>929
お互いギリギリまで高め合った後でおもむろに合体。
中と外で同時にイクアキラたんと俺(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
>926
キモデブだかクサイだか言われた広瀬さんつД`)ウエーン
会淫番号108の二周年祭レポ待ってるでっ!!
アキラたんの存在が隊長や広瀬さんや市ちゃんの生活のハリとなって
あの辺のメンツはいつまでも元気で長生きしそうだよな(w
>931
てんぷら乙!
今夜中に引越しかな?
>934
それは夢だ。妄想だ(*´▽`*)
>926
108はどうなったんじゃ!アキラ教待ってるぞ〜!
>925
ヘンな宗教だとそういうのも有りそうだ。
会員が男も女も全員一部屋でマッパになって心を癒すというエセカウンセラーも捕まったしな。
羞恥心を払い自然と一体になったおなにいで生まれる強靭な精神力とパワーなんつって。
門下生に自然の中で集団おなにいさせる塔矢アキラ名人ハァハァ(;´Д`)
>930
ポケットサイズのアキラたんも初登場時まっぱだったが
服は元の世界に残ってるんかな?
アキラたんが失踪して服だけ残ってたらまずはゴカーンを連想しるな。
おとう玉たちも心を痛めているのではないだれうか?つД`)ウエーン
>937
妙にありそげだぞその図Σ(゚Д゚;)
門下生一同、アキラ教祖のおなにい姿をお手本にシコシコキュッキュ。
世界に愛を平和を!(*´Д`*)ハァハァ
>930
ラブホなんかに置いてあるやつは泡を洗い流さなくても大丈夫なやつだが
TVでは石鹸泡立ててたのかな?
貧乏フリーターの俺でもポケットサイズのアキラたんになら豪華っぽい部屋を
与えてやれそうな気がする。
現実世界のアキラたんには到底贅沢させてやれない今の俺・・・。
イームズのミニチュアの椅子を誕生日には買ってあげたい♥
>935
精神的な張りに加え、アキラフェロモンの影響もあって
いつまでもイキイキツヤツヤ♥な隊長。
いついつまでも僕達会淫を叱咤し、引っ張っていって欲しいです!(*´Д`*)ハァハァ
>940
アキラたんには人形用の洋風なミニチュアのおうちも似合いそうだな〜(*´Д`*)ハァハァ
小公子風の服に身を包みネコ脚の椅子に凭れ、優雅にティーカップで渋茶を啜るアキラたん。
>942
ドールハウスみたいのがイパーイあるから家具や服には不便しなさそうだ。
やはり洋風のが多いがアキラたんは畳の方が落ち着くかな?
人形の服というと女性ものが多そうだ。
それを言い訳にアキラたんにレエスの服とスカートを履かせたい(*´Д`*)ハァハァ
>938
まっぱにされて売り飛ばされるアキラたんを想像して「ううーむ」と卒倒しるおとう玉つД`)ウエーン
南くんの恋人で小さいちよみが倒れる場面えがった。
南の手とちよみの体の比率が俺とチターイアキラたんの比率を連想させる(;´Д`)ハァハァ
>943
前にTVチャンピオンのドールハウス職人選手権で
和風ドールハウスを得意とする職人が出場してたで!
あれでアキラたんに畳の部屋をプレゼントしてやりたい。
理想は和風と洋風二軒のおうちを用意して、アキラたんのその日の気分で
行き来してもらうことかな。畳部屋で浴衣でくつろぐアキラたんも
洋風の部屋でフリフリの服着て座ってるアキラたんもイイ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
ちよみって名前かわいいな。
>943
「ごめんよアキラたん。今のアキラたんのサイズだとこんな服しか見つからなかったんだ」
みたいに言ったらアキラたんはむしろ「ボクのためにわざわざ探して下さったんですね」
と感謝してスカートを履いてくれそうだつД`)ウエーン
アキラたん、スケスケナース服とスリット入ったチャイナ服もあるでよ(;´Д`)ハァハァ
>943
部屋だけでなくアキラたんに檜の風呂を用意してあげたい!
自分で檜を削って作ってやりたい。
材料が少なくて済むからリアルに夢が広がる(*´Д`*)ハァハァ
>946
アキラたんには敵わないが可憐な名前だな。
なんとなくちたーい子っぽい名前。
>948
手作り檜風呂にはアキラたん喜ぶかもなぁ。
実家の風呂を思い出しリラックスしてヨダレ垂らすアキラたん(;´Д`)ハァハァ
┌─────――――┐
│Bar. チチャーイやまねこ│
└─────――――┘
お待たせしました! 開店致します!!
_o_ __o__
日 凸 [シオ] [サトウ] アナチャン's コノアツイナカ ダイジョウブカナァ・・・
≡≡≡≡≡≡≡ /|||||"||ヽ ココニキタラ イイノニネ!!
U ∩ [] %.. ||(*゚ぺ)| /
_________(つ)Uと)___/ ヽヽヽ.イ,, ワン!!
―――――――――――――┐ ∠,从从, シ /~||
│ / ∪・ェ・∪,,,。,,ノ ||
━┳━ ━┳━ │/ ( u u ), ||
 ̄ ┻  ̄ ̄ ̄┻ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~
アノ ジョートカイウヤロウト
オレト ドッチガイインダ
エェ?
