◇◆◇◆有閑倶楽部を妄想で語ろう26◇◆◇◆

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1名無し草
ここは一条ゆかり先生の「有閑倶楽部」が好きな人のためのスレッドです。
 前スレ ◇◆◇◆有閑倶楽部を妄想で語ろう25◇◆◇◆ (dat落ち)
      http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1139420041/

お約束
 ■sage推奨 〜メール欄に半角文字で「sage」と入力〜
 ■妄想意欲に水を差すような発言は控えましょう
*作品への感想は大歓迎です。作家さんたちの原動力になり、スレも華やぎます。

関連サイト、お約束詳細などは>>2-6の辺りにありますので、ご覧ください。
特に初心者さんは熟読のこと!
2名無し草:2006/04/13(木) 21:16:24
◆関連スレ・関連サイト

「有閑倶楽部 妄想同好会」 http://houka5.com/yuukan/
 ここで出た話が、ネタ別にまとまっているところ。過去スレのログもあり。
 *本スレで「嵐さんのところ」などと言う時はココを指す(管理人が嵐さん)

「妄想同好会BBS」 http://jbbs.livedoor.jp/movie/1322/
 上記サイトの専用BBS。本スレに作品をUPしにくい時のUP用のスレあり。
 *本スレで「したらば」と言う時はココを指す

「有閑倶楽部アンケート スレッド」
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/1322/1077556851/
 上記BBS内のスレッド。ゲストブック代わりにドゾー。
3名無し草:2006/04/13(木) 21:17:23
◆作品UPについてのお約束詳細(よく読んだ上で参加のこと!)

<原作者及び出版元とは全く関係ありません>

・初めから判っている場合は、初回UP時に長編/短編の区分を書いてください。

・名前欄には「題名」「通しNo.」「カップリング(ネタばれになる場合を除く)」を。

・性的内容を含むものは「18禁」又は「R」と明記してください。

・連載物は、2回目以降、最初のレスに「>○○(全て半角文字)」という形で
 前作へのリンクを貼ってください。

・リレー小説で次の人に連載をバトンタッチしたい場合は、その旨明記を。

・作品UPする時は、直前に更新ボタンを押して、他の作品がUP中でないか
 確かめましょう。重なってしまった場合は、先の書き込みを優先で。

・作品の大量UPは大歓迎です!
4名無し草:2006/04/13(木) 21:18:08
◆その他のお約束詳細

・萌えないカップリング話やキャラ話であっても、 妄想意欲に水を差す発言は
 控えましょう。議論もNG(必要な議論なら、早めに別スレへ誘導)。

・作家さんが他の作品の感想を書く時は、名無しの人たちも参加しやすいように、
 なるべく名無し(作家であることが分からないような書き方)でお願いします。

・あとは常識的マナーの範囲で、萌え話・小ネタ発表・雑談など自由です。

・950を踏んだ人は新スレを立ててください。
 ただし、その前に容量が500KBを越えると投稿できなくなるため、
 この場合は450KBを越えたあたりから準備をし、485KB位で新スレを。
 他スレの迷惑にならないよう、新スレの1は10行以内でお願いします。
5名無し草:2006/04/13(木) 21:19:01
◆初心者さんへ

○2ちゃんねるには独特のルール・用語があるので、予習してください。
 「2ちゃんねる用語解説」http://www.skipup.com/~niwatori/yougo/

○もっと詳しく知りたい時
 「2典Plus」http://www.media-k.co.jp/jiten/
 「2ちゃんねるガイド」http://www.2ch.net/guide/faq.html

○荒らし・煽りについて
・「レスせずスルー」が鉄則です。指差し確認(*)も無しでお願いします。
 *「△△はアオラーだからスルーしましょう」などの確認レスをつけること

・荒らし・アオラーは常に誰かの反応を待っています。
 反撃は最も喜びますので、やらないようにしてください。
 また、放置されると、煽りや自作自演でレスを誘い出す可能性があります。
 これらに乗せられてレスしたら、「その時点であなたの負け」です。

○誘い受けについて
・有閑スレでは、同情をひくことを期待しているように見えるレスのことを
 誘い受けレスとして嫌う傾向にありますので、ご注意を。
6名無し草:2006/04/13(木) 21:19:40
◆「SSスレッドのガイドライン」の有閑スレバージョン

<作家さんと読者の良い関係を築く為の、読者サイドの鉄則>
・作家さんが現れたら、まずはとりあえず誉める。どこが良かったとかの
 感想も付け加えてみよう。
・上手くいけば作家さんは次回も気分良くウプ、住人も作品が読めて双方ハッピー。
・それを見て自分も、と思う新米作家さんが現れたら、スレ繁栄の良循環。
・投稿がしばらく途絶えた時は、妄想雑談などをして気長に保守。
・住民同士の争いは作家さんの意欲を減退させるので、マターリを大切に。

<これから作家(職人)になろうと思う人達へ>
・まずは過去ログをチェック、現行スレを一通り読んでおくのは基本中の基本。
・最低限、スレ冒頭の「作品UPについてのお約束詳細」は押さえておこう。
・下手に慣れ合いを求めず、ある程度のネタを用意してからウプしてみよう。
・感想レスが無いと継続意欲が沸かないかもしれないが、宣伝や構って臭を
 嫌う人も多いのであくまでも控え目に。
・作家なら作品で勝負。言い訳や言い逃れを書く暇があれば、自分の腕を磨こう。
・扇りはあまり気にしない。ただし自分の振る舞いに無頓着になるのは厳禁。
 レスする時は一語一句まで気を配ろう。
・あくまでも謙虚に。叩かれ難いし、叩かれた時の擁護も多くなる。
・煽られても、興奮してレスしたり自演したりwする前に、お茶でも飲んで頭を
 冷やしてスレを読み返してみよう。
 扇りだと思っていたのが、実は粗く書かれた感想だったりするかもしれない。
・そして自分の過ちだと思ったら、素直に謝ろう。それで何を損する事がある?
 目指すのは神職人・神スレであって、議論厨・糞スレでは無いのだろう?
7名無し草:2006/04/13(木) 21:22:55
前のスレが急にdat落ちしたので、もう一度立てました。
今度こそ続きますように……
8名無し草:2006/04/13(木) 21:57:41
>>1
乙です。連載帰ってこい〜
9名無し草:2006/04/13(木) 22:20:29
こんなスレあったんだね。知らなかった。
また遊びにこようっと。
10名無し草:2006/04/13(木) 23:02:07
乙!
同じく連載を〜!
11名無し草:2006/04/14(金) 13:39:09
乙華麗
12名無し草:2006/04/15(土) 18:44:49
現在のところ、単行本は18巻まででOKっすか?
時々、チェックしてんるんだけどさ。
13名無し草:2006/04/15(土) 21:03:59
いや、19巻ですよ。
いろんな意味で話題になった19巻が今のところ最新ですw
14名無し草:2006/04/15(土) 21:24:47
いえいえ、あれは無いものとして数えてます、私はw
15名無し草:2006/04/15(土) 21:30:49
19巻って、まとめみたいなやつ?
あれだったら持ってるけど。
16名無し草:2006/04/15(土) 21:44:47
それは虎の巻ジャマイカ>まとめ
17名無し草:2006/04/15(土) 22:44:47
あぁ、そうそう虎の巻。
あれが、19巻?
18名無し草:2006/04/15(土) 22:48:20
いや、普通に出てますよ>19巻
ただキャラの壊れっぷりが酷かったので
昔からのファソにとってはキツめだった。
19名無し草:2006/04/15(土) 22:50:53
あと>>17
ここは再建して間もないので作品うpはちょっと先かもしれません
うpがあるまでの間>>2にある関連サイトで過去の作品をお楽しみくださいませ
20名無し草:2006/04/16(日) 18:33:59
また落ちたりしないように、1日1回は保守しとこう。
21名無し草:2006/04/16(日) 22:02:39
じゃあ、私も。
22名無し草:2006/04/18(火) 00:14:31
誠(;´Д`)ハァハァ
(*´Д`)ハァハァ
(*´Д`)ハァハァ/lァ/ヽァ
(;´Д`)l\ァl\ァ
(;´Д`)Д`)Д`)Д゚)  ハァハァ ハァハァ ハァハァ ハァ
(;´Д`)ハァハァ
(*´Д`)ハァハァ
(*´Д`)ハァハァ/lァ/ヽァ
(;´Д`)l\ァl\ァ
(;´Д`)Д`)Д`)Д゚)  ハァハァ ハァハァ ハァハァ ハァ
(;´Д`)ハァハァ
(*´Д`)ハァハァ
(*´Д`)ハァハァ/lァ/ヽァ
23名無し草:2006/04/18(火) 21:41:33
作品やネタ投下を待って保守
24名無し草:2006/04/19(水) 22:02:26
ほしゅ。
25名無し草:2006/04/20(木) 01:16:54
保守
26名無し草:2006/04/21(金) 01:26:04
ホシュ
27名無し草:2006/04/21(金) 20:51:37
捕手
28名無し草:2006/04/23(日) 15:35:56
久しぶりに来てみたら、ここってもう書かれてないの?残念…。
作家さんたちはどこに?
29名無し草:2006/04/24(月) 21:01:41
見てる人は結構いると思う。
連載陣もまた少しずつ帰って来てくれるさ!
30sage:2006/04/25(火) 21:39:03
そううだね、みんな文才ある凄い人たちばっかりで楽しかったなぁ〜。また読みたいよ〜。
31名無し草:2006/04/26(水) 21:35:41
私も読みたい。
というわけで保守。
32名無し草:2006/04/26(水) 22:09:50
前スレの連載も気になるし、復活前の連載陣もまだあきらめきれない。
33名無し草:2006/04/27(木) 03:37:00
前スレの連載、わたしも気になるよ・・・。
34名無し草:2006/04/28(金) 19:20:54
私も気になる、作家さんカムバックー。
35名無し草:2006/04/30(日) 13:40:14
GWはみんな出かけるのかな。
誰かSSを書いててくれると嬉しいんだけど。
36名無し草:2006/04/30(日) 17:55:38
ほっしゅ
37名無し草:2006/05/01(月) 21:13:34
ほしゅ
38名無し草:2006/05/02(火) 20:46:59
ホシュ
39名無し草:2006/05/04(木) 01:09:29
保守
40名無し草:2006/05/05(金) 10:59:41
ほしゅ
41名無し草:2006/05/06(土) 14:04:41
見える 2006年 04月 29日

最近・・・見れるようになったもの。
悪魔の心をもつもの顔や声、笑い声が
奇形してみえたり、映画やアニメできくような悪魔のような声に
きこえるようになりました。びっくりするほど、鬼のような顔や声に聞こえる
ので、そういう人は避けています。以前はかんじなかったことです。

教会にいくと・・・お祈りしているひとからは疲れや悩みを抱えてる人は
すぐに分かります。場所柄カップルもおおいのですがあの人達の心は健康
そのものです。 お祈りしてるひとも健康な方もいらしゃいます。

昨日、ママが台所にいて椅子にすわっていましたが、
黒いオーラーがもうもうとでていました。何かあったでしょってきたら
ちょっとねっていった。んー死相がでてるよっていったら、びっくりしてた。
もちろん半分冗談でいったのだけど・・・何かいわれったってかんじでしょって
いったら、なんでわかるっていわれた。 にー・・・・

その後、妹にさんざんこぼしてた。妹はほんといいこでママの愚痴をきいて
ママはわるくないよって力む。パパは妹は将来、銀座のママになれるという。

パパがおしごとから帰ってきて妹に水くれというと・・・・
冷えたビールとコップをもってきて・・・
「今日はこちらの方が、よろしいと思いましたので・・・」という
で「お疲れ様ですうってビールをつぐ」、5歳年下の彼女は末恐ろしい女だそうです。
あ、ちょっと話がずれてしまいましたね。

聖母マリアの奇跡
http://yesmaria.exblog.jp/i0

42名無し草 :2006/05/08(月) 20:24:07
捕手。
43名無し草 :2006/05/10(水) 01:09:12
hosyu
44名無し草:2006/05/10(水) 04:13:51
別冊コーラスの松苗あけみ先生の有閑パロ、読みますた。絵が美しい。
先生は清×悠 美×野 魅×可 が好みなのかな?
全く私の好みと一緒で凄く嬉しかったw
45名無し草:2006/05/10(水) 20:01:38
>>44見て思った事を聞いてみる
過疎ってるし保守ついでだと思ってくれると嬉しい
みんなの好きカプって何?と聞いてみる
同意は有りだけど否定は無しでお願い

ちなみに自分は清×可、美×野、魅×悠が一番好きかな
雑食だから何でもおいしく頂くけどねw
46名無し草:2006/05/10(水) 20:38:43
6人全員同時カプなら、
ドタバタラブコメ風清×悠、不良とお嬢様な少女漫画カプ魅×野、大人っぽい恋のかけひきで美×可。
ひとつぶで三度おいしい。

でも単独で一番好きなカプは清×可かも。
その場合、脇で 美×野←魅 なんて美童と魅録の火花バチバチがあれば尚よろし。この二人が争うところが
想像つかないので。
最終的には魅×悠で、ずっとそばにいた一番大切な存在に気づいた魅録と、周りの恋愛騒ぎを人事のように見てた
悠理が自分の気持ちに気づいて、というもどかしい系の恋バナが展開。
恋多き美童が野梨子に関しては一歩も譲らないなんて硬派な部分も味わえそう。

妄想爆裂チラ裏スンマソ そうは言ってもオールマイティに楽しめちゃうので何でもいける口です。
あと>44が烈しく読みたいので立ち読みしてきますノシ
47名無し草:2006/05/10(水) 21:06:32
じゃあ自分は賑やかしで学園外妄想参加。

清→年上美人医師
魅→外人美女スパイ
美→年下プリンセス
最終的には全員振られるな・・・

悠→F1レーサー
野→別流派の若き家元
可→オスカー俳優
こ、こっちも問題が多そうだ・・・

倶楽部内なら、清×野かな。
48名無し草:2006/05/10(水) 22:08:43
便乗でカキコ。私は倶楽部内なら清×野、美×悠、魅×可
美×悠はテニスとかホテルで同部屋な所が好きだったから。
妄想が乏しいので読むばっかりです。申し訳ない。
49名無し草:2006/05/10(水) 23:33:01
魅×野好きだなぁ。
あとは清×悠、清×可…。清×野もいい。
美童だけは思いつかない。
50名無し草:2006/05/10(水) 23:51:22
>>48 その3組全く同じだー

美×悠はテニス話の、美童が顔怪我した後の会話が好き
幽霊関係になると何気にツーショット多くなるのが嬉しい
魅×可はここの小説読んで好きになった。
大人な雰囲気がたまらん
あと時宗や千秋と可憐のやりとりも好き
清×野は空港のときの助ける助けられる関係も好きだけど
正月の賽銭泥棒話は、野梨子のアイデアに気付く清四郎とか
最後の口喧嘩とか結構ツボだ
51名無し草:2006/05/11(木) 01:17:05
魅×悠、清×可、美×野が好き
魅×悠は元気一杯だけど魅録を信頼してる悠理が可愛い
親友同士から徐々にお互い大切な人みたいな展開がいい
清×可はここで好きになった、可憐の理想はクリアしてるし
清四郎みたいな情緒のない男には可憐のようないい意味でも悪い意味でも女性らしい女性が向いてると思う
美×野はシチュ萌えかも
大和撫子お嬢様と、異国の美少年(青年?)ってたまらん
52名無し草:2006/05/11(木) 13:18:49
魅×悠魅×野(ようは魅が絡んでる)が好きだったけど、
此処で読んで清×野が好きに。
力差とか身長差とか幼馴染とかいろいろ想像してしまう。
昔は清×野はなんとも思わなかったのに。
此処の力って改めて凄いと思う。
全員倶楽部外なのもいいと思ったり思わなかったり。
53名無し草:2006/05/13(土) 23:57:56
今から保守しますよ、野梨子?
ええ、よろしいかしら、可憐?
当然よ、ね?美堂聞いてんの?
もちろんだよ!魅録いいよね?
あたりまえだろ。なぁ、悠理?
ほ、ほしゅってなんだ・・・?

54名無し草:2006/05/17(水) 00:43:27
Hoshu!
55名無し草:2006/05/17(水) 22:21:24
ホシュ
56名無し草:2006/05/18(木) 23:33:15
男山の犬種がコリーっていうのは時代を感じさせる・・・
57名無し草:2006/05/19(金) 20:13:22
あれは御大が可愛がっていた今は亡き蘭丸くんがモデルだからだよ
男山はちゃかした感じで描いてるけど、実際の蘭丸くんは美犬
58名無し草:2006/05/21(日) 19:40:13
作家さんたちが帰ってきますように、
小さなSSを投下させていただきます。
59イルミネイト(1):2006/05/21(日) 19:41:09
「あー寒っ!!来るんじゃなかったぁ」「お前が付き合えって言ったんだろー?」
差し出されたその手を取らずに可憐はずんずん歩いていく。「おい、待てよ!」
追いつき、横に肩を並べて言う。「何、怒ってんだよ?」「魅録にはカンケーない」
(全然なくないけど。関係オオアリよ、この鈍感or逃げ腰男!)
ブーツのカツカツいう音と、スニーカーの足音がアスファルトに響いている。

(大学入ってからだから……もう何年になるんだろ?てゆーかあたし達いくつよ?)
付き合い始めて短くはないけれど外に買物に(それも2人で)出るなんて珍しい事だった。
それで、服や靴を買う合間にそれとなーくカーテンを見てみたり食器を見てみたりして
『生活』をアピールしてみたのだが彼の反応は皆無に等しかった。
(何よ何よ、重いってゆーの!?あたしは魅録とずっとずっと一緒にいたいのにっ)
「…つーかさ、これからお前んち行ってい?」「…好きにしたら」(エロ刑事め)
魅録はあたしの事が好き。それは分かりきっているけれど、どうしても不安になる。
いつまでも一緒にいたいの。この願いを叶えてくれるのは、あんたじゃないの……?

無言のまま2人は歩き続け、黄桜ビルディングの下まで来た。
魅録はエレベーターには乗らずそのまますたすた歩いていく。
「ちょ、ちょっと魅録!うちに行くんじゃな……」
60イルミネイト(2):2006/05/21(日) 19:42:22
──トン!
足が止まり、可憐の顔が魅録の背中でぶつかった。「ちょ、何よ…」
魅録の足が止まったのは『ジュエリー・AKI』の店内だった。
「いらっしゃいま…あら可憐ちゃん、魅録くんも」「こんちは」
樺子に軽く挨拶をして、可憐の方に向き直った。
見つめる、切れ長の瞳。そしてチラッとガラスケースの中を見て言った。

「──どれにする?」「!!!」

「婚約指輪。カーテンとかソファよりもこっちが先だろ?」いたずらっぽく笑って言う。
「……っ」「泣くな(笑)」その長い指で可憐のウエーブを梳かす。
「おばさん。可憐を俺に下さい」「…ええ」もらい泣きの樺子ママ。そして邪魔しないよ
うにと、そっと店の奥へ入っていった。
「いいって、可憐。お前は?」「…この可憐さんが断ると思ってんの!?」
「や、支離滅裂だから。────結婚しよう」「…うん」

魅録は婚約者をきつく抱き締めた。
「心臓止まるかと思った」「俺も」「なんでよ?」笑い声が漏れる。
「いや、布団売り場でプロポーズされたらどーしようって」「…バカ」
「玉の輿も、頑張るから」「今からつくるの?」笑顔がこぼれる。
額に、瞼に、キスの雨。
2人は。沢山のアクセサリーたちに囲まれて、婚前式を取り交わした。

景色がきらきら光るのは、宝石のせいだけじゃない。
61名無し草:2006/05/21(日) 19:43:17
可憐ママは文字化けを防ぐため、「樺子」で「あきこ」
とお読みくださいませ。
ありがとうございました。
62名無し草:2006/05/22(月) 21:08:20
可憐と魅録が幸せそうでイイですね!
二人ともかわいいなー。
63名無し草:2006/05/23(火) 02:35:07
久々に来てよかった!!!
うん、あの二人ならこんな感じと
読んでるこっちまで嬉しくなりました。
素敵なSSありがとうございました。
64名無し草:2006/05/25(木) 20:32:17
ほしゅあげ
65名無し草:2006/05/25(木) 22:58:17
ほしゅさげ
66名無し草:2006/05/26(金) 17:18:24
サゲ♂サゲ♂EVERY☆騎士保守
作家さん方、戻ってきてね〜
67名無し草:2006/05/27(土) 20:35:42
マスオです。
この前、茶柱が立ちました。
何かいい事があるといいな、なんて
思っています。
さて来週のサザエさんは

「タラちゃんはキムチが苦手」
「波平、竹島で釣り三昧」
「サザエ、韓国人に襲われる」

の三本です。
68名無し草:2006/05/29(月) 21:46:31
ほす
69名無し草:2006/05/30(火) 20:08:42
つまんねー
70名無し草:2006/06/03(土) 13:36:48
ほしゅ
71名無し草:2006/06/04(日) 00:50:06
地道にお待ちしています
72名無し草:2006/06/04(日) 22:29:08
作品ウプを待つ間、以前の作品で好きなものを熱く(?)語るのはどう?
保守も兼ねて。
好きな作品、やられた!と思った作品、泣いちゃった作品、笑いが
止まらなかった作品、夢中になって読んだ作品、続きが読みたくて
諦め切れない作品・・・etc。作中の好きなエピソードでもオケ。

私は好きだったのは剣菱家の事情2。
話の展開の面白さもさることながら、きちんと完結したのが凄い。
リレー小説って、尻切れトンボで終わっちゃうことも多いのに。
いかにも有閑倶楽部らしいラストも含め、参加した人みんなにGJ!
73名無し草:2006/06/04(日) 22:32:51
>72
乗ってみる。

自分も好きだったな、事情2。参加したみんなの熱気と勢いの凄さとか、
あのころの空気も含めて、いい作品だったな。
目からウロコだったのは恋カノ。あれであのカップリングに目覚めたw
74名無し草:2006/06/05(月) 11:47:33
自分は事情2はリアルでは読んでないけど、
リレーで完結というのはすごいし、面白かった。
個人的にはモーレツ魅×可スキーなので、模擬同棲編はドキドキした。
途中で止まったのが残念。
わりと最近だと、キャラ祭りの五代の話も面白かったな。
脇役でも話ができちゃうくらいキャラが立ってるのが
やっぱり有閑の最大の魅力だと、改めて思った。
75名無し草:2006/06/05(月) 18:18:11
カプとか別で好きな話は病院坂かな。
76名無し草:2006/06/06(火) 01:41:18
恋カノめっちゃ好きだった。
可憐さんも好き。清×可いいけど美×野もいい…
未完だと恋チカかな。
>75
病院坂一番好きかも
77名無し草:2006/06/06(火) 01:57:03
病院坂は好きだったなー
横溝正史の作品が好きなので、似たような雰囲気のものを
有閑で読めるとは二度美味しい。続きを熱烈希望。

やられたと思ったのは、雨がボクを狂わせるので。
801はあまり好きじゃないのに、展開に惹き込まれて夢中に
なって読んでしまった。作者さんの手の上で転がされた感じw
78名無し草:2006/06/06(火) 08:12:53
恋チカ、面白くなりそうなところで中断してたね。
続き読みたかった。
雨、私も好きだったよ。全員を食っていく過程がそれぞれそれっぽくて。
批判めいた意見もあったけど淡々とうpしてく作者さんの姿勢にも惚れたw
79名無し草:2006/06/06(火) 11:45:16
ラブラブ・クッキング面白かったな。
短いんだけど、それぞれのカプのやりとりが笑えたよ。
80名無し草:2006/06/06(火) 21:58:41
>79
あれ好きだった。
あんな感じの、短めのコメディ専門に書いてた作家さんっていたのかな。
テンポが良くて面白いコメディ短編結構たくさんあったな。
ネヤ問答とか、面白かった。あと悠理と野梨子のやつとか。
81名無し草:2006/06/06(火) 22:28:06
私もあえて言えば事情2が一番好き。
あれで有閑でのカプ話も面白いと思い始めた。

コメディも面白いけど、短編は季節感や空気感あるようなやつも多くて好きだな。
野+悠+魅の文学少女とアンドロメダみたいな奴とか。
水面に映る月だっけ?(結婚する清四郎が魅録と酒交わすやつ)とか。
82名無し草:2006/06/07(水) 01:21:21
コメディなら長編は可憐さん、短編はとうむぎ畑が好きだった。
どちらもテンポが良くて、時に馬鹿馬鹿しい展開だったりするん
だけど(←誉めてる)、笑っちゃうんだよねw

>81
水面に映る月、私も好きだった。しっとりした風情があって、
情景が目に浮かぶようだった。

競作では旅立ち前夜も好き。あの6人が卒業していく時は
きっとこんなだろうなぁと、しみじみしてしまった。自分も一緒に
乾杯したくなるような、いい話だったな。
83名無し草:2006/06/07(水) 15:28:03
私は戀ひやめし夏が好き。
この作者さんのSSはどれも好きだな。
84名無し草:2006/06/07(水) 15:50:20
>83
自分も戀ひやめし夏大好き。
あと秋が未完だけど、夏の匂い好き。
85名無し草:2006/06/07(水) 19:22:40
>84
夏いいよね。秋もいい。
続き読みたい。
86名無し草:2006/06/08(木) 21:19:18
暴走愛の続きが読みたいな。
87名無し草:2006/06/09(金) 10:55:02
カムバック病院坂!!
88名無し草:2006/06/09(金) 12:43:14
長編っていうかシリーズものだけど
a few minutes が好きだなぁ。
いろんな角度から見られて面白かった。
89名無し草:2006/06/13(火) 23:35:20
保守らねば
90名無し草:2006/06/14(水) 23:50:45
久しぶりですが「華と散る」うpさせていただきます。
801風味がありますので、苦手な方はご注意ください。
91華と散る 清×野(26):2006/06/14(水) 23:51:30
>>http://houka5.com/yuukan/long/l-70-1.html

部屋の中は静かだった。
首をかしげて部屋の様子を伺っていた美童は、胸にかかる髪をさらりとはらうと
おもむろに部屋の主を呼ぶ。
「魅録。寝てるの?」
歩いていってベッドの布団をはぎとると、中からピンク色の後頭部が現れた。
「どうしたのさ」
ちょうど魅録のわき腹の部分に美童はちょこんと腰をかける。

魅録の手がだらんとベッド下に落ちた。
かすれたつぶやきが聞こえてくる。
「……最低だ、俺。悠理にキスしたんだ、無理矢理」
思いがけない告白に美童は黙り込んだ。
「最低だ、俺」

魅録は枕に顔をうずめている。
それを取り上げようと美童は枕をひっぱった。
「顔を見せてよ、魅録」
「やだよ。やめろよ」
取り合いになったが魅録はがんとして枕を離そうとしない。
それでも無理矢理枕を押しやると、半分だけ彼の顔がのぞいた。
92華と散る 清×野(27):2006/06/14(水) 23:52:05
彼の唇をしばらく黙って見ていたが、やがて美童は枕を奪い取った。
「ほらっ。起きなよ」
無理矢理魅録の体をベッドの上に起すと微笑む。
「キスなんてチョンってなもんだろ。さっさと謝っちゃいなよ。それとも」
言葉を切る。
「かなり強くキスしたの?」
「……した」
赤くなりながらも魅録はぼそぼそと呟く。
美童の瞳が冷たく光った。
「どれくらい?」
「どれくらいって……?」
「……これくらい?」

自分の唇に押しつけられたのが美童のそれであることに気づくのに
魅録はやや時間を要した。

「む……び、びど……」
「……ずるい」

そのままベッドの上に二人は倒れこんだ。
美童が自分の上にいるのに気づき、魅録は狼狽した。
「ちょ、ま…て」
「どんなキスをしたのさ……」
拒絶する間もなく、魅録は再び美童の唇に口をふさがれた。
彼の熱い舌が滑り込んでくる。
魅録はもがいた。
「びど……やめ…や……めろ」
「ずるい……悠理と……ずるい魅録。ずるいよ」
93華と散る 清×野(28):2006/06/14(水) 23:53:55
美童の手がTシャツの下に潜り込んできた。
そのまま魅録の筋肉質の身体を美童の手が這いずり回る。
「……!」
魅録は起き上がろうとしたがショックで身体の力がなかなか入らなかった。
美童の蒼い瞳がじっと魅録を見つめている。
再び唇が重なろうとしたとき、やっと魅録は身を起し、鋭くつぶやいた。

「やめろ、美童」
「……うん」
美童は唇を引き結ぶと魅録の顔をじっと見つめ、それからぷいっと横を向いて
彼の身体の上から移動した。

「美童」
うつむいた美童の顔を金色の髪が覆い隠した。
「……ずっと前から魅録が気になってたんだ。わかってるよ、魅録の答えは。
 ごめん、もうしない。だから……」
「……」
「僕は魅録が」
「ごめんな」
「あやまらないでよ。ただ、僕が」
最後まで伝えずに美童は魅録の前から去った。


つづく
94名無し草:2006/06/15(木) 00:35:33
学園からの帰り道。
いつものように清四郎と野梨子は並んで歩いていた。
いつもと同じように…
ただ一つ違うのは、清四郎の表情に余裕がない事だ。
眉間に皺をよせ、溜め息をつく。
「僕は知りませんでしたよ」
「…何がですの?」
野梨子の大きな瞳が清四郎を一瞥する。
「あなたと魅録の事です。」
「わたくしと魅録がどういたしましたの?」
「しらを切るつもりですか?僕に隠れて付き合っているのでしょう!」
表情一つ変えない野梨子に、清四郎はイライラと畳み掛けるように続ける。
「証拠の写真もあるんですよ!」

その時だった。
派手なエンジン音とともに、一台の大きなバイクが現れ、
清四郎と野梨子の横で急停車する。
「野梨子!」
魅録はヘルメットを脱ぎ、野梨子の肩を掴んだ。
「野梨子!どういうつもりだ!」
野梨子はゆっくりと、密かに微笑みさえうかべながら、二人を仰ぎ見た。
「…保守ですわ」

95名無し草:2006/06/15(木) 12:14:51
>94
続編希望


ってあるのかw
96名無し草:2006/06/15(木) 14:20:06
>華と散る
待ってたんで、帰って来てくれてうれしい〜!!
美童はやっぱり魅録が好きだったのか
つづき待ってます
97名無し草:2006/06/16(金) 16:11:59
二回に分けて、短編をうpさせていただきます。
カップリングはネタバレになるので言えません。
悠理と野梨子と清四郎のお話です。
本日5レスの予定です。
98放課後(1):2006/06/16(金) 16:12:45
誰もいない廊下に、あたしの足音が妙に響く。
今にも夕焼けに取って代わられそうな空の碧。窓から射す西日が作る影。
こつ、こつ。こつ、こつ。
いつも走って通り過ぎる事のほうが多いこの場所を、はやる心をどうにか抑えたくて
わざとゆっくり歩いた。
どこまで歩いても、自分の心の中まで踏み込むことは出来ない。
「…眩しい」
スカートが陽を反射して、目を細めずにはいられない。
なんだかその白さに咎められてる気分だ。 あたしのぎすぎすした中身を。

並ぶ教室をひとつずつ覗いていくと、思ったとおりいくつめかに、一人で本を読んでる
生徒を見つけた。最前列、窓際から2列目。前のドアからあたしはそいつに声を掛ける。
「せーしろっ」
清四郎は少し小首を傾げて悠理、と呟いただけで、また読書に没頭する。
あたしは歩み寄りながら言葉を続けた。(だってこいつが待ってんのは──)
「野梨子?」
「…ええ、まあ」
野梨子の雑務が終わるのを待ってるんだ。教室で、ひとり。
2人が付き合いだして、用がなければ部室に、という習慣が倶楽部内で薄れつつあった。
今日もその例外ではなかった。誰もいない部室を逃げ出して、あたしはここまで来たのだから。
2人とも変わった。清四郎は表情が優しくなった。野梨子はすごく、綺麗になった。
あたしは、(あたしは───?)
ふとした時にいつも自分の頭を掠める、答えの出ない疑問。
出たところでどうなるって言うんだ?

