号やメアドなんて
メンバー以外で知ってる人いなさそう。
気軽に教えそうもないし
電話帳登録No１は絶対清四郎に違いない。

有閑メンバーの写真を待ち受けにしている
学園の生徒はたくさんいそうだよね。
美童なんかは喜んで撮られてそうだし。

野梨子の携帯の登録は家族とメンバーだけだろうね。
いつでも聞けるという安心感から清四郎の番号が入ってなかったらﾜﾛｽw

待ち受け用の写真も野梨子以外は気楽に応じてくれそう。
野梨子の写メは番号と共に闇で売買だな。

隠し撮りの写メが出回ってそうだね＞野梨子

魅録や美童はわりとあっさり撮らせてくれそうだけど
清四郎は嫌がりそうだなあ。これも隠し撮りが（何故か男子生徒の間に）
出回っていそうだｗ

>35
清州さんは携帯持ってなさそう。
芸術家だから絵を書いてる時に電話に縛られたくなさそう。
野梨子ママは交流が多そうだから持ってると思う。
と言うことは野梨子の携帯登録数は6個。

野梨子・・・

美童はむしろ女の子と二人で撮ってあげそうだよね。
可憐は意外にツーショットは応じなさそう。
登録件数No.１はやっぱり魅録かな。男ばっかりで

>37
今だったら裕也が７人目でメル友かもね。

皆どんな文章打つんだろうか・・・
絵文字とか顔文字とかが似合わないｗ

野梨子には「母様」「父様」で登録してて欲しいな。
メールに関しては、美童、悠理、可憐は絵文字や顔文字を楽しく使ってて、
美童はギャル文字も対応可能だと思う。
野梨子、清四郎、魅録のメールは用件のみで素っ気なさそうだ。


>>36
男に隠し撮りされて悪寒が走る清四郎を想像したw

>37
いや、もしかして魅録を通じて祐也のも？！
でも７件が限界か 野梨子・・・

野梨子や清四郎の隠し撮り写メ　
かなり高値の取引が行われてそうだ。

>>38
でも可憐は良い男だったらツーショットは応じそう。w

>>40
野梨子は「父様」「母様」って本当に登録してそうだ。
一番メールを想像出来ないのが野梨子。
内容が素っ気無いのは同意だけど、
メールでも「ですわ、ますわ」口調なのかな。

>39
うわぁ　かぶってしまった。

しかもユウヤの字間違えたし・・・ｽﾏｿ

清四郎は常に件名入れてそう・・・
業務メールのような文体を想像したｗ
魅録は今時の男の子のようなメールかな
美童は英語日本語駆使してそうｗ
ASAPとか4Uとか使うのかな

>>37
野梨子とメールするためだけに清州さんには携帯を持ってて欲しい。
野梨子専用携帯。ブラコンな上にファザコンだとヤバイかな・・・？

何このスレ
バカばっかｗｗｗ

皆さんの携帯話に触発されて、短編書きました。
4レスお借りします。
カプ無しで（清四郎が野梨子にややシスコン気味？）、
ひどいオチですが、よかったら笑ってやってください。

「じゃ、白鹿さん。後でメールするから」
　俺は一瞬、耳を疑った。
　あいつ、野梨子のアドレス知ってるのかよ。
　その男は手を振って図書室を後にした。
　俺は廊下から図書室をのぞいてみる。
「よっ。野梨子」
「あら魅録」
　野梨子はちょっと驚いた顔をして、すぐ笑顔になった。
「あいつにメアド教えたのか？」
「聞いてましたのね。私が探していた絶版の本を、灘菊君が古書店で見かけそうですの。
今日もその古書店へ立ち寄る用事があるとおっしゃるから、まだあるか確認して
いただこうと思って」
「へえ」
　それにしても珍しいな。野梨子があっさりアドレスを教えるなんて。
　待てよ。灘菊って確か……。
「灘菊って、清四郎と成績のトップ争いしてるって評判の奴？」
「そうですわ。年齢はひとつ下ですから、一年分のハンデを考えたら清四郎より
上かもしれませんわね。今年同じクラスになってから、私も時々お世話になって
おりますの。図書室でも良くお会いしますけれど、本の趣味も私と似ているので、
有意義なお話ができますのよ」
　ふーん。あいつが灘菊ねえ。
　もっとガリ勉タイプの奴かと思ってたが、良いガタイしてたな。
最初に見たとき、レスリング部の奴かと思ったくらいだ。
「何かスポーツやってんのかな」
「さあ、どうですかしら。あまりそういう話はしませんから」
　野梨子としては、気安いクラスメイトくらいの位置付けという訳か。
「で、生徒会室に寄ってく？」
「先生に頼まれた資料がありますから、そちらを済ませてから参りますわ。
その為に図書室に来ましたのよ」
　そう言って野梨子は図書室に戻って行った。

　しっかし野梨子に、アドレスを交換する程度に親しいクラスメイトが居るとはな。
しかもそれが灘菊か。清四郎が知ったらどんな反応を示すか見てみたい気がする。
　いやでも、清四郎がそれで野梨子に嫌味のひとつも言ったりしたらまずいか。
更に俺が言ったとバレたら、俺まで野梨子ににらまれるかもしれない。
　それはちょっと勘弁してほしいよな。
　そんなことを考えながら、生徒会室に行った。
　先に来ていた美童と可憐は、熱心に何かのカタログを見ている。
　可憐が俺に気付いて声を掛けてきた。
「魅録、ちょうど良い所に来たわ。ねえ、機種変更しようと思うんだけど、
どれが良いと思う？」
　俺も一緒に携帯のカタログを覗き込んだ。
「こういうのは、まずスペック確認しないとな」
「ちょっと待ってよ。デザイン重視に決まってるでしょ」
「可憐もこの際、各社の揃えたら良いのに」
　どうにも噛み合わない意見を、お互い好きに言い合っている間に、清四郎も部屋に
到着したらしいが、あまり興味無さそうに傍観している。
　そうこうするうちに、悠理と野梨子が揃って入ってきた。
「悠理ったらまた職員室に呼び出されていましたのよ」
「だって昼イチに古典なんて、起きてる奴の方がおかしいやい」
　そりゃな、その気持ちはわかるけど、今日悠理が呼び出されたのは
寝てたからだけじゃない。
「アホ。居眠りしてる奴は多かったけど、起こそうとした先生蹴るのはお前くらいだ。
放課後の呼び出しだけで済んで良かったじゃないか」
　皆の呆れた視線を浴びて、悠理がふくれて見せた。
「ねえねえ野梨子。どのデザインが良いと思う？」
　可憐は来たばかりの野梨子をつかまえ、カタログで色や形の吟味を始める。
「そうですわね。可憐は今度も装飾を施すんでしょ？　でしたらフォルムが綺麗で
シンプルなものの方が良いんじゃありません？」
「野梨子もそう思うでしょ。で、これとこれが候補なんだけど、機能の違いが――」

　その時、バイブ音が近くで聞こえた。
　カタログに群がっていた奴らが俺を含めて、一斉に携帯を取り出す。
　俺のじゃなかったから、他の連中のだな。
　……美童、おまえいくつ携帯持ってんだよ。しかも全部一気に取り出せるとは、
なかなか器用だな。てか、どこに入れてたんだ。
　可憐の携帯は綺麗だよな。バッチリ装飾されているけど下品にならず、
というかむしろ上品だ。さすが宝石商の娘。機種変更するのが惜しいくらいだ。
　ということは野梨子か。そう言えば図書室でメールの話してたよな。
「私、用事ができましたから、これで失礼しますわ」
　メールを見るなり野梨子が帰り支度をする。
「本があったのか。良かったな野梨子」
　そう声を掛けると、実に嬉しそうな笑顔を見せた。
「買っておいてくださるってメールにあるんですけれど、悪くって……」
「急ぐんなら送って行こうか？」
「大丈夫ですわ、そんなに遠くありませんし。今から行くってメールしておきますわ」
　野梨子はたどたどしい指使いでボタンを押す。
　見ていられなくなったのか、清四郎が口を出した。
「僕が代わりに打ちましょうか」
「ええ。ではこのメールに返信で、『今からすぐそちらへ参りますから、
買わなくて大丈夫です。お待ちいただけたら嬉しいですけれど、お急ぎなら
お帰りいただいても構いません。どうもありがとう』とお願いしますわ」
　何のためらいも無く差し出された携帯の画面を見て、清四郎の表情が固まる。
「灘菊君……ですか」
　やっぱりプライドを刺激されたか。
「えーっっ。野梨子が僕ら以外の男にアドレス教えてたの！？」
　美童がムンクの叫びになってる。ちょっとリアクション古くないか？
「灘菊君って成績優秀だし、確かレスリングで全国大会行ったって話じゃない。
それでもって旧家の次男。顔は並だけど密かに女子に人気なのよ。
野梨子あんたいつの間に」
　可憐がここまでチェックしてるってことは、かなりイイ線いってるってことだな。
やっぱりあいつ、レスリングやってたのか。
　あ、清四郎の頬の辺りがひくついてる。おもしれー。

「レスリングの？　あたいも知ってるぞ！　この前試合見に行った。
魅録や清四郎とはまた違った強さでさ、肉の迫力っていうのかな、
面白かったぞ」
　悠理まで知ってるとなると、相当有名人だな。ていうか、いつ試合見に行ったんだよ。
俺も誘えよ。格闘技も好きなの、知ってるだろ。
　清四郎は頬だけじゃなく、眉の辺りまでぴくぴくしてきている。何か言うかな。
「不用意にメールアドレスを他人に教えるのは、あまり感心しませんね」
「クラスメイトですわ。私の探している本の情報を、親切に教えてくれましたのよ」
「では僕も一緒に行きます」
「結構ですわ。清四郎が一緒だと、灘菊君に失礼なことを言いそうですから」
　あー、これはやばい。口論モードに突入しそうだ。
「メールしたのか？　あんまり待たせるのも気の毒だしさ。やっぱり俺が送るよ。
携帯も貸せよ」
　そう言って野梨子の携帯を手にし、代理でメールを送った。
　俺も支度をして、野梨子と一緒に生徒会室を出ようとしたとき、
再度彼女の携帯が震えた。
「あら。もう買ってしまって帰路についたそうですわ。明日教室で渡すと」
「じゃ、もうちょっとゆっくりしてから帰るか」
　俺は鞄を放り投げ、再び席についた。


――後日――
　野梨子から、アドレス変更のメールが来た。
　何でも、悪戯メールや広告メールが増えて困ってしまったんだそうだ。
　あの灘菊がそんな悪さをするようにも思えず……。というか、そんなことをしたら
せっかく手に入れた野梨子のメールアドレスが変わる可能性が高いんだから、
ちょっと頭のある奴ならするはずもなく。
　……俺の頭にはちらっと、あの時の頬と眉毛をひくつかせていた清四郎の顔が浮かんだ。
が、まさかな。あいつは陰険だが、そんなことはしない……と思う。たぶん……。


おしまい

やった！乙です。
傍観者魅録くんに萌えました。
原作でも興味津々と清四郎を観察してる時ありますもんね。
最後の「あいつは陰険だが」、ってオイw
美童や悠理に対する魅録の心の突っ込みも笑わせてもらいました。
それにしても、灘菊くんｶﾜｲｿｽ・・・また、古本屋巡りしなきゃ。

乙です。
全員を冷静に観察してる魅録に萌えました。
作者様と魅録、そして清四郎にＧＪ！

そして可憐にデコレーションを依頼したい。

清四郎の地味な嫌がらせktkr
ＧＪでした！

魅録目線おもしろいですね。陰険ﾜﾛｽ
話もとっても萌えました。
乙でした！

悠理の、百合子ママからの着信音はダースベーダーのテーマ曲が合いそうだ。
だって、悠理への電話＆メール内容ってこんなんばっかそうなんだもん。
たとえば・・
「今日はエステに行くわよ悠理。」「あなたに新しいドレスを新調したの。」
「来週お見合いですからね。」などなど。

>>56
百合子さんの着信にﾀﾞｰｽﾍﾞｰﾀﾞｰは似合うけど、
それが本人にばれたら恐ろしす。
原作でも疑問だったんだけど、リリィが百合子さんの
名前から選んだ着信音ってのはいいとして、
実際は、どんな感じの音なんだろ。
風鈴とか虫の音っぽいのかな。

百合子さんの着メロのために、リリイ交響楽団が結成されてそう

>>40
美童の使う顔文字を想像してたんだけど
(^_-)-☆　こんな絵文字をデートで使うのかな？ｗ
美童や可憐は携帯に登録されてるハートマークとか語尾で使いそう。
動物の絵文字とか、手のマークと悠理も使いそうだね。
野梨子、清四郎、魅録、この3人は1行もしくは2行で
野梨子や清四郎は「そうですね。」
魅録は「了解。」で終わりだったりして。

美童はおはよう・おやすみメールは欠かさないと思うけど
他のメンバーは電話で済ますような気がする。
美童のおはようメール(写真つき)欲しいな〜

思ったんだけど清四郎や野梨子の場合、
メールでも濁点とか付いていなかったら皆に指摘しそうな感じがする。
例えば…

清四郎「悠理、昨日のあのメール文はなんだったんです？
　　　　漢字くらいはちゃんと使ってほしいですね」
野梨子「そうですわ。
　　　　送ってくる文章の殆どがひらがなや間違い文なんですもの。
　　　　解読するほうも考えてくださいまし」　
悠理　「うるさい！メールはわかればいいんだい！！」

なんて…（笑）

清四郎や野梨子からのメールも悠理には読めなかったりしてね。
清四郎たちは用件を簡潔にしようと思う余り熟語や慣用句の多いメールを打ちそうだもん。
清四郎や野梨子からメールが来るたび、悠理は魅録や可憐に泣きついてそう。

いまどき携帯ネタでここまでレスがつくとは...
ちょっと純粋に驚いた。

んじゃ違うネタもふってみる？

毎年恒例バレンタインの季節だから
そろそろなんかバレンタインネタ読みたいなぁ

節分ネタはどう？

鬼は誰だｗ

悠理が鬼になって清四郎や魅録とじゃれてそう。

スウェーデンのバレンタインってググったら、まだ歴史が浅いんだね。
でも、Alla hjaertans dag（全ての人の心の日）と呼ぶのはｶｯｺﾖｽ
美童からバラの花一輪を贈られてみたい。

確かにバレンタインは美童のためにあるような日だな〜
デートの掛け持ち大変そう。
やっぱり一人１〜２時間なのかな。
フルコースは無理だね。

掛け持ち…絞りに絞って、昼夜一人づつとか〜

美童のお相手って人妻や二股かけてる女性が多そうだから、
相手の方が長時間拘束されるのを嫌がるんじゃないかな。
軽めの恋愛を楽しみたいタイプばかりで、
真剣に美童を想ってる女性は少なさそうだよね。

確かに本命ではないけど、若くて美形で
エスコートもテーブルマナーもバッチリな子を
連れて歩きたいときには美童が一番だね。

本命にするにはまだ高校生だし、甲斐性もないし
美童には可哀相だけど無理かも。

でも一番好きだけどさ。
ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝの掛け持ちはｴﾁｰも込みなのかな？
身体持つんだろうか？？

いかにも遊んでそうな男性に女性も本気にならないだろうしね。
ワザワザ自分が傷つくような事態は避けるというか。

意外と、バレンタイン当日の美童は新規獲得の為も兼ねて、
剣菱家主催のﾁｬﾘﾃｨﾊﾟｰﾃｨとかに有閑ﾒﾝﾊﾞｰと共に出席してたりして。
何だかんだいって、美童も有閑ﾒﾝﾊﾞｰといるの好きだし。

散々デートデートって言う割りには、
有閑メンバーとの旅行や、遊びはちゃんと優先していて
美童っていいヤツだよね。
ただ、有閑メンバーの美童の扱い悪いけど。

逆に扱いがいいのは魅録だよね。
悠理は犬のように尻尾振って懐いてるし、
毒舌家の野梨子も魅録には毒を吐かないし。

千秋さんはバレンタインには時宗さんのところに帰ってくるんだろうか。

魅録は有閑の面々に叩かれる所が余りないしね。
行動も落ち着いてるし、冷静で面倒見までいいときてる。
1巻の不良の彼はどこへ行った。

>>48の携帯エピみたいに、魅録は傍観者的イメージあるね。
中心で騒ぐより、わりと客観的に見てる感じ。
最新刊の人のいいあんちゃんよりも１巻のちょいワル魅録のが好きだ。

そうだよね。
魅録がなにか失敗したり事件に巻き込まれたりで
みんなが助けるって様な話ないもんなぁ。
昔のワル魅録なら、なんか事件に巻き込まれても
良さそうなのに。今のいいあんちゃんでは無理か？

今でも、活動範囲が広い分、誰かに恨みを買って事件に巻き込まれたり、
時宗さんに恨みを持つ人物に危害を加えられたりしてもおかしくはないと思う。
魅録の窮地を救う冷静沈着&リーダーシップある清四郎が見たいな。

・・・ところで、ex21が鯖落ちした影響で難民板に新しいスレが乱立してますね。
大丈夫かなぁ。dkdk。

こそこそするな

じゃあ保守がてら。
>>78
そのシチュいいなあ。誰か書いてﾎｽｨ

昔のちょい悪魅録いいよね。全体的に、今の有閑には
悪の魅力が足りない・・・

もういっちょ保守

可憐も魅録も悠理も１巻の経験値高そうな彼らが好きだ。
虎の巻の魅録チェリーは脳内スルー
可憐も処女とかありえないと個人的にﾇﾙｰ

処女であの色気はありえんな＞１巻の可憐
魅録ﾁｪﾘｰもﾅｰ

>>80
悪っぽくないのは、今の規制によるものもあるよね。
80年代ってちょっと不良がブームじゃなかった？
飲酒や煙草なんて普通に出てきたけど、今は厳しいからさ。
御大によると、魅録や可憐1巻で喫煙してたけど、
規制によって今はマンガでは書けなくなったけど
今でも煙草吸うキャラらしいし。
今思えば、１巻の喫煙シーンをりぼんみたいな小学生中心に読まれる雑誌に
よく掲載許可されたなと思うよ。

１巻の野梨子なんかは今よりもっとお嬢様お嬢様してたけどね。

もっと気位が高かったよね。大人っぽかったし。＞初期の野梨子
倶楽部結成話以降は清楚で純なキャラになったけど、
今はただただ怖い女の子になってしまった・・・。

清四郎も悪魔的要素が消えて、プライドが高いだけの男だもんなぁ。orz
和子さん登場が良くなかったのかな。

そこまでいうほど怖いかなぁ…？＜野梨子
気は強いが、普通にいい子だし可愛いと思うけどな…。
力が弱いクセに勇敢に立ち向かう所とかツボだ。
清四郎も野梨子もどっちかというと昔の方が好きだけど。