(((((")))||"|||ヽ …オガタサン
(,,□Д)ぺ*)|| オサケクサイ…
( つ /i と)
/ ( /~)/ ,ノ /
| ̄ ̄ ̄し'Jしし' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(28)
「あれ、二人ともどうしたんだい。もうお腹が空いた?」
戸が開く音に笑顔で振り向いたアキラを見て、
ヒカルは一瞬自分が何のためにここまで来たのか忘れてしまった。
アキラは胸元に白い小さなロゴが入った黒いカンバス素材のエプロンを着け、
頭髪を、エプロンと揃いの物と思しき黒い三角巾でまとめている。
シンプルだが形の良いエプロンが細身の体によく似合って、髪と同色の黒い三角巾が
剥き出しの耳の上辺りの位置で左右にツンと広がっている様はどこか、
リボンでも着けているか、小さな子供が悪魔の扮装でもしているような可愛らしさがあった。
「?何だか二人とも楽しそうだね。TVで面白い番組でもやっていたのかい」
「えっ?いや、」
アキラに言われて慌てて表情を戻し、隣を見ると、
隣でも同じようにほわ〜と顔を緩めていた社がグッと唇を引き結ぶところだった。
「オレたちのことは置いといて、や。今さっきこっちでエッラいごっつい音してたやん。
何事か思て飛んで来たんやで。塔矢ジブン何作っとるん。爆弾か軍艦か」
「え?ただのカレーライスだよ。今お野菜を切っているところなんだ」
台所包丁を手にしたまま一歩横に退いてみせたアキラの向こうには
皮がついたままのジャガイモと人参が大小バラバラのいびつな塊と化して、
まな板の上と言わず調理台の上と言わず散乱していた。
――「無残」・・・そんな単語がヒカルの頭をよぎった。
「・・・大きなままじゃ持ちにくくて、皮が剥きにくいだろう?
だからいつも先に切ってから剥くんだ。・・・出来上がりの味は変わらないよ?」
二人の視線に気づいたアキラが言い訳のように説明した。
「いや、それは別に自由やと思うんやけど・・・そやかてさっきの音は・・・
塔矢、自分どないな切り方しとんのや。ちょっと、一遍見せてみ」
「いいけど」
アキラは皮付きのジャガイモをまな板の上に載せると、不安定なその物体の上から
両手で強引に包丁を押し付けるようにしてゴリッ、ゴリゴリッ・・・ガコン!!と切り離した。
まな板まで切ったかと思うようなその大音と共に、ぱっくり割れたジャガイモの左片と右片が
ぐゎんらぐゎんら・・・と調理台に転がっていき、片方は流しの中にくぐもった音を立てて落ちた。
台所にしばし沈黙が広がった。
(29)
「・・・・・・あっかーーーん!!」
社が上げた雄叫びにアキラとヒカルは同時にビクッと肩を竦めた。
「なんちゅうやり方しとんねん!もぉエエわ、後はオレがやる!貸してみ!」
「えっ・・・大丈夫だよ、流しに落ちたのは後でちゃんともう一回洗うし、火を通せば・・・」
でもキミが気になるなら、落ちた分は使わないけど・・・とアキラが
叱られた子供のように小さな声で言う。
社は「あ〜」と首を振り、アキラに向かって手を差し出した。
「そんなことゆーたらへんっちゅーねん!危ないやろがっ!エエからオレに貸し!」
「・・・いつもこれでちゃんと自炊出来ているんだ!キミたちはボクに任せて
座っていてくれと言っただろう!」
アキラが切れ長のまなじりをむっと吊り上げて、包丁を渡すまいと後ろに隠す。
「聞き分けのないやっちゃな〜!エエから貸し〜って・・・!」
「嫌だっ、何でキミにそんなこと・・・!あっ」
「あッ!」
見ていたヒカルも思わず息を呑んだ。
伸びて来る社の手から逃げようと体を捻った拍子にアキラが、
手にした包丁で自分の指を切ってしまったのだ。
アキラが目を丸くして見つめる白い指の表面に、じわっと赤い血が滲み出る。
――塔矢!
ヒカルが声をあげて駆け寄ろうとした瞬間、
「アカン!」
社が一声上げてアキラから包丁を取り、血の滲んだ指を自らの口に含んだ。
(30)
アキラは固まっている。ヒカルはそんなアキラを見守るしかない。
社はしばらくアキラが切った右手人差し指を無心な顔で吸っていたが、
すぐ自分に手を預けて硬直しているアキラに気づくと、「あ・・・スマン」と慌てて口を離した。
「スマン、大事な指やのにオレが無理強いして・・・ホンマ悪かった。堪忍してや。
傷はぁ・・・大したことあらへんみたいやな。水で濡れとったから血が広がって見えたんや。
お詫びにオレが、腕にヨリをかけてめっちゃ美味いカレー作るわ。
そやさかい、アンタは手当てして休んどいてやー」
アキラを気遣いながら社が調理台へ向かい、包丁を手に調理を再開しても、
アキラはまだ石化が解けず呆然と、社が口に含んだ自分の指を見つめていた。
「・・・土とか付いた野菜に触った後だろ。早く洗わないとバイキンが入るぜ!」
ヒカルはそんなアキラの手をぐいっと引っ張り、水道の水をじゃんじゃん流して洗った。
「痛っ、そんなに洗ったら痛いよ、進藤」
アキラと自分のやり取りを、社がチラッと横目で見たような気がした。
結局カレーは全部社が一人で作り、料理と言えばラーメンを茹でるくらいしか
したことがないヒカルと、いつも料理はしているらしいのだが社とヒカル両方から
包丁使用差し止め令を出されてしまったアキラとは、食器の支度だけを担当した。
湯気が立つ食欲をそそる香りのそれを一口口に運んでみて、アキラが感嘆する。
「・・・美味しい!これ、凄く美味しいよ、社」
「へへ、自慢やないが碁の次に料理は得意や。人に食べてもろてオイシイ言うてもらうのが
一番嬉しいわ。隠し味にトマト入れたんやで。栄養タップリやし、たんと食うてな」
「うん。進藤、いただこう」
ニコニコと頻りに感心しながらスプーンを動かすアキラの横で、ヒカルも黙々と食べた。
確かに社の料理の手際は目を瞠るほど鮮やかだった。あれなら立派に特技と言える。
一介の男子高校生が作ったとは信じ難いほどに具の火の通り具合も
ルーのコクやとろみも絶妙で、そこらの店のカレーより余程美味い。だが・・・
――今までオレがメシ食いに連れてってやっても、そんな美味そうに食ったことねェじゃんかよ!