あぁ、イライラする。
99放課後(2):2006/06/16(金) 16:14:01
清四郎はあたしがここにいる事を別に疑問にも、邪魔にも思っていないみたいだった。
だから不躾に顔を観察してやった。ぱらぱらと、時おり本をめくる音が耳に残る。
こんな涼しい顔して、だけどこいつはどこか、今まで違った雰囲気をしている。
これが恋、──『誰かを愛しく想うこと』だって言うのか?
信じられない。
だって、あたしがこいつと同じ表情をしているなんて到底思えないからだ。
「悠理」を見るのがムカつくから、最近鏡を見ていない。だからどんな顔しているか
なんてわからないけれど。
だけど。野梨子は、清四郎と同種類の色を見せる。同じように相手を想い、気遣い、恋する。
きっと今も同じ顔をしてあたしの目の前にいるこの男を想っている。離れていても香り立つ2人の恋。
野梨子の恋。
それを思うと何故か胸がむかむかして吐きそうな気分がした。
あたしのイライラは募るばかりだ。
100放課後(3):2006/06/16(金) 16:15:03
(──来た)あたしはその辺にあった椅子を、清四郎の机の前に持ってきて言った。
右の視界に入る空にはオレンジ色が忍び寄っている。
「なぁ」
「え?」
あたしはギッ、と音を立てて椅子を引いた。座って文庫を読んでいる
清四郎が、右手を机に置き左手で椅子の背を持つあたしを見上げる形となる。
「飽きない?野梨子」
「…は?」
あたしは椅子に座った。清四郎は訝しげな顔をしている。
廊下の足音はどんどん近づいてくる。あたしには聞こえる。どんなに小さくても必ず、聞こえる。
どうしてこいつは聞こえないんだ。イライラする。
「野梨子しか、見えてないみたいだけど」
清四郎の頬に右手を当てた。後ろのドアから良く見えるように。もう、息がかかるくらい近い。
「例えばあたしとか」
唇が重なるまで、あと1mm───
バサバサバサッ
101放課後(4):2006/06/16(金) 16:17:10
「のり…っ!」
弾かれたようが清四郎立ち上がり、ガタガタと椅子が倒れた。
(──ビンゴ)計算どおり。後ろのドアに立つ野梨子は青い顔をしてあたし達2人を見ている。
思いつめたように瞳は震えているけれど、決して逸らしたりはしない。
だから、清四郎に非は無い事を瞬時に理解したみたいだった。
清四郎はあたしにこんな事されて、ただ動けなくなっただけだという事を。
「………」
野梨子は無言で落ちた荷物を拾い集める。
(訳わかんないくせに。あたしの事、ひっぱたいてやりたいくらいに思ってるくせに)
あたしは心の中で悪態をつく。
「野梨子、これは…」
あたしを机に残してドアに駆け寄る清四郎に、野梨子は静かな微笑みを浮かべて言った。
「…わかっていますわ」
何が起きたのか全く分からない。だけど、自分は信じている、清四郎は絶対自分を裏切る
事をしない。それだけはわかっている──野梨子の言葉はそんな意味を含んであたしの耳に届いた。
そして、野梨子は静かにあたしを呼んだ。
「悠理。いらして」
澄んだ声が教室内にはっきりと響いた。野梨子の口元から零れる声は、例えそれが
あたしの名前であっても、汚れを知らない清らかなもののように感じられる。
あたしは何も言わずに2人のいる方へ歩く。静かに響く足音。影がだんだん伸びてくる。
野梨子は清四郎の右腕をそっとその白い右手で撫でると、彼の顔を見上げるようにして
「先に帰ってくださいな?あとでお伺いしますわ」
と言った。
清四郎は何も言わずに、(あたしを咎めるそぶりも見せずに、)席へ戻って倒した椅子を戻す。
それを見てから野梨子はあたしに向き直った。
102放課後(5):2006/06/16(金) 16:17:59
あたしは睨みつけるように彼女を見つめた。こんなに悲しそうな顔、そうでもせずに
見ていられない。
野梨子が、逸らしたい目を必死にそうせずにいるのが伝わってくる。…それが野梨子だから。
細く、震える息を吐き出すと野梨子はあたしに背中を向けて歩き出した。
「部室、誰もいませんわよね?」
「…あぁ」
あたしの心臓はずきずきと疼いている。野梨子を悲しませると、いつもこうなる。
だけどそれを快感と勘違いして、もっと、もっとってねだるんだ。あたしの心はバカだから。
部室に着くまでずっと無言で、野梨子の後ろ姿を見ていた。
早く着け面倒くさい、こんなに遠かったかと思う一方、永遠にこうして歩き続けたいと
もう一人の自分が呟くのが聞こえた気がした。
103放課後:2006/06/16(金) 16:18:32
続きます。
104名無し草:2006/06/16(金) 19:58:24
>華と散る
久々に読めて、とても嬉しいです。
清×野以外一方通行ですね。
どう話が動くのか、次の展開が気になります。

>放課後
大量うp乙です。
読んでると、悠理にも野梨子にも同情できるんですよね。
次のうpに期待します。
105名無し草:2006/06/16(金) 20:07:23
>放課後
うp乙
けど悠理はあたしじゃなくてあたいだよー
106名無し草:2006/06/16(金) 20:36:53
>放課後
面白いです。続き、お待ちしてます。
>105
初期の悠理はあたしだったよ。
107名無し草:2006/06/17(土) 01:27:58
初期てw
何十年前だと思ってんの
現時点に合わせるのが常識なんじゃない?
108名無し草:2006/06/17(土) 02:41:24
難しい・・・
悠理らしくないといえばらしくないが
自分は「あたし」のほうが好きなんだな・・・
109名無し草:2006/06/17(土) 02:48:01
>107
過去のSS読んだけど、あたしで書いてる人何人か見た。
あたい→あたしぐらいなら、書く人の自由でいいと思うのだけど。
110名無し草:2006/06/17(土) 04:34:06
>放課後
野梨子の言葉や態度がとても凜として潔くて美しいですね。
せっかくの綺麗な文章なのに「あたい」じゃ台無しになってしまうので「あたし」で良いと思います。

111名無し草:2006/06/17(土) 09:41:03
初心者さんは知らないかもしれないけど
過去スレで悠理の一人称についてはもう何度も話題になったんですよ。
結局は書く人の自由ってことで落ち着いているので
「あたい」だろうが「あたし」だろうが基本的にはスルーで。
空気を読んでスマートにいきましょう。
112名無し草:2006/06/17(土) 23:48:47
>>107
あたし推進派は40代のババアばかりなんじゃないの?www
113名無し草:2006/06/18(日) 00:39:02
どっちでもいいじょ
114名無し草:2006/06/18(日) 00:41:59
またしても荒れて参りましたw
(読んでないからどうでもいいけど)
115名無し草:2006/06/18(日) 07:16:29
結論、111でFA。
これ以降のレスは自演行為とみなして完全スルー。
116ひみつの検疫さん:2024/09/29(日) 06:03:02 ID:MarkedRes
汚染を除去しました。
117放課後:2006/06/18(日) 16:16:08
後編うpさせていただきます。
7レスの予定ですが少し増えるかもしれません。
118放課後(6):2006/06/18(日) 16:18:19
>102

部室に着くとすぐに、あたしは窓を背にして椅子に腰掛ける。
野梨子は荷物を置くと部屋の奥へ入り、コーヒーを持ってきてテーブルに置いた。
コトンという音が妙に耳に残り、立ち上がる湯気で一瞬目の前が見えなくなった。
あたしのカップの右隣に置かれた野梨子のカップの中身はインスタントのブラック。
あたしはブラックが飲めない。それを知っていて、あたしがどんな味を好むか知っていて、野梨子が入れてくれたミルクコーヒー。
「ありがと」
(くそ、なんでかすれんだ)
あたしが呟くように言うと、ちいさく微笑んで野梨子はあたしの右隣に腰をおろした。
椅子を引く音が響いて聞こえるくらい、この部室には音がなくなってしまったのだろうか。
あたしはコーヒーをすすった。
時間が無くてインスタントでも、野梨子が淹れてくれる、あたしのために砂糖とミルクを
調整してくれるそのコーヒーが、あたしは一番好きだ。

こんなふうに、優しい気持ちにだってなれるのに。

窓越しの夕陽が野梨子とあたしの背中を静かに眺めている。
チラリと横目を走らせたその先の、頬にかかる切り揃えられた黒髪は本当に美しくて、
清四郎はいつもこれを見て、あの冷静な顔の下野梨子を慕うのだろうかと考えると、
二度とあいつの目にこの光景を見せてたまるものかと決して成し遂げられない決心が
頭の中をよぎり、そんな自分に笑ってしまった。
「え?」
あたしが笑ったことを不可解に思ったのだろう。野梨子がこちらを向いた。
大きな瞳が戸惑いを揺らしてあたしを射抜いている。
いたたまれなくなって、またコーヒーカップに口をつけた。
野梨子はうつむき、何かを考えているように見える。
本当に、こいつは綺麗だ。

「悠理────────」
顔をあげた、横顔の彼女の真紅の唇が静かに言葉を紡ぐ。
119放課後(7):2006/06/18(日) 16:20:15
「昔から…?」
「あぁ」
「誰も知らないんですの?」
「あぁ」
「一人で気持ちを抱えていらしたの?」
「あぁ」
元々あたしは例え理由を問われようと真実を喋ろうという気はまったくなかったが、
野梨子はあたしに『どうしてあんな事をしたのか』と詰問するようなそぶりは
全く見せなかった。イエスかノーで答えられる質問、というよりも野梨子の静かな
つぶやきに、あたしが静かに相槌を返すような、静寂に重みの響く会話だった。
野梨子から投げかけられる全ての言葉にうなずき、ただ同じ動きを繰り返すだけ。
今のあたしには嘘をつくことなんて何でもない。
こいつを傷つけてやろうと夕日の教室で清四郎にあんな事をしたが、
根本的なところでは絶対に傷つけたりはしまいとあたしは固く誓っていた。

いや、自分を守りたかったのかもしれない。
120放課後(8):2006/06/18(日) 16:21:25
「ずっとずっと、一人で……」
「あぁ」
「清四郎のことを」
「……あぁ」嘘をつくことなんて何でもない。
細く息を吐き出して、彼女は繰り返す。
「あなたはずっと、」
「あぁ」あたしはずっと。
「ずっと前から、」
「あぁ」ずっと前から。
「清四郎のことを、」
「あぁ」清四郎のことを。
野梨子はうるんだ深い瞳であたしのきっと、死んだような目を、覗き込むように見つめた。
彼女の言葉のはしばしからは、抑えていても滲み出る感情が痛いほど伝わってきた。
けれども泣かないと決めているのだろう。
あたしのことが好きだから。
そう気付くと、あたしはこの場で消えてしまいたいと思うくらい自分をばかだと思った。
なんて目であたしを見るんだ。

野梨子、
野梨子、
野梨子────────
121放課後(9):2006/06/18(日) 16:22:44
「彼のことを」
「あぁ。彼のことを」
「清四郎のことを」
「あぁ。清四郎のことを」
「清四郎のことが」
「あぁ。清四郎のことが」

「清四郎のことが」
「あぁ。せいしろ─────」

自分が泣いていることに気付くのにはかなり時間がかかった。
そういえば最近、あたしは泣くことも忘れていたのだ。
野梨子が目を見開くのでどうしたのだろうと思ったら、涙が頬をつたっては
制服にぽろぽろとこぼれるように落ちていくのだ。
ずっと泣きたかったんだとその時初めて知った。
ひとりでもなく、他の誰かの前でもなく、素直でまっすぐなあたしのままで。
野梨子の前で泣きたかったんだと。
彼女の瞳は驚きに丸くなり、不可解な紐がゆるゆると解けていくのが見てとれた。
知らない猫に出会ったような顔で、野梨子はあたしを静かに見つめた。
彼女の瞳に写るあたしが、『そのままでいて』と話し掛けてきた気がした。
122放課後(10):2006/06/18(日) 16:23:23
しゃくりあげながらあたしは言う。
「あたしはずっと、」
「ええ」
「ずっと前から、」
「ええ」
「野梨子のことを」
「……ええ」

「っく…全部お前を傷つけるため。あ、あたしは、ずっと一人で、ずっと、ずっと恐くて、
切ろうかと思ったけど、っ、毎日会うなら側にいたくて、無理で。
ごめん、ごめん、ごめん…
……あたしがお前にしたいことを悔しくて清四郎にするフリをして見せただけなん」
言い終わる前に、視界が遮られ、時が止まった。
123放課後(11):2006/06/18(日) 16:24:19
あたしは椅子から立ち上がった野梨子に抱きしめられていた。
吸い込んだ息で胸が締め付けられるくらい、いい香りがする。
野梨子は泣きじゃくり震えるあたしの頭を何度も何度も撫でながら、
落ち着いた様子で喋りだした。
「ねえ?……謝らないで、悠理」
まるで小さな子どもあやすように野梨子は言った。
「正直に言って私………まったく気付いていませんでしたわ。ずっとずっと、
一人で抱えていらしたのね。気付けなくて、ごめんなさい。傷つけて、ごめんなさい。
ありがとう悠理、…ありがとう」
野梨子のまっすぐさが今のあたしにはほんとうに眩しく映り、目を細めずにはいられない。
こいつはどうしてあたしなんかに、ひとつひとつ宝物を丁寧に並べるようなやり方で
言葉を選ぶのだろう。
そんな、胸をかきむしりたくなるくらいのもどかしさと、
部屋に差し込む夕日のオレンジであたしは哀しさでいっぱいになり、
ついと顔をあげ、あたしのこの瞳だけ揺らめかせ、
無言で野梨子にキスをうったえた。
彼女は黙って、苦しいくらいにぎゅうっときつくあたしを抱きしめた。
あたしが驚きに目を見開く番だった。
キスをかわされたあたしが切ない気持ちにならないよう、
こうして抱きしめてくれたのかと思うと、プライドを守ってくれた彼女への
素直な感謝の気持ちも生まれたけれど、やっぱり触れているとあまりにも嬉しくて、
永久にこの時が終わらなければいいのに、と例によってあたしは思った。
124放課後(12):2006/06/18(日) 16:24:53
しばらくの沈黙のあと、野梨子は言った。
「……キスをすることは、やぶさかではありませんわ…。
でもそれは、あなたが女性の方だからですの。
『女性の方とキスするくらいなら、なんでもない』と思っているからですわ」
あたしの耳に、彼女の胸から直接響く声が聞こえる。
「だから悠理にはキスできませんわ。あなたの想いに、失礼にあたるから」
きっぱりと野梨子は言った。
あたしは胸がつまって、何も言えなくなった。
なんでもないならキスのひとつくらいいいじゃないかとでも言ってやろうかと
一瞬思ったが、そんなことは無意味だし、したくないことをする悲しさから、
あたし自身を解放してあげようと素直に思えた。
野梨子の芯の通った清らかさ、生まれくるまっすぐなきらめきを尊敬し、
心のままに恋い焦がれたい。

泣きたいときに泣いたり、
笑いたいときに笑うこと。

好きな人に好きだと告げること。

当たり前のことがどんなに尊いことか、あたしの全部で感じたい。
125放課後(13):2006/06/18(日) 16:25:31
あたしは野梨子の胸の中で、ただ泣きたいから泣いていた。
心の中で何度も何度も、少女の名前を唱えながら。
顔を上げずに呟く。
「すきだ、野梨子」
「……ええ」

あたしが野梨子を想う気持ちと、野梨子があたしを思いやる気持ちが混ざりあい、
部屋の隅までしっとりと満ちている。

その時初めて、この部屋の時計の針が時を刻むのが聞こえた。
カチカチ言うその音が、波のようなあたしの心臓の音と、
優しい琴の音のように柔らかくとくとく音を奏でる野梨子の鼓動、
全部と混ざってあたしの耳にすぎていく時間たちを伝える。
中から聞こえる雑音にしか耳を傾けずにきたから気付かなかった。
あたしの周りの時間たちが、こんなにもやさしく、動いていたということに。
126放課後(14):2006/06/18(日) 16:26:03
好きな人が幸せならそれでいいと、どうして願えないのだろう。
どうして自分でないならだめなのだろう。
わからなかった。制服を脱ぐ日が来たらわかるのだろうか。
でも痛いことを仕様がないと思えることが大人になることならば、
あたしは一生、大人にはならない。

好きだ 好きだ

彼女に恋している。
あたしは野梨子が好きなんだ。
それだけだった。それだけで野梨子に抱き締められていた。
あと五分もすれば夕日が落ちて、帰る時が来る。
それまでどうか、このままで。
縁取られる影は、あたしにとっては大切なスケッチ。
あたしは一生忘れない。
それは恋物語と呼ぶには切なすぎる、橙にさらされながら野梨子に恋した日。
消えない想いを焼き付けた夕日と、放課後のかけら。
頭の奥でぼんやりと、そんなことを考えていた。
127放課後:2006/06/18(日) 16:30:14
以上です。ありがとうございました。

「あたし」について。
悠理の一人称は私が読み始めた時すでに「あたい」でした。
けれども私の趣味と、他の作家さんでも悠理の一人称が
「あたし」の方がいらしたことから「あたし」となりました。
一言付け加えるべきでした。お詫び申し上げます。
128名無し草:2006/06/20(火) 16:45:18
乙カレ。
野梨子が最後まで芯が通ってていい。
おもしろかった。
「あたし」については謝らなくてもいいと思います。
129名無し草:2006/06/20(火) 18:47:54
きれいな話でした。好きです、こういう雰囲気。
楽しめました、ありがとう!
130名無し草:2006/06/21(水) 12:14:39
131名無し草:2006/06/22(木) 14:25:24
あまあまな美×野のお話が読みたひ…
132名無し草:2006/06/22(木) 23:46:37
私はなんかかっこいい野×魅がよみたいなぁ。
133名無し草:2006/06/23(金) 00:42:49
情緒豊かな清×可が読みたいな
134名無し草:2006/06/23(金) 12:31:14
鬼畜な清四郎が見たい
135名無し草:2006/06/23(金) 18:40:04
>132
>かっこいい野×魅
いいね。不良とお嬢様を打ち破る感じでw
136名無し草:2006/06/23(金) 19:09:54
アタックしまくりの野梨子にたじたじの魅録か。
新しいw 読んでみたい。
137名無し草:2006/06/24(土) 10:50:37
いけいけ野梨子×たじたじ魅録…萌え
可憐さん思い出したよ。
やっぱコメディになるのかな?
138名無し草:2006/06/26(月) 13:17:11
保守ね
139名無し草:2006/06/29(木) 10:51:44
保守点検
140名無し草:2006/07/01(土) 02:08:25
リンクしてくれたサイトさんに清×悠があった事で
懐かしくなった&有閑でカポーが!との驚きの元に
久々に有閑を読み直したら
昔読んだときはカポーなんて考えもしなかったのに
案外萌えた
しかし悠理はあれだ。あれだけ霊媒体質なら
いっぺんイタコ修行したほうがいいよ。
あんなにとりつかれまくりじゃ人生ヤブァイ
141名無し草:2006/07/01(土) 02:51:16
>140
サイト紹介されてたのって他スレでの話?
2ちゃんで個人サイトへのリンクはまずいんじゃ?
142名無し草:2006/07/01(土) 07:22:46
>>141 違うんじゃない?
>>140自身のサイトにリンクを貼ってくれたよろずサイトさんが取り扱ってて…じゃないのか?
143名無し草:2006/07/02(日) 22:20:40
今TBSの田村正和の新ドラ見てて思ったが、
久しぶりに見た 内 田 有 紀!
今回の役柄(男勝りな娘なのに好きな男の前ではブリッコ)はともかく、
ボーイッシュなカッコをした時のルックスが、モロに悠理のイメージだ・・
男前に端正に整った顔だちと茶目っけある瞳。
今のふわっとクセ毛にさせた感じのショートヘアで、若い頃よりもさらに似てると思った。
でももう三十路なんだよねw 若く見えるけど。
しかし一度聖プレジデントの制服を着せてみてーなー
144名無し草:2006/07/03(月) 00:17:06
>>143
sageでよろしく
145名無し草:2006/07/03(月) 19:47:34
貧乏臭いよ内田有紀
146名無し草:2006/07/05(水) 09:47:47
保守デス
147名無し草:2006/07/06(木) 22:00:52
ss待ち。ホシュ。
148名無し草:2006/07/07(金) 00:09:17
魅×野が読みたい
作家さんお願い
149名無し草:2006/07/10(月) 22:10:48
保守
150名無し草:2006/07/10(月) 22:46:09
保守ばっかりもなんだし ここのスレ妄想OKだよね
呟いてみよう。
あ、そうそう>142の通りです。そこのサイトさんは扱ってないけど。
一番最初に読んだせいか 清×悠がインプリンティング
この2人はアレだ 無意識にいちゃついてるといいな。
ご主人とペットとかいって互いをごまかしつつ。
なんで心をごまかすかってーと 甘えん坊のゆーりが
倶楽部のバランスを崩すのを嫌がってるから。
清は無意識にそれを察して 自分をごまかし続けるといい。
そんで後の4人はそんなアホ2人を幸せにするぞ同盟を
結成してるといい。
正反対なようでいて 不器用さがよく似ている清と悠に萌えー
あの中でトライアングルとか誰か総受けとかは見たくないなあ。
面白いってだけで清と悠の結婚に賛成したような連中だし。
151名無し草:2006/07/12(水) 00:17:56
漏れはこのスレで美童×悠理に目覚めたよ。
元々、中性的とか倒錯的とかが大好物だったんだが、
美×悠の浴衣でRとか読んで一気にハマった。
そういう目で原作読むと、スパの回で同室で泊まってたり
(しかも全然嫌がらず平気だったり)
女装をすぐ見破ったり、二人で誘拐されたり、
雅夫と悠理を間違いして、相談に乗るぞとか秘密にしててやるぞとか
いい奴だったり萌え所が満載だ〜

152名無し草:2006/07/12(水) 20:18:24
あーなんかわかる
ビジュアル綺麗なのは 美×野かなーと思ってきたけど
(黒と金で綺麗じゃん)
美童と悠理だと 美少年コンビにも美少女コンビにも見えて
妖しい感じだ ポスターとかに2人で映って欲しい
妖しい感じといえばひそかに 野×悠もいいなと思う。
蒼い少女コンビで倒錯的な淫靡さがある
小さい頃は清四郎ってかっこいいと思ってたけど
今見ると 美童がもてるのわかる気がする
美童は本気で可愛がってくれそうだもん
153名無し草:2006/07/12(水) 22:36:34
私は原作の時は清×野だったけどここ読んで魅×野になったよ。
初々しさとかがとっても素敵なんだもん。
あと私も美×悠好きだよ。清×悠みたいな正反対で
くっつくパターンもいいんだけど、美童の巧みな恋愛テクで
悠理が振り回されるのなんか想像すると実においしい。
154名無し草:2006/07/13(木) 04:17:38
       /|
       |/___
       ヽ| l l│<ハーイ
       ┷┷┷
155名無し草:2006/07/13(木) 17:09:20
悠×野が好き。
ここで目覚めたのは魅×可だなー。
ふつうぽくて好き。
swayとか、懐かしい。
156名無し草:2006/07/14(金) 15:54:06
幼馴染に恵まれなかった私の大道は清×野
157名無し草:2006/07/14(金) 17:07:42
最初からなぜか魅×悠はくっついてるもんだと思ってた
今でも元気はつらつなカプで大好きだ
158名無し草:2006/07/14(金) 21:26:36
>>156
ワロタ
同じく清×野好きだが私もその理由かも知れん。
159名無し草:2006/07/15(土) 00:56:04
幼馴染だからお風呂一緒に入ってたとか初期妄想であったよね。
で、実は今また一緒に入るようになったとかw
160名無し草:2006/07/15(土) 03:23:52
男としてみたら魅録のがいい男だよなって思う。
清四郎みたいに人を見下さず まっすぐに男気あふれてる
悠理スキーとしては魅録を推したいし、
悠理もそっちのほうが幸せだろうなあと思うのだけど
清四郎の万能だけど情緒面でお釣りが来るくらい歪んでる点が
たまらずおもろい。
清×野 と 魅×悠は 似合いっていうか同じ属性同士って感じで
違和感ない。

清×悠はその不安定さが萌える。違和感のない相手をお互い選ばず
なんでこいつなんだろう なんでこいつじゃなきゃ嫌なんだろうと
思いながらその違和感を乗り越えていく過程がどうしようもなく萌える。
161名無し草:2006/07/15(土) 14:42:20
元々清×悠スキーで今も好きなんだけど、
ここ読んで魅×可が自分のツボだったことに気が付いた。
くっつくまでの遣り取りがすごく自然でイイ。

162名無し草:2006/07/15(土) 16:24:19
>161
>遣り取り自然
ハゲド
魅×可に目覚めると、どっかの巻の
「大変じゃない、悠理があぶないわ!」
で可憐が魅録の腕に手を絡めるとこで萌えてしまう
163名無し草:2006/07/15(土) 19:03:56
昔は清四郎や魅録がカッコイイと思ってたし、もし付き合うなら清四郎!
と子供心に夢見てたけど、
20年経った今、清四郎とは絶対付き合いたくない。
いつまでもバイクとかメカだとか言ってる魅録も嫌だな〜
一歩間違うと秋葉チャンだし。

美童がつくづくイイ男だと思うんだが、少数派?
でもデートして一番楽しいのは絶対美童だと思う。
洋服や化粧品や宝石の買い物もとことん付き合ってくれそうだし
女が喜ぶスイーツやナイトスポッとにも詳しそうだ。
164名無し草:2006/07/15(土) 20:13:25
>163
分かる分かる〜
贅沢な話だけど、現実にいたら清四郎は一番付き合いたくないタイプ。
美童も付き合うのは嫌かも。(浮気何回もされそう)
でも美童は一緒にいたら楽しそうだし、現実にいたら友達が丁度いいな。
魅録が一番だな〜。

女は可憐が一緒にいると楽しそうで、一番友達になりたいタイプ。
悠理は遠くから見てるだけで面白そう。
野梨子は時々厳しいこと言いそうで怖いんだけど、一緒にいると成長できそう。
でもなぜか清×野が一番好きなんだな。
自分自身とは正反対のタイプに惹かれてしまうよ。
165名無し草:2006/07/17(月) 17:54:07
美童とは週末婚がよさそう。
いつも一緒だと常に他の女の影を気にしちゃいそうだし。
166名無し草:2006/07/17(月) 21:08:38
一緒に住むなら魅録が一番良さそうな気がする。
清四郎はいろいろ気疲れしそうだし、美童は>>165に同意。
167名無し草:2006/07/17(月) 23:07:44
確かに清四郎は会話に困るよ。
囲碁もコンピューターもESPも曜変天目茶碗も興味ないし。
株や経済か?
野梨子は毎日登下校で何を話してるんだろ…。