＞清四郎も悪魔的要素が消えて、プライドが高いだけの男だもんなぁ

同感。昔は人を手玉に取ってニヤつくようなキャラだったのに、
今はむしろいじられキャラに…
大人っぽい彼らはどこへ行ってしまったんだろうなあ。

私も清四郎の変わりようが一番嫌。
しかも御大が「清四郎の嫌な面を描いたら、読者に顰蹙を買っちゃった。
まだ高校生なんだからこういう所もあるのが当たり前なのに、
子供には理解できなかったみたいw」みたいなコメントしてたけど、
ずーっと格好よく描いてきたくせに、急に崩すから顰蹙なんだよね。
ちょっと舐めただけで「ヘロインだ」とかわかっちゃうキャラに
高校生らしいリアルさなんて求めてないっつーの…

>>ずーっと格好よく描いてきたくせに、急に崩すから顰蹙なんだよね。

そ　れ　だ
匂いかいだだけでクレンジングに毒物が入ってることがわかるような
キャラだったくせにね。

悠理の最新刊での変わりっぷりも嫌だ。
「あたいを誰だと思ってるんだよ」みたいなひけらかしをするキャラじゃなかったのにな。
最初は「うちはさもしい成り上がりです」なんて知的部分も持ち合わせていたはずなのに…

魅録の窮地を救う有閑メンバー！！
あぁ読みたい！
どなたか作家様、熱望いたします！

「菊正宗清四郎、一生の不覚」の破壊力に比べれば
どんな話も大目に見られてしまうよ・・・
有閑で( ﾟдﾟ)ﾎﾟｶｰﾝな思いをするとは、こっちが不覚だったわw

>>88
それ何処での発言か気になる。
今は御大さんが魅録がお気に入りらしいから仕方ないのかも。

最新刊では顔の描きわけも所々お粗末な気がした。
特に茶碗の清四郎（全体的な顔の崩れ）や
野梨子（唇塗り忘れ多しetc）は人相変わってる気がする。
他の漫画家が描きわけない所まで描いてた所が好きだったのに。

清四郎が拉致されたり怪我等の窮地で不在の場合は
野梨子が有閑の頭脳部分を、魅録がリーダーの代役を担うと思うんだけど、
魅録の穴は有閑ﾒﾝﾊﾞｰはどうやって埋めるだろう。

裏社会情報は清四郎に恩がある菊翁さんから、
族仲間情報＆動員は顔馴染みの可能性の高い悠理が担当かな。

清四郎や魅録は拉致されても、そこで敵方と彼らなりの戦いをしそう。

>92
多分、あらかるとだったと思う…が手元にないので
誰か持ってる人がいたらよろ。

クイズの回と剣菱家の事情の回なら、文庫本の作品紹介でも書いてるね。
個人的には、これらの回の清四郎には不満はなく、
「清四郎はタカビーで皆に甘えてるけど、本人は気づいていない。
そんな清四郎がギャフンとなる」のをクイズの回で描いたっていう御大の発言も成程と納得した。
清四郎の弱点は仲間って設定は人間味が合ってｲｲ!とさえ思った。

でも、明け方の烏にビクつく清四郎は見たくなかった・・・

1日1回hosyu

>>95
はげ同。
ムダに子供っぽいor普通っぽい清四郎ツマンネ。
あととにかく鼻は描いてくれ。頼むからさー、御大。

>97
禿同
鼻がないのはすごく気になる。
鼻の穴だけ妙に深いっていうのも…
絵が幼くなったと言うか近代化したと言うか。
私は昔の絵の方が好きだなあ…中盤辺りの

私は南の島や蛇様あたりの絵が好きだった。
でも、可憐が幽霊に惚れる話も絵は綺麗だったかな。

あの回の可憐は気を使って描いてるって御大も言ってたもんねぇ
柾臣さんもホントに寒気がする程キレイだったし。

柾臣登場の回は柾臣の美形さにつられてかｗ6人共いつもより綺麗だった。
ゆうやの顔も全登場人物の中で誰にも引けをとらないくらい
かっこいいと思うけど、柾臣とはタイプが違うからな。
チチも可愛かった。
もしかしたら魅録のファーストキスってチチなのかな。
童貞という衝撃の事実もあるし。

以前はゲストキャラの絵も話に違和感無かったよね。
吉乃川先輩と白鶴社長の愛人の絵が、どうしても有閑に似合わない気がして仕方が無い。
あれはあれで綺麗だとは思うんだけど。

だな

>102
たしかにあの二人は有閑には浮きすぎだよね。
有閑にああゆう今っぽいとゆうか安っぽい？！
キャラが出てきたから、よけい話がしょぼく感じた。
まぁそれだけが原因ではないのは明らかだが・・・

悠理はさ、初期のころ新聞を読んでる１コマもあるんだよね。
あと、清四郎の指文字が一度ですぐに解ったりさ。
そういうの読み返してみると、本来は馬鹿で大食いなだけの
女じゃないはずなのに・・と悠理ｽｷｰとしてはちょっと悲しくなるときがある。
吉乃川先輩の会員制結婚パーティのときの服装は一体なんなんだろう。
イカやホタテぶらさげてガツガツ食ってるし。扱いがひど過ぎるよ。

狼が鯖落ちで、住人が難民板に来ているらしいので保守しとこう。
また落ちたら困るからね。

某所よりコピペ。exって懲罰鯖だったらしい。orz

>そしてn日ルールがある
>今、n=60なんでスレが立って60日を越えたスレは
>24時間書き込みがないとdat落

前スレが急に落ちたのは↑このせいかも。
今のスレが立ったのは01/30だから当面は大丈夫だけど、3月末になったら
24時間に1度は保守しないと危なさそう。

）107
へぇそうなんだ乙。
理由気になってたからよかった。
保守がんばろう。

>107
乙です。これに加えて､>106さんの言うとおり、
最近はex21が鯖落ちするから油断できないね。

バレンタインの話に戻るけど、美童くんにはこの３連休があった。
有効利用してるんだろうな。

ちょっと早めのバレンタインって所か。
美童は手作りよりも高めなブランドチョコとかが好きそうだよね
（もしかすると昔手作りで痛い目に遭った事があるとか）
下手な女の子より詳しそう。紙袋見た瞬間分かっちゃったりして(笑)

保守お疲れさまです。

手作りが苦手な男の子っているよね

美童ほど女の子にもてるなら、
手作りチョコに変なものとか入れられた経験があっても驚かない…
年上お姉さまならセンスのいいブランドチョコとかくれるだろうけど、
同年代以下の夢見がちな女の子だったら、
おまじないと称して妙なもの入れそうなイメージ。特に80年代とかは。
（瑠璃子さんとか…）

これからはマメに保守した方がいいのかな。

手作りは可憐と野梨子の物しか食べないってのもそれはそれで萌えるかも。
悠理はチョコとか作るんだろうか…
百合子さんや可憐に鍛えられたりして。
清四郎も手作りはあまり好きではなさそう。
魅録は素直に喜んでくれそうだよね

作らないでしょ、悠理は貰う側だから。
きっと沢山の女子から貰って、美童と競争してるよｗ
1、2個差で美童が負けて悔しがってたらおもしろいかも。
魅録は凄く照れながら「サンキュ」と貰ってそうだね。
そんな魅録を妄想したら萌えた。

数は悠理≧美童＞清四郎＞魅録
こもってる想いは
魅録＞清四郎＞悠理＞美童ぐらいかな
悠理はともかく清四郎は同性票が多そう…ｗ

そういや御大はバレンタインネタってないから
妄想妄想・・・

美童はチョコ渡しやすいだろうね。一日そう言う雰囲気
だしまくってそうだからw
問題は魅録と清四郎
魅録にはかなり本気の想いがこもってそうだし、
直接渡すのが恥ずかしい、！！とかで
後輩なんか可憐お姉さまにでもお願いするのかしら？
清四郎にはやっぱ典型的な下駄箱とか？
絶対直接受け取ってもらえない同性からw

魅録宛ては確かに可憐にお願いしそうだね。
一番魅録と仲がいい悠理は、悠理宛ての女の子が一杯でそれどころじゃなさそうだし、
悠理にお願いするのも何だかなあ、だし。

清四郎は直接渡そうにも野梨子が側にいては渡し辛いよね。
やっぱり下駄箱かなぁ。野梨子に頼んだり、野梨子の前で渡す猛者がいたら面白いんだけど。

可憐は３人宛てのチョコをかなり預かって来そうだよね。
野梨子や悠理に頼む人はいるのだろうか・・・
清四郎や魅録のロッカーは漫画らしく爆発してて欲しい。
美童は爆発の上に机の上も山だとなおいい

お返しはどんな物にするんだろ？
美童はさりげなく差出人に似合ったブランド物のお菓子
魅録は一人一人に選んであげそう
清四郎は差出人不明で返しようがないとかｗ

清四郎は菊正宗家御用達のお菓子とか。
世話好きのﾏﾏﾝが用意するかなとも思ったけど、それはないか。
彼特有の笑顔で事務的にお返ししてそう。

魅録はお返しはどうすればいいのか困って可憐に相談してそうだよね。

清四郎あてのチョコを野梨子にたのむ猛者・・
見てみたいわ。

魅録あてのを預かって、手作り風チョコを渡している
野梨子を見てしまい勘違いし悶々とする清四郎・・・
てのもいいなぁ

>清四郎あてのチョコを野梨子にたのむ猛者・・
>見てみたいわ。

案外にっこり請け負うんじゃなかろうか。
清四郎に渡すときの言葉に棘は含まれそうだけどｗ
情に疎い清四郎にこんなもの渡しても無駄ですのに、とかチクチクと言いながら。

>120
清四郎宛のを野梨子に渡す猛者がいたとしても
野梨子から清四郎には渡らなさそう。

本命チョコは魅録は多そうだね。
でも私は美童宛てのも本命が多いと思うんだけどな。

>>105
亀ながら禿同。
あの格好はヒドかった。＞イカ・ホタテ服
あそこまで色気がないとげんなり・・・。
ちょっと大人っぽい悠理が見たいよ。
しかし本当にキャラに深みがなくなったなー。

野梨子ちゃんとちゅっちゅしたいよ〜

清四郎が童貞ってのがありえないよな

美童はゴム出し派？

男かｗ？

清四郎は同性からもらったチョコにも
キチンとお返しするんだろうか？
ママや和子さんが面白がって用意しそうな気もするけどｗ

>>127
女か？

>>105
たぶん一条は最初は同性の友人…とはいかないでも
ある程度年が近い女性として悠理を想定してた
しかし最近はもう可愛い孫か何かだと思ってんじゃねーか？

男性キャラもその傾向があるよね。
清四郎や魅録が子どもっぽくなったのは、
「男の子って可愛いわよね」みたいな御大の意識が反映されているというか。
和子さんや千秋さんといった女性キャラとのやり取りなんかは特に感じる。
絶対に彼女たちのほうが清四郎たちより立場が強く描かれてるし。

>>129
このスレに男がいるとは思わなかった。

もし女性陣が3人にチョコあげるとしたら、可憐は原色の包み紙に
ゴールドやシルバーのリボンで、ゴージャス系。中身はブランデー入りとか
お酒が入ってるの。
野梨子は和紙の包みで、中身はいたって普通の。
悠理はとにかくでっかくて、ゴジラの形だったり、なぜか手形だったり、
タマフク型もありかもね。

>>133
できればsageてねー

>>133
いい所ついてると思うな。

可憐はブランデー入りで高そうなチョコ。
ちゃんとチョコもビンの形のやつ。
包装紙は宝石店の娘らしくキラキラした包装紙か
リボンがラメでキラキラしてるといい。

悠理は133に同様でとにかくでっかくって派手なのがいい。
メイド達に作らせて、一番3人の中でお金がかかってる。
人型や動物の石膏みたいなチョコになってたりねｗ
それにでっかいリボンをかける。

野梨子はクラフト紙。
チョコもシンプルそう。
一口サイズのが６個ぐらいで少しビターかミルク風味。
3人の中では一番小箱。

可憐「本命でも無いのにあげる必要ないでしょ。あたし無駄打ちはしないの」
野梨子「製菓メーカーの戦略に乗せられる必要はありませんわ」
悠理「あたいが欲しいくらいだじょ」
男3人には、結局誰もあげてない希ガス。
でも妄想スレ的にはそれは寂しい。

>>132
ヒント：名前欄

>>137
狼普段見ないけど、どこかにこのスレ貼られてた？

124と125、126って別人だよね？

133ですが、えと、sageるってどうすればいいんでしょうか。
初心者なもので、すいません。

再び133です。初心者版を見て、sage、わかりました。失礼しました。

今年のバレンタインは盛り上がらないねー。
あちこち覗いてみても地味だった。
本編もさっぱり動きがなさそうだし、寂しい・・・。

仕方ないさ。
今はプライド中だし。
それよりどこかで見たんだけど御大が緑内障だってほんと？

それでこないだ連載休んだの？
プライド結構長く書いてるよね。
正直そろそろ有閑もかまって欲しいんだけどなぁ。
御大は有閑どう処理するつもりなんだろ？
もしかしてこのままフェードアウトだったら
悲しいなぁ・・・

最後は倶楽部内恋愛を描きたい、みたいなことを言ってなかったっけ＞御大
激しく読みたいけど、今の絵柄＆キャラで描かれたら
あの黒歴史の１９巻と同じく脳内あぼーんしてしまいそうだ。

本編では、倶楽部内恋愛より、ゴージャスで痛快な「これぞ有閑」って話が読みたい。
色んなカップリング妄想話を楽しめるように、
随所に解釈自由な萌え場面、萌え台詞を入れていただければ最高です。

でも、有閑を完結させるとしたら、やはり恋愛エピになるんだろうか。
清四郎ｽｷｰだけど、一生の不覚の清四郎キャラじゃ
例え自分の希望するｶﾎﾟｰが成立しても嬉しくない・・・orz

>>138
そんなことしなくてもJaneのスレ順並び替えれば見れますがな

狼で有閑倶楽部のスレ立ててみようかな

sage推奨でよろ。
上がってるとちょっと((((；ﾟДﾟ))))ｶﾞｸﾌﾞﾙしてしまう。

馬鹿か

わかった！ボクちんちゃんとsageるよ！！

>>146
希望するｶﾌﾟ以外だったらどうする？

そこで妄想力が問われるわけですよ

>>153
希望ｶﾌﾟ以外の恋愛ｴﾝﾄﾞでもｵｹなのか希望ｶﾌﾟ以外だったら嫌なのか
聞きたかったのだが。
そうゆう人も居るだろうからな。
漏れはそもそも誰も恋愛ｴﾝﾄﾞになって欲しくないから
恋愛ｷﾎﾞﾝの146の意見を聞きたい。

146だけど、恋愛ｷﾎﾞﾝのつもりで書いたわけじゃなかったんだけど、
書き方が拙かったみたいだ。ｽﾏﾝ。
もし、御大に恋愛エピを書かれたら
希望ｶﾌﾟ以外は嫌なのは当然として、希望ｶﾌﾟでも嬉しくないだろうから
できれば書いて欲しくないってのが言いたかった。

>>155
そうなのか。
でもどうして希望ｶﾌﾟでも嬉しくないんだ？
一生の不覚以外の清四郎でも希望ｶﾌﾟでも嬉しくないのか？
漏れは明確な希望ｶﾌﾟがいないからなのだが。

なんかこの６人て意外な組み合わせのカップルを２組作ると残り一組がありきたりになるんだなー
たとえば清四郎と可憐、悠理と美童とすると
残りの野梨子と魅録は最初の出会いがああだったからあまり意外性無いというか


でも上記の取り合わせが一番しっくりくるかね？

成年誌に移ったおかげで美童がプレイボーイというかヤリチンになったのはいいんだよ
問題はあんだけチンポ挿入してたらユージィーン並みの修羅場が起こるぞ
喧嘩はヘタレだから相手の男にボコられる事態もありうるのに


そうならないから逆に美童は並みのプレイボーイじゃないんだろうけどな

>>157
>>158
散々上にも出てるが、sageろ

一番意外といえば美童と野梨子。
以前別冊コーラスで松苗先生が、野梨子×美童、可憐×魅録、悠理×清四郎
で書いてたけど、おもしろかったな。あれってカプ作る際に御大にも
相談したんだろうか。

>>159
どうせ狼住人流入したら勝手に下層に来るから気にするな

推測だけど御大がどのカップルが好きかしたいかは別にして、
別冊コーラスの漫画は御大はすべて編集部にお任せだと思う。
松苗氏と松苗の担当が決めたと思うよ。
有閑以外もたくさんの同人パロがあったでしょ。
全部のパロにどんな話にするか了解取ってられないんじゃないかな。

ドラマ化やアニメ化ならともかく、
初めからパロって銘打ってる企画だし、御大の意見を聞くと、
作家さんたちの創作の自由を奪いかねないだろうしね。

御大自身漫画家だから、なにより御大の時間の自由を奪いかねないからね。
漫画家って本当に大変な職業らしいから、自分の漫画で精一杯で
ドラマやアニメでも完全にノータッチの漫画家も多い。

>>156
それだったら嬉しい。やったあああって思う。
でも、有閑ﾒﾝﾊﾞｰの関係性が変わるのは、やっぱり寂しいかな。

結局どっちやねんって答えでｽﾏﾝ。

望むカプは人によって違うし、十年二十年の長年ファンが多いから
望まないカプで終わったら一部のファンはショックだと思う。
最終回があるのなら、毎回のように爽快に事件解決して
終わってほしいと思う。

>>166
逆にいきなり数十歳年とってからのエピソードになって次の世代の有閑倶楽部が活躍する…
みたいな感じのラストってのもいいかもしれませぬ

てかそれなんてなんてっ探偵♥アイドルだよーみたいな

みなさんは有閑倶楽部、終わってほしいって思ってるのかな？
素朴な疑問です。

どうしてもいつかは終りがくるものだと思うので、
それなら自分が望むような終わり方をしてほしいということなのではないかと。
終わってほしくはないですけど、永遠にこのままで続けるのは不可能でしょうし

有閑スキだったな・・・
魅録の携帯がピーポーとなっているのを見て、ひょっとしてパトカー音なんだろうかと
思ってしまった

あれはパトカー音なんだろうね。
スレ違いだけど、「警視庁より入電中」って着ボイスが存在して驚いた事がある。

>>168
ある意味終わってるといえば終わってるけどね
最新刊読んでから1巻読むと隔世の感があるよ

父ちゃん二人が戦争経験者なんて設定はもう無かったことにするしかないよね

それよりも豊作をメインにした話書けや一条
あの父ちゃんとあの母ちゃんの息子だぞ

>>173
あの設定は好きだ。でも、当時でも年寄りっ子設定だよね。
逆に野梨子ﾏﾏﾝは４０前後っぽいけど。
親の年齢は
野梨子母＜可憐母・清四郎母・美童母・千秋さん＜ﾘﾘｨ・美童父・清四郎父＜万作・時宗＜清州かな。

