「そして君が…」
義正が言い終わらないうちに美童が一歩前へ出て名乗った。
「はい、僕が美童グランマニエ、スエーデン大使の息子です。」
「白馬に乗った王子様登場といったところかな。娘がいたら大変なことになっただろうねぇ。」
「お嬢さんがいらっしゃるんですか?残念だなぁ、是非お会いしたかったのに。美しい方なんでしょ
うね、奥様を見ればわかります。」
美童は流石に女性を喜ばせるコツをつかんでいるようで、志津子が嬉しそうに微笑んでいる。
「美津子が聞いたら喜びますわ。」
「君達の家の前では佐々の名も霞んでしまうなぁ。」
義正が笑いながら六人に向かって言った。
「ささ、どうぞお上がり下さい。みなさんもお疲れになったでしょう。賑やかなのは大歓迎です。部屋
だけは沢山ありますから、遠慮なくゆっくりして行って下さい。」
「はーい!」
悠理が元気よく返事をした。
【つづく】