魅録もコンピューターやバイクなんだろうけど、
友達の話題なら楽しく出来そうだ。

やっぱ会話がラクなのは美童かな〜
ただ世界中にガールフレンドがいるから、
お互いに遊びじゃないとしんどいな〜

ずっと美童×可憐がイチオシカプだったけど、
意外に可憐が本命には一途みたいだから、無理かな?
168名無し草:2006/07/20(木) 00:09:57
美童が地理苦手ってには違和感ある。
一番国際色豊かで各国に恋人がいる設定なのに。
これってなんか理由あるんだっけ?
169名無し草:2006/07/20(木) 13:36:26
確か美人の家庭教師について克服してたよね、古典・地理。
高校の地理って世界の地理だけでなく、日本の地理もあったよね?
古典同様、中学から日本に来た美童には、漢字の読めない地名や
〜県の特産物は何か、とかわからないんじゃない?
170名無し草:2006/07/21(金) 14:17:42
古典を野梨子に教わる美童、どっちかが片想い
っていうシチュが大好き
あー美×野がよみたい。少ないよね。
171名無し草:2006/07/21(金) 14:26:28
>>169
なるほどね。
高校での地理の内容なんて忘れてたよ。
172名無し草:2006/07/22(土) 03:53:18
>>170
美×野イイね!ビジュアルも美しいし。
ほのぼのでもハーレクインでもいける。
173名無し草:2006/07/22(土) 11:11:26
>>170
美×野の始まりはやっぱそこからだよね。
ただ、清四郎がいるから「僕がみてあげましょう」って
無意識に(天然?)チャンス潰しそう。




174名無し草:2006/07/22(土) 13:02:12
漏れは、清四郎×野梨子ママに萌え。
八鹿流とのお茶会に、有無言わさず出席を強要したり
清四郎、何気にお茶の作法や茶碗に詳しかったり
裏では実は爛れた関係が…とか想像してみる
野梨子ママがツンデレだったらもっとイイ。
175名無し草:2006/07/22(土) 13:08:33
>>173
無意識にチャンス潰す鈍感清四郎ワロタ
本当に天然なのか無意識策士なのかでその後の展開が変わるね。
悠理にいつも通りビシバシ教えてたら
「もう魅録に教えてもらうからいい」とか言われて
すごくムッとする清四郎も面白い。

魅×可スキーなので、理数系弱そうな可憐が
放課後の部室で魅録に数学教えてもらうんだけど
珍しく二人っきりでちょっといつもと違う彼に・・・とか
そんな高校生らしいシチュいいかも。
あの二人っていい意味で年相応っぽいし。
176名無し草:2006/07/22(土) 15:36:15
>174
萌え
野梨子ママのツンデレ
激しく見てみたい。
177名無し草:2006/07/22(土) 17:29:37
>175
魅×可ネタ
これがきっかけでどっちかが自覚するといい。
しばらく魅録の片思い萌え
178名無し草:2006/07/22(土) 21:17:01
可×美で、最初は可憐は清四郎ねらいで、美童は悠理ねらい。
でも清四郎は野梨子、悠理は魅録とくっついてしまって、お互いに
傷を埋めあっているうちにお互いの魅力に気づき本当に好きな人を見つけた
というシチュが好きだな。
179名無し草:2006/07/22(土) 21:48:56
>178
いいね、私も好きだよ。

でも美×悠の可能性も捨てがたい
美×悠がくっつくとどうなるんだろう。
原作で萌えて以来、この二人のカプかわいくて好き。
180名無し草:2006/07/22(土) 21:51:31
このスレ初期に長篇であったよね>美×悠
作品名度忘れ。すまん。
あれは違和感なくて面白かった。
181名無し草:2006/07/23(日) 17:52:39
すみません、ツンデレってなんですか。
182名無し草:2006/07/23(日) 18:34:15
183名無し草:2006/07/24(月) 12:04:52
野梨子ママの名前ってなんだっけ?
パパは清州だよね

清四郎ママの名前もわからんな〜
184名無し草:2006/07/25(火) 03:25:36
野梨子ママと清四郎ママは、どちらも名前が出てきてないね。
一条さんも、特に決めていない気がするw
185名無し草:2006/07/28(金) 19:33:31
ホシュっとく
186名無し草:2006/07/29(土) 22:52:42
ほしゅ
187名無し草:2006/07/30(日) 23:33:27
ホシュ
188名無し草:2006/07/31(月) 03:07:57
暇な奴等だな・・
189名無し草:2006/07/31(月) 03:17:29
>>160

亀ですが超激同。
そうか、不安定さに萌えてたのか〜。なんかすごく腑に落ちました。
悠理のツンデレ萌えだけではなかったか・・>自分

魅録とのカポーも好物なんすけどね。というか私、悠理受けなら何でもいいのかも。
御大の最近の絵、清四郎はカッコ悪くなってしもたけど、魅録と美童はすごく好みの
感じになってきて清四郎スキーとしては複雑・・・。
190名無し草:2006/08/02(水) 13:37:40
摂理。。。
191名無し草:2006/08/02(水) 18:15:22
いつか新作をかいてくれるかというのは
もう絶望的かorz
192名無し草:2006/08/02(水) 18:58:52
終わるならせめて、最後に倶楽部内恋愛を描いて下さい御大…
193名無し草:2006/08/02(水) 20:13:27
おっぱい! おっぱい!!
    _  
  ( ゚∀゚)
  (  ∩ミ  ブンブン
   | ωつ,゙ 
   し ⌒J 


おっぱ・・・
    _, ,_  
  ( ゚Д゚)  ガン!!
  (  ∩ミ ____ 
   | ωつ☆ 
   し ⌒J |





            (  |||)
            /,   _)
           (_(_ )
            (__(__ノ
194名無し草:2006/08/02(水) 21:01:28
週刊新潮!!|||||/( ̄ロ ̄;)\|||||||
195名無し草:2006/08/02(水) 22:03:59
新潮キター!!記念真紀子
196名無し草:2006/08/02(水) 22:17:07
新潮・・・((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
197名無し草:2006/08/02(水) 23:11:47
あららららら…
198名無し草:2006/08/02(水) 23:34:31
いぐぐってみました・・・・・
有閑、というか一条終わったな('A`)
199名無し草:2006/08/02(水) 23:35:19
削除忘れた>い
200名無し草:2006/08/06(日) 23:55:59
ほっしゅ
201名無し草:2006/08/07(月) 23:35:58
【漫画家】一条ゆかりさん、宗教団体『摂理』信者との報道を否定「本当に辛くて悔しい」
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1154940921/
202名無し草:2006/08/09(水) 15:47:53
嵐の中で呟くのもアレなんだけど
清四郎VS悠理+野梨子の連合軍っていいよなーって思った。
クイズの回とか再読して。
知性体力はダントツの清四郎だけど 知性担当野梨子体力担当悠理で
しかも清四郎にはない土壇場力が悠理にはあるし野梨子も囲碁で清四郎に勝てるんなら
戦略知は清四郎に勝るって事だよな。
この2人でコンビを組んで清四郎に対抗してみて欲しい。
あと再読すると、魅録って野梨子のこと好きだよなーって思う。
なんか唯一女の子扱いしてる気がする。
可憐の姉御肌的なとこ好きだから魅録と可憐にくっついて欲しいけどさ。
203名無し草:2006/08/09(水) 18:33:34
>202
クイズの話は私も大好だ〜
あの頃の有閑倶楽部が一番面白かった!

私は、魅録は野梨子に対して清四郎の手前、
一歩引いてるような感じがする。裕也のときとか。

だからクイズの時は、清四郎が野梨子の横にいなくて、
余計に魅録が張り切ってたような気がするな〜
あのときの魅録は男前だった。
204名無し草:2006/08/09(水) 18:47:31
クイズの回、清四郎に三行半突きつけたときの魅録には萌えた。
普段いい人がキレた時の怖さというか、
あそこは初期のワル魅録だった。
205名無し草:2006/08/09(水) 20:12:07
>なんか唯一女の子扱いしてる気がする。
これ見てふと思ったんだけど、もし有閑倶楽部がメディアになって
男性認知度が高かったら、女性陣で一番人気は野梨子かな〜と思う。
オタク的な言い回しだと野梨子は最近人気のツンデレに属しそうだし
外見や性格がお嬢様でモテルのに潔癖な野梨子って
強いのかなと思った。

女性人気はやっぱり悠理かなと想像した。
宝塚っぽい人気が学園の中でありそうだし、カッコイイから
メディアになっても女性から憧れられる率が高そうだな。
何より中性的な美形でポイント高し。
表紙イラストを見ても、ギャグ顔の時とのギャップを感じて
時々ドキッとする。

逆に属する悠理と野梨子がタッグ組んで
男性陣がいなくてもやれるよってカンジの
事件を解決する話を一度読んでみたいな〜。
そして可憐は何かとオチで不運な役回りが多いから、
最後においしい所だけ持っていって欲しい。
206名無し草:2006/08/11(金) 11:33:26
>野梨子は最近人気のツンデレ
それ、ツンデレって言葉が出てきた頃に一番に思った。
そして自分はそれが好きだったんだと。
207名無し草:2006/08/11(金) 19:05:17
>>205
>女性人気は悠理
あーわかる気がする。
下品で食欲魔人でお馬鹿な悠理だけど
あの顔で全てチャラになるっつーか
あの中性美少年美形顔にあの生まれたまんまみたいな
性格のギャップが可愛いっつーか
あの学園にいる女子の気持ちがわかる。
男性人気はなさそうで女性人気の高そうなキャラだと思う。
野梨子はクリムゾンあたりで陵辱同人とか出そうな気がする。
男性人気はやっぱ野梨子が強そう。

原作読み返してみると細かいところでキャラ付けがしてあって
萌えるコマがある。
美童は助けを呼ぶときは清四郎と悠理をまず呼ぶとか
魅録と悠理がじゃれあってジャブしてたりとか
クイズの回では悠理には蛇を掴めと言うくせに
「野梨子にはムリだよなわかってるよ」と甘やかす魅録とか(笑)
208名無し草:2006/08/11(金) 19:12:55
>クイズの回では悠理には蛇を掴めと言うくせに
>「野梨子にはムリだよなわかってるよ」と甘やかす魅録とか(笑)

あーそれ、今ものすごく萌えたw
野梨子はを女として扱ってる、とも思えるし、
悠理には俺と同じことができるはず!みたいな
性別超えた信頼関係があるとも思えるし。
どっちのカプにもおいしいわw
209名無し草:2006/08/12(土) 22:28:57
>クリムゾン
読んだことはないけど、作者名は知ってるw
陵辱は、昔のSS読んでも野梨子に多いね。

萌えコマは、美童が悠理に泣きついたり、抱きついて
ガクブルしてる場面が好き。
可愛いくてつい萌えてしまう。
210名無し草:2006/08/14(月) 18:23:53
保守代わりに。

個人的に、「男子禁制〜」の回の美童と悠理が好きだなぁ。
あの組み合わせが一番ベターだからなんだろうけど、
同じ部屋って嬉し過ぎシチュ。

「女人禁制〜」とか書いて欲しいよ。
幽霊ネタだって結構かぶってるんだから、禁制ネタがかぶってもイイジャナイか。
211名無し草:2006/08/15(火) 01:17:13
>210 「女人禁制」面白そう!
ひょんな事からアラブあたりに行かなくちゃならなくなって
倶楽部みんなで行ったはいいが泊まるはずの高級ホテルが実は
女人禁制で(その国では男性の方が偉いと考えられているため)
悠理はなんとかそのまま通ったが野梨子と可憐は、
頑張って男装する。だが、ばれてしまい、おまけにたまたまあった
殺人事件の犯人扱いをされ二人は逮捕されてしまう。
そんな二人を助けるために四人は頑張る。また野梨子と可憐も
持ち前の力を合わせて脱走を試みる。なんだかんだで
最後はその国の偉い人が万作の友達かなんかで無罪釈放されるという
お話が読みたいな。ちなみにカップル作るなら
野×魅 悠×清 可×美だな。
212名無し草:2006/08/19(土) 19:05:07
その話面白そうですね!

実は二人を捕まえた奴らがマフィアと癒着してて、
ハーレムに売られそうになり、あわやの所で脱出なんて展開も有閑らしいのでは?
妄想妄想...
213名無し草:2006/08/20(日) 10:25:37
いいねー。
昔だったら211がソッコーここで形になったなぁ…
214名無し草:2006/08/24(木) 21:36:19
保守
215名無し草:2006/08/26(土) 18:19:33
ほしゅ
216名無し草:2006/08/28(月) 01:41:37
どうでもいいが、この間バスに乗っていたら多満自慢という名の店
を見つけて、ここの店主は、有閑倶楽部のファンなのかなって
思った。
217名無し草:2006/08/28(月) 04:31:48
>>216
ツッコムのもどうかと思うが言っておくが、
この漫画の人物が皆そうであるように「多満自慢」はお酒の名前だから。
その店ではこの酒を扱ってるから単に名付けたのか、その酒が好きだから店名にしただけの話だ。
218名無し草:2006/08/29(火) 22:58:23
>>216
おまい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
219名無し草 :2006/08/30(水) 00:10:08
この漫画を読むと、酒の名前をなにげに覚えてしまう。
そして、それぞれどんなものか飲んでみたいと思わせるのは、
作者の陰謀だろうか・・・
220名無し草:2006/08/31(木) 23:29:23
気にいらない人がいたらごめんだけど
先日 ハ/ウ/ルを見て興味がでて原作読んだんだ。
そして続編まで読んだ。
それはヘタレだけど好きになった姫の為に
勇気と頭脳を振り絞る若者と世間知らずだけど賢く美しい姫君が
主人公のお伽噺だった。
そのイメージが美童と野梨子に被ってしまって仕方ない。
ヘタレな主人公が美しい姫君を必死で追い求めて何かを
成し遂げてく姿って萌える。
それで思ったんだけど有閑パラレルでファンタジーも良いなーと。
ビドノリ中心にして美童を助ける意地悪魔法使いに清四郎とかさ
姫君を守る男装の騎士(笑)に悠理とか。
魅録は兵士でもいいけど意外なとこで野梨子の婚約者の王子とか。
可憐はなにかなーやっぱり妖艶な踊り子とかかな
221名無し草:2006/09/01(金) 01:17:19
いや、実は自分も初めてハウル見た時に美童が浮かんだ
「美しくなければ生きていても仕方ない」(だっけ?)あれで特にw
女性をトリコにするツボをつくところ、
本当の姿は臆病で情けないけど、そこも母性本能をくすぐるところ
守る女性の為なら強くなれるところなんかがそっくりだw

222名無し草:2006/09/01(金) 01:26:08
姫君は、真澄ちゃんバージョンが読んでみたい。
年の差を超えた愛に萌え
223名無し草:2006/09/02(土) 00:27:23
>222
同感。現に原作ではハウルとソフィーは年の差があるんだし。
真澄ちゃんってのはいいなあ♪
またハウルの女バージョンで可憐主役で
「美しくなきゃ意味ないわー」ってのがみてみたいかも(笑)
224名無し草:2006/09/03(日) 12:08:29
>222,223
でも杏樹にとられちゃうんだよ
225名無し草:2006/09/03(日) 23:24:50
美堂×真澄みカップルだったら、可憐バージョンは可憐×杏樹なんてどうかな。
二人とも、年下相手でw
同時進行で見比べて見るのも楽しそうだ。
226名無し草:2006/09/04(月) 23:27:14
ケリー・オズボーンの修正後wの写真見て「リアル野梨子だ」と思いました。
日本的なイメージだったけど、改めて見ると野梨子って意外と派手な顔立ちだね。
227名無し草:2006/09/06(水) 23:31:51
保守〜
228名無し草:2006/09/09(土) 10:59:10
最近また読み始めたら見事にハマってしまった…昔はカプとか考えなかったのに今じゃ立派なカプ厨だw
みんなの文才に惚れ惚れするよ
229名無し草:2006/09/09(土) 19:26:52
絵板超遅レスですが清四郎と野梨子、うまい!!
あの絵好きです。今気がついた……
230名無し草:2006/09/10(日) 16:38:26
>228
そうそう。お気に入りのカプじゃないはずの話でも作者さんの力量で
どんどん引き込まれて、気が付けばそのカプを応援しちゃっってたり。

暴走愛に至っては、有閑メンバー全員(プラス豊作さん)の行く末が心配で、
見事作者さんの術中にはめられた気分だった。

231名無し草:2006/09/11(月) 17:51:59
SS職人さん達の復活をワクテカしながら待とう。
いやむしろ職人さんになろう!
232名無し草:2006/09/16(土) 09:26:03
233名無し草:2006/09/17(日) 18:25:33
ここのssを読んでから改めて原作を読んでみると、ssでカプ組まれてたキャラが隣り合わせになってるだけで変に勘繰ってしまうw
職人さんの復活ワクテカして待ってます。
234名無し草:2006/09/18(月) 02:03:52
作者が、秋本治の「超こち亀」のトリビュート企画みたいなのに寄稿 
久々の有閑倶楽部カット!
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader303803.jpg

(プレビューでなく、いったんゲトしてから拡大すると分かりやすいんだけど)
悠理が「両さん好みだ」とハートを飛ばしている後ろで
清四郎が「悠理は動物好き」と渋い顔をしてる〜!
これって、作者、暗に清×悠だってのを示唆してるよねえw 萌えたわ〜
235名無し草:2006/09/18(月) 21:50:38
>225
可憐×杏樹が読みたくなってきた。
どなたか、書いてくれんかなあ〜
236ロマンティックには程遠い (1):2006/09/18(月) 21:53:50
保守を兼ねて、清四郎×可憐のSSを投下します。

 「僕と結婚しませんか?」
 確か、テーブルを挟んで真向かいに座る男が口にしたのはそんな台詞だった。
場所はたいして特色のないありきたりな喫茶店で、可憐はこの男とたまたま同じ
結婚式に出席した帰りだった。
 「僕としても、このままずっと独身でいたいわけではないんですよ。かといって、
僕は情熱的に誰かを好きになるというか、愛するというか、そういうことができる
ような気がしないんです。で、どういう女性となら生活をともにできるかと考え始めたら――」
 「あたしの顔が浮かんだってわけ? それとも、あたしがたまたまそこにいたっていうわけ?
……どっちにしろ、ひどい話ね」
 可憐はこの話が男なりに考えた挙句のことだとわかりながら、それでもこみ上げて来る
笑いと涙を堪えることができず、ハンカチで涙を拭いながら声を出して笑った。
 「僕は本気ですよ、可憐」
 男は端正な顔を少しだけ悲しげに歪め、窓の外に視線を逸らした。表は大通りで多くの
ひとが行き交っていたが、厚いガラスのこちら側の店内は客も少なく閑散としていた。
可憐は男の横顔を見ながら、2年ほど前に別れた恋人のことを思い浮かべた。その恋人とは
1年あまり付き合ったが、いかに記憶の糸を手繰ろうとも情熱的な何かを思い出すことが
できそうになかった。
237ロマンティックには程遠い (2):2006/09/18(月) 21:57:20
 「ねえ、だったら、明日にでも区役所に行く?」
 可憐は元恋人のことを頭の中から追い払い、ニッコリと笑みを浮かべて男に訊いた。
もちろん冗談で言ってみただけで、可憐も男も働いてるから今日の明日で仕事を休んだり
短時間抜け出したりはできないことはよくわかっていた。
 「そうですね、お昼にでも行きましょうか?」
 男は逸らしていた視線を可憐に向け、心もち嬉しそうな表情をした。可憐はまさかという
思いで男を見たが、男はどうやら本気だった。そして男との十数年の付き合いを鑑みると、
ここで今更冗談だと言っても聞いてはくれないような気がした。可憐は、慌ててこのことを
なかったことにするための言い訳を探した。客商売のお陰でアイデアはいくらでも浮かんで
くるが、果たして男に使えるかどうかとなると全く自信がなかった。
 「ねえ、清四郎――」
 「可憐のお昼休みはいつからですか? 僕は明日は夜勤でしてね、可憐の都合に合わせますから」
 笑顔で自分の言葉を遮った男に、可憐は苦笑いを浮かべずにはいられなかった。ここまでくれば、
男がどこまで真剣に結婚を進めるのか試してみたい気持ちになってきた。
 「そうね、ママが帰ってからだから、2時過ぎかしら」
 可憐は、明日の予定を思い出しながら言った。社長である母は、明日は午前中にお得意様に商品を
届けに行くことになっているから、それを終えて昼食を済ませてから店に戻ってくるだろう。となると
可憐の身体が空くのはそれからで、お得意様の住所や母が取る往復のルートなどを考えるとどうしても
この時間ぐらいになりそうだった。
 「わかりました。僕は早めに一旦区役所に行って用紙を取ってからお店に行きますから、その時に
書くものと判子は用意しておいてくださいね」
 男は言い終わると、じゃあ行きましょうかと席を立った。可憐もつられて席を立ち、レジへ向かう
男の後ろをついて行った。男が精算を終えてドアを開けると、可憐は促されるままに先に外に出た。
外はほんの少し汗ばむほどの気温で、日はもう少しで暮れようとしていた。

以上です。ありがとうございました。
238名無し草:2006/09/18(月) 22:05:40
>>236-7

久々のSS投下キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
好きカプなので嬉しい。面白かった。

これで終わりとのことだけど、ここからの展開が気になるw
239名無し草:2006/09/18(月) 22:38:31
私も可憐と一緒になって笑いと涙を堪えました。
不器用な清四郎なりの精一杯の告白なんですよね。可愛いなぁもう。

久しぶりのSS投下有難うございます。すごく嬉しかったです。
また是非に。
240名無し草:2006/09/19(火) 01:26:24
SS投下嬉しい!ほんとにありがとうございます。
ああ、自分にも文才があれば・・・。

>>234
見られなかった・・・orz
私も清×悠萌え。近頃燃料不足気味だー。
241名無し草:2006/09/19(火) 03:52:39
>>240 うpし直したよ。存分に清悠萌えしてくれたまへ。

ttp://newsstation.info/up/img/ns13315.jpg
242名無し草:2006/09/19(火) 14:07:33
夕刊来ちゃうよ夕刊
243240:2006/09/19(火) 17:25:13
>>241
ネ申!!!
ありがとうございます!確かに萌え〜。
早速保存しますた。
しかし両さんと中川巡査は似てるなー。部長は微妙。
244名無し草:2006/09/22(金) 01:22:40
スポーツの秋ということで運動会ネタ誰かやってくれないかな〜
学園の生徒全員の希望で、生徒会役員の人たちにお姫様だっこレース
というものをやってもらい、
魅録は野梨子、美童は悠理、清四郎は可憐で、

魅録「これなら野梨子もレースで1位とれるな。初めてなんじゃない
のか(笑)」
野梨子「まあ、わたくしが1位取ったことないとでもいいたいんですの?
ひどいですわ・・でも勝ちたいですわ。頑張って!」

悠理「こらー負けたら承知しないからな〜」
美童「う、うんわかったよ」

清四郎「優勝はいただきですな・・・ふむ」
可憐「絶対に勝ってよね!」
(お姫様だっこされる相手が清四郎で良かったわ、
魅録や美童だったらあの二人に恨まれちゃう。
女子みんな好きな相手にされて良かったわ!)

こんなお話読みたい・・・。
245名無し草:2006/09/22(金) 13:34:15
運動会ネタいいね。
また競作とかできたら楽しいと思うんだけど、もうそんなに作家さんいないのかな。
246名無し草:2006/09/22(金) 17:51:56
文化祭ネタも良いなぁ。
生徒会の出し物で劇とか、メイドカフェとか見てみたい。
大人気の3人娘に嫉妬しつつもメイド姿にドキドキの男性陣とか
野梨子がしつこく言い寄られて困ってる所に
颯爽とメイド美童が登場したりとか。

ホストクラブで男性陣+悠理っていうのも面白そうだなぁ。

文才があれば…!
247名無し草:2006/09/22(金) 18:28:49
>246
いやメイド姿の清四郎に助けてもらうっていうのも
なかなかいいよ。ちょと青筋たてて追い払うの。
すまん清×野が好きなもので・・・♪
248名無し草:2006/09/22(金) 19:14:42
>>247
清×野萌えだからそれ萌えた
野梨子が嫌がってるのに無理やりメイド服を着させるのも萌えるw
249名無し草:2006/09/22(金) 20:40:12
>>236-7
う、うれしい!久々のSS、萌えまくりです。ありがとうございます!
清四郎は奥さん選びにもうるさそうだけど、可憐なら御眼鏡にかなうもの。
清四郎が心を決めるいきさつなんかも気になるなぁ。

>>244
それぞれ萌えます。 もしも、
魅×野が一番だったら
野「魅録のお陰ですわ」
魅「野梨子は軽いからな、野梨子がパートナーで良かったよ(照)」

清×可が一番だったら
可「やったあ!清四郎、やっぱりあたし達が一番よ!」→抱きつく
清「このくらいは楽勝ですよ(フム、Dカップ?)」
すいません。清四郎の反応が思いつかなかったのでつい・・・

美×悠だと
悠「下ろせー、美童!あたいが走った方が早い!」
美「ごめんなさーい!今度ケーキおごるよー」
かくして悠理が美童をかかえて走り、一番に・・・

なんて妄想してしまいました。
この3組の組み合わせ、個人的に一番好きです。
250名無し草:2006/09/23(土) 08:28:30
>>247,248
女装なら美童かなーと思ったんだけど、清四郎もいいなぁ。
むしろ可憐のメイクテクで魅録にも化けて頂きたいw
魅「もういいって、あんまり塗るなよ…」

可「いいじゃない、もうちょっとだけ…ね?(覗き込む)」

魅「…///(ち…近い近い!///)」

清四郎と美童は化粧くらい自分でやっちゃいそうw
251名無し草:2006/09/23(土) 17:07:29
///だって(pgr
252名無し草:2006/09/23(土) 19:35:37
魅録は本当にシャイで硬派なあんちくしょう役が似合うね。

253名無し草:2006/09/24(日) 14:11:46
まだいたんだ、///とか使う人www
254名無し草:2006/09/24(日) 17:31:56
メインカプは魅×野、清×悠。
しつこいようですが、SSに拒否反応を示される方、カプが気にいらない方、だりあの存在自体が気に入らない方は、どうぞお帰りください。
お願いしてまで読んでいただこうとは思っておりません。
エネルギーの無駄ですから「嫌なら足を踏み入れない」方が双方の幸せだと思われます。
誹謗中傷・荒し・無断転載・読後のクレームはお断りしておりますが、何が何でも言いたい!という方はメルフォからどうぞ♪
お約束を守れなかった場合は、漏れなく報復措置を取らせていただきます。


↑今日から始めたらしいサイト。
TOPから入ってすぐでいきなりケンカ売り文をバーンと掲示。
先回って被害妄想丸出し。そのカプが好きで読んでる人にまで不快感大、
こう誰彼構わずしょっぱなから疑いごしじゃSSさえ読む気も失せるわ。
「存在自体が気に入らない方」
「お願いしてまで読んでいただこうとは思っておりません」
「メルフォからどうぞ♪(←この♪最悪に嫌な感じ)」
「漏れなく報復措置」
もう卑屈というか、嫌味というか、劣等感丸出しというか、脅しというか、
まとめると「自分は性格の悪いDQN女で〜す」と自己紹介してるようなもんだ。
「漏れなく報復措置」って、怖〜...一体どんな措置?w
で、ゲストどもには異様な持ち上げ感謝と自分語り
大げさなハシャギ文で書いてるのがキモすぎ!
まじで典型的なイタタオバだわ。
255名無し草:2006/09/24(日) 18:19:57
>>254
こうゆうの改めていうのもどうかと思うけど
あなたがそう思うのは勝手だけど、そうゆう事
書くと雰囲気がすごく気まずくなるって分からないの?
ますます作家さん達がこなくなってしまいます。
せっかくサイト立ち上げたのだから、それこそあなたメルフォ
に送ればいいのではないでしょうか。

では気を取り直して>>252
シャイな魅録想像するだけでいいですよね。なんかかわいい。
可→魅×野で野梨子が好きなくせに可憐のアタックで顔を真っ赤にしている
そんなお話があったら嬉しいな。
256名無し草:2006/09/24(日) 19:12:09
>254
たしかにこれはこの場所で書くべきことではないと思う。
文章まで晒されてるのはかわいそ。

>255
それもいいね。魅録おいしいな。
清×野が好きなんだけどハウルネタで出た
杏×可が気になって仕方ない。
可憐にせまられてどきどきしてる杏樹を妄想妄想。
杏樹株が急上昇中だったりする。
杏×野もいいなと思った。
前の企画物の杏×野の話好きだったな。
257名無し草:2006/09/24(日) 21:30:52
グリム童話を読んでいて、お目当ての人に近づくために、
その人に一番親しい人に声をかけて、お目当ての人に、近づいていく
というお話を読んで、

可憐に一度に二人のすごくいい男性が近づいてきて可憐は有頂天になる。
だがある日実は、その二人は野梨子と悠理ねらいだったということに気がつく
気がついたのだけれども可憐は野梨子ねらいの男性に本気で惚れてしまい
何とかして彼と付き合う事ができるようにと、野梨子の事が好きな清四郎に、
声をかけ、けしかけ二人がくっつくようにする。
(「あんたぼやぼやしてると取られるわよ」とか言って)
清四郎と野梨子は付き合うようになったが、
野梨子の事が好きだった男性と付き合うことはできなくて、落ち込む。
悠理の方はなんとその声をかけてきた男性と意気投合し付き合うようになる
ますます落ち込んでいる可憐を見てそっと励ます美童。

グリムを呼んでいてそんな妄想が頭をよぎった。
258名無し草:2006/09/25(月) 01:43:42
グリム童話懐かしい
千秋の誕生日の話の回の美×可はけっこう好きだった。

ありえるようで美×可も案外少ないね。美童カップリング全体にも言えるけどさ。
原作で固定カップルが決められてないから
いろんなカップルで妄想できて楽しいわ。
259名無し草:2006/09/26(火) 17:08:51
hosyu
260名無し草:2006/09/27(水) 02:04:56
いまさらなんですが・・。
エヴァン・ウィリアムスもお酒の名前だったんですね。つい最近知りました。
うち酒屋なのに・・・トホホ
261名無し草:2006/09/28(木) 03:14:47
>>254
のサイト、警告文が変えられてる。
誰か知り合いが気づいて教えたのかな?
262名無し草:2006/09/29(金) 22:31:58
昨日ふと思い出したんだけど、昔読んだマンガで、少年のような女の子(でも奔放)が
遊び人の男と一晩一緒に過ごす事になって(お互い特別に好きあってるわけでもない)、
当然セクースしようかって流れになるんだけど、
その女の子は「以前一回他の男としようとしたんだけど、痛くてできなかった」と相手の男に
あっけらかんと言うのね。そんでその遊び人が「まぁやってみようよ」みたいに言いくるめて
やっちゃうんだけど、それを清×悠にあてはめて妄想してしまいました・・(恥)。