幾らでも食べられそうな美味いカレーライスを物凄い勢いで掻き込んで、
「おかわり!」とヒカルは空になった皿を差し出した。
――太陽が燦々と照りつける夏の日差しが目に眩しい。
古い日本家屋の縁側。ボクには慣れしたんだ場所。
子供の頃から知っている懐かしい木の匂いがするところ。
今日は久しぶりに進藤と休みが重なった。
両親は海外に出かけていて不在だ。朝から彼を家に招いて囲碁三昧。
やっぱり進藤と打っている時が一番楽しいと思える。
午後も3時を廻り、ちょっと休憩しようかと、部屋の外に出てみると、とたんに蒸し暑さが襲ってきた。
冷房の効いた室内から出た直後というのは、その暑さが何故か心地よく感じることもある。縁側で進藤を待たせて、ボクは台所へと向かった。
貰い物の西瓜が冷蔵庫に入っていたはずだ。よく冷えて美味しいに違いない。
西瓜を皿に盛って、縁側に戻ると、進藤はTシャツを脱いで上半身裸になっていた。
ぱたぱたとウチワで扇いでいる。意外にその腕は逞しい。
ボクは一瞬、目を細めて、そんな彼の姿を見ると、「おまたせ」西瓜を載せた皿を、お盆ごと床に置いた。
「おっスイカじゃん。うまそうだな」
言うが早いか西瓜に手が伸びる。
切り分けて三角形になった西瓜は全部で5切れ。ボクが2切れ、進藤が3切れかな。
目算しながら、隣りに腰を下ろした。
風はわずかながら吹いている。軒下に吊るしてある風鈴がチリン、涼やかに鳴り響いた。
今の時間帯、ここは日陰になる。眩しい光にさらされた庭を眺めながら西瓜を食べる。
……日本の夏だなぁ、思う。
おいしそうに西瓜にかぶりつく進藤を横目でちらりと見て、シャリ、かじると口の中で音がした。
甘い汁が口の中に広がる。
三角形のてっぺんの一番甘い箇所は残して、脇の方から食べていく。
ボクは好きなものは最後まで残しておくほうだ。
進藤は待ちきれず、一番最初に食べてしまうタイプだな…。
そんなことを考えていると、突然。
「塔矢、そこ食わねぇの? もーらいっ」
パクっ。進藤がボクの西瓜に食いついた。予想外の出来事だった。
――一体、何が起きたのか。
呆然とするボクに「へへっ」悪びれず進藤が笑いかけてきた。
「…ふ、ふざけるなぁっ!!」
状況を把握した瞬間、それまでの穏やかな風情はどこへやら、ボクの怒りが沸騰した。
「ボクはその部分が一番好きなんだぞ!? 楽しみに取っておいて、最後に食べるんだ! それをキミは…!!」
進藤はビックリ顔で、ボクを見返している。
「大体、キミはいつもそうだ。デリカシーにかけてるし、もっと人のことも考えろ!」
この間なんて、もうイヤだって言ったのに、抜かずに3回もして。信じられないっ。
日頃から鬱積していたものが、次々とボクの口から溢れ出す。すると。
「うっせーな。返しゃあいいんだろ!」
――何て言い草だ。少しも反省してない。
怒りにまかせて、さらに言い募ろうとした矢先、急に進藤の顔が近づいた。
「…っ…」
静止する間もなく、唇をふさがれる。
重ねられた口びるの隙間から進藤の舌が滑り込んできた。
「…ん…」
西瓜の果汁の香りがする。
触れ合う舌から甘味を含んだ唾液が絡み合う。
それは、とてもとても美味しいキス――。
気がすむまで味わった後、ようやく離れた唇で、
「――ほら、ちゃんと返したぜ。うまかっただろ?」
にこにこと笑うキミの笑顔はまるで太陽。
照らされたボクは火照った頬を赤く染めて、小さな声でつぶやいた。
「…ごちそうさまでした」
抜かず3発ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ホッシュ!
///////
///////____________
///////  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄
/////// (~) チンチ〜ン
/////// ノ,,
/////// /|||"|||ヽ
/////// ||(*゚ー゚)|( 珍 ) )) シンドウト タベタスイカ オイシカッタナァ…
/////// (つ・へへ つ
/////// //△ ヽλ ) ) 旦
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/////  ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄
//// ^^^ ^^^
アキラたんの夏。日本の夏。
珍うちわ、風チン、ビーチク・・・横にあるのがヒカルの頭に見える。かつらか??ホッシュ。
(38)
「この間うちでお客さんを招いてちょっとした宴会があったんだけど、
その時あの置屋から何人か芸者さんを呼んだんだ。そしたらそのうちの一人のお姐さんが、
うちのお父さんに言い含められてたらしくてさ。夜中に、ボクの部屋に来た」
「えぇっ!?ど、どういうことだよそれって!」
ヒカルは素っ頓狂な声をあげた。
筒井の言葉の意味がわからないほどヒカルは子供ではない。
あの置屋でアキラが客を取る場面にも何度も遭遇したことがある。
ただそれは、この田舎町で潔癖な母親のもと育てられてきた少年にとっては、
まだどこか格子窓の向こうの、自分とは隔てられた遠い出来事でしかなかった。
その遠い未知の世界に、筒井は既に触れたと言うのだろうか。
「どういうって・・・まぁつまり、そのお姐さんはボクの筆下ろしを頼まれたってこと」
筒井はいつもの人懐こい笑顔で笑った。ヒカルは顔を真っ赤にする。
「す、すげぇじゃん筒井さん!それで?それで、どうしたの。そのまま」
「うん。そのまま帰ってもらったよ。お父さんに言って、ちゃんとお金渡してもらって」
筒井が明るく答えると、ヒカルは口をあんぐり開けてからがっくりと項垂れた。
「なーんだ。つまんねェの」
「アハハ、がっかりさせちゃった?御免よ」
「何で帰しちゃったんだ?顔が好きじゃなかった?」
「少しお化粧が濃いけど、結構綺麗な人だったよ。ボクと四つ違いって言ってた」
「へえ〜。でも、じゃあ、何で帰しちゃったんだよ?」
筒井は少し躊躇ってから答えた。
「うーん・・・別にその人が嫌だったわけじゃないんだ。女の人にも興味は勿論あるし・・・
ただ、その後が面倒だなって思って」
「その後って?」
「結婚。それに子供」
真顔で筒井は言った。ヒカルは「・・・へ?」と目を丸くして、笑い出した。
「そんなァ。だって筒井さん、オレたちまだ子供じゃん!結婚なんて先の話だろ?」
「でもお父さんは本気だ。その芸者さんが気に入ったら祝言を挙げてもいいって言われた」
筒井の表情にふざけているような様子は微塵も感じ取れない。
ヒカルは笑いを引っ込めた。
(39)
町とは名ばかりの田舎ではあるが、この地方で筒井の家と言ったら相当なものなのだ。
近隣の村から嫁いで来た筒井の生母も、地元では名高い旧家の娘であるという。
その筒井家の跡取り息子が、町外れの置屋の芸妓と祝言を挙げる・・・?