だからsageてってば。

まさしくそんな年齢設定だと思う。
でも、清四郎母はもう少し上かも、和子さんがいるから。
千秋さんと可憐母は同じくらいかな。
野梨子母は顔にシワすら書いてないから30後半から40ぐらいの若い母。
時宗と万作は同じ年。
百合子さんは悠理と年の離れた兄がいるから
清四郎父と万作の間ぐらいと予想。

野梨子母<<美童母<千秋さん・可憐母<清四郎母・美童父<清四郎父<時宗・万作<清州

最初の頃の清州さんは大正生まれだったかもね

ほっほっほー
しゅっしゅっしゅっ

この子らのおこづかいって月幾らぐらいなんだろう。
カードも使ってるみたいだけど、現金だって持ってるよね。

エステの回では流石に心配してたから限度はあるんだろうね
清四郎や魅録は小遣いじゃなくて自分で稼いでそう

清四郎は株で稼いでそうだね。
魅録はなんだろう。

>>182
>魅録はなんだろう。

なぜか「シノギ」という言葉が浮かんだ

シノギ…　だね。　>>183 ナイスｗｗ

特許とか実用新案とか〜　いくつも取れそう

清四郎にｺﾝﾋﾟｭｰﾀｰ買ったり、雅央母の手術代を出したり
自由になるお金は悠理が一番持ってそうだよね。
逆に一番少ないのは野梨子かな。
誰かに奢ってもらったり、プレゼントされる事ないだろうし。
まあ、出費も少なさそうだけど。

作品をあｐさせていただきます
ＣＰは清、野、魅、悠でスクランブルになる予定です。
スクランブル、というより一方通行なんですけど
一応、長編になる予定です。

それは、肌寒い冬の朝のことだった。
悠理はいつものように生徒会室のドアを開けようとしていた。
「わたくしは、清四郎が好きですもの」
野梨子のそんな声が聞こえてきたのはその時だった。
やだな、と思った。
恋愛とかそういうもので仲間内の雰囲気が変わってしまうのは嫌だった。
だから野梨子の次の一言には思わずほっとした。
「心配なさらないでくださいな。別に答えなど求めているわけではございませんから」
ただ言っておきたかっただけなのだと野梨子は告げる。
今すぐに変わるわけではないという事実に胸を撫で下ろした悠理はもう一つの問題に気付く。

どうやって中に入ればいいんだろう。
このままドアを開けては入っていきにくい。
……考えても仕方ないか。どうにかなるだろう。

そう判断すると悠理はドアを思い切り開け放つ。
「あら悠理。早いですわね」
「お、おう」
こちらが戸惑ってしまうほど野梨子は平然としていた。
「おや、悠理ですか。珍しいですね」
清四郎も普通に返してきて一番挙動不審なのは見ていただけの悠理という
おかしな状態になってしまう。
気まずい空気に居心地の悪い思いをしていると、再びドアが開く。

「魅録！」
入ってきたこの空気をなんとかしてくれそうな存在に悠理は飛び付く。
「悠理が早く来てるなんて珍しいな」
「あたいだって早く来るときぐらいあるやい！」
「悠理が早く起きる理由なんて朝食が楽しみだったからぐらいしか思いつきませんね」
清四郎のさりげない毒舌にむっとするもののその通りなので言い返せない。

悠理は今日の朝食のメニューを思い出す。
（今日は洋食だったんだよなぁ。ステーキにオムレツだろ？
ローストビーフとトンカツと…それからそれから……。
どれもうまかったよなぁ……）
朝からそんなに食べれば胃がもたれそうなものだがそこは剣菱悠理、
そういった心配はまったくない。

「おい悠理。よだれ出てるぞ」
何を考えているのか察したのか、魅録が呆れた声で指摘する。
「ほんっと悠理は食欲だけで出来てるようなもんだよなぁ」
「だけってなんだよ！他にも趣味くらい……」
「あら、じゃあこのお茶菓子はいりませんのね？
せっかく悠理のために用意致しましたのに……」
人数分のお茶と悠理専用に饅頭を持ってきた野梨子が
いかにも残念そうに言うが、口元は笑っている。

「おや、ではそれは僕がいただいておきましょうか。
そこのお店のお饅頭は好きなんです」
野梨子の言葉に呼応するように、清四郎が笑みを崩さず畳み掛ける。
（こ、こいつらー……っ！ほんっと底意地悪いよな！）
いつもと変わらぬ二人に安心したのも確かなのだけど。
「い、いるに決まってるだろ！こら清四郎、その饅頭はあたいんだ、返せ！」
悠理の言葉に腹を抱えて笑いながら清四郎が饅頭を差し出す。
横目で見れば魅録も野梨子も笑っていて、
悠理は腹立たしく思いながらも饅頭にかぶりつく。

「ちょっと聞いてよ。昨日デートしてたら他の女の子と鉢合わせしちゃってさー。
って、あれ？みんなどうしたの？」
「ちょっと美童。そんなとこでとまらないでくれない？」
「だって可憐。みんなが変なんだよ」
入って来た美童と可憐がいまだ笑いやまない清四郎たち三人に目を丸くする。
「お前ら、いつまで笑ってんだよ」
すでに饅頭を食べ終えた悠理は憮然としている。
「いやいや。すいません。あまりにおかしかったものですから」
笑いすぎて目尻に涙までためた清四郎がそれを拭いながら言う。
三人で見交わすその様子がまた、悠理には面白くない。

結局、何がどうなったっていうのよ」
自分たちだけで話をする悠理達に疎外感を感じた可憐がしびれを切らしたように聞く。
「たいしたことじゃありませんのよ」
「悠理の食い意地がはっているというだけの話です」
「悠理の食い意地がはってるのはいつものことじゃない」
「そうだよねー。こないだなんて僕の分までケーキ食べちゃったし」
みんなにぼろくそにいわれ、悠理はすっかりふてくされてしまう。
「んなふくれんなって。帰りに俺が駅前の店でケーキおごってやるからさ」
「うれしくないっ！」
「でも悠理。駅前の店っていったらおいしいって評判よ」
「あそこのガトーショコラは美味しいらしいよね」
「う。うう……」
可憐と美童の言葉に悠理の心は激しく揺れ動く。

「…ガトーショコラ十個食っていいなら考えてもいい……」
「げ。十個！？…かなり痛い出費だな」
駅前のケーキ屋はうまいことでも有名だが、高いことでも有名なのだ。
「しょうがねえな。おごってやるよ」
ぐしゃぐしゃと魅録の手に髪を掻き乱されながら、
悠理の頭はガトーショコラのことでいっぱいになった。

だから、野梨子の告白のことなんて、すっかり忘れていた。

>>188
今日の分のアップは、ここまででしょうか？
新連載うれしいです。悠理、食べ過ぎだｗｗ
続き楽しみにしてます。

最後に「続く」とか「今日はここまで」のように
一言あると助かります。
まだ終わってないかと思ってレスがつけられなかったｗ

私も「続く」がないのでレスがつけられませんでしたw
新連載楽しみです。
長編本当にうれしい！

作者様、乙でした。

>悠理の言葉に腹を抱えて笑いながら

そうそう。清四郎って悠理に対しては「プー」って
吹き出して子どもみたいな馬鹿笑いするよね。
作品冒頭で野→清の描写があったので、
野梨子の心情を思い早くも切なくなってしまいました。

他３人の恋愛ベクトルは誰に向いてるのか、続きを楽しみにしています。

うわぁ　やった新連載！！
嬉しいです。
どのような一方通行なのか気になるところです。
たのしみにしてます。

新作だ〜！！！

さすが世界の剣菱！朝から豪華ｗ
ほんとにあそこん家の子にうまれて良かったね、悠理ｗ
食欲魔人ちゃん他三人の恋のゆくえ、楽しみにしています

野梨子ｽｷｰなのでどうなってしまうのか期待と不安が半々でつ。
清四郎の気持ちはどうなんだ。
もんもんするよ〜。

新作乙です。
どういう背景で野梨子が恋心を告げることになったのか気になりつつ、
これからの展開も楽しみです。
朝っぱらから、普通は自爆ネタの鉢合わせを自慢してしまう美童が、
らしくてちょとﾜﾛﾀ。

・・・魅録にケーキご馳走してもらいたい　　　ほしゅ

魅録に髪の毛ぐしゃぐしゃされたい

魅録の髪の毛グリーンにしてみたい

・・・インコ？

茶髪のロン毛もよさそうｗ

http://houka5.com/yuukan/long/stop/l-34-3.html

爪の先で金属製の籠を二三度弾いてやると、おがくずの中から小さな顔が
ひょっこりと覗いた。
餌の気配に駆け寄ってくる。掌の上の種を一粒ずつ天竺鼠に与えながら、
野梨子は小さく微笑んだ。

魅録が去った翌日、野梨子が研究室を訪れてみると主を失った机から彼の
荷物はすっかり運び出され、この籠だけがぽつねんと置かれていた。手に
余るので置いて行ったのか、何か意図するところがあったのかはわからなかっ
たが、野梨子には置き去りにされた天竺鼠が自分の事のように思え、放って
おくことが出来なかった。
だが部屋へ持ち帰れば、この鼠の目の前で清四郎と情を交わす事になる。
動物とは云え魅録が大切にしていただけに、それは野梨子にとって耐え難かっ
た。といって世話をする所を清四郎に見咎められるのも嫌で、結局野梨子は
誰もいない隙を見計らっては野菜の切れ端や植物の種などを与える為に、
こうして研究室へと足を運んでいたのである。

魅録が居なくなってからの屋敷での生活は、彼が現れる以前のそれより遥か
に味気無いものに思われた。身体から、何か大切なものが失われたようで何を
していても身が入らない。日常の些事に追われる間も、ともすれば呆とあらぬ
方を見ている自分に気づく。研究室で、廊下の一角で、そして書庫で彼と顔を
合わせる僅かな時間をいかに楽しみにしていたのかを、野梨子は改めて思い
知った。

魅録が、別れを告げる暇も無く姿を消したのは何故か、つらつらと考える。
彼は確かに自分を愛していると、そう云った。それが単なる伊達や酔狂では
無い事は、彼の瞳を見れば分った。少なくとも野梨子には、彼の言葉は信ずる
に足るものに思われた。
ならば何故、一言の挨拶も無く自分の前から消えたのか。教授の命とは云え、
挨拶くらい交わす間はあったろう。思いつく答えはひとつしか無かった。清四郎
との行為を勘付かれ、軽蔑されたのだ。野梨子にはそうとしか思えなかった。
あの書庫での会話以来、魅録と顔を合わせる事はほとんど無かった。否、合
わせぬよう、避けていたのである。身体の傷を見られたことは、野梨子にとって
は行為そのものを見られたと同様の羞恥を齎した。彼の表情からすれば、恐
らくどんな状況で付けられた傷であるのか察したことに違いない。それを思う
だけで野梨子は消え入りたいような感覚に陥る。
が、それを彼に確かめた訳では無い。
確かめる勇気が自分にあるのか。野梨子は自問する。仮にそう決めたとして、
彼に逢う為にはどうすれば良いのか野梨子には良案が浮かばない。野梨子の
顔を見知る者も多い大学へ足を運べば、たちまち教授にも清四郎にもそれと
知れることだろう。
といって彼の家を知っている訳でも無い。考えてみれば、野梨子は彼のことを
まるで知らないのだ。
思考は、いつもそこで止まった。

カリカリと、小さな音がして野梨子は我に返った。餌を食べ終わった天竺鼠が
檻をしきりに噛んでいる。このところ頻繁にやるようになった仕草である。初めは
餌が足りないのかとも思ったが、どうやらそうではない事に、最近気が付いた。

きびきびとした足音にはっと顔を上げると、部屋の扉を開いた清四郎と目が
合った。
ここで何をしているのか、とでも問いたげな表情で近づいて来た清四郎は机の
上に目を落とし、野梨子の用事を察したらしかった。
「これは、魅録くんの―――野梨子が、餌を？彼に、頼まれでもしましたか」
「いいえ、違いますわ」
即座に野梨子は否定した。痛くも無い腹を探られたくはない。
「わたくしが、勝手に―――。でも」
小さな歯で金属を噛む音が続いている。籠に目を落とし、野梨子は云った。
「ずっと、こうして檻を噛んでいますの。この子は、きっと――外に、出たいん
ですわ」
清四郎の眉が片方、微かに上がった。
「放してやった方が、いいのかも知れませんわね」
「死にますよ、すぐに」
え、と清四郎の顔を見上げる。
「これはもともと南米の鼠ですからね。日本とは気候が違う。暖かい室内ならば
ともかく、放してしまえば冬は越せないでしょう」
「……」
「それに、産まれたときからずっと人の手で餌を与えられているんですよ。自分
で餌を取る術ひとつ持っていない」
「…でも」
「窮屈そうに見えても、檻の中にいる方が幸せなんです――-こいつにとっては」
返す言葉が無かった。
野梨子は肩を落とし、寂しげに天竺鼠を見つめた。確かに清四郎の云う通り
なのだろう。
けれど、それでもここから逃がしてやりたいと野梨子は思った。狭い場所に
閉じ込められたまま生涯を終えるより、例え生き抜く事が難しかろうと自由を
求めるのは生き物ならば当然だ。
だが、死ぬと分っていて外に放す勇気が自分に無いのもまた確かだった。
野梨子は黙り込んで檻を見つめた。その隣で、一見何の感情も読み取れぬ顔
の清四郎が野梨子に向ける眼差しはしかし、氷のように冴え冴えと冷たかった。

翌朝、珍しく遅い目覚めを迎えた野梨子は体の痛みに眉を顰めた。昨夜の
清四郎は普段に増して野梨子を苛み、心身共に弄られてようやく解放された
のは明け方とも云える頃だった。
着替えを済ませて階下へ降り立ち、今日は清四郎も父も留守である事を思い
出した。清四郎と顔を合わせずに済む事に安堵し、痛みを堪えて研究室へ
向かう。天竺鼠が餌を待っている筈である。
扉を開き、魅録の居た机の上を一瞥した野梨子ははっと息を呑みそちらへ駆け
寄った。金属製の籠の、表側にある小さな扉が開いている。
覗き込み、おがくずの中を手で探ったがそこには何も居なかった。
野梨子は慌てて周囲を見渡した。研究室の中は物音ひとつせず、生き物の
気配はまるで無かった。
柵をカリカリと齧っていた鼠の姿を思い出す。長くそうするうちに振動で掛け金
が緩み、扉が開いたものらしい。

もはや住人の居ない空っぽの籠を野梨子は呆然と見つめ、やがて小さく笑った。
逃がしてやろうなどと考える必要は無かったのだ。彼は自分で運命を掴み取った。
あんなに小さな鼠でさえ。
野梨子はゆっくりと顔を上げた。きつく結んだ唇の端に、決意の色があった。

角を曲がる直前、野梨子は一瞬立ち竦んだ。夕刻とは云え、街中はまだ充分に
明るいにも関わらず路地の向こうは日が射さぬ所為かすでに薄暗く、まだ灯らぬ
街灯の下には怪しげな風体の男女が点在している。
野梨子のような、一見して堅気と分る歳若い女が一人で足を踏み入れるには
確かに勇気が必要だった。
しかし、目当ての場所はここを曲がればすぐの筈である。大丈夫だ、と自らを
叱咤し、野梨子は意を決して路地を曲がった。

記憶にあるのと同じ小さな木製の扉の前で、野梨子は立ち止まった。『準備中』
と書かれた札が下がっている。以前魅録に連れられてこの店へ来たのは今よりも
もう少し遅い時刻だった筈である。もしかして今日は休みなのかもしれず、それでも
諦める気になれずに野梨子は意を決して扉を叩いた。しばらく待つが返事は無い。
恐る恐る取手に手を掛けて捻る。ガチリと音がするだけで、開きはしなかった。
困惑の表情を浮かべたまま野梨子は店の前に佇んだ。

もとよりここへ来れば魅録に会えると思っていた訳では無い。しかし、野梨子に
とって彼との接点はこの店しか無かった。会えなくても、何らかの形で魅録と
繋がりを持っていたかった。ここの女主人ならば、野梨子の来訪を疎ましがりは
しないだろうとの期待もあった。そう考えると居ても立っても居られない焦燥感に
駆られ、普段は思慮深い野梨子に見合わず衝動的に街へと出てきたのである。
可憐にすら会えないという、こんな事態はまるで予想もしていなかった。

虚ろに辺りを見回す。灯り始めた水銀灯に陽が暮れ始めている事を悟った野梨子は
背を丸め、俯いて白い息を吐いた。諦めきれぬよう看板を見上げ、もう一度扉を叩く。
返事は無かった。

何かが変わるかもしれない。そう思っていた今朝の自分が馬鹿らしく思えた。
思いつきに浮かれ、こんな処まで足を運んでどうするつもりだったのだろう。可憐に
会ったとして一体何を話すというのか。
―――きっと、これで良かったのだ。

店に背を向け、来た道をのろのろと引き返す。師走の人ごみはこの時間になっても
途切れることが無かった。いつか魅録と出くわした曲がり角を通り過ぎ、野梨子は
立ち止まってもう一度そこを振り返った。
冷たい風が髪を乱し砂ぼこりを巻き上げて通り過ぎた。
賑やかに行き交う人々の間で、野梨子は、独り寒そうに我が身を抱いた。

狭く薄暗い、穴倉のような部屋の中にひとつ、明かりが灯った。節操無く立ち並ぶ
雑居ビルの、両壁に凭れ掛るようにしてある小さな店。その更に奥のここへは昼間
でも陽が射さず申し訳程度の窓からは隣の建物の外壁しか見えない。洞窟のようで、
その暗さが妙に心地よいのだと住人は笑う。
小造りな寝台から裸の上体を起こし、枕元の照明を眩しげに見ながら煙草を探る。
しわくちゃの箱から１本取り出し口に咥えて、魅録は何かに気づいたように耳を澄ま
せた。店の奥にあるこの部屋に、かろうじて届くほど微かに表の扉を叩く音が聞こえた。
「おい、客じゃないのか」
「―――いいのよ」
魅録の口から煙草を取り上げて咥え、長い髪をかきあげながら可憐は気怠げに
呟いた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（続きます）

ﾋﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞビョビョビョッ病院坂ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!!!!
再開の嬉しさに身震いしてしまいました。

鬼畜清四郎もいいな、萌えるなとノー天気に考えてたんだけど、
野梨子はそんなにも苦しい思いをしてたんだね（´；ω；｀）ｺﾞﾒﾝﾖ。ｵｲﾗｶﾞ馬鹿ﾃﾞｼﾀ・・・
痛々しすぎるよ。｡･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･｡