少年のような女の子だけど、ボクとか言うような子じゃなくて、ちゃんと天性の色気を持ってる子
っていうのが悠理のイメージにぴったりだなーと。
性にも奔放で、興味があったから仲のいい友達と試してみて、でも痛くてできなかったーみたいな。
それをあっけらかんと清四郎に話してしまって、清四郎がなんかムカムカして、ついやっちゃう、
とか(一応清四郎はテクニシャン設定)。
なりゆきでセクースしてからお互いを強く意識しあう二人・・・。勝手に超萌え〜。

でも文才ゼロなのでうまく文章にできーん。ちょっと試してはみたのですが、まったくあとが
続きませんでした。なので妄想だけ吐き出させていただきました。
キモイ長文すみませんorz退屈だったもんで・・・。

263名無し草:2006/09/30(土) 01:41:13
ひっさびさにココ来ました。スレがあって良かった。
自分、正直ほんとうにガチガチの清×野で、というか野梨子スキーで、
清×野以外認めたくないってほどの人だったのに、
ここでいろんなカプ読んで、どれもいいなーって思うようになった。
気持ちとしては、例えば清×悠とかは、妙な嫉妬みたいなのが生まれて
読むのがつらいとか思っちゃうんだけどw
でも読むと、いいんだよねーwww
作家さんたちの力量がもちろん大きいのと、
原作の、キャラの立ち方が尋常じゃなくすごいからだよね。
1人の人間と思えば、誰とどんな恋愛をしたって説得力がある。
264名無し草:2006/09/30(土) 09:57:31
>263
お帰り
265名無し草:2006/09/30(土) 21:37:10
また間があいてしまって申し訳ありません。これいただくわの続きウプします。
ttp://houka5.com/yuukan/long/l-52-3.htmlのつづきです
266これ、いただくわ 66:2006/09/30(土) 21:37:57

巡回の警備員に出くわすこともなく、うまうまと内部へ潜入した先発隊は
さっそく手近なダクトにもぐり込んだ。まずは18階で、悠理が落としていっ
た発信機の回収である。
自力ではとうてい登れない可憐を肩にまたがらせ、しかしそんな状態でも
清四郎は易々とのぼってゆく。
「清四郎ってやっぱりすごいわ。そこらの男じゃこうはいかないものね」
吸着盤を巧みに使い、清四郎はグイグイ登ってゆく。熟練のアルピニスト
を思わせる彼の身ごなしに可憐はホトホト感心しきりで、さっきから凄い
凄いとばかり繰り返していた。
「いったいどんな鍛え方したらこんなことが出来るようになるワケ?まさか
 へんな注射うってたりとかしないでしょうねぇ?」
「打ってませんよ、そんなもの。それより少しは協力したらどうですか。
 腕をつっぱるぐらいのことは出来るでしょう?」
「あらダメよ。私の腕は箸より重いもの持つようには出来てないんだもの」
やはり可憐をパートナーに選んだのは間違いだったか――そんな、当然
といえば当然の疑問がめばえて清四郎は顔をしかめた。
しかし、美童をつれてきたところで早晩かつぐハメになるだろうし、野梨子
の場合は肩にまたがらせるのを承知させる段階でひと悶着あるだろう。
つまる所、パートナー選びはこれで正解だったというわけか。三人のうち
誰が相棒であったにしろ彼らの果たす効果は同じようなものであろうから。

「どうしたの、黙っちゃって。つかれた?」
黙考しながらよじ登り作業に専念していると、さすがに申し訳なく思ったの
か、股ぐらにある頭をのぞき込むようにして可憐が気遣いをみせた。
「すこし休む?」
267これ、いただくわ 67:2006/09/30(土) 21:38:57
心持ち顔をあげた清四郎が平気ですよと答えると、話題はあっさりかわって
いった。どうやら気遣いは話の接ぎ穂に過ぎなかったらしい。
「ところで清四郎、あれって…どうなのかしらね?」
さり気無く切り出した可憐であるが、どうにかならないものかと前々から気を
揉んでいたあの事についてだ。じゃっかん言い辛そうな口ぶりで「実は魅録の
ことなんだけどね…」と言いさすと、何を察したのか清四郎はあわてて遮った。
「ちょっと待った。その手の話でしたらノーコメントにさせてもらいますよ。他人
 の恋路に口を挟むほど、僕は野暮な人間ではないつもりですからね」
瞬間ポカンと口を開けた可憐。つづいて世にも情けない顔となり、憐れむよう
な視線を清四郎のツムジに落とすとつぶやいた。
「あのねぇ、なにが悲しくてこんなところで恋愛相談しなきゃなんないのよ?
 それもよりによってアンタに。清四郎に恋愛の相談なんて、悠理に数学の解
 答おしえてもらうようなもんでしょ」
「…はいはい、そうでしたね」
身も蓋もない言われようにゲンナリしながら清四郎は話を元に戻した。
「まぁ違うのならそれで結構。で、なんです、魅録がどうかしましたか?」
一瞬おしだまった可憐であったが、やがて奥歯に物を挟んだような調子でしゃ
べり出した。
「魅録ってさホラ、いろいろ作っちゃってすごいじゃない? これとか、コレとか、
 それからこんなのとか…」
言いながら、体じゅうに取り付けられた機器を指すのに忙しい。悠理と同じく
可憐たちも又、さまざまな道具類を持たされているのだ。
「中には訳のわかんないのもいっぱいあるけど。それでね、あれよホラ、折角
 作ったのにひとりで楽しんでるだけじゃ勿体ないんじゃないかなって。こういう
 の、欲しいって思う人も世の中にはたくさんいるんじゃないかな〜ってさ…」
回りくどい説明であったけれども、ようやく言わんとする処をつかんだ清四郎
は、フッと勝ち誇ったようなふくみ笑いを洩らすとこう答えた。
268これ、いただくわ 68:2006/09/30(土) 21:40:08
「――なるほど、そういう話でしたか。でしたら要らぬ心配ですよ。もちろん
 趣味が第一であることに変わりありませんが、男の甲斐性として小遣いぐ
 らいは自分でしっかり稼いでますよ」
思わせぶりな回答がムズ痒く、可憐は「もお!」とうなって先を急いた。
「あんた何知ってんの? 言いなさいよ、ほら白状しなさいっ」
あばれ出した可憐の太腿に頚動脈を圧迫され、すんでのところで押しかえ
した清四郎。あやうく絞め落とされるところであった。
「プログラムですよ。魅録が組んだセキュリティプログラムを僕の知り合いの会
 社で取り扱うことになったんです。”WO Ver.1-10”。ご存知ありませんか?」
「ない」
「ま、そうでしょうねぇ。企業向けですから」
「ああ、企業向けね…ってそんなことより、知り合いの会社ってことはもしかし
 て清四郎がそう仕向けたの? マージンとか取ってたりして?」
「その辺は至極良心的に」
「やっぱり! そういうの、中間搾取っていうんじゃないのお?」
「まったく人を悪人のように…真っ当な手数料ですよ。それに魅録にしても、
 僕にタダ働きをさせるのは心苦しいでしょうからね」
「言い訳くさッ」
「それはともかく。評判は上々ですよ。次回の決算発表はかなりのものになる
 んじゃないですかね。株主になるのなら今のうちかもしれませんよ?」
「やめてよ。それってインサイダーじゃないのぉ」と、大仰に顔をしかめたその
とき、耳にはめ込んだ通信機がちいさな機械音を発した。つづいて聞こえてき
たのは当の魅録の声だった。
『よお潜入部隊。調子はどうだ?』
「あ…あら魅録。こっちは順調よ」
話題の当人の登場にバツのわるい思いをしたのだろう。可憐の声は少なから
ず上ずっていた。わりと素直なところがあるものだなと、清四郎は苦笑をこらえ
ながら応答した。
269これ、いただくわ 69:2006/09/30(土) 21:41:14
「ええ、今のところ仲間割れもなくうまくやっていますよ。で、そちらは?」
『こっちはアンテナの設置をすませたところだ。一旦システムのスイッチ切って、
 再起動してくれるか』
まずは手近な水平ダクトに移動してそこに腰を落ちつけたふたりは、魅録の指
示にしたがって前腕のモニタを操作した。
すると、フロアマップの中央にブリップがふたつ、滲むようにあらわれた。
『それがお前らの現在地。ボディスーツの粒子に反応するGPSみたいなもんだ。
 マップは平面図に側面図、ついでに立体表示も可能。表示域はセンチ単位で
 変更できるから適当に調節してくれ』
魅録の遠隔操作にあわせ、画像がつぎつぎにかわっていく。必要とあらば、マッ
プ横のスペースに文字情報も表示できるようになっているらしい。
ヘェと感嘆の吐息を洩らした可憐。使いこなせる自信などないがそんな事よりも。
―――ここはひとつ、大株主に。
そんな生臭い考えがムクムクと頭をもたげ始めたその時、再度表示がかわって、
こんどはビルの側面図が映し出された。
それを目にした可憐は思わず「あっ…」と声をあげた。
「これ悠理じゃない!?」
彼女がそこに見出したのは三つ目のブリップ。ふたりのポイントが並ぶすこし上
から、もうひとつの輝点がかなりの高速で上昇してゆくのだ。とても人間業とは
思えぬ移動速度である。
「すごいッ、清四郎より速いじゃないの!」
「いくら野生児の悠理でもこれはムリですよ。確かここにはエレベーターが…」
「えっエレベーター?」
悠理らしき輝点は40階で停止した。魅録はすぐさま平面図に切り替える。
「もしかして捕まったのかしら。これってどこかへ連行されてるところ?」
可憐の推測に清四郎も眉を曇らせた。
270これ、いただくわ 70:2006/09/30(土) 21:42:47

――が、それにしては動きが妙だ。
進んだり止まったり、時にはあと戻りさえしながら移動するその様子は、およ
そ連行途中のものとは云い難い。どう見ても隠密活動中のそれである。
「侵入者の分際でエレベーター移動、ですか」
『…大胆すぎるぞ、悠理』
だれの口からともなく、脱力のため息が漏れいでた。
と、その矢先のことだった。
またしてもモニタに変化が起こったのだ。だが、こんどの変化は魅録の操作に
よるものではない。
『これは…』
可憐の耳に届いた魅録の声は低くくぐもっていた。傍らの清四郎も又、厳しい
顔つきでモニタを凝視している。つられて己の前腕に目を転じた彼女が見たも
のは、なにやら胸をざわつかせる赤い文字。
チカチカと不穏な点滅をくり返すその文字は――― ”MAYDAY”
美童と野梨子からの救難信号だった。
271これ、いただくわ 71:2006/09/30(土) 21:43:41

電話の呼び出し音を聞きながら、豊作はわれ知らず胸のポケットに手を押し当て
ていた。そこに忍ばせているのは一枚の写真だ。
この写真を妹のアルバムの中に見つけたあの瞬間、それは豊作にとって生まれ
て初めての能動的な恋のはじまりであった。
「悠理、これはだれ?」
「ん…ああチチだよ。マイタイのお姫さま。可愛いだろ」
「チチ…」
あの時の胸の高鳴りは今なお心の奥に息衝いている。今となっては虫の息だが。
滑らかな褐色の肌。うるんだ瞳、うるわしく長い髪。その髪には名も知らぬ熱帯の
花がかざられ、赤いくちびるは微笑みのかたちに輝いていた。
(ああ、なんて…)
美しいという言葉をこれほどまで陳腐に感じたことはない。彼女をありのままに
表現できる言葉など、この世には存在しないのだと豊作はおもった。
そんなあまりに直線的な恋ゆえに。
(魅録くん…か)
彼女のとなりで照れくさそうに写真におさまる男を、すっかり視界から排除してい
たことに今更ながら気がついた。
だから本当のことを言えば、はじめから負け戦であることは重々承知していたの
だ。負け戦どころか、参戦さえおぼつかぬ我が身であることを豊作は痛いほど知っ
ていた。
それでもダイキリのお供で彼女が来日すると小耳にはさんだ日、豊作は何ひとつ
手につかず、フワフワと宙を舞うような心地ですごしたものだ。
(彼女に会える。チチに会えるんだあ…)
生身の彼女は――それはそれは神々しかった。
「ユーリのお兄様ですネ? はじめまして。チチと申します」
272これ、いただくわ 72:2006/09/30(土) 21:44:43
握手のためにさし出された細い手首から南風が立ちのぼり、やさしく頬をくす
ぐって一気に豊作を舞い上がらせた。
どんなに高価な香水も、どんなに高貴な花々も彼女の芳しさには及ぶまい。
そんなことを思いながら、感激と緊張のきわみで恭しくその手をとった豊作。
「はッはじめましてッ。ほっ、ほう、豊作と申しますっ」
「ホッホゥホーサクさん? ステキなお名前ですネ」
手を重ねたまま、ふんわりと微笑んだチチ。―――嗚呼!
今この瞬間。この微笑みは自分ひとりのために輝いているのだ。この際おのれ
の名なぞどうでもよい。
彼女のためなら何でも出来る。不可能さえ可能にしてみせる。豊作は本気で
そうおもった。それがこのザマだ。
自分が腑甲斐なかったばっかりに、みすみす彼女を暴漢の手に落としてしまっ
たなど、いくら悔やんでも悔やみきれるものでない。持って行き場のない激情
がノド元までせり上がり、目頭がジンと熱くなってきた。
そんな豊作の背にちいさな手がちょこんと添えられた。五代だ。その手の温も
りがますます視界を滲ませる。が、微風のように耳にとどいた老執事のささや
きが、優しくもきびしい喝となって豊作の胸をふるわせた。
「お泣きになるのは後になさいませ」
そうだ、泣いている場合ではない。
彼女が無事に戻ってくれること以外、いまの自分が思い煩うことなど何ひとつ
ないはずではないか。
そう思い極めてチチの写真ごとギュッとポケットをにぎり締めた刹那、呼び出し
音が途絶えて回線がつながった。
273これ、いただくわ 73:2006/09/30(土) 21:45:36

まるで救難信号に唱和するかのように、助手席に転がっていた携帯電話が
やかましく騒ぎだした。反射的に手にとってしまったけれども、よく見れば自分
の物ではない。長いストラップの先に不格好な猫がぶら下がっているところを
みると、どうやら悠理の携帯らしい。
しかし取ってしまったものは仕方がない。「ちょっと待っててくれ」と清四郎に言
いおいて、いったん通信機をはずした魅録は事務的な口調で応答した。
「はい、こちら剣菱悠理のけいた…」
『悠理ッ たたた大変な事になったんだよッ!』
こちらの言葉などいっさい耳に入っていない様子で、大変だ大変だと喚き立て
るその声に魅録は聞きおぼえがあった。
「もしかして豊作さんですか? ぼく松竹梅ですけど…」
『あっ、みろく…く…ん…』
名乗ったとたん、急速にしぼんでしまった豊作の声音。ひょっとすると内々の用
向きであったのかもしれない。そう解釈した魅録は即座に切り上げるべく、結び
の言葉をくちにした。
「いまちょっと取り込んでるんで、あとでかけなお…」
『ぃ、今じゃなきゃあダメなんだッ!』
とつぜんの剣幕に気おされてウッと言葉をのんだ魅録の耳に、信じがたい事態
が早口で告げられた。
『チ、チ、チチが…チチが誘拐されちゃったんだよッ!』
そこから豊作は堰を切ったように捲くし立てた。
『き、君たちは今、兼六のデータセンターに居るんだろう? チチはそこに連れ込
 まれたらしいんだ。でも事情があって警察には頼れないんだよ。ワケは後で話
 すから、とにかく一刻も早くチチを助け出して欲しい。そう、一刻も早くッ!
 …ああっ自分が情けないよ。君たちに頼ることしかできないなんて。
 僕はなんて…なんて無力な…』
274これ、いただくわ 74:2006/09/30(土) 21:48:02

そこで豊作はふっつりと黙り込んだ。代わりに伝わってきたのはきつく唇を
噛む気配。苦悩のどん底をおもわせる沈黙が数秒つづき、ようやく絞りださ
れたのは身も世もない悲痛な叫びであった。


『 ああ、おねがいだ魅録くん。チチを助けてくれッ。君たちの…
 ―――いや、君の手でッ! 』


通話を終え、ふたたび通信機をはめ込んだ魅録の顔貌は厳しく引き締まって
いる。
「聞こえるか、清四郎」
『ええ』
今し方のメーデーで、清四郎の声音にも緊迫がみえる。可憐は声を出さないが、
おそらく清四郎のとなりで身を固くしていることだろう。
『…で、どうします?』
短い問い掛けに、魅録もまた簡潔に答えた。
「そっちは予定通り悠理をたのむ。野梨子たちのところへは俺が行くから心配
 するな。それから今、豊作さんから連絡があった…」
『豊作さんから? なんと?』
「――剣菱のおじさんが、誘拐されたらしい」


        つづきます(大量ウpスマソ)
275名無し草:2006/09/30(土) 22:36:28
>265-274
連載大量うp乙です
これいただくわは大好きな連載なのでうれしい!
今回も良かったです
連載の作家さん達皆戻ってきて〜
(自分的には特に華と散るの作家さんカムバック)
276名無し草:2006/10/01(日) 17:35:07


キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η *・゜(n‘∀)゚・*( n‘) :*・゜ (  ) *・゜(‘n ) ゚・* (∀‘n) ゚・*η(‘∀‘n) ゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!

>>265-274
大量ウp大歓迎ですよー!
原作に引けを取らないスケールの大きさと、小道具のアイデアは毎回読んでて楽しいです。
野梨子美童組はどうなったのか気になる!
そして可憐になりたい!!!
277名無し草:2006/10/02(月) 14:54:36
>265-274
待ってました。
そうだよねぇ、チチって言われたら普通に父だと思うよねぇ。
豊作さんの動転ぶりが情けなくもあり、可愛くもあり・・
278名無し草:2006/10/02(月) 17:20:02
なんで万作が誘拐されたことになったのか謎だったけど。
チチと父の取り違えだったのね。

277を読むまで気づかなかった。ハズカシス...
279名無し草:2006/10/03(火) 08:53:13
277、278
漏れも、277読むまで何でチチが剣菱のおじさんになるのかわからなかった。
まだチチの事が好きだから、清四郎たちにからかわれるのが嫌で
隠してるのかと、深読みして考えちゃったよ。
280名無し草:2006/10/03(火) 14:50:30
「そういえばそろそろアレの季節ですわね」
「野梨子ちゃーん、わかってるじゃん。アレ、うまいんだよねー。焼いてよし、煮てもよし。」
「あんた、ぜんぜんわかってないわね。まぁ、恋愛オンチのあんたにはアレの事はわかんないわね。」
「そういう事ならぼくにまかせてよ。アレはぼくみたいな世界の貴公子にこそふさわしいからね。」
「えー、俺てっきりアレの事かと思ってたぜ。アレの走りは今の季節にこそ本領を発揮するし」
「(まったく。みんな分かってないですね)じゃあ、今回は得意な美童にまかせましょうか。ただし、アレとは保守の事ですが。」
「ええっ!今日はシルフィアちゃんとデートなのにぃ!!!」
(あら、清四郎も分かってなかったんですのね。でもいいですわ。保守も大切ですものね)
281名無し草:2006/10/03(火) 18:54:50
清四郎以外の5人は何のアレについて言ってんだろw
保守がてら今後も保守シリーズよろ。
282名無し草:2006/10/08(日) 14:05:58
ほーーーーっ
283名無し草:2006/10/09(月) 20:58:39
しゅ
284名無し草:2006/10/10(火) 01:58:23
清四郎は悠理にはSだけど可憐には割とMだな。なんて、本編読んでてふと思った。
285名無し草:2006/10/10(火) 01:59:33
下げ忘れた。スマソ
286名無し草:2006/10/10(火) 07:33:04
>>284
本編のどのあたり?
287名無し草:2006/10/11(水) 14:03:31
>>265-274
父とチチの取り違えもだけど細かいトコまで拘った設定GJです。
うまい引きと今後の展開が楽しみです

>>286
スパの回で化粧されてるところじゃね?
「清四郎で遊べる日が来るなんて楽しくって」と楽しげな可憐
「もう好きにしてください…」黙って言いなりになってる清四郎
288名無し草:2006/10/11(水) 18:40:35
>>287
ありがとう、思い出して萌えたので本編引っ張り出してくるノシ
289名無し草:2006/10/11(水) 23:34:07
野梨子にもMだと思う。
可憐の鞄はよけるけど野梨子にはあっさり平手打ちされる清四郎萌えw
290名無し草:2006/10/12(木) 03:20:08
基本的に女にはMなんだと思う>清四郎
そのなかでなぜか悠理にはSってのが萌えるのよ。
ほんと、上のほうであったけど「なんでこんなヤツに・・」とお互い思ってそうな
ところに萌える。
291名無し草:2006/10/14(土) 17:36:46
久し振りに有閑の文庫3巻を読んだ。北方謙三の解説が与太話みたいでばかばかしくも
面白かったなー。
292名無し草:2006/10/15(日) 00:39:45
単行本を読み返していて、野梨子の初恋の話で、清四郎が本屋の帰りに
「変に関わって因縁でもつけられたら困ります。」
清×野な自分はちょっと顔がにんまりしてしまった。
やっぱりいいなこの二人♪
293名無し草:2006/10/15(日) 21:14:35
自分はクイズと愛の花束かな。今読み返してる。
やっぱり面白いね!
294名無し草:2006/10/17(火) 19:13:05
>290
わかるわかる。
お姉さんにもお母さんにも百合子さんにも千秋さんにも
野梨ママにも頭上がらないもんね。
百合子さんには逆らいたくない、とか言うし、
家元には茶会に出ろと言われて、あっさり従ってるし。
でも、悠理に対してだけは絶対優位を保ちたがってるように見える。
で、あんなにパーフェクト高校生のくせに、女には弱くて(立場が)
なぜか男子にモテるとこがたまらん(笑)
295名無し草:2006/10/18(水) 00:28:39
自分の勝手な妄想だけど、H時は

清次郎 ハードS
魅録 ソフトS
美童 オールマイティーw
悠理 未知数(相手によりけり)
可憐 ああ見えてソフトM
野梨子 ああ見えてS

なイメージ。
296名無し草:2006/10/18(水) 01:28:32
私の場合は逆で野梨子はああ見えてMよりだと思う。
普段時々きつい事言うし、甘えるのが苦手そうだけど、
本当に気を許した恋人とのエチーの時だけは
逆にいろいろ受け入れたりしそう。
私が思うにHの時までSだったら怖い人になってしまいそうかな。
野梨子に対してはツンデレキャラが根底にあるんで
そう思えるのかもしれない。
後はだいたい同じかな〜。
でも、可憐なんかがむしろ相手によってはオールマイティに
いけそうだと思った。でも可憐も器用そうで不器用そうなところが
あるから分からないな。
後、美童が実はスーパーS設定でもおもしろいな〜と思うんだけど。
個人的にギャップがある方が好み。
297名無し草:2006/10/18(水) 02:20:46
>>295
>>296
どっちも同意〜。
清四郎はSケテーイな気がするけど、美童は相手によって使い分けてそう。
スーパーSでももちろん萌えだけど、Mも似合うしw
野梨子もどっちでもいけそう。
悠理は・・・やっぱりMかな。っていうかすっごいオクテだろうから、
「こんなこともするの!?」とか思いながら恥ずかしさにクラクラしてそう。
慣れてきたら多少積極的になるも、返り討ちにあって撃沈とか。う〜ん萌える・・。
298名無し草:2006/10/18(水) 20:03:06
>>294
清四郎が武道を始めたのも、男は知性だけでは駄目だと悟ってからで、
基本的に男性より女性は弱いので
女性に対しては優しく、甘くするものだという考えが根底にあるとオモ。
でも悠理に関しては並の男性以上に強いから、
守る必要がない(と思ってる)から楽なのかも。
299名無し草:2006/10/23(月) 21:41:15
清×野で紅葉ネタが読みたいな。
300名無し草:2006/10/26(木) 01:46:47
>紅葉ネタ
情緒漂うネタは清×野に合いそう。
季節物いいな。
301名無し草:2006/10/26(木) 17:30:03
春に桜のSSあったよね。大好きだった。
302名無し草:2006/10/26(木) 23:24:10
これ、いただくわ
続きが気になってしょうがない・・・
お待ちしております!
303名無し草:2006/10/28(土) 02:32:13
>>263
>原作の、キャラの立ち方が尋常じゃなくすごいからだよね。
>1人の人間と思えば、誰とどんな恋愛をしたって説得力がある。

すごい亀でゴメン。
ほんとにそのとおりだと思って感心した。
キャラがたつってそういうことなんだな。
304名無し草:2006/10/28(土) 19:49:50
紅葉ネタなら断然清×野が似合うね。
「枯葉」の季節ネタなら美×野とか美×可なんかも似合いそう。

個人的に好きな季節とキャラの組み合わせは、
清四郎→真冬 雪の降る寒さの中でも凛とした佇まいが似合う
魅禄→初冬 冬の海と不良の組み合わせは定番(本編じゃ裕也だけど)
美童→クリスマス ロマンチックな季節は美童でしょう 
悠理→夏 真夏の太陽よりも明るく強い悠理には夏がぴったり
野理子→梅雨 うっとうしい梅雨も情緒漂うものになりそう。紫陽花は色々な顔を持つ野梨子に似てる
可憐→春 夜桜と可憐の組み合わせが好き
305名無し草:2006/10/28(土) 21:49:19
「枯葉」美×可に納得。
美×可の二人の組み合わせの時は恋愛をやり倒した二人が
少し恋愛に草臥れて似た者同士がいつの間にか寄り添ってる
ってかんじの大人びた関係が枯葉に合いそう。
季節×キャラの組み合わせもおもしろい。
清四郎×真冬 悠理×夏 可憐×春は同意するし、
野梨子の梅雨は最初?だったけど、説明を読んで納得。
魅録は初夏かな?と思ったけど、不良と冬の海は良いね。
美童は雪が金髪に映えてホワイトクリスマスがにあいそう。
306名無し草:2006/10/29(日) 03:12:28
野梨子は意外とミニスカサンタ姿似合いそうw
あと、マフが似合いそうだと思うんだよなあ。
307名無し草:2006/10/30(月) 12:31:37
美童は自分もすごいクリスマスだと思うんだけど、
雨ボクから、雨の季節もいいなと思うようになった。
濡れた金髪がね。
308名無し草:2006/11/01(水) 19:05:00
野梨子と清四郎は「正月」のイメージがあるな。
309名無し草:2006/11/02(木) 20:55:53
野梨子と清四郎は「和」のイメージ強いもんね。
でもそんな二人のホワイトクリスマスもいいかも。
310名無し草:2006/11/02(木) 23:16:24
ホワイトクリスマスなら、やっぱり美童がいいなぁ。
長いこと美童の良さがわからなかったけど、三十路を過ぎてようやく魅力に気付いた。
このスレのおかげです。ほんと。
付き合うなら、多分一番楽しいだろうなぁ。
特にイベントがあるときは格別。
掛け持ちのひとりだとわかってても。
311名無し草:2006/11/03(金) 00:11:19
>>310
うんわたしもホワイトクリスマスは美童が似合うと思う。
雪が降っている町で可憐と手をつないで歩いている。
う〜ん想像しただけでも素敵。
野梨子と清四郎はクリスマスじゃなくて、冬に京都あたりに
二人で旅行に行ってきて欲しいな。
312名無し草:2006/11/03(金) 01:17:48
美×可だとオサレなクリスマスになりそう。
美童は穴場デートスポットをいっぱい知ってそうだから
絶対楽しいだろうな。現実にいてもw
清×野は309も311もどっちもいいと思った。
この二人は冬が似合うと思う。
京都での野梨子は着物で歩いて欲しい。
313名無し草:2006/11/03(金) 22:19:55
>>311,312
うんうん冬に京都で清×野はお似合いだよ。
野梨子は着物きていて、その横を清四郎が着物でもいいんだけど、
着物を着ている女性と歩いていても、不自然じゃない格好をしていて、
雪が降ってきて、

「あ、雪ですわ。京都の町並みで雪が降っているのが見れるなんて
素敵ですわね」
「ええ。そうですね。ほら、野梨子」
そういって野梨子の手を強引に取って手をつなぐ。
「あ、清四郎。恥ずかしいですわ。」
「いいじゃないですか。この方が暖かいでしょ?」
「そりゃ、まあそうですけど。」
「また来年も一緒に来ましょうね。いや、来年だけでなく
これからずーっと一緒にいましょうね」
「清四郎・・・・。」
そういって野梨子はこくんと頷く。

みたいな展開になって欲しい。
314意気地なし(1):2006/11/04(土) 12:54:58
短いキスの後、野梨子がポツリと呟いた。
「結局魅録は私の事、本当に好きではないのですよね。」
唐突に言われたその言葉を理解する為に、魅録は一瞬考え込む。
何をいってるんだと、と言おうとしてるのに言葉が出ない。
口を先に開いたのは、野梨子。
「送ってくださらなくて、結構ですわ。さようなら、魅録」
彼女の目は、もう何も語っていない。
彼女の瞳に映ってるのは、俺なのに。
なのに、今の彼女の目に映ってる俺は、きっと彼女にとっていまや景色の一部。
付き合い始めたばかりの頃のに魅録を見つめる彼女の瞳ではない事は、当に気がついてた。
踵を返して離れていく野梨子に、何が出来るというのだろう?
追いかけて、抱きしめる?
それとも、ここでこのまま呆然と立ち尽くす?
肩先で綺麗にそろえた黒髪。抱きしめると良い匂いのする体。
キスした唇、白く細い肩やうなじ、形の良い指、
自分だけに見せてくれた笑い顔、怒った顔、泣いた顔。
どんどん遠ざかる後姿。
なぜ、追いかけないのだろう?
なぜ、引き止めないのだろう?
なぜ、動けないんだろう、俺は。
野梨子が角を曲がって、完全に視界から消える。
引き止めて、抱きしめていたら、もしかしたら、という期待も消える。
315意気地なし(2):2006/11/04(土) 12:56:36

