☆☆☆王家の紋章番外編8☆☆☆

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1ハザズ
ここは細川先生の少女漫画・「王家の紋章」が好きな人のためのスレッドです。
今までの経緯やここでのお約束は>2-5あたりにありますので、そちらもご覧下さい。

前スレはこちら:
☆☆王家の紋章番外編☆☆
http://salad.2ch.net/charaneta/kako/1002/10022/1002235184.html

☆☆☆王家の紋章番外編2☆☆☆
http://ex.2ch.net/nanmin/kako/1014/10146/1014698074.html

☆☆☆王家の紋章番外編3☆☆☆
http://ex.2ch.net/nanmin/kako/1023/10239/1023957614.html

☆☆☆王家の紋章番外編4☆☆☆
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1033446170/

☆☆☆王家の紋章番外編5☆☆☆
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1044250577/

☆☆☆王家の紋章番外編6☆☆☆
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1055804321/

☆☆☆王家の紋章番外編7☆☆☆
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1059127433/
2ハザズ:03/09/11 03:04
<ありがたいダイジェストサイト>
1ROM人様 ⇒ ●○● 王家の紋章スレ@2ch ダイジェスト ●○●
ttp://members.tripod.co.jp/ouke2ch/

Part3の396様 ⇒ ★★王家の紋章@2chダイジェスト暫定版(,,゚ー゚)っ且~★★
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Palette/4856/
3ハザズ:03/09/11 03:05
<今までの経緯>
☆キャラネタ板→難民板と流れてきました。理由は主にこの2つです。
・キャラネタ板はキャラになりきって交流するスレのため、スレ違いを指摘されたこと
・住人の中から、作品への感想をなりきりで書くのは辛い、という声が挙がってきたこと
 移転先としていくつか候補があった中から、マターリできそうなところということで、
 ここ難民板を選びました。難民板の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
4ハザズ:03/09/11 03:06
<お約束>
・sage推奨でお願いします(メール欄に半角文字で「sage」を入れる)。
・ここは社交場ですので特に形式は決めません。質問・雑談・作品発表ご自由に。
・作品がほのぼの系なので、あまり殺伐とした雰囲気はご勘弁を。
・作品の好みは人それぞれ。気にいらないならスルー、煽りや荒らしは完全放置。
 あとは常識的マナーの範囲で。
5ハザズ:03/09/11 03:06
<作品掲載について>
・非公式ファン交流広場なので、原作者及び出版元とは一切関係ありません。
・王家を愛する作家さんたちの創作も大歓迎です。ジャンルは問いませんが、
 極端なエロや中傷など確信犯的な作品はご遠慮くださいね。
・作家さんは名前欄に作品のタイトルをお願いします。
 連載の場合は巻頭に通しb書き、「>○○」という形で前作へのリンクを
 貼ってもらえると助かります。
・18禁作品にはタイトルにΨ(`▼´)Ψを記入して下さい。
6名無し草:03/09/11 08:22
1さん、乙〜&ありがd
7名無し草:03/09/11 08:32
新スレだぁ〜!
1タソ、お疲れっす。
8名無し草:03/09/11 08:58
ハザズタン。乙です。早い〜。もう新スレなんだ
作家様のおかげでござりますぅぅぅ。ありがたやー。
ナモナモ。。。。
9名無し草:03/09/11 09:44
朝起きたら新スレが・・・!

作家様も戻ってこられた事だし、皆さんこれまでのように
このスレ盛り上げて行きましょ〜
10遠い約束:03/09/11 11:05
ハザズ様、スレ立てありがとうございました。前スレ867からの続きです。

60
イズミル王子は燃えさかる火の中から最愛の人を助け上げた。
黄金の髪と片頬を焦がしただけの‘彼女’は驚いたように碧い瞳を見開き、薔薇の唇はまだ何かを言いたげに痙攣していた・・・。
変わり果てたその姿。暖かな血潮がイズミルの手を濡らす。
―私の大事な人たちを殺さないで!取らないで!―
そう叫んで、最後の最後の瞬間に王子が待ち望んだ言葉を口にして、最愛の女性は逝ってしまった。
騙してまで手許に引き寄せた女性が。不幸になると分かっているのに、互いに苦しむだけだと分かり切っていたのにそれでも妻にと望んだ女性が。
(私は愛する者を不幸にする為だけにしか生きられぬ定めなのか・・・!)
王子は絶叫はメンフィスの咆吼と混じり合って空気を震わせた。
だが・・・狂気に堕ちることすら彼らには許されない。戦の熱気が彼らを灼く。
―許してくれ、許してくれ、許してくれ、いや、私を罵って殺してしまってくれ!・・・私には死に神すら慈悲をかけてはくれぬのかっ・・・・
愛していたのに、愛しているのに。神よ、償わせて下さい、私が犯した罪を―


キャロルは長い長い黄泉の道を泣きながら辿っていた。
最後に見たのは炎。覚えているのは自分を愛してくれた二人の男性の恐怖と絶望と悲しみに歪んだ顔。
―私、言えなかった。あの人に。イズミル王子に。愛していますって言えなかった。メンフィスにごめんなさいって言えなかった。
王子、ごめんなさい。ごめんなさい。いつかはあなたに謝れるって思っていたの。そのうちに愛していますって言葉を返せると思っていたの。
でももうダメ。
神様、私は罰として永劫に冥い道を歩いていかなければいけないのでしょうか?神様、私に償いをさせて下さい。傲慢にもあの人の、イズミル王子の心をはかるようにしか振る舞えなかった私に―


夜の闇が一番深くなる時間。イズミルの苦痛のうめき声が、キャロルの哀しい夢を破った。キャロルは何もかも忘れてシークを揺り動かした。
11遠い約束:03/09/11 11:05
61
「どうしたの?しっかりして!夢なのよ、大丈夫!・・・王子!」
どうして夜中の自分の寝台にシークが居るのか、どうして自分はシークのことを王子などと呼んだのかなどキャロルは気付かないほどだった。
シーク・イズミルは脂汗を流し、苦痛に顔を歪めてなおも悪夢の中で藻掻いていた。
「しっかりして!夢なのよ、何も怖いことなんてないのよ」
キャロルは母親のようにしっかりと男の体を抱きしめて耳元に囁いた。
「大丈夫なのよ・・・!」(一体、このうなされようは何?普通じゃないわ・・・。どこか痛いのかしら?まさか病気?)
「う・・・うう・・・」
悪夢とはいえ、眠りの淵の中から急激に引き上げられるのは不快なもの。
シーク・イズミルは顔をしかめて目を開けた。しばらくは焦点が合わないのか、キャロルのことも分からないようだった。
「キャ・・・ロル・・・?」
「ええ、そうよ。ひどく苦しそうだったわ。誰か呼びましょう?」
「いや・・・それには及ばない。夢・・・いつもの夢だ・・・」
「夢・・・?」(夢・・・。私も見ていたわ。哀しい夢。後悔と自己嫌悪で狂いそうになる夢・・・)
イズミルはしばらく迷うように片手を宙に遊ばせていたが唐突にその手でキャロルを引き寄せ、抱きしめて横たわらせた。
汗と肌の匂いの混ざり合った男の胸の中で、キャロルは身を固くした。今更ながら何故、シークと同じ寝台にいるのだろうと疑問が萌してくる。
「お前に言ってもおそらくは理解できぬだろう。だが聞いて欲しいのだ、最後まで。私を苦しめる悪夢のことを。今まで誰にも夢の内容を話し聞かせたことはない。父上にもだ・・・」
12遠い約束:03/09/11 11:06
62
常夜灯のオレンジ色の光の元でイズミルは訥々と語った。
自分が見た恐ろしい夢のことを。いつとも知れない時代、彼はキャロルを愛していて、でも死なせてしまったということを。
生々しく恐ろしい最後の場面のことも隠さず話した。炎と血に彩られた暗赤色の悪夢のことを。
キャロルはじっとシークの声に耳を傾けた。
「・・・はは、信じられぬか? だがな、この国にはちょくちょく前世の記憶を持ったまま生まれ変わってくる人間がいるのだよ。私もそうだな。
それは神が与えたもうた贖罪の機会だ。機会を生かして無事、前世の償いをする幸せ者もいれば、再び後悔と共に逝く者もいる。
・・・キャロル・リード、お前が私を知るより遙か前から私はお前を知っていたのだ。お前を捜して・・・悪夢から逃れて・・・何よりも今度こそお前を幸せにしてやりたい」
イズミルは祈りと恐れの混じった色の瞳でキャロルを見つめた。前世からの定めなどアメリカ生まれの少女には突飛すぎるだろうか?薄気味悪がられるだろうか?
「私はお前が必要だ・・・。守って愛して幸せにしてやれる存在のぬくもりが欲しいのだ」
イズミルの傲岸な求愛にキャロルは少し震えた。声を上げて人を呼んで助けて貰うべきだと思った。ライアンの面影が一瞬、浮かんだ。
だがキャロルは。
「夢・・・は私も見たの」
キャロルもまた言葉を選んで、飛行機事故の時に見た映像やつい先ほどまで見ていた哀しい夢のことを話した。
「おかしいの。あなたに会ってから変な映像や音を感じるの。生々しくてとても夢や空耳とは思えないくらい。全部・・・あなたと会ってからよ」
イズミルの顔色が変わった。
(ああ、では!私に出会ったことでキャロルもまた前世を思い出しているのだろうか?私と子をなしたこと・・・そして・・・私と会う前のことも・・?)
13名無し草:03/09/11 14:29
一気に思い出すんだ、二人!
でもライアンがどう出るか気になるよー。
14名無し草:03/09/11 19:59
そーだ。
前世の記憶を取り戻して、キャロルを(σ´∀`)σゲッツ!! 

マジに規制多いね。
15名無し草:03/09/11 22:35
>>14
そんなに規制多いのでつか?
私ん所は全然規制ないのでとても驚きでし。不便だね・・・
それで最近みんなのレスも何気に少ないのかなぁ?
16名無し草:03/09/11 23:48
新スレも立ったのになんかさみすぃ〜雰囲気ですな。いつぞやの活気が復活してほしぃぃぃ。
17名無し草:03/09/12 00:51
新スレありがとー。たたみかけるように早い展開の遠い約束、ライアンの記憶も
きになるよぅ。
18名無し草:03/09/12 09:05
壁|-`).。oO(週末なので・・・我慢しまつ)
19名無し草:03/09/12 12:06
また週末の到来だたね…グスン
仕事休みなのは嬉しいけど、ここの読者としては禁断症状が〜〜〜
20遠い約束:03/09/12 12:21
>>12
62
「ずっと泣きながら歩いていたのか?」
イズミルはキャロルの心細さが我がことのように感じられ胸を締め付けられた。
「ええ。いつもいつも・・・夢・・・シークの言い方を借りるなら‘いつとも知れない時代’のことを見るときは哀しくて泣いているの。
自分に腹を立てながら。取り返しのつかない大失敗をした自分が許せなくて」
キャロルはそう言って口を噤んだ。シーク・イズミルの視線と次の言葉への期待を痛いほどに感じるけれど、火照った顔を見られるのは恥ずかしかった。
(シーク・イズミルの側にいるといつもどきどきして怖いくらいだった。でも側に居られるのは嫌じゃなかった。キスされたときだって・・・。
もう死ぬんだと思ったときもシークの顔が浮かんだわ。確かに馬鹿げているとは思うけれど、シークの言う‘前世の記憶’が私をここまで惹きつけたの?
シークがいう償いのチャンスが・・・今、目の前にあるっていうこと?)
シーク・イズミルは少し震えて黙り込んでいる小さな身体をおそるおそる抱きしめた。力を入れれば砕け散ってしまうかのように。
「私が苦しみ、叶えられぬと思いながらも許しを請うたように、そなたも泣いていてくれたのか?一人で・・・一人で・・・」
シーク・イズミルは今こそ、自分の中にいる重すぎる罪の痛みに苦しみ、永遠の罪人である‘前世の自分’が赦されるのではないかと思った。
「・・・私が見た夢は・・・本当にあったことなの?私はあなたに謝ることばかり考えていたの。私はアメリカ人よ。この国の伝説を知らないの。
・・・私はどうしたらいいの?」
イズミルは少女の顔を上げさせ、まっすぐに目を覗き込んだ。
「私たちは互いの気持ちを伝えるために引かれ合って出会えたのだ。先の世での過ちを償い、互いに再び共に幸せになるために。
先の世でのことなどに引きずられるのは愚かなことだと私は思っていた。そうかもしれない。お前を夢などに縛るのはよくないな」
21遠い約束:03/09/12 12:22
63
キャロルは黙ってシークの次の言葉を待った。
(私が・・・シーク・イズミルに惹かれたことを前世のせいだけにしたくない。私は初めて自分から人を好きになるとはどういうことかをこの人から教わったのだもの)
「・・・キャロル、たとえ前世の記憶などなくても私はお前に惹かれただろう。小さなお前は私の心にしっかり自分の姿を焼き付け、私の心を翻弄する。
私の側にいてくれないか?ずっとずっと私の側にいてくれないか?私は・・・お前を愛している。お前がお前であるが故に」
イズミルはそっと自分の唇をキャロルのそれに重ねた。キャロルはびくり!とひきつるように身を震わせたが、琥珀色の瞳の持ち主の誘惑からは逃れられなかった。
「でも・・・私はライアン兄さんと・・・」
(あなたを好きになっていいのかしら?私は兄さんを裏切るのよ?私は・・・怖い。家族とも連絡が取れていないのに、こんな・・・)
シークは唇を付けたまま囁く。男の吐息が、微妙な舌と唇の動きがキャロルを動けなくする。
「言ってくれ、私の愛に応えると。私を救ってくれ。幾度となく言い聞かせただろう?好き、と愛するは違うのだと。
お前にも分かっているはずだ。ライアンと私に抱く感情の違いは。どうかその唇から言って欲しい、私を愛すると」
キャロルはぶるぶると震えだした。全てはまるで濁流のようにものすごい勢いで自分を押し流す・・・。
「分からない、急にそんなこと言われても。ライアン兄さん、ライアン兄さん・・・」
腕の中で恋敵の名前を呼ぶ少女の幼さが、砂漠の王国の君主の逆鱗に触れた。
「お前のことはお前が決めるのだ。お前の心はお前にしか分からない。
余計なことは考えなくても良い。ただ自分の心にだけ耳を傾けよ。本当にお前を幸せにしてやれるのは私だ。愛してやれるのは私だ・・・」
22遠い約束:03/09/12 12:22
64
キャロルは小さく吐息をついた。
「何を恐れる?お前が下した決断で、お前が苦しむことはない。全ては私が引き受けてやろう。さぁ・・・」
キャロルはじっとシーク・イズミルを見つめた。
切羽詰まったような渇望と、激しく何かに恋い焦がれる子供のような色の瞳。
前世で犯した罪の重さにおののき苦しむ罪人にして、傲岸な命令者。
(私はこの人に惹かれている・・・。全てを捨ててもこの人を望むほどに。
私だけがこの人を悪夢から救ってあげられる。私は・・・もう後悔はしたくない。あんな夢は見たくない)
「私・・・」
「うん?」
「私、私、あなたにそう言われるのが嫌じゃない。嬉しいの。
でも分からない。これが愛なの?出会ってからいくらも経っていない。年も離れている。怖いの。闇雲に求められるのが。分からないの、怖いの」
シーク・イズミルは苦笑した。
「そうだ、愛だ」
男は幼い子供をしっかりと抱きなおした。
「互いに惹かれ合い、もっと相手をよく知りたいと思い、相手のことが何よりも大切に愛しく思われる。
長いことかけて育つ愛もあれば、出会ってすぐに育まれてしまう愛もある。
・・・俗に言えば一目惚れというやつだな」
キャロルはこくんと頷いた。
「お前を怖がらせるつもりはない。だがお前が私の言葉を嬉しく思ってくれたなら、もう何も難しいことは考えるな。ただ私の言葉にだけ耳を傾け・・・私のものになってくれ」
シークの強引さは、異郷の地で心細く何かに縋りたい気持ちで一杯だったキャロルにとっては待ちわびていた救いにも似ていた。
「・・・キャロル・リード。イズミル・ハールーン・スレイマンの妻となって欲しい」
キャロルはこくんと頷いた・・・。
23名無し草:03/09/12 12:46
キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!
うpありがd。作家様。
ケコーン承諾なのね。

ライアンどう出る?
24名無し草:03/09/12 16:29
やっと規制が終わった。
でももう週末なのね。
続機を待っています、作家様。
25名無し草:03/09/12 16:50
ほんとだねーもう週末か〜。
待つ身は辛いですが作家様方にはごゆるりと休息を取ってくださいませい〜
そしてまた続きよろしくです
26名無し草:03/09/12 16:59
いっそプロパを東京アクセスにする?(w

今日は他の作家様のご光臨はないのかな?
27名無し草:03/09/12 18:07
週末かー。
遠い約束、来週はとうとうΨ(`▼´)Ψがでるかしら?
28名無し草:03/09/12 18:39
記憶の恋人は更新ないのかな?

私も週末鬱かも。
>>前スレ871
「しかし、まだ私を思い出した訳ではあるまい?」
キャロルは目を閉じ、首をゆっくりと横に振った。
「思い出したいの!
それにわたし・・・またあなたを愛し始めてる。だから・・・」
「おお・・・姫、姫・・・!!私を愛していると!」
愛しい娘の口から紡がれる言葉を念を押すように王子は繰り返した。
(私は・・・そなたの真実の愛を手に入れようとしている。今度こそ・・・!)
もう何も彼を止めるものは無かった。
激しく唇を奪う。王子の舌が唇を割って、貪るようにキャロルの舌を吸った。
彼の両手はキャロルの胸を優しく包み込んで、その先端を刺激する。
唇はキャロルの敏感な場所をすべて知り尽くしている。
耳朶の裏、首筋、背筋の窪み、腿の内側・・・
それらすべてに巧みに舌を這わせ、幾度もキャロルにすすり泣くような声を上げさせた。
王子の手が彼女の両脚の間に滑り込み一番敏感な場所に指が触れた時、キャロルは驚いて少し抵抗した。
「あっ・・・そんな・・・イヤ・・・見ないで!」
しかし王子は口端に笑みを浮かべるだけだ。
眩しい程の陽射しのもと、お構いなしにそこにただずむ花弁を指で広げた。
小ぶりな真珠が震えて王子を誘っていた。
「美しい・・・」
感嘆のため息と言葉を漏らし、愛しそうにそこに口付ける。
キャロルを抱くときは、いつも必ずそうしていた。
どれ程彼女が恥らっても、体を溶かす程に舌で愛撫し、意識を失う寸前まで責め立てた。
「あっ・・いやぁ!!」
熱い舌が艶かしく動き、蜜に濡れた真珠を丹念に舐め上げる。
キャロルは太腿から爪先までを強張らせて激しく仰け反った。
そして彼の指がキャロルの中へと進入して、蜜の溢れる胎内を妖しい動きでかき混ぜる。
キャロルは頭の中に熱風が吹き荒れるようで、もう何も考えられなかった。
王子の舌の触れる場所から官能のうねりが巻き起こり、何度もキャロルを高みへと押し上げる――
何度も達し、脱力して川辺に横たわるキャロルの体を起こした。
「立てるか?背中が痛むであろう・・・ここでそなたを組み敷く事はできぬ」
彼女の背を側の大木にもたせ掛けるようにして立たせた。
王子に支えられて何とか立っているものの、彼女足はふらついて今にも崩れ落ちそうだ。
キャロルと向き合い、耳元に優しく囁いた。
「姫・・・愛している。そなただけだ」
そしてキャロルの片脚を持ち上げて、自分の腰へ絡ませた。
彼女を求めて猛り狂う男のそれを、充分に愛撫され綻びた花びらに突き立てる。
硬く熱い王子の一部が、胎内を押し分け奥深くに挿入した。
「あっ!!」
キャロルは王子の首に抱きついて、押し寄せる快感に耐えた。
王子はキャロルの脚を更に高く掲げ、奥まで到達させると腰をゆっくりと動かし始めた。

わたしの体はこの人を知っている!・・・そう思った。
彼の動きや癖に、キャロルの体は我知らず自然に呼応するように反応し始めた。

王子はキャロルの体をきつく抱きしめ何度も激しく突き上げた。
キャロルの意識が朦朧とし始めた頃、突然腰の動きをピタリと止めた。
低い唸りと共に、キャロルの中に思うままに熱い迸りを放つ。
自身をキャロルに沈めたまま、全身が脱力してゆく瞬間。
もはや王子も立ってはいられなかった。
キャロルの力の抜けた体を胸に抱いたまま、ズルズルとその場に座りこむ。
何かもが愛しさと満足感に満ち溢れ、二人にとってはまさに至福の時であった。

キャロルは激しく上下する王子の胸に頬を寄せると目を瞑った。
めくるめく官能の波が記憶の底に沈んだ断片を、ゆっくりとゆっくりと揺り起し始めていたのだった。
――外の篝火がほの暗く二人の影を落とす寝台の上。恐らく、そこは天幕の中。
キャロルは王子の逞しい裸身の下で、まさに今彼を受け入れようとしていた。
今まで誰にも触れられた事のない場所に、引き裂くような痛みが走る。
王子は感に堪えぬ恍惚に目を細めながら、苦痛に歪むキャロルの顔を心配そうに見下ろしていた。
「私はもはや、そなたから離れられぬ・・・そなたを愛しいと思うを止められぬ」
「わたしも・・・わたしもよ。あなたを愛している!」

しかし、同時に黒髪の男の面影が胸によみがえり出した・・・!
抜けるように青く高い空、肌を焦がすようなきつい陽射し。
男の流れるような黒髪には黄金の冠が太陽の光を受けて、眩しく輝いている。
でも、それ以上に眩しいのは・・・強い意志を秘めた、彼の黒い瞳。
それでもやはりはっきりと彼の顔は思い描けない。
焼け付く陽射しから庇うように、自分のマントでキャロルの体を包んでいた。
マントの中のキャロルに彼は、激しく唇を重ねる。荒々しく熱い唇。
それが触れた瞬間、火がついたように胸が熱くなる。
炎のような彼の激情が触れた肌から伝わってくる。
「私の妃になれ・・・そなたを愛している!」
「ええ・・・わたしはあなたと共に生きるわ」――

王子に抱かれた幸福感もさめやらぬ内に、キャロルの心には不安な嵐が吹き荒れ始めた。
(どういう事なの・・・!どういう事?
誰なの・・・!誰なの・・・?明らかに王子ではない男の人だった!)
キャロルは自分の体を抱きしめるようにして震えた。
32名無し草:03/09/12 23:26
ど、どんな事情があるのかしら。
メンフィスとは婚儀せずにあぼーん?
王子とは、け、経験済って事?