大人の世界の事情はよく分からないが、それは何となく意外でそぐわない出来事のように
ヒカルには思えた。筒井がもっと大人になってから花柳界の女性と大恋愛をして、
どうしても結婚したいと言ったのを父親が許すとでも言うなら分かるのだが。
「お父さんはボクが、早く子供を作ればいいと思ってるんだ」
「子供って・・・筒井さん」
「まだ早いと思うだろう?でもボクたちはもう、その気になれば女の人を抱いて寝る
ことも出来るし、子供だって作れる年なんだ」
「そりゃそうかもしれないけど――でも筒井さん、やっぱり早過ぎねェ?
オレは卒業したら働きに出るけど、筒井さんは頭いいし上の学校行くだろ?
結婚とか子供とかは何も今じゃなくたって、その後だって」
「本当だよね。お父さん、何を焦ってるんだろうな。あんまりその事ばっかり急かされると、
ボクに期待されてるのは筒井の子供を残すことだけなのかなって思っちゃうよ」
そう言って筒井は、明る過ぎて透明なような顔で笑った。
ヒカルは何故か言葉が継げなかった。
「――とにかくね、ボクはお父さんのそういう勝手な計画が気に入らない。
だから女の人とは寝ない。だって一度でも男と女でそういうことをしたら、
子供が出来るかもしれないだろ。それで好きでもない人と夫婦にさせられるかも
しれないなんて、真ッ平だ」
「ふーん・・・筒井さんの考えは何となく分かったよ。でもやっぱちょっと、
勿体ねェって思っちゃうけど」
格子窓の向こうの未知の世界に、夢の中でだけヒカルは幾度か触れた。
夢でさえあんなに気持ちがいいのだから、現実の相手と触れ合えたなら
それはどんなにか素晴らしい感覚だろう。
現実の相手・・・誰と?将来結婚する人と?或いはあかりと?それとも、
・・・脳裏に一瞬、カイゼル髭の残忍な男に貪るように抱かれ悶えるアキラの
涙に濡れた顔が浮かんだ。ヒカルは慌ててその映像を打ち消した。
あの無垢で憐れな少年を、他の男がするように自分が抱くなど、出来るはずがない。
(40)
「お金さえ出せばにっこり笑ってくれる相手なんて、どうでもいいさ。
祝言挙げないまでも落籍せて家に置いたらどうだって、お父さんは言ってたけど」
「ヒカセテって?」
「お店にお金を払って、ああいう女の人を身請けすることだよ」
「ミウケ?」
「仕事を辞めさせて、堅気者の世界に戻すこと」
「へえ!そんなことが出来るんだ」
アキラを何とかあの場所から救い出したい――そんな思いはずっとあったが、
では具体的にどうしたら良いのかという知識をヒカルはこれまで全く持たなかった。
ただ漠然と、自分がもっと大人になりしっかりと一人立ちできたら、
アキラを引き取らせてくださいとあの置屋の主人に交渉しに行く資格を
得られるような気がしていた。
だが必要なのはヒカルの年でも甲斐性でもなく金。ただの金だったのか。
「ね、筒井さん。その、ヒカ・・・セ?るのに必要なお金って、どれくらい」
「えっ?うーん、そうだねぇ。人によって差はあるだろうけど、大体・・・」
筒井が口にした金額にヒカルは仰け反った。
「・・・そんなにかかんのか!?」
「ああいう女の人は大抵お店に借金をして、それを返しながら働いてる。
返し終わるまでは、どんな売れっ妓でも何年もかかる。
その分のお金を全部肩代わりするわけだからね」
「そうなんだ・・・」
大人になって働いたらどれくらいの金銭を得られるのか、まだ良くは知らない。
だがそれがちょっとやそっとで払い切れる額でないことはヒカルにも分かる。
一年間毎日駄菓子を買って通うよりも遥かに多くの金が、
アキラを自由にしてやるためには入り用なのだ。
自分が筒井のように裕福な家に生まれていたら、などということは考えても仕方がない。
自分の考えが甘かったことを思い知らされてヒカルは黙り込んでしまった。
(41)
だが、この間アキラに会いに行った時、置屋の主人たちは不思議な会話をしていた。
アキラを預かっているのは昔の恩義のためだとか、
主人がアキラを客に売りながら「あの若造からも散々ふんだくっている」のだとか。
「あの若造」とは誰だろう?
アキラは他の芸妓とは違う事情であの置屋に身を寄せているのだろうか?
