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名無し草:
後人が源氏物語の欠を補った作。作者が別人であることを明かしているので偽作とはいえない
「山路の露(やまじのつゆ)」(鎌倉時代、作者不詳、一説には建礼門院右京
大夫とも) -宇治十帖「夢浮橋」の後日譚。薫と浮舟の再会を書く
「雲隠六帖」(室町時代、作者不詳) -源氏物語の後日譚。1雲隠(源氏の出
家失踪)、2巣守(匂宮の即位と薫、浮舟の結婚)、3桜人、4法の師(薫、浮
舟の出家)、5雲雀子(薫の霊が息子に出家のすすめ)、6八橋(匂帝に帝位の
まま悟るようにとの教え)、あとがき(康平元年戊戌年(1058年)正月大僧都、
信誉のものと元応元年(1319年)9月藤原親兼の2系統)
「手枕」(1763年、全1巻、本居宣長) -「桐壺」と「帚木」の間を埋める。
六条御息所と光源氏のなれそめを書く
「源氏の君の最後の恋」Le Dernier Amour de Prince Genghi(1984年、短編
集『東方綺譚』に収録、マルグリット・ユルスナール) -「雲隠」を補完する
短編。源氏の最期を花散里が看取る
「輝く日の宮」(2003年、全1巻、丸谷才一) -最後の章を失われた「輝く日
の宮」の復元にあてる
「紫式部物語―その恋と生涯」The Tale of Murasaki(2000年、日本語版は上
下2巻、ライザ・ダルビー)-紫式部の娘から孫に伝えられた、紫式部が自ら
の生涯を記した日記という形で、「源氏物語」執筆の背景などを描く
「稲妻」(2000年、ライザ・ダルビー)-上記「紫式部物語」下巻・巻末に
収録。「夢浮橋」の後を補う巻。薫と浮舟のその後を書く
「藤壺」(2004年、全1巻、瀬戸内寂聴) -「輝く日の宮」を補完する短編。
光源氏と藤壺が初めて結ばれるまでを書く。現代文の他、古文体も併記。
注釈書 「源氏釈(げんじしゃく)」(平安時代末期、全1巻、藤原伊行)
「奥入(おくいり)」(1233年頃、全1巻、藤原定家)
「源氏物語河内本」(13世紀初頭、源光行・源親行父子の合作) 「水源抄」(13世紀中頃、源親行)
「河海抄(かかいしょう)」(1360年代、全20巻、四辻善成) 「花鳥余情(かちょうよじょう)」(1472年、全30巻、一条兼良)
「湖月抄(こげつしょう)」(1673年、全60巻、北村季吟)
「源氏物語玉の小櫛(たまのおぐし)」(1796年、全9巻、本居宣長) -
「もののあはれ」を提唱