メンフィス様の熱い話も、きぼんぬ〜
33名無し草:03/09/13 00:02
ワッショイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワッショイ
王子ぃぃ。お初ゲッチュウおめでd。

が、が、メンフィスタンが絡むのね、どうなるの?
ドキドキです。
作家タンありがd。
34名無し草:03/09/13 00:08
続きが…。
自分は休みなので読みたい気いっぱいだが、作家様方の都合を考えると…。
『遠い約束』も『記憶の恋人』も、大きく話が転換するところなので、
続きがどうなるのか自分なりに妄想に浸るのも乙かも…。
35名無し草:03/09/13 00:52
両作家様、こんな面白いところで週末ですか〜(p_-)
どちらも怒涛の展開すぎて、ワシの貧相な妄想では浸れないよぅ。
これじゃぁ気になりすぎて週末も徘徊しに来てしまうよ〜。

久々のΨ(`▼´)Ψ ・・・嬉し泣きでつ

36名無し草:03/09/13 21:16
作家様方、ゆっくり休んで下さい。
続きを楽しみに待っています。

・・・とりあえず、一度は覗いている皆タンへ・・・
ヽ( ^∀^)ノq□ コーフィードゾー
37記憶の恋人(19):03/09/13 21:30
>>31
キャロルの顔色が青ざめているのを見ると、王子は気だるい体を起こした。
「どうした・・・気分でも悪いのか?」
心配そうな王子の面差しを、キャロルは見つめ返す事さえもできなかった。
黒髪の男が彼女を呼ぶ声が、今も頭の中でこだましている。

その時、一羽の白い鳩が谷合に舞い降りた。
慣れた様子で鳩は差し出された王子の腕に向かって羽ばたき、その指先に停まった。
「・・・ルカだな」
鳩の足から小さな紙片を取りあげ、小声で読み上げる。
「何!・・・メンフィスが?」
思わず口にしてしまってから、王子は腹立たしい程に後悔した。
その名前はキャロルを更に激しく揺さぶった。
「メンフィス・・・メンフィス?
王子、今メンフィスって言ったわ・・・?誰なの?」
「シッ・・・今はそれを話しておれぬ!」
「ねぇ王子、教えて!知っているのでしょう?!」
キャロルの唇に指を当てて王子は無言で質問を遮った。
王子は冷静を装って紙片に目を落とすと、硬い表情で続きを読んだ。
意志の強そうな隙の無い端整な横顔。
王子は彼女には極めて優しいが、何でも聞き入れてくれる扱いやすいタイプの人間では断じて無い。
キャロルは王子は話してくれるつもりは無いのだと悟った。
だけど彼は何もかもを知っている、とキャロルは確信した。

メンフィス・・・メンフィス・・・メンフィス・・・その名を心の中で何度も反芻した。
あの男の声が、キャロルの中でだんだんと大きくなっていった――
38記憶の恋人(20):03/09/13 21:38
「ふむ、我が軍はそう遠からぬ場所に駐屯しておるのだな。
急がねば!この崖を登るしかないが・・・どうしたものか」
王子は崖の上を見上げた後、キャロルを見た。
「えっ?ここを登るの?」
「そなたには無理ぞ・・・私がそなたを背負って登る」
「そんな・・・危ないわ!」
「いや、ぐずぐずしておれぬ・・・我々は追われている!早く私の背へ!」

王子はキャロルを背負い、切立った崖を慎重に登って行った。
幸いにも足場になるような岩が見受けられ、岩石からなる地盤は固く、昨夜の雨で緩んだ気配も無い。
頑丈な蔓や木の根を頼りにすれば、何とかキャロルを背負って登れそうだった。
気がかりなのは、キャロルが最後までしっかり彼につかまっていられるかどうかという事だ。
「姫、まだ持ちこたえられるか?」
「大丈夫よ・・・王子こそ・・・」
「あと少しで登り切る。絶対に手を離すでないぞ!」

慎重に足場を確認しては、崖面を登って行く。
王子の額には汗が玉のようになって流れた。
汗が目に染みて痛んだが、もはやこの高さとなっては足を踏み外す事は許されない。
しかしあと僅かという所で、足場にしていた岩が突然に割れて崩れ落ちた。
二人の体がガクンと宙に揺れる。
「きゃあっ!!」
とっさに岩の出っ張りを王子は掴んだが、背中に感じるキャロルの重みがずっしりと負荷をかけてくる。
「くっ・・・」
「王子・・・王子・・・!」
二人分の体重を支える手と腕が震え始める。
「大丈夫だ・・・しっかり私につかまっておれ!」
極限の状態にあってもキャロルの存在が何よりも彼を奮い立たせ、全身の力を漲らせる。
王子は何とか新たな足場を探し、慎重に体を移動させた。
39記憶の恋人(21):03/09/13 21:43
どうにか崖上の山道へ無事に辿り着くと、キャロルを背中から降ろして安堵の息をついた。
緊張と体力的な疲労で王子は目を開けているのも大儀だった。
苦しそうに目を閉じて荒い呼吸を繰り返す王子の額の汗を、キャロルは自分の衣の袖でそっと拭った。
「王子・・・大丈夫?」
心配そうに覗き込む小さな白い顔。
「なん・・・だ?心配には及ばぬぞ・・・少し休めば何と言う事は・・・ない」
しかし青い瞳にはうっすらと涙さえ滲んでいる。王子は大きな手でキャロルの髪を撫でた。
「悪かった・・・な、怖い思いをさせたか・・・?」
「違うの、・・・ごめんなさい」
キャロルは王子の肩に抱きついて、彼の頬に頬を擦り付けた。
「わたし・・・あなたに迷惑を掛けてるんだわ。
あなたにこんな無茶をさせるなんて・・・!
きっとわたしのせいで・・・こんな事になっているのでしょう?」
王子の胸に痛いほどの愛しさが込み上げる。

しかしキャロルの言葉が終わらぬうちに、王子の瞳は一瞬驚愕した後、激しく威嚇するように見開いた。
唇を噛み締めて、キャロルの肩のその先を睨み据える。
キャロルは何事かと振り返り、王子の視線の先を追って愕然とした。

そこに――長い黒髪に黄金の冠の――世にも美しい男が数多の兵を従え、二人を見下ろすように立っていた。
彼のしなやかな腕は剣を持ち、その切っ先は真っ直ぐにイズミルとキャロルへと向けられていた。
40記憶の恋人:03/09/13 21:46
ギャー!ごめんなさい。sage入れ忘れてしまいました!!!

書き溜めてる分があるので、週末もうpできると思います。
それにしても初歩的なミスをしてしまった・・・すみません(=_=)(=_=)(=_=)
41名無し草:03/09/13 23:22
キタ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ(゚д゚)ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━━!!

作家様〜〜最後にうろついた自分を褒めてやりたい!
あうーー。ついに直接対決なのですね。
次回に謎が判明するのですね。
ドキドキ…やさすぃ作家様、明日も心よりお待ちしております。

ヽ( ^∀^)ノq□ コーフィードゾー作家様。
42名無し草:03/09/14 00:12
メンフィス キタ(゚∀゚)ーーキターーーーーーーー!!
キタキタキタキタキタ━━━━━(゚(゚∀(゚∀゚)∀゚)゚)━━━━━!!!! ドカッ
形勢逆転?
やっぱりここでは王子優勢かしら?
43名無し草:03/09/14 00:37
ワヲー王子ピンチだ〜〜〜

王子アボーン、メンヒスとラヴラヴ・・・きぼんします。メンヒスファソだからさ。
メンヒスとはΨ(`▼´)Ψしてないのかな。気になるよーん
てか、メンか王子どっちが主役?
44名無し草:03/09/14 00:53
キタ━━━━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━━━━!!!!
やっとメンフィス登場〜〜。
真実が明かされるのねん〜〜〜〜
45名無し草:03/09/14 15:19
おおおお結構イイとこ取りぽいね!メンフィス。
馬上で余裕かましてる風なんて〜うきうきどきどき。
久方ぶりの凛々しいお姿か?
ヘタれる寸前つかの間の蜻蛉か〜
ホントどっちの男が主役でしょうね。多分・・・・王子?
(やっぱヘタレメンフィスかしら?涙)
  キター!!
      ∧_∧
   ◯( ・∀・ )◯
    \    /
     | ω│
    (_) ノ
      し'
46記憶の恋人(22):03/09/14 17:29
>>39
王子は口惜しそうに舌打ちすると、自分の体を楯にキャロルを後ろ手に隠すように護った。
キャロルにはメンフィスの姿を見せたく無かった。そしてメンフィスにも。
考えうる最悪の事態だった。
全くの孤立無援、多勢に無勢、しかも彼は今体力を使い果たした所だ。
唇に血が滲むほど、強く噛み締めた。
――なんとして切り抜ける?――王子は冷静に自問した。

(この人だ!はっきりとわかる・・・この人だわ!!)
緑の縁取りを施した切れ長の黒い瞳。
恐ろしい程の力強さでキャロルを見つめるその瞳を、キャロルは瞬きもせずに見つめ返した。
華麗で艶やかな面差しは、見る者の呼吸を一瞬止める程に美しい。
憂いと翳りのあい混じったイズミルの秀麗な美しさと並ぶと、甲乙付け難い見事な好対照であった。
例えるなら、燦然と輝く灼熱の太陽と気高く輝く孤高の月――
キャロルは向かい合って睨みあう二人の男を見るうちに、強い既視感に捉われた。
(前にもこんな事が・・・あれは・・・あれは・・・)
47記憶の恋人(23):03/09/14 17:29
「キャロル!」
体の芯に響くような力強い声で男は呼んだ。
「その男から離れよ!」
激しい怒りが男の黒い瞳の中で燃え盛っていた。
男の溢れ出すような激情が熱い波となり、キャロルの心の中に打ち寄せる。
音を立てて心が騒ぐ。
目が眩む程に心が乱れる。
「誰・・・誰なの?あなたは・・・?」

男はカッと黒い瞳を見開いた。
「何を申しておる!・・・私がわからぬのか!」
「あ・・・駄目。思い出せない・・・でも、わたしはあなたを知ってる・・・誰なの?」
突然、メンフィスの瞳から激しさが消えた。いたわりの色が溢れ出す。
「そなた・・・私がわからぬと・・・おお、何があった?! まさか記憶を失っておるのか?」
メンフィスが一歩づつキャロルに歩み寄る。
「おお・・・キャロル!私だ・・・メンフィスだ!」
「メンフィス・・・メンフィス・・・メンフィス!!」
キャロルの中で、目の前の黒髪の麗しい男とメンフィスという名が繋がった――
48記憶の恋人(23):03/09/14 17:30
「キャロル!」
体の芯に響くような力強い声で男は呼んだ。
「その男から離れよ!」
激しい怒りが男の黒い瞳の中で燃え盛っていた。
男の溢れ出すような激情が熱い波となり、キャロルの心の中に打ち寄せる。
音を立てて心が騒ぐ。
目が眩む程に心が乱れる。
「誰・・・誰なの?あなたは・・・?」

男はカッと黒い瞳を見開いた。
「何を申しておる!・・・私がわからぬのか!」
「あ・・・駄目。思い出せない・・・でも、わたしはあなたを知ってる・・・誰なの?」
突然、メンフィスの瞳から激しさが消えた。いたわりの色が溢れ出す。
「そなた・・・私がわからぬと・・・おお、何があった?! まさか記憶を失っておるのか?」
メンフィスが一歩づつキャロルに歩み寄る。
「おお・・・キャロル!私だ・・・メンフィスだ!」
「メンフィス・・・メンフィス・・・メンフィス!!」
キャロルの中で、目の前の黒髪の麗しい男とメンフィスという名が繋がった――
49記憶の恋人(24):03/09/14 17:31
谷合のはるか後方から武装した別の一隊が近づいていた。
軍の先頭で指揮を取っていた男は、メンフィスと王子達の姿を遠目に見つけると足を止め慎重に様子を伺った。
「む・・・あれに見えるは、メンフィス王にイズミル王子、おお、ナイルの姫も・・・!」
「なに・・・メンフィスが?!」
駱駝の上でベールを纏った要人は、それを耳にすると悔しげに吐き捨てるように言った。
「チッ・・・先を越されたか!」
ベールの奥の冷ややかで美しい瞳を振り返り、男は指示を仰ぐ。
「いかがなさいますか・・・これ以上進めばメンフィス王の軍に我々の存在を気取られますぞ!」
「気取られてはならぬ・・・今は動けぬ。ここで待機して様子を見るのじゃ」
「御意に」
ナクト将軍は低頭して、恭しく答えた。
「くっ・・・忌々しいキャロルに、こざかしいイズミルめ!
あの時、仕損じた事が今更に悔やまれるわ・・・!
キャロルをメンフィスに逢わせとうはなかったと言うに、口惜しや!」
女の黒い瞳には嫉妬と焦りが渦巻いていた。
「アイシス様、メンフィス様はイズミル王子をどうするおつもりでしょうか?」
アイシスの背後に控えていたアリが、先方を伺いながら呟いた。
「メンフィスの事・・・相当に殺気立っておろうからな。
イズミルを生かしておくとは思えぬが。
ここでイズミルだけ殺されては、何にもならぬではないか・・・!何か策を立てるのじゃ」
50記憶の恋人(25):03/09/14 17:32
王子の体の影に身を寄せて、キャロルは混乱した様子でメンフィスを見つめていた。
メンフィスは記憶を失ってしまったキャロルを憐憫に満ちた瞳で見つめ、彼女の方へ歩み寄る。
王子は腰から剣を抜きとり、メンフィスの動きを制した。
剣の先をメンフィスの喉元に突きつけて、不敵に微笑する。
「久しぶりだな・・・メンフィス王よ」
メンフィスも剣で王子の剣を払うように押しのけた。
「イズミル!貴様だけは許さぬぞ!」
鈍い金属音だけが谷合に遠く響いた。
後ろに控えるエジプト兵が一斉に弓矢の切先を王子に照準を合わせて構える。
二人は剣を交差させたまま、時が止まったかのように激しく睨み合う。

「説明しろ、イズミル!これはどういう事だ!キャロルに何をした!」
「ふっ・・・姫はもはや私のもの。そなたにうるさく言われる覚えはない」
「おのれ・・・キャロルの記憶が無いのは何故だ!答えろ」
「・・・事故によるものだ。頭を打って記憶を一時的に失っている」
「事故だと?ふん、貴様の言うことなど信用できるものか!
ともかく、キャロルを返してもらおう。この状況で抵抗してみたところで無駄な事ぞ!」
「はっ・・・そう言われて私が姫を渡すとでも?――命に代えても手放さぬ!」

王子はメンフィスを焦らすように落ち着いて話しながら、兵士の数や配置をざっと把握した。
恐らく軍を幾つもの小隊に分けて、王子とキャロルを探していたのだろう。
今のメンフィスは50名程度の小隊を率いているだけのようだ。
(何とか切り抜けるぞ・・・!!何としても!)
51記憶の恋人:03/09/14 17:39
ギャーァ!今日もミスをしてしまいました。(23)が二重に・・・。
すみません、何か回線の調子が悪く送れていないと思って二回送ってしまったのです。
読みづらくしてしまいごめんなさい。反省〜

ヽ( ^∀^)ノq□ コーヒーありがとうです! 可愛い顔文字レスも有難うございます。癒されます〜
52名無し草:03/09/14 18:54
カレーを煮込んでいる内にうpが!
メンフィス様だ〜良かった生きてる。しかもおのれ!
感涙です ありがとう〜作者様
53名無し草:03/09/14 19:25
あいしすまで出てきたよ!アリ付で。
何を企んでいるのかしらん・・・

部下に頼らず、自分で肉体労働してる王子が新鮮です。
今の王子じゃ無理無理〜
だけどなんでキャロル二股かける事になったのかニャ?
54名無し草:03/09/14 21:26
うおー記憶の恋人作家様うpありがd!
さー明日も仕事がんばるぞー。
55名無し草:03/09/14 21:47
王子の危機。誰かルカを呼んできて〜〜〜
56名無し草:03/09/15 00:13
うpありがd。作家様♪本当に久しぶりに凛々しいメンフィスです。
楽しみに読ませて頂いております。ありがたやー。

>52タン
休みはカレー・・・。我が家もです!明日の朝はちと楽じゃ。
57遠い約束:03/09/15 11:52
>>22
65
「お前は私の妻になる・・・」
イズミルはキャロルの頭を撫でながら優しく深い声で呟いた。
「お前が承諾してくれたことを、どれだけ嬉しいと思っているか分かるか・・・。いや、お前にはまだ分からないかもしれないな。
・・・・長かった、長かった、お前を再び得るまでは・・・」
シークの言葉がキャロルの心に染みわたる。初めて出会ったときから不思議なほど心惹かれて、恐ろしいほどだった。
シークに呼び起こされるようにして、自分の深い深い場所から湧き出でてくる夢・・・あるいは前世の記憶。
初めて自覚した初恋。恋にときめく心と、ライアンを裏切っているという後ろめたさ。
(でも本当にこれでいいのかしら?家族とも連絡が取れていないのに・・・誰にも相談せずに自分一人で決めてしまった。この私が、け、結婚だなんて。
しかも相手は一国の摂政・・・)
「怖い・・・」
キャロルの呟きを聞き咎めたシークは、たった今、結婚の承諾を取りつけた少女の顔を覗き込んだ。
「何?」
「怖いの、何もかも。・・・嬉しいはずなの、だってす、好きな人からプロポーズされたんですものね。嫌じゃないわ、嬉しいの。本当よ。
でも・・・何だか怖い。不安なの。家族にも・・・ライアン兄さんにも連絡が取れていないのに。怖い・・・」
「お前は何も心配することはない。未だ家族に連絡が取れていないのが不安なのか?大丈夫だ、私がお前を守ってやる。外国人の入国が再び許可されたのならば、一番にお前の家族を連れてきてやろう。
お前は私の妻なのだよ? そんな子供じみたことを言って私を困らせないでくれ」
58遠い約束:03/09/15 11:53
66
言葉とは裏腹に、シークは幼妻に困らせられるのが嬉しくてたまらないといった風にキャロルを優しく寝台に横たえた。
そして自分の重みを華奢な身体にかけないように注意しながら、接吻を与える。最初は軽く啄むように。でもじきに深く激しく。
シークの体の下で陶然と呼吸を早めるキャロル。頭の中では相変わらず警報が響いている。このままでは取り返しのつかないことになる、と。それでも身体は動かず、シークの意のままだ。
(本当にこのままでいいの?この不安は何?このまま流されてしまったら私、ライアン兄さんを裏切ってしまう。嫌よ、大好きな人を裏切って悲しませてまで結婚するのは・・・!)
「いや・・・っ!」
シークは存外、素直にキャロルを解放した。頬に刻まれている苦笑。
(やれやれ・・・抗うことをしないままでいたならば、私はこの場でキャロルを散らせていただろう。一国のシークの妻の初夜がそれではまずいな・・・)
怒張した自身を宥めるように深く息をつきながら、シークはそっとキャロルのひきつった顔に触れた。
「済まなかったな。お前を怖がらせるつもりはなかったのだ。大丈夫だ、私は無粋で野蛮な獣ではない。シークの妃となる娘は最高の格式を持って迎えられる。さぁ、そのように怖い顔をしてくれるな」
「ごめんなさい・・・。あの何て言うか・・・ライアン兄さんに・・・家族にちゃんと連絡を取りたいの。兄さんに赦して貰って・・・あなたのつ、妻に」
「・・・分かった。家族とは出来るだけ早く連絡が取れるよう努力しよう」
シークは嘘をついた。だが家族に知らせればキャロルは行ってしまうだろう。
59名無し草:03/09/15 16:33
をを!!うpありがd。
キャロル・・・勿体ないっ!!
Ψ(`▼´)Ψのチャーンスだったのにっ。(舌打ち)
ん〜、どうするのかなシーク?ライアンにナイショで婚儀?
楽しみです。
60名無し草:03/09/15 18:25
>私は無粋で野蛮な獣ではない。

ワラタ
61名無し草:03/09/15 19:48
王子獣になるんだ!お前はト(ry
62名無し草:03/09/15 20:03
>61タン
タイガーマスクを思い出したのですが(w
メンフィス君も獣になれ〜〜。
63名無し草:03/09/15 20:37
メンフィス、獣になるんだ!
お前もあの月に向かってほ(ry
64記憶の恋人(26):03/09/15 20:40
>>50
王子は後ろ手に庇っていたキャロルの腕を引っ張ると、胸の前に抱きとめた。
そして銀色に光る鉄剣の先を手前へ向ける。
キャロルにだけ聞こえるように、王子は耳元で囁いた。
(姫・・・許せ。そなたに刃を向けるなど・・・私を信じよ。何をも恐れるな!)
王子は向かい合うメンフィスに見せ付けるように、キャロルの胸の上で刃先を止めた。
「姫を奪われむざむざ殺されるならば・・・姫と諸共、己の剣で命を絶つ!」
メンフィスの息を呑む音が、兵士達を制止させた。
王子はメンフィスと居並ぶエジプト兵を睨み付け、谷間に響き渡る大きな声で叫んだ。
「良く聞けい!メンフィス王ならびにエジプト兵に告ぐ。
ただちに全ての武器を崖下に投げ捨てよ!!」
メンフィスは歯を軋ませながら、燃える瞳で睨み返す。
「おのれ・・・イズミル!!キャロルを楯に取ろうというのか!」
王子の腕に抱かれたキャロルは自分に向けられた剣の先を、恐怖に仰け反りながら見つめた。
緊迫した沈黙の後、観念したメンフィスは、真っ先に黄金づくしの剣を崖の下へ惜しげもなく投げ捨てた。
王子の険しい顔に、勝利を見越した微笑が浮かぶ。
エジプト兵を振り返り、メンフィスは怒りに任せて怒声を上げた。
「武器を捨てよ!!」
「・・・王、しかし!!」
「ええい、私が捨てよと申しておるのだ!!早く捨てぬかっ!!」
メンフィスの只ならぬ怒気に押され、すぐさま兵士達は次々に弓や剣を谷間に投じた。
65記憶の恋人(27):03/09/15 20:42
「ふふ・・・では、道を空けてもらおう。恩に着るぞ、メンフィス王」
キャロルの胸に剣をかざしたまま、王子はゆっくりと立ち上がり傲慢に言い放った。
エジプト兵の合間を抜けて王子は悠然と歩く。

去り行くキャロルの背に向かって、メンフィスは叫んだ。
「キャロル・・・行くな!そなたが帰るのは私の胸ぞ!・・・何故に私を苦しませる!」
魂を揺さぶる声はキャロルの心をわし掴みにする。
「キャロル―――!!」
堪らずキャロルはメンフィスを振り返った。
王子の腕が彼女を強く拘束していなければ、腕をすり抜けて走り出して行きそうな勢いだった。

その様子に王子は総毛立つような苛立ちを覚えて、指が喰い込む程キャロルの腕を握り締めた。
「待って・・・待って王子、あの人と・・・あの人と話をさせて!
あの人は・・・メンフィスは・・・わたしの何なの?」
青い瞳には溢れんばかりの涙が溜まっていた。
「ならぬ!」
王子は恐ろしい形相で、懇願するキャロルを一喝した。
まだ胸に突きつけられている剣と、王子の力強い腕がキャロルに逆らうのを許さなかった。
「お願い・・・王子!!」
一歩一歩重い足取りのキャロルを、引きずるように王子は歩いた。
66記憶の恋人(28):03/09/15 20:48
しかし――突然に王子の腕はキャロルの体を滑り落ち、彼女を解放した。
ぐらりと王子の体は重心を失い、キャロルの足元に崩れ落ちた。
何が起こったのか、一瞬で理解できず立ち尽くす。
「王子?!」
キャロルの細い腕が大柄な体躯を揺すり起こす。
王子は何も応えない。
弓が深々と彼の背中を射抜いていた。

二人のはるか後方を振り返ると、弓を手にしたメンフィスが立っていた。
王子の目を盗み捨てずに置いておいた矢を、メンフィスが放ったのだ。
「キャロル!!」
メンフィスは弓を投げ捨てると駆け寄り、キャロルに向かってその両腕を広げた。
「キャロル・・・おお・・・もはやそなたを誰にも渡さぬ!キャロル!!」

キャロルははその場にへなへなと膝から座り込んだ。
王子の背中から飛び散るように流れる血潮が、キャロルの意識を遠く彼方へ運び去る。
深く沈み行く意識の底で、キャロルは一心に思い描いていた。
メンフィスと愛し合った日々を、初めてイズミル王子その人と出会ったあの日のエジプトを――
67名無し草:03/09/15 21:14
おお〜ナイルよ
続きがえらい気になるでぇ〜
68名無し草:03/09/15 21:22
     次回はエジプト編ですか?  らくだも出してね。
______ ____________ _______
      V  /┴┬\           V
,,,,,,.......,,,,....,,,,,,,/┴┬┴┬\ ../\....▲...,,,,,,,,,,,,,,,,,,
      __                ヽ_|_|_/
     /| | |\ ::::::;;;: :::.:::;;;;;;;;;;      (゚Д゚)      γ^・⌒)
     |二二二_|              (つつ~~~~~~~/~~/~~
    ノノ ・∀・)     γ^・⌒)     γ⌒U⌒  / /
     ( つ~~つ~~~~~~~/~~/~~     /     ヽ_ノ /
     (    )    / /      /        ノ
    γ⌒⌒⌒ヽ   / /      (        ノ :: ::::::
    /      ヽ_ノ / :: ::::::.  ミミ |/ ̄ ̄レ\|
    /         ノ
   (         ノ      :: ::::::
  ミ |/ ̄ ̄レ\|
 :: ::::::.
:: ::::::.  :: ::::::.  :: ::::::.   .
69名無し草:03/09/15 22:10
メンフィス……キターーーそうアレがメンフィスなんだよね。
もっとも、王子が逆の立場でも同じことするだろう
王者の立場なら当然¥の行為だ。
キャロルはそこまで考えないで浅くメンフィスを拒否しそう。
なにしろイタしちゃってるし。
ヤパーリ王子とくっつきそう………
70名無し草:03/09/15 22:23
お願い作家様。メンヒスとくっ付けてやってくだしゃい〜