そう言えばヒカルがアキラを初めて見た日、筒井が何か言っていた。
――でもね、あんな可愛いけど、あの子は可哀想な子なんだって。
だからまともにお座敷にも出せなくて、ここでお客を取るだけなんだって
うちのお父さんが云ってたよ。・・・
「あ」
そうだ、顔の広い筒井家では宴会などの際、あの置屋から芸妓を呼ぶ機会も多いだろう。
だから筒井の父は、懇意にしている芸妓から置屋の事情を聞いているのかもしれない。
――もしかしたら、アキラの事情も。
「ねえっ、筒井さんっ!!」
「えっ!?な、何、進藤く」
黙り込んでいたヒカルが突然大声を出したのに驚いたのか、
ヒュウと息を吸った拍子に筒井が激しく咳き込んだ。
「ごほっ、げほっ。ごほっ!」
「うわっ、ゴメン筒井さん!驚かせちゃった!?」
「だ、だいじょぶ、だよ。げほっ」
そうは言っても顔を真っ赤にして咳き込む筒井の顔は本当に苦しそうで、
背中をさすってやった感触では何だか熱もあるようだった。
放課後の別れ際にも咳き込んでいたし、風邪が長引いているのだろうか?
咳を聞きつけて血相を変えた爺やが飛んで来た。
「公宏坊ちゃま!お友達とお話は尽きませんでしょう。ですが今日はもうお休みなさいまし。
ご無理をなさらないようにと、先生もおっしゃったのでございましょう?」
「大丈夫だよ、爺や。今日は誰かと話したい気分なんだ。下がっていてくれ」
「で、ですが・・・爺は、爺は心配で・・・」
「いいから、下がっていてくれ!!ボクの体のことはボクが一番わかってるよ!!」
穏やかな筒井の突然の剣幕に、ヒカルは目を丸くし、爺やは黙して下がっていった。
(42)
「本当にもう大丈夫。ありがとう、進藤君」
背中をさすってやるヒカルに微笑む筒井は、もういつもの人懐こく柔和な少年である。
先刻の筒井の豹変には驚いたが、病気になると多少苛々してしまうものかもしれない。
それに自分だってさっきは母の美津子と大喧嘩をして家を飛び出て来たのだし、
誰しも外で友達に見せる顔よりは家で身内に見せる顔のほうが
ほんの少し我儘だったりもするものだ。
「それで進藤君、さっき何か言いかけてなかった?」
「あ、ウン。あれ・・・もういいや。筒井さんが病み上がりで大変なのに、
こんなこと聞けねェよ。だから、また今度!」
「何だいそれ。ホントにいいの?」
筒井が笑う。だが次いで筒井の口から出た言葉は思いがけなくも、
ヒカルが聞きたいことの呼び水となるものだった。
「そう言えば進藤君。あの置屋にさ、可愛い子がいたろ。この間皆で見に行った」
「・・・えっ!?・・・・・・あ、あー!!思い出した思い出した!あの子のことな」
どぎまぎしながらヒカルは答えた。
菓子持参でアキラの許に通っていることは仲良し四人組の仲間にも秘密なのだ。
「進藤君はあの時あそこに連れてったの、嫌そうにしてたから、
こういう話は興味ないかもしれないけど・・・」
興味がないどころかそれこそ自分が聞きたいことなのだ。
だが続きを急かしたい気持ちを抑えて、努めて平然とヒカルは先を促した。
「別にいいぜ。何か面白い話?」
「面白いっていう程でもないけど。この間ボクの部屋に来たそのお姐さんにね、
あの子のこと聞いてみたんだ。そしたらうちのお父さんに聞いた話と、少し違うんだ」
「へえ。何て言ってた?」
「うん。あの子にはね、お客なんか取らせてないはずだって」
「え?・・・だって」
(16)
「どうした、何かあったのか!?」
教室のドアを叩く山田の声がして、騒然としていた教室内は一瞬で静まった。
「ヤベッ、山田だ! 塔矢を何とかしろ」
焦った少年らはガムテープをとってアキラを解放すると、急いで服を着せた。
その間、山田は何度も開けろとドアを叩く。このままでは余計不審に思われると思い、仕
方なくドアの鍵を解除した。
ようやく教室に入った山田は、教室内を見渡す。すると何かを隠すように児童が固まって
いるのを見つけ、不審に思った。近づくとそこにはアキラが倒れていた。
「大丈夫か、塔矢君」
かき分けてアキラの体を抱き起こす。虚ろな目で呆然としているアキラの着衣がひどく乱
れていることから、アキラの身に何かが起こったのは確かだった。
「おまえたち、いったい何をしたんだ」
山田は問い詰めた。だが皆俯いて何も言わない。
「…先生、すみませんが保健室に連れてってくれませんか」
この場から今すぐにでも逃げ出したかったアキラは山田に抱きついた。だが甘い声で抱き
つかれた山田は一瞬変な気持ちになる。それを打ち消すように田中達を怒鳴った。
「いいか、先生は今から塔矢君を保健室に連れて行くから、戻ってくるまでに教室を元通
りにして席について待っているんだぞ」
山田はそう言うとアキラを立たせた。だがアキラは痛そうに顔を歪めると山田の胸へよろ
けた。
「ごめんなさい、先生」
まだ名残が抜けきらないアキラは、熱っぽい視線で山田を見上げる。アキラの小さな体を
抱きとめた山田は、それによって一気に理性を奪われた。
山田はアキラの体を軽々と抱きかかえると保健室へ向かった。
教室から出ることができた安心から、アキラは山田の肩に頭をもたれた。
だがこれは第二の監禁地獄のはじまりだった。
(17)
保健室にはもう校医がおらず、鍵がかかっていた。山田は急いで職員室に鍵を取りに行き、
鍵を開けた。閉めきられていた保健室はいつもより強い消毒液のにおいがした。アキラは
ベッドへ横にさせられる。
「会議が終わって教室に行こうとしたら叫び声がしたから驚いたよ。いったい教室で何が
あったんだ?」
山田はアキラの髪をなでつつ、頬や首筋をさわりながら聞いた。