そして、野梨子が自分の気持ちに忠実に歩もうとした途端、
魅録と可憐の何やら色っぽい描写。ｺﾚｶﾗ一体ﾄﾞｰﾅﾙﾉ!!!!(ﾟДﾟ；)）

ﾄﾞｷﾄﾞｷしながら続きをお待ちしています。

病院坂さんキターッ!！
まだ読んでないですが吃驚してレスしてしまいましたｗ
私にとって今年一番のサプライズかもｗ
うれしすぎて泣きそうになりました！
今から大切に読みますｗ

うううううううううっそおおおおおおおお
夢じゃないよね、これ。

覚えていないと思いますが、以前末摘花、じゃなくて
時宗だとレスした者ですw
ずーーーーっとずーーーーっと待っていました。
>211さん、本当に私も読みながら涙が浮かびました。
まさか２ちゃんで嬉し泣きする日が来ようとは。

なんとか再会できるかと思ったけど、可憐姐さんと…ですか。
すれ違いが続きそうで、苦しいですね。
ああ、もう胸が一杯で、うまく感想が書けませんが
とにかく、書いてくださってありがとう！

病院坂だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！
心臓がバクつきましたよ、きっと血圧も一気に上昇した！

魅録が・・・可憐姉さんと・・・？！
野梨子切なすぎるよぉ・・・

あぁホント嬉しいです　作家様ありがとうございます。
続き楽しみにしています！

ｷﾀ - .∵･(ﾟ∀ﾟ)･∵. - ｯ!!
病院坂、ついにきたよこれ。

今回、野梨子が切な過ぎるよ(´д｀)ﾏﾏﾝ…
でもモルモットの脱走を知って、自分も行動した野梨子が好き。
それが空回りだとしても、その一歩を踏み出せるようになったことが嬉しい。
彼女の逡巡と勇気そして期待と失意が、ストレートに伝わってきて、
凄く感情移入してしまいました。

病院坂半分あきらめかけてたけど待っててﾖｶﾀ・・・
あれ、目がら汗が・・・

＞210
＞鬼畜清四郎もいいな
同意。

毎夜野梨子にせまる鬼畜清四郎にﾄﾞｷがﾑﾈﾑﾈします。
ｺﾞﾒﾝﾈ野梨子。（´・ω・｀）
野梨子がはかなげなとこも美しい。
病院坂の野梨子が大好きです。

ラストに驚きの描写ktkr
魅録×可憐の描写が来ると思わなかった。
そういう関係だったの？
二人の間にもなにか過去にありそう・・・
書いてくれてありがとう、つづきを待っています。

病院坂！私もずーーーーっとお待ちしてました。
野梨子の胸の内を思うと痛々しいけれど、すごく引き込まれます。
ラストの魅×可、来たvって感じです（ドロドロスキーなもので…）
しかし、天竺鼠は自力で脱走したんでしょうか？
清四郎が逃がしたのかな…と思ってしまいました。

>>216
>清四郎が逃がしたのかな…と思ってしまいました。
私もﾁｮﾄｵﾓﾀ。
清四郎にとっての天竺鼠って、野梨子なのか悠理なのかが気になるところだ。

嬉しすぎる！タイトルを見たとき我が目を疑ってしまいました。
病院坂の続きが読めるなんて・・・！
作者さん、ありがとうございます。ひっそりとお待ちしてた甲斐がありました。
いつもながら描写のひとつひとつが丁寧で、引きこまれます。

魅×可が入り、新展開も気になります。
こんなオイシイところで続きなんて・・・orz
wktkしながら続きを待ってます。

お前らよろこびすぎだろ
ところでまとめサイトはどこだ？

>219
１嫁

>219
この喜びは３年待ってた者にしかわかるまい

>221
禿同　
これであきらめかけているいろんな連載の続きも
気長に待ってみようと希望の光に導かれた気がする。
またこのスレのぞくワクワク感が増したわ！

　∧＿∧ 　+
　（0゜・∀・）　　　ﾜｸﾜｸﾃｶﾃｶ　　　　　保守
　（0゜∪ ∪ +
　と＿_）__）　+

恋愛正方関係を書いているものです。
感想、ありがとうございます。
ご指摘の件は気をつけさせていただきます。
では、小説の方、うｐします

放課後、約束通り魅録とケーキ屋に来た悠理は、
口いっぱいにガトーショコラをほうり込み、幸せにひたっていた。
（うっまー。ほんとんまいぞ、このケーキ）
「にしても悠理はうまそうに食うよなあ」
悠理のあまりの食べっぷりに食傷気味になったのか
コーヒーだけを手にした魅録がしみじみと言う。
「そーか？」
「それだけうまそうに食われりゃ、ケーキも本望だろうって思うよ」
「へへ、だってほんとにんまいもん」
「そうか。…これも食えよ。俺はいいから」
そういって魅録は自分の前に置かれていたケーキを悠理に差し出す。
「いーのか？チーズケーキ、うまそうなのに」
「なんか食う気なくなった……」
「ふーん。じゃ、もらっとくけど」
そういって早速一口ほうり込む。口いっぱいに広がるさわやかな甘さ。
「ああ、うまー」
食べてるときに一番幸せを感じる悠理である。
おいしいケーキを口にして、至福の時間をあじわっていた。魅録の次の一言が出るまでは。
「…なあ、そういやさ。今日なんかあったのか？」
魅録の言葉に甦ってくる記憶。
『私は、清四郎が好きですもの』

「あー……！！」
（魅録のバカヤロウ！思い出しちゃったじゃないか！）
せっかく忘れていたのに。意識したら悠理はいつもみたくは振る舞えない。
「な、なんでもない！！あたいはなんも見てないぞ……！！」
「…ま、言いたくねえなら別にいいけどな。…野梨子とか、なんか変だったから……」
「そうか？普通だったじゃんか」
憎らしく思うほど野梨子も清四郎も平然としていた。
「違ったよ。俺が入ってった時、少しほっとした顔してた」
断言する魅録に悠理は複雑な気持ちになる。
「そんなの、よく気付いたな」
「見てりゃ、わかるだろ」
「あたいは全然気付かなかったぞ？魅録ちゃん、野梨子のこと好きだったりして……」
本気でそう思ったわけじゃなかった。
否定の言葉が返ってくると、当然のように思い込んでた。
『バーカ、そんなわけないだろ？』っていつものように。
「…そうだよ」
「へ……？」
「俺は野梨子が好きなんだよ！…あーっ、なんでこんな宣言してんだよ、俺」
かっこわりい、と顔を真っ赤にして呟いた言葉など悠理には聞こえてなかった。
『野梨子が好き』
魅録の言葉が頭の中でこだまして離れなかった。
あんなに美味しかったケーキの味が全く感じられなかった。

なんだろう。なんかいらいらする。
魅録も野梨子も好きなのに、なんでか嫌だと思ってしまう。
（なんだよ、これ……。おかしいじゃんか。あたいがいらいらする理由なんかないのに……）
野梨子が清四郎を好きだと知った時とも違う感情。
体の中から拒絶反応を起こしてるような、そんな感じだった。
悲しいはずなんてないのに泣きそうになる。わけもなく、胸が痛い。
「悠理？なに泣きそうな顔してんだよ」
優しい、困ったような魅録の声。
「野梨子、は、せいしろが、好きなんだ」
違う。そうじゃない。
この感情の奥にあるのはもっと別の―――。
「知ってる」
魅録が静かにそう、答えたとき。
（ああ、そうか）
唐突にわかってしまった。この感情につけるべき名前が。
（あたいは、魅録に、恋、してるんだ）
その事実は妙にすとんと悠理の胸に入って来た。
好きな人がいると知ってから気付くという要領の悪さにわらってしまいたくなる。
（でも、魅録も要領悪いよな。それに、多分野梨子も）
野梨子が清四郎を好きだと知っていて好きになった魅録も、
告白しといて返事をいらないと言ってしまう野梨子も、悠理と同じくらい不器用なのだろう。
そう思うと、自分の不器用さも受け入れられる気がした。

続く

おお、続きが！
＞恋愛正方関係
思わず宣言する魅録が、年齢相応ですごくかわいい・・・。
それぞれの感情の向かう先がバラバラで、これからどうなるのか
ワクワクします。キーポイントは清四郎かな？
続き楽しみにしてます！

ごめんなさい
最初に書き忘れてましたが、<<191の続きです。

>正方関係
魅録も悠理も実に爽やかだ。
楽しい日常風景の中に、胸が切なくなる想いが少し混ざっていて、
こういうお話大好きです。
続きお待ちしています。

逆向きu
重ね重ね申し訳ありませんが、>>191でした

ﾜﾛｽｗ
大丈夫だからもちつけｗ

＞恋愛正方関係
魅録が男らしくてとても良いｗ
続きとっても楽しみｗｗｗ

＞恋愛正方関係

乙でした。
魅録に対し安心してじゃれる悠理の姿にﾎﾉﾎﾞﾉｰ（*´∀｀）としてたんですが、
これまた切ない展開。でも、不器用さ丸出しの悠理と魅録がｶﾜﾕｽw
続きをお待ちしています。

(´･ω･`)

hosyu

保守　▽・ω・▽

久しぶりに覗いたら病院坂が！嬉しい驚き！
しかも美味し過ぎる展開。
気品があるのに、どことなく退廃的で艶っぽい世界に
引き込まれました〜

補習じゃなくて保守

うｐ期待保守

捕手

明日は雛祭りほしゅ

白鹿家には由緒正しいお雛様がありそうだ。
剣菱はとにかくデカくて派手そう。
黄桜家は人形を飾ってるのがピンと来ないなぁ。
でも、あったら可憐はすごく大事にして、3日のうちに片付けそう。

>>243
剣菱家のお雛様は百合子さんの趣味でおフランス人形風味なんじゃなかろうか。

菊正宗家もちゃんと飾ってそうだね

そろそろ卒業シーズンである件

私立校だともう終わってるところが多いのか

大々3月1日の模様。
聖プレジデントの卒業式は凄そうだ
清四郎が答辞を披露する日は果たして来るのか・・・

何を語るのか想像つかないや＜清四郎の答辞

６人それぞれ、花束とかいっぱいもらってすごそうだね。
あと、写真攻撃。一緒に撮りたくて列を作りそうだ。

TDLのアトラク並に並ぶのかなｗ
あげる側も花はキャラに合わせて選びそうだよね。野梨子には百合、可憐にはバラ、悠理にひまわり…はさすがにないか。

ほしゅ

　

>>253
・・・・ゆ、ゆ、ユーレイ？(ﾟДﾟ；)）ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

恋愛正方関係さま〜　続きぷり〜ず！

ほ

わたくしも願っておりますわ・・・
恋愛正方関係様

病院坂ワクテカ

テカテカ保守

ふと思いつきで書き込みしてみる。

「特別な日」のオシャレって、男性陣は何かするだろうか。
たとえばクリスマスとかに。

美童あたりはそのへん、キッチリ押さえていそうだけど、
普段オシャレにあまり気を使わなそうな清四郎が
いつもは着ないちょっといいシャツを着るとか、魅録が
いつもはつけない香水をちょっと付けたりとか、そういうのに萌える。

オシャレねえ。正月は男性陣もみんな着物なんだよね。
美童なんて外人なのに似合うんだよねこれが。
クリスマスなら、魅録がトナカイ柄とかサンタ柄のネクタイをしそうだ。
清四郎は、うーん思いつかない。

いつもより3本多いすだれとか＜清四郎のオシャレ

>>262
ちょｗｗｗｗ　ﾌｲﾀｗｗｗ

特別な日とはちとずれるけど、
魅録がボディピアスとかしてたらちょい萌える。

>>262
念入りに整えるわけだ。気に入らなくて何度もやり直したり。
それを見た和子が「もしやデート？」って尾行したりして…。

>>264
いいね、ボディピアスとかタトゥーとか似合う。
初期のちょいワル＆おしゃれな魅録のイメージだね。
ピアスだったら左耳に。ついでにへそピかな？
女の子はピアスはしなさそう。
野梨子は論外。悠理は興味なし。可憐も意外と古風だからな。

女の子たちはイヤリングだよね。
あれ、野梨子がイヤリングしてる時ってあったっけ？

>>265
寧ろ『悠理がイヤリングしてる時ってあったっけ？』の方が正解じゃまいか

悠理がイカリング　に見えた

悠里はけっこうしてる。
すぐに浮かぶのはたとえばアドベンチャークイズの回、
夜、香港での前夜祭で九江が作った中華を食べてるとき。

野梨子は耳が髪の毛で隠れて見えてないじゃん。
髪型もアップにしてるのは着物の時ぐらいだし。
着物ではイヤリングなんてつけないからな。

そだね。

野梨子のイヤリング発見した。
コミック４巻の表紙
本編の中でも同じ格好だけど、そっちはしてないや。
こうしてみると悠理はけっこうしてるなぁ

魅録のへそピはセクシーで萌えるね。
他は基本的に自分の体を傷付ける事はしなさそう。
整形なんかももっての外（というか必要ない）だろうな
考え方としては全然受け入れるんだろうけど

やばい魅録のへそピ＆タトゥー妄想が止まらん。
絵師さん降臨してくれないかな・・・

美童はピアス開けてないんだろうか。

僕の美しい体に傷を付けるなんてあり得ない、とピアスしない派だと思う。
美童。

え？魅録がへそピ？と一瞬、疑問に思ったけど彼はロック少年なんだった。
忘れてたw　高校生ながらに髪をピンクにしてるくらいだから、あってもおかしくないか。

しかも暴走族のリーダーだからなー。
すでにそんな設定無いに等しいけど…

そういう類のものはあまり好きになれませんわ。と野梨子に言われて
凹んでそうじゃん。へそピ魅録。

悠理は面白がって引っ張ったりしそうだけどなｗ

意外に野梨子も好奇心旺盛なところがあるから
マジマジと眺めて、魅録を照れさせそうな気もする。

>意外に野梨子も好奇心旺盛
清四郎もだね。2人に間近でじろじろ見られてつつかれちゃったりして
照れｷﾞﾚする魅録を想像した。

思わずムッとして、あとで野梨子に嫌味言って喧嘩してそうな気もする＜清四郎

「痛くないんですの？」とか「自分で開けたんですの？」とか
色々質問攻めにしそうだね＞野梨子

興味はあるけど自分じゃ絶対にしなさそう＞可憐と野梨子
そんな彼女に所有印を押すみたいにピアスを空けさせる魅録にも萌え

美童はピアスしてるでしょ。外人さんは子どもの時から代々空いてるよね
何だかんだで杏樹とお揃いのものとか付けてそう

>そんな彼女に所有印を押すみたいにピアスを空けさせる魅録

鬼畜風味魅録萌え
悠理だと自分からへそピくらい開けそうｗ

百合子さんにめちゃくちゃ怒られるんじゃ・・悠理。

（０＾〜＾）

時宗さんも怒りそうだけど、
うるさくすると千秋さんに嫌われるから
魅録は野放しなんだろうね。

>そんな彼女に所有印を押すみたいにピアスを空けさせる魅録

私も鬼畜風味魅録萌えた！
でも野梨子だと最後のさいごで魅録って出来なさそう。
可憐相手だとライバルがいたら嫉妬丸出しでやった挙句に
最後に詫び入れてお揃いとかにしそうだよ。
あらなんかヘタレに･･･

明日はホワイトデーですよ。

美童はまめにお返しするんだろうなぁ〜

お返しするにもすごい人数だよね。
ファンの子たちには平等にお返ししないと争いが起こりそうだし
沢山の彼女たちにはそれぞれにあうものをちゃんとチョイスして
気の利いた甘い言葉とともに・・・

美童　忙しすぎだね　ホワイトデー

ピアス話に妄想してみました。
ピアッシング話なので痛いの、きもいの苦手な方はスルーしていただければ
幸いです。

悠理はベッドの上でいつものお菓子を片手に、膝を抱えたり寝転がったり
借りてきたＤＶＤに夢中だ。
明かりの消えた部屋に、スクリーンからあふれる三原色の光だけがちらついている。
激しい効果音に、時折悠理の体の芯が響く。

もう何回もみたじゃねーかよ…。

背中の悠理に見向きもしないで、机の上の細かなパーツを
一つ一つチェックしながら魅録は思う。
いつものシュワルツネッガーのＤＶＤ。はっきり言ってもう食傷。

週末に倶楽部の皆で魅録の部屋に集まり、映画を見るのがなぜか
しばらく流行っていた。
でもいつのまにか残ったメンバーは魅録と悠理だけ。
やたらと熱く語りだす清四郎と野梨子に、恋愛モノばかりもってくる可憐に美童、
そして毎回借りられるシュワちゃんに、誰もがお互いに飽きてしまった。
趣味があわないといえばそれまでだけれど、なんとなくこうして
一緒にいることになったのは結局のところ魅録と悠理だけになった。
それはそれでおなかいっぱいだが、まあ悪くない。
なんだかんだでこうして悠理は今日もベッドの上でシュワちゃんを見つめている。

映画のクライマックスが近づいてきた。
机を離れ、魅録は悠理の隣に腰掛けた。
悠理は微動だにしない。
その大きな瞳をこぼれそうなくらいに開いて、子どものように映画に夢中になっている。
その視線の先で、今日もシュワちゃんは大爆発を背に元気に戦っていた。
そんな悠理の横顔を魅録は密かに見つめる。
くるくるとめまぐるしく変るスクリーンの光に照らされたその顔を、ほんのわずかだけれど…。
絶対に誰も気付かれないように、息を潜めて見つめる。
そんな時魅録はいつもかすかな罪悪感を心に感じてしまう。
まるで盗人のような心境にいつも心がざわざわしてしまう。
本当はこの手をその頬に置けたらいいのに…。
誰にもいえない願望は、いつもとても苦しい。
盗人の気分の魅録を咎めるように今日もスクリーンの中のシュワちゃんは
悪を倒し正義をもぎ取ったようだ。

「っあ〜〜〜〜っ！今日もちょーかっこよかった…」
言いながら悠理はどさっと後ろに倒れこむ。
枕をぎゅっと抱きしめて、シュワちゃん…と夢みがちな目をしてつぶやいている。
「よく飽きねーな…」
「何回みてもいいんだよっ」
ん〜と一つ伸びをして、悠理は満足した顔で魅録を見つめてきた。
「なあ、どっかいこーぜ」
きらきらの瞳が催促する。
「今から？」
「うん」
時計の針は0時を過ぎている。明日は朝一、母親に呼び出されていた気もする。
「いーじゃん、いこーぜ」
悠理は全く気にする様子はない。
「さっきのパーツ、仕上げたんだろ？いこーぜー」
元気に飛び上がると悠理は魅録の肩を叩いた。
口では渋る様子をして見せたが、断るつもりなんて全くない。
というか断れない。
悠理はもちろん分かっていないだろうが、もうこれは仕方ない。
ずりぃよな、と心で軽く自嘲して魅録は立ち上がった。
「しょーがねぇなぁ、まってろ。着替える」
「やったぁっ！魅録ちゃんダイスキっ」
けらけら笑って魅録に抱きついてくる悠理は無邪気に笑っていた。
罪がないとはいえ、腹立たしい。