野梨子が向かった先は、菊正宗家。
別れ話をした後、そのまま自分の部屋に帰る気分ではなかったからだ。
そして、何より誰かに話がしたかった。
一番先に頭に浮かんだのも清四郎だった。女性である可憐でも、悠理でもなく一番気心のしれた幼馴染。
菊正宗家にきた野梨子のただならぬ雰囲気で、清四郎は彼らが終わった事を察した。
「魅録には、失望しましたわ、私」
清四郎の部屋でコーヒーを一口飲み、落ち着いた様子で話しだす。
「おやおや、意外ですね、野梨子の口からそんな台詞が出るなんて」
清四郎はいつもと変わらない調子でベッドに腰掛ける。
「私、もう殿方はこりごりですわ。」
「そんな台詞を吐くのは、まだ早いと思いますけどね。もう少し美童や可憐を見習ったらどうです?」
心底うんざり、とした顔で言う野梨子に清四郎は優しく肩をたたく。
「それに、そんな事を言ったら魅録が可哀そうですよ」
「清四郎はいつもそんなことをおっしゃるのね?清四郎が私の立場だったら、どうしますの?」
「野梨子の、立場ですか?」
フム、と考え込む清四郎。
316意気地なし(3):2006/11/04(土) 12:57:41

魅録の立場なら、分かるんですけどね。
もし僕が魅録の立場だったら、遅かれ早かれ別れてしまうと思いますけどね。
全く何時になったら気がつくんでしょうね、野梨子は。
こうやって、何かあった時にすぐに頼ってしまう男がいることが、
それが彼氏である自分ではないという事が 魅録を一番傷つけてきたという事を。
まぁ僕も口に出して教えてあげませんけどね。

「女性でないので何ともいえませんが・・・。まぁそんな事より新しいエバン・ウィリアムズの小説読みましたか?今度のトリックは僕は感心しませんでしたね、ちょっと古臭いというか・・・」
「あら、それでしたら、あのトリックはストーリー上わざと古臭くしたのだと思いますわ、あの時代で考えるのでしたら違和感のないトリックでしたもの」
さりげなく会話を変える清四郎に野梨子は気がつかないのか、
それとも二人のお約束ごとなのか二人の会話は楽しげに続く。

菊正宗家の前で、清四郎の部屋の方角を見つめていた魅録が
今、ユックリと車のエンジンをかけた。
317名無し草:2006/11/04(土) 13:00:51
駄作のお目汚し失礼しました!
何か皆さんの読んでいたらつい妄想がムラムラとw
文庫版の5巻と7巻が揃ってないのでいっちょ買ってくるか。
318名無し草:2006/11/04(土) 17:52:54
わ〜、ふとチェックしてみれば新作が!嬉しいです。

魅録・・・・(ノД`)。
できれば魅録にはリベンジしてほしいなぁ。野梨子が見直す(惚れ直す)きっかけが
欲しいもんです。
319名無し草:2006/11/04(土) 18:03:32
>>313
こくんと頷く野梨子に禿萌ですた。
京都がお似合いすぎ。
>>314-317
小説キテター乙!
野梨子は、仮に恋人ができたとしても確かにこんな感じかもね。
ここはかわいそうなんで魅録を応援したい。
スレに来ると妄想が止まらんよねw
320名無し草:2006/11/04(土) 19:17:26
カプ明記よろ
321名無し草:2006/11/05(日) 20:48:17
短編キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
野梨子はまずブラコンもどきを直さないと恋愛にならないんだろうけど、
その兄妹的なところにも萌えてしまいます。
322名無し草:2006/11/06(月) 12:55:48
「そんなお前を変えてやるよ」なんて言う強気な魅録がいいな。
323名無し草:2006/11/08(水) 19:26:26
フム
324名無し草:2006/11/10(金) 23:31:26
保守
325名無し草:2006/11/11(土) 00:00:38
ひさしぶりにのぞいてみたら、新作が!!
うれしいです。

ここのを色々読んで原作を読み返すと、メンバーのこまかい行動や台詞が
今までとはちがってとれたりして更に楽しめる!
そしてさらに妄想の世界へ・・・・
作家サン方々には感謝感謝です。
326名無し草:2006/11/11(土) 17:58:53
最近ないから久しぶりに野悠読みたいな〜。
前あったギャグっぽいもの(あれば結局、清悠だけど)


野梨子が慣れない手練手管で悠理を落としてほしい。
327名無し草:2006/11/14(火) 23:31:02
保守・・・・
328チョコレイト回路:2006/11/15(水) 11:20:22
こちらに一括うpするにはあまりに長くなってしまい、
また連載という形にもしたくなかったため
したらばの方にうpさせていただきました。

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/1322/1065614482/126-146
329名無し草:2006/11/15(水) 11:23:47
ナチュラルに人名とかを間違っいるのはファン失格だと笑って見逃してくれると嬉しいです。

辞書登録じたいを間違えました…
330名無し草:2006/11/15(水) 13:59:09
>326
ギャグじゃなくても野悠も悠野も好きだ。
331名無し草:2006/11/15(水) 14:22:40
野悠と悠野の違いが今ひとつわからん。
アレなシーンがあるならともかく。

>チョコ〜
美童萌え。
二人がらしくって良かった。
332名無し草:2006/11/15(水) 20:24:33
>>328
とても繊細で涙が出ました
GJです!

で、途中で気になった単語
筆おとし→筆おろし?
プルダウン→プルタブ?
ではないかと…
確認してないので前者で正しいのならゴメンナサイ
333名無し草:2006/11/16(木) 01:50:05
>チョコレート回路
GJ!
美童と悠理は本当にチョコレートのように甘くて可愛くていいな〜
美×可スキーだったけど、チョコ〜を読んだら美×悠にハマりました。

清四郎×野梨子だと抹茶って感じだな〜
青くて苦い恋…

可憐はワインとかカクテルかな?
飲み易いけど、深酔いしそう。
334名無し草:2006/11/16(木) 09:19:11
久しぶりに着たけれど、保守関係の作品がいいなあ。
さりげなく面白いから、さびれてても寂しくない。
335名無し草:2006/11/17(金) 00:19:36
>保守
私も思った。

美童は北欧系だから
誰が相手でもチョコが似合いそう。
336名無し草:2006/11/17(金) 01:37:54
美×可のSSが読みたひ。
337名無し草:2006/11/17(金) 02:15:08
魅悠も読みたい。
ツーリングには良い季節。
寒いからくっついてイチャイチャしてほしい。
不良仲間に
「早く気持ちを自覚して付き合えやゴルァ」
と思われてるといいよ。
338名無し草:2006/11/17(金) 03:29:17
>チョコレイト
バレンタイン関係のSSって、
必ずっていうほど美童が絡むもんね。

でも美童のファン層よりも、
悠理のファン層の方がバレンタインは盛り上がってそう。
実際の人気はともかくとして
貰えてる数は
悠>美>魅>清
本命チョコは
魅>清>美>悠
っぽい。
339名無し草:2006/11/17(金) 06:39:55
>>336
> 美×可のSS
冬に美可は似合いますね。
イベント目白押しですし。
340名無し草:2006/11/17(金) 08:44:16
清野スキーな私は清×野も読みたい。
付き合いたてのウブい二人のとか色々。
寒い冬に暖かいSSが読みたいよ。
341名無し草:2006/11/17(金) 15:10:47
>>340
>ウブい二人。
今までふつうに一緒にいたのに、
仲間の目を意識しすぎてギクシャクしてそう。
342名無し草:2006/11/17(金) 16:57:51
>>337
私も読みたいな。

だいぶ前の途中で放置されたままの、前後編?の「夜を越えて」かな?
私はこれの続きを密かにしぶとく待ってるんですがw、作家さんもういないのかな。
ちょっと青くてウブい、2人きりでの初めての旅行のやつ。
こういうリアルに高校正風味な青春っぽさが一番強いのはこのカプだなと。
あんな感じなのを久々に読みたい。
343名無し草:2006/11/17(金) 22:58:03
魅悠はほんと青春っぽくていいよね。
中学生なふたりあたりがいろいろ妄想できていい。
344名無し草:2006/11/17(金) 23:03:11
友達以上恋人未満な感じが好みだ>魅悠
345名無し草:2006/11/20(月) 01:08:19
友達以上恋人未満て、なんだか萌える。
魅悠もそうだし、清野もそう。
美可は、初期だったらそういう雰囲気もあったんだけどなぁ。。

今更だけど、連載前設定通りに、
典型的なお似合いな組み合わせが別カップルにシフトする、
という話になってたらどうだったのかなぁ、なんて妄想してしまうわ。
346名無し草:2006/11/20(月) 21:14:28
美可はペンパルwやってたんだよね。
どうやってペンパル仲間になったんだろう。
初期程ではないけど、後期でも
空港では美可の組み合わせだったね。
美可、すきなんだけどなぁ。
347名無し草:2006/11/20(月) 22:44:16
>346
うちも美可大好きだよ!!
真澄ちゃんの話の時可憐が

「ばか、何でそんな約束したの。
分かっているのどういう事か分かっているの?
一緒に死んでやるって事じゃない」

と言ったセリフ。ああ可憐は美童を本気で心配して、美童が好き
なんだなと思った。ここの場面大好き♪
348名無し草:2006/11/21(火) 14:42:10
最近じゃすっかり兄妹(姉弟?)みたいになっちゃったけど、
やっぱり初対面の時は美童は可憐を口説いたんだろうね。

逆に、初期の頃可憐を「あまりにも底があさい」なんて言ってた清四郎が
時期を経て可憐の事を「ロマンチストなんですよ」なんて言ってみせる清四郎に萌え。
349名無し草:2006/11/23(木) 12:21:38
パリスと悠理、どっちのが世間知らずなお嬢だろう
350名無し草:2006/11/23(木) 13:12:01
悠理はある意味世間ズレしてる部分もあるよ
351名無し草:2006/11/23(木) 13:40:41
美童×悠理が読みたい
352名無し草:2006/11/24(金) 10:14:48
最近、ぷち美悠ブーム?
353名無し草:2006/11/24(金) 11:43:06
わたしも本命ではないけど、前から美悠は大好きだったよ。
354名無し草:2006/11/24(金) 16:20:25
あまりにも好きカプが多すぎて、逆に本命が無いよノシ
どれも美味しくいただけてラッキー
355名無し草:2006/11/24(金) 16:50:03
美悠の原点はやっぱり愛と青春〜だな。
あの連載はすばらしすぎ。
356名無し草:2006/11/24(金) 19:32:53
>>355
だよね。私もそう。
あの連載と男子禁制ですきになった。
357名無し草:2006/11/27(月) 14:04:42
保守代わりに。

詭弁のガイドラインを見る度に、清四郎をどうしても思い出してしまう。
というか、清四郎が適当に悠理をあしらっている姿がw
1:事実に対して仮定を持ち出す
2:ごくまれな反例をとりあげる
3:自分に有利な将来像を予想する
4:主観で決め付ける
5:資料を示さず自論が支持されていると思わせる
6:一見関係ありそうで関係ない話を始める
7:陰謀であると力説する
8:知能障害を起こす
9:自分の見解を述べずに人格批判をする
10:ありえない解決策を図る
11:レッテル貼りをする
12:決着した話を経緯を無視して蒸し返す
13:勝利宣言をする 14:細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる
15:新しい概念が全て正しいのだとミスリードする
358名無し草:2006/11/28(火) 05:29:54
最近ここを知り、
ついさっき『雨がボクを狂わせるので』を読み終わった。
完全に”別のお話”として読んでいたものの、
なまじ美童というキャラを「よく知っている」だけに、怖くて怖くて…
背筋が凍りつつも読み進めることを止められなかった。
美童が清四郎を翻弄するあたりなんか
恐怖で涙出た。怖くて泣くのなんて何年ぶりだろう。
作者さんすごい。すごいわ。
359名無し草:2006/11/28(火) 11:46:37
>358
雨ボクはすごいよね。
ダーク苦手の自分も引き込まれて完読。
杏樹がよかったなー。

あまあま杏×野読みたいな。
360名無し草:2006/11/29(水) 20:59:09
最近、再燃してます。
昔から野梨子が大好き。

アドベンチャークイズで魅録が「なんだかんだ清四郎に頼ってて腹がたつ」
はメンバー全員のこととは思うけど、野梨子と清四郎に対する嫉妬ともとれて
ちょっと嬉しかった。
361名無し草:2006/11/29(水) 23:32:50
>360
まさに同感!
わたしも魅録のその台詞
みんなが?野梨子が?と気になってました。
362名無し草:2006/11/30(木) 23:11:22
>>360
うちも同感!魅×野が好きなうちは自分の心の中で野梨子と清四郎
に対する嫉妬としています(笑)

あと原作の中で第1巻の美童と可憐が神無祭に出場することのなり
部室でみんなに報告しているとき(P110)いつも読み返すたびに
魅録の上に野梨子が座っているように一瞬錯覚してしまうのは
うちだけだろうか?
363360:2006/12/01(金) 00:47:28
アドベンチャークイズの後、悠×清の結婚話、野梨子の(魅録似)初恋
と続くから、てっきり倶楽部内恋愛は清×悠、魅×野で決まりだと思ってた。

私は直接見てないけど、当時のりぼんに作者さんのコメントで
「魅録と野梨子は和装で(結婚式を)ビシッと決める」とあったらしく
「じゃあ、裕也との恋は魅録との恋への伏線だな」と・・。

しかし最近と虎の巻を購入して見ると、「本命清×野、大穴魅×悠」
「美×野も面白いかも(作者)」とあって・そうなの?・・魅×野は
鉄板じゃなかったのか〜。

>362
1巻のそれは気づかなかった。

「雛人形は眠れない」の魅録が足を折るシーン、何気に二人っきりで歩いてるのが好き。
(清四郎も先刻まで一緒にいたのに)
で、魅録が「生涯の恥」なのは転んだのもそうだけど、野梨子の目の前というのが
痛かったんだと想像します。
364名無し草:2006/12/01(金) 01:23:50
再燃するのはいいけどsageてよ。
365名無し草:2006/12/01(金) 06:08:54
まあドンマイ

原作は毎回作品によって
匂わされる(勝手に妄想してるだけ?)カプが変わる。
でもやっぱり清野、魅→野、魅悠は定番って感じ。

あとのふたりは部外恋愛が多いから、
ふつうに読んでたらあまりそれらしいシチュがない。
(そのため原作で補充しにくい美・可がらみの妄想ネタに飢えて、
行間を読む目が鍛えられるんだけど)
366名無し草:2006/12/01(金) 08:19:36
>>365
定番は普通に読むとやっぱり清野、魅悠が多いね。

魅→野は気がつかなかったわ。
魅録に似た裕也が出て来た時はあれ?と思ったけど。
美童にはキスされそうになるわ、野梨子影でモテてるのか?
美童のは只のプレイボーイの血が騒いだだけだろうが。
367名無し草:2006/12/01(金) 08:58:22
野梨子はネタにしやいんじゃないかな。
大和撫子属性と幼なじみ属性と妹属性全部あるから。
かと思えば気っ風のいいところもあるし。
いろんな恋に対応できる。
368名無し草:2006/12/03(日) 02:06:38
野梨子を筆頭に、有閑キャラは皆本当に柔軟だよね。
清四郎も悠理も可憐も魅録も美童も、どんな設定を加えようがほとんど無理がない。
今更ながら感心してしまうよ。


無謀だとは思うけれど、現代設定での実写版が見てみたい。
キャストが思い付かないけど、この人なら…っていうの、ある?
散々し尽されたと思われる話題ですまん。
369名無し草:2006/12/03(日) 02:55:41
読者のイメージがあるから、結構人によって変わるよね<キャスト
年に1回くらいはこの話題出るけど、
毎年挙げられるキャスト違うし(時代の流れを感じるなあ)

ガイシュツですが86年版は

剣菱悠理:国生さゆり
菊正宗清四郎:柄沢次郎 
白鹿野梨子:奥田圭子
黄桜可憐:小野リエ
美童グランマニエ:ショーン・E・レーガン
松竹梅魅録:豊原功輔
鬼ころし源三:阿藤海
日本盛校長:前田武彦
司牡丹ラン・プロ社長:小島三児
白雪富士子:小田かおる
紅乙女蘭子:太田貴子
井々千古透:坂井徹
松竹梅時宗:藤木悠
澤之鶴記者:ビートきよし
樹永ラン・プロ社員:藤井洋八
エール理事長:松あきら
剣菱百合子:長内美那子
剣菱万作:荒井注

でした。
370名無し草:2006/12/04(月) 11:34:10
10代の役者さんに詳しくないからなぁ。。
百合子さんのイメージは岩下志麻さんなんだけど、
高校生のお母さん役するには、そろそろ厳しいお年だよね。。
371名無し草:2006/12/04(月) 12:36:57
岩下志麻はたしかに!
百合子さんって一応脇役なのに、ふつうに主役はれる存在感だもんね。

…リリー銀行はないけどね。
372名無し草:2006/12/04(月) 14:33:31
岩下志麻以外にいないなぁ>百合子ママ

豊作さんが福山雅治だったらうれしい
373名無し草:2006/12/04(月) 16:49:46
男前すぎる……と思ったけど、
豊作さんって、地味なだけでそれなりに顔は整ってそう。
374名無し草:2006/12/04(月) 18:43:35
>>373
眼鏡を外すと清四郎だし。
375名無し草:2006/12/04(月) 21:09:53
福山いいね。
ビジュアルだけだけど、
土屋アンナに野梨子メイクしたら本物になりそう。
可憐に沢尻エリカは微妙かな。
376名無し草:2006/12/04(月) 22:13:19
可憐は山田youがまんまに思えてしょうがない。
377名無し草:2006/12/05(火) 01:26:55
>>376
今のドラマの役(だめんずうぉ〜か〜・高見ナツ役)もそれっぽいキャラだね。
玉木宏も入れて欲しいがちょっと歳が行き過ぎ?
魅録とかにどうかな。
378名無し草:2006/12/06(水) 01:22:15
玉木はタレ目気味なので自分的にはあんまりイメージじゃないかも。
それなら今ドラマで共演してる英太のがいいな。
今金髪ツンツン頭だしピンク頭もいけそうw
379名無し草:2006/12/06(水) 01:29:44
悠理・・・のだめ
清四郎・・・千秋
魅録・・・峰
可憐・・・ターニャ
美童・・・ミルヒー?
野梨子・・・?
380名無し草:2006/12/06(水) 14:20:58
美童=ミルヒーにワロタ
私の中だと
可憐・・・清良
野梨子・・・桜
かな
381名無し草:2006/12/06(水) 23:10:31
d切り失礼。
年に1回くらい、思い出したかのように読み返すけど、ケコーン話で
悠理に嫉妬してる野梨子がなんかもう抱きしめたくなるくらい可愛い。

しかし、>363みて驚いたけど、原作者って本命清野だったのか。
絡み多いしてっきり清悠&魅野狙いだろうと思ってた。
清野好きとしてはテラウレシスだけど。

他カプは魅悠も好きだけど意外と魅可とかもいいなぁ。
玉の輿諦めて俺にしとけよ、みたいな。
でも、やっぱり美童と可憐は外に作りそうかな。
382名無し草:2006/12/06(水) 23:15:42
虎の巻での本命うんぬんは、原作者の意図というより
編集の解釈なんでないのかと思ったり。

そして魅×可読みたいなー、と呟いてみる。
好きカプなんだが意外と作品少ないし、
自分でも好きなわりに妄想が湧きづらい…
383名無し草:2006/12/06(水) 23:33:45
>>381
おお
私と好きなカプそれぞれ一緒だー。うれしいよ。
384名無し草:2006/12/06(水) 23:56:24
381>382
そっか、d。作者発言かと思いっきりぬか喜びしてしまったw
今度買って読んでみるよ。

魅可はたしかに絡みの多い他カプに較べると妄想湧きにくいかも。
きっかけさえあればトントン進んで、くっ付けば意外と凹凸ハマる
カプになりそうで好きなんだけど。

>383
お仲間嬉スィ〜どのカプもいいよねヽ(´∀`*)
清野は、どちらも気持ちに気付いて無さそうな所がいいし
魅悠は、ツーカーなお友達発展系な所に萌えるよ。
385名無し草:2006/12/07(木) 00:36:07
可憐好きだから可憐がらみのカプ増えてほしい。
部外連載だと大人な可憐だけど、
部内だと年相応の可愛らしさがでるんだろうなと妄想。
386名無し草:2006/12/07(木) 01:24:08
魅可すごい好きだわー。
読みたひ・・
387名無し草:2006/12/07(木) 08:49:51
>381
分かるわぁ
野梨子の嫉妬したり、強がってるさまは凄い可愛い
自分が男だったらコロッと行くかも
388名無し草:2006/12/07(木) 21:28:29
>>385
可憐かわいいよね
努力して磨きを掛ける美しさってのは素晴らしいね
一番のごちそうは清可だけど可憐絡みならどのカプでもおいしく頂いちゃうよw
389名無し草:2006/12/07(木) 21:40:32
清可→頭脳vs経験でかけひき、大人の恋愛
魅可→年相応に素直になれる楽しい恋愛
美可→恋のかけひきに疲れたものどうし、癒しあう恋愛

どれも好きだなw

こないだふと、6人が何ももたずに無人島に漂着したら
どうなるんだろうなーなんて妄想してしまった。
清四郎が生活の基盤を作って(真水の確保の仕方とか)、
魅録が材料調達、悠理が食料調達、可憐は「日焼け止めが
ない」とかぶつぶついいながら、こまめに衣類を繕ったりしそう。
390名無し草:2006/12/07(木) 22:15:44
清×可はカゲでイケナイ事してそうな雰囲気が。
以外と2人で行動してる場面あるから妄想できてうれしい。

>>389
無人島で野梨子は野草摘みかな?
美童はどうだろう?
391名無し草:2006/12/07(木) 23:39:55
>>390
美童がジャングルに迷い込んで大型動物に追い掛けられる
→悠理・魅録・清四郎が倒す
→動物性たんぱく質ゲット かな?

可憐は捌けないだろうから、サバイバルに強そうな魅録(もしくはスプラッタに慣れてる清四郎)が手早くパパっと…
→ウマーな展開にw

無人島設定おいしいなぁ。職人さん是非!
392名無し草:2006/12/08(金) 00:03:21
無人島リレー前になかったっけ?
あれはあんまり面白くなかったけど
6人が力をあわせて乗り切る話なら読みたいな。

可憐は大人っぽいというより、オバハンくさいとこがあるんで
清四郎や美童相手じゃいよいよ老け込みそうでイマイチ萌えない。
魅録となら年相応のじゃれあいができそうでいいかも。
可憐って1番現実にいそうな可愛いキャラなんだけどね。
それだけに、わざわざ妄想する気が起きないんじゃないかな。
可憐のSSが少ないのはそういう理由な気がする。
393名無し草:2006/12/08(金) 05:50:19
妄想できないカプ申告は不要。
妄想できるネタだけ書きこもう。
ローカルルール参照
…………………………
↓↓何事も無かったように↓↓
394名無し草:2006/12/08(金) 11:10:48
>>393
神経質って言われない?これくらいならいいんじゃないの?
395名無し草:2006/12/08(金) 13:57:45
老け込みそう、は酷いよ〜
396名無し草:2006/12/08(金) 14:37:17
>>391
美童が生餌カワイソスw

あの6人だと無人島へ行っても困りそうにないなー。
397名無し草:2006/12/08(金) 15:06:23
美童はかなり足手まといなり、弱音を言ってみんなを怒らせつつも、
最終的には肝が据わって、ヘタレながらもフェミニストぶりを発揮しそう。

たとえば美童を守ってきた悠理が足を挫いて、
そんなときに獣に襲われて美童が震えながら、
「ぼ、僕がなんとかするからっ逃げろっ」
とか、無理しまくりながらも立ち向かうとか。

妄想が尽きない。
398名無し草:2006/12/08(金) 19:46:17
>>397
いい♪すごくいい。美悠が好きな自分にとっては凄く嬉しい。そして最後は
手を合わせてたおして、美童が
「そんな足じゃ歩けないんじゃない?」
とか言ってお姫様だっこしてみんなのいるところへ戻って欲しい〜

野梨子は390のように野草摘みでとっているときに蛇かなんかにかまれて
側を通りかかった魅録があわてて毒を吸い出すなんてシチュエーション
やって欲しいかも♪
399名無し草:2006/12/08(金) 19:51:48
>野梨子は390のように野草摘みでとっているときに蛇かなんかにかまれて
>側を通りかかった魅録があわてて毒を吸い出すなんてシチュエーション

激しく萌えたんだがどうしてくれる。
400名無し草:2006/12/08(金) 20:09:11
>毒
自分も萌えたんだがどうしてくれる。
401名無し草:2006/12/08(金) 20:21:57
魅録が毒を吸い出した、と聞いた清四郎が
キラリンと目を光らせてジェラシー。

まで想像した。
402名無し草:2006/12/08(金) 20:55:36
「魅録が口付けたのはここですか?…それとも、…ここ?」
「あ・・・!せいしろ・・・そんな所・・・!」

まで想像した。
403名無し草:2006/12/08(金) 21:07:07
ちょwワロタ
404名無し草:2006/12/08(金) 21:17:51
ちょww
オサレなバーで待ち合わせしてたのに、
人前で噴いてしまったではないか。
405名無し草:2006/12/08(金) 22:35:16
そこへ乱入する可憐。
いいもん見ちゃったわぁ〜と全員に触れ回って大騒動

まで想像した。
406名無し草:2006/12/08(金) 22:36:19
>>404
そんな所に行ってまでここを読むかw
407名無し草:2006/12/08(金) 22:38:02
想像してる人、何度も何度もいい加減つまらないよ
408名無し草:2006/12/08(金) 22:42:25
>>407
正直スマンカッタ

で、もちろん>>407はもっと面白い話題を振ってくれるんだなw
409名無し草:2006/12/08(金) 22:49:33
>>401
>>402
GJ
萌えまくった。

しかしスレが早いと思ったらこの流れ
ワロス
41012月、点灯:2006/12/09(土) 04:12:56
短編(中編?)うpします。
美→野ですが、あっさり風味です。
今回7レスで、全部で20レスくらいになるかと思います。
週明けくらいに続きうp予定です。
41112月、点灯 1:2006/12/09(土) 04:13:29
 期末試験最終日。
 ホームルームも終わり、野梨子は生徒会室へと急いだ。試験が終わる度に、
打ち上げと称して悠理宅で馬鹿騒ぎが行われる。その前に、清四郎と答え合わせを
済ませておくのが彼女の習慣だった。
 古典では大抵彼女の方がリードしているが、政経では一歩譲ることが多い。
しかし今回は、政経の出来にも自信があった。
 うきうきと生徒会室への廊下を曲がると、意外な人物が立っていた。
「野梨子。待ってたよ」
 笑みの形の唇から、白い歯が美しく覗いている。その一部は差し歯だと
知っている野梨子から見ても、わざとらしいくらいに完璧な笑顔。
女生徒達が騒ぐ美童スマイルがそこにあった。
 彼がこの場に居ることを一瞬不思議に思ったが、彼女はすぐに結論付けた。
「あら美童、今回は自信がありますのね。
 初めてですわね。美童が答え合わせに参加するのは」
 微笑む野梨子に、美童は笑みを崩さずに否定の言葉を紡いだ。
「違うんだ。今日はこれを野梨子に渡したくて」
 整えられた指先で差し出されたオフホワイトの封筒には、
グランマニエ家の紋章で臙脂色の封蝋が施されていた。
「誘ってるのはひとりだけだよ。楽しみにしてるから」
 そう言い残して美童は背を向けた。揺れる金の髪が目に鮮やかに焼きつき、
彼の歩き方は髪が綺麗に見えるように計算されたものなのだと、野梨子はぼんやり考えた。
 美童がこんな風に女性に接するのは何度も目にしてきている。
ひとつひとつの仕草が絵になるようにポーズを作るのは、女性を口説こうとする時だ。
ただ、それが自分に向けられたことが解せなかった。
41212月、点灯 2:2006/12/09(土) 04:14:08
 生徒会室に入ると、既に清四郎が来ていた。
 野梨子は先ほど手渡された封筒を鞄にしまい、美童の行動を深く考えるのは止めにした。

 今回の予想得点は、総合得点では清四郎にわずかに及ばなかったものの、
3年生になって初めて政経でリードできたので、野梨子は上機嫌だった。
 試験問題と教科書を片付ける彼女を見ながら、清四郎が声をかけた。
「今日は珍しいですな」
「あら、実力ですわ。次は総合得点でも負けませんわよ」
 澄まして答えた野梨子に、清四郎は苦笑しながら言った。
「テストのことではなくて、入室したときに持っていた手紙のことですよ。
 誰からのものか知りませんが、野梨子が受け取るなんて珍しいと思っていたんです」
「ああ、あれは――」
 野梨子が言いかけた時、携帯のバイブ音が机を振わせた。
「悠理からですわ」
「おっそーい! いつまで答え合わせしてるんだよっ。
 先に始めるぞーっ!」
「すぐに参りますわ」
 電話を切り、時計に目をやる。
「思ったより時間がかかっていたようですわね。急ぎましょう」

