【taca・】 ひかり荘 428 【死ね】

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348名無し草
・「お父さん、帰ってきたよー」。望月花代さん(77)は一人残された家の仏壇に手を合わせた。
 山梨県早川町の大原野地区。夫の正芳さん(82)は昨年12月15日に亡くなった。かつて
 200人以上が暮らした集落は、花代さんと隣人の女性2人だけになった。バイクで1時間かけ
 隣町のスーパーへ行った帰りの事故だった。亡くなる1週間前、記者(32)は消えゆく集落を
 取材するため、正芳さんに会った。「この足じゃ来年から単車も駄目さあ」「でもここが一番ええ。
 ここを出ていかんでよかった」

 町の96%を覆う森林は戦後、焼け野原の東京に木材をもたらした。しかし、木材輸入自由化で
 林業は衰退し、約300人いた林業従事者は10分の1にまで減った。
 町に残されたのは、下草刈りや間伐がされていない「放置林」だ。町の森林組合の長谷川空五
 さん(62)は「大雨が降れば土が流出し、根がむき出しになってやがて木は死ぬ」と心配する。
 日本は京都議定書で、二酸化炭素など温室効果ガスの6%削減を義務づけられた。うち3.9%を
 森林で吸収する計算だが、整備が十分な場合の数字だ。全国の人工林の約8割は未整備で、
 国は地方公共団体に対策を求める。しかし、早川町で放置されている私有林を1回間伐するだけで
 約10億円かかる。しかも3割前後は地主の負担だ。
 長谷川さんは言う。「年金で細々暮らす地主のじいさんたちに出せるか。森はお前らが守れと
 言われても、できん」

 過疎と呼ばれた時代より加速度を増し、消滅の危機にある日本の「限界集落」。旧国土庁の調査
 では99年からの10年で419、その後は1690の集落が消えるという。

 都会に訴え始めた町もある。
 北海道下川町は東京23区とほぼ同じ面積にトドマツやカラマツの林が広がる。
 人口減少で税収が落ち込み、国の補助金も減って森の整備が進まない。町は昨年4月に
 「森林づくり寄付条例」を制定し、都会の企業や個人に寄付を呼びかけた。しかし、ほとんどの
 企業から何の回答もない。二酸化炭素を排出する企業に課税して税収の半分を放置林整備の財源
 にする国の環境税も昨年12月、財界の反対で先送りされた。(一部略)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060110-00000003-maip-soci