「早く着替えろよー！うりゃー！」
悠理がいきなりじゃれ付いてきた。なぜか巧みに魅録のＴシャツがひっくりかえされる。
変に信用されてるから、こういう無防備は非常に困る！
理性がどこかへ行ってしまいそうになるのを危うくこらえて悠理から離れた。
「ちょ、バカ！やめろって！」
「あっれー？？」
悠理が自分の方を指差しながら、なぜかきょとんと見つめていた。
「え、なに？」
なんか変なものでもついてるのかと思い、魅録は慌てて自分の体を確認した。
変なところは何もない？はず？
「あれー？オマエそんなとこにピアスなんてつけてたっけ？？」
悠理が指差したものは最近あけたピアスだった。シルバーが鈍く光る。
「なんだよーこれー？いったそうだなぁ」
そういういいつつも悠理は、腹部のピアスに興味津々だ。
指先でつまんで、ひっぱる。楽しそうだ。
「ばっか！いてぇ、やめろって、みんなって」
本当はあんまり痛くないけれど…。
恥ずかしさに見が捩れてしまいそうだった。慌てて悠理の手を這いのける。

「ピアスかー…オマエこーゆーのじぶんであけんの？？」
なぜか悠理は質問攻めだ。
「んーまぁなー」
「怖くない？痛くない？」
「んー別に、フツー」
「そっかぁ、ピアスかぁ…」
悠理は何か考え事でもしているのか、少しうつむきながら自分の耳を触っていた。
その仕草に魅録は思わず聞いてみた。
「なに？悠理、おまえ、ピアス開けたいの？っつーか、開けてなかったっけ？」
言ってから魅録は後悔した。
「あけてねーよ」
ほら、といいながら無造作に広がった髪をかきあげる。
印象よりもずっと白く透明なうなじがふっと暗闇に浮かび上がって魅録は思わず目をそらした。

ヤバイって…。

>>しるし

えーっと「続く」でいいんでしょうか。
ピアス話読みたかったので嬉しいです。
興味しんしんの悠理がそれっぽくてかわいい。

テンプレにもあるんですが、「続く」とか「終わり」とか
入れてもらえないと、終わったのかどうか判断できなくて
感想レスもつけづらいです。
次回はどうかお願いしますね。
これで終わり・・・じゃないですよね？続き楽しみにしてます。

続けるつもりが何かのトラブルで中断されてるのかもしれないと
私も感想が書けませんでした。

でも、早速のピアスネタありがとうございます！
面倒見が良くて優しい魅録がいいですね。
無防備な悠理にdkdkしてる様子も可愛い。
続き、お待ちしています。

すみません。続く入れ忘れました。
ご迷惑おかけして、申し訳ないです。次は気をつけます。

続きうｐさせていただきます。

「あたしも開けよっかなー」
悠理は指に巻きつけた髪をもてあそびながら唐突に言った。
「なんだよ、急に」
「えーだって、なんかいいじゃん？」
「そうかぁ？」
「なんだよー、魅録なんかいっぱいあけてんじゃん」
「まーそーだけど…」
よどみない会話にリズムにのって悠理は迷わず、そして唐突だった。
無防備と無邪気はいつでもこちらの心にはお構いなしだ。
「なぁ、魅録、あたしに開けてよ」
言葉が出ない。
「自分であけられんだろ？あけてよー」
好奇心がころりと転がり出てきたそのあっけらかんとしたその様子は、
悠理がなんにも考えてないのをよく物語っている。
「いーじゃん、な♪」
軽く笑って魅録の顔を覗き込んだ。
その目にお願いされたら、それは結構、かなり断れない。
んー？とぐりぐり悠理が顔を近づけてくる。
悠理はもう絶対に引かない顔だ。もうこれは今日絶対に望みがかなうまで騒ぐだろう。

いーんだよな？
俺は絶対におまえが思うほど気楽にあけらんねーぞ？
俺のそれとお前のそれは絶対に意味が違うからな？

もう一度悠理の顔を見る。
へらへらっと調子のいい顔で笑い返してきた。

好奇心は猫をも殺すんだからな？
俺は決めた。
声には絶対に出せないけれど、決心をつける。

結局俺はずるいから、この気持ちのことは言えないし言わない。
悠理が何も気付かないうちに、自分はこの行為に深く意味をこめるだろう。
魅録は自分の考えに寒気がする。きもちわりぃな。

妙に神妙な顔で自分を見つめる魅録に向かい。
「だーいじょぶっ」
とのん気にピースしている。
なにが大丈夫なんだ？と思ったが、決めたものは仕方ない。

**************痛いのきもいのぐろいので、苦手な方は読み飛ばしてください！！*********



「いーぜ、あけてやる」

おもむろに立ち上がり机の引出しから道具を取り出す。
消毒用のアルコール、ファーストピアス、そして鋭く光るニードル。
手馴れた仕草でそれらを並べていると、悠理がちょっと緊張した声で聞いてきた。
「うわー、ホントに針で開けんだ？」
「なに？お前怖いの？」
やめるなら今のうちだぜ？自分に問うたのか、悠理に問うたのか自分でも分からない。
引き返すなら今だろう。
「病院でちゃんと開けるのもありだし…」
自分を試しているのか、相手を試しているのか…
「…いまあけたい」
微かな沈黙ののち、悠理はきっぱりと答えた。
いいんだな？
目だけで問う。悠理がうなずく。

悠理は好奇心だけで立ち上がったけれど、それでも少しは怖いのだろうか？
俺は…
俺は怖い。
しかし歓喜する…
俺は少し変だ。おぞましいと思う。

よどみなく消毒を進め、淡々と準備をはじめる魅録が
いつもよりいっそう無口なのは気付いていた。
調子に乗りすぎてしまったかな、と少し反省はしてみるが
乗ってしまった船は下りることができない性分だ。
それに勢いで「開ける」といったように聞こえたかもしれないが、本当は違うのかもしれない。
ふとそんなことを思う自分が不思議だった。
「ほら、どっちにあけんだ？」
魅録に聞かれて慌てて左の耳を指差す。
「こっち。こっちにあけて」
魅録のピアスと同じ場所だ。
「顔上げて」
そういわれて顔を上げると魅録の視線とぶつかった。思わず目をそらす。

できるだけ冷静になるように気持ちを落ち着かせる。
消毒の匂いがツンと鼻を刺激するくらいが丁度いい。
少しでも気を抜いたら、こちらがおかしくなってしまいそうだ。
顔を上げた悠理の視線を一瞬捉えた時は、体が熱くなるのが分かった。
自分を制するだけでいっぱいいっぱいだ。
悠理の耳にそっと触れる。
やわらかく温かいその感触を魅録は絡め取るように感じた。
アルコールをたっぷり含んだコットンは、冷たく濡れているはずなのに
さらさらと蒸発をして、指先に乾いた感触を残した。
それを悠理の耳にそっとあてる。
マーキングした場所に静かにニードルを押し当てる。
一瞬悠理の体に、緊張が走った。
魅録は顔も見ず問い掛ける。できるだけ何も考えたくない。

「…こわい？」

「…こわくない」
毅然と声が放たれた。

そして正確にマークしたその一点を、魅録は迷うことなく一気にその鋭いニードルで貫く。
ニードルに塗られた軟膏でぬるぬるとすべりながら
針は悠理の耳を通過してゆく。
それは錯覚のはずだが、妙にリアルに悠理の体温を感じた。目を閉じてそれを感じる。

悠理、俺はお前に「しるし」をつけたんだ…

「オッケ」
その声を聞いても、悠理はまだ体をこわばらせている。
ぽんぽんと肩を叩いて、鏡を手渡した。
「ほら、ついてるだろ？」
ようやくほっと息をつき、悠理が鏡を覗き込む。
「おー、ほんとだ。ついてる。ピアスだぁ」
わけのわからない感想をつぶやきながらも満足そうだ。
「おつかれ」
「どう？変じゃないかな？」
言いながら悠理が髪をかきあげる。微かに腫れた耳が少し痛々しい。
「さあ？」
「んだよー」
「ちゃんと消毒しろよな。膿むからな」
ふくれる悠理を無視して、ほら、と魅録は消毒薬を悠理に手渡した。
「ほんと、ちゃんと消毒すんだぞ」
「わーったよ〜」
ピアスに夢中で、聞いてるんだか聞いていないんだか。
やや心配ではあるがとりあえず言っておく。
「なんかあったらすぐ病院行けよ」
「おう、わかってるやい」
そして悠理が魅録を鏡越しに見つめてきた。キラキラと笑うその顔は
いたずらっ子のようでなんともかわいらしかった。
「さんきゅー、魅録♪」
明るい悠理の声が部屋に響く。

出かける時間なくなっちゃったなー、またあそぼうぜー♪と悠理はさっさと
その後すぐに家に帰ってしまった。
なんともあっさりで思わず拍子抜けするくらいだった。
もっとも悠理と自分の間には、ピアッシング１つにかなりの温度差があったのだから仕方ないけれど
やはり少し寂しいものがある。

ふう、とため息をついて魅録はベッドに倒れこむ。
めまぐるしい緊張感にずっと包まれていたせいか、どっと疲れがやってくる。
このまま眠りに落ちそうなぎりぎりのところで、悠理の耳の感触を思い出していた。

あのピアスは自分にとっては「しるし」だ。
相手にとってそんなつもりが全くなかったとしても。

悠理が好きだ。
伝える勇気はまだないが、好きだ。
ずっと一緒にいたい…このまま。
ずるく、粘着質な気持ちだけど、今日の行為はすべてそのしるしだ。
今日の行為をすべて正当化できる日はくるのだろうか？
この気持ちをいつか伝えたいと思う。
あの夜露のように光るピアスと温かさを思い浮かべながら、魅録はいつのまにか眠りに落ちていた。

悠理はヘルメットをかぶる前に、ミラーで自分の耳を覗き込んだ。
左耳のピアスが街灯に反射して光る。
微かに熱と、鈍く続くその痛みが心地よかった。
原始的なその感覚のせいなのか、気持ちが高揚しているのが自分でも分かる。
そしてこのピアスは魅録がつけた「しるし」だと、とても自然と思った。
なぜ自分がそう思うのかは正直よく分からない。
でもこのピアスを悠理が温かいものだと思うのは正直な気持ちだった。
むしろ、嬉しく誇らしいようなくすぐったいようなそんな気持ちだ。
このピアスがあれば、魅録と何処までも一緒にいられるのかもしれないと
不思議と確信を感じていた。それが友達であっても恋人であっても…。

「帰るか…」
バイクのエンジンを入れる。
真夜中のエンジン音は昼間よりずっと大きく響いたような気がした。
３月とはいえ夜の風はまだ冷たい。

しかしピアスの横をすり抜けるその風は、いつもよりずっとくすぐったく胸に…

***************
以上です。

えぐくてぐろくてすみません。
ピアスは是非病院で開けてください。
自分で開けるのはあまりよろしくないと…。

ありがとうございました。

>しるし
早速のピアスネタありがとうございます！
普通にじゃれあってる様に見える魅録が
実はこんなに緊張してたんですね。ｶﾜｲｲ
そしてお互いが言わなくても「しるし」と思ってる（感じてる）とこが
なんか色っぽい！？感じで素敵でした。

>>しるし
続き待ってました。そこはかとなくエロス、で
軽く鬼畜な魅録ｶｺｲｲ。
なんとなく通じ合ってる2人がイイ。
ごちそうさまでした！またお願いします。

しるし作者さんＧＪです。
えぐぐてぐろいの嫌いだから、スルーしようかなと思ったんですが
魅録＆悠理の可愛らしさに勇気をだして（大袈裟w）読みましたよ！！

読んでよかった。（*´∀｀*）
友達以上恋人未満の関係の２人が
何とも微笑ましくて頬っぺたが緩みっぱなしでした。
本当に乙でした。

>しるし
魅録の心情が可愛くて(´∀｀*)ﾓｴ
悠理と魅録のこの距離感がいいなぁ。

＞しるし
二人の可愛さに悶えました。

魅録も悠理もかわいらしいです。
えぐいとのことでしたが色っぽく感じたので大満足です。
いいお話をありがとうございました。

保守しますわ

仕方ありませんね。ぼくも保守しますよ。

しょうがないわねぇ　私も保守しとくわ。

おまえら、ずっりいぞ。あたいも混ぜろ。
保守だ保守だ〜。

え〜？じゃあ、僕も保守〜！

えっ？おれ最後かよ！　んじゃ保守な。

>>316-321
いい流れｷﾀﾜｧ*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･゜(n‘∀‘)ηﾟ･*:.｡..｡.:*･゜ﾟ･* !!!!!

＞しるしさん　乙です。
ほんのり色っぽくていい！！

恋愛正方関係さん　お待ちしてますｗ

かーちゃん、そろそろ保守だがや。

あらもうですの？それでは保守させて頂きますわ。

では、じいめも保守を。

保守ねぇ…で、時宗ちゃんはどーするの？

千秋ちゃんのために保守！！

総監！僕らも作品投下を待ちながら保守します。

ほーほほほ。今のうちに保守するあるよ。
これで作品私のものね。

ちょっと父さん、保守なんて僕がやっておきますからとにかくこの書類にサインしてください！

うまいなぁ。
短文でも誰の台詞か分かるのが有閑倶楽部の凄いところかも。
それだけキャラが立っているんだろうな。

美童様！おらが保守しとくだ！

清四郎ハーン！！わいも保守させてくださーい！！

恋愛正方関係を書いているものです
さっそくですが、続きの方をうｐさせていただきたいと思います

告白の次の朝、野梨子と清四郎はいつものように連れだって学校へ向かっていた。
普段通りに会話をし、傍目にはいつも通りに見えるものの、
どこかぎこちないことを野梨子はわかっていた。
他愛もない会話をしながら昨日のことを思い出す。

朝、生徒会室に着いた二人は今みたいにに読んだ小説の話や株価の話をしていた。
そのうちに、恋愛の話になったのだ。
友情は恋愛になるかということについて、討論していた。
「友人は友人です。そういう対象にはなりませんよ」
「あら、そんなことありませんわ」
絶対にありえないと主張する清四郎に対し、野梨子は反論した。
なんといっても野梨子は目の前の男が好きなのだし、
清四郎だって自分では気付いてないだけで……。
「どうしてです？」
まるで気付いていない清四郎が憎らしかった。
「だって」
（だってわたくしは……）
「わたくしは、清四郎が好きですもの」
ついに言ってしまったのだと思った。
いつかは言うつもりでいたから後悔はしていないけれど。
「心配なさらないでくださいな。別に答えなど求めているわけではございませんから」
答えが欲しかったのではない。

「ただ言っておきたかっただけですわ」
返ってくる言葉はない。
返答が欲しかったわけではないけれど沈黙が少しだけ痛かった。
魅録が早く来ないかと思ったその時、開いたドアに顔を向ける。
そこにいたのが悠理だと知ったとき、その気まずげな顔を見たとき、
野梨子はタイミングの悪さを呪った。
そして、野梨子は初めてこの瞬間に告白してしまったことを後悔したのだ。

隣を歩く清四郎の顔を見ながら、そっと溜息をつく。
悠理は気付かなかっただろうけれどあの時清四郎は確かに動揺していた。
恐らくは野梨子の告白以上に悠理にそれを聞かれたであろうことに。
（どうしてわからないのでしょう。わたくしでもわかりましたのに）
恋愛に疎いと言われる野梨子でさえ気付いたのに、
肝心の清四郎はまるで自分の気持ちに気付いていない。
悠理に恋愛感情を抱いているということに。
野梨子が問えばそんなはずはないと否定するのだろう。
（貴方は自分がどんな瞳で悠理を見ているのか気付いてませんの？）
直接に問うことなんてできはしないけれど、
それでも時々、そう問い掛けたくなる。

野梨子には悠理の気持ちも魅録の気持ちも美童や可憐の気持ちもわからないけれど、
清四郎の気持ちだけならはっきりとわかる。
（ずっと見ていたのですもの……。誰よりも、近くで……）
幼なじみとして誰よりも清四郎の側にいた野梨子には、
清四郎の気持ちだけは誰よりもわかる自信があった。
同じように清四郎にも野梨子の気持ちはわかっていたと思う。
（わたくしの気持ちだけではありませんわね。
清四郎のことですもの、他の人達の気持ちもわかっているのですわきっと）
清四郎は基本的にそこまで鈍くない。
むしろ野梨子などよりよっぽど鋭い彼は、
自分以外の気持ちならしっかり把握しているのだろう。
それなのに清四郎自身の気持ちのことになると途端に鈍感になるのだ。
悠理のちょっとした行動に傷ついて、なのに傷ついたことにすら気付かない清四郎に、
野梨子はもどかしくてどうしようもなくなる。
（気付けばきっともう少し楽になるはずですのに）
「清四郎」
「なんですか？」
不意にあらたまって呼び掛けた野梨子に、清四郎がこっちを見る。
「貴方は馬鹿ですわ」
「はい？なんですかいきなり」
野梨子の言葉に清四郎は憮然とした顔をする。

「馬鹿ですわよ。自分の気持ちにすら気付いてないのですもの」
自分の気持ちにだけ気付かずに、馬鹿みたいに傷ついている。
「僕の気持ち、ですか」
困ったような顔をする清四郎に野梨子はもう一度、
清四郎にも聞こえないくらいの小さな声で馬鹿ですわとつぶやく。
それでも一番馬鹿なのはそんな清四郎が好きな自分なのだと思う。
（悠理になんて、敵うはずありませんのに……）
清四郎と野梨子は似ている。
だから、野梨子には悠理に惹かれる清四郎の気持ちがよくわかる。
清四郎が悠理に惹かれるのは当然だと思えるほど、
彼女は野梨子が持ち得ないものをたくさん持っている。
（それでも…諦めることなんてできませんもの）
たとえ清四郎の目に妹としか映っていなくても。
諦めることなど出来ないから。いつか――。
清四郎が自分の気持ちに気付き、野梨子も返事をもらう覚悟ができたなら、その時は――。
（もう一度、しっかりと気持ちを伝えましょう）
その時まで、もう少しだけこの穏やかな関係に浸っていよう。
いつか訪れるであろうその時まで――。
焦ることなどないのだから――。