 悠理の家には、既に他のメンバーが揃っていたが、魅録だけが見当たらなかった。
「僕達が最後という訳ではなさそうですな」
 部屋を見回し、清四郎がつぶやいた。
「さっきまで魅録も居たぞ。電話がかかって来て出てっちゃったけど」
 面白くなさそうに悠理が答えた。
「先に始めてて良いって言って出たじゃない。早く乾杯しましょ」
 可憐がそう促す。早く騒ぎたいのだろう。
 結果を期待する者、考えたくない者、結果という存在そのものを忘れている者様々だが、
ともかく試験が終わってほっとした気分は皆同じようだ。
悠理がグラスを掲げ、打ち上げは始まった。
41312月、点灯 2:2006/12/09(土) 04:14:45
 生徒会室に入ると、既に清四郎が来ていた。
 野梨子は先ほど手渡された封筒を鞄にしまい、美童の行動を深く考えるのは止めにした。

 今回の予想得点は、総合得点では清四郎にわずかに及ばなかったものの、
3年生になって初めて政経でリードできたので、野梨子は上機嫌だった。
 試験問題と教科書を片付ける彼女を見ながら、清四郎が声をかけた。
「今日は珍しいですな」
「あら、実力ですわ。次は総合得点でも負けませんわよ」
 澄まして答えた野梨子に、清四郎は苦笑しながら言った。
「テストのことではなくて、入室したときに持っていた手紙のことですよ。
 誰からのものか知りませんが、野梨子が受け取るなんて珍しいと思っていたんです」
「ああ、あれは――」
 野梨子が言いかけた時、携帯のバイブ音が机を振わせた。
「悠理からですわ」
「おっそーい! いつまで答え合わせしてるんだよっ。
 先に始めるぞーっ!」
「すぐに参りますわ」
 電話を切り、時計に目をやる。
「思ったより時間がかかっていたようですわね。急ぎましょう」

 悠理の家には、既に他のメンバーが揃っていたが、魅録だけが見当たらなかった。
「僕達が最後という訳ではなさそうですな」
 部屋を見回し、清四郎がつぶやいた。
「さっきまで魅録も居たぞ。電話がかかって来て出てっちゃったけど」
 面白くなさそうに悠理が答えた。
「先に始めてて良いって言って出たじゃない。早く乾杯しましょ」
 可憐がそう促す。早く騒ぎたいのだろう。
 結果を期待する者、考えたくない者、結果という存在そのものを忘れている者様々だが、
ともかく試験が終わってほっとした気分は皆同じようだ。
悠理がグラスを掲げ、打ち上げは始まった。
41412月、点灯 3:2006/12/09(土) 04:15:18
 皆のお腹が落ち着き、喉も潤ってきた頃、ようやく魅録が戻ってきた。
「クリスマスイブ、予定空けれる奴っ」
「イブって、あいつらのライブがあるじゃん」
 魅録の言葉に、悠理が突っ込みを入れる。共通の友人のライブがあるらしい。
「そのライブのチケットがまだ余ってんだって。泣きつかれてさ。
 ほい、これはお前のノルマ」
 悠理にチケットの束を渡しながら、魅録は他のメンバーの顔を見回した。
「ね。いい男、いるかしら?」
 あいつらこんなんで大丈夫かよと呟いていた悠理に、可憐は探りを入れる。
言ってから彼女は、聞く相手を間違えたとばかりに魅録に視線を投げた。
「んー。俺から見りゃ、いい男揃いだと思うけど、ヴォーカルは彼女持ち。
 ベースは可憐好みのルックスでフリーだけど、玉の輿にはならないな。
 でも、本命じゃない彼氏とデートするより、楽しいと思うぜ?」
 来いよと誘う魅録と、考える可憐。
「本命じゃないわけじゃないのよ。ハンサムだし、お金もあるし。
 ただ、他の出会いをシャットアウトするほどじゃないってだけで……。
 んー。クリスマスはやっぱりデート優先よねぇ」
 悪友と騒ぐよりは及第点の彼氏とのデートを選んだ可憐に、残念、と言ってみせて、
魅録は、デートを優先しそうなもうひとりの友人に聞いた。
「清四郎と野梨子は大丈夫だろ。美童は……聞くだけ無駄か?」
「イブはね、本命の女の子がひとり居るんだ。朝からデート。
 野梨子も何か用事があったんじゃない?」
 不意に話をふられて野梨子は、自分のスケジュールを思い返してみたが、
イブに予定は入っていない。少し考えて、廊下で渡された封筒に思い至り、
あれがクリスマスイブの誘いだったのだろうかと考えた。
「保留でお願いしますわ」
 魅録に答えると、清四郎がおやと呟いた。
41512月、点灯 4:2006/12/09(土) 04:15:49
 半日騒いで、野梨子は遅くに帰宅した。帰り道、クリスマスイブの予定について
清四郎に聞かれたが、「ええ、ちょっと」とだけ答えてはぐらかした。
 冷える自室のエアコンをつけ、鞄から封筒を出して開封した。
12月24日、午前10時に迎えに行きます。1日空けておいて。
美童らしい流れるような筆跡で、それだけが書かれていた。
 美童の真意をつかみかねて、携帯に手を伸ばす。
「まだ、起きてますわよね」
 誰にとも無く言い訳をして、メモリを呼び出した。
「もしもし、美童? 何ですの、あの手紙は」
「額面通りだよ。クリスマスイブに本命の子をひとりデートに誘ったんだ。
 楽しみにしてる」
 私が、美童の、本命? ……私が!?
 ようやく暖かくなり始めた部屋でひとり、野梨子は考えてみた。
 美童が自分に特別な感情を抱いている兆候はあっただろうか。
試験勉強で皆で集まる機会はあったが、変わった様子は見られなかった。
確かに、デートもせずに真面目に勉強しているとは思ったが、それだけだ。
自分に対する態度も、他の誰に対する態度も変わりは無かった。
 あるいは、悪ノリした友人達の、性質の悪い悪戯のターゲットにされたのでは
ないだろうか。だとしたら、誰に聞けば正直に答えてくれるだろう。清四郎は無理だ。
可憐はこういう悪戯をしそうにはないが、一旦ノッたなら簡単に尻尾は出さないだろう。
悠理は……、悠理はバカだけど愚かではない。清四郎並に悠理の扱いが上手ければ
真意を探れるだろうが、自分には難しいかもしれない。魅録はどうだろう。
一番可能性がある気がした。こういう冗談は嫌いそうだし、仮に面白がっていたとしても
困っている友人を見たら笑いものにすることはできないだろう。
 明日、魅録にカマをかけてみよう。そう考えてその日は床についた。
41612月、点灯 5:2006/12/09(土) 04:16:22
 翌日は休日だったが、野梨子は朝から魅録の家に赴いた。
迎えた魅録は寝起きの様子だったが、機嫌は悪くなかった。
「珍しいな、野梨子がひとりでうちに来るなんてさ」
 魅録は最近部屋に置いたらしい2台の冷温庫の片方から温かい缶コーヒーを出し、
野梨子に手渡した。自分はもう一方の冷温庫から出したイオン飲料に口をつけ、
野梨子が用件を切り出すのを待っている。
 彼女はどうカマをかけたものかと逡巡し、結局は単刀直入に聞いてみることにした。
「最近、皆で私に悪戯を仕掛けましたか」
 彼は音を立てて飲料を飲み下し、
「へ?」
と、間抜けな声を出した。
「違っていたら、ごめんなさいね」
 申し訳なさそうに野梨子は、昨日からのことをぽつりぽつりと話し始めた。
美童が招待状をよこしたこと。自分はからかわれたのではないかと思ったこと。
 魅録は最後まで聞いた後、ひと呼吸おいて言った。
「俺は、そういう冗談はしない」
 疑ったことで怒らせたのかと思い、野梨子は緊張して魅録の顔を見つめたが、
そうではなさそうだった。
「美童の考えてることはわかんねーけど」
 淡々と言葉を続ける。
「野梨子はどうしたい?」
 最後は疑問形だった。
「私……。私わかりませんの。美童と出かけるのは嫌じゃありませんのよ。
 でも、こういう風に誘われるのは何だか……」
「倶楽部の均衡を壊しそうで怖い?」
 続きを魅録が引き受けた。
 一緒に出かけても、断っても、何かが変わってしまいそうで、
野梨子にはどちらとも決められなかった。
 掌の中で温度を失っていく缶コーヒーが、ずっと同じでは居られない
自分達のようで淋しかった。
41712月、点灯 6:2006/12/09(土) 04:16:54
 返事ができないまま日は過ぎ、終業式を迎えてしまった。
倶楽部で顔を合わせる美童はいつもと同じで、野梨子もできるだけ普段通りに振舞った。
美童から誘いがあった話は、魅録以外にはしていない。時折可憐が何か問いたげな視線を
向けて来ることがあったが、可憐自身も忙しいようでゆっくり話せる機会は無かったし、
野梨子も作らなかった。
 終業式の帰り道、野梨子は清四郎と一緒だった。
「良かったら今日、昼から家に来ませんか」
 ええ、と軽く答えて、野梨子は思った。もしもあの誘いが清四郎からだったら、
自分はどうしただろう、と。

  ……やっぱり戸惑いましたわね。何も理由をつけずに誘われたなら、
 何も考えずに受けたでしょうけど、本命だなんて言われてしまったら、
 例え清四郎からの誘いでも考えてしまいますわ。そう、美童からの誘いでも、
 本命だとさえ言われていなければ、軽く承諾したかもしれませんわね。

 そこまで考えて、あれは告白だったのだと思い至った。
 既に均衡は崩れていた。けれど自分は、美童が冗談だよと言ってくれるのを
どこかで期待して、今日まで返事をできずにいたのだ。
 崩れた均衡は、全く同じには戻せない。自分にできることは、新しい均衡を
生み出すことだけ。ちゃんと返事をしなければいけない。
 清四郎と一旦別れた後、彼女は美童にメールを打った。
24日、お待ちしていますわ。と。
41812月、点灯 7:2006/12/09(土) 04:17:25
 清四郎の家で、囲碁の対局をしたり、互いが贔屓にしている作家の新作について
話し合ったり、普段通り過ごす中で彼は言った。
「最近、何か悩みがあったんじゃありませんか。
 話を聞こうと思って呼んだんですが、今は晴れやかな表情をしていますね」
「ええ。悩みというほどではありませんが、迷いがありましたの。
 まだどう転ぶかわかりませんが、決着したら清四郎にも全部お話ししますわ」
 野梨子の声は自分でも驚くほど澄んでいた。
「僕はそんなに頼りにならない幼馴染ですか」
「頼りになりますわよ。
 頼りになり過ぎるから、たまには自分の頭で判断しませんとね」
 笑みを含んだ清四郎の言葉に、彼女は笑顔で返し、ひと言付け加えた。
「本当に困った時、最後に頼れる人でいてくださいな」
 最初ではないんですね、と呟きつつも、わかりましたよと答える彼は、
どこか満足そうだった。


ツヅク
41912月、点灯:2006/12/09(土) 04:18:26
2が連投になってしまい、、ヾ(゚д゚;) スッ、スマソ
420名無し草:2006/12/09(土) 07:29:21
>>419
GJ!さらっとしたタッチで読みやすいし、妄想しやす(ry)
続き楽しみにしてます。
421名無し草:2006/12/09(土) 13:40:53
>>419
野梨子かわいい!
彼女らしさに溢れていて続きが楽しみ
422君の名を呼ぶ:2006/12/09(土) 19:02:59
小ネタですが、アップさせてください。
短編で、5レス分いただきます。
CPはなしのつもりですが、メインは魅録と野梨子で
『魅録+野梨子(もしくは魅録→野梨子)』という感じです。
山も意味もオチもありませんが、
暇つぶしにでもなりましたら幸いです。
423君の名を呼ぶ 1/5:2006/12/09(土) 19:03:54

沈黙に居心地の悪さを感じるほど浅い付き合いではない。
しかし、この沈黙が気になるときもある。

買ったばかりのF1雑誌を眺めながら、
魅録は生徒会室のテーブルの対角線上に座っている野梨子をそっと盗み見た。
野梨子も魅録同様、本を読んでいる。
しかし、その本はもちろんカラーページばかりの雑誌ではなく、分厚いハードカバーの書籍だ。
ブックカバーをつけているので、魅録の位置からは何の本だかわからない。

魅録が生徒会室に入ったとき、いたのは野梨子だけだった。
簡単な挨拶だけを済ますと、すぐに野梨子は本の世界へと戻っていった。
別に今さら気にすることでもない。
この沈黙は決して重苦しいものではなく、気を許せる仲間だからこそのものだ。

しかし魅録はふと、唐突に気づいた。


――そういや、俺と野梨子だと共通の話題ってもんがないんだよな……。


バイクにロックに格闘技、悠理との共通の趣味は今さら挙げるまでもないし、
趣味の広い清四郎とも何だかんだで話題は尽きない。
最新のものや流行りものに詳しい美童や可憐だって、
わざわざ探さなくとも話の種のひとつやふたつ簡単に見つかるだろう。


しかし、野梨子と自分の間には、そういう適当な話題がないような気がした。
424君の名を呼ぶ 2/5:2006/12/09(土) 19:05:16
野梨子の趣味は、お茶にお花に日本舞踊。
日本の伝統芸能全般だけでなく、絵画やバレエなどの芸術鑑賞全般。
魅録にはまったく縁がない。
それから囲碁に読書。
よく聴く音楽も、純粋な意味の邦楽(J-Popではなく、長唄や小唄といった類だ)やクラシックだろう。
運動が苦手な割にスポーツ観戦も好きらしいが、
魅録のように特定の選手やチームのファンになるわけではなく、
全体的な戦術やスポーツビジネスの方に関心があるように見える。
ニュースは一通りチェックしているだろうが、流行を追うというようなミーハーさは野梨子にはない。
その育ちのせいか、機械音痴で車の免許すら持っていない。

野梨子と自分の会話なんて、大抵が時事問題だ。
今で言うなら、一週間後に迫っている試験がそれに当たるが――
常に清四郎と学年主席を争うような優等生の野梨子と、
勉強が苦手ではないが好きでもない魅録では、話題にならない。

F1雑誌の空力解説に目を通しながら、長いまつげを伏せて活字を追う野梨子をもう一度盗み見た。
絵に描いたような文学少女。
そう、彼女は本当に、成金でも何でもない、純粋培養された深窓のお嬢さまなのだ。

自らを省みてみると、自分の家も世間一般に照らし合わせれば『いい家』の部類に入るだろう。
父が警視総監であるだけでなく、母の実家は由緒ある名家だ。
しかし、あの父とあの母では、とても自分が『ご令息』というものにふさわしいとは思えない。

悠理や可憐や清四郎や美童とは、もしかしたら違う形での出会いが用意されていたかも知れない。
しかし、野梨子だけは現在の形以外での出会いはなかったのではないかと思う。
穏やかで上品な両親に育てられた大和撫子が、やくざとも付き合いのある自分と親しくなるなんて、
今考えてみても不思議な話だ。


「――ずっと思っていたのですけど、魅録って」
425君の名を呼ぶ 3/5:2006/12/09(土) 19:06:13
読書に没頭していた野梨子が突然自分の名前を呼んだことに驚いた。
何とかそれを顔に出さないようにしながら、
できるだけ自然に見えるように魅録はゆっくり野梨子に視線を向けた。

「名前、素敵ですわよね」
「……ん?」

意味がとれず訊き返した魅録に、野梨子は気を悪くした様子を見せなかった。
少し微笑みながら、もう一度繰り返す。

「魅録っていう名前、素敵な名前ですわよね」
「ああ……まあ、気に入ってないわけじゃないが、大仰だよな。
 さすがあの両親がつける名前っていうか……『松竹梅魅録』が本名なんて、誰も思わないだろ」
「あら、綺麗な名前だと思いますわ。弥勒菩薩からいただいた名前でしょ?」
「いや、どうだろうな。あの人たちがそんなこと考えるかどうか。それに、漢字も違うし」

大きな黒目勝ちの瞳をいっぱいに見開いて、野梨子がきょとんとした顔をする。
淑女たる野梨子が、大事でもないときにこれほど表情を変えるのは珍しい。
しかしすぐに、彼女は笑顔に戻って言った。


「あら、菩薩さまのお名前をいただくのですもの。敬意を表して字を変えるのは当然ですわ。
 ――本当に素敵な名前だと思いますわよ」
426君の名を呼ぶ 4/5:2006/12/09(土) 19:07:20
どう答えようかと逡巡したそのとき、自分を見つめていた野梨子の視線がふと動いた。
と、自分の耳に生徒会室のドアが開いた音が届いた。
魅録も振り返り、背後を見ると、ドアを開けて入ってきたのは美童だった。

「あれえ、ふたりだけ? 悠理は?」
「あー……あいつ、補習だか追試だかで呼び出しだってさ」
「……単純に不思議なんだけど。試験始まる前から何で補習とか追試の話が出てくるんだよお」
「ご機嫌ですわね、美童」

魅録ももちろん、美童の声のトーンがいつもより少し高いことに気がついていた。
踊るような足取りでテーブルに近づいた美童は、空いている椅子を引いて優雅なしぐさで着席した。
輝くような笑顔を浮かべているが、それに見とれるような者は今ここにはいない。

「ふふ、ふふふ。そう見える?
 そうなんだよねえ、今度の日曜、ちょっと予定が入っちゃってさあ……もう、困っちゃうよね」

いつものことだ。
野梨子は呆れたように息を吐き、魅録は行儀悪くテーブルに肘を付いた。
そんな冷たい視線に慣れている美童は気にも留めない。

「野梨子もさあ、男嫌いなんて言ってないで、男とつきあってみれば? 恋愛っていいもんだよ」
「結構ですわ。……美童が傍にいると、殿方の裏側まで見てしまって余計にうんざりですもの」
「あっ、ひどーい!」

気位の高いお嬢さまらしく、野梨子は芯が強く結構な毒舌でもある。
清四郎も美童も、悠理も可憐も、彼女の鋭い舌に何度となく黙らされたことがある。
427君の名を呼ぶ 5/5:2006/12/09(土) 19:08:10



――しかし、自分に対して野梨子がきつい言葉を浴びせるということは、
なぜだかわからないがほとんどない。
せいぜい出会ったときくらいだ。



すでにハードカバーを閉じ、美童と日常のやりとりをしている野梨子を一瞬視界に入れて、
魅録は内心でため息をついた。
F1雑誌を開いたままに、背もたれに体重を預けて伸びをする。

整理のつかないごちゃごちゃした気持ちが生まれてきそうな自分の心に、すでにうんざりしていた。
428君の名を呼ぶ:2006/12/09(土) 19:13:32
終わりです。
アップしてから思ったのですが、
>>410-419の邪魔になっていたら本当に申し訳ありません。
429名無し草:2006/12/09(土) 20:13:53
SSが2作もうpされててもう涙もの。嬉しいすぎる。

>点灯
季節ものですね。戸惑ってる野梨子可愛い。
続きが気になります。
どうでもいいことだけど、差し歯にワロ
>君の名を
野梨子と魅録って真逆だから二人でいたら
二人でいたらこんな感じなのかもしれないですね。
二人の何気ない日常がみれた気がしておもしろかった。
私も魅録の名前好き。
430名無し草:2006/12/09(土) 20:23:34
>君の名を

心情がすごく細やかに書かれてて、のめりこんで読んでしまった。
12月〜と共に、続きをお待ちしております。
431名無し草:2006/12/09(土) 22:05:22
>君の名を呼ぶ
野梨子との距離感が萌えです。
ふたりきりだと一番緊張しそう。
仏様から頂いたなら、確かにそのままの漢字じゃ恐れ多いですよね。
そう思うと、私まで魅録の名前が好きになってきました。
432名無し草:2006/12/09(土) 23:35:21
そう言えば魅録の名前は、最初は美童につけたものだったのを思い出した。
43312月、点灯:2006/12/12(火) 02:55:58
>>418の続きです。3レスお借りします。

家族が嘔吐下痢にかかっていて、伝染る可能性等考えると、
続きはちょっと目処が立ちませんが、クリスマスまでには終わらせます。
43412月、点灯 8:2006/12/12(火) 02:56:54
>>418

 12月24日はよく冷える日だった。10時きっかりに白鹿家のチャイムが鳴り、
黒いコートの男が立っていた。地味になりかねないこの色も、美童が着ると
華やかに見える。
 門から現れた少女は白いコートを身に纏い、髪の艶やかな黒とコートの柔らかな白が
強いコントラストを作り出していた。
「今日は僕が君のサンタクロースだよ」
 サンタクロースには程遠い外見の持ち主が、にこやかに宣言した。
「王子様ではありませんのね」
 野梨子が笑うと、美童も嬉しそうに答えた。
「クリスマスイブだからね。でも野梨子が望むなら王子様にもなれるよ」
「サンタクロースで結構ですわ」
 くすりと笑って、話題を広げる。
「そう言えば、スウェーデンにもサンタクロースの村がありましたわね」
「サンタワールドだね。今度一緒に行こうよ」
「いいですわね。フィンランドとノルウェーのサンタの村にも足を伸ばして……、
 悠理も喜びそうですわね」
 彼女は半ば無意識に女友達の名前を出し、美童はわずかに肩を落とした。
 そんな彼の様子には気付かずに、野梨子は話を続ける。
「ところで今日はどちらに行きますの」
「うん、今日は僕にエスコートさせてよ。
 まず最初は――」
43512月、点灯 9:2006/12/12(火) 02:57:28
 美童とのデートは楽しかった。
 美術館へ行って、遅めの昼食を食べて、ウィンドウショッピングをして、
イルミネーションの点灯を待った。
 流石というべきか、美童はヨーロッパ美術に対する造詣が深く、美術館では
野梨子の知らない逸話を披露してみせた。同じ知識でも、美童が話すと
単なる解説や薀蓄ではなく、ウィットに富んだものになる。野梨子は
無機質な解説でも十分楽しめるが、彼のそういう話し方には好感を持っていた。
 昼食は野梨子好みの静かな店だった。この時期の小洒落た店は、ランチといえど
慌しいことが多い中、食事だけでなく会話もゆっくり楽しむことができた。
 食後はゆっくりとクリスマスの街を歩いた。目を留めた店に入って小物を買ったり、
ディスプレイを楽しむ。そんな中で、美童は野梨子を1軒の店に誘った。
古い店構えの輸入雑貨を扱う店だった。
 慣れた足取りで美童は奥へ入っていく。店主らしき人に挨拶し、
「ね、あれ届いてる?」
と尋ねた。
 店主は愛想良く頷いて、赤い箱をひとつ取り出した。
「野梨子、開けてみて」
 言われて彼女は箱を受け取った。大きさから想像していたよりも、ずしりと重い。
箱を開くと、クリスタルガラスの半球の中で花が咲いていた。
「綺麗……」
 彼女の呟きを受けて、美童は微笑んだ。
「文鎮はたくさん持っているだろうけど、こういうペーパーウェイトも
 珍しくて良いと思ったんだ。
 使ってくれる?」
「でも……。私にはいただく理由がありませんわ」
「言ったよ?今日は僕は、君のサンタクロースだよ」
 手紙を渡された時と同じ完璧な笑みを浮かべる美童に、野梨子はくすりと笑った。
「ありがとう。
 大事に使わせていただきますわね」
43612月、点灯 10:2006/12/12(火) 02:58:01
 ふたりはイルミネーションの点灯を待っていた。
 寒さに肩をすくめて手を握り合わせる野梨子に、美童はそっと肩を寄せた。
そのまま彼が腕を野梨子の肩にまわそうとすると、彼女は一歩距離を開けた。
 肩を寄せた時の美童の背の高さに、肩にまわそうとする腕の長さに、
彼女は無意識で怯え、避けようとした。
 やがて長針が12を指し、薄闇に華やかな明かりが灯った。
 人々は嬉しそうにざわめき、野梨子の頬の筋肉もわずかに緩んだ時、
美童は今度は両腕を彼女にまわし、後ろから抱きすくめた。
「綺麗だね」
 頭上から降ってきた彼の声に野梨子は硬直し、一瞬後に振りほどいた。
「やめてくださいな」
 小さいが鋭い声で言い放った後、彼女は罪悪感を感じた。
これではまるで痴漢にあったような反応だ、友人に対する態度ではない、と。
「ごめんなさい。私ただ……。驚いて」
 ふたりの容貌はただでさえ人目を惹く。単独でもそうだが、今日は何から何まで
対照的で絵のようだった。長い金の髪に黒いコートの長身の男。
肩までの漆黒の髪に白いコートの小柄な女。そしてとびきりの美男美女。
並んで歩くだけでも注目されるのだが、更に今は何やらドラマの生まれそうな気配がある。
 周り中の視線を集めていることに気付いて、野梨子はいたたまれなくなった。
 イルミネーションを楽しむ暇も無く、足早にその場を去る。
 駅の方へ向かう彼女に、美童はすぐに追いついた。
「ごめん、野梨子。
 ね。もう少しだけ付き合ってよ」
 彼は気弱に微笑んでいた。野梨子は本当はすぐにでも家に帰りたかったが、
このまま帰ると後悔すると思い直した。彼は、やはり大切な友人だ。
「ええ。そうですわね」
 美童は安堵の表情を浮かべた。
43712月、点灯:2006/12/12(火) 02:59:24
以上です。

>>436に「ツヅク」を忘れていました。
無駄に消費して申し訳ありませんでした。
438名無し草:2006/12/12(火) 17:39:45
スレチだが、12月、点灯の作者さま
ご家族の嘔吐下痢症が早く治り、作者さまに
うつりませんように・・・
439名無し草:2006/12/12(火) 19:09:12
>>433
ご家族早くよくなると良いですね。
作者様に伝染らないよう祈ってます。
>>434
クリスマスにこの二人が歩いてるのは画になって
目立つだろうな。

>今日は僕は、君のサンタクロースだよ
これは絶対美童しか言えない言葉ですねw
読みやすくて好みの文章です。続き待ってます。
440名無し草:2006/12/13(水) 11:55:16
12月、点灯作者さま
ご家族、大変ですね。早くよくなられますように。
続きお待ちしていますが、無理はなさらないでくださいね。

寒い中でほんのり心が温かくなる良作だと思います。
美童好きとしては、美術館での描写がとっても嬉しかったです。
彼も本来知的で品のある人物なんですよね。清四郎や野梨子とは違った感じで。
女好きなだけの俗物にされている最近の風潮が悲しい・・・。
44112月、点灯:2006/12/13(水) 14:52:47
>>440
>彼も本来知的で品のある人物なんですよね。
そうそう!
数ヶ国語使えるし、欧州の芸術美術方面は詳しそう。
それにスポーツもできるんだよね。
ヨーロッパの社交界の話とか出てきたら良いのになぁ。
一条さんってそういう華やかなの好きそうなのに、出てこないよね。
取材できないとか、できても凄く面倒とかなのかな。
442名無し草:2006/12/13(水) 14:53:48
クッキーがorz
見なかったことにしてください。
443名無し草:2006/12/13(水) 18:42:34
ワロタw ドンマイ
444名無し草:2006/12/15(金) 02:12:03
パイク
445名無し草:2006/12/15(金) 02:44:14
パイロ
446名無し草:2006/12/17(日) 12:02:20
クリスマスSSたくさん読みたい
447名無し草:2006/12/20(水) 08:57:54
初めて来たのですが、楽しませてもらいました。
一条先生は野梨子が一番動かしにくいって言ってましたが、皆さんお上手ですね。
「君の名を呼ぶ」では野梨子と魅録の出会いを思い出してしまいました。
結構、ロマンティックな出会いだったような。
「12月、点灯」と共に続きをお待ちしています。
448名無し草:2006/12/20(水) 13:39:39
私も魅録と野梨子ってお似合いだと思うのですが、絵的には美童と
並ぶと異人さんと大和撫子ですごくはまる感じです。
原作の、初恋のレクイエムの最後のページんとこ、縦に三組カップルっぽく
並んでて好きなコマです。特に清四郎と悠理がなにげにラブい。
449名無し草:2006/12/20(水) 18:53:02
私もこのスレ最近発見してすごく楽しませてもらってます。
職人さん嵐さんスレの皆に感謝だ。
魅野スキーだもんで「君の名を呼ぶ」GJGJ
野梨子と魅録の出会いって実はこれも少女漫画王道ですもんねw
原作「白鹿野梨子に捧げる愛」なんですけど、魅録が気を失った後
倶楽部と族たちと助けに来たときのやり取り何気にいいなって思う。
「みなさんよくしてくださって」ってこれ魅録のダチたちのことだよね?(原作手元にないんで細部が違うかもだが)
野梨子のそういう、金持ちなのに平等でおおらかなの悠理とはまた違ったかたちでいいなって思う。
ガラの悪い魅録のダチらとぜ〜んぜん平気にしゃべってたりするのだろうか?wんでマドンナ扱いされてたりしたら楽しいぞwモエw
>446クリスマスSS
ノシ 私も読みたいなって思う。
「12月、点灯」さんもどうぞご無理はない程度に、
でも楽しみにしてます。
450名無し草:2006/12/20(水) 19:49:20
>>447
御大は自分に似たキャラクターが動かしやすいみたいだから
野梨子は動かしにくいんじゃないかな。
千秋や可憐はすごく動かしやすそうだし。
私は野梨子は現実にはあまりいなさそうで妄想しやすいんだけど。
451名無し草:2006/12/20(水) 22:08:39
>>448
同意。和洋のお人形さんというか、凄くちぐはぐな筈なのにマッチしてると思う。
「12月、点灯」の>>434の冒頭描写なんかすごく素敵だな。
「レクイエム」見てきたが、魅録と可憐のマフラーが
ペアルックに見えて仕方ないw
452名無し草:2006/12/20(水) 23:01:10
でも、清四郎×野梨子も捨てがたい。
清四郎は悠理に負けたから武道を始めたのか、
それとも野梨子を守れなかったショックからだったのか。
どの組み合わせになっても不思議がないエピソードで、こういう所に御大の力を感じるw
453名無し草:2006/12/21(木) 00:11:39
悠理に負けたからと野梨子を守れなかったからと、どっちもでしょうね。
でも悠理が喧嘩をふっかけなければ清四郎は武道を始める事もなく、
ただ頭がいいだけのナヨッちい男になってたかと思うと悠理にはげしく感謝。
454名無し草:2006/12/21(木) 07:10:55
大和撫子と思ってた野梨子の豹変に呆然としてた清四郎の様子から
清四郎の初恋の相手は野梨子だったのではと妄想してます。
武術を始める前は保護者キャラじゃないし、あの事件がなければ
タッチの和也と南みたいな関係だったりして・・・
455名無し草:2006/12/21(木) 09:39:12
それにしてもあの過去編は秀逸。
現在の清四郎が作られた理由にすごく説得力ある。
456名無し草:2006/12/22(金) 10:05:35
>454
タッチみたいな関係もいいね。
幼馴染が恋に発展するシチュは、危うい感じがしてそこが凄く萌える…
457名無し草:2006/12/22(金) 12:32:58
魅録×野梨子 仲良し夫婦
清四郎×可憐 調教夫婦
美童×悠里 生涯別居夫婦
458名無し草:2006/12/22(金) 13:15:32
生涯別居w
てか調教ww
459sage:2006/12/22(金) 15:40:02
君の名を呼ぶ、と12月点灯
続き読みたいよ〜。
460名無し草:2006/12/22(金) 16:50:28
>>459
「君の名を呼ぶ」続きを待ってると書いてるレスが前にもあったが、
作者のコメント読んでるとあれで終わりなんじゃまいか?
もちろん続きがあるなら連載が増えて嬉しいが。
46112月、点灯:2006/12/25(月) 02:39:41
スレ違いのことでご心配おかけし、申し訳ありません。
案の定うつりましたが、幸い症状は軽く済みました。