アリポーズでお願いしてますが・・・ダメ?
ああメンフィスー
71名無し草:03/09/15 22:46
>>68
カワイイ〜。
このスレのAAをいいポイントで置いて行くんだよね〜。
もうっチュ〜〜。
なごむーーー。
72名無し草:03/09/16 00:00
>>遠い約束作家様
そろそろラブラブ監禁モード全開ですか〜?
早くライアン出てきて。自家用ジェットで国境なんてビユーンしれ!
>>記憶の恋人作家様
メンフィスも王子もヘタれていなくてうれすぃ〜
正面対決イイわぁ〜
王子が悪者ぽくてミステリアス。。。
73遠い約束:03/09/16 12:22
>>58
67
(二度と私の側から離さない。家族に会わせれば・・・きっとライアンが奪っていってしまう。どうしてそんなことに耐えられる?
早く早く私の妻にしてしまおう。私にしっかりと繋ぎ止めて・・・優しい気性故に流されやすくも思えるキャロルの身も心も、揺るぎなく繋ぎ止めてしまおう)
時空を遡ったはるかな世で・・・愛しい娘を騙して娶り、互いの心を傷つけた男は、また同じ過ちを繰り返そうとしていた。
ただ違うのは、腕の中に抱きしめたキャロルが未だ清らかな身であり、恐れ迷いながらも自分からイズミルへの気持ちに気づき始めたこと・・・。

「キャロル、何故そんな心細そうな顔をする?大丈夫だ、家族には出来るだけ早く会えるように私も骨折ってやる。お前の家族は私の家族も同然なのだからな。お前はもう一人ではない。私がお前の夫であり、私の国がお前の国になるのだ」
イズミルの笑顔はどこまでも優しく慈しむに溢れていた。
「もうそんな顔はしてくれるな。私もお前も長い長い約束をようやく果たせたのだ。・・・私のことが好きだろう?」
キャロルは初々しい羞じらいに頬を染めて小さく答えた。
「いいえ・・・」
「何っ?」
「・・・私はシークのことを愛しているの・・・だと思います」
シーク・イズミルは破顔一笑し、もう一度キャロルを接吻で覆った。

そして。日もだいぶ高く上がってからキャロルの寝室から出てきたシーク・イズミルを待っていたのは、一睡もしていないムーラであった。
「シーク・・・!お、おはようございます。昨夜、は、あの昨夜はお嬢様と・・・」
狼狽えて真っ赤になった乳母にシークは魅力的な笑みを送った。幼い頃から幾度となく彼の乳母を籠絡してきた微笑だ。
「キャロルは今、眠ったところだ。今まで以上に大切に扱うように。婚儀のその日まで、何人たりとも彼女に触れることがないように、な」
「あ、あの・・・」
「婚儀のその日まで、私を含め無垢の乙女を汚す者がないように大切に守ってくれ。彼女はシークの花嫁になる身だ」
74遠い約束:03/09/16 12:23
68
殆ど徹夜でシークと語り合ったキャロルが目覚めたのは午後も半ばを過ぎた頃だった。
「お目覚めでございますか?お嬢様、いいえシェイハ」
キャロルが起きあがった気配を察して、ムーラが滑るように室内に入ってきた。
すばやく彼女の育て子が妻にと熱望する少女を見れば、着衣も髪も妙に乱れた様子はなく、全く「お姫様の寝起き姿」である。
(まぁ・・・シークは本当にこの方に指一本お触れにならなかったのだ!
最高の格式で妻にとおっしゃっていたけれど・・・ああ、下世話な想像をしていたのが今となっては恥ずかしい)
「ムーラ・・・あのシークは・・・」
言ってしまってからキャロルは、はっと口を押さえた。何も無かったとはいえ、シークと彼女は同衾している。他人はどう思うだろう?
「あ・・・あのっ・・・つまり私が言いたいのは・・・」
ムーラは微笑んで、取り乱す初な少女の肩を優しく叩いた。
「ほほ・・・。シークは先ほど執務室に。シェイハ、お身仕舞いをいたしましょう。シークはあなた様があまりよくお休みになられなかったようだから、ゆっくりさせよとお命じでしたよ」
「そうですか・・・。あの、シェイハって・・・シーク(シェイク)の女性形?どうしてそんな呼び方を?」
「あなた様はシークの選ばれた方です。そのようにお呼びするのが当然でございましょう?」
キャロルは真っ赤になった。それと同時に不安が蘇ってくる。
(私はシーク・イズミルの妻になる。でも何もかもが私を置いて流れていくようで怖い。本当にこれでいいの?)
「あ・・・ムーラ。どうかそんなふうに呼ばないで下さい。私はキャロル、シークの保護を受けている外国人に過ぎませんもの」
戸惑い、羞じらうキャロルの様子がまたムーラを喜ばせた。
そしてその夜。当然のようにキャロルの居室を訪れたシークは、彼女に真珠を連ねた首飾りを贈った。
「お前の誕生祝いを贈るのが延び延びになってしまったな。これを。清らかな真珠はお前に相応しい」
アラブの言葉でルゥルゥと呼ばれる宝石を、男は手慣れた仕草で少女の白いうなじに飾ってやった。
75遠い約束:03/09/16 12:23
69
(まぁ、どこでこんなことをお覚えになったのやら!)
驚き呆れる乳母の目も憚らず、シークはキャロルの額髪をそっと掻き上げてやった。
「綺麗・・・。何て綺麗・・・」
シークが国一番の宝石商を呼びつけて手に入れた真珠の首飾りはオーソドックスなフォルムでありながら、その品質の桁外れの高さ故にこの上なく美しく見えた。
「まるで真珠自身が光っているみたい」
「気に入ったか?」
シークは少女に接吻をねだるように顔を近づけたが・・・。
「こんな高価なもの頂けないわ、シーク。私みたいな子供には分不相応だわ」
「キャロル様!せっかくのお心遣いに何ということを!」
「はは、良い。だが確か欧米では16歳になったときに初めて宝石を身につけることが多く、それ用には真珠が選ばれることがよくある、と聞いた覚えがあるぞ。
受け取ってくれ、キャロル。お前の恋人が選んだ品を突き返すような真似はしてくれるな。お前が私の妻ではなく、恋人であるのは短い間だ・・・」
キャロルは耳まで赤くなった。シークの優男ぶった口説は気恥ずかしかったが、彼女をこの上なくときめかす。
(こんなことを言う人だとは思わなかったわ・・・。恥ずかしい、でも嬉しいわよね、やっぱり・・・)

「お待ち下さいませ、大臣!そちらはシークのお許しがなくては入れませぬ!」
「五月蠅い!シーク、おられるか?シーク?イズミル!火急の用だ!」
けたたましい騒ぎと共に恰幅のいい男性がキャロルとイズミルの居る部屋に入ってきた。アル・シャハルの石油大臣カリム、イズミルの叔父にあたる男性である。
「イズミル!無礼は赦されよ。先ほどアメリカ政府から連絡が!リード・コンツェルンがプロジェクト起工を無期延期にす・・・・誰だっ!お前は!」
(まずいな・・・)
イズミルはキャロルを後ろ手で隠すようにして立ち上がり、豪放磊落で知られる叔父に対峙した。
「これは叔父上。何という無礼です。こちらは私の婚約者、キャロル・リード嬢です。さぁ、キャロル。挨拶を」
76名無し草:03/09/16 12:54
最近、番外編ワールドの住人になっていたら、何年かぶりに今日本編(月プリ)
見て激ビックリ。
いきなり王子が「ナイルの姫が花嫁衣裳でヒッタイトに向かっている・・」
って・・えーー?!
ま・まさかキャロルったら王子LOVEになったの?!
メンフィスから逃げて?!
頑張れ王子!!今度こそGETだ〜!!
77名無し草:03/09/16 14:13
うpありがd。
なの〜?シェイハって言うのか。成る程…。
にしても、楽しい上に勉強になりますです。
楽しみにしておりまつ。
78名無し草:03/09/16 18:41
王子キタワァ━━━━━━(n‘∀‘)η━━━━━━ !!!!!
79名無し草:03/09/16 20:18
ムーラ、目ざとい!
しかしこれからどうなるんだろう?
わくわくどきどき
80記憶の恋人(29):03/09/16 22:57
>>66
――晴れ渡ったどこまでも青い空。雲のひとつもなく、灼熱の太陽がエジプトの乾いた大地を照り付ける。
そして、エジプト王宮の豪奢な大広間に、イズミル王子は立っていた。
古代エジプト的な美麗な装飾が施されたその空間の中で、腰よりも長い亜麻色の髪と琥珀の瞳を持つ青年は、明らかに異国の風貌と情緒を漂わせていた。

王座に座したメンフィスとアイシスは彼に丁重な歓迎の辞を述べていた。
しかし、イズミル王子の表情は硬く厳しい。
先立ってエジプトを訪問していたヒッタイトのミタムン王女が、来訪中に謎の失踪を遂げており、ミタムン王女の追跡の為、実兄であるイズミル王子が自らエジプトを訪問したという次第であった。

「ミタムン王女の件については、未だ行方も真相もわからぬまま。
我が宮殿の警備体制の不備には心よりお詫び申し上げる。
我々も引き続き調査をすすめて参る所存にあるが、どうかイズミル王子には心置きなく滞在されるよう」

王子は鋭く涼しい瞳でメンフィスとアイシスの顔を射抜くように見つめた。
噂通りに、いやそれ以上に威圧的な美しさと威厳を誇る姉弟。
生まれながらにエジプトの世継ぎであるメンフィスは、この若さにして堂々とした王者の振る舞いを見せていた。
女王アイシスは美しさが過ぎるゆえに冷たく見える貌にあでやかな微笑を浮かべている。
しかし心の内を他人に読ませないその美貌は、完璧な仮面のようだった。
メンフィス王の思いのほか真摯で誠実な態度には感心の色を呈し好感さえ抱いた王子であったが、アイシス女王に対しては謎めいた暗い影を感じていた。

両者の間には表向きは美辞を並べた挨拶句で取り繕われていたが、無数の細い糸のような緊張感が張り詰めていた。
ミタムンの生存と事の成り行きいかんによっては、国交が大きく揺るがされ、戦の引き金となり得る事態である。僅かに均衡が崩れれば、もはや一触即発であった。
81記憶の恋人(30):03/09/16 23:02
その張り巡らされた緊張の糸を、少女の声が軽やかに掻き乱す。
「きゃーっ、そっちは駄目よ!あっ、こらっ!!」
足音と共に一匹の白い子猫が広間に飛び込んで、事もあろうか王子の胸に飛びついた。
そして猫の後を追うように少女が王子の前に現れた。
イズミル王子はその娘に目を見張った。
柔らかに波打つ黄金の髪、抜けるほどに白い肌。そして生き生きと輝く青い瞳。
大国ヒッタイトの王子である自分の前であるというのに、臆する様子もなく軽やかに走り回る。
無礼だとは思わなかった。ただ・・・なんと可憐な少女なのかと、王子は彼女の姿を目で追わずにはいられなかった。

「キャロル!!」
メンフィスは高座の上から、彼女を頭ごなしに怒鳴りつけた。
「きゃ、ごめんなさい。この子ったら逃げ回って手が付けられないの・・・あら!」
キャロルは異国風の美しい長身の青年を見上げて驚きの声を上げた。
あれほど誰にも懐かなかった暴れ猫が、彼の腕の中では体をすり寄せるように大人しく抱かれているではないか。
彼の長く逞しい指が白い毛並みを優しく撫でると、猫は喉を鳴らして男に甘え始めた。
「まあ・・・すごいわ、誰にも触られたがらなかったのに。あなたにはこんなに懐くなんて!」
「これは・・・そなたの猫か?」
吸い込まれそうな深い琥珀の瞳にキャロルは一瞬とまどった。彼の視線はあまりにも真っ直ぐだったから。
「え・・・あ、はい」

「キャロル!何だ、国賓の面前にて無礼であるぞ!」
メンフィスは椅子を蹴倒さんばかりの勢いで立ち上がり、つかつかと少女の前に立ちはだかる。
残忍で勇猛との噂高いこの王の事。目の前の娘を張り飛ばすのではないかと王子は一瞬身構えた。
しかし・・・
82記憶の恋人(31):03/09/16 23:05
「メ、メンフィス。ごめんなさい・・・は、反省してます」
少女が上目遣いで申し訳なさそうにそう言うと、メンフィスの表情はとたんに驚くほど柔らかく優しいものとなったのだ。
少女の華奢な両肩を愛しげに抱き寄せるメンフィスの仕草は、まるで壊れ物を包み込むように優しげだった。
「キャロル・・・こちらはヒッタイトのイズミル王子だ。
今、ヒッタイトからお着きになられたばかりだ。しばらくエジプトに滞在される」
「こちらは・・・?」
王子は明らかに興をそそられた様子でメンフィスに尋ねた。
「これはキャロルと申して・・・いずれ私の妃に上がる娘。キャロル、王子にご挨拶申し上げろ」
「あ、あの・・・ようこそエジプトへお越しくださいました。イズミル王子」
王子は彼女の白い手を取り、唇をそっと押し付ける。
「お会いできて光栄だ・・・」
キャロルの頬がわずかに色づいた。

メンフィスの瞳がその瞬間に鋭くなった事と、先ほどからキャロルを見つめるアイシスの視線が只ならぬものである事を見逃す王子ではなかった。
姉弟での婚姻が認められているエジプトの事、メンフィス王はてっきりアイシス女王をまず妃に立てるつもりかと思っていた。妹のミタムンも、恐らく見目麗しいメンフィス王に恋心を抱いたに違いない。
しかし、メンフィス王はアイシスや他の妃候補を押しのけて、あの金色の髪の少女をと考えているらしい。
どうみてもエジプト王家の血筋とは思えぬ、エジプト人ですらない異形の娘を。
ミタムンの失踪には、妃の座をめぐる陰謀があったのかも知れぬ。眉をひそめて王子は考え込んだ。

それにしても、メンフィス王があの娘を見る目ときたら・・・!
面白い、噂に名高い若き勇猛なるファラオも恋の前では形無しか!――王子は心の中でほくそえんだ。
83記憶の恋人(32):03/09/16 23:27
イズミル王子はナイルに夕日が落ちて辺りが暗くなる頃、宮廷の庭へ抜け出すと物影に身を潜めた。
先立ってエジプト王宮に身分を偽り潜り込ませていた腹心の家臣ルカと密会するためだ。
「・・・王子」
「おお、ルカ。久しくあるな。・・・どうか、何かミタムンの手がかりは・・・?」
「それが、全く何も。最後にお姿を見たという召使の者も何も知らないようなのです。
供の者も連れず、ミタムン様がお一人で行動されたのかもしれませぬ」
「・・・あれは、そういう所のある娘であったからな」
王子は妹の身を案じてため息をついた。
「まぁ、良い。私が来たからには堂々と調査を致す。メンフィス王の許可も取りつけた」
「はっ・・・」
「ところで・・・ルカ、そなたキャロルという娘を知っているな?」
「はい?あの、メンフィス王の寵を受けている姫の事ですね」
「そうだ。彼女は何者だ?」
「何でもエジプトの女神ハピの娘だとか・・・ナイルの娘、ナイルの姫と呼ばれています。
未来を読む力と、叡智を持ち、また各国の地理情勢に詳しく通じているとの噂です」
「ふ・・・未来を読む神の娘・・・か」
王子は納得した様子で、誰にともなく頷いた。
輝くばかりの美しさのみならず、神がかりな力さえあの小さな体に秘めていると言う・・・
「なるほど、メンフィス王が夢中になる所以であるな」
キャロルの面差しは幾度となくよみがえり、王子の胸を甘く切なくさせた。
それは今はまだ、轟々と燃え盛る炎のほんの小さな火種にすぎなかった――
84名無し草:03/09/17 00:06
うほほ〜い、エジプト━━━(゚(゚∀(゚∀゚)∀゚)゚)━━━キタキタ〜!
だけど王子が公式にエジプト訪問してるとは思わんかった。
メンフィスの暴れっぷりをキターイ

85名無し草:03/09/17 10:01
連日のうpありがdです。。。
嵐の前の静かさ?続きが楽しみでございます〜〜〜
86名無し草:03/09/17 19:27
今日のお昼「遠い約束」作家様は光臨なかったね…また規制かしらん?
どっちも続きが気になる〜〜〜〜!
87名無し草:03/09/17 20:26
うにゃ〜〜。
今はやふとプララが規制されているようですな〜。
88名無し草:03/09/17 21:47
預りうp代行する場所、ドゾーしましょか
規制&帰省対策
代行人ふくめて、だれも投稿者のリモホ
みれない掲示板かうpろだ見つかったら
89名無し草:03/09/17 21:50
激痛sage忘れ、すいませーん
要らぬことしますた、逝ッテキマス
90記憶の恋人(33):03/09/17 22:31
>>83
その夜、王子とヒッタイトの一行を歓迎する宴が開かれた。
来訪の目的がミタムン王女の失踪に関わる深刻な件であったとはいえ、煌びやかな踊り子による舞踊、贅をふるった料理と美酒が惜しげもなく振舞われ人々を酔わす。

メンフィスは中央に、少し離れた席にアイシスが、続いて王子やヒッタイトの従者達が居並んで座していた。
キャロルはメンフィスの座に侍って彼の酒盃に酌をしている。

「イズミル王子め・・・先ほどから隙あらばそなたを見ておるな。
ふん・・・いくら眺めてみたところで、そなたは私のものだと申すに!」
少し嫉妬の入り混じったメンフィスの言い草に、キャロルは頬を赤らめながら笑った。
「そ、そんな・・・気のせいよ!きっと、私の髪とか目の色が珍しいだけよ」
メンフィスは呆れた表情でキャロルの小さな顔を見つめた。
「そなたは鈍いな!・・・あの王子はあきらかにそなたに興味を抱いておる。
よいか、不用意に微笑みかけたりするでないぞ!」
「まっ・・・!またそんな横暴なっ!」
「うるさい、そなたはいつも無用心すぎるのだ!
私が進言してやらねば他に誰がしてやれる?!
そなたは私の側で微笑んでおればよい」
「もう・・・!最近ちょっとは優しくなってきたと思っていたのに!やっぱり暴君だわ!」
メンフィスはキャロルを睨んだ。
「ふん、そなたが大人しくしておれば、私も優しくしてやれるのだ。
この私がこれほどにそなたを愛しく思うと言うに・・・何が不足ぞ?」
脅しをかけるような口調で言う。
しかしキャロルを抱き寄せる仕草も荒々しく乱暴ではあったが、彼女への愛しさに溢れていた。
メンフィスは片時もキャロルを側から離さず、わざとキャロルをからかっては笑い声を上げる。
91記憶の恋人(34):03/09/17 22:32
キャロルはメンフィスの目を盗むように、そっと視線を異国の王子の方へ移した。

長い亜麻色の髪を片側の肩に流し、物憂い仕草で酒盃を傾けていた。
周りの者の話に耳を傾け、言葉少なに相槌を打つ。
決して饒舌ではないが、時折彼の口から紡がれる言葉は奥深く、彼の知識や思慮の深さを物語っていた。
その様子から、彼は賑やかさよりもむしろ孤独を好む男であろう事が容易に伺えた。
そしてメンフィスと同様に彼もまた生まれながらに王者の風格と威厳、優雅さを備えている。
寡黙であるのに彼の圧倒的な存在感をキャロルは感じていた。
・・・メンフィスより年長であるが故の落ち着き。秀麗な面差しを縁取る無い翳りと憂い。
妙にキャロルの気を引くのは、彼の持つ孤高な気質なのかもしれない。

耳を澄ませば喧騒に混じって、どこからとも無く侍女たちの勝手なおしゃべりが聞こえてくる。
「見て・・・ヒッタイトのイズミル王子様って素敵な方!」
「メンフィス様と並ぶと圧巻ですわね・・・あんなにお美しい殿方が二人もいらっしゃるなんて」
「でもやっぱりわたしは、雄々しいメンフィス様かしら」
「あら、わたしだったら神秘的なイズミル様ね・・・お優しそうだもの」

「キャロル、どこを見ておる?」
メンフィスの声にキャロルはドキリとして、彼の顔を見上げた。
「わっ・・・な、何でもないわ」
「そなたは・・・!!私が注意したそばから・・・よそ見をするなっ!!」
ムッとした声色でメンフィスは言いながらも、キャロルを引き寄せて頬に口付けた。
柔らかな頬に触れれば愛しさが勝って、いつまでもそう不機嫌ではいられない。
最近のキャロルは、頬や耳元に接吻してやると艶かしい反応を見せるようになっていた。
最初の頃はただくすぐったがるだけだったのに、随分と進歩したものだとメンフィスは悦に入っていた。
少しキャロルを懲らしめてやろうと、頬から耳たぶへとゆっくり愛撫するように唇を移動させると、彼女はピクッと体を震わせ硬くした。
「ふん・・・愛いやつめ」
「あ・・・いや・・・メンフィス」
「ならば、私のいう事を大人しく聞く事だ」
メンフィスは切れ長の瞳で睨んで悪戯っぽく言うと、キャロルから唇を離した。
「もうっ・・・!」
92名無し草:03/09/17 22:33
逝かんでもいいぞーーー。
帰ってこーーーーい。
でも、私は作家タンでは、ないから何とも言えん罠。
93記憶の恋人(35):03/09/17 22:37
その様子は王子の瞳の淵に映っていた。
メンフィスの唇が彼女の肌に触れるのが、そうされて彼女が頬を染めて反応するのが、無性に苛立たしかった。
胸を惑わせる妖しい想いを否定すればするほど、それは王子を捉え始める。
(姫の見目が珍しく美しいゆえ、男として興味があるだけなのだ・・・それだけだ)
自分自身に言い聞かせるように、勢いよく杯の酒を飲み干した。

アイシスはメンフィスの上機嫌な様子に顔を背けるように座っていたが、その背中はメンフィスとキャロルの会話のひとつも漏らすまいと聞き耳を立てている。
(おお・・・憎い・・・憎いキャロル!
メンフィスの隣に侍るはこのわたくしであったと言うに!)

そして――アイシスの注意深い視線は、ふとイズミル王子に留まる。
王子は時折キャロルをちらりと見つめては、キャロルがそれに気づく前に視線を外す。
その度に吐息をついて、酒盃を煽る。
憂いと切なさが微妙に混ざり合った琥珀の瞳・・・
アイシスは口許に込み上げる笑みを、手にしていた扇でそっと隠した。
(ほほ・・・ヒッタイトのイズミルか・・・これは、良い手駒になるやも知れぬのう・・・)
94記憶の恋人:03/09/17 22:42
私の所は全く規制に引っ掛らない様なので、いつも通りこちらへうpしました。
規制されるとこのスレ自体も読めなくなってしまうのですか?