続く

またやってしまいましたu
>>227です
本当に申し訳ありません

凛とした野梨子がイイわ〜ｗ
続き、楽しみにお待ちしてます〜

野梨子、かわいいよ、野梨子

清四郎本人が気付いてない感情に気付く野梨子がｾﾂﾅｽ
続きを首をながーくして待ってます！

お待ちしてました＞正方関係
すっきりした文章ですごく読みやすいです。
もつれた関係なのに、爽やかさがあってｲｲ！
次回も楽しみに待ってます。

野梨子ﾃﾗｶﾜﾕｽ。
どういう経緯で告白に至ったか気になっていたので、
わかってｽｯｷﾘ。
続きを楽しみにしています。

空気読まずほしゆ

やったぁ！恋愛正方関係だ
野梨子は清四郎が悠理を好きなのを気づいていて
魅録も野梨子が清四郎を思っているのをわかっていて
悠理も魅録から野梨子を好きだと聞かされて・・・
みんな切ないですね。
それなのにドロドロした感じじゃないのが素敵です。
続き楽しみにしてます！

ドロドロといえば、暴走愛。
すっごい文章上手いし、展開もドキドキで好きだった。
いいところで中断してるけど復活しないかなあ・・・

んだ。

復活を待ってる作品と言えば、恋のチカラ。
病院坂が帰ってきてくれたことで、
期待することを止められなくなってしまった…

私も待ってます・・・・檻

新規の作家さんもお待ちしてます

スレが立ってから2ヶ月経ったので、24時間に1度の保守が必要になったね。
作品がUPされ始めてるし、今度こそスレを落とさないようにしないと。
詳しくは>>107を。

>>353
乙です。
批判要望板と、難民の下の方のスレを観察してみたところ、
ex20鯖のｎ日ルールは解除されている模様。
だが設定はあくまで非公開なので明確な確認はとれないし、
念のため保守した方がいいのかな。。

せっかくのこのいい流れを落とさないために
念のため保守！

>>354
このスレかな。

ex20のn日ルールやめて下さい
http://ex21.2ch.net/test/read.cgi/accuse/1170059617/

今のところ解除されてるみたいだけど、再設定の話もあるようだし、
24時間に1度のレスを目標にしておいた方がいいかも。
↓上のスレの150番にはこんな話もあったから。

＞結構盛況で伸びていたスレが、ｎ日ルールをやったその日だけ、
＞２４時間書き込みナシで落ちたorz
＞書き込みにいったのは、最終レスの２５時間後だったorzorz

寝る前に保守。おやすみ〜。

念のためほす。
暴走愛、私も続きが読みたい。

保守

本日の保守

保守やねん。

hoshu

ちょっと鬼畜な魅録に萌える。

保守

保守なんだけどさぁ、狂ったみたいに保守保守すんのやめようよ

＞今のところ解除されてるみたいだけど、再設定の話もあるようだし、
＞24時間に1度のレスを目標にしておいた方がいいかも。
なんでしょ？
保守書き込みする前にリロードして、前の書き込み時間見て計算してからでも遅くないと思うけど・・・

今が保守

すげえええええ！！！！！１！>>365

>366
なにが？保守が？

懐かし漫画板の一条スレに、このレスがあった。
コミックス派だから全然知らなかったよ。
読んだ人がいたら、ネタバレ注意付きで詳細を教えて欲しい。


＞369 名前：愛蔵版名無しさん 投稿日：2007/04/04(水) 22:34:42 ID:???
＞>>368
＞外伝で、悠里と美童の子供時代のエピが出てくる話と
＞時宗さんと千秋さんのなれそめ話の3話は単行本未収録だよ。

>367
ヒント：時間

>>368
時宗さんと千秋さんのなれそめは立ち読みしたよ。
以下軽くネタバレだけど正直うろ覚えｗ




ツーリング・エクスプレスの、エドとフランのなれそめにそっくりだったことしか記憶にない。
正直ｽﾏﾝｶｯﾀ

それ、どうしても読みたいよ。
どこで買えるか教えてください。

>>370
ありがとう。そうか、あのパターンか。ちょっと意外ｗ

>>370
thx
そういう馴れ初めなら、結構自然だね。

保守しとこ。

もいっちょ保守しとこ。

豊作さんの子供はやはり、○○作なのだろうか、とふと考えてみる。

それより無事に嫁取りができるかどうかの方が問題。
良家のお嬢様は剣菱家に嫁に来そうにないしｗ
悠理なみのはっちゃけた女性がいればいいかもしれないが。

子供の名前は、剣菱の両親がでしゃばってこなけりゃ普通だと思うよ
「悠理」みたいに

孫が生まれたらすんごくはしゃぎまくりそう。名前だって付けたがると思う。
婚約騒動んときも、悠理と清四郎ちゃんの子ならきっとかわいいわ〜、って
はしゃいでたもの。

>371
そのエピは単行本コミックスともに未収録だし、当分予定もないと思う。
地道にコーラスのバックナンバーを探すか
（掲載年月は忘れた。この過去スレで話題になってるから遡って自分で調べて）、
国会図書館で閲覧するしかないと思う。
国会図書館はいいよ。閲覧は無料だし、1枚20円でコピーもできる。

24時間経過保守

悠理と美童の子供の頃のエピも知りたいなぁ

保守しなきゃ。

今夜も保守だがや

あら、1日経ってしまう前に保守しとかないといけないわね。

hoshu

ほす

hoshu

清四郎はウサギが好きなのか。
剣菱家の事情で、生徒会室での黒ウサギマグに続き、
剣菱家のコンピュータールームに詰めてるときに
飲んでるマグもウサギ柄だよ。家から持ってきたのかな。

姉からのプレゼントとか。（嫌がらせ込みの）

保守しかないと

>352

新規の作家さんは降臨しない。
ニラミ効かせてるヤツがいるから。

ニラミ、ねえ…

興味ﾈｪ…

誰でもいい
新作ﾌﾟﾘｰｽﾞ!

恋愛正方関係と病院坂、続きが気になるよ。

ほしゅ

☆

○｡･｡○｡･｡○｡･｡○｡･｡○｡･｡○｡･｡○｡･｡○｡･｡○
このﾚｽをみたあなたは･･･3日から7日に
ﾗｯｷｰなことが起きるでしょう｡片思いの人と両思いになったり
成績や順位が上ったりetc...でもこのﾚｽをｺﾋﾟﾍﾟして別々のｽﾚに
5個貼り付けてください｡貼り付けなかったら今あなたが1番起きて
ほしくないことが起きてしまうでしょう｡
ｺﾋﾟﾍﾟするかしないかはあなた次第...
○｡･｡○｡･｡○｡･｡○｡･｡○｡･｡○｡･｡○｡･｡○｡･｡○

保守だよ〜。

そろそろこないかなぁ　恋愛正方関係

私も待ってる。＞正方関係

保守しとく

そうだね、しとこうね保守。

今日も保守

GW開けに期待を込めて　保守

ゴールデンウィーク、有閑の面々は今年どこに行ったかな。

「つまんねぇ！」とかブチブチ文句たれながら近場でウロウロしてて
事件に巻き込まれて連休どころじゃなくなったりして。

事件。。
こいつらいったい何人ぐらいの死体目撃してんだよって思うときないですか？

「ねーねー、連休どーする？とーちゃんのトライスターで上海行こうよ！」
「上海もいいけどさ。一番いい季節だから、スウェーデンのおばあさまに会いに行かない？」
「悪い、俺パスポート切れてんだ」
「また！？も〜、じゃ魅録は置いて5人で行きましょ」
「「そうだそうだ！！」」
「げ〜〜。マジかよぉ」
「「「ははは。嘘だって。じゃ、仕方ないから北海道でも行く？」」」

「…毎年のことながら、向こうは盛り上がってますねえ」
「本当に呆れますわ。連休明けの中間考査のこと、どうして忘れてしまえるのですかしら…」

保守

ここは有閑倶楽部オンリーですか？
プライドのエロパロもアリでしょうか。

一応有閑オンリーだけど、過疎ってるし個人的にはいいんじゃないかな。
もちろん、他の住人さんの意見も聞いてからになるけど。

ただエロに限定するならエロパロ板のほうがいいんじゃない？

有閑のスレだしね。プライド読んでない人もいるだろうし、
プライドのスレを作ってそっちに書き込めばいいと思うけど。

413に同意
私プライド読んでませんから・・・

自分もプライド読んでないけど、ここの過疎っぷりを
見てると、プライドと合体してもいいかもと思う。
どっちでもおｋなんですけどね。

自分もプライド読んでないです。やめてほしい。

>>412さんに同意。
最初に注意書きをつければ、読んでない人や興味ない人はスルーする
だろうから、投下してもいいと思う。
けどエロとハッキリしているなら、エロパロ板を推奨。「少女漫画・少女小説
全般スレ ４」スレが該当するかと。

有閑スレはあくまで有閑ネタで…

プライドいらない。
わーいスレ伸びてる！あ、なんだプライドかよ、がっかり・・・
それは嫌だ
「少女漫画・少女小説全般スレ ４」スレにいけ

反対意見がある以上はここへの投下は辞めた方がいいね。
投下してもいいと思う、って意見の人も投下を望んでるわけじゃなくて
投下しても我慢してあげるよ、ってニュアンスだもんね。

この過疎っぷりなら私個人としては投下おkだと思うがな。
事実有閑作品にしても保守ばっかで全然投下されてないし

そんなに投下したいなら投下してみれば？
でも反対意見が結構多いから叩かれることは覚悟しておいた方がいいと思う。
ここの住人はスルーしてくれないし。
過疎ってるようだけどルールや住人の意向を無視すると一気に荒れる
それがこの有閑スレ。
411に良識があるなら、ここには投下しないでくれることを心から望む。

>>422
>>411で質問した後、本人は現れてないのに何でそこまでカリカリしてるの？
そんな書き方されたら、有閑作品の投下もしにくくなる。

>>423
当然腹がたっているから。
過去ログ読めば有閑オンリーってわかるでしょ。
1度だってプライドなんか投下されてないのにわざわざ質問するなってこと。

それに過去ログ読めば、反対意見が出た以上は辞めておいた方が荒れないって
経験上みんなわかっているじゃない。
なのに、しつこく投下してもいいって意見が出てくるのは
質問者が投下したくて自分で賛成意見を書いているのかと思ってさ。

＞そんな書き方されたら、有閑作品の投下もしにくくなる。

この程度の書き込みで投下しにくいと思うような作家は
はじめから２ちゃんに投下しないほうが身のためだよ。
自分のサイト作って発表すべきだね。

じゃあ、プライドネタ投下はなしってことでもう終わろうね。
みんな仲良くね。有閑作品待ってるよ〜。

>>424は何様なの？

>>424
「みんな」って誰のこと？
難民に引っ越す前から居た住人だけど、私は424の言う「みんな」ではない。
言っとくが>>417と>>423は私だし、>>411の質問者とは当然別人。

色々な人が集うスレなんだから、色々な意見が出るのが当然なのに、
自作自演を疑うなんてどういう精神状態なんだか。
このスレの自治は424が決めるんだね、やれやれ。

すいませんが、話題、変えさせていただきます〜

原作の絵のタッチについてですが、初期・中盤・現在で好みが
分かれてるようですが、キャラ個別ではどうなのでしょうか？

私の好みは…
悠理：初期("男前"でかっこいい)
野梨子：現在(目がおっきくてかわいい)
可憐：現在(ゆるめのウェーブヘアの方が好き)
清四郎：中盤(大人すぎず子供すぎずな感じ…)
魅録：現在(単に好み！かっこいい！)
美童：初期(あんまり髪にボリュームがない方がすき)

個人的には、可憐が一番変わったなぁと思います。

急に質問投下で失礼しました。

>>428
ほぼ一緒です！
魅録は今の絵柄が一番好みです。
清四郎は現在かなり萎え萎え。一番好きなのに・・・。
美童だけは中盤のほうが好きかも。
あとは全員（見た目も中身も）もう少し大人っぽくしてくれたらなー。
個人的には、中期の絵柄で中身が初期なら言うことないです。

ああっ！あと一瞬書き込みが早かったらゾロ目だったのに〜。>投稿時間
自己レスです。失礼いたしました。

>>428
私もほぼ一緒です。
でも、野梨子に関しては、初期の「気高いお嬢様」な感じが好きです。

>>428
ほぼ一緒。美童は中盤がセクシーで好きかな。
魅録は初期の悪そうなのも、現在のやんちゃな感じも
どっちもイケるｗ

野梨子は初期・中盤・現在というより
話によってかな。

クイズの時みたいに髪が長めで顔が細めだと可愛いけど、
スパの話の時は、髪が横に広がりすぎて顔もぽっちゃりでブサだった。
変な服着てたし。

16巻は、全員目と目の間が開きすぎていて嫌い。

悠理は初期と中期の間くらい、まつげが長くておめめパッチリでかわいかった。
野梨子は中盤後期かな。悠理のそっくりさんが出てくる回が一番ベッピン
だと思う。可憐は中期〜後期にかけて。幽霊と恋に落ちたときの可憐は
めちゃくちゃ綺麗だった。

うん、あの可憐は本当に綺麗だった！

ファッションも重要ですよね

ファッションといえば、裕也に車で送ってもらったときの、野梨子の服装
素敵だった。まさにお嬢様って感じで。

すいません
妄想を書き込ませて頂きます。
作家では無いので文章も表現も幼稚ですが…

カプは　魅×可　のみで、他キャラは殆ど登場しません。
エロも無し(の予定)です。

このカプが苦手な方はもちろん、駄文で読んでいられない
場合もスルー願います。
タイトル"隣で笑っていられるように"です。

とてもよく晴れた日。
窓の外からは運動部の掛け声が聞こえる。"放課後"は始まったばかり。
生徒会室には５人が集まっていた。
「可憐はまたデートかなぁ？」
「ええ、６限が終わると同時に帰って行きましたわよ。」
美堂と野梨子の会話は実に淡々としていた。また、それを聞いていた他の
者の反応も特に何も無かった。
可憐がデートに行くことなんて、この生徒会室内ではニュースにもならない、
ごく日常的な事であった。
そんな中、（またデートか）と顔を曇らせたのは魅録だった。
だが、窓の外を向いてバイク情報誌を読んでいた彼の表情の変化には
誰も気づかなかった。

最初は　派手な女　だと思った。
男にモテたからと喜び、ラブレターの数を野梨子と(勝手に)競っては
勝った負けたと大騒ぎする。良いヤツだけどちょっと苦手だった。

だが６人で一緒の時間を過ごしている内に、本当は誰よりも純粋で思いやりの
ある女だと、少しずつ思うようになっていった。
以前、いつものようにデートに向かう可憐を見送りながら
「あいつ、男の事しか頭にねえのな」と冗談で言ったとき、野梨子から"違う"と
言われた事がある。
可憐が急いで帰るのはデートだけの為じゃない。
待ち合わせの時間までに母親の夕飯を用意し、出来る限りの家事をしてから
家を出るのだと。
玉の輿に乗ろうというそもそもの動機も母親の事があっての事だと。

自分の恋愛も、友達付き合いも、親孝行も、少しも手を抜かない可憐が
たまらなく魅力的に見えて、いつからか目が離せなくなっていた。


「オレも族のヤツらと約束してるし、先に帰るわ。」
魅録のこのセリフもまた日常的な事であり、４人は"また明日"と見送った。

>>439
>>440
すいません、リンク貼り忘れました…
上記２スレ分は続きです。(たまたま連番で良かった…)
いきなりミスして失礼致しました。

>>440

約束があるのは本当だが、夜の集合なので急ぐ必要はなかった。
早く一人になりたかっただけ。
まだ夕暮れには早く、初夏の柔らかい風が花壇の桔梗を揺らす。
その花の色が先日彼女が着ていたドレスの色と重なる。
"…可憐…"
魅録は艶っぽいあの笑顔を想った。

ただ、彼女を自分だけのものにしたいという気持ちは弱かった。
それは"仲間"としての関係も心地良いから。
だから普段は隣で笑っていられる。
…でも彼女がデートの時だけは、どうしても気持ちが曇ってしまう。
"こんな時は、暴れるに限る。だな"
と、ムリヤリ気合を入れ、彼は愛車に跨った。


続きます

やった、新連載！　魅×可は好きなので楽しみが増えた。
リンクは、各レスごとにする必要ないよ。最初のレスに1回だけ。

>>3より
＞・連載物は、2回目以降、最初のレスに「>○○(全て半角文字)」という形で
＞　前作へのリンクを貼ってください。

つまり、次に投下する時に442にリンク貼ればOK。

連載ｷﾀｰ！
このカプ、大好きなのに作品があまりなかったから嬉しいです。
ちゃんと家事をこなす可憐、ｶｺｲｲ。
続き楽しみにしてます。

淡々とした文章が読みやすくて（・∀・）ｲｲ!!
魅録のまだ淡い想いが今後どうなるのか楽しみです。

新連載やった！
＞良いヤツだけどちょっと苦手だった。
確かに魅録からしたら第一印象そんな感じっぽい。
＞彼女を自分だけのものにしたいという気持ちは弱かった。
今後気持ちが強くなっていくのでしょうか？
楽しみにしてます。

<隣で笑っていられるように>を書いてる者です。

たくさん感想頂いて、ありがとうございます！
ちょっとずつになりそうですが、あまり長く間隔を
空けないようにUPしたいと思っています。

長編にはならない予定です。

>>442

「魅録さん、今日は派手に飛ばしてましたねぇ！」
「まあな」
夜11時頃、強面の友人と市街を駆け抜けた後、公園の前にバイクを
並べて話をしていた。
話といっても、お互いのバイクの塗装の事、新しく装着したパーツの事など、興味の無い
人間にはどうでもいい内容ばかりなのだが。
もう解散しようかという時に、見慣れたウェーブヘアの綺麗な女が走ってくるのが
見えた。薄い生地のベージュのワンピースが破れてしまいそうな程、必死で。
何度も後ろを振り返ってはまた全力で走り出す。
"何かあったな！"
そう思うと同時に彼女の名前を叫んだ。
「可憐!!どうした!!」
呼ばれた彼女は声の主を見つけ、駆け寄ってきた。
「魅録!!あ…あたし…」

可憐が何か言おうとした時、後ろから30代前半位の男が２人追ってきた。
恐怖に満ちた表情で可憐は魅録の腕にしがみついた。
状況からしてこの男たちが可憐に何かした、もしくはしようとしたと考えて
間違いは無い。
「よぉ、オッサンら。オレのダチに何か用事か？」
先程まで友好的だった魅録の表情は、一瞬で鋭く変化した。
「え…何だよ、あんたら…っ」
男達は魅録の迫力に圧されて既にしどろもどろになっている。
「それとも、オレらと遊びてえの？」
魅録がそう口にした直後、何の合図もしていないが後ろにいる友人たちが一斉にエンジンを
入れた。
その心強い音に魅録は口笛を鳴らし、男達の方は逃げて行った。
「みんな　サンキュー！タイミング、バッチリじゃん！もー惚れちまうぜ〜」
「魅録さんこそ、いつもながらカッコいいっすよ！」
「…じゃ、俺らは帰るか。　魅録さん、また遊んで下さいよー！」
強面で空気の読める友人達はぞろぞろと帰っていた。