遅くなりましたが>>436の続きです。
6レスお借りします。
今回もツヅクですが、その次で終わらせることができると思います。
46212月、点灯 11:2006/12/25(月) 02:40:29
>>436

 野梨子は、美童が予約していた店に案内された。
落ち着いた雰囲気の店で、料理の味も給仕のタイミングも申し分なかった。
 先ほどのことにはふたりとも触れず、当たり障りの無い会話をし、料理を楽しんだ。
 野梨子は、気まずい雰囲気のまま別れなかったことを正解だと思い、
いつもと変わらない会話に安堵していた。
 
 店を出ると、雪が降り始めていた。
「天からの手紙ですわね」
 うっとりと野梨子が口を開いた。
「素敵な言い回しだね」
「中谷宇吉郎の言葉ですわ。理学博士の」
 褒められたのが何故か気恥ずかしく、野梨子は慌てて補足した。
「へぇ。それはどういう人なの?」
「雪の研究をしていた人で、世界初の人工雪をつくるのに成功した人ですのよ――」
 こんな話はつまらないのではないかと、美童の表情を窺うと、
彼は面白そうに聞いている。促されるままに話しながら、野梨子は美童の聞き上手さを
再認識していた。
46312月、点灯 12:2006/12/25(月) 02:41:08
 美童は野梨子を自宅の前まで送り届けた。
「今日は楽しかったですわ。誘ってくれてありがとう」
 別れの挨拶をする野梨子を、美童は正面から見つめ微笑んだ。
「僕の方こそ、とても楽しかったよ。……ねえ、野梨子」
 不意に両手を握られたことに驚き、彼女は振り解きたい衝動に駆られたが、
ぐっと我慢した。
 そんな彼女の様子を知ってか知らずか、彼は言葉を続ける。
「これからもこんな風に、時々出かけようよ。
 僕の彼女になって欲しいんだ」
 野梨子はその答えを、今日一日考えていた。
 美童と二人で出かけるのは、想像以上に楽しかった。彼の話は面白みがあったし、
また自分の話を興味深げに聞いてくれるので話しやすい。場所の選択も野梨子好みだった。
こんな風に出かけるのは、きっと楽しいだろう。
 けれど、彼に触れられるのは嫌だった。冷静に考えると、どうということのない
接触なのだが、反射的に避けたくなってしまう。イルミネーションの時も、今のこの手も。
 美童のことは、好きだと思う。けれどそれは、友人に対する「好き」であって、
異性に対しての「好き」ではない。握られた手の違和感はそういうことなのだと考えた。
「ごめんなさい。私――」
 美童の右手が野梨子の手から離れ、彼女の顔の前で静止した。
「言わないで。
 答えはすぐに出さないでよ。
 また、一緒に遊ぼう」
 美童はそれだけ言って左手も離し、野梨子の返事を待たずに背を向けた。
46412月、点灯 13:2006/12/25(月) 02:41:47
 歩き去る背中を見送りながら、野梨子は息苦しさを感じていた。
 待ってもらっても、自分の心が変わるとは思えないのに。美童を傷つけることに
なっても、きちんと答えを出したいと思い、そう思う自分の心にエゴイズムを感じて、
二重に胸が詰まった。
「恋愛だなんて、面倒なだけですわ」
 誰に言うわけでもないけれど、小さく声に出してみた。

 その夜、野梨子は床に就いてもなかなか眠れなかった。暗い天井に自分の手を
かざしてみると、仄白く頼りなげに見えた。
 野梨子は、同世代の男性の手の感触は数えるほどしか知らない。
 美童の手は温かかった。野梨子の知っている男性の手とは似ても似つかぬ程
滑らかだったが、女性の手のような柔らかさは無かった。彼の手は綺麗な手だと思う。
けれど触れられても嬉しいとは思えない。
 裕也の手とは全く違う。別れ際につないだ裕也の手は、無骨でがさがさしていて
熱があるように熱かった。触れると心臓は跳ね上がったのに、まるで安心した時のような
奇妙な心地よさがあった。
 久しぶりに裕也のことを思い出し、切なさと共に心が温もるのを感じた。
すっかり冷たくなった手を自分の頬に押し当て、瞳を閉じた。
46512月、点灯 14:2006/12/25(月) 02:42:18
 2日後の26日、野梨子は可憐から呼び出され、彼女の家を訪れた。
 片付き過ぎていないように見えるのに、掃除は行き届いている。
趣味の良いインテリアに、季節の花が飾られていて、可憐の部屋はいつ来ても快適だ。
「ほんとはね、もっと早くに話を聞こうと思ってたのよ。
 ほら、野梨子、この間から変だったじゃない?
 でも私も、クリスマス前は色々忙しくって……」
 香りの良い紅茶と焼き菓子をテーブルに並べながら、可憐はちょっとバツの悪そうな
表情をしてみせた。
「それより前から美童が野梨子を意識しているのは気付いてたし、
 まぁアイツだったらそうヘマはしないだろうから、傍観してても大丈夫かしら、
 なんて思ってたんだけど」
 可憐は言葉を切って、野梨子の表情をじっと見つめた。
「野梨子は困ってるみたいね」
 野梨子は可憐の観察眼の鋭さに驚き呆れながらも、女友達の気遣いが嬉しかった。
紅茶を飲み終わる頃には、自分の感情をすっかり吐き出すことができていた。
「あんた、ほんっとに男嫌いなのねぇ」
 聞き終えた可憐は、ちょっと大げさに呆れてみせた。
「男嫌いという訳ではありませんわ。ただ――」
「はいはい。異性としての男性は必要ありませんわ、でしょ?
 潔癖というか何と言うか……。
 肩を抱くとか手を握るとか、今時、中学生どころか小学生でもやってるわよ。
 ま、そこが野梨子らしいところなんだけど」
 呆れながらも、可憐の声は笑っている。
「でもまぁ、美童にそうされるのが嫌なんだったら、脈無しよね」
「ええ。だから私、はっきり断ろうとしたんですのよ。
 だのに、最後まで聞かずに立ち去ってしまって……。
 次に会った時には、きちんと言いますわ」
46612月、点灯 15:2006/12/25(月) 02:42:52
 野梨子の言葉に、可憐は軽く肩をすくめてみせた。
「美童もわかってるわよ。だから、聞かずに帰ったんじゃない。
 いいのよ。待ちたいって言うなら、いつまでだって待たせておけば」
「でも――」
「大丈夫。美童なら死ぬまで待ったりなんてしないわよ。
 適当なところで折り合いつけて、次に行くでしょ。
 プリンセスミュスカの時だって、なんだかんだで立ち直ったんだし。
 ああ見えてアイツ、あの時より随分大人になってるわよ」
 可憐は、不安そうな表情をする野梨子の肩を軽く叩いた。
「それよりも、野梨子の方が心配よ。
 ねぇ。刈穂裕也のこと、まだ忘れられないの?」
 野梨子は少し考えて、言葉を選んだ。
「違う、と思いますわ。
 裕也さんのことは大切な思い出ですけれど、それ以上の感情ではありませんわ」
「だと思った。
 野梨子の雰囲気、恋をしているようには見えないもの。
 そりゃ、以前よりはぐっと柔らかくなったけどね」
 2杯目の紅茶を差し出して、可憐は野梨子の瞳を探るように見つめた。
「ねぇ、いつまで『少女』で居るつもりなの?」
「え?」
 野梨子は可憐の真意を掴みかねて問い返した。
46712月、点灯 16:2006/12/25(月) 02:43:29
「大人になるのは、そんなに怖い?
 それとも男が怖いの?
 初恋は経験しても、野梨子は少女のままでしょ。
 美容やお洒落に興味が無いわけじゃないのに、幼く見える装いをして、
 自分の殻を必死に守っているように見える」
「私……。
 そんなに幼く見えますかしら」
「少なくとも、異性に関してはね」
 野梨子は可憐の言葉を噛み締めていた。美しく装うことは好きだったが、
確かに大人びて見えるものは避けてきた。それは何故だったのか。
自分では単に好みの問題だと思っていたが、あるいは無意識に、
可憐の言う通り少女でいたい気持ちがあったのかもしれない。
 野梨子が考えながら紅茶を飲んでいると、可憐が野梨子の髪に触れた。
「この髪。よく似合っていて素敵だけど……。
 少し伸ばしてみてもいいんじゃないかしら」
 長い間続けてきたおかっぱ。幼い頃は、大きくなれば、母がしているように
結える長さに伸ばすのだと思っていた。
「形が変われば、気持ちも変わりますかしら」
 半ば独り言のような野梨子の言葉に、可憐は応えた。
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
 けれど、変わりたい気持ちを形に託すのは、悪くないんじゃないかしらね」
 大人になる時期というものがあるのならば、それが自分にも来ているのかもしれない。
可憐を見ていると、自然にそう思えてきた。
 温かい紅茶と共に、可憐の心遣いが胸のうちに染み込んできた。


ツヅク
468名無し草:2006/12/25(月) 03:43:00
深夜に乙です。そしてメリークリスマス。
469名無し草:2006/12/25(月) 08:00:34
>12月
落ち着いた雰囲気で素敵です。GJ!
そしてメリクリ。
続き楽しみにしてます。
470彼女は仮面をかなぐり捨て:2006/12/25(月) 14:53:59
したらばに魅可のクリスマスSSを投下させていただきました。
(プロバイダ関係で書き込みできなくなったんですが、
季節ネタなのでどうしても今日うPしたくて)

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/1322/1029258872/115-

あと、コピペミスで冒頭の二行が抜けてしまいました。
『ぎり。
 思わず煙草に歯を立ててしまい、口の中に苦味が走った。』
を脳内で補完して読んでいただければ幸いです。
471名無し草:2006/12/25(月) 20:54:00
>彼女は仮面をかなぐり捨て
感想、こちらに書いていいのかな。
クリスマスらしい静かな華やかさがあって、素敵でした。
可憐が可愛くて可愛くて、女だけど抱きしめたいくらい。
472名無し草:2006/12/26(火) 05:56:08
>>470
乙です。
ここにくるまで魅×可のカップリングは予想ガイだったんですが、
マザコン要素のあるミロクに千秋と似てる可憐はアリですね。
楽しく読ませていただきました。
473名無し草:2006/12/26(火) 20:00:28
なんか久しぶりの魅可で嬉しいです。
可愛い可憐もいいですね。
魅禄のヘタレっぷりが新鮮。
474名無し草:2006/12/26(火) 20:53:04
>12月点灯
最後どうなるのかな?
予想が全くできないので、ワクテカする。
475名無し草:2006/12/27(水) 01:40:46
>彼女は仮面をかなぐり捨て
とても綺麗なじんとくるお話でした!!
他人のことは聡いのに自分の恋愛だけはヘタレな魅録と
可愛い女なのにいざとなる切ないほどに潔い可憐は
お似合いだなーと思いました。
個人的に作家さんの言葉選びのセンスが大好きです。
476名無し草:2006/12/27(水) 13:50:00
>彼女は仮面をかなぐり捨て
じんと、鳥肌立ちました。
最高でした。
陳腐な感想でごめんなさい。
477名無し草:2006/12/27(水) 19:13:10
>470
乙。超GJ
魅可ハマりそうだ。
大人になりきれない感じが切なくて素敵
次回作も期待してます
478名無し草:2006/12/29(金) 23:16:54
>12月、点灯
野梨子の成長物語っぽいところがすごくツボ
こちらの可憐も友達思いのいい女として書かれていて好きです
479名無し草:2006/12/31(日) 23:49:16
フム 今年も無事終わりそうですな
あら 無事・・・でしたかしら?
まぁ 無事って事でいいんじゃねぇ?
そうよぉ けっこう楽しかったわよ?
そうそう 来年も良い年になるといいよね!

おまえらそんなのんきなこと言ってると
年越しそばなくなるぞ!!

みなさま良いお年を・・・
480名無し草:2007/01/01(月) 01:04:49
あけましておめでとうございます。
本年も素敵な萌えを。
481名無し草:2007/01/01(月) 04:43:37
あけましておめでとうございます!
今年も作家さん達のお話読めるのを楽しみにしております。
皆さんにとって良い年でありますように。
そしてできれば御大が有閑の続きをコンスタントに描いてくれますように(切実)・・。
482名無し草:2007/01/02(火) 22:07:18
はじめまして。美→野の短編をアップします。
5レス消化します。
483光の冠:2007/01/02(火) 22:08:17
おはよう野梨子、今日ヒマ?デートしない?」
「・・・またですの?」
「OKしてもらえるまで何回でも言うよ」
「とりあえず今日の分、まとめて言ってもらえます?」
「今日デートしよ、今日デートしよ、今日デートしよ、今日デートしよ、今日〜・・・」
「ごめんなさい、お断りしますわ×18回くらい?」
「はずれ、20回の予定。今日デートしよう!今日デートしよう、ね!」

 繰り返される美童と野梨子の朝の光景。
 美童が女性を誘うのは呼吸をする事と同じとはいえ、なんてマメな男性だろうと野梨子は思う。

「はい、予鈴が鳴りましたよ。各自クラスへ戻ってください。」
 たいてい清四郎が遮って引き離すのだが、そうでなければ繰り返しこの会話は続く。
 このパワーと粘り強さはどこからくるのだろう・・野梨子はあきれると共に感心していた。
 
484光の冠:2007/01/02(火) 22:09:11
可愛い女の子に声をかけるのは礼儀ですよ

 そう豪語するくらい、美童にとって女の子との付き合いは、衣食住と同じ基本なのだ。
 女性に限らず老若男女、すべての人に愛を振りまくため、美童の周りはいつも騒がしい。

 野梨子はよく、自分と美童は全然違うと感じる事がある。
 美童は友人が多ければ多いほどいいというが、野梨子は気心がしれた人が数人いればいいと
 思うタイプだ。世界中に恋人がいる美童に対して、野梨子は倶楽部以外の友人はほとんどいない。
 その付き合いの多さゆえに苦労も絶えないだろうが、反面羨ましい気もする野梨子だった。
 
 放課後、倶楽部の面々はデートだの遊びだの、それぞれ出かけて行った。
 清四郎も何やら研究で忙しいらしく、野梨子はひとりで家路に就く。
「野梨子、ひとり?」
 校門の手前で美童が声をかけてきた。
「美童・・デートじゃなかったんですの?」
「野梨子が一人で帰ってるのが見えたから・・急遽キャンセルして来ちゃった。」
「やめて下さいな。その方が気の毒ですわ。」
「いいんだ、別に。その子もあっさりOKしてくれたし。お互い暇つぶしだったんだよ。
 それより野梨子に渡したい物があってさ。」
 そう言って美童は野梨子を校庭に誘導した。
「何ですの?」
「これ・・・」
 美童が鞄から取り出したのは、源氏絵巻の描かれた扇だった。
485光の冠3:2007/01/02(火) 22:10:37
「まあ・・なんて素晴しい・・。」
「だろ?昔、ウィーンの骨董屋で見つけたんだよ。何でも能好きの大名の扇なんだって。」
「素敵・・江戸中期くらいのモノかしら?」
「野梨子にあげるよ。踊りのときに使ったら?」
「ダメですわ。こんな高価なもの。」
「実は・・僕が子供の頃に親にねだって買ってもらったんだ。だから高価かどうかわからないよ。」
「きっとそうですわよ。でもそれ以前に美童の大切な扇でしょう?尚更受け取れませんわ。」
「だからこそ、もらって欲しいんだよ。僕ね、野梨子に初めて会ったとき、この扇がぴったりだと思ったんだ。
 扇だって僕の部屋に飾られるより、野梨子の手の中で舞っていたいと思うよ。」
「だけど・・」
 美童はためらう野梨子の手をとり、扇を握らせた。野梨子の手のなかで、しっくりとそれはなじんだ。
 まるでやっと本来の主に出会えたかのように、生き生きと扇が輝いているように二人は感じた。
「ね、やっぱりいいよ・・。」
「美童・・ありがとう。好意だけ受け取っておきますわ。」
「どうして?気に入ったんだろ?顔にそう書いてあるよ。」
「ええ、それはもう・・私もどうやらこの扇に魅せられたようですわ。」
「だったら素直に受け取りなよ。」
「ではあの・・もしよろしかったら鑑定して買い取らせていただけませんか?」
「こんなにプレゼントしたいって言ってるのに、水くさいな。そんなに僕に貸しを作りたくない?」
「いえ、決してそういうわけでは・・。ごめんなさい、お金での解決なんて失礼ですわね。
 でも他に思いつかなくて・・。」
「じゃあ、こんな案はどうだい?」
 空が、昼から夕闇へと移っていくなか、美童はにっこりと微笑んだ。
486光の冠4:2007/01/02(火) 22:11:53
「どんな提案ですの?」
「僕も野梨子も扇も幸せになれる方法さ。君と僕が結婚すればいいんだよ。」
「・・・・・・」
「ね、そうすればこの扇は僕の物であり君の物でもあるんだよ。最高の解決方法だろ?」
「ふざけるのもいい加減にして下さいな。」
「ふざけてなんかないよ。」
 ふと、美童は真剣な表情になった。
「気が付かなかった?僕、野梨子が好きだよ。」
「ええ、可憐も悠理もバルベーラも香雪もビビアンもナターシャも・・」
「みんな可愛くて好きだよ。でも愛してるのは野梨子ひとりだ」
「・・・・・・」

 いつにない美童の真摯な態度に、野梨子は真っ赤になって戸惑い、立ちすくんだ。
「僕は軽く見られがちだし、そう思われても仕方のない行動をとってきたよ。だけど・・
 信じて欲しい。僕は野梨子に一目惚れして以来、ずーっと片思いしてたんだよ。」
「だって、そんな・・」
「清四郎がいるし、無理だってわかってたけど・・。冗談みたいにしか迫れなかったけど・・
 ただ僕は好きだったんだ。野梨子のつれない態度も、心底こたえてたんだよ。」
 
 野梨子は美童の青い瞳が潤んだような気がしたが、黄昏時の空がまぶしくてそれは
 よく分からなかった。
487光の冠5:2007/01/02(火) 22:13:53
 二人は黙ったまま、校門を出て歩き出した。
「ごめんね。野梨子を困らせる気はなかったんだけどね。」
「いえ・・私・・なんて言ったらいいのか・・。」
「いいよ、何も言わなくて。僕がすっきりしたかっただけだから。」
「私も、美童が大好きですわ。」
「清四郎も魅録も、だろ?」
「そうなんですけど、それぞれに違う‘好き’ですの。ごめんなさい、うまく言えないのですけど・・。」
「うん、なんとなく分かるよ。好きにも色々種類があるからね。」
「私・・美童に憧れてましたのよ。その、私にはないものをたくさん持ってて・・。」
「僕もそうだよ。だからこそ僕達、いい恋人になれると思ったんだけどね・・って
 あきらめたわけじゃないよ。野梨子はまだ発展途上だからね。成熟するまで待たせてもらうよ。」
「発展・・」
「そう、早く先進国になりなよ。僕や可憐みたいにね。その時がきたら改めて申し込むよ。
 扇はそのとき受け取ってもらおう。野梨子への告白記念だから恋の成就に関係なく受け取って
 もらうよね。ね、それでいいかい?」
「ええ・・喜んで。」
「けど・・なんだかこいつ、残念がってるように感じるな。野梨子、お別れにこいつで踊って
 もらえないかな?」
「今ここで?」
「頼むよ。」
 道は高級住宅街に差しかかっている。二人以外に人はいない。
「いいですわ。鞄、持ってもらえます?」
 脇道に入ると、小さな空き地があった。野梨子は扇を広げ、日本舞踊を踊りだした。

 夕焼けの中、野梨子はさながら金色の衣装を纏った天女のごとく舞った。
 美童はその美しさに心奪われ、野梨子もまたこの優雅な男性に見惚れていた。
 野梨子を見つめる美童の髪が、夕焼けに反射してきらきら輝いている。
 まるで、光の冠のようだと野梨子は思った。



                        (終り)
488名無し草:2007/01/02(火) 22:17:09
終りです。
読んでくださった方、ありがとうございました。
489名無し草:2007/01/03(水) 20:08:32
移転してたのに今気づいた。
みなさんあけおめ。
490名無し草:2007/01/06(土) 00:30:54
新年早々新しいのが!
今年もいろいろなお話が読めますように・・・
(他力本願でスマソ)
491名無し草:2007/01/11(木) 19:00:55
なんか調子悪いので、確認がてら保守保守
492名無し草:2007/01/12(金) 21:50:45
おまいら、2ちゃんねる閉鎖したらどうするよ?
493名無し草:2007/01/12(金) 21:57:59
とりあえずしたらばじゃね?
494名無し草:2007/01/13(土) 10:55:24
2chなくなるの、はじめて知ったー。
いつもの閉鎖騒動のように華麗に回避してくれないかな。
495名無し草:2007/01/13(土) 16:57:15
壮大な釣りだって聞いたんだけど、どうなんだろうね。
取り合えずそっくりそのまましたらばに移動なのかな
496名無し草:2007/01/13(土) 19:06:33
壮大な釣りというのは、嘘ニュースサイトの記事だったはずだよ。

ただ、閉鎖は今のところ無いんじゃないかな。ひろゆき自身に続けていく
意思が無くなれば閉鎖だろうけど、そうじゃないようだし。
497名無し草:2007/01/13(土) 20:19:26
2chプロバイダーもサービス終了になるから結構本気だと思ったんだけども。
http://isp.2ch.net/close.html
498名無し草:2007/01/14(日) 00:33:48

http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1168593461/516
516 :SupportDESK ★ :2007/01/13(土) 01:03:17 ID:???0
今さっきまでひろゆきと焼酎を飲みながらPS3で遊んでたおれが来ましたよ
2chがなくなったら3chへでも行くかな…
一応、これを信じてはいるんだが。

http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1168605113/970
970 :TAKASHI報告人 ★ :2007/01/13(土) 00:40:45 ID:???0
忙しかったので今知った。
閉鎖は無いよ!

ドメインなんて住所です。
引っ越ししたら住所はかわります。
そんなもんでしょ。
たぶん変わらないでしょうけど。

動揺したり、この債権者に嫌がらせは止めましょう。←これ重要
499名無し草:2007/01/14(日) 00:34:42
あ、途中に文章挟んでしまった。4行目と5行目が私のコメント。
他はコピペ。
50012月、点灯:2007/01/14(日) 22:13:48
とっくに12月は終わってしまいましたが、うpします。
4レス使います。
50112月、点灯 17:2007/01/14(日) 22:16:23
>>467の続き

 野梨子は美童に手紙を書いていた。
大晦日には、恒例の年越し兼新年パーティで皆と顔をあわせることになる。
素知らぬ振りで通すことも、可憐の言うようにいつまでも待たせることも、
自分には不可能に思えた。
 それにも増して、早く決着をつけたかった。せめて自分の内だけでも。
自己満足のためだけかもしれないという思いもあったが、このまま放置していては、
心の平安を得られそうになかった。
 美童はかけがえの無い友人であること。けれど異性として考えたときに
感じるどうしようも無い違和感のこと。だからといって美童に対して感じる
友人としての愛情は何ら損なわれるものではないこと。
 それらを書き綴り、封をした。
50212月、点灯 18:2007/01/14(日) 22:17:08
 手紙を投函した帰り道、清四郎と出会った。
 清四郎は書店の帰りだと言って、本が何冊か入った袋を見せた。
 並んで歩きながら、野梨子は何気ない風を装って切り出した。
「私ね、ある殿方から交際を申し込まれましたの」
 清四郎は黙って聞いている。相槌をうつわけでもなく、先を促すわけでもないが、
聞き流してはいないことが、野梨子にはわかる。
「その方のことは好きでしたのよ。でも受け入れられなくて……。
 最初は、今の関係を壊すのが怖くて受け入れられないのかと思いましたの。
 けれど違いましたわ。
 友人を愛するということと、異性を愛するということは、違いますのね。
 知識としては知っていたのに、自分がその立場になってみるまで、
 それがどういうことなのかわかっていませんでしたわ」
 野梨子は、相手が美童だとは言わない。清四郎も、それが誰なのかと聞かなかった。
「私、本当に子どもですのね」
 清四郎は黙ったまま、うつむいた野梨子の頭を軽く叩いた。
「可憐に、髪を伸ばしてみたらどうかと言われましたわ」
 清四郎は自分の掌の下にある肩より短く切り揃えられた真っ直ぐな髪を見つめ、
口を開いた。
「もう少し、そのままでもいいんじゃないですか」
 野梨子は顔を上げ、意外そうに清四郎を見つめた。
50312月、点灯 19:2007/01/14(日) 22:18:03
 大晦日、例年通り全員が剣菱邸に集まった。
 野梨子はそこに、以前と変わらないように見える美童を見つけ、安堵していた。
そして、そう振舞える彼に感謝した。
 変わるのを怖れる野梨子の気持ちに添うように在ろうとしてくれる美童。
本当に変わらない訳ではないことは野梨子も知っている。そういう態度がとれる程に
彼の精神は成熟しているのだと、改めて思った。
 幼いということ自体は恥じることではないけれど、自覚しても尚そこに留まりたいと
感じる自分の心は臆病者のそれなのだろうか。
 そんなことをつらつら考えていると、悠理に声をかけられた。
「野梨子、どうした? ぼーっとしてるぞ」
 食べ物を次々に口に入れながらも、目だけは大丈夫かと問うているように見える。
「ちょっと考え事をしていましたの。
 でも、何でもありませんわ」
 笑顔を見せると、悠理はふーんと呟いて、それ以上は何も言わない。
 すぐに態度に出てしまう自分がひどく未熟に思えて、野梨子は恥じた。

 パーティーは年越しそばの大食い大会に変わり、大量のそばに皆が辟易して来た頃、
剣菱邸の近くの寺から厳かな除夜の鐘の音が響き始めた。
 早々と戦線離脱して悠理と万作の食べっぷりを眺めていた野梨子は、
鐘の音に耳を澄ませ静かに今年を振り返る。
 皆で事件に巻き込まれたこと。あるいは自分たちから首を突っ込んだこと。
馬鹿騒ぎしたこと。笑い転げたこと。
 去来する記憶のほとんどは、有閑倶楽部にまつわることだ。
 思い出すというにはまだ生々しすぎるが、今回のことも頭をよぎる。野梨子は
美童の方をちら、と見やった。
 去年の美童は、除夜の鐘が聞こえる数時間前から鳴り始めた携帯に、
様々な言語で応対していた。実に楽しそうに。
 それが今年は、この時刻になっても気持ち悪そうにお腹をさすりながら、
少し離れた場所で休憩しているだけだ。
 そんな様子を見て取って、少しだけ申し訳ないような気持ちになった。そして、
もっと僅かにではあるが嬉しいという感情を自分の中に見つけて戸惑った。
親密さを求める手に嫌悪感を持つ程、彼の気持ちを受け入れられないのに。
50412月、点灯 19:2007/01/14(日) 22:18:58
 少し考えて、自分は彼の好意が嬉しいのだと気付いた。
相手の気持ちを受け入れることはできなくても、好かれていること自体は
嬉しかったのだと。
 野梨子はこれまで、異性に好意を示されて嬉しいと思ったことは一度しかなかった。
唯一度の経験を除いて、彼女にとっては煩わしいことの筆頭だった。
 自分の中で、何かが変わり始めているような気がした。

 野梨子はちらりと見たつもりだったが、そのまま考え事をしていたので、
視線は美童に固定されたままだった。
 美童はその視線に気付き、笑って見せた。胃がつらいのか、あるいは心か、
目と眉は苦しそうな表情のまま、頬と口で笑顔を形づくっている。
その表情は、人に可愛いと思わせるぎりぎりで情けなさも感じさせた。
 野梨子もつられて自然と微笑みを返す。そして、美童はどんなときにでも
表情をつくるのが上手だ、と思った。

 野梨子は心の中に、小さな灯が点ったような感覚を覚えていた。
 裕也に恋したときに感じたものと似ている。その時の灯は裕也との別離の後、
すぐに消えてしまっていた。
 今回のきっかけは美童だったが、美童に対するものではない。というよりむしろ、
特定の相手に対してのものではなかった。
 この灯に名前があるとしたら、「女」というものなのかもしれない。