早く規制が解除されるとよいですね・・・
95名無し草:03/09/17 22:50
いえ、読めるけどカキコが出来ない状態になりまつ。>規制
これはある意味、蛇の生殺しだよ〜(涙
96記憶の恋人:03/09/17 23:46
なるほど、カキコできなくなるのですね。
どうするのが一番ベターなのかな・・・?
88さんはいずこへ〜?
97名無し草:03/09/18 00:03
規制のあるプロバイダ大変ですな。
うpしてもらえる作品あるのに読めないなんて辛いわん。。。

>記憶の恋人作家様
いつもうpアリガトンでつ。毎日週末も読めて嬉しい限りでつ。

現代王子のその後も気になるのじゃ〜!はやく規制なんとかなんないかな。
98名無し草:03/09/18 00:47
>>95
を!95タソは作家様?!
うp待ち作品お手持ちとか・・・うpしてほすぃ

88タソはうp場所探しに逝ってしまったんだろーか
99名無し草:03/09/18 08:53
ダイジェストサイトさん、
過去ログありがとうー!
100名無し草:03/09/18 09:22
ほんとだーダイジェストサイト更新されてる
過去ログ落ちてもこれで安心〜。ありがd
101名無し草:03/09/18 12:32
ヤバイ!!
家事もせずにログってしまった・・・。
でも、読んだ事が無いのが結構あって、お楽しみ〜〜!!

管理人様〜感謝のアリポーズです。
愛してます〜〜。
102名無し草:03/09/18 13:58
今日も来られないのですか…。
刺身〜。じゃなくて、淋しいです。

そう言えば?王子の体に弾入って・・・・一体何年経ったのだろう?
作家様抜いてくだちぃ・・・。
103名無し草:03/09/18 14:04
そういえば?王家って始まってから(話上では)何年経過してるんだろう?
104名無し草:03/09/18 14:29
私は二年は経ってないと思っています。

>88の話なんですけど、
ダイジェストサイトに、新スレ作ったらどうでしょう?
管理人様の更新もしやすいのでは?
105名無し草:03/09/18 14:39
新スレ作るのもいいけど後々ややこしくならない?
それが心配なのでつが…
作家様方のご意見いかがなものでしょ?

>>103
年数の経過は良くわからないけど
少年王が青年王になるくらいの年数は経っていると思われ。
106名無し草:03/09/18 15:02
規制ウザー。
それよりウザいのは、みんな規制で困ってると言うのに一人うpする作家。
107名無し草:03/09/18 15:25
私怨?
もう夏は終わったんだから、はやくお帰り。
108名無し草:03/09/18 15:45
なにが何でも荒したい人が一人いるみたいですが、皆さん釣られないでね!
ということで、前スレの854タンの言葉をもう一度。

○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
○ウザイと思ったらそのままスルー。透明になるのでつ。
○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ノセられてレスしたらアカンでーー。
○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 与えちゃダメぽ。                   
○枯死するまで孤独に暴れさせておいて、スルーが一番でつ。
109名無し草:03/09/18 16:18
スルーするでつよ〜>ALL
110名無し草:03/09/18 16:38
>>103
ナイルが2回氾濫してるから、2年くらいかなー?
でもキャロル以外の人間、メンフィス、王子、アシシスとかには
それ以上の時の経過を感じる。とくにルカとか年取ったよね〜

>記憶の恋人さま
upされるたびに入り込んで読んどります〜!感謝ポーズ!
111名無し草:03/09/18 17:32
(」_ _ )」 アリポーズ de カンシャ
112名無し草:03/09/18 17:47
  L(_ _L ) 

111タソのをアレンジして、左向きもやってみたりして・・
113名無し草:03/09/18 17:49
キャロルの髪の伸び具合からしてどうよ。
2年であんなに伸びるの?
114名無し草:03/09/18 17:56
>>113
ナイルに飲み込まれた時に、水流に引っ張られて伸びるのでつ…
115名無し草:03/09/18 18:04
ワラタ
116名無し草:03/09/18 18:54
合体させてみたりして

   お待ちしております
(」_ _ )」      L(_ _L ) 
117名無し草:03/09/18 19:16
>>110
ウンウンウン、みんな年とったねぇ!
特にルカときたら・・・当初は丸顔につぶらな瞳の少年だったのに、いまやハサンもびっくりの馬ヅラ〜〜〜
王子とメンヒスはいい男になったし。特に20巻〜30巻のあたり。

でもキャロルも1巻から比べるとずいぶん女らしくなったと思ふ。
あのメガネは戴けませんな。キャロルがあのままだったら、萌えないと思うわ。

118名無し草:03/09/18 19:47
王家の呪いなのです。
119名無し草:03/09/18 20:56
規制で困ってないのに
うpできない106。
なんで?
ウゼーから。
120名無し草:03/09/18 21:16
>>116
あ…、合体かわいい


キャロルもだが、王子の髪も長々と伸びましたなぁ。邪魔じゃないのか??
121記憶の恋人:03/09/18 23:27
目障りだと思われる方には本当に申し訳なく思うのですが、どうかスルーしてもらえると幸いです。
勝手なお願いなのかな・・・すみません。
規制が厳しい時にうpしてよいのかどうかとても迷う所ですが
定期的にうpして行きたいと思っていましたので、今宵も投稿させていただきたいのです。
本当に早く規制がなくなるといいですね。

アリポーズかわいい・・・和みます。
読んで下さる皆様ありがとうございました。
122記憶の恋人(36):03/09/18 23:31
>>93
それからしばらくの間は、キャロルと王子が顔を合わす事はほとんど無かった。
広大な王宮の中でそれは別段不思議な事ではなかったが、王子は恐らくはメンフィスがそう取り計らっているのだろうと推測した。
王子はミタムン王女の足取を調べるうち、宮殿の奥まった棟へ辿り着いた。
「ここは・・・確か」
ルカがナイルの姫の部屋があると言っていた辺りだ。
キャロルが近くにいるのだと思うと、何故か王子の心は騒ぎ出した。
気が付けばいつも、彼女に会いたい、彼女の姿を見たいと切に願っている自分がいた。
それは彼女に会えないという事も手伝って、日ごとに大きく彼の胸の中で確実に膨らんでいた――

王子の物思いを、女の悲鳴が引き裂いた。建物の中が突如に騒がしくなった。
「誰かある――!誰かっ・・・誰か――っ!!」
「きゃ―――っ!!」

王子は許可もなくその建物の中に入るのを一瞬躊躇したが、その悲鳴の中にキャロルの声が混じっているのを察知すると居ても立ってもいられず悲鳴の方角へ駆けつけた。
侍女達が慌てふためいて廊下を右往左往している。
「何事か!?」
「ああ・・・助けて下さい。湯殿にコブラが・・・姫様の湯殿に!」
イズミルがここにいる事に驚く暇も余裕もない様子で、侍女は王子を奥に通した。
「姫・・・無礼を許せ!」
王子はそう言うと、湯殿に乗り込んだ。
白い湯煙の奥の湯船でキャロルは体を震わせ、身動きすらできずにいた。
湯船の中や外に数匹のコブラが鎌首をもたげて蠢いている。
「姫、そこを動くでない!今すぐに助けてやろうぞ!」
「お・・・王子?!」
王子は腰の剣を素早く抜き取り、コブラを蹴散らすように剣で切りつけていった。
123記憶の恋人(37):03/09/18 23:32
女官長のナフテラが王子の足許にひれ伏して丁重に礼を述べる。
「ああ、姫様がご無事でよろしゅうございました!イズミル王子様のお陰でございます。
本当に何とお礼を申し上げて良いのか・・・!」
しかし、ナフテラや侍女達が安堵に胸をなでおろしたのも束の間であった。
王子は湯船の淵で震えるキャロルを引き上げると、自分の衣装の上掛けを彼女の裸体に纏わせた。
そしてその体を愛しそうに抱きしめたのだ。
「あっ・・・大丈夫です。は、離して・・・」
「恐ろしかったであろう・・・?もう大丈夫だ。安心いたせ。だが、何故コブラが・・・?」
侍女達は、別の恐ろしさであたふたと慌て始めた。
メンフィスにこの事が知れたら、ただ事で済まない――!!

しかしまさにその時、騒ぎを聞きつけたメンフィスが怒声と共に乗り込んで来た。
「キャロルは無事か!コブラとは何事ぞ――っ!!キャロル!!」

キャロルの姿を王子の腕の中に見つけたメンフィスの表情は激怒で震えた。
肌も湯に濡れたまま、布を軽く纏っただけの半裸に近い彼女の体を、馴れ馴れしく抱き上げているではないか!
「イ・・・イズミル王子!そなたが何故、キャロルの湯殿に・・・!」
王子はくすりと笑った。
「たまたま宮殿の外を通っただけ。
一刻を争う故に、姫君の湯殿とは知りつつ失礼を致した」
王子はそっけなく言うと、メンフィスの腕にキャロルを託した。
「なるほど・・・ではキャロルをお救い頂いた事については心より御礼を申し上げる!
しかし!――ここは私以外の男は何人たりとて立ち入れぬ場ぞ!
二度と足を踏み入れる事なきよう、重々心に留め置き願いたい!」
メンフィスはキャロルを抱きとめる体に力を漲らせ、王子に叩きつけるように言うと、威勢よく踵を返しキャロルを抱いたまま立ち去った。
124記憶の恋人(38):03/09/18 23:35
「くっそう!!何奴かがコブラを湯殿に放ったのか!そなたを狙っての狼藉か!
くっ・・・それにしてもイズミル・・・何度思い返してもはらわたの煮えくり返る!!」
メンフィスは水の入った杯を力任せに床に叩き付けた。
「メンフィス!王子はわたしを助けてくれたのよ!」
細い手首を掴むと、キャロルを壁に押し付けてメンフィスは彼女を睨みつける。
「わかっておる!何度も申すな!そなたを救った事については感謝しておる!
・・・しかし、裸のそなたをあのように抱き上げる必要があるのか?
まるで我がもののように馴れ馴れしく!!」
理不尽とはわかりながらも、怒りが収まらない。
壁際で身動きできないキャロルを追い詰めるように、荒々しく唇を重ねる。
メンフィスの舌が深く差し入れられた。
「んっ・・・」
「誰にも指一本触れさせぬ・・・!そなたは私のものぞ!」
何度も接吻は繰り返される。息が止まるほどに激しく。
キャロルの頭の芯がクラクラと痺れ始めた。
それでもメンフィスはまだキャロルを離そうとしない。
「メ・・・メンフィス・・・・・・」
メンフィスは彼女の体を抱き上げた。
荒々しくキャロルの寝室の戸を足で蹴り上げ、寝台の上にキャロルの体を下ろすと、ドサリと覆いかぶさった。
筋肉質で引き締まったメンフィスの上半身、滑らかな褐色の肌が密着する。
彼はキャロルの白く艶かしい首筋を指でツッとなぞり、そこに唇を当てて強く吸った。
「メンフィス・・・なっ・・・」
「フン・・・これで良い」
白い首にくっきりと浮かんだ赤い跡。
自分の刻印を満足そうに眺めるメンフィス。その逞しい体が、キャロルに重たくのしかかる。

湯あがりのキャロルの肌を間近で見たせいか、イズミルが彼女に触れた事に対するやり場のない怒りのせいか、メンフィスの体は燃え盛っていた。
いつもに増して男の部分が熱く怒張してくるのがわかる。
125記憶の恋人(39):03/09/18 23:37
耐えかねてメンフィスは彼女の耳たぶや首筋、胸元、腕の内側などの敏感な場所を探り、唇で愛撫した。
彼の熱い唇がそれらの際どい場所に触れるとあまりに心地よく、キャロルは思わず甘い声を漏らしていた。
だが、そんな彼女を見つめるメンフィスは、まるで責め苦に耐えるかのように苦しく切ない表情であった。
彼女の胸のふくらみを覆う薄手の衣を引き降ろし、そこに触れてみたかった。
しかし、メンフィスは必死の思いで欲望を抑える。
「くっそう・・・!」

男女の行為を知らないあまりに清純なキャロルに、どのようにそれを教えればよいのかメンフィスは戸惑っていたのだ。
男の欲望に任せてキャロルを抱く事もできる。彼女のすべてを愛し、彼女の中で自分自身を解放できれば、どれほどに素晴らしいだろう・・・?
しかし自分の激情をキャロルにぶつければ彼女を壊してしまいそうで恐ろしかった。
こればかりは決して無理強いをせず、大切に扱いたい。キャロルは特別なのだ。
キャロルの清らかな体を開き自分自身を刻み付けるのは、やはり婚儀の夜が相応しい――そうメンフィスは決めていた。

メンフィスは深く息を吸い込むと、熱く滾った体を無理にキャロルから引き剥がした。
「さて、今宵はもう行くぞ」
「メンフィス・・・」
キャロルは思わず縋るような目で彼を見つめた。
激しく迫られるとドキドキして怖気づくくせに、彼が自分の寝室へ戻ろうとすると寂しくて仕方がなくなる。
「そのような目で見るな・・・今日の私は興奮しておる、下手に刺激せぬほうが良いぞ!
さあ・・・早く休め。よいな」
メンフィスは愛しさのこもった口づけを、軽くキャロルの唇に与えるとキャロルの寝室を去った。
いつまでもキャロルは寝付けなかった。
メンフィスの感触が今なお肌に残り、胸を熱くする。
身をも燃やす激しさで、恐ろしいほど真っ直ぐに愛を乞うメンフィスを、キャロルもいつしか深く愛するようになっていた――
(メンフィス・・・メンフィス・・・好き・・・胸が痛くなるくらい・・・あなたが好きよ・・・)
枕に顔を埋めながらメンフィスの面差しを思い浮かべて、胸の中でつぶやいた。
126名無し草:03/09/19 00:38
作家さま、うpありがとうございます!!m(._.)m
うわー、メンヒスカコイイですねー!
そして王子がこれからどういうふうにキャロルに本気になるのか、キャロルも
王子にどう傾くのか、とても楽しみですー!
127名無し草:03/09/19 01:00
メンフィスカコイイ!!
メンフィス裏切る→キャロル王子に傾く、のパターンが多くて、
チョト辛かったんだけど、
このメンフィスはそういう「なんでー!?」なことは
やりそうにないのがイイ!!
128名無し草:03/09/19 01:13
王子もイイけどメンヒスも…(*´д`)モエ
129名無し草:03/09/19 08:05
うわーーーーん仕事に逝く前に〜
帰ってからゆっくり読みたーーーーい!
メ、メンフィスかっこいいよう。
127タンに同意。
いつも最後はヘタれて泣けました。
どちらもかっこよく収まるのは難しいからねえ
130名無し草:03/09/19 12:38
寸止めめんひす、カコイイ!!
でも確か・・・キャロルのお初は王子だっけ?
うわーん、哀れなり・・・
131名無し草:03/09/19 12:41
うわーん、アゲちゃったよ・・・
ごーーーめーーーんーーーよーーーーーー・・・
132記憶の恋人(40):03/09/19 22:30
>>125
香油の香りが立ちこめる豪奢な室内に、女の声が響く。
「・・・メンフィスはイズミル王子に切りかからんばかりの勢いだったそうな?」
豊満な裸身をうつ伏せに寝台に横たわるアイシス。
その滑らかな背中に、アリは香油を垂らし丁寧にすり込んでいた。
淡いオリーブ色の絹の肌は、篝火の鈍い光を受けていっそう艶かしく見える。
「はい。何でも国賓である王子を前に激昂されたとか・・・
王子の方も、何やらキャロルに気がある様子で・・・面白い雲行きになって参りました」
「・・・メンフィスばかりか・・・ヒッタイトの名高きイズミルまで!
大国の世継ぎだる男がこぞって、何故にあのような詰まらぬ小娘に関わりたがるのかわらかぬ!!」
「お鎮まり下さいませ、アイシス様。
・・・まこと忌々しい娘でございます。
今回ばかりは・・・とんだ邪魔が入りましたが、必ずやこのアリがキャロルをこの手で!」
アイシスはしかしアリを睨みつける。
「もはや失敗は許されぬ!メンフィスは今、キャロルの為に神殿を新しく建設しておる。
あれが完工すれば、いよいよ婚儀を挙げるつもりじゃ!!
何としても・・・何としても!婚儀を挙げさせてはならぬ・・・!
神殿の完成を待たずしてキャロルを殺らねば、もはや間に合わぬ!!
――それにしても、まこと腹立たしいのはキャロルの悪運の強さ・・・!
またしても、おめおめと命拾いをしおってからに。
許せぬ・・・イズミル王子め・・・よけいな事を!」
「おお・・・アイシス様!
そうでございますよ、イズミルです!
何とか・・あのイズミルをうまく利用して・・・」
美しい貌がゆっくりとアリを振り返った。
「ふ・・・アリ、そなたも同じ事を考えておったのか?」
アイシスは狡猾なアリの顔をじっと見据える。
「・・・アイシス様?」
「ほほほ・・・よい案があるのじゃ・・・アリ、耳を貸せ」
その漆黒の瞳に篝火が映りこんで揺らめいた。
彼女の心にある嫉妬を象徴するかのような炎が。
133記憶の恋人(41):03/09/19 22:31
翌日、キャロルは目覚めても頭の芯に熱が残ったような気分だった。
怒りと嫉妬で熱くなった昨夜のメンフィスの抱擁のおかげで、すっかり寝不足になってしまった。
いつか本当にメンフィスに抱かれて彼の妃になるのだと思うと、幸せすぎて恐ろしくなる。
そして――湯船の中から自分を抱き上げたイズミル王子の感触もまだ妙に生々しく残っていた。
・・・鍛え上げられた逞しい彼の胸の中には、罪の意識にも似た不思議なときめきがあった。
キャロルはそれを振り払うように、頭を振った。
(いけない!・・・王子の事なんて・・・)

気分をすっきりさせたくて、キャロルは外の空気を吸いに庭へ足を運んだ。
散歩がてらにのんびり歩いていると、突然フワフワとした何かを爪先に感じて、足許を見た。
キャロルの白い子猫が彼女のくるぶしに首をすりつけてゴロゴロと声をあげている。
「まぁ!こんなところにいたのね。
ちょっとはわたしに慣れたかしら?・・・こっちへいらっしゃい」
両手を伸ばして抱き上げようとした瞬間、突然に猫は暴れだしてキャロルの腕に爪を立てて引っ掻いた。
「きゃぁ!痛いっ・・・」

くすくすと押し殺した笑い声が後方から聞こえてくる。
キャロルが振り向くと、池の淵にイズミル王子がいた。
縁石に腰掛けて長い足を組み、こちらを見て笑っている。
「王子・・・」

彼は慣れた様子で猫に手を差し伸べると、難なく従わせ腕の中に収めてしまった――

王子に対する気まずさも忘れて、キャロルの愛くるしい顔に思わず優しい笑みが広がる。
「この子ったら・・・本当にあなたによく懐いているわ!
メンフィスがわたしにくれた猫なんですけど、誰にも懐かなくて。みんな引掻き傷が増えるばかりで・・・」
今度はキャロルがくすくすと笑った。
「メンフィスなんて、すぐ乱暴にするから噛み付かれてしまったのよ」
何がそんなに可笑しいのか、少女は鈴のような声をあげてころころと笑う。
王子も思わずつられて、頬を緩ませる。
つまらぬ事も、ささいな事も、この少女の周りでは全てが鮮やかに色づいて浮き立つように思えた。
134記憶の恋人(42):03/09/19 22:33
「イズミル王子・・・。
古代の男の人って皆、狩をして勇猛さを競ってばかりなのに・・・あなたはむしろ小さな命を大切に扱っているように見えるわ」
「私は狩など好まぬ。命あるものを意味も無く殺生するのは好まぬ性質でな」
キャロルは驚きつつも深く感心した面持ちで王子を見つめた。そして微笑んだ。
一見冷たく見える王子の意外な一面を垣間見たような気がして嬉しくなったのだ。

キャロルは王子の腕の中で大人しくなった子猫の頭に手を伸ばし、恐る恐る撫でてみた。
「ふふ・・・そなたが恐れれば、これも落ち着かぬぞ。
大丈夫だ。噛み付いたりはせぬ」
王子は言いながら、キャロルの腕の中に猫をそっと渡した。
キャロルの腕の中で猫はおとなしく眠るように抱かれていた。
キャロルは猫の喉や背中を優しく撫でてさすってみた。
「そう・・・毛並みにそって撫でてやれば嫌がらぬ」
「いつもこんなにいい子だったらいいのに・・・」

猫を愛でるキャロルの様子を、目を細めて見つめていた王子は突然に切り出した。
「姫・・・昨日は、そなたに大変無礼な振る舞いをしたな」
「い、いいえ・・・そんな。お礼を申し上げなければならないのは私のほうです」
キャロルは驚いて顔をあげた。
あまり触れたくない話題を突然に切り出されて、心臓が音を立てて鼓動し始める。
しかし王子は落ち着いた様子で話を続けた。
「・・・メンフィス王は随分とお怒りだ。
今ここで、私とそなたがこのように話している事もお許しにならないのだろうな?」
「えっ・・・?」
そう言われて初めて気がついたが、いつの間にかキャロルは王子のすぐ隣に腰を降ろし、親密に話をしていた。

頬を紅潮させて困った表情を見せるキャロルを琥珀の瞳が見つめる。
その視線がキャロルの胸元に落ちた時、王子の頬は引き攣った。
首筋にひとつ赤い接吻の跡――
まるで彼を牽制するかのように、それはわざとらしく目につく場所にあった。
誰にどのようにしてその跡がつけられたのか想像をめぐらすと、無数の棘で刺されるような嫉妬が体を駆け巡った。
135記憶の恋人(43):03/09/19 22:34
穏やかだった王子の表情が突然に険しくなった。
「メンフィス王はそなたが愛しくて仕方が無いらしいな。
ふ・・・その気持ちは私にも痛いほどによくわかる!」
王子の言葉の真意を量りかねて、キャロルは戸惑った。
火照るように熱さを増したキャロルの頬に、王子の手が触れる。彼の瞳がキャロルを捉える。
王子を制止しなければ・・・と思ったが、魅惑的な琥珀の瞳と心地よい彼の指は、キャロルが逃げるのを許さない。
決して力で押さえつけられている訳ではない。
逃げようと思えば何とでもなるはずなのに、なぜかキャロルの体は身動きのひとつさえできなかった。
体温や吐息を肌で感じるほどに、彼の唇が接近する。
キャロルは身構えた。

――が、王子の唇は寸前の所で止まった。

彼は自分の唇に当てた人差し指を、キャロルの柔らかな唇に移してそっと押し当てた。
そしてその指を名残惜しげに離すと、切なく微笑み・・・キャロルの前から立ち去ってしまった――

ひとり残されたキャロルは、子猫を抱いたまましばらくその場に座り込んでいた。
彼の指が触れた唇が熱い。
何をされたという訳でもないのに、彼女の心は激しく興奮していた。そして激しくうろたえていた。
(どうして・・・わたし動けなかった・・・恐い・・・!!)
136名無し草:03/09/19 23:28
うおう、王子もメンヒスもアイシスも、皆すてきー!
アイシスの活躍(暗躍?)期待してますL(_ _L )
137名無し草:03/09/20 00:02
88タンどこいった?
規制ひっかかってる作家様にかわって、うpしてくれるっぽかったのに。
つづき読みたいよぅ。
138名無し草:03/09/20 00:19
アイシスがんがれー!陰謀くさいアイシス萌え〜!
だけどこのキャロルメンフィスにぞっこんみたいなのに
どうやって王子になびくのかしらん・・・
139名無し草:03/09/20 00:53
新作も読みたい〜〜
くれくれーーばかりでゴメンちゃい。
140名無し草:03/09/20 01:10
いやーなかなか素敵な展開〜!陰謀じゃ陰謀じゃ〜アリ活躍かな
141記憶の恋人(44):03/09/20 12:42
>>135
王子は熱くなった体を持て余しながら、庭園を抜け、あてもなく裏の通路を歩いた。

初めて心から愛しいと思った娘は、よりによってメンフィス王の許婚であった。
それを分かっていながらも、止める事さえできぬ我が身の愚かさ。
やり切れなさにため息が漏れる。
先ほど、彼女の首筋に残された接吻の跡を見つけた瞬間、嫉妬で我を忘れそうになった。
もう少しで、抑え切れず彼女に口づけしてしまう所だった。

王子には分かっていた。
彼女に触れれば最後、自分を抑える事などもはやできなくなる、と。
彼女を腕ずくでメンフィス王から奪う事・・・それは今両国間で必死に取り繕おうとしている国交を崩壊させる事を意味している。