可憐は、よほど一生懸命走ったのだろう。まだ息切れしている。
「で、可憐。何があった？」
可憐は呼吸を少し落ち着かせて、汗で顔に張り付いた髪を後ろへ流した。
「ねぇ、お願い…気分が晴れるところに、連れて行って…」
今にも涙が零れそうに潤んだ瞳で言った彼女の願いを、
魅録が断れるわけが無かった。


続く

＞隣〜

お待ちしてました。早いうｐ、嬉しいです！
魅録がめちゃめちゃカッコいい･･。こういう、初期の有閑を彷彿とさせる
魅録が読みたかったんです。ありがとう作者さん。
続きも楽しみにしてます。

>隣〜
マジかっこいい魅録・・・たまりませんなぁ

保守しとく

恋愛正方関係の続きをうｐさせていただきます

>>340


清四郎はいらいらしていた。
理由はわからない。
ただここ数日魅録を意識している悠理の様子がやけに目に着いた。
（なんなんだ。いらいらする理由なんて何もないはずなのに……）
いつものように生徒会室の椅子に腰掛けながら、いらいらと指で机を叩く。
放課後、六人全員がそろった生徒会室ではみんな思い思いの行動をとっている。
美童は誰も聞いてやしない自慢話を滔々とまくし立てているし、
可憐はファッション雑誌を眺めている。
野梨子は盤面に向かい一人黙々と詰碁を解いているし、
魅録はわけのわからない部品を持ち込み喜々として組み立てている。
おかしいのは悠理だ。
いつものように誰かにへばりついたり退屈だなどと言うこともなく、
当然なにかを食べているわけでもない。
普段なら絶対読まないような文庫本（どうやら野梨子に借りたらしい）を手にし、
時折魅録の方をちらりと見てはまた慌てたように元の本に目を戻す。
本を読んでいるわけではないのはページがまったく動いていないことでわかる。
悠理が魅録に好意を持っているらしいことは前から気付いていた。
それでもそれは清四郎には関係のないことだと思っていた。

それなのに、関係がないはずの悠理の所作の一つ一つが
気になって仕方なかった。

髪を掻きむしれば盤面をじっと見つめていた野梨子が、
気遣うような視線を投げ掛けてくる。
その視線がまた、清四郎を落ち着かなくさせる。
全てを見透かすような、そんな視線
彼女は一体なにを知っているというのか。
（僕自身が知らない、自分の気持ち、ですか……）
数日前野梨子に言われた言葉が、頭を過ぎる。
正直、心外だった。
清四郎は自分の気持ちくらい把握しているつもりでいた。
なのに、今こんなふうに不安定になっている自分自身が腹立たしい。
（僕らしくもありませんね。早く自分のペースを取り戻さなくては）
そのためには、自分の気持ちをもう一度しっかり掴まなくてはならない。
そう思うのに、思考は遅々としてなかなか進まない。
野梨子は、妹のような存在だ。
守りたいとは思うが、それは親愛の情の域を出ない。
自分に想いを寄せていることは知っていても、
それをどうこうする気にはなれない。
可憐は、姉に近いかもしれない。
しっかりしていて、世話を焼くのが上手い。
そのあたりは姉の和子に少し似ているかもしれない。
そして、悠理は――。

悠理のことになると、思考が停止してしまう。
妹でも姉でもなくて――。
あてはめるべき言葉がうまく見つからなかった。
（悠理は一体、僕の何なのでしょう……）
なぜこんなにも彼女のことが気になるのか。
悠理のことになるといつも、考えがうまくまとまらない。
こんな症状をどこかで聞いた覚えがある。
恋、という名のそれを清四郎は慌てて打ち消す。
（ありえません！僕があんな山猿を好きになるなんて……！）
浮かんだ想像を振り払うように頭を振る。
（野梨子や可憐ならともかく……）
そこまで考えて、清四郎は悠理にあてはめられる名を思いつく。
（ああ、そうか。山猿でいいじゃないですか。
思いつかなかったのは人類じゃないせいですね）
それだけでは説明のつかない感情があることには思い至らない。
（山猿……ぴったりじゃないですか）
思いついたイメージにほくそえむ清四郎は、
自分がその山猿に対して抱いている感情が何なのかが
問題なのだと囁く心の声を無視した。

そんなはずはないのだと。
（ありえないんだ、それは――。あっては、いけない）

でなければ、清四郎の価値観は壊れてしまうから。

それが何なのか気付いていながら清四郎はそれを否定した――。




続く

>正方関係
おお、まってました！
細やかな心情描写がいいですね。
清四郎が自分の気持ちに素直になる日は来るんだろうかｗ
続き、お待ちしています。

>正方関係
お待ちしてました。
本の影から覗き見する悠理、ｶﾜﾕｽ(´∀｀*)
山猿扱いする清四郎の価値観は、いつ壊れるのかwktkしながら、
続き楽しみにしてます。

「…可憐、なんか顔色悪くないか？」

昼下がりの生徒会室、気怠げな静寂を破ったのは魅録だった。
見れば手入れの行き届いた白肌にはうっすらと青みが混じり、確かに何処か具合が悪そうにも見える。
分厚い女性誌を捲る手を止めた当の本人は然程の自覚もないのか、不安の色を帯びた瞳で彼を振り返った。

「ホント？」

「本当ですわよ可憐、何だか少し青白く見えますもの。…どこか悪いんですの？」

「良ければ診ましょうか。そんなに大事には見えませんが」

微かに眉間を狭めて頷く魅録の向こうで、野梨子と清四郎が口々に続ける。

「…いいわ、ありがと清四郎。確かにちょっとだるいし、このまま帰る事にする」

手鏡を覗き込んで些か不安を払拭したらしい可憐は、慌てて傍らに飛び込んできた悠理の頭を軽く撫でてやった。
じゃね、と一言残して生徒会室を後にする彼女の何とも言えない憂えた雰囲気に、暫く一同口を噤んだまま。

「…可憐、ホントにどっか悪そうだったんだな。大丈夫かなぁ…」

「ちゃんと病院に行ってくれれば良いんですが。…それにしても魅録、よく気付きましたね」

「本当ですわね。…美童は気付きませんでしたの？」

いつもなら口火を切るのは彼なのに。確かに、とでも言いたげな視線が美童に集中する。
悠理に至っては、お前いたのかよ、と顔に書かれているようだ。

テーブル際に佇んでいた彼は携帯電話を弄っていた手を止めて、あっけらかんと続けた。

「僕？魅録の言葉で気付いたよぉ。──世界の恋人失格かなぁ…」

わざとらしく落ち込んだように俯いてみせる美童の演技に端を発して、再び穏やかな空気が室内に充満する。
それから数分と待たず午後の授業を知らせるチャイムが鳴り響き、各々慌ただしく移動の準備をし始めた。


保守がてら魅→可妄想
隣・正方関係の作者さま、応援してます！

隣〜　の続きかと思ったよ。
保守と言わずどうぞ続きを...

"海にでも行くか？"
深夜だから行っても何も見えないのに、何故か可憐を連れて行きたいと思った。
彼女は何も言わず、ただ頷いた。

シート下に常に入れてある予備のジャケットを可憐に羽織らせて、バイクを南へ
走らせた。
可憐を後ろに乗せるのは初めてではない。でも今日は、腰に回された細く白い腕と、
背中に密着した想い人の上半身がいつもより弱々しく感じて、思わず振り返って
抱きしめたくなった。

砂浜へ降りる横幅の広い階段に腰を下ろしてタバコに火を点ける。
少ない街灯の光が波の表面だけを煌めかせていた。
そっと、頬に温かい物が触れた。
「コーヒー、これで良かった？」
「ああ、サンキュ」
すぐ後ろにある自販機の明かりのおかげで、お互いの姿・表情は何となく伺えた。
狭くない場所なのに、肌寒いせいか、それとも心細いせいか、可憐は魅録に密着
するように腰を下ろした。
バイクで風に当たった頬は少し赤みが差し、俯いた睫毛が下瞼に影を作った。
先程、無理に走った為に縫い目の広がったワンピースの裾と、削れてボロボロになった
サンダルのヒールも、彼女をより華奢で美しく見せて、魅録は肩を抱き寄せたくなる衝動に
駆られたがそれを必死で抑えて、可憐の言葉を待った。

「あたしね…、自業自得なんだけど、…騙されたの。」

先々週に、例の如く剣菱グループ主催のパーティーがあった。
可憐は母親に電話するために一度場内を出た。その時に声を掛けてきたのが
"嶋野"という男だった。名刺を財布から出そうとして、
「あれっ…しまった使い切ってたな…。すいません、こちらから声を掛けておいて…」
低姿勢なその男は見た目は悪くない。30代前半くらいで、スポーツでもやっていそうな
爽やかな印象。でも、その爽やかさに何か違和感を感じる。
嶋野は電話機の横にあるメモに自分の連絡先を走り書きし、可憐に渡した。
「僕の連絡先だけお渡ししておきます、またお会いできるのを楽しみにしています。」
そういって、タクシーに乗って去っていった。

いつもなら、ピンと来ない相手の誘いは受けないし誘いもしないが、
本当に　何となく、電話を掛けた。
剣菱のパーティー会場に居たのだから金持ちである事は間違いないと思ったし、
嶋野に感じた違和感に、少しだけ興味が湧いたのかもしれない。
金曜日の午後８時に駅前で待ち合わせ。それが今日だった。

可憐の期待は、待ち合わせの時点で裏切られる。

嶋野が改札口を出てくるのが見えたから。
デート帰りはいつも相手の車で送ってもらっていた。だが今日は電車で帰宅が確定した。
食事も、友達と行くようなイタリアンレストラン。
会話の内容も、嶋野の質問に答える形式が殆どで…。

「もう一件、別の店に行こうか」
嶋野の誘いにかなり躊躇したが、この男が自分の為に今日のこの時間を用意してくれている。
そう、今日誘ったのは可憐の方からだった。
つまらないからと帰っては悪い。そんな罪悪感から、もうしばらくだけ付き合うことにした。

隣〜　を書いている者です。
またリンクを貼り忘れてしまいました！
>>462は>>449の続きです。
申し訳ナイです…

たくさん応援頂いてありがとうございます！

>>463

"それにしてもこの男、本当に金持ちなのかしら…"
声を掛けられた時の事を思い返してみる。
剣菱主催のパーティーで…
場外に出た時に…

"…外で声を掛けられたんだ…！"
この男が正装で荷物も持っていなかったから疑いもしなかったが、
場内から出てくる所も戻っていく所も見ていない。
この男、金持ちでも何でもないんじゃないの？
もしかしたらあの場所で声を掛けてきたって事は、金ヅル探しだったかもしれない！

"あたしってバカ！"

こう思ってしまっては、もう嶋野という男には何の用事も無い。
時間ももう11時に近い。
「もうそろそろ失礼しようかしら。今日は楽しかったわ。」
今出来る精一杯の笑顔で言った。
「可憐ちゃん、僕、君の事が好きになってしまったようだ。もう少し話したい。」
嶋野は焦って可憐の手を握り、懇願した。
「ありがたいけど、もう電車がなくなっちゃうもの。」
「…今夜は君を、帰したくない。」
なおもまっすぐに見つめてくるこの男に、可憐は心から呆れた。
電車で来て、安い食事をして、安い酒を飲まされて。道を歩くときにはエスコートも
無しだ。
男を知らないお嬢様ならそれでもオトせるかもしれない。でも可憐には物足りな過ぎる。
やっぱり食事だけで帰ってやればよかった。
男の手を強引に振り解き、「ごめんなさいね」と店を後にした。

「おい！ふざけんなよ!!　お前の為に今日いくら使ったと思ってんだ!!」
可憐がびっくりして振り返ると、先程までとは別人のように顔を歪ませた嶋野と、
知らない男が並んでこちらに歩いてきている。男は手に持っていたビデオカメラを
肩から掛けた大きな鞄に入れた。
"…何、今の…ビデオ？"
「あんた達、な…何なの…!?」
スーツの嶋野とは対称的に、ポロシャツにジーンズというラフな服装の男が
汚い声で、汚い言葉を発した。
「お前、全然気づいてなかったの？ずっと撮ってたんだけどな。この後ホテル連れ込んで
隠し撮りの予定だったのによ。」
嶋野も続けて言い放った。
「素人で、その上世間を知らないお嬢様のそういう映像は結構人気あるんだよな。
おっかしいなぁ。自分から電話してきた女は大概引っかかるんだけど」
"金ヅル目当て"なんて甘いものじゃなかった。

あの時に感じた違和感。それが"この男は危ない"という意味だと早く気づいていれば…

「予定変更だ。」
「嫌がるのをムリヤリってのもいいか。」
そう言って２人がじりじりと近づいて来る。

"強姦される！"

大声を上げようとするが、焦るあまり声の出し方も分からない。
逃げるしかできない。
可憐は9cmのヒールが折れそうな程、必死で走った。


続く

>隣
可憐はどうして逃げてるのかと思ったら、騙されちゃったのね。
大事に至らなくて良かったよ。
弱気な可憐に優しい魅録という組み合わせが、なんだか素敵。

＞隣〜
続きキターｗ　お待ちしてました。
魅録、可憐を慰めてやってくれ。そしていい感じになるのを
楽しみにしてます。

嵐さんのところ、何故か見れなくない？

>469
自分も昨日ちょっとあせった。
でも今日は見れてよかったよ・・・

>>466

「もうだめって思った時に、あんたが私を見つけてくれたの。ほんとに…ありがと。」
可憐の話を、魅録は最後まで何も言わずに聞いていた。
話し終わって少し落ち着いた可憐は、わざと大げさに明るく振舞って言った
「あ〜あ、私ってほんとバカだわ！まんまと引っ掛かっちゃって。魅録も話聞いてて呆れちゃったでしょ？」
可憐がこんな言い方をしたのも、"ホントにバカだなお前"って、"助かって良かったな"って
笑って言って欲しかったからかもしれない。

でも、魅録から言葉は返って来ない。
眉間に深い皺を作って、一点を見つめている。

「…魅録、…怒ってる？」
「うん、怒ってる。」
「あたしが、何も考えないで軽々しくデートに行った事に？」

魅録は突然、可憐の両肩を強く掴み自分の方へ向き直らせた。

「なんでヤバイと思った瞬間に、オレに連絡しなかったんだ!?」

可憐は、全く意外なその言葉の意味がよく分からないようで、パチパチと瞬きをした。
「今日あそこにオレが居たのは本当にただの偶然なんだぞ！もし会わなかったら
お前、今頃犯られて、撮られて晒し者になってたんだぞ!!」
可憐の瞳が大きく開く。
「オレ、下手なサツよりは早く助けに行ってやれる自信あるぜ。もしオレが行けない時でも、
あの辺りならダチが山ほど居る。電話がムリな状況ならワン切りでもいい、絶対に
お前の事助けてやれるから。
何の為に今まで一緒にいるんだよ！もっと、頼ってくれよ！」

可憐の両肩を掴んだまま、魅録は自分の気持ちを強く真っ直ぐに伝えた。
彼女の潤んだ瞳から、宝石のような大粒の雫が溢れてくる。
「ご…ごめん魅録、あたし…あたし…こわくって、どうしたらいいかわからなくって…」
我慢していたのか、一度流れ出した涙はもう止まらなくなった。
魅録は親指で可憐の涙を拭って、ウェーブが乱れないように優しく頭を撫でる。
「…でも、よかったな。何もされなくて。」
うん、うん、と泣きながら何度も頷くその頭を、自然に自分の胸へ抱き寄せた。
抱き寄せてしまってから自分の行動の大胆さに気付き、照れながら必死で次の言葉を探したが、
結局何も言えなかった。
可憐は拒まず、そのまま魅録の胸の中で泣いていた。

波の音が優しく二人を包み込む。


続く

隣〜　を書いてる者です。
魅録をもっとカッコよく書きたいのですが、
上手くいかず…
駄文にお付き合い下さり、ありがとうございます。

>隣で笑っていられるように
うわ！こんないいところで(笑)
魅録すっごくカッコいいですよ！！！
テンポも雰囲気も大好きなので続き楽しみにしてます。

>>472

魅録も可憐も、あの日の事は口止めしたわけでも、されたわけでもないが他の４人には
言っていない。また、当人同士もその話はしていない。
一見、普段と何も変わらない日常。

ただ、変わったことが1つある。
可憐が誰ともデートの約束をしなくなったこと。
いつもより元気が無いと心配するみんなには
「ちょっと傷心中なの」
とだけ言っていた。

"そりゃあんな事があったら、すぐには立ち直れないかぁ…"
生徒会室に向かいながら、魅録は考えた。

可憐のあれだけ弱々しい姿や悲しい涙を見たのは初めてだった。
あの時可憐を胸の中に抱き寄せて、はっきりと自分の想いに答えが出た。
もう、友達として隣でただ笑っているなんて無理だ。
"彼女だけを、護りたい"。

途中、例の如くタバコの事で職員室に呼び出され、いつもより遅れて生徒会室の
ドアを開けると、予想していたより随分静かだった。
理由はすぐ分かった。机には１人分の荷物しか置かれていないから。
奥でカチャカチャと洗い物をする音が聞こえる。
「あら、魅録。コーヒーか紅茶、どっちがいい？」
いつもと同じ問いかけに"コーヒーで"と答える。
「他のヤツらは？」
「みんな、もう帰ったわよ。昨日言ってたじゃない。」
あぁ…そういえば野梨子と清四郎は茶事の手伝いに、悠理は食事会、美堂は女とって
言ってたような。
―――じゃあ、可憐と２人きりって事…
「あんたの事、待ってたの。…コーヒーだったわね。ちょっと待ってて。」

心臓が高鳴る。

"何だ…？？"
なんとか冷静になろうと可憐にバレない様に深呼吸をして、いつもの椅子に腰掛ける。
そんな魅録の前にコーヒーを置いて、彼女は自分の鞄の中からきれいな包みを取り出した。
「これ、あんたに渡したくて、待ってたの。」
「…？何だ？？」
包みを開けなくても中身は解かっている。魅録がよく服を買っているショップの袋だから。
「この前、あんたのシャツ、泣いて汚しちゃったから…。同じのじゃないんだけど…。
マスカラとか口紅とか付けちゃって、洗濯しても落ちなかったでしょ？ほんとにごめんね」
「お前…これ買いにわざわざ行ってくれたのか…？」
暫くその袋を両手に見つめて、"サンキュー"と机に置いた。