「…ちょっとした悪ふざけです。何でもありません。それより先生、ちょっと怪我しちゃ
ったみたいなので傷薬をくれませんか。あの、あとはボク一人でできますから」
山田は傷薬を探しに行った。だが種類がたくさんあってわからない。
「塔矢君いったいどんな怪我をしたんだい?」
「え? えっと…」
アキラは困った。ヒリヒリ痛むそこがどのような状態なのか見ていないのでわからない。
「わからないのか? どれ、怪我したところを先生に見せてごらん」
アキラは更に困り動揺した。その姿を見た山田は欲情をとめられなくなった。
「どこに怪我をしたのかわからないのか? それとも先生に見せられないところに怪我を
しているのかな?」
山田はニヤリといやらしく笑うとベッドに腰掛けた。
「ち…違います。もういいです。ボク帰ります」
危険を察知したアキラは起き上がった。だが無理して起き上がったせいか激痛が走り、ア
キラはお尻を押さえてベッドに崩れ落ちた。
「そうか、お尻が痛いのか。大丈夫だよ。先生が治してあげるからね」
山田はそう言うとアキラのズボンを脱がせようとした。
「や…やだ、先生やめて」
アキラは脱がされそうなズボンを必死でつかんだ。だが自分よりも体格の大きい山田には
勝てず、ズボンはあっという間に奪われてしまった。
「おや、どうしてパンツをはいてないんだい?」
慌てていて今まで気づかなかったが、アキラはパンツをはき忘れていた。恥ずかしくてそ
こを隠そうと布団に手を伸ばした。だが手に締め付けられていた痕を見つけると、山田
はアキラの細い足首をつかんで足を開かせた。
(18)
「あいつらまだガキのくせに随分と楽しいことしてんじゃねえか」
そう呟くと、山田はアキラの股間と尻の穴を間近で見つめた。アキラはそこに山田の荒い
息がかかるのがくすぐったくて身をよじった。
「ここをいじられたのかな? ヌルヌルしているよ。それにちょっと腫れているねぇ」
山田の大きくてたくましい手がそこをなでる。アキラは思わず声をあげた。
「いい声でなくんだね。もっと先生に聞かせてよ」
山田はそう言うとアキラのものを口に含んだ。
「やっ、先生、そんなとこ舐めちゃやだ」
アキラははりつくように吸い付く山田をそこからはなそうと頭を叩いた。だが指を尻の穴
に入れられ体が硬直した。山田の指は田中達と比べ物にならないくらい太く硬かった。そ
の指が動き回る度に、アキラは甘い声で喘いだ。
「悪い子だ。お尻の穴を弄られるのがそんなに気持ちいいのかい? 先生は塔矢君のこと
をもっと真面目な子だと思っていたんだが、どうやら違ったようだね」
山田はそう言って笑うと、アキラの上着をめくった。かわいらしい桜の花びらのような乳
首が顔を出す。山田は夢中になってそれを吸ったりかじったりしながら舐めた。その間も
指は穴を出入りしてほぐしていく。
気持ちよくなったアキラは抵抗をやめ、欲望の赴くままに体を開いた。その異変に気づい
た山田はチャンスと思い、アキラが心変わりする前に目的を達成しようとする。
「塔矢君、どうやらキミの怪我を治すにはお尻に注射が必要みたいだ。ちょっと痛いけど
我慢しなさい。すぐに気持ちよくなるから」
前戯によって意識が朦朧としていたアキラに、山田は優しくそう言うと、アキラの体をう
つ伏せにした。そして腰を高くさせる。アキラのそこはまだ完全にはならされていなかっ
たが、我慢できなかった山田は自らのものを取り出すと、アキラのそこへ押し当てた。
イヌサンニ アッタアト チンデレラハ キオクヲ ナクシマシタ
キガツクト チンデレラハ ジブンガ トラエラレテイルコトニ キヅキマシタ
/|||"|||ヽ
||(*゚△゚)| ココハ ドコ?
(=====)
(⌒(⌒ )
/\ ̄し' ̄\
/__ \___\
アキラたんを監禁。誰しも一度は抱く夢だよな(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァホッシュ!
チンチンシュッシュッシュ チンチンシュッシュッシュ チンチンシュッシュッシュ チンチンシュッシュッシュ
チンチンシュッシュッシュ チンチンシュッシュッシュ チンチンシュッシュッシュ チンチンシュッシュッシュ
∩
| ̄了 /.|| || シコシコ
|@ |/ノノ || ||
| |-----∩ ハァハァ ス…スゴイ
|____| ⊂|(*。A。)|つ
|||"|||/
(30)
もう日常の世界へと戻って来たはずだったのに、
薄っぺらい絨緞の上に落ちたその物体は、
再びあちら側の世界へと森下を誘惑してやまない魔法の気配を強く発している。
「ち、違う!違うんだ」
誰に聞かせるともなく言い訳のような言葉が口を突いて出たのは、
さっき電話で明子夫人と妻――二人の女性と会話していた時の感覚が
まだ抜け切っていなかったせいかもしれない。
だが考えてみれば、この物体を自分が持ち歩いていたのは別に疚しい心から出た
行動ではないのだ。若い娘の下着とでも言うならともかく、これの持ち主は男で、
しかも生涯のライバルかつ昔馴染みの友人でもある塔矢行洋の息子である。
疚しい気持ちなど持ちようがないではないか。
それに自分がこれをポケットに入れたのも、アキラがもう穿きたくないと言った
それをそのまま現場に置きっ放しにするわけにはいかなかったからだ。
言わば自分はこれをやむにやまれぬ事情から、
仕方なく持ち歩いていたというだけの話なのである。
――そうだ、何を焦ることなんかある!昔は一雄やしげ子を風呂に入れてやる時、
オレの肩に掴まり立ちさせてパンツ脱がせたり穿かせたりしてやってたじゃねェか。
それと同じことだ!