「愚かなことよ・・・」
王子は口に出して呟いた。
しかし、腕には少女の体の温かみが、指先には彼女の唇の柔らかさが、今なおはっきりと残っている。
あの唇に直接触れる事ができれば・・・!――もどかしさで胸が焼けた。


物思いに耽るうちに、王子は狭い通路をどんどん奥に進んでいた。
人目を憚るかのように複雑に曲がりくねって設計されたその通路は、最終的には裏庭へ続いていた。
人気もなく、手入れもろくに施されていないさびれた様子の裏庭。
裏庭の隅には薄汚れた煉瓦作りの小さな塔が見える。
何やら怪しげなその一角へ王子は足を運ぶ。
古い鎧戸を試しに押してみるも、青銅製の閂で閉ざされていた。
王子は束ねた髪の中から鉄製の短刀を取り出し、閂をこじ開けた。
軋んだ重い音を立ててゆっくりと鎧戸が開いた。
142記憶の恋人(45):03/09/20 12:46
塔の中を見回したが、上には明かり取りの窓があるだけで、暗い地下道が下に続いていた。
暗がりに目が慣れるのを待って、王子は慎重に石造りの階段を下りる。
音の無い空間に、王子の足音だけが響いた。
底の見えない深い穴に飲み込まれるような錯覚をおこさせる。
狭く長い階段を下り、ぐるりと辺りを見回した王子は思わず眉をひそめた。

「これは・・・?」

湿っぽい重たい空気が立ちこめていた。
天井の小さな明かり取りの窓からわずかに光が差し込むだけの暗く狭い閉ざされた空間。
青銅の格子で仕切られた部屋。格子には大きな錠が掛けられるようになっていた。

「地下牢がこんな所にあったのか・・・」
今は誰もそこへ幽閉されてはいなかったが、薄汚れた皿や足枷がそのまま放置されており、かつて使われていた事を物語っていた。

鬱蒼としたその場を離れようと踵を返したその時、王子は何か小さな物を踏みつけた。
それを手に取り、王子は思わず目を見張った。
「こ・・・これはっ!!」
黒く焦げてひどく汚れているが、それは石を繋いで作られた装飾品のようだ。
汚れに見える染みに目を凝らしてみれば、あきらかにそれは血痕であった。

そして、それは王子には良く見覚えのある品だった。
――彼自身が妹のミタムンに贈った額飾り――
ミタムンはそれをいたく気に入って、いつも肌身離さず身に着けていたものだった。

見るも無残に形をかえた額飾りを見れば、ミタムンの最期がどのようであったのかが瞼にありありと浮かぶようだった。もはや妹は生きてはおるまい。
王子は妹の遺品を手に、込み上げる憤怒に震えた。
「おお・・・ミタムン・・・ミタムンよ!!」
143記憶の恋人:03/09/20 12:56
今週末も書き貯め分があるので、うpさせて頂きました。
何だか私のものばかりになっちゃってすみません。

まだ規制が続いているのかな・・・
私も現代王子の続きや新作が読みたい〜
では皆さんよい週末を。
144名無し草:03/09/20 14:12
記憶の恋人作家様ありがd!!
週末なのにウレシイ〜〜
145 ◆zcOHo5rEb. :03/09/20 14:56
テストテストテストテストだよーん
146名無し草:03/09/20 17:29
ミタムンの消息・・・
こんな風に真実知っちゃったらこれはきつい〜〜〜。
147名無し草:03/09/21 00:02
ををー、週末うpありがd。明日も期待してしまうよー
王子怒りバクハツでキャロルを奪うに50000イズミル。
毎回怒涛の展開ですなぁ。。。

148名無し草:03/09/21 00:30
毎日うpがあって嬉しいかぎり(*´∀`*)
アイシスとアリってほんと、悪代官と越後屋みたいだわ(w
149名無し草:03/09/21 01:06
>>148
激ワロタ
150名無し草:03/09/21 02:20

お主もワルよのう  (*`ー´) L(_ _L ) ヘヘー
151名無し草:03/09/21 09:46
いえいえ、アイシス様こそ(」_ _ )」  (`ー´*)フッフッフッフ・・・

アイシスとアリってつくづくナイス・コンビ!キャロルとテティはまだまだ足許にも及ばんぞ〜
152記憶の恋人(46):03/09/21 13:01
>>142
その日の午後。
キャロルはメンフィスが政務から戻るなり、一番に彼に駆け寄った。
「メンフィス・・・メンフィス!」
そして彼がキャロルを抱きしめるよりも早く、彼女の方がその腕にしがみついて離れようとしない。
キャロルの心は妖しく乱れていた。メンフィスと相反する魅力を持つ男の言葉と振舞いが彼女を不安定にさせた。王子の存在が恐かった――

「キャロル・・・?何だ、いきなり」
驚いてキャロルをたしなめるも、メンフィスは嬉しさを隠しきれない。
愛しさに任せてその体を抱きしめて口づけのひとつも与えてやりたいところだが、出迎える数多の家臣や女官達が注目する中では、さすがのメンフィスも冷静を装うしかなかった。
「どうしたのだ?・・・私はどこへも行かぬぞ。
そのようにしがみつかれては何もできぬではないか!」
「メンフィス・・・」
「キャロル・・・何かあったのか?」
キャロルは首を横に振った。しかし青い瞳は心なしか涙目に見える。

ナフテラが優しくキャロルを宥めるように、そっとメンフィスから離した。
「まぁまぁ、キャロル様。メンフィス様にお召し替えのお時間を下さいませ。
ほほほ・・・ご心配なさらなくても、いつもメンフィス様の方がお放し下さらないではないですか!」
家臣達の中にドッという笑いが起こり、メンフィスとキャロルの頬が同時に赤くなった。
メンフィスは照れを隠すようにナフテラを振り返り怒鳴った。
「ナフテラ!余計な事を申すな!
それよりも早く着替えをさせよ、今宵は姉上の生誕の宴ぞ!
キャロル、そなたもだ!・・・急ぎ支度をいたせ」

キャロルは子どもっぽい振る舞いをしてしまったと後悔したが、それでも彼女を包み込む大きな存在―-メンフィスの側にいなければ今は心細くて仕方が無いのだった。
彼女の不安を鎮められるのは、彼の広くて温かな胸だけであった。

153記憶の恋人(47):03/09/21 13:04
エジプト王宮、庭園の物陰。
王子に呼び出されたルカは、王子の前で片膝を付いて跪き頭を下げた。
「堅苦しい挨拶は要らぬ・・・これを見よ!!」
ルカはいつもと様子の違う王子を見上げた。
常に冷静沈着で感情を表に出すことを好まぬ主君の端整な顔に、激しい怒りが満ちている。
「王子・・・?」
王子の手から黒く焦げたミタムン王女の遺品が手渡される。
ルカは見覚えあるそれの変わり果てた姿を見て、思わず眉根を寄せた。
「こ・・・これは・・・ミタムン王女の額飾り・・・!」
王子は無言で頷いた。
「この庭園の裏手の通路を抜ければ裏庭に出る。
そこに地下牢がある・・・そこで拾ったのだ」
「まさか・・・ミタムン様は・・・」
ルカの声が細かに震える。
「・・・もはや生きてはおらぬ。
地下牢に幽閉され、最後はこの額飾りと共に焼かれ・・・葬られたのであろう」
「おお・・・何故・・・何故です・・・?!」
「理由はまだ分からぬ・・・しかし生前のミタムンが父上に宛てた書状には”麗しいメンフィス王”を称え慕う言葉が溢れていたそうだ。ミタムンはメンフィス王の妃になりたいと切望しておったのではないかと思う」
「おお・・・おいたわしきミタムン様・・・」
ルカの脳裏にミタムンの面影がよみがえった。
年の離れた兄の後をいつも追いかけていた活発な少女。王子によく似た面差しの美しい女王。
「何ぞ・・・ファラオの妃の座をめぐる陰謀があったとして何の不思議も無い。
先日もナイルの姫がコブラに襲われる件があったであろう」
「一体何者の仕業です・・・?」
「ふん・・・おおかたアイシス女王あたりであろう・・・断言はできぬがな。
メンフィス王が他の娘を迎えるを、あのアイシス女王が大人しく指を咥えて見ておるとは思えぬ!」
154記憶の恋人(48):03/09/21 13:04
王子は厳しい表情でルカを見据えた。
「いずれにせよ、ミタムンはエジプトの者の手によって殺害されたのだ。
この事実は変わらぬ!」
「はっ・・・!」
「ルカ・・・ヒッタイトの父上へ伝令を出せ。
兵を固めてエジプトへお送り下さるようにお伝えせよ・・・!
軍が整い次第、このエジプト王宮を内と外から一気に攻め落とすぞ!!
ふふ・・・今の私はエジプト王宮を細に渡って把握しておる!」
「かしこまりました!」

ルカが一礼し、足早に去った後、王子は空を見上げた。
ヒッタイトへ続く空のはるか彼方を見つめる。
その琥珀の瞳には燃える闘志が滾っていた。
(――戦を起す!エジプトを倒し、我が妹の敵を取る!
そして愛しい姫をこの手で奪い・・・必ずやヒッタイトへ連れて参ろうぞ!!)
155名無し草:03/09/22 00:49
日曜も更新ありがたやー・・・
王子にも頑張ってほしいけど、メンヒスと幸せになってほしーんだよぅ。複雑。
156遠い約束:03/09/22 11:38
>>75
70
シーク・イズミルは小柄な少女を前に押し出した。大きな手が松葉杖をつく、異国の少女を守るように肩に添えられている。
「ご機嫌よう。初めてお目にかかります。私はキャロル・リードと申します。
・・・今はアル・シャハルのシーク・イズミルの保護下にある身です」
キャロルは自分を花嫁として見知らぬ要人に紹介したシークのやり方に仰天したが、何憚ることのない身である証拠に堂々たる挨拶の言葉を先に述べた方が得策だということは分かった。
(この人、パーティで会ったことがあるわ。確か外務大臣だったか石油担当大臣。どうしよう、今はアメリカと国交断絶状態だってシークは言っていた。
アメリカ人の私がここにいて、よりによってシークの婚約者だと紹介されるなんて!)
カリム大臣は、アラブ風の高価な衣装を身につけてシークに守られるようにして立つ少女を見てこれまた仰天した。
「シーク・・・これは・・・。婚約者だって・・・?馬鹿な、これはキャロル・リードではないか!ライアン・リードが血眼になって探し回っている・・・あの娘だっ!
何故、こんな場所に居る?外務省が、政府が行方不明扱いの大財閥の一人娘一人のために、どれだけ苦労しているか知らぬお前ではないだろうっ!そうだ、お前自身が対応に忙殺されて居るではないかっ!
それが、行方不明だなどとしゃあしゃあと・・・。誑かされたお前はハーレムにお気に入りの異教徒の淫婦を囲い込んだ・・・ぐわっ!」
カリム大臣は、甥でありこの国の摂政でもあるイズミルに襟首を掴まれた。カリムも恰幅の良い筋骨隆々たる大男であったが、イズミルの方が頭一つ分は背が高い。
しなやかに鍛え上げられた体躯を持つイズミルはカリム大臣を腕一本で床から持ち上げていた。金茶色の瞳に危険な色が宿る。
「カリム大臣、口を慎むように。シークへの無礼、シークの妻たるシェイハへの侮辱は許し難い・・・」
157遠い約束:03/09/22 11:39
71
「待って下さい、シーク!」
キャロルは睨み合う二人に縋り、性急に、でも苦しそうに顔を歪めるカリムへの心遣いを忘れぬ手つきで彼らを引き離した。
ようやく解放されて床に座り込み、咳をするカリムの背を撫でながらキャロルは叫ぶように問うた。
「あのっ・・・教えて下さい。あなたがおっしゃったこと。私の行方を兄が捜しているのですか?外務省が対応しているって・・・私は行方不明扱いなのですか?生死も分からないことになっているのですか?
アル・シャハルとアメリカは今、国交断絶状態なのではないのですか?お願いです、大臣。教えて下さい。お願いですっ!」
涙ぐみ、切羽詰まった様子で自分に縋る娘を見つめるカリムの目に奇妙な色が萌した。
「お前は・・・何も知らないのか・・・?」(まさか・・・イズミルめ、何をしでかしたのだ?誘拐のうえに拉致監禁か・・・?)
「教えてっ!お願いです!兄に会いたいの!」
「キャロル、いい加減にしないか。お前は私の妻になる身だ。何にでも軽々しく首を突っ込むものではない!」
イズミルが暴れ回る子猫を掴むようにしてキャロルをカリムから引き離した。
そのまま、抱きあげて隣室に連れていく。泣き叫ぶキャロルの声はじきに聞こえなくなった・・・。

「あの娘は眠らせたのか」
ここはシーク・イズミルの執務室。今は室内にカリム大臣とシーク・イズミルの二人きりである。
「どういうことだ、イズミル。あの娘の取り乱しよう、お前は嘘をついてあの娘を囲っていたな?アメリカ政府から、リード・コンツェルンから繰り返し安否確認が入れられていた重要人物を。
どういうことだ?あの娘は、お前が着飾らせて婚約者とやらに仕立て上げた娘は自分が置かれている状況を全く把握していなかった。」
「・・・」
「何とか言え、甥よ!お前は未成年者を略取して監禁しているのだぞっ!」
158遠い約束:03/09/22 11:40
72
「略取監禁、ね」
イズミルはぞっとするような凄絶な笑みを片頬に刻んだ。
(私はまた同じ過ちを犯しているのか。いとしい娘を手元から離したくはないゆえに。愚かだな。
だが・・・お前は私を愛していると言ってくれたではないか。その言葉に私が縋るのは当然だ)
「叔父上、カリム大臣。彼女は私の妻としてこの国にやってくる途中にあの事故に遭いました。ひどい怪我をして精神的にもひどく傷ついてです。
私は自分の妻となる女性の心身の回復を最優先にいたしました。彼女の祖国と我らアラブ諸国の難しい関係を彼女に知らせるのは酷であったがゆえに、敢えて家族との連絡も取らせぬままにしておきました」
「饒舌なことだ」
カリム大臣はあっさりと言った。そのまま甥を凝視するが摂政でもある彼の甥はまばたきもせず強い視線で射返してきた。
「・・・・お前の色恋沙汰など興味はない。
お前が囲っているキャロル・リード・・・彼女はアメリカ人でリード・コンツェルンの一人娘だ。どちらの立場の彼女をとるにしてもわが国に多大な影響を与えられる小娘だな。
いいか、甥よ!私はこの国の政治に深く関わる身として国民の利益を代表する立場からお前に言う!色恋は好きにしろ!だが国益に反することはするな。
そして・・・良きアラーの僕として恥ずべきこともしてはならぬ。お前が真実、あの小娘を妻にする気なら相応の扱いをしてやれ。妻となる女性を辱めることは人として許されぬ獣の所業だ」
「叔父上・・・」
辛らつな言葉遣いながらカリムの口調には甥を心配する真心が溢れていた。イズミルは素直に目を伏せ、謝意を表した。
「お前のすべきことは二つだ、イズミル。まず父君、シーク・ラバルナに本当のことを告白しろ。それからあの小娘を家族に会わせてやるなりして日陰の身でなくしてやれ。
・・・いいか、イズミル。お前が誠実に振舞わないならあのリード家の娘はいつまでたっても敵性国家の小娘扱いされるぞ!」
159遠い約束:03/09/22 11:41
パソコンの修理がやっと終わり、また書き込みをさせていただくことができるよう
になりました。
と、思ったらいきなりあげてしまいました!ごめんなさい。
160名無し草:03/09/22 11:58
うわ〜〜!!
お久し振りです♪
 
パソコン修理中でしたか。
ずっとお待ちしてました〜VV (^^)
161名無し草:03/09/22 12:43
待ってました〜
162名無し草:03/09/22 12:51
何気にラバルナ師匠が出てるし
芸こま
163名無し草:03/09/22 16:18
遠い作家様。首を長くして待ってました〜。
本当によく、勉強されているなと思います。独創的でオリジナリティ溢れる作品
引き込まれます〜。
文章も文体も人まねじゃない作家様の個性があって、読んでいても楽しいです。
これからも楽しみにしていますね。
164名無し草:03/09/22 20:43
監禁(・∀・)イイ!

それでこそイズミルタン!!!
もっといけいけーーーー。
165記憶の恋人(49):03/09/22 22:53
>>154
アイシス女王生誕の日を祝う宴が和やかに始まった。
美しく装いを凝らしたアイシスはまさに女王然としており、方々から招かれた客人達も居並ぶ家臣達も彼女の登場と共に感嘆の息を漏らした。
しかし美しき女王に惜しみなく捧げられる美辞麗句も、アイシスの心を虚しく通り過ぎていくだけ。
この日を祝うために献上された美酒も、彼女を心地よく酔わすに至らない。

いつもはメンフィスの隣で控えめに侍するキャロルが、どうした訳か今宵はメンフィスに縋りつくように離れないからだ。
またメンフィスはそれに応えて、いつにも増してキャロルを愛しみ慈しんだ。
キャロルに求められれば、メンフィスは溢れ出す烈火のような愛情を惜しみなく与えずにはおけないのだ。
アイシスの胸には、巻き起こる嫉妬の炎が音を立てて燃え盛っていた。
この場でキャロルを殺してやりたいと、酒盃を持つしなやかな指先が細かに震えた――

陽に焼けたメンフィスの逞しい胸がキャロルを抱き寄せる。
「キャロル・・・何か・・不安な事でもあるのか?
今宵のそなたは怯えているようにも見える。
どうした・・・?」
キャロルはメンフィスを見つめて、激しく否定するように頭を振った。
とてもメンフィスに王子のせいで不安定になっているとは言えない。
「違うの・・・たぶん・・・そ、その・・・婚儀が近づいて、気持ちが高ぶってるだけよ」
メンフィスはキャロルの腰に回した腕を引き寄せると、高らかに笑い声を上げた。
杞憂を吹き飛ばすような、力強い彼の笑い声が今のキャロルには何よりも頼もしかった。
「はっ・・・何を案じておるのかと思えば、そういう事か!
気が高ぶると申すならば、私とて同じことぞ。
そなたを思えば胸が燃えて夜も眠れぬ!」
メンフィスは酒を飲み下しながら、悩ましい漆黒の瞳でキャロルを見つめた。
「しかしそれもこれも、あとわずか。
そなたとの婚儀の為に建設中の神殿もまもなく完工する。
今に・・・不安も何も考えられぬ程にそなたを幸せにしてやろうぞ!」
「メンフィス・・・」
166記憶の恋人(50):03/09/22 22:54
キャロルの背中を抱きながら、メンフィスはさり気無くイズミル王子の方を一瞥した。
彼は酒盃を手に、吟遊詩人の紡ぐ唄に耳を傾けていた。
寡黙でありながら、そこにいるだけで周りの者の気を惹き付ける不思議な男。
(ふん・・・取り澄ました顔をしおって。
何度もキャロルを見つめていたのを、私が気づかぬとでも思っておるのか・・・!)
二度とこの男の前にキャロルの姿を晒したくなかったが、今宵だけは仕方が無かった。
(見たければ飽きるまで見るが良い・・・私の腕に抱かれるキャロルを!)

王子はいつもどおりの落ち着いた素振りで座していたが、その胸の中では妹ミタムン王女への哀惜、エジプトに対して仕掛ける戦の事、キャロルへの恋慕が往々に交差して廻っていた。
そして身を焼くような苛立ちを感じていた。
メンフィス王は明らかに王子の目を意識して、キャロルが自分の所有物であるという事を誇張するように彼女に際どく何度も何度も触れてくる。
キャロルも王子を避けるように背を向けて、メンフィスに寄り添っていた。
キャロルを初めて見た時から胸に燻っていた炎が、いよいよ煽られ、全身を焼き尽くすように燃える。

(姫よ・・そなたが欲しい・・・!
そなたの為に私はメンフィス王をこの手で倒す!!
おお・・・私はいつの間に・・・これ程までにそなたを愛するようになっていた?!)

杯にあるのは特上の銘酒であるはずなのに、今宵は胸をむかつく程に燃え立たせるだけであった。
これ以上に恋敵がキャロルに馴れ馴れしく触れるのを見るに忍びず、王子は宴の席を離れて宮殿の外へ出た。
167記憶の恋人(51):03/09/22 22:56
酒の酔いが入ったメンフィスは、次第に大胆にキャロルに迫り触れてくる。
宴の席であるというのに、この上なく上機嫌なメンフィスは、人目も憚らずキャロルの喉元にまで唇を滑らせる。
キャロルの首すじに残る接吻の証に再び唇を当てて、吸いたてた。
(目ざといイズミルがこの印に気づかぬ訳はない。キャロルは私のものだと思い知るがよい!)
「メ・・・メンフィス、酔ってるんでしょ?!やめて・・・みんなが見てるわ・・・!ねぇ・・・!」
「うるさいぞ!ふん・・・誰も見ておらぬし、何も思いはせぬ!
そなたが私の妃となる娘である事はみな知っておる!」
メンフィスの言うとおり周りの者も気を回し視線を外していた。
そして婚儀を間近に控えた二人の仲睦まじいこと・・・と、微笑ましく見守るだけであった。
「メンフィスったら・・・!!もう・・・もうっ・・・離して!」
恥ずかしさに耐えられなくなって、キャロルはメンフィスの体を押し離した。
これ以上続けられたら、おかしくなってしまいそうだった。
キャロルはのぼせてクラクラする頭を冷やそうと、席を立った。
外の外気を吸って、気持ちを少し落ち着けたかった。


王子は煮詰まった想いに胸を悩ませながら、人気のない庭園で夜風に当たっていた。
複雑な想いを胸に王子は夜空の三日月を見上げた。
(次に月満ちる頃には、ヒッタイトからの援軍が参る――
姫・・・そなたを奪い決して離しはせぬ!!)

背後に足音を感じて、王子は振り返った。
そして足音の主は、彼をみて驚きと少し恐怖の入り混じった顔で息を呑んだ。
「お・・・王子・・・!!」
168記憶の恋人(52):03/09/22 22:58
「姫・・・。そなたも宴の熱気にあてられたか?」
酒盃を片手に持ったまま、彼は気だるそうに彫像の台座に背をもたせかけて立っていた。
酒のせいか、琥珀の瞳はいつもよりも色濃く見え、誘惑を仕掛けるような危険なきらめきが宿っていた。
キャロルはそれに答えず、逃げるように踵を返した。
しかし、王子の手はすかさずキャロルの腕を捉える。

「待て・・・何故に逃げる?」
「やめて!は・・・離して・・・離して下さい!!」
腕を握った手に力を込めて、王子は彼女の体を自分の胸に引き寄せた。
愛しくてやまぬその華奢な体を、王子は息も止まらんばかりに強く抱きしめた。

「いやだ・・・と申せば何とする?
私がその気になれば、そなたに抗うことはできぬぞ」
「ど・・・どうしてこんな事を?とにかく離して下さい!
やめて・・・こんなのメンフィスに見られたら・・・!!」
「ふ・・・メンフィス王が何だというのだ・・・!」
王子の瞳は真剣で、キャロルを抱く腕は熱かった。
キャロルは心底王子が恐ろしくなり、彼の胸に腕を突っ張って逃れようと抗ったが、強固な胸はびくともしない。
「おお・・・そなたが・・・そなたが欲しい・・・姫よ!」
「やめて・・・やめて!わたしはメンフィスの妃となる身です!メンフィスの・・・」
愛しい娘の唇が恋敵の名を何度も繰り返し呼ぶのが、堪らなく癪にさわった。
嫉妬の炎は怒りにも似て、キャロルを憎らしいとさえ思わせる。
王子は自分の唇で彼女を強引に覆った。
彼女の唇がこれ以上、メンフィスの名を呼ばさぬように。
169記憶の恋人:03/09/22 23:12
遠い約束作家様、パソコンの不具合でしたか・・・。また規制かな?と心配してました。
現代王子の今後の活躍楽しみです!