大きく息を吸い込む。
「オレの方も、可憐に話があるんだ」

「あのオッサンら２人、捕まえたぜ」
「……えっ？！」
あの日可憐を家まで送った別れ際に、相手の男の連絡先を書いたメモをもらっておいた。
書かれていた電話番号は"嶋野"の名義では無かった。
「もし前科があれば警視庁のデータベースに残ってるから、ダメモトで年齢絞って検索して
みたらビデオ持ってたって方がビンゴ。写真ですぐわかったぜ、汚ねぇツラだったから覚えてたんだな。
そいつは"児島"って名前で、電話もそいつ名義だった。」
被害届のデータベースの方にも、それらしい被害の提出が４件あった。
住所を割り出し留守を狙って児島のアパートに忍び込んだら映像機材とビデオテープの山と、
犯行時に嶋野が着るための物か、その小さくて汚い部屋には不似合いなスーツが２着吊られていた。
魅録は仲の良い警視に事情を説明し、２人の逮捕を頼んだ。
「アパートの前で張ってたら、２人揃って現れたらしいぜ。」
可憐は、それこそ"鳩が豆鉄砲を食らった"顔で、何も言えない。
「…撮られたビデオも、あいつらが捨ててなければ全部警察に押収される。
どうする？自分の手で処分したいなら、もらえるように頼んでみるけど。」
可憐は小さく首を横に振った。

「これで、ちょっとは元気出るか…？」
「あんたって…凄い。どうしてそこまで…」
「惚れた女じゃなかったら、ここまでしねえよ。」

自分で想像していたよりも随分あっさりと言えた。
"振られようが嫌われようが知るか。オレの気持ちは変わらない"

「ずっと、好きだった。
可憐の気持ちが落ち着いてからでいいから、考えて……」
「やだ、そうなの？ほんとに？」
魅録が話し終わらないうちに可憐が口を開いた。
「あたし、絶対に魅録に嫌われちゃったと思ってた…!!」

今度は魅録が"鳩が豆鉄砲を食らった"顔になる。
「あたし、あんたに自分のバカなとこ見せちゃって、絶対に呆れられてるだろうなって
思って…」
可憐の頬が赤く染まる。
「あんな事があった後すぐ、あんたに優しくされたのがきっかけで好きになっただなんて、
自分がもっとバカみたいで…こんな事魅録に言っても余計に嫌われちゃうって…思ってたから」
「…もしかして、それで最近落ち込んでたのか？」
魅録が状況をようやく理解して、照れながら最終確認の意味で聞いた。
可憐はそれに対して、恥ずかしそうに頷く。
それを見て、もう抑えの効かなくなった魅録は立ち上がり、可憐の腕を引き寄せて力強く抱き締めた。

「今更、冗談だ　なんてやめてくれよ？もうオレ、真に受けちまってるぜ。」
「魅録…」
彼女が纏う花の薫りがふわりと漂う。魅録を見上げる可憐の瞳がキラキラと輝く。
つい先程まで遠い存在だった可憐が、今は自分の腕の中にいる。
その存在が嘘ではないと確かめたくて、彼女の頬に触れる。
「可憐…」
魅録を見上げたまま頬をより赤く染めて、可憐はゆっくりと瞳を閉じた。
彼女のトレードマークの泣きぼくろが艶っぽくて、そこに軽く唇で触れる。
薔薇の蕾のような可憐の潤んだ唇に、自分のそれをそっと重ねた。

唇を離すと、可憐が　くすくすと笑い出した。
「何だよ…」
「なんか、嬉しくなってきて。やだ…口紅、ついちゃったわね」
可憐が白い指で、魅録の唇を優しく拭う。
急に照れ臭くなった魅録は、テーブルの上のコーヒーを一気に飲み干した。
「よし！可憐、今日これから予定あるか？」
「な…ないけど…」
さっきまでの甘い空気をかき消すような魅録の急な質問にびっくりしながら答える。
「今から可憐の靴、買いに行くか？この前ボロボロにしてただろ」
「い、行くっ！きゃーっそれって、初デート？」
「何だよお前、急に元気になりやがって…ほら行くぞ」

自分の気持ちを伝えたら、今までの関係は無くなってしまうかもしれないと思っていた。
でも可憐となら、仲間としても、恋人としても、きっと隣で笑っていられる。
　


おわり。

隣〜　を書いてた者です。
一気にラストまでうｐしました。
なんか、王道少女漫画みたいになってしまいましたが(特にラストが…)。
皆様16スレもお借りして、そして読んでいただいてありがとうございました。

連続うｐきてた！
魅録がｶｺｲｲし、可憐はかわいいし、いう事なしです！
二人の告白がすごく自然で初々しくて、萌えた・・。
また何か思いついたら是非書いて下さい。
しばらく顔がニヤけそうですｗ

>隣〜
連載終了乙です。
ハッピーエンドって読後感が良いから好きよ。
魅録も可憐も素敵だったし、ふたりの関係がとても自然で、
楽しく読めました。
何か妄想ネタがあれば次作も書いてくださいね。楽しみにしています。

＞隣〜
乙でした！！
魅録充分かっこよかったですよ〜
一気に読ませて頂いてありがとうです。
なんかこれ読んで、魅×可にかなり目覚めた。
また他のカポーでも（もちろん魅×可でも）ぜひ書いて下さい。
お待ちしております。

＞隣〜
魅録が正統派にやんちゃでカッコよくてときめきましたよ！
二人が惹かれ合うのがすごく自然でラストまで楽しかったです。
魅×可ってくっついたら絶対幸せになりそうでいいですね。
次の作品もお待ちしております〜

>隣〜
乙です！すごく好きなカップリングだったので、一気に
最後まで読めて楽しかったです。初々しい二人の描写が
とても素敵でした。魅録カッコよかったですよ。
すごく読みやすい文章だったし、良ければまた次回作も
書いてください。心待ちにしてます。

>隣
好きカプだったのもあるけれど、話のテンポが良くて
ぐいぐい引き込まれました。みなさん言ってるけど
魅録がほんとにカッコイイ・・・ｗやっぱり不良っぽい彼が好きだ。
何か思いついたら、ぜひぜひまた書いてください。
楽しませてくれてありがとう！

隣〜　を書いてた者です。
皆様、たくさん感想をありがとうございます！うれしい！
また何か思いついたら、場所お借りして書かせて頂きたいと
思います！

自分も魅録と可憐が一番好きですよ☆なんかうれしい〜

作品upします。
根底にあるのは美×野ですが、清×野な部分も多くなりそうです。
苦手な方はスルーお願いします。

「私、イギリスへ行きますわ」
　野梨子の言葉に、清四郎は軽く相槌を打った。
「へえ。旅行ですか」
「いいえ。美童に会いに参ります」
　野梨子の表情からは気負いもてらいも感じられず、真っ直ぐな眼差しと唇に浮かぶ微笑
が清四郎にとって妙に印象的だった。

　高校卒業後、親友たちの進路は分かれた。男三人は聖プレジデントを後にした。清四郎
は「まだ迷いはありますが、医師になるには資格が必要ですからね。先に取得しておこう
と思いまして」と涼しい顔をして東京大学理科�V類へ進路を定め、魅録は「これでも色々
考えたんだけどな」と苦笑しながら防衛大学校に入校した。美童は「寂しくなるけど、い
つでも会えるよ」と言い残してスウェーデンへ帰国した。残る三人は学部は異なるものの、
エスカレーターで聖プレジデント学院の大学部へ進んだ。悠理は新設された体育学部を、
可憐は美術学部を、野梨子は文学部をそれぞれ選んだ。
　高校在学中に比べメンバーと会う頻度は減少したが、清四郎と野梨子はほとんど休日の
度にこうして会っている。どちらから誘うとも無しに図書館や書店、美術館、映画館等へ
足を運んだ。
　今日もまた、美術館の帰りにカフェに立ち寄り、展示物の感想やお互いの近況を語りあ
っていた。
　魅録と悠理も相変わらずつるんでいるらしく、たまに集まると一緒に行ったツーリング
やロックコンサートの話を楽しそうに話す。可憐も相変わらず玉の輿を目指しているよう
で、休日はパーティーやデートに忙しいらしい。
　そして美童とは、「いつでも会える」の言葉とは裏腹に卒業以来会うことは無かった。
デートや社交に忙しいのだろうと皆が思っていたが、1年半後にオックスフォード大学入
学の報を受けた。
　清四郎はあの時の衝撃を思い出す。剣菱万作がケンブリッジ大学の卒業生だと聞いた時
に匹敵する、いや高校時代の美童を知っている分それ以上の驚きだった。1年半程度の猛
勉強で美童が入れる大学だとは思えなかったが、事実彼は現在オックスフォードで法律を
学んでいる。

「そう言えば、卒業以来まだ一度も会っていませんね。もう二年になりますか」
「私は、一度会いました。美童が日本へ訪ねて来ましたの」
　一瞬の沈黙の後、清四郎が口を開いた。
「初耳ですね。いつですか」
　詰問する口調にならないように気をつけたが、長い付き合いの野梨子には通用しなかっ
たらしい。彼女は僅かに眉根を寄せた。
「私の誕生日のすぐ後ですわ。皆に会って行っては、と勧めましたけれど、時間が無いら
しくすぐに帰国しましたわ。隠すことではありませんけれど、話す必要も無いかと思っ
て……、いえ、私の気持ちの整理がつかなくて皆には話せませんでしたの」
「どういう、ことですか」
　清四郎は喉の渇きを感じて、二杯目のトラジャに口をつける。
「プロポーズされましたの」
　こんな風にカフェで、プロポーズという言葉をあっさり口にした野梨子を、清四郎は見
知らぬ女性のように感じた。
「もちろん、すぐに結婚という話ではありませんわ。ただ、婚約したいと」
　疑問は湧水のようにこんこんと湧き出でるが、どれから口にして良いかわからず言葉に
ならない。ようやく出た声は、自分でも皮肉な響きを帯びているのがわかった。
「野梨子が美童と付き合っていたとは、気が付きませんでしたよ。随分巧妙に隠したもの
ですね」
「付き合っていたわけではありませんわ」
　皮肉に気付かない筈もなかろうに、野梨子は淡々と続ける。
「私、美童にそう言いましたのよ。お付き合いをしているわけでもないのに、婚約だなん
ておかしいと。
　美童は、男女としての付き合いはなかったけれど、これまでの友人としての付き合いで
お互いの為人はわかっている筈だと言いましたわ。その上で、男女の付き合いに移行した
いと。
　そして、返事は急がないと」
　そう言うと野梨子は、氷が溶けてすっかり薄くなったアールグレイをストローでかき混
ぜた。

「ですから私、美童に会いに行きますの」
　口元に微笑を浮かべてそう宣言し、ストローに口をつけた。
「返事をしに行くんですか」
　疑問ともつぶやきともつかない清四郎の言葉に、野梨子は顔を上げ、黙ったまま微笑んだ。
　清四郎はそれがYESかNOか尋ねたい衝動に駆られたが、流石に不躾かと思いとどまった。
が、その疑問は当分の間、抜けない棘のように自分の心をチクチクと刺すことが予想でき
た。
「どうしてそれを僕に話すんですか」
　聞けない問いの代わりに別の疑問を口にした。
「伝えるのが自然だと思ったからですわ」
　確かに、野梨子が日本を離れるのならば、清四郎に言わずに行くことはないだろう。そ
して理由を告げないということも、まずない。
　だが、それだけなのだろうか。
　清四郎は、目の前の幼馴染が自分の意識下で急激に女に変わっていくのを感じていた。
「野梨子にとって、僕はどういう存在なんですか」
　言ってしまってから、自分の気持ちもはっきりわからないまま相手に答えを求めること
の愚かしさに気付き、苦笑した。
　ひと呼吸分の間の後、野梨子が口を開いた。
「私もそれを考えていましたの。
　でも、清四郎は清四郎ですわ。
　幼馴染で隣人で大切な友人。言葉にすれば簡単ですけれど、どれにも当て嵌まって、で
もどれでも言い尽くせませんわ。
　清四郎にとっての私も、そうなんじゃありません」
「僕は……」
　反射的に何か言おうとしたが、何と言ったら良いのかわからなかった。
「僕には、まだよくわかりません」
　口をつぐんで視線を下げると、テーブルの上の野梨子の手が目に入った。自分の手と比
べてあまりにも小さく白く柔らかそうな、まさに白魚のような手。手入れされ整えられて
いるけれど、色は塗られていない桜貝のような爪。いつからこの手と手を繋がなくなった
のか。意識が遠い記憶に彷徨いかけたことに気付いて、首を振った。

「で、いつ行くんですか」
「あちらは6月半ばで学期が終了しますでしょ。その時期に」
「講義はどうするんですか」
「行ってすぐ帰ってきますわ。それに今まで全部出席していますし、1回くらい欠席して
もどうということもありませんわ」
　野梨子の自主的なサボタージュは刈穂裕也のことを連想させて、清四郎を面白くない気
分にさせた。
「では気をつけて」
　それだけ言って伝票を手に席を立つ。
　出口で追いついた野梨子が、清四郎の手を握った。柔らかさの中に硬貨の手触りを感じ
て、清四郎は苦笑し、すぐに離れていこうとする手を握り返した。
「もう少しこのままで」
　野梨子は少し驚いたように顔を上げ清四郎を見つめたが、彼の柔らかい表情につられて
微笑んだ。
「手を繋ぐのは久し振りですわね」
　清四郎はその後、帰宅するまで暖められた硬貨を財布に入れる気にはなれず、そっと引
き出しにしまった。


ﾂﾂﾞｸ

>愛の形
うわぁぁぁ！また新作だぁ！！
最近なんだか賑わってきてうれしいすぎです。
清四郎と野梨子、この微妙な何ともいえない関係がいいなぁ・・・
でもちょっと清四郎が切ないかんじ？！
恋人ではないけれど、手をつないで歩く二人にかなり萌える。
野梨子は美童にどんな返事をするんだろう？
その時清四郎は？？
続き楽しみに待ってます！

>愛の形

流れるような文章に一行目ではまりました。うまい！！
と偉そうにｗ　すみません作者ﾀﾝ
ものすごく続き楽しみです！
清四郎と野梨子の微妙さがたまりませんね。
美童がますます素敵になってそう〜

>愛の形
新作嬉しい！
文章が本当にキレイで素敵です。引き込まれました。
清四郎の心理描写も、野梨子の行動も、まさに原作っぽい。
楽しみが増えました。続きが早く読みたいです。

一気に読んでしまった。
本当に文章上手で素敵です。
言葉で表せない微妙な二人の関係がよく伝わってきました。
野梨子の返事とても気になる！

愛の形、大学生になった美童が格好よくなってるんだぁ。
美童→野梨子って十分あり得る組み合わせで期待しちゃいます。

ほしゅ

雑談でｽﾏﾇ
隣〜　を読んで思ったんだけど、
魅録と可憐がその先もし結婚したら、可憐は千秋さんに
くっついて長期で海外にエステとか行っちゃいそうで、
将来、魅録も父親(時宗)みたいになっていきそう。
自分の息子と添い寝する可憐を見て怒る魅録…

今日はじめてみました。有閑倶楽部大好きなのでとても楽しくよまさせてもらいました。愛の形はやく続きよみたい。でものりこと美童って一番予期してなかったパターンかも・・・・・

ほっしゅ

ほっしゅってどういう意味ですか？

>５０３
はじめっから読んでます？
そしてsageましょう。

一応はじめっからよんでますが・・・・・・・

「はじめ」というのが、最新50レスのことを指すのではないことを願う。。
ﾏｼﾞﾚｽすれば保守のこと、ついでにAA。
　 ,,,,,.,.,,,,
　ﾐ・д・ﾐ ＜　ほっしゅほっしゅ！
　 "'''''''"
つか、初半Rか無理ならせめてググってくれorz

>500
私も同じようなこと思ったww
時宗ちゃん化する魅録ｶﾜﾕｽ。
でも可憐の方が千秋さんよりは甘そうだ。

時宗ちゃんって、ほとんど千秋さんのペット状態だよね。

可憐と千秋さんが嫁姑の関係になったら、凄まじいことになりそうな気がする。

あの二人はひとつ間違えたら犬猿の仲になりそうな希ガス。

>509,510
それを言うなら、野梨子と千明さんの嫁姑関係がもし悪かったら、
毒舌毒舌の戦いになりそう（笑）

想像すると怖いなｗ
野梨子が悠理んちに嫁入りしたら、
百合子さんにすごく可愛がられそうな気がする。

百合子さんは可憐とも上手くやってけそうだよ。一緒にショッピングやら
エステに行ってさ。

百合子さんと和子さんは合わなそう。

可憐ママと魅録は相性が良さそう
美童だと心配の種が増えた感じになりそうだｗ
清四郎は出来過ぎでママの方が尻込みしそう

>愛の形

遅レスですみません。
素敵な世界観ですね。
清×野が一番好きな私としては、清四郎が切なくてたまらないのですがｗ
野梨子はどうするのでしょう？
続きがとても楽しみです。

私も清×野が一番しっくりくると思うしなんだか安心して見てられる。
でも野梨子とゆうやの話を見てからこれもありかも！と思った。

元々は魅×悠、清×野、美×可の似た者ｶﾎﾟｰが好物だったんだけど、
このｽﾚに居付くようになってから、どんな取り合わせでも楽しめることに気付いた。
今一番萌えるのは、美×野と魅×可かなぁ。
でも魅×悠の友達ｶﾎﾟｰと清×野の幼馴染ｶﾎﾟｰの魅力はやっぱり捨て難い。

>518 さん
私も、原作だけ読んでた時は似た者ｶﾎﾟｰしか考えられなかったです！
ほんとに、どの組み合わせでも楽しめますねぇ。
魅録となら、素直な恋愛
美堂となら、優しくて甘い恋愛
清四郎となら、小難しい恋愛(笑)

…すまん清四郎　オチに使ってしまったよ…

ほしゅっとく

>>519
魅録と鬼畜な恋愛とか、清四郎と純愛、とか、
意外な組み合わせでも楽しめるよｗ

>>521
意外路線、いいねぇ。
でも、どうしても想像できないのが、清四郎とほのぼのとか、
魅録と人前でもはばからずイチャイチャとか。
美童と鬼畜も以前だったら想像できなかっただろうけど、
雨が僕を〜を読んでからは、結構ハマることに気付いた。
他力本願だけど、誰か書いてくれないかなぁ。。

どんなｶﾎﾟｰでもいけるのは、
やっぱり原作のキャラが立ちまくってるというか、
別にリアルっていうのではないけれど、
人間として厚みをもって描かれてるからっていうの大きいなーと、
ここでいろんなｶﾎﾟｰを楽しませてもらって気付いた。
キャラたちがきちんと人間として立ってるから、
誰とどんな恋愛しても成立するんだよね。