運動する前のように強く深呼吸を繰り返すうち、気持ちが落ち着いて来た。
「・・・床に落ちっ放しにしておくわけにも、いかねェよな」
棒読み調に一人ごちて、薄汚れた絨緞に落ちているアキラの真っ白いブリーフを
森下はそっと拾い上げた。
(31)
「・・・・・・」
手持ち無沙汰ついでに、拾い上げたそれをすぐには仕舞わず、手の中で眺めてみる。
「何だァこりゃ・・・さっきも思ったがこうして見ると、随分ちっせぇな」
それは森下が普段身に着けている下穿きと同様の形状をしているが、
サイズが一回り、いや二回りか三回りは小さい。
「こんなので入んのか?・・・」
両端に人差し指を入れて引っ張り、自分の腰に当ててみる。
自分がこれを無理に穿いたら恐らくこれはびろんびろんに伸びるか、引き裂けて、
どちらにせよ二度と使い物にはならないだろう。
だが、あの少年にはこれでちょうど良いのだ。
森下は自分の無骨な掌の中で一層小さく見えるそれをほとんど驚嘆に近い気持ちで
眺めながら、先刻月明かりの路地裏で見たアキラの華奢な腰骨と、
こちらに向かって無防備に突き出された白過ぎる小さな尻とを思った。
・・・この安宿では壁も薄いのか、浴室のシャワーの音が森下のいる寝室まで
やけに響いて聞こえる。
「・・・・・・。あいつ、風呂長ぇな」
アキラが男たちに暴行されかかっていた時、自分が駆けつけたので
幸いに事無きを得はしたが、見つけた時のあの様子では
裸の体を撫でまわすくらいはされただろう。
その不快な感触を、アキラは今頃念入りに洗い流している最中なのかもしれない。
――あいつも災難だったってわけだ。
こんな華奢な尻であの男たちの猛った性器を次々受け入れさせられていたら
どうなっていたことか。そう考えるとあの場に自分が居合わせたことは、
つくづく幸運だったのだと思う。
――それにしても、長過ぎはしないか。
時計を見ればアキラが浴室に消えてから、もうかれこれかなりの時間が経っている。
夕食を食べるのも実にゆっくりな少年だったから、風呂も長風呂なのだろうか?
さすがに不安を覚えた頃、浴室から何かを引っ繰り返すような音と小さな声が聞こえた。
「・・・・・・。塔矢!?」
アキラのブリーフをポケットに押し込むと、森下は慌てて浴室に向かった。
(32)
「おい、塔矢。今何か音がしたようだが・・・大丈夫か?」
浴室の扉の前に立って、ノックしてから声をかける。
しばらく返事がなかったが、やがて「・・・あ・・・・・・森下先生・・・?」と
消え入りそうなアキラの声が聞こえた。
「どうした。石鹸に足滑らせて転びでもしたか?」
「いえ・・・少し立ちくらみを・・・起こしてしまって・・・」
「立ちくらみィ?」
さすがビショウネンともなると、風呂に入っただけで具合が悪くなってしまう
ものなのだろうか。
――おいおい行洋よ、もちっと逞しく育ててやってもいいんじゃねェのか。
些か鼻白んだが、大事ではないようでホッとする気持ちもあった。
「そうか、まぁそれくらいなら――一人で大丈夫だな?
じゃあオレは部屋のほうに戻ってるからよ、ゆっくり上がって来な」
頭を掻きながら踵を返そうとした時、
「あ・・・待ってください、先生っ!」と中からアキラが慌てたような声をあげた。
足を止め振り返る。
「ん?どうした、塔矢」
「あ・・・えっと」
少し戸惑うような気配の後、アキラは再び消え入りそうな声で言った。
「あの・・・ボク、立ちくらみした拍子に足を捻ってしまったみたいなんです・・・
もう出たいんですけど、力を入れると痛いので、少しお力添えいただけませんか・・・?」
「・・・捻挫しちまったのか?大丈夫か」
「大した事はないと思うんですけど、ただ今は力を入れないほうがいいと思うので・・・」
「そうか・・・」
扉一枚隔てた浴室から柔らかに響くアキラの声を聞いていると、変に胸がざわつく。
今自分のポケットに入っている真っ白いブリーフ。
それについさっきまで包まれていたものがこの扉の向こうに――
森下は首を振った。だからあんな、男の子供相手に自分は一体何を動揺しているのだ。
「・・・一人じゃ本当に上がれねェんだな?仕方ねェ、それじゃあ・・・開けるぞ」
扉を開けると、甘い匂いの湯気がすうっと絡みつくように森下の全身を包んだ。
アキラたんのおパンツの匂いを嗅ぎたいハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ホッシュ
アキラたんハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)目隠し碁ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ホッシュ
l
△ チリンチリン
ヽ))) ア゙-. ∫
ノノ r '⌒'ヽ
||(*゚Oミ(二i
/ っ、,,_| |ノ
と ̄__)_)r-.! !-、
`'----'
(97)
冷たく濡れた筆の感触は、淫液が纏わりついたクチナハの体表の感触を思い起こさせた。
「ひッ・・・!」
「あっ。動かんといてや!」
明が反射的にビクンッと体を仰け反らせたため、社は慌てて筆を引っ込めた。
「アンタ、くすぐったがりかいな?筆が滑ると模様がちゃんと画けんさかい、
少しの間辛抱しとってや」
「う、うん。すまない、社」
深呼吸して気を落ち着け、再び社の筆に身を任そうとした明だったが、
膚の上をなぞる濡れた筆の感触に呼び起こされるようにゾクゾクと甘い震えが
駆け上がって来て、五秒と耐えられず身を捩ってしまう。
「・・・・・・。・・・っ、や・・・アッ、社、少し待っ・・・ア、アアァァッ・・・!」
「あかん」