アイシス=悪代官 アリ=越後屋 のレス思わず笑いました。
王家は何気に時代劇調だからね〜
170名無し草:03/09/23 00:46
王子キターーーーーーーー!!キタヨーーーーーーー!
どういう過程でメンヒスから奪略するのか気になるぅ〜!
メンヒスも王子も両方カコイク書かれてるので、毎回楽しみに読ませてもらってまつ。

171名無し草:03/09/23 01:02
キャロルをめぐって火花を散らすメンフィスと王子(・∀・)イイ!!
もっとバチバチやって欲しい。。。
172名無し草:03/09/23 12:07
おおおお〜、昨日は久々に遠い約束のうpが!

>>163
胴衣。重みがあって堅めの文体が格調高くて素敵〜!
語彙も豊富で文学的だし、社会的な知識の深さを感じまつ。
本当に幅広く勉強されてるなとひたすら感心いたします。

また一方、記憶の恋人様は軽やかで流れるような文体が綺麗でつ。
活字なのに漫画読んでるみたいにイメージがはっきり浮かんできます。
キャラが魅力的なのと、謎めいたお話が新鮮♪

お二人に触発されて私も何か書いてみたくなって来ました。ウズウズ……


173名無し草:03/09/23 13:34
ひとつ宜しくお願いしまつ。

新作を熱烈キボーーーン。
174名無し草:03/09/23 18:14
熱烈メンフィス勇敢話希望〜
175名無し草:03/09/23 20:13
我歓迎新話、作家様待楽浮〜。
176遠い約束:03/09/23 21:01
>>158
73
「そうか・・・」
息子の告白を聞き終えたアル・シャハルのシーク・ラバルナはただ一言だけいった。
明かりを落とした病室に沈黙が満ちる。積み重ねられた枕に寄りかかる病人は厳しい顔つきで虚空を見つめていた。
リード家のキャロルを自分のそば近くに隠していることをようやく告白しにきた息子の真意が掴みきれないのだ。
(イズミルが私に何も知らせずに、ひそかにそのような真似をするとは。
リード・コンツェルンといえばわが国にとって重要な取引企業。政略的な考えでそこの一人娘が欲しいというわけでもあるまい・・・)
イズミルもまた沈黙を保っていた。叔父カリムに諭されて遅らばせながら孝子の心を取り戻した彼は、昏々と眠るキャロルを確認するとそのまま父王の病室に向かった。
彼は話した。初めて出会い見初めた時のことから、ハイジャック事故で傷ついた彼女を救い、外界から隔絶して治療を受けさせたこと。すべてを淡々とまるで他人事のように。
それは理性を失うほどに愛し執着している娘のことを話す恋人のやり方ではなかった。人間味をまるで感じさせないがゆえに、語られるのは紛れもない真実だけなのだと聞く人に自ずと確信させる口調。
シーク・イズミルは張り詰めていた。少しでも自分の感情に負ければ全ては崩壊してしまうだろうと思いつめて。
沈黙・・・・・・・・・。
だがその重圧に耐えられなくなったのはイズミルのほうだった。
「父上、何か仰せられませ」
177遠い約束:03/09/23 21:01
74
「何といって欲しいのだ、息子よ」
シーク・ラバルナはようやく息子のほうに目をやった。その目は深い叡智の光を宿し、生まれながらの王者であり年月とともに賢者ともなった人間が得られる威厳と慈悲の篭った色を帯びていた。
「・・・・・申し訳ございませぬ、父上・・・・・」
老いたシークの前にイズミルは自然と膝をつき、有能倣岸な支配者の仮面を脱ぎ一人の息子の貌に戻った。
「何を謝る・・・・」
どんな厳しい叱責の言葉よりも静かなその言葉は堪えた。
「・・・お前は我が国の摂政として非常に有能であり、個人的な事柄は全て後回しにして国に民に仕えてくれた。そのお前が今回しでかしたことは私にとっては驚きであり、国と民にとっては裏切りだ」
シーク・イズミルは唇を噛んだ。
「それで・・・実際のところ、お前はそのキャロル・リードという娘をどう思っているのだ?リード・コンツェルンの一人娘を娶って未来のシェイハとしてやるならば、コンツェルンに大きな恩を売ることになるな。
リード・コンツェルンとアメリカは莫大な見返りを我が国にもたらすだろう。共和制の国というのはどういうわけか過剰に王家に憧れるらしいから。
・・・・・・政略的には実に巧妙なやり方だな」
シーク・ラバルナは挑発的に息子を見た。案の定、それまで一切の感情を押さえつけてきていた青年は爆発した。
「私は政略の手駒としてあの娘を求めるのではありません!なるほど私のしたことは良きムスリム、公明正大なる君主としては許されざることでしょう。
しかし私はキャロルを愛しています。あの娘を失わずにすむのなら何でもします。
父上、私は今回のことであなたに、そして国民に、世界の人々に謝罪もしましょう。だが彼女だけは譲れない!」
シーク・ラバルナは微笑した。
「その言葉を聞いて少し安堵したぞ」
178遠い約束:03/09/23 21:02
75
「お前は獣には成り下がっていないらしい。だが真実、その娘を愛しているとして何故、今回のような性急で乱暴なやり方をした?
正式に結婚を申し込み、堂々と娶ればいいではないか?とりあえず彼女を我が国に呼び寄せてから披露するつもりであったにせよ、家族と会わせぬとは」
返ってきたのは沈黙だけだった。苦しげに眉をひそめるイズミル。
(どうして告白できよう。私は前世で卑怯者として最愛の妻を死なせ、今生ではライアンという婚約者を持つ彼女を騙すようにして妻にしようとしている。
私は神の与えた贖罪の機会を自ら踏み潰すようにしてしか彼女を愛せない)
父は無言で息子を見つめていたが、やがてはっとしたように言った。
「もしや・・・お前が長く囚われていたあの‘夢’に関係しているのか?
冷静で感情になど溺れぬお前をそこまで暴走させるのは、そのせいか?」
イズミルは一瞬縋るように父の顔を見たが、静かに目を伏せた。
「イズミル、答えよ!お前を縛る夢がただの夢などでないことは私が一番知っている。先の世の宿命に縛られて生まれてきた哀れな者よ、答えよ」
イズミルはがくりと膝をついた。
「前世などに縛られて生きるのは愚かしいことと申し上げてきて、実際そのように身を処してきたつもりでした。
しかし彼女は私の前に現れ、私に引きずられるように感応するように前世を思い出してきている・・・。私は何としても彼女を得たいのです」
そしてイズミルは生まれて初めて、他人に自分を縛る夢の内容を告白した。
すでに人妻であった女性を騙して娶り、子を生し、お互いに傷つけあうようにして生きてきた自分のことを。傲慢にも彼女の愛を勝ち得ると信じ、でも結局は死なせてしまったことを。
「しかし何故、同じ過ちを繰り返す?」
返ってきたのは沈黙だけで、今度こそ、その沈黙は破られなかった・・・。
179名無し草:03/09/23 21:40
う・・う〜〜ん、もうこうなると王家の紋章を超えて
別のお話になってしまっているよ〜〜、
引きずり込まれちまって、たまらんな〜〜。<自分。
180名無し草:03/09/23 22:41
を。
この時間のうPは無いと油断してました。
本当だ〜。ナイルの中に引き摺り込まれたキャロルの気持ちがよくわかる。

ナイルの水底よりも、ふかーーーーい展開だ。お話ウマー
181名無し草:03/09/23 22:47
本当だよ〜。
もう二次創作ってレベルじゃないと思う。
ああ〜、続きが気になります。
182名無し草:03/09/23 23:32
遠い約束作家様、ちょっと別格ですわね〜〜。
卓絶した文才を感じます。
このような素晴らしい作家様に向かって、過去に罵詈雑言を投げかけた愚かな香具師がいたという事実が許せません。
今後も楽しみに読ませて頂きますわ〜〜。

183名無し草:03/09/23 23:44
>>182
そうそう、多難なハプニング・パソコンの不調にも負けず
書き続けて下さって本当にありがd!

今までに無い程、貴女の作品に夢中です・・・。
お話も文体も人真似でない、独自のスタイルでタマランワ〜
184名無し草:03/09/24 00:15
どちらの作品もステキ!
特に記憶の恋人は場面が目に見えるようです。うまいなあ。
本編初期の冷静&策略家&初恋に気がつく王子がイイ!
キャロルを自分に脳内変化して楽しんでマス・・・
185名無し草:03/09/24 00:47
お仲間さんです。
私も「遠い約束」「記憶の恋人」のキャロルの両方になりたい…。
二次元イケメン達にノックアウト!!
両作家様〜更新大変でしょうが頑張って下さいね。

どちらも堪らなく「ツボ」なのです。(*^ー゚)b グッジョブ!!
186名無し草:03/09/24 10:02
わわ・・・、昨日のお昼に更新無かったから、祝日だしうpは無いのかと思って
見に来なかったけど、「遠い約束」更新されてるじゃないですか〜〜!
うーん、ラバルナ父上と王子の会話が深くて独特の世界観を感じます。崇高なワールドがステキ。
187遠い約束:03/09/24 11:45
>>178
76
キャロルは夢の中で泣いていた。シーク・イズミルに与えられた薬でもたらされた苦く悲しい眠りの中で。
彼女は一人で泣いているのではなかった。現代アラブ風の衣装を着た彼女の向かいには古代の衣装を着た彼女がいる。二人は鏡に映った像のようだった。

─どうしてシークは私を騙したの?私は兄さんを、私を愛してくれた兄さんを悲しませて裏切ってまであの人を愛せない。あの人は嘘吐きの恥知らず。
シークを愛することは同じ罪を犯すこと。私を愛してくれた全ての人に。

─何故、王子は私を騙したの?メンフィスを裏切って私はあの人と愛し合って妊娠までしてしまった。死んでしまいたい、王子は恥知らずの卑怯者。
愛してもいない人の子を産まなくてはいけないなんて!

─でも私はもう罪を犯している。シークを愛しているとこの口から告げてしまったわ。そうよ、心はもうあの人の許にあるのを私は知っているわ。
ライアン兄さんに許しを請うて祝福して欲しいとまで思っている私こそ恥知らず。ああ、兄さんに会いたい!私は自分の心がもうわからない!

─メンフィス、メンフィス、ごめんなさい。私は今もあなたを愛しているの。本当よ。あなたに会えないのなら死んでしまいたい!
ああ、でも!今となっては生まれたスレイマンを愛し、私を大切に愛してくれる王子の心を無視し続けなくてはいけないのが苦しいのも本当。
私は・・・私は・・・イズミル王子を、私に家族というものを与えてくれたあの人を愛している・・・!
188遠い約束:03/09/24 11:46
77
向かい合って泣く二人の少女はやがて互いの存在に気づき、手のひらを触れ合わせた。

─愛しているの・・・愛しているの・・・でも素直になれない。なってはいけないの。苦しいわ、苦しいわ・・・

古代の衣装のキャロルが言った。
─私は愛とは何か分かろうとしないまま死んだの。お願い、あなたが私であるなら同じ過ちを繰り返さないで。私は、私を熱望してくれたメンフィスを愛したわ。
でも、自分から愛するようになったのは王子だったの。自分の心で悩んで苦しんで愛したのは・・・あの人・・・。

現代の衣装のキャロルは言い返した。
─私は愛が分からない。分からなくしたのはシーク・イズミルだわ。
あの人に会わなければ私はライアン兄さんの妻になって静かに暮らしたでしょう。どうすればいいの?

─愚かな私。せっかくの贖罪の機会を潰すの?メンフィスの妻になって温室育ちの花として生きるの?何も知らない無垢で傲慢な子供のままの心で。
メンフィス・・ライアン兄さんよりもあの人を、イズミルを愛したのはあなたの心。全てはあなたの心が決めたこと。誰かのせいではないわ。

─ああ・・・私は・・・。ええ、好きだということと愛するということの違いは分かるわ。シークが私を愛するがゆえに罪を犯したことも、あの人を愛することは罪を共に償うことだということも・・・分かる。
・・・そうよ、私はシークを愛している!
189遠い約束:03/09/24 11:47
77.5
─ならば・・・全てを乗り越える強さを持てるはず。許しを請うて。イズミルに。メンフィス・・・ライアン兄さんに。

見詰め合う二人の少女は手のひらを合わせたまま、近づきあい・・・やがてひとつの像となった。現代の衣装を着けたキャロル・リードに。

─私は・・・イズミルを愛している。あの人を愛している・・・。
そのことで誰かを傷つけるのなら私こそがその償いをしなくては。
・・・イズミル・・・!もう迷わないわ。

シーク・イズミルの宮殿内の私室で目覚めたキャロルはもう泣いてはいなかった。ようやく自分の心が、隠されていた事柄がわかった今、何を無駄に泣く必要があるだろう?
「ムーラ・・・。心配しないで、私は大丈夫よ。あの、シーク・イズミルはどちらに?お会いしてお話したいことがあるの」
「キャロル様、落ち着かれたようで安堵いたしました。あの・・・シーク・ラバルナが、シーク・イズミルのお父君がキャロル様をお召しでございます。どうかお支度あそばして・・・」
190遠い約束:03/09/24 11:48
78
「シーク・ラバルナ、ご命令によりキャロル・リード様をお連れいたしました」
ムーラは清潔に居心地よさそうに整えられた病室にキャロルを押し入れるようにすると下がって行った。
(この方がシーク・ラバルナ。シーク・イズミルのお父様・・・)
キャロルは伏せた睫の下からすばやく高貴な雰囲気を湛えた老いた貴人の様子を窺った。自分からは顔をあげない。それはこの国の風習に反するから。
「おお・・・お前がキャロル・リードか。こちらへ。怪我の具合はどうか?
何か辛いことはないか?ハイ・ジャック事件以来、さぞ苦労なことであったろう。
お前には一度会いたいと思い、召し出した。恐ろしがることはないぞ。さぁ」
「恐れ入ります、シーク・・・」
キャロルはこの国の王の寝台のそばの床に恭しく跪いた。自分が何故、イズミルの帰りも待たずに急に国王の許に呼ばれたのかは分かっていた。
自分の存在がばれてしまったので急遽、シーク・ラバルナによる人物査定が行われるのだろう。だが案に反して病床にある国王は慈悲深く、実の娘でもあるかのように彼女を気遣った。
「顔を見せよ・・・」
シーク・ラバルナは小さな白い顔を見つめた。強い意思と優しさ、そして知恵と思慮深さの混じった青い瞳が恐れ気もなく黒曜石の瞳を見つめ返す。
(これがイズミルの選んだ娘か。これが・・・あの可愛そうな息子が時を越えて捜し求め得たいと願った娘か。なるほど・・・これが・・・。
取り乱しもせず、わが身大事さの弁解じみた嘆訴をするわけでもなし,なかなかの器量と見える・・・)
「お前は何故、私に呼ばれたか分かるかね?」
「はい。シーク・イズミルの許に隠されるようにしておりましたアメリカ人の私ですから・・・」
それから長いこと、シーク・ラバルナとキャロルは話をした。
イズミルとキャロルを繋ぐ不思議な‘夢’のことから、現代のキャロルの身の回りの事柄など話題と質問は多岐にわたり、その一つ一つがキャロルを試すものであった。
キャロルは真実、シーク・イズミルにふさわしいのか。シーク・イズミルが万難を排してまで望むのにふさわしい相手かと。
191遠い約束:03/09/24 11:48
79
やがて。
「最後に聞こう、キャロルよ。お前は真実、私の息子を愛しているのか?
お前は騙されて攫われる様にしてこの国に来た。私が召し出さねば今も閉じ込められた籠の鳥だっただろう。イズミルはお前にひどいことをしたのだぞ?」
「シーク・ラバルナ。・・・私はあの方を愛しています。迷いがなかった言えば嘘になります。でも私はあの方をお慕いしています」
「ふーむ・・・・。お前は若い。というよりも幼い。やはり一国の摂政王子の妃という地位は魅力的かな?
それとも健気にも、リード・コンツェルンのアル・シャハルにおける立場を磐石にするために異教徒の男に嫁ぐことにしたのかな?
お前が嫁いでくれば多くの問題が発生するだろう。家族はどう思うであろう。
安穏と暮らすこともできるのだよ。‘夢’はただの夢に過ぎぬと打ち捨ててもよいのだ」
シーク・ラバルナの最後の試問にもキャロルは少しも取り乱さなかった。
「シーク・ラバルナ。私はシーク・イズミルを愛しております。
私は・・・実は兄と婚約をしておりました・・・・」
「何っ!そのようなことは聞いておらぬっ!」
起き上がった拍子に激しく咳き込んだ老人の背を優しく撫でながらキャロルは言葉を選びながら語った。
ライアンへの想い、イズミルへの愛。シーク・イズミルはキャロルがライアンの婚約者だということを知った上で彼女に求愛したこと・・・。
「私はシーク・イズミルとお会いして初めて自分から人を好きになるということを知りました。・・・あの方が愛してくださるのに相応しい人間でありたいと思います。
前世のこと・・・‘夢’のことなどなくても私はやはりあの方に惹かれたでしょう」
(良い娘だ・・・)
シーク・ラバルナは思った。
(誠実で真摯な強い心の持ち主だな。この幼い娘はずいぶん苦しみ、自分と戦ったに違いない。だが・・・この娘ならばイズミルの救いとなるだろう。
私の取るべき道は・・・)
老人はキャロルの手を握った。
「お前がイズミルを選んでくれたことを嬉しく思うぞ。神はこの老人にこの上ない娘を授けたもうた。
さぁ、シェイハ・キャロルよ。イズミルの所に戻ってやってくれ。アル・シャハルはお前を歓迎する」
192名無し草:03/09/24 12:04
よっしゃーーー!!
良いわぁ〜。メンフィスはライアンなのでしたか。
前世と現代のキャロルタンが、やっと一致した。

でもな〜ライアンこのままでスマナイだろうな〜。
あっ!スレイマンもひょっとして?転生しているのかな?
クライマックス近し・・・ドキドキ
193名無し草:03/09/24 13:20
作家様、うpありがとうございます!
キャロルの夢での葛藤、シーク・ラバルナとの会話に涙が出そうになりました。
どうか悲しい前世を背負った者達が、現代で幸せになれますように・・・!

194名無し草:03/09/24 14:19
>>186,193
禿同。会話に深い内容と重みがあり、あらゆる面で一線を画していると感じます。
う〜ん、崇高って言葉がピターリ…

ここまで秀逸だと、他作家が真似たくなるのもある意味仕方ないと思われ。

195名無し草:03/09/24 15:09
崇高なΨ(`▼´)Ψを読みたい私の脳は・・・・

腐女子っすね〜。うpありがd。
196名無し草:03/09/24 15:35
で、できればメンフィスと崇高なΨ(`▼´)Ψ・・・・
197名無し草:03/09/24 15:55
ごくろうさま..........
198名無し草:03/09/24 18:06
遠い約束が佳境に差し掛かってきて目が離せないです!

悪徳パクリ作家なんてどーでもいいよ。
それより、その煽りを喰らった「時のナイルを越えて」作家様の続きもぜひ!
199名無し草:03/09/24 18:48
「遠い約束」,よい!(^_^)/大好き
200名無し草:03/09/24 20:01
「遠い約束」「記憶の恋人」、両方ともすんばらしい〜!
毎日ステキなイズミル様に会えて幸せ・・・
私には一生かかっても書けないわ・・
LOVE作家様の続きも気になるんですが、
ダイジェストの方で完結していただくわけにはいかないのかなあ。
続き読みたい人いっぱいいると思うんだけど。
現代に連れてこられてオロオロのいたいけな王子なんて誰も想像してなかった
もん。かつての騒ぎは忘れて、続きをプリーズ。
201名無し草:03/09/24 20:34
L.O.V.Eも時のナイルも記憶の恋人も、どれも遠い約束の影響受けて書かれいますよねぇ?

何だかんだ言っても、前世の記憶を取り戻すストーリーと記憶喪失ってカブると思います。
紛らわしいったら…
ここでL.O.V.Eや時のナイルまで出てきたら、またゴチャゴチャ読みにくくなりそう。
202名無し草:03/09/24 20:45
そうかなー?
似たような設定でも
其々の作家様の個性があるから
私はどの作品も楽しみにしてるよ。

私だって書けるものなら書いてみたい・・・・・。
ここのスレ来てはうっとりしてまつよー。
203名無し草:03/09/24 21:14
大体読者が萌える設定なんて限られている。
ばっさりパクリパクり糾弾するのは御自由ですが
味付けが個性の生かし所なんだと思うのだけど。
それとも、課題題目をつくって最初から
同じ設定で競うようにすれば紛らわしく無く
ここの作家、読者公認て事で満足していだだけますの?
204名無し草:03/09/24 21:17
やっと作者さんたちが戻ってきそうなマターリが満ちてきたと思ってたのに。。。

いい加減にしてほしい。
205名無し草:03/09/24 21:25
>前世の記憶を取り戻すストーリーと記憶喪失ってカブると思います。
これだけでかぶると言われるのなら、
王家現代版パロディなんて完全なパラレルでない限り書けねー。
誰かパラレル書いてくれないかな……
206名無し草:03/09/24 21:28
つか、「遠い約束」をやたらと褒め称えて他を貶してる香具師って、
かえって遠い約束作家さんを居心地悪くしてんの分かってやってんのかね?
分かってないのならただのヴァカ。
分かってやってるのならある意味すごい腹黒な香具師だな。
207名無し草:03/09/24 21:47
>206
hageしく同意しますよ。
前スレからこれだけ粘着質に繰り返すんなら意図的だと思われても仕方ないよ該当者。
208記憶の恋人(53):03/09/24 21:49
>>168
柔らかな唇に触れた瞬間に、体中の血は沸点を越えた。
激しく心の内で求め続けたこの感触。今更に、どうして止める事ができようか。
胸に燻った想いのたけを注ぎ込むように荒々しく唇を押し当てる。
「ん・・・・・・っ!!」
せめてもの抵抗とばかりに唇を開こうとはしないキャロルの胸元の肌に王子はそっと触れた。
キャロルはビクッと体を痙攣させる。
「あっ・・・イヤ!」
小さく叫んだ隙に、王子の舌がキャロルの中に滑りこみ、キャロルの小さな舌先を捉えた。
王子は深い口づけを続けながら、敏感な首筋や頬のあたりをそっと指先で撫で上げるように愛撫する。
キャロルの呼吸は心とは裏腹に妖しく乱れはじめた。
強く抵抗していたはずの腕から力が抜けてゆく。

「姫・・・!!
神に誓おう・・・誰よりも・・・メンフィス王よりも・・・そなたを愛すると!」

(いやっ・・・メンフィス!助けて・・・!!)
キャロルは胸の中で叫んだ。
メンフィス以外の男にこのような事をされるのは恐ろしかった。嫌だった。
なのに、心の中でどれほど大声をあげて助けを呼んでも、身動きできず声すらも出なかった。

王子の口づけはますます激しさを増して行く。
メンフィスとは違うやり方で、男の手はキャロルの髪を優しくまさぐり、うなじを撫でる。
次第にキャロルは逃れられぬ彼の胸の中で、体が蕩けるような甘い恍惚感を感じ始めていた。
背筋を強い痺れが走り、もはや思考さえもおぼつかない・・・
(メンフィス・・・メンフィス・・・)
209名無し草:03/09/24 21:49
<お約束>
・sage推奨でお願いします(メール欄に半角文字で「sage」を入れる)。
・ここは社交場ですので特に形式は決めません。質問・雑談・作品発表ご自由に。
・作品がほのぼの系なので、あまり殺伐とした雰囲気はご勘弁を。
・作品の好みは人それぞれ。気にいらないならスルー、煽りや荒らしは完全放置。
 あとは常識的マナーの範囲で。
210記憶の恋人(54):03/09/24 21:54
見た目の穏やかさや冷静さからは予想もつかぬ程、王子の接吻は激しかった。
しかし力任せや勢いで迫るというものでもなく、彼はキャロルの抵抗を巧みに懐柔してしまう。
そして一旦、抵抗が解ければ、躊躇うことなく強引に奪おうとする。
メンフィスの激情とはまた異なる激しさがあるという事をキャロルは初めて知った。


――どのくらいの時間、王子にそうされていたのかキャロルには、もうわからなくなっていた。
唇を塞がれた息苦しさと、官能を煽り立てるような接吻。

(いや・・・こんなの・・・メンフィス・・・メンフィス・・・助けて・・・!!)
キャロルは渾身の悲鳴をあげ続けたが、それは彼女の心の中にだけ虚しく響いていた。

王子がやっと接吻を解き体を放した時、キャロルはもはや自力では立っていられない程ふらふらになっていた。素早く王子の腕が抱きとめる。
「おっと・・・足が立たぬか?・・・仕方が無い」
そして、あたかもキャロルが自分の恋人であるかのように我が胸に抱き寄せた。
息を乱して喘ぐキャロルの様子は清らかな色気が漂い、王子は堪らず頬に唇を押し付けた。
「やめてっ!・・・もう・・・お願い・・・お願いです・・・!!」
それだけを言うのが精一杯だった。
驚愕と混乱、そして王子に対する怒りと恐れが絡み合い、喉元に込み上げてくる。
言葉のかわりに青い瞳から涙が滔々と溢れ出して、頬を濡らした。
211記憶の恋人(55):03/09/24 21:55
「姫・・・恐がらせたか?突然にこのような事をして」
キャロルは悔しさと怒りのあまりに震えた。
「ひどい・・・ひどいわ!・・・なんて人なの・・・!!」
涙がぽろぽろと零れ落ちる。
(涙する姿も・・・怒った顔さえも・・・おお、何と愛しいことぞ)
キャロルの怒りをよそに、王子はキャロルへの愛しさを募らせる。
「ああ、姫・・・泣かせてしまったな・・・悪かった」
王子は優しくキャロルを抱き寄せて宥めようとしたが、今度ばかりはキャロルは激しく抵抗した。

キャロルの涙と抵抗は王子の中に眠る庇護欲と嗜虐性を同時に刺激した。
哀れに思う気持ちと狂おしい程の愛しさは、その涙を止めてやる為になら幾らでも優しくしてやろうと思わせる。
しかし嫉妬と苛立ちが、もっとキャロルを攻めて追い詰めろと彼を唆すのだ。
愛しい故に憎らしい娘を宥めながら、王子は耳元に囁く。
「姫・・・決して戯れに仕掛けた訳ではない。
私はそなたが真剣に欲しいのだ!
・・・もちろん、そなたがメンフィス王の何たるかは心得ておる!」
「やめて・・・聞きたくないわ!」
「それでもなお、そなたを愛している・・・愛しているのだ・・・!」
(やめて・・・もう、やめて!!)

