耐震強度偽装問題で、自民党ワーキングチームによる関係者へのヒアリングが11日、
東京・永田町の党本部で行われた。偽装を最初に見つけた設計事務所「アトラス設計」の
渡辺朋幸代表(44)は、指定確認検査機関「イーホームズ」の藤田東吾社長(44)から、
恫喝とも取られかねない“恐怖の忠告”を受けていたことを暴露。また偽装発覚の経緯など
で、イーホームズが事実と違う内容を公表しているとも主張した。
昨年10月の段階で、図面に不審を感じた姉歯物件の再チェックを電話や関係者を通じて
イーホームズ側に忠告していた渡辺代表。藤田社長に初めて会ったのは、問題が公になっ
た同11月17日直後の21日。
「お宅誰?何しに来たの?」といきなりジャブを見舞った藤田社長。そして「あなた電車に
乗るときホームの端に立たない方がいいですよ…私も弁護士に言われているから気を付
けてください」と言い放ったという。
これまで「問題を最初に公表した」と、事件発覚への貢献をアピールしてきた藤田社長。
姉歯氏やマンションを販売したヒューザーの「自称オジャマモン」こと小嶋進社長(52)ら
強烈なキャラクターとは対照的に、そのあか抜けたスマートな印象が強い。
しかし渡辺氏は藤田社長のこわもてぶりをも明らかにした。藤田社長は昨年12月15日
に東京・渋谷区のアトラス設計に突如押しかけてきて「どうして稲城の物件のことを知って
いたんだ」などと高圧的な態度で迫ってきたという。
「(同12月7日の)参考人招致では、聞かれたことにだけ答えるように言われたので言え
なかった。本当は聞いてほしいことがたくさんあった」と胸の内を一気にぶちまけた渡辺
代表。アトラス社員が、イーホームズが手がけた姉歯物件について、電卓片手にわずか
1時間で偽装の仕組みを見抜いたことも明らかにした。確認検査機関の責任の重さが改め
て問われそうだ。
なお「電車のホーム発言」についてイーホームズ側は「藤田もヒューザーの小嶋社長に
恫喝されたというのがある。聞いてみないと分かりませんが、言ったかもしれませんね」と
している。
スポ報知:
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/news/jan/o20060111_10.htm