一台の自転車がある。
片方の車輪には補助輪がついている。
持ち主は言う「必要だからつけている」と。
やつは自転車の天才だ。
天才だからこそできることがある。
やつは間違いなく天才だ。
補助輪つき自転車に俺は原付で勝負したがあっさり負けた。
何度も勝負したが勝ったことがない。
いや、勝てる気がまったくしない。
勝負の場所はいつも決まっている。
登校途中にある山道、その下り道だ。
ここでやつの補助輪はいつも火花を散らしていた。
天才とうたわれるヤツの自転車技、
その名も
必殺、補助輪ドリフト。
チャリで綺麗にドリフトを決めるあいつは間違いなく天才だ。
こんなひと、他にいません?
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