 そんなことを考えていたら、いつの間にか除夜の鐘は聞こえなくなっており、
そう意識した瞬間クラッカーが鳴り渡った。
 野梨子は、新しい年、と呟き、新しい私、と続けた。
 変化は怖れるようなことではないのかもしれない。もしかしたら、
変化は好ましいことなのかもしれない。
 野梨子は知らぬうちに、笑顔になっていた。
 その笑顔はいつか、友達というなの宝石を見つけたときに見せた笑顔を
髣髴とさせるものだった。

終わり
50512月、点灯:2007/01/14(日) 22:21:41
読んでくださった方も、スルーしてくださった方も、ありがとうございました。
長々とお付き合いいただくことになってしまい、申し訳ありませんでした。
506名無し草:2007/01/14(日) 22:24:03
>>12月〜
おつかれさまでした
変化を受け入れられる野梨子がとてもらしくて可愛らしかったです
次もお待ちしてます
507名無し草:2007/01/14(日) 22:32:10
>>12

面白かったです、乙!
>「もう少し、そのままでもいいんじゃないですか」
このセリフに、清四郎の心情が表れててうまいなーとオモタ
野梨子の心の動きがすごく自然でよかったです。
また機会があったら、書いてください。
508名無し草:2007/01/15(月) 00:06:19
>12月
乙です!
爽やかな終わり方がこのSSに合ってて、読後感がよかったです。
野梨子スキーなので終始萌えさせてもらいました。
行動や心情が野梨子らしいし、自身を恥じるところが可愛い。
509名無し草:2007/01/15(月) 02:31:29
>点灯
続き待ってました!
最後まで、丁寧な心理描写に引き込まれました。
コンプレックスを感じたり、自己嫌悪に陥ったりする野梨子って
本当に真面目で可愛いですよね〜。結成秘話の時とか。
素敵なお話を、ありがとうございました。
510散る散る満ちる:2007/01/16(火) 01:32:26
8レス分の短編、アップさせてください。
「CPはなし」と言いたいぐらいに薄い魅録→野梨子です。
>>423-427(君の名を呼ぶ)の続きのつもりですが、
別に単品でも読めると思います。
魅録と可憐がメインです。
好き勝手書いた山も意味もオチもない内容ですが、
暇つぶしにでもなりましたら嬉しく思います。
511散る散る満ちる 1/8:2007/01/16(火) 01:33:02
テーブルにF1雑誌を開いていた自分の目の前で、かたんと音がした。
生徒会室用の自分のコーヒーカップ。
置いた手の主は可憐だった。
いつもよりも乱暴なしぐさ、どうやらご機嫌斜めらしい。
愚痴に付き合わされる気配を察して、魅録は小さく肩をすくめた。

「サンキュ」

年齢よりも大人びた雰囲気。
教師に咎められない程度の、しかし自分を美しく見せるために計算しつくされた化粧。
美貌の持ち主は、魅録の予測にたがわず一見してわかるほどに不機嫌だった。
魅録の礼を無視して、可憐は隣の椅子に座る。
にこりともしないで。

やれやれと、魅録はコーヒーカップに口をつけた。
机にその両肘を突いて、正面に座っている野梨子をにらみつけるように見つめながら、
可憐は魅録以外には聞こえないような声でつぶやいた。



「まったく、どうして男どもはあんな女がいいのかしらね」
512散る散る満ちる 2/8:2007/01/16(火) 01:33:48
当の野梨子は、美童と和やかに歓談している。
日本の名家の箱入り娘と、北欧の貴族の血を引くご子息。
本性がどうであれ、このふたりには生まれながらの気品がある。

大体の話の流れは理解したが、一応、礼儀として魅録は訊き返した。

「どうしたんだよ、一体」

可憐の不機嫌な顔はいっそうひどくなる。
相変わらず小声で言った。

「三年の、……名前はもう忘れたけど、男に声をかけられたの」
「日常茶飯事だろ」
「そうよ。そしたらそいつ、何て言ったと思う?
 『白鹿さんを紹介してください』ですって。この可憐さんに向かって」

まあ、わからないでもない。
野梨子の男性嫌いは学園中の知るところであるし、女子生徒で親しい相手もそんなに多くない。
仲介を依頼するなら悠理か可憐――その二択だったら、誰でも可憐を選ぶだろう。

「あんな、男を人間と思ってない女のどこがいいのかしら。あー、もう、腹立つ」



――それは、この学園という場がいけないのではないかと魅録は思う。
513散る散る満ちる 3/8:2007/01/16(火) 01:34:29
良家の子女が集う聖プレジデント学園。
その中でも、大観や魁夷と並ぶとも言われる日本画家の大家と、
多くの分家を抱える白鹿流宗家の家元を両親に持つ野梨子の家柄は突出している。
それに加え、成績優秀、品行方正の優等生である野梨子を相手に……
と考える金持ちのボンボンは多いだろう。

例えば、魅録の通っていた中学のような、ごく普通の公立でなら、
野梨子よりも可憐の方がもてるだろうと思う。
この学園では珍しくなくとも、世間一般に照らし合わせれば宝石商の娘は十分に資産家だと言えるし、
何より可憐は美人で社交的だ。
そういう場だったら、近寄りがたい雰囲気の野梨子より、
明るくて話しやすい可憐の方が好まれるはずだ。



……ただ、可憐と野梨子の男性人気が逆転したとして、
野梨子が悔しがるとも思えないし、仮定の話で可憐の自尊心が回復するとも思えない。
だから、魅録は余計なことを言うのをやめて、再度コーヒーカップに口をつけた。



「あーあ、本当に男って何考えてるかわかんないわ。
 ……そういえば、あんたもあんたで野梨子には甘いしねえ」



……含んだコーヒーを吹き出さずに飲みこんだことを褒めて欲しい。
514散る散る満ちる 4/8:2007/01/16(火) 01:35:27
「はあ?」
「いいわよねえ、ああいうタイプは。周りが勝手にちやほやしてくれるんですもの」
「ったく、人の話を聞けよな」

可憐が覚えていないことを責めるつもりは毛頭ないが、
可憐を救うために魅録と清四郎は鬼女と相対して死にかけたこともあるのだ。
別に、思い出して感謝しろとは言わない。
が、これではあまりに報われない。

「俺を話に巻きこむなよ」

魅録のつぶやきを聞き取ったのだろう可憐は、
ぱっと上体を起こして上半身ごとこちらに向き直った。
浮かない顔が、いつの間にやらきらきらした笑顔に変わっている。
――そう、例えて言うなら新しいおもちゃを見つけたときのような。

「そーよお、魅録のタイプって、あーいう気の強いお嬢さまって感じよね」
「……おい」
「チチもそんな感じだったわよね」
「勘弁してくれよ。あのなあ、勝手に憶測であれこれ言うな」

不良少年とお嬢さまなんて典型的よねえ、と可憐は楽しそうに続けている。
自分の母親もそうなのだが、どうして女は人のゴシップ話が好きなのだろうか。
美童との話に熱中してくれているからいいものの、野梨子の耳に入ったら笑えない話だ。
……自分としても触れられたくないところである。
可憐の憂さ晴らしも済んだだろうし、魅録はさっさと話題を変えることにした。
515散る散る満ちる 5/8:2007/01/16(火) 01:36:12
「おまえ、人のこと心配する前に来週の試験の心配でもしてろよ」
「……どうしてあんたは勉強してる様子もないのに余裕なの」
「清四郎か野梨子に言えよ」
「あのふたりは頭の構造が違うのよ。平均点で十分なの、あたしは」

総合点では清四郎や野梨子に敵わないものの、
魅録なら理系科目、美童なら語学や西洋史という、
各々の得意分野では決してそのふたりに劣らない。
美童は地理と古典が足を引っ張っているが、特に苦手科目のない魅録はそこそこ成績優秀だった。

「受験組に比べたら期末試験ぐらい何てことないだろ」

可憐は、こちらを向いたまま片肘をテーブルに付いた。

「ま、ね。うちのクラスにも何人かいるわ」

数自体は少ないが、外部の大学を受験する生徒もいないわけではない。
医大、芸術系の大学、聖プレジデントより偏差値の高い国公立や私立の大学、
海外の大学などがその主な進路だ。
期末試験どころではない、センター対策や赤本確認など、やることはいくらでもある。

「確かに、それに比べたら楽ねえ。エスカレーターっていいわね」
「そういや、志望学部どこにした?」
「商学部か、経営あたりかしらね。第三希望は……どこにしたんだったかしら。魅録は理系でしょ?」
「……まーな」
516散る散る満ちる 6/8:2007/01/16(火) 01:36:53
気も晴れたのだろう、すっかり元のペースに戻った可憐は、ふふんと笑った。
嫌な予感がする。
大体、自分は昔から女に勝てた覚えがないのだ。
……あの母親を筆頭に。

「お嬢さまは、心優しい不良に弱いって昔から言うじゃない」
「……あのなあ」

反論しようとした魅録を制して、可憐がからかうように言った。



「刈穂さん、だっけ? ……あんたも、野梨子の好みからは外れてないと思うわよお」
517散る散る満ちる 7/8:2007/01/16(火) 01:37:35
――ここで、自分の背後の扉が開かなかったら、一体どうなっていただろう。
大げさでなく、聞こえてきた会話に命拾いをした。

「何で試験前に小テストの追試なんか受けなきゃいけないんだよお!
 期末試験で合格点取ったらいいじゃないか」
「ほおー。その言い方だと、期末試験は余裕で合格、というところですか?」
「うっ……」

可憐だけでなく、野梨子と美童も会話を止めて、入ってきた悠理と清四郎のやりとりを見つめていた。
先ほどの可憐と同じか、それ以上に憮然としている悠理は、
さっさと生徒会室内に足を踏み入れ、菓子の入っている棚を豪快に開けた。

「くそお、食ってやる! 可憐、コーヒー!」
「あのね、あたしゃあんたのコーヒー係じゃないのよ!」

そう言いながらも、面倒見のいい可憐はコーヒーを淹れに立ち上がった。
どうやら、本格的に会話は流れてしまったらしい。
ほっとしたところでようやく、可憐の淹れてくれたコーヒーがすでに冷めかけていることに気づき、
魅録はカップを手に取った。
518散る散る満ちる 8/8:2007/01/16(火) 01:38:27



捜し求めているものは、案外近くにあるという。
それは魅録だってわかっている。
だけど、捕まえようとした瞬間に、その青い鳥は兄妹の手から飛び去ってしまうのだ。



進路調査票。
――魅録の提出したそれの第一希望と第二希望には、外部の理系大学の学校名が書かれている。
そのことを、可憐はもちろん、悠理も野梨子も美童も、清四郎さえも知らない。



意識とは別のところで静かに満ちていく想い。
何度散らそうと思っても、きっと理性ではどうにもならない感情。
考えただけでうんざりする。
だから気づきたくなかったのに。





――もう少しだけ、そう、せめて高校を卒業するまでは、気づかないふりをしていたいんだ。
519散る散る満ちる:2007/01/16(火) 01:41:31
これで終わりです。続きはありません。
前の話も続き物ではない単発小ネタのつもりだったのですが、
私の書き方が悪かったせいか、誤解を与えてしまって申し訳ありませんでした。
>>460さん、フォローありがとうございます)
それでは、読者に戻りたいと思います。お目汚し失礼しました。
520名無し草:2007/01/16(火) 07:23:19
乙です。楽しく読ませていただきました。

ところで、
>例えば、魅録の通っていた中学のような、ごく普通の公立でなら、
>野梨子よりも可憐の方がもてるだろうと思う。

これ、自分も思ったことがあります。w
521名無し草:2007/01/16(火) 10:08:29
>散る散る
乙でした。
魅録も可憐もすごくらしくて良かったです。
生徒会室のコーヒーの香りが漂ってきそうな雰囲気に、
自分までコーヒー飲みたくなってきましたw
522名無し草:2007/01/17(水) 01:30:25
>散る散る
タイトルが内容と合ってて素敵でした。
前回、作者さんの書き方が悪かったんじゃなくて、思わず続きを
催促したくなる作品だったんだと思いますよ。
次回がないのは残念ですが、読めてうれしかったです。
523名無し草:2007/01/18(木) 15:47:01
白鹿の甘酒ソフトキャンディーを店で見つけて、思わず買っちゃったよ。
味は微妙だったけどw
私は普段お酒を飲まないんだけど、ここスレの人たちって、
やっぱり贔屓のキャラの銘柄飲んだりしてる?
524名無し草:2007/01/18(木) 15:56:41
日本酒は好きだけど、大手メーカーのは正直苦手。
ただ、頂き物のお酒で剣菱は多いかな。
525名無し草:2007/01/18(木) 16:10:10
贈答に多いってことは、一定レベルってことだよね。
親戚や友人は、夫も私も下戸なの知ってるから、お酒をいただくこともほとんどないや。

でも、どの銘柄も飲んだこと無いから、ちょっとくらい飲んでみようかな。
あ、グランマルニエは家にあった(お菓子用だけど)。
すっかり忘れてた。
これ、飲むとしたらどうやって飲んだらいいんだろう。
何かと混ぜてカクテルとかかな。
526名無し草:2007/01/18(木) 16:16:12
>>525
今見てみたら、ロックにしてオレンジを一切れ浮かべるだけで
立派なカクテルになるそうだよ。
おいしそうなので自分も今度やってみよう。
527名無し草:2007/01/18(木) 16:34:55
>>526
THX。美味しそうだね。
目の前の便利な箱使えば良かったんだ<自分
下戸の私には、ロックは流石にちょっとアルコール強すぎなので、
炭酸水かオレンジジュースで割ってみます。
関係ないけど、グランマルニエのカクテル検索してたら、
レット・バトラーってのがあって、ちょっとワロタ。
美童とレットって意外と似てるかも、とか妄想し始めちゃったよ。
528名無し草:2007/01/18(木) 21:10:52
>>523
日本酒大好きなので、好きな銘柄が登場してほしいけど、
名前になりそうにないので期待できないw
普段には白鹿のお酒はちょくちょく飲む。
529名無し草:2007/01/18(木) 21:32:36
>>528
そう言えば以前、名前に使えそうな銘柄を挙げてくれた人がいたね。
嵐さんのところの小ネタをざっと見てみたけど、見つけられなかった。
元のスレッド見るしかないかな。
あれっていつ頃だったっけ。
5301月、大寒:2007/01/18(木) 22:26:16
お酒の話題の中すみませんが、5レスお借りします。
「12月、点灯」で悠理の出番が余りに少なかったので、
彼女はどう思ってるんだろうと考えていたら、
短編にしたくなってしまいました。
カプ無しですが、魅録と悠理の仲が良いです。
5311月、大寒 1:2007/01/18(木) 22:27:08
 野梨子が変わった。ような気がする。
 具体的には何がどう変わったかはわからない。けど何ていうか……。
ちょっとしたときに見せる表情や仕草なんかが、あたいの知ってる野梨子とは違う。

 例えば今日、あたいが野梨子に教科書を借りに行った時、クラスメートの男子が
野梨子にノートを見せて欲しいと言いに来た。いくつかの例外はあるけど
(あたいはもちろんその例外だ)、野梨子はそういうのは基本的に断る。
断るときに見せる冷ややかな目つきが簡単に想像できて、ちょっとだけその男に同情した。
でも今日の野梨子は違った。
「お断りしますわ」
 言葉はいつもと一緒。愛想のかけらも無い。
 あたいが、おっ、と思ったのは、そう言った時の表情が柔らかかったから。
 思わず野梨子の顔と相手の顔を、まじまじ見比べてしまった。
 相手の顔は何度か見たことがある。野梨子の崇拝者のひとりで、比較的行動的な奴だ。
何かと(無駄な)用事をつくっては、野梨子に話しかけている。冷たい態度にもめげず、
何度も繰り返してたから、密かにこいつマゾなんじゃないかと思ってた。
 その男も野梨子の表情の違いに気付いたんだろう(それだけ何度も断られてるって
わけか。こいつ、あたいより馬鹿だ)。断られたっていうのに、真っ赤になって
凄く嬉しそうに、「す、すみません」なんて言っている。どうやらマゾでは
なかったらしい。
 複数の視線を感じて辺りを見回すと、案の定。クラスの男子の何人かが、
羨ましそうに溜め息をついていた。結局、断られてることには変わりないのに、
世の中、想像以上に馬鹿が多い。
 あーあ、これで明日のラブレターが増えるぞ。
「野梨子、何か良い事あった?」
 聞いてみたけど、不思議そうに「ありませんわ」と言われた。
 そうだろうな。一瞬、機嫌が良いせいかと思ったけど、他にはそういう素振りは
なかったもんな。
 ま、いいかと思ってあたいは一言残してその場を去った。
「教科書、サンキュ」
5321月、大寒 2:2007/01/18(木) 22:27:40
 放課後、あたいは掃除当番を済ませて、いつも通り生徒会室へ行った。
 扉を開けると、コーヒーの良い香りがする。可憐が先に来てるんだろう。
可憐の淹れるコーヒーは香りも味も絶品だ。豆の種類なんてあんまり気にしないけど、
旨いか不味いかくらいはわかる。他の奴らはコーヒーメーカーを使うけど、
可憐は豆の種類や挽き方に合わせて、色んな器具を使い分けてる。
今日のはえーっと……、この香りならたぶん、ひょうたんみたいな形のガラスを、
アルコールランプにかける奴だと思う。家で飲むコーヒーよりも旨いってことは、
訓練されたメイド(母ちゃんの仕込みだから、うちのメイドの躾は結構厳しい)より
技術があるって事だよな。
 なんて、つらつら考えながら椅子に座ると、目の前にコーヒーが出てきた。
「そろそろ来る頃だと思ってたわ」
「サンキュ」
 タイミングも抜群。これも玉の輿の為の努力の成果なんだろうか。
 他には誰が来てるかな、と部屋を見回すと、魅録が居た。あたいはちょっとむっとした。
「魅録、お前今日掃除当番だっただろ? サボるんならあたいも誘えよな」
「人数足りてたろ? ちょっと貸しがある奴が、礼だって代わってくれたんだよ」
 ちぇ、なんて舌打ちしてると、美童も来た。
 そう言えば、こいつも何だかおかしいんだよな。女の気配が薄くなった。
ま、これもあたいには全然関係ないことだ。
「今日のおやつは、なーにっかなー」
 コーヒーを飲み干して席を立ち、可憐の方へ寄ってみる。
「ロイズの生チョコがあるわよ」
 やりぃっ、と冷蔵庫の方へ駆けて行く。20粒入りの箱が6つ、てことは、
あたいが半分食べても、ひとり10粒は食べられるから文句は出ないな。
で、魅録と清四郎は5つ、いや3つで十分だろうから……。考えながら手は包装を
どんどん解いていく。
「ちょっとぉ。今お皿に移すから、箱のまま食べないでよね」
 可憐に箱を取り上げられた。「お嬢様の癖に」とか何とかぶつぶつ言いながら
チョコレートを皿に並べている可憐の手元をじっと見ていたけど、駄目だ。
もう限界。
5331月、大寒 3:2007/01/18(木) 22:28:12
「おっさき〜」
 それでも一応声をかけて手を伸ばした。ら、手首を掴まれた。この手は知ってるぞ。
こういう時に、いっつもあたいの邪魔をするにっくき手だ。
「清四郎っ。いつの間に来てたんだよ」
「僕はちゃんと声をかけましたよ。悠理が聞いていないだけです。
 それより何ですか、行儀が悪い」
 むー……。返す言葉も無く、じとっと睨んでいると、天使の声が聞こえた。
「さぁ、召し上がれ」
 この列がシャンパンでこの列がマイルドカカオで……、なんて説明する可憐の声が
聞こえた気がするけど、そんなことは食べたらわかる。あたいは心置きなく
手を伸ばした。フォークと取り皿がありますわよ、という声も聞こえた気がするけど、
既に口に広がるチョコとキャラメルの香りを堪能していたあたいはもちろん、
そんな些細なことは気にしなかった。これがキャラメルの列っと。次は――。

 大皿も空っぽになって、あたいも一通り満足したところで、可憐に言われた。
「悠理ってば、手が黒くなってるわよ。洗ってきなさいよ」
「こんなもん、舐めときゃ平気」
 そう言って指を口に突っ込むと、もう一人の女友達の声がした。
「口の周りも汚れてますわよ。鏡をお貸ししますから行きましょう」
 野梨子も居たのか。そういえば、フォークや取り皿がどうとか言ってたのは
野梨子の声だったような。
 野梨子に腕をとられて、洗面台に連れてこられた。わざわざ貸してくれなくても、
ここ鏡ついてるじゃないか。
 そう言ってやると野梨子は、「そうでしたわね」と笑った。
 手をじゃぶじゃぶ洗ってると、隣で野梨子はハンカチを絞っていた。差し出されるかと
思ったら、「こっちを向いてくださいな」と言われた。その通りに野梨子の方を向いたら、
細い手が伸びてきて口元をぬぐってくれた。
 こいつ、こんなに面倒見が良かったっけ。
 そう思ったとき、ふわっとした淡い香りが鼻をかすめた。
「何か香りつけてる?」
 野梨子の頬が少し赤らんだように見えたのは、気のせいだろうか。
「……母様にもらった練り香水を」
5341月、大寒 4:2007/01/18(木) 22:28:44
 小さな声で答えた野梨子は、やっぱりあたいの知ってる野梨子じゃなかった。
 野梨子はいつも良い匂いがしてた。けどそれは、清潔な衣類の匂いだったり、
手を洗った石鹸の匂いだったりした。着物の時はそりゃ、香を焚き染めてたり
することもあったけど、学校に香りをまとって来るようなことはなかった。
シャンプーでさえ香りの強いものは選ばない、あたいの知ってる野梨子は、
そんな女だったはずだ。
「珍しいな」
 辛うじてそれだけ言って、席に戻った。これが野梨子じゃなくて可憐だったら、
色気づいてどうしたんだよ、くらい言えた気がする(可憐は香水くらい、普段から
つけてるけど)。
 ……色気づいてる、のか?
 どうしてかはわからないけど、あたいは軽くショックだった。
「ふー。食うもん食ったし、そろそろ帰ろうかな」
 これ以上、野梨子の変化を知りたくなくて、あたいは帰る準備をする。
「魅録ちゃーん、バイクで来てんだろ? 送ってってよ」
 ついでに、こういう時そばにいると一番安心できるダチに声をかけてみる。
「別にいいけど、おまえ、バイクに乗れるような上着持ってるか。
 外、すげー寒いぞ」
 あたいは無言で、生徒会室のロッカーからバイク用のレザージャケットを取り出す。
冬にはいつもここに準備してある。もちろんメットも(こっちは季節関係ないけど)。
 それからポケットの携帯も取り出す。
「あ、明輪? あたい今日、魅録に送ってもらうから。そ、だから迎えは要らない。
 うん、じゃね」
 悠理は生徒会室におやつ食べに来てるんですかね、とか、チョコレートあれだけ食べて
よく気分悪くならないよね、とか勝手な声が聞こえたけど、とりあえず無視しておく。
「じゃ、また明日な」
 ひらひら手を振って、生徒会室を後にした。
5351月、大寒 5:2007/01/18(木) 22:29:16
 魅録の言ったとおり、外は滅茶苦茶寒かった。
 肩をすくめて手をすりあわせると、懐かしい童謡が口をついて出た。
「おーさむ、こさむ」
「山から小僧が飛んで来た、だっけ?」
 魅録はなかなか歌がうまい。ロックがうまいのは知ってたけど、童謡も歌えるんだな。
「さあ? 最初しか覚えてない。あたいが全部覚えてるわけないだろ」
 そう言うと、もっと知らない言葉が出てきた。
「おおさむこさむって、やっぱあれかな。大寒とか小寒とかと関係あるのかな」
「だいかん、しょーかんって何だよ。あたいが知ってる言葉使えよ」
「小寒って日が1月の始め頃にあって、大寒って日が1月の終わり頃にあるんだよ。
 1年で一番寒い頃だって言われてるな」
「へー。じゃ、今が一番寒い頃なんだ」
 あたいの心が何だか寒いのも、この時期のせいなのかな。もっと暖かくなったら、
野梨子が変わっても、好意的に見られるんだろうか。
 メットを被って、バイクの後ろにまたがった。それから、ぎゅーっと思い切り
魅録にしがみついた。
「行くぞ」
 バイクで走ると一層寒いけど、しがみついてる部分は温かい。自分で走るのも
好きだけど、魅録に乗せてもらうと不安から一番遠いところに居る気がする。
安全運転なんて言えたもんじゃないのに、
「魅録は変わらないでくれよな」
 聞こえるはずが無いのを知ってて、魅録の背中に向かって呟いた。
 今は真冬で、春はまだまだうんと先だ。


終わり
536名無し草:2007/01/18(木) 23:58:04
>大寒
点灯に続いてまたまた素敵です。
野梨子の変化にとまどっている悠理が
かわいくて・・・すごいらしくっていい!

この流れでいくと、もしかして次は
野梨子の変化を清四郎、魅録がどう思うか・・・
なんて続編が読めたら嬉しいなぁと
密かに期待してしまいます。
537名無し草:2007/01/19(金) 19:48:17
おお、新作が!
>大寒
キャラがそれぞれ、イメージ通りなのが嬉しいです。
悠理一人称でシリアス系、自分の中ではかなりの難易度高めだと思うのですが
全く違和感ありませんでした。あーいいもん読ませてもらった。
ほのかな悠理→魅録、イイ!
続編、あったら嬉しいです。
538名無し草:2007/01/21(日) 02:39:08
自然でいいですね。
539名無し草:2007/01/22(月) 22:42:28
あれ?また移転?
540名無し草:2007/01/24(水) 15:01:11
久しぶりに嵐さんのとこで昔の作品を読んで来た。
「病院坂」がイイ所で終わってて残念。
続きどうなるんだろう??
清四郎の実家の病院でぴったりの心臓がなかったときは
野梨子の心臓使うために養女にしたのかな〜と思った。
魅録が助けてくれるといいけど。
541名無し草:2007/01/24(水) 15:45:54
野梨子の持病ってのも気になるよね
542名無し草:2007/01/24(水) 19:18:03
>養女
そうだとしたら教授かなりの悪だね。
でも病院坂は先が見えない話だから、
妄想しても作者は斜め上を行ってそうな気がするし。
なににせよ、自分的に病院坂はトップ3の中に入る名作だ
543名無し草:2007/01/24(水) 20:21:38
私も読み直してきた。<病院坂

何パターンか想像してみたけど、どれも暗いorz
横溝風だし人死にが出るんだろうな、とは思うけど、
やっぱり誰かが死んだらショックだよね。
続きを楽しみにしてたけど、未完ならそれもありかな、
とか思ってしまうヘタレでつ。

でももし、作者さんがまだここ見てて、書く気があるなら
やっぱり読みたいな。
544名無し草:2007/01/26(金) 17:38:16
病院坂の作家さん、ここ見てないかな〜
たくさん伏線を貼ってそうだし続きがすごく気になる。
清四郎や白鹿父が野梨子を物としか扱わない、
研究内容は秘密にして、本を読むと罵る
心臓を採らないまでも、何かの実験材料にしそうだ。
妊娠させてその受精卵をとか。
545名無し草:2007/01/26(金) 19:34:52
>物としか扱わない
この話の清四郎はダークだけど野梨子を物扱いとまでは
まだグレーだと思うなぁ。
野梨子との情事の間「嫉妬とも哀れみともつかない表情をして」と
書いてるから。
もしかして野梨子にたいして歪んだ愛情があるのかなとも。
でも清四郎の本当のところの考えは今の段階じゃ分からないな〜
年月がたちすぎてて忘れかけてたが、続きが読みたい・・。
546名無し草:2007/01/26(金) 21:09:42
続きが読みたくなるから、嵐さんのところに行っても
病院坂は読まないようにしてたのに…
久々に読み返してしまったジャマイカ
547名無し草:2007/01/26(金) 22:01:59
病院坂もさることながら
私的に 檻 の続きも気になる。
作家さん見てないかなぁ・・・
548名無し草:2007/01/26(金) 22:32:38
>>547
同じく。
檻はどういう展開に向かうかずっと気になってる。
久しぶりに同好会に行って読んでしまった…。
549名無し草:2007/01/26(金) 23:12:01
久しぶりに同好会読み替えしたけど、掲載されてない小説あるよね?
作家さんが断ったのかな?
野梨子が誘拐されてレイプされそうになる話が
何年か前にあったと思ったんだけど…
550名無し草:2007/01/26(金) 23:31:08
>誘拐
清野のだね
その作家さんの作品は長期連載物が3つあったし、
そのなかの一つは連載途中のまま終わってるよね。
作家さん自ら作品を消して欲しいといったのではないかと思う。
上手な作家だと思ってるんだけどな。
551名無し草:2007/01/27(土) 01:03:09
>550
そうそう!ぐいぐい読ませる作家さんで、
あのシリーズ読んで清野も好きになった。
連載中、わりと大量投下してくれて
すごく更新が楽しみだったのにな。
あの作家さんの作品一つも掲載されてないよね。残念。

清四郎の運転免許のも続きが読みたいな〜
552名無し草:2007/01/27(土) 22:27:59
>549
喪失編 引火編 だよね。
過去ログ妄想3の627から読めますよ。
私もあのシリーズはホントとってもすきだったので
嵐さんとこにないのがほんと残念。
だから過去ログ探って読み返してます。
作家さんが消して欲しいと言ったとしたなら
ここにももうきてないのでしょうか・・・




553名無し草
>>551-552
私も好きだった。
過去ログから探すのが大変なのと、嵐さんのサイトで読めないから
前に過去ログからメモ帳に全部コピペして保存したよ。
(作者さんスマソ。1人で楽しむだけなので。)