王子の口から漏れる苦しげで偽りの無い告白が、キャロルの頭を衝撃で打ち付ける。
目の前で起きている現実は、もはや現実の色を失っていた。
キャロルは夢の中の出来事を客観しているような気分だった。
212記憶の恋人(56):03/09/24 21:56
「キャロル――!どこにいる?!」
メンフィスの太い声が庭園に響き渡った。キャロルはハッと我に返る。
戻りの遅いキャロルに、苛立ち業を煮やしたメンフィスが自ら探しに来たのだ。
「キャロル!何をしておる・・・いつまで夜風に当たれば気が済むのか!」

王子は苦々しく舌打ちし声の方向を睨みつけた。
仕方なくキャロルを解放しようとした王子であったが、必死にもがき彼の腕からメンフィスの許へ逃れようとする彼女を見るうち、王子の心に火がついた。
キャロルを解放するどころか、更に引き寄せ抱きしめた。
(王子・・・?!)
逞しい太い腕が、キャロルの体を締め上げる。抵抗しようにも、体を捩る事さえできない。
メンフィスの声がどんどん近づいてくる。

「キャロル!そこにいるのか?」
強い突風が庭園を駆け抜けて、樹木の葉を煽り立てザワザワと鳴らした。
「キャロ・・・」

メンフィスは呼吸を呑んで、一瞬動きを止めた。
向き合う王子は胸に抱いたキャロルを愛しげに抱擁し、挑戦的な微笑を頬に浮かべメンフィスを見据える。

二人の男の猛々しい視線は一人の女を挟んで、激しくぶつかり合った。
時が止まったかのように男達は身動きひとつしない――

風は止まり、庭園のはるか上空には黄金色の三日月が神々しく輝いていた。
王宮から時折漏れて流れる、煌びやかな音楽と人々の嬌声。それ以外に音は無い。

「貴様・・・」
メンフィスの怒りはすでに忍耐の限界を超えていた。
怒りに震える手で腰の剣の柄を握り――ゆっくりと刀身を抜いた。
213記憶の恋人:03/09/24 22:13
昨日はお彼岸のお墓参りで深夜のご帰宅となってしまい、うpできませんでした。
とりあえず、今日にまとめてうpさせていただきました。

過去の作品で記憶喪失を扱っておられた作品があったので、
それとダブルと言われないかな・・・とは心配していたのですが。
考えが浅かったかな・・・そこまで思い及ばせる事ができませんでした。すみません。

どうすれば一番良いのか私には良く分からないですが・・・
読みづらくさせてしまっている様でしたら、時期をずらして投稿した方がいいのかな・・・とも思います。
ただ、ひとりでも読んで下さる方がいる限り最後まで書いて行きたいです。

様子を見守りながら、うpさせてもらおうかな・・・と思っています。
どうぞよろしくお願いします(^_^.)





214名無し草:03/09/24 23:39
全然オッケーですよ。作家方々
心おきなく最後までぶっちぎって下さい。
メンフィスかっこいいぞ〜〜本編もこんなに波瀾万丈ならなあああ

うp本当に楽しみにしてます。
ではでは。
215名無し草:03/09/24 23:53
画面に定規当て
たまんないぽ
216名無し草:03/09/24 23:53
うpありがd。
次は対決シーンですか?楽しみ、楽しみ♪
両作家様〜日々の更新を心待ちにしています。自分では絶対に書けないお話なのでドキドキです。

私も書きたいのですが、三足のわらじはキツイ〜。連載は無理ですが短編ならば・・・。
リクありますか〜?
 
217名無し草:03/09/25 00:34
二足はナニのワラジでつか。(w
リクはめんぴーの短編で、壁|▼´)Ψなやつプリーズ。
218名無し草:03/09/25 01:16
>>215
画面に定規あて・・・???
どーゆー意味なんだろ〜。気になるぽ
219名無し草:03/09/25 01:23
>>217タン
ラジャー。
相手はメクメク?・・・・・もしかして?ミヌーエ?(笑)

キャロルタンで良いのでしょうか?
220名無し草:03/09/25 02:25
壁|▼´)Ψ

覗き?(藁
221名無し草:03/09/25 07:21
>記憶の恋人作家様
もう萌えポイントをつかれた話で
私ハァハァ状態でつ。
待ってますから、ご都合の良い時にうpしてくださりませ。
222217:03/09/25 07:47
相手の萌え順ミラタン<キャロルタン<ヒューリアタンでつ。
壁|▼´)ΨはΨ(`▼´)Ψひかえめ、のつもりでし。
いや、自分が遠慮しちょりますた;。
全開オケー、220タンの覗きもグーでおながいしまつ。>219作家タン
223名無し草:03/09/25 09:57
>>記憶の恋人様
ほんとにメンフィスか王子、どっちがメインなのかわかんなくてドキドキ。
どっちとくっ付くのか想像できない作品も珍しいでつ。王子優勢?でもメンフィス強し!

粘着荒しのカキコなんてスルーして読ませてもらってます。
変質者は気にせず続きをプリーズでつ♪

224名無し草:03/09/25 10:09
やっぱりヤッたもん勝ちだから王子優勢かな?(涙
しかし古代人というのはあきらめ失恋という言葉はないのねん。
あきらめるのは〜がする事とか
言ってたのはアイシスだっけ。
225遠い約束:03/09/25 11:44
>>191
80
シーク・イズミルは暗い執務室で机に向かっていた。机上にあるのは一枚の命令書。彼の署名ひとつでキャロル・リードをアメリカに帰してやれる。

甥思いの大臣カリムは、お気に入りのイズミルの乱心に仰天しすぐさま他の大臣たち─皆カリムの兄弟、イズミルの叔父達だ─を集め、今回の「キャロル・リード監禁事件」のスマートな収束を図るべく、イズミルに無署名の命令書を差し出した。
「イズミル、いいか。私達はお前を、お前がいつか王として君臨するこの国を愛している。あの娘は帰国させよ。後腐れのないように処理できるうちに。
・・・イズミル、分かってくれるな?」
イズミルは叔父達の心遣いを前にして寂しく微笑んだ。キャロルは彼の父、シーク・ラバルナに呼ばれたという。
(私はお前を得られぬ運命なのか?お前の心を手に入れたと思ったのに、お前は私ではどうにもできない流れに乗ってまた去っていってしまう。他の男のところに・・・・。
今この時代に、拉致監禁のあげく秘密結婚など、そんだ倒錯劇にしかならないということか)
シーク・イズミルの脳裏に自分がキャロルにした事柄が蘇ってくる。
確かに心は通い合ったはずなのに、彼はキャロルの中に残る迷いや不安をを完全に取り除いてやることができなかった。
(私はアル・シャハルの国とその国民に責任を持つシークとして振舞わねばならない・・・。やはり私は卑怯者だな。何故、キャロルに嘘をついてしまった?何故、さっき叔父上達の前でこの忌々しい紙切れを破らなかった・・・?
何故、一国の支配者の責任などというものに逃げる?私の想いはその程度ではないはずなのに)
「・・・・許してくれ、キャロル・・・・」
シーク・イズミルは、苦しみ迷いながら結局、前世からの絡み合った糸に囚われて最悪の結末を引き寄せてしまった。
(お前の幸せを願うからこそ、私はお前を手放すのだ。お前は私を憎み、忘れ、ライアンと幸せに・・・!)

その時、静かに扉が開いて明るい光が廊下から差してきた。
「・・誰だ? 人払いを命じたはずだぞ?」
「お許しあそばせ、シーク。ムーラでございます。シーク・ラバルナのご命令でシェイハ・キャロルを御許にお連れいたしました」
226遠い約束:03/09/25 11:45
81
明るい光を背にして扉のところに恥ずかしそうに立っている小さな姿。
「シーク・イズミル・・・」
優しく囁いて、松葉杖を操って彼の許に向かってくる。その顔は羞恥と嬉しさに初々しく輝いて。
こつこつこつ・・・・。
立ち尽くすシーク・イズミルの前でキャロルは立ち止まった。二人はしばらく無言で見詰め合った。
やがて。
シーク・イズミルはおそるおそる目の前の娘の頬に触れた。
「本当にお前なのか、キャロル?お前が私のところに来てくれて・・・微笑みかけさえしてくれているのか?」
これは残酷な夢なのではないだろうかという思いと、胸が締め付けられるような幸せな予感がシークの体を震わせた。
「どうして・・・?」
キャロルは自分の頬に添えられて震える、大きな浅黒い手を自分の手で包み込んだ。
シーク・ラバルナに認められ、ムーラに付き添われて表宮殿に来るまでの間、シーク・イズミルにああも言おう、こうも言おうと考えていたのに実際には何もできない。
「どうして来た・・・?私を責めに来たのか?お前を騙した私を。(ああ、それでも良い!軽蔑にも値せぬ相手よと蔑まれ、無言で去られるよりは!)
それとも・・・行ってしまうのか?(お前に去られるのならば、出会うこともなく生涯、悪夢に縛られていたほうが良かった!)
何故、何も言わない?(何か言ってくれ、でなければ私は甘い夢を見てしまう!もしやお前は、と・・・)」
キャロルはそっとシークの震える手を撫ぜ、まっすぐに長身の男性の目を見詰めた。
「私は・・・あなたを愛しています、と言ったでしょう?だから・・・」
「あ・・・・・」
シーク・イズミルは目の前の小柄な身体を力任せに抱きしめた。目くるめくような驚きと喜びにもう何も考えられず、キャロル以外の世界の一切は消えうせた。
227遠い約束:03/09/25 11:46
82
「本当に・・・?本当に・・・?私はお前を手放さなくていいのか?お前は私を愛していると言ってくれるのか?卑怯者の私に・・・!」
「ええ、ええ・・・!私はあなたを選んだの、自分で考えて、自分の心のままに。私はあなたが私を選んでくれたのが嬉しいの。
・・・私はもう迷わない。許して、自分の心すら分からずにいたことを」
「ああ・・・キャロル!許してくれ、私を。お前を愛するがゆえにお前を苦しめた私を!一時とは言え、お前を諦めるために自分の心を偽ろうとした私を!
キャロル、キャロル・・・!もうお前を離しはしない!」
シーク・イズミルはキャロルの顔を上向けさせると、接吻した。大きな手は愛しげに華奢な身体をまさぐる。キャロルは身動きもできない。
その接吻と愛撫がさらに激しさと深さを増そうとしたまさにその時。
「シーク・イズミル。そのようにされてはシェイハがお苦しそうでございますよ。シェイハ・キャロル。そろそろお引き取りあそばせ。夜遅くまで殿方の所においでになってはご評判に傷がつきます」
部屋の片隅に静かに控えていたムーラだった。
キャロルは、はっとしてシークの腕を乱暴にはねのけた。真っ赤になって松葉杖に足をとられてよろめく彼女をムーラは優しく支えてやった。
「ようございましたね、キャロル様・・・。でもこれ以上はお許しできませぬよ」
キャロルにだけ聞こえる優しい囁き声。その声はようやく長い苦しみから開放された育て子への愛に潤んで。
一方、シーク・イズミルは不機嫌の極みだった。キャロルが乱暴に逃れたせいで松葉杖で向こう脛を思いきりぶたれてしまった。
「無粋だぞ、ムーラ!一体どういうつもりだ?」
「いつぞやシークは私にお命じになりました。婚儀を終えるその日まで、シェイハ・キャロルの御身に間違いが起こらぬように守るように、と。
シェイハをお守りいたしますのが私の役目でございます。先ほどシーク・ラバルナも同じことをお命じになりました」
「・・・シェイハ、と言ったか?ムーラ?」
「はい、シーク。つい先ほどシーク・ラバルナがキャロル様に称号をお許しになられました。日を改めて勅命として公布されましょう。おめでとうございます」
228名無し草:03/09/25 11:51
>ヤッたもん勝ち
ワロタ。
メンヒス派だが王子も好きだ。
王子はメンヒスとキャロルを引裂く悪役なのに憎めないYO!
てか、王子がいないとツマラン。
王様とか王子様は我がままだから挫折・あきらめを知らんのでしょうな。。。
229名無し草:03/09/25 11:55
を、カキコしてる間に遠い約束のうpが。作家様ありがd。
230遠い約束:03/09/25 12:14
完全に自分の趣味に走ったお話でここで書き込みをさせていただいています。
読んでくださる方、スルーしてくださる方、ありがとうございます。

「完全に個人的な趣味の話」が元でパクリ論争であるとか(いやな言葉ですね)
作家同士の軋轢?!みたいな書き込みがあるを見ますと、トラブル源として申し訳なく
なってきます。

そもそも「遠い約束」も記憶喪失に囚われのお姫様(笑)などなど・・・と王道的
要素てんこもりだと思います。それこそ少女漫画に幾度となく取り上げられてきた
テーマではないかと。

私自身、他の作家様の書かれるお話を待ち遠しく思っている熱烈一読者(笑)です。
皆が「いいな」「萌え」「すてき」と思えるお話にパクリやなんかは関係ないと
思うのです。
これまで色々な作家様達が書かれたお話が積み重なって「王家の紋章番外編」
ワールドができていると思います。
231名無し草:03/09/25 12:29
ハァ〜(・∀・)イイ!溜息&ヨダレの嵐ですね。
正々堂々とキャロルをゲーーット!うpありがd。

人の捕らえ方は様々ですね。深い意味がない書き込みも捉える人の見方によって
捉え方も違うのでしょうね。

特に2ちゃん語は更に書き込みした人の真意は、伝わりづらいのかと思います。
数ある創作スレの中から、このスレを選んでうpしてくれる全ての作家様に感謝を込めて
「ありがとう」と言いたい。<(_ _)>
232sage:03/09/25 13:19
誹謗中傷でも何でもなく、単に感じたことなんですが、
遠い約束のキャロルが古代のキャロルの生まれ変わりなら、
古代のキャロルってもともとはどこの誰だったんでしょう?
233名無し草:03/09/25 13:21

とんだことをしてしまいました!
234名無し草:03/09/25 13:47
>232
あ、わたしもそれ思ってた(w
あと、イズミル筆頭ヒッタイト陣は古代の関係そのまんまに生まれ変わってるのに
なんでメンフィスはライアンで、お供もいないんだろ〜?とも思ってました
235名無し草:03/09/25 13:59
>232
大丈夫でつよ。
ぜーんぶひっくるめて大団円がまっているのだ〜
 
・・・ね?作家様(^^)!
236名無し草:03/09/25 14:22
>234
えっ。てことはイズミルタソはラバルナ老と王妃の不義の子だったのね。
237名無し草:03/09/25 14:45
ああ、両作家様のコメントがマターリしててホッとしましたよん。
両作品とも大好きなので、変なレスがつくと冷や汗もんでした。
高尚なムードを持つ遠い約束素敵です。もしかして作家様は文学部のご出身の方なのかしら、と思わず想像してニンマリ。
記憶の恋人は五感や背景の描写が上手くて、ホント映画を見てるみたい。何よりもMとIの両方を素敵に書かれてるのが嬉しい限り!
嬉し涙の毎日でつ、ありがトン>作家様達 これからも頑張ってくださ〜い

238名無し草:03/09/25 18:54
荒らしが来ても、作家様達のコメントが出ると安心だぁ。

や〜、私も何か書いてみたいと思うんだが、形にするのは難しい…。
作家様達はきっと膨大な労力を割いて書いてくれてんだろうな。
募金があったら、お金入れたいくらいだよ。
記憶の恋人作家様、遠い約束作家様>感謝の気持ちだけだが、受け取って〜
239名無し草:03/09/25 20:46
わたくしも、両作者様応援募金箱にお金入れさせていただきますわ。
脳内お金だけど 感謝の気持ちをたくさんこめて。
ちゃりん・・・
240名無し草:03/09/25 21:25
脳内募金箱イイ!!私も募金させて頂きますぅ。\\\ちゃり〜ん\\\
両作品とも今の王家本編より断然面白いでつ。
健康な王子&へたれてないメンヒスに萌えられるのはココだけよん(はぁと)
241名無し草:03/09/25 22:16
あの〜〜         





時のナイルを越えてとラブはもうやらないんでしょうか?




ごめんなさい!!荒らしではないんですが、気になって気になって。
完結して頂ければ本当に嬉しいです。今までも中途で終わっていくお話しが
あるたびに、荒らしを恨んでいました。

こんなことを書くのも荒らしだと思われても仕方ないですね。
でも、待っている(クレクレだけですが)読者もいるので、
よろしくお願いします〜〜
242名無し草:03/09/25 23:02
同意。嵐なんかに中断されたままじゃ勿体無い〜

特定作家だけを厭味な程賛美するヤシ、実際の所は熱烈ファンなのかアンチなのか謎。
何が目的だかそれすらわからないよ。
まさか、このスレの存在自体を良く思ってないヤシが
ファンの振りして暴言吐いて潰そうとしてるとか?
243名無し草:03/09/25 23:14
私も最後まで読みたいですよ。
なんでかわからないけど
特定の作家様だけを褒め殺してるみたいね。
読者の願いも作家様の願いも
「読んで楽しい、書いて楽しいスレ」だと思うのだけれど・・・・。
まあ、マターリマターリいきましょう。

脳内募金箱いいですね!
私も募金させてもらいますね〜(チャリンチャリン

私も書けたら書いてみたいですが
クレクレばかりですみません。
244名無し草:03/09/25 23:31
>スレの存在自体を良く思ってないヤシがファンの振りして

それ、あり得る〜。
一人だけ褒めれば、他作家様はヤル気失くすだろうし、不自然に褒められた
作家様も書き辛いだけだよね、変な疑い掛けられたり・・。
皆のヤル気なくそうとしてるとしか思えないでつ。

このスレを良く思わない人がいるのかもね〜〜(T_T)
流れに流れて難民板のワタシラですから。
でも、このスレ愛してる〜 募金箱へチャリンチャリンー♪
245名無し草:03/09/25 23:54
募金箱も愛でいっぱいですね。
私も一口、チャンリンシャン〜

今日は対決シーン見れずに残念ですが、マターリ待ちますね。
>217タン メンフィスで覗きでミラ萌えですか?………うーーん、やってみます。
246名無し草:03/09/26 01:27
あうー今日は記憶の恋人の続きは無しかぁ。
作家様、気にせずバシバシうpして下されよ〜 

>>245タン がむばってくれぃ。誰が誰を覗くんだろ・・・?
>>L.O.V.E様、時のナイル様 ご帰還下され〜

ね、眠いィ…お休みィ  
247名無し草:03/09/26 15:52
  
          ∧_∧
  (○)   (∀・ ) ハナ・・・サクトイイナ・・・
  ヽ|〃    (∩∩  )
作家様・・・ご光臨をマターリまちますよ〜。

248名無し草:03/09/26 15:53
ズレターーー
ごめんよーー。
249名無し草:03/09/26 16:14
>>247 カワイイ!

