日本では現在、週に70本以上のアニメ番組が放送されていると言われる。
1980年代まで主流を占めた平日19時台に放映される作品は激減し、テレビ
東京での平日18時台と深夜枠、土日の午前が主流となってきている。多く
は児童・ファミリー向けであり、アニメが子供のものだという認識はここ
40年ほどは基本的には変わっていないが変化も起こりつつある。子供以外の
層でアニメに拒否感を示す者の割合が減少しつつある。これは、アニメを見
て育った層がそのまま高年齢化したためである。児童・ファミリー向けで
ないアニメの成功例としては、『美味しんぼ』(1988年放送開始)『YAWAR
A!』(1989年放送開始)などがあるが、キャラクターグッズ展開などがし
にくいため現在ではあまり製作されていない。かつてはおもちゃ会社や食
品会社などがスポンサーの主流を占め、必然的に内容も子供向けだったの
が、ビデオ会社がスポンサーに登場したことで、一般人でない高年齢層(
おたく)向けのアニメを放映することを可能にした。主に深夜帯などをに
放送されて、視聴者層が極めて限られ広範囲の視聴者の支持を集めるには
至っていないが、パッケージ販売のためのプロモーションの性格も強いた
め、たとえ低視聴率でもターゲットとする層に確実に届けばよしとしてい
るようである。深夜枠のアニメ番組にはテレビ会社が製作せず、スポンサ
ーが番組枠を買い取って放送するものも多い。は娯楽の世界だけでなく、教
育などの分野にも広がっている。かつて、教育映画は実写のドキュメンタリ
ーが主軸であったが、現在はアニメのものも増えている。1980年代は幼児向
けに限られていたアニメの教育映画が、1990年代以降、中学生向け程度にま
で広がった。また、歴史、人権、納税啓発、広報ビデオなどにも広くアニメ
が使われている。930年代から当時の文部省は教育映画の一環としてアニメ製
作を奨励していた。また、1970年代のアニメ映画にも、文部省選定映画は多
くある。このように特に日本政府はアニメを無視していたわけではないが、
政府組織などによるアニメの評価は近年上昇したと言われる。これは、1997
年から、教育白書でアニメへの言及が行われるようになったというのを根拠
としている。