社は困り顔でもう一度筆を引っ込めた。
「このままやと、模様が画けなくて術式が完成しいひん・・・」
「・・・す・・・すまない・・・」
腹の辺りを少し筆で撫でられただけなのに、もう手足の先から頭髪の毛先までもが
ジンジンと麻痺してしまったように感じながら、掠れた声で明は詫びた。
己のために奔走してくれた光、修行中の身を押して山を下りて来てくれた社、
一晩中側についていてくれた緒方。彼らの努力をこのままでは無にしてしまう。
だが幾ら耐えねばと思っても、慣れぬ刺激に肉体が勝手に反応してしまうのだ。
何しろ光と出会うまではずっと、病を得て医師を呼ぶ時などを除いては
誰かに直接体を触られることすら稀であったし、
光との睦み合いでは優しく抱き締められたり、手で体を愛撫されることはあっても、
そのような道具を用いて膚をなぞられることなど一度もなかったのだから。
――ああ、どうしよう。どうすれば・・・
思案するように唇を突き出しながらも朱筆を構えたままでいる社は、
今度こそ我慢するからもう一度やってくれ――という言葉を己が発するのを
待っているのだろう。
だがそんな言葉を発したとして、果たして己はそれを実行出来るのか・・・
明は困じ果てて俯いてしまった。
(98)
「・・・・・・。賀茂殿がそのようにじっとしていられないのであれば、
体が動かぬよう押さえておいて差し上げてもよろしいですぞ」
「えっ・・・」
皮肉な声に振り向くと、緒方がまた慇懃に笑んでいる。
「お嫌かな?・・・まあ、賀茂殿ほどの人物ともなれば無論私などの手を借りずとも
御自身の意志の力で我慢なさることが出来ましょうが・・・しかしいざと云う時
手脚が動かぬようにしておいたほうが、何かと安心なのではありませんかな?・・・」
「・・・・・・!」
最後の一言を云う時緒方はゆっくりと社のほうに顔を向け、同意を求めるように
鷹揚に首を傾げて見せたが、明にはそれが術者社ではなく己に向けた言葉であると
はっきり感じ取ることが出来た。
先刻己は緒方とクチナハに体の内外を責められながら、より深い快楽を得ようと
無意識に手を動かしてしまったのだ。
先刻のあれは妖しの淫液が生む魔の疼きという状況も手伝っての事であるから、
今ただの筆で少しばかり体をなぞられたとしてもああまで理性が飛ぶような事態には
そうそう陥らないはずだが、万一ということもある。
ならば緒方の云うように、動かしたくとも手脚を動かせないよう
固定してもらっておくほうが安心には違いない。
だがそれを頼んだら、まるで己が理性の欠片もない淫乱な人間であると
認めてしまうようなものではないのか――
いや、緒方は既に昨夜からの出来事を通して、己をそのような人間として見ているのだ。
だから手脚を押さえておこうかなどと提案して、己が欲に流され快楽に夢中になる
浅ましい姿を、せめて他の人間の前では晒さずに済むよう気遣ってくれているのだ・・・
そんなふうに考えると重りを付けられたように悲しく情けない気持ちが心を沈ませて、
明は言葉なく項垂れてしまった。
そんな明を見て、先程まで仮面のように笑んでいた緒方が少し苦しそうな顔になる。
だがそんな二人の間に流れる空気には全く気づく気配もなく、光と社の二人は
「なあっ社、今の緒方様の提案やってみたらちゃんと模様画けるんじゃねェのか!?」
「せやな!そしたら確実や!ほな、この柱も使って・・・!」
とどんどん話を進めていた。
(99)
「手首痛くあらへんか?ほな、これで良し、と。足のほうも押さえといてなー」
社は結界の中心に明を仰向けに横たわらせると、部屋の柱と柔らかな麻縄を用いて
その両手首を一纏めに固定し、脚を押さえる役として緒方と光を左右に配した。
明はなるべく天井だけを見、術式がうまく行くことだけを考えて、
他の三人の姿を目に入れたり、己が今どのような格好を彼らの前に晒しているか
考えたりしないよう努めた。
「賀茂。足、これくらいの力でだいじょぶか?痛くねェか」
「・・・大丈夫だよ、近衛。もう少し強めに押さえていてくれるかい」
「いいぜ!これくらい?」
「もっと力を入れていいよ。ボクが動こうとしたら遠慮なく押さえつけてくれ。
・・・社の術式を、ボク自身が妨げてしまったら申し訳ないからね」
「あぁ。早くその術でオマエの中のそいつ、引っ張り出してもらわなきゃな!」
力強く笑う光の暖かさが有難く、嬉しくて、明はおもてを横に向け目を逸らした。
この若者の前でだけは今までどおりの己でいたいと、心から願った。
「ほな、これから模様が画き上がったら、そのまま術式始めさせてもらうで。
蛇に憑かれた奴をお師匠様が助けるとこは何度も見たことあるさかい、
それが活きるとエエんやけど・・・」
「社、云ってたな。蛇に憑かれる人間は結構いるって。それってどういう事なんだ?」
「ウン。仏道じゃ蛇云うたら、愛欲の業が深い生き物ちゅうことになっとってな。
愛欲に執着した人間は蛇に化ってしまうんや。坊さんが女に言い寄られて逃げたら
その女が蛇になって追って来て、寺の鐘ん中隠れてる坊さんを焼き殺してもーた
とか云う話、聞いたことあらへんか。あれは蛇が女に化けてたんやない。
女の中に起こった愛欲の心が、女を蛇に変えてしもたんや。
その坊さんは女に惚れられたと同時に、蛇に魅入られた云うわけやな。
でな、そんな風に蛇に魅入られて一息に殺されてしまう奴も居れば、
取り憑かれて少しずつ精気を吸い取られていく奴も居る。
それを食い止めるのもオレらの仕事云うわけや」
天井の板目を数えながら少しでも気を紛らわそうと、明は社の言葉を聴いていた。
――蛇と化した女。蛇に魅入られた僧侶。・・・では、己は。
己は、いったい、どちらに近い?