作家様たちのご降臨をお待ち申しあげ・・・うあぁぁぁ週末じゃんか!
この状況で週末うpはあるかなぁ〜
245作家様のメンフィスで覗きでミラ萌え作品、楽しみにしてるナリ _(._.)_ヨロシクゥ
250名無し草:03/09/26 20:16
パクリを語り合うスレはここでつか?
251名無し草:03/09/26 20:41
     /\⌒ヽペタン
   /  /⌒)ノ ペタン
  ∧_∧ \ (( ∧_∧
 (; ´Д`))' ))(・∀・ ;)
 /  ⌒ノ ( ⌒ヽ⊂⌒ヽ
.(O   ノ ) ̄ ̄ ̄()__   )
 )_)_) (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)(_(

 も ま い ら も ち つ け
252名無し草:03/09/26 20:45
ワタシも何かかこうかな〜
どなたかキャラとか路線とかリクエストありますか?
長いのはむりぽ…
嘗てカプター×キャロルを書いたことがある程DQNなワタシですが、
ここで皆さんの作品読んでたらちと参加してみたくなったぽ…
253名無し草:03/09/26 20:58
>>252
ををー!是非メンヒス×キャロルかアイシスでよろしくでつ。
アイシス×ラガシュも素敵。
最近王子ものが多かったから・・・・・・
昔みたいに色んなキャラで書いてほすぃよん。クレクレごめん。
254名無し草:03/09/26 21:42
うん、思いも掛けずラガシュ王とアイシスが相思相愛に
なる系もいいですよね!(ぜっっっっったいむりだけどw)
王子とキャロルが有りなら有りよね?
255記憶の恋人(57):03/09/26 22:33
>>212
「これはこれは、メンフィス王――
今宵は姉君、アイシス女王の生誕の祝宴。
そのようなめでたい夜に剣を抜かれるとは・・・随分と物騒な事をなされる」
王子は皮肉な程に落ち着いた丁寧な物腰で言った。
しかしメンフィスはそれを物ともせずに、脅しをかけるように勢いづいて言い放った。
「その娘は私の妃にあがる娘、と最初に紹介申し上げたはず!!
その手を放して戴こう!今すぐに!!」

抜かれた剣の先は、真っ直ぐに王子の心臓を指していた。

「ふふふ・・・ははは・・・!」
王子の高笑いが夜空に響いた。
それはメンフィスの逆立った神経をわざとらしく逆撫でする。

「・・・・・失礼。
お噂どおりに勇猛なファラオであられることぞ」
王子は頬に挑発的な笑みを浮かべたまま言葉を続けた。
「・・・どうか、その剣をお納め頂きたい。
私は、姫君が気分の優れぬ様子であった故、介抱して差し上げたのだ。
先ほどはお一人では歩けぬほどであったのですぞ」
悪びれぬ態度に、メンフィスの黒い瞳がカッと見開いた。
「何い・・・」
穏やかな微笑を湛えて、王子はキャロルの顔を覗き込んだ。優しげに愛しげに・・・
「さぁ、姫。気分はどうか・・・随分と顔色は良くなられたようだが?
・・・もう、ご自分で歩けるかな?」
「・・・は、はい・・・」
体を拘束していた腕をほどかれた瞬間、キャロルは思わずそう答えていた。
心ならずも王子の詭弁に同調するような形になってしまった。
どのような形であれ王子と接吻を交わしてしまった後ろめたさがそう言わせたのかも知れないが、キャロルは心の中で自分を激しく非難し責めた。
256記憶の恋人(58):03/09/26 22:38
「・・・礼には及びませぬぞ。メンフィス王」
片手でキャロルの手をとり、もう一方の手は彼女の腰に添えて、メンフィスに丁重に差し出す卒のない仕草がまたメンフィスの癇に障った。
あからさまに相手を挑発しておきながら、一分の隙も与えないやり方であった。

「ふん・・・なかなか弁が達者な事ぞ!
しかし、英名な王子との誉れ高いそなたに愚劣な行いは似合いますまい。
今一度申し上げる・・・二度とこの娘に指一本たりとも触れて下さるな!」

「ふふ。随分ときついご執心だ。
夜も更けた・・・私はこれにて失礼させて頂く」
王子は素っ気無くそう言うと、二人に背を向けた。

メンフィスはただ王子の背中を激しく睨み吸えていた。
・・・私の挑発を挑発で返したつもりか!
愚かな!キャロルはこの私の・・・エジプト王メンフィスの正妃に望まれた娘ぞ!
何を・・・一体何を考えておるのだ、あの男は・・・
それとも自分の立場も忘れる程にキャロルに執心だと言いたいのか!――

先日の湯殿でキャロルを抱き上げたイズミルと、今しがたのキャロルを抱きしめるイズミルの姿が頭に重なって浮かんだ。怒りのあまり眩暈がした。
キャロルの体を自分の恋人にするように愛しげにまさぐる男の手。
柔らかな黄金の髪に、馴れ馴れしく顔を埋めて頬を寄せていたではないか!!
手にした剣を力任せに、メンフィスは地面に突き立てた。
「くっそう・・・!ただではおかぬ・・・!
国賓でなくば、その場で切り捨ててくれようものを!」
257記憶の恋人(59):03/09/26 22:42
「メンフィス・・・怒らないで・・・お願い」
メンフィスは胸に縋りつくキャロルの腕を取り、彼の激昂を宥めようとする。
「そなた・・・大丈夫か?何もされなかったであろうな・・・?!
あの男・・・そなたの気分の優れぬのを良い事に・・・!!」
キャロルは必死で頭を横に振った。
「もう大丈夫よ・・・。王子はただ、助けてくれただけよ・・・!」
メンフィスに嘘をつくのは胸を針で突かれるような切ない痛みを伴った。
それでも、エジプトのファラオであるメンフィスとヒッタイトの王子であるイズミルを対立させる訳にはいかない。

メンフィスは猛々しい瞳でキャロルを見据えた。
「キャロル、よく聞け。今後一切イズミルには近寄るでないぞ!
これは命令ぞ!!良いな!」

言うなり、メンフィスはキャロルを押し倒さんばかりの勢いで唇を重ねてきた。
「・・・んっ・・・」
いつもキャロルを夢中にさせるメンフィスの熱い唇。
愛しいメンフィスの胸へ戻れた安心感でキャロルは涙が溢れそうになるのを必死で抑えた。
腕をメンフィスの体に回し、隆々とした筋肉に覆われたその背中を抱きしめる。
258記憶の恋人(60):03/09/26 22:48
(メンフィス・・・メンフィス・・・ずっとあなたを呼んでいたのよ。
声もでなかった・・・それでも、心の中であなたの名前を叫んだわ!
体が動かなくって、どんなに恐かったか・・・
でも・・・・あなたは来てくれた!!)

キャロルはメンフィスの澄んだ黒い瞳をじっと見つめた――

恥じらいがちなキャロルにしては珍しい熱のこもった接吻の返しに、メンフィスはすっかり煽り立てられた。
「おお・・・愛いやつよ・・・どうしてくれよう」
激昂した後のまだ冷めやらぬ興奮と、キャロルへの欲望が入り混じり、メンフィスの体は今だかつて無い程に熱く滾った。

「きゃっ・・・!メ・・・メンフィス?!」
突然、メンフィスはキャロルの体を軽々と抱き上げると、肩に担いで大股で宮殿に向かって歩き始めた。
「メンフィス、ど・・・どこに行くの?」
メンフィスは肩越しに振り返った。
燃え上がる炎の宿る黒曜石の瞳が彼女を射抜いた。
「・・・私の寝室だ」
259名無し草:03/09/26 22:55
キトゥァ━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━!!!
婚礼まで待つんじゃなかったのかぁー!メンヒス〜!
260名無し草:03/09/26 23:03
きゃー!
キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━(  ゚)━━(   )━━(゚   )━━(∀゚ )━━(゚∀゚)━━!!!
いやーん、蛇の生殺しよぉ・・・。
続きが、気になって気になって・・・。
261名無し草:03/09/26 23:47
王子&メンヒス萌えでもある私にはタマランわぁ〜
ハァハァものでつ。
小憎たらしい王子と激怒するメンヒスにモエ・・・
262名無し草:03/09/27 00:03
○o。.  キター-----!!  .。o○
   ○o。.(・∀・).。o○
○o。.☆.。o○
      ○o。。o○
キタ━━━━━(゚ε(○=(゚Д(○=(゚∀゚)=○)゚Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)=○)з゚)━━━━━!!!!
263名無し草:03/09/27 00:13
キタ━━⊂⌒~⊃。Д。)⊃━⊂⌒O。Д。)⊃━O(。Д。)O━⊂(。Д。O⌒⊃━⊂(。Д。⊂~⌒⊃━━!!
王子もメンヒスも最高にかっこいいぃぃぃぃぃぃぃっ!鼻血でそうでつ。
264名無し草:03/09/27 01:32
ああ〜、
ワタスも一緒に寝室に連れてってくれ〜〜
ほんまにメンフィスと王子て相乗効果なのよねん。
265名無し草:03/09/27 04:21
おお、それ乗った〜。
というか、頼むから連れて行ってほすぃな。
王子とメンピーに押し倒されたい・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うpあんがとサン。
266名無し草:03/09/27 09:07
スン スン スンドメ メンピー
スン スン スンドメ イイゾー (氷川きよしのズンドコ節で)

対決じゃなかったのですね〜〜この展開良いです〜〜〜!!
うpありがd。作家様〜。
267名無し草:03/09/27 11:15
いやーーーーん、遠い約束も記憶の恋人も超面白いですわ。
本編の影が薄れてきますた・・・。
いい男二人に奪い合いされる、これサイコー!
他創作サイトもよく読みに行くけど、両作品みたいな力の入ったモノには
なかなかお目にかかれないんでつよね。
268名無し草:03/09/27 13:27
マターリしてきて嬉しい☆☆☆

本当に一部の人だけなんだよね。変なレス付けるのはさ
それもこのスレの住人かどうかも不明だし。
カムバーーック。
269名無し草:03/09/27 13:43
>>268
煽り燃料は不要。
いちいち言わんでもわかっとる。
270名無し草:03/09/27 16:57
それを書き込むのも同じく、不要!
271名無し草:03/09/27 17:38
>>267
それわかる〜
王子やメンフィスの口調が古代調でないと、まず萎えちゃったりするんだが、
ここの作家様達は、セリフまわしをよく研究されてると思う。
272名無し草:03/09/27 17:55
> 燃え上がる炎の宿る黒曜石の瞳が彼女を射抜いた。
これだよこれ!メンフィス〜っゥウウウ
私も抱き上げてくれ~ポポポポポp

抱き上げて連れていって時間ごと〜♪
273名無し草:03/09/27 22:31
寸止めの週末はイヤン
274記憶の恋人(61):03/09/28 00:20
>>258
「えっ!えっ?!メ・・メンフィス・・・?!」
キャロルの頬が一瞬で真っ赤に染まった。
乱暴に勇み足で歩くメンフィスに振り落とされそうになって、キャロルは逞しい肩にしっかりと掴まった。
「あ・・・あの、寝室って・・・待って・・!」
しかしメンフィスは、キャロルの狼狽にはお構いなしで宮殿の廊下を足早に歩く。

いつもの調子で、重い扉を派手に蹴り上げる。
メンフィス付きの女官達は、キャロルを肩に担いで帰ってきた王を見て驚きの表情を隠せない。
「お・・・お、お帰りなさいませ、メンフィス様」
「メ、メンフィス様・・・!」
一直線に寝室に向かう王の後を追って、あたふたと慌ててふためくばかり。
「ええい、今宵はもう用は無い!!下がれ!下がれ――!」
一喝し、蹴散らすように女官達を追い払う。

キャロルの胸は、息ができぬ程に高鳴っていた。
メンフィスがキャロルの部屋を訪れる事は度々あっても、キャロルがファラオの寝室に足を踏み入れるのは、これが初めてであったのだ。
隅々にまで豪華な細工が施された室内、黄金をふんだんに使った見事な調度品。
しかしそれらにキャロルが目を留める暇もなく、メンフィスは磨き上げられた大理石造りの床を大股で足早に歩く。
そして・・・
薄絹が幾重にも張り巡らされた豪華な天蓋つきの広い寝台にキャロルはドサリと降ろされた。

枕や寝具からメンフィスの匂いが微かに漂い、キャロルを包み込む。
メンフィスの逞しく大柄な体が、重たくのしかかってくる。
「あっ・・あの・・メ・・メンフィス?」

「・・・欲しい」
熱い吐息混じりの声で言う。
彼は眉根を寄せ、苦しげに細められた黒い瞳でキャロルを見つめる。
「そなたはまだ分かっておらぬ・・・私がどれ程にそなたを愛しておるか!」
メンフィスの手がキャロルの細い手首を掴み、寝台に押し付ける。
「分からせてやる!!この白い体に嫌と言うほど分からせてやろうぞ!!」
重い体に押さえつけられて、身動きままならぬキャロルの唇を強引に奪う。
これまでにない程に激しく深い接吻。

「キャロル・・・・我が妃よ。
そなたの総てを私のものにしたい・・・!!」
メンフィスは猛り狂う男のそれを、堪らずキャロルの腿の間に擦り付けるように押し当てる。
熱く昂ぶったそれが、布越しにキャロルの敏感な部分を押し上げた。
キャロルのその部分に甘い痺れが走る。
「ああっ・・・・!」

「おお・・・キャロル、今そなたの口から聞きたい。
私を愛すると・・・私だけを愛すると申せ・・・!」

「あ・・・愛して・・・愛してる・・・メンフィス!あなただけよ・・・!」
その言葉を聞いた瞬間、体を突き上げる愛しさにメンフィスは思わず目を閉じた。
華奢な体を力の限りで抱きしめる。
いっそ彼女を滅茶苦茶に壊してしまいたい。
「愛しい・・・」

キャロルの衣装の肩紐をもどかしげに解いた。
膨らみを覆う薄い布を徐々に剥いでゆけば、眩しい程に白い胸の谷間が覗いた。
「あ・・・いやっ!」
肌を刺す様なメンフィスの熱い視線を感じて、キャロルは思わず腕で胸を覆い隠した。
しかし、メンフィスの手がキャロルの腕を優しく解く。
「あっ・・・ま、待って・・・・メンフィス!」
「恥らわずとも良い。そなたは今宵から・・・この私のものだ。私の前で恥らってはならぬ」
「そなたはまだ分かっておらぬ・・・私がどれ程にそなたを愛しておるか!」
メンフィスの手がキャロルの細い手首を掴み、寝台に押し付ける。
「分からせてやる!!この白い体に嫌と言うほど分からせてやろうぞ!!」
重い体に押さえつけられて、身動きままならぬキャロルの唇を強引に奪う。
これまでにない程に激しく深い接吻。

「キャロル・・・・我が妃よ。
そなたの総てを私のものにしたい・・・!!」
メンフィスは猛り狂う男のそれを、堪らずキャロルの腿の間に擦り付けるように押し当てる。
熱く昂ぶったそれが、布越しにキャロルの敏感な部分を押し上げた。
キャロルのその部分に甘い痺れが走る。
「ああっ・・・・!」

「おお・・・キャロル、今そなたの口から聞きたい。
私を愛すると・・・私だけを愛すると申せ・・・!」

「あ・・・愛して・・・愛してる・・・メンフィス!あなただけよ・・・!」
その言葉を聞いた瞬間、体を突き上げる愛しさにメンフィスは思わず目を閉じた。
華奢な体を力の限りで抱きしめる。
いっそ彼女を滅茶苦茶に壊してしまいたい。
「愛しい・・・」

キャロルの衣装の肩紐をもどかしげに解いた。
膨らみを覆う薄い布を徐々に剥いでゆけば、眩しい程に白い胸の谷間が覗いた。
「あ・・・いやっ!」
肌を刺す様なメンフィスの熱い視線を感じて、キャロルは思わず腕で胸を覆い隠した。
しかし、メンフィスの手がキャロルの腕を優しく解く。
「あっ・・・ま、待って・・・・メンフィス!」
「恥らわずとも良い。そなたは今宵から・・・この私のものだ。私の前で恥らってはならぬ」
メンフィスの目前に白い乳房があらわれた。
それは仄かな篝火の明かりを艶かしく受けて、狂おしい程にメンフィスの欲情をそそる。
「おお・・・どれほど・・・夜毎にそなたを望んできた事か・・・」
メンフィスは大きな手で乳房を寄せるように揉み立て、震える小さな頂をそっと唇で啄ばんだ。
口に含み、キャロルの可憐な体を味わう。
「いや・・・だめっ・・・メ、メンフィス・・!!」
耐えられぬ程の恥ずかしさと、愛しいメンフィスの愛撫を受ける悦びに、キャロルはうち震えた。
彼の逞しい体に縋りついていなければ、どうにかなってしまいそうだった。
今、彼に何をされているのかを考えると、体の芯に火が灯り蝋のように溶けてしまいそうになる。

少しずつキャロルの衣装をずらし、露になりゆく肌に唇を当てる。
乳房からなだらかに続く、細い腰や腹部。まだ男の手に染まらぬ、清らかな肢体。
きめ細やかな肌は白く柔らかで、陽に焼けた筋肉質のメンフィスの体とは何もかもが対照的であった。
メンフィスは頼りなげな程に華奢な体の至る所を、愛しげに優しく唇と舌で探索する。
ただ、愛しい娘に快楽を与えてやりたかった。
自分の与えた愛撫にキャロルが悦び震えれば、この上なくメンフィスの中の男を燃え立たせる。
腕の中で、キャロルは震えながら甘い声をあげる。
それは、メンフィスを求める切ない声であった。
キャロルの衣装はもはや腰のまわりに残るだけ。
メンフィスは乱暴にそれを全て剥ぎ取りたい気持ちを抑えて、極めて優しくキャロルに触れた。
すべらかな膝から太ももを撫で上げ、その奥にそっと手を伸ばす。

しかし――
キャロルは腿を固く閉じて、メンフィスの手が侵入するのを拒んだ。
「いやっ・・・お願い・・・今日は嫌っ・・・!」
メンフィスは突然のキャロルの拒絶に驚き、手を止めた。
青い瞳には涙がうっすらと浮かんでいる。
昂ぶりはやる心を抑えて、この上なく優しくキャロルの頬に口づける。
「どうした?・・・恐ろしいのか?
おお・・・キャロル、案ずるな・・・・痛まぬようにしてやる。
そなたを苦しませるようなやり方はせぬ!」
キャロルは真っ赤になって首を振った。
「違うの・・・違う・・・わたし・・・あの、今日は・・・」
「恥じらうな、と申したはずぞ。
さあ、力を抜いて私に任せろ。もっと良くしてやる・・・」
いつもの激しい気性からは想像できぬほどに優しい接吻でキャロルを覆い、落ち着かせる。
乳房に愛撫を与えながら、もう一方の手が腰まわりの衣装を緩める。
メンフィスの手がキャロルの秘部に滑り込んだ。
「あ・・・だめ・・・いやあ!!」

「む・・・何だ?」
メンフィスは思わず驚きの声をあげてしまった。
キャロルのそこに触れた指が真っ赤な鮮血で濡れていたからだ。
最初は、自分の指がキャロルの器官を傷つけたのかとメンフィスは一瞬狼狽した。
279記憶の恋人(65):03/09/28 00:29
「お・・・そなた・・・月の障りか!」
「いや!・・・だから、ダメって言ったのに・・・恥ずかしいっ!!
もう・・・馬鹿っ・・・メンフィスなんて嫌いよ!!」
恥ずかしさで耳まで真っ赤に染めて、キャロルは寝台に突っ伏して肩を震わせ涙を流した。
「おお・・・すまぬ。
まさか・・・そうだとは思わなかったのだ」
メンフィスは興奮し切った熱い体を持て余しながらも、キャロルを宥めて乱れた衣装を直してやる。
キャロルのしゃくり上げる背中を撫でて、頭を胸に抱き寄せた。
「そうか、そうか・・・悪かった。もう泣くな・・・」
いつになく優しい口調で言いながら、メンフィスは顔をしかめて深いため息をついた。
(くっ・・・まこと泣きたいのは、この私ぞ!・・・まったく!)

キャロルが落ち着いて泣き止むと、メンフィスはドサリと倒れこむように寝台に体を横たえた。
「ああ・・・・・・力が抜けた。くそっ・・・!」

キャロルは不機嫌そうなメンフィスの声に驚き、顔を上げて心配そうに覗き込んだ。
「あ、あの・・・ごめんなさい・・・メンフィス。わたし・・・」
「うん・・・?何を謝ると言うのだ。
早かれ遅かれ・・・そなたはこの私に抱かれて私の妃になる」
言いながらメンフィスはキャロルの体を引き寄せて、すっぽりと胸の中に収める。
素早く腕をキャロルの頭の下に回して腕枕をしてやると、上掛けをキャロルの体を包むように引き上げた。
「今宵はそなたを部屋へ帰してはやらぬぞ!」
「メンフィス?!」
「・・・そなたが寂しがる故、添い寝をしてやろうと申すのだ」
280記憶の恋人(66):03/09/28 00:30
「う・・・嬉しい・・・」
キャロルはメンフィスの胸に顔をうずめて鼻を擦り付けた。
「馬鹿者!喜ぶな」
いつも就寝前にメンフィスが去ってしまうのが、キャロルにはとても寂しくてたまらなかったのだ。
「だって・・・!うふっ・・・嬉しくて・・・眠れない」
「目を瞑れ!」
「・・・メンフィス・・・メンフィス」
キャロルは嬉しさのあまり、メンフィスの首に縋りついてくる。
柔らかな胸の膨らみが押し当てられて、メンフィスは思わず体を反応させた。

「このっ!・・・あまり私に引っ付くな。少しは私の事情を考えよ!」
せっかく収まりかけた自身も、キャロルを身近に感じればあっという間に再び漲ってくる。
メンフィスはキャロルを胸に抱きながらも、微妙に体を反らせて怒張するそれがキャロルに触れぬよう気遣った。

程なくして、メンフィスの腕の中でスウスウと柔らかな寝息が聞こえ始めた。
メンフィスは彼の腕を枕に、安心し切って幸せそうに眠るキャロルの白い顔を見つめながら、流れる黄金の髪に指をからめながら優しく撫でた。
「・・・こやつめ、何が嬉しくて眠れぬ、だ!
眠れぬのは私の方だと言うに・・・くそっ、体が熱い!!眠れぬぞ・・・!」
メンフィスの苦悩をよそに、ぐっすりと眠り込むキャロルの額に唇をそっと押し当て、彼は苦笑した。
「ふん・・・添い寝とは、何とも辛いものだな!」
メンフィスは温かいキャロルの体を抱き寄せながら、目を閉じた。
281記憶の恋人:03/09/28 00:37
すみません、またうp失敗してしまいました。
61−66をうpしましたが、一つ目の63はコピーミスで62と同内容になってしまいました。
つくづく慌て者で申し訳ありません・・・。情けない。

レスをいつも有難うございます。励みになります!!
顔文字やAA皆さんすごいなぁ・・・上手い!
282名無し草:03/09/28 02:21
(*´д`)ウガー!
月の障りだなんて!添い寝するメンヒスに激萌え〜
283名無し草:03/09/28 02:46
うぐ〜惜すぃ〜〜
でも、直ぐまたΨ(`▼´)Ψの予感ありあり
萌えるなァ〜
284名無し草:03/09/28 09:35
王子の添い寝もいいけど、メンフィスの添い寝もイイわ〜〜〜
Hもいいけど添い寝モエモエン・・・・・・

この後王子がどう出てくるのか楽しみですじゃ。
285名無し草:03/09/28 09:38
ここで逃して王子に美味しい所(ロストヴァージン)を奪われるとか?
おおィナイルよ!
メンフィス王がヘタレ寝取られ男になりませんように(w
286名無し草:03/09/28 11:04
でも、確かお初は王子だったはず。。。あうう、おいたわしや〜メンヒス様〜(涙)
287名無し草:03/09/28 11:06
おお〜ナイルよ御身は王を見捨てるのか〜(爆
288名無し草:03/09/28 11:23
やっぱり主役は王子なんだろか。。。
ここまで来てメンヒスの寝取られ姿を見るの辛いよ〜エーン
289名無し草:03/09/28 11:40
( ・∀・)つ〃∩ モエーモエーモエーモエーモエー
290名無し草:03/09/28 13:24
5もぇ〜でつか!?
わたしは18もぇ〜いきまつw
291名無し草:03/09/28 18:14
勇ましいメンフィスに惚れたぁ〜(*´o`*)ポッ 27モエー いっときます。
でもクールな王子が後ろ髪を引張るのよ〜〜〜王子の活躍もヨロスク〜
292記憶の恋人(67):03/09/28 22:12
>>280
広大な王宮の一角、ナイルに面して切立つバルコニーの柱にもたれて、王子は夜空を見上げていた。
ナイルの雄大な流れの向こうに広がる夜の砂漠。
漆黒の空に浮かぶ三日月を王子は忌々しく見つめた。
(月よ、早く満ちよ!
満月の夜――ヒッタイトの大軍を率い、私はエジプトを・・姫を・・この手に落とさん!!
姫よ・・・私はもはや一刻たりとも待てぬ!
おお・・・口づけで・・・この身がこれ程に燃え上がろうとは!!)
先ほどのキャロルとの口づけを思い起こせば、ゾクゾクと身を焼く炎が王子をいたぶり始める。
しかし身を持て余す程に情熱を燃やしても、彼女の心は憎らしい程メンフィスに向いている。
彼女の心を手に入れる事ができれば、この苦しみは、言葉に尽くせぬほどの幸せと悦びに変わるのだろう。
恋の炎は諸刃の剣のように、この上ない悦びと苦悩を同時にもたらすのだった。

「ほほ・・・いつまで空を見上げていらっしゃるのやら・・・」

妖艶な湿り気のある女の声に振り返れば、そこにはアイシスが立っていた。
夜の漆黒を背にして、彼女の冷たい美貌はいつにも増して妖しく匂い立つようであった。
王子は物も言わずに、アイシスの煌めく瞳を見つめた。
アイシスも無言で王子の隣に立ち、しばしの間夜空を見上げる。
小さな星が蜻蛉のような刹那のきらめきを放ちながら、地平線の彼方へ落ちた。

「今宵は妙に星が流れること・・・何かの兆しであろうか?吉か・・・はたまた凶か」
「さて・・・な。
――何か私にご用がおありか?」
「ほほ・・・用などと。 そのような無粋なものではござりませぬ」

夜の静寂に溶け込むようなひそやかな声で、アイシスは囁く。
「イズミル王子・・・。
そなた、あのメンフィスを相手に随分な無茶を仕掛けられる・・・見ていて肝を冷やす思いでしたわ。
怜悧な王子に似つかわしいとは言えぬ立ち振る舞いではございませぬか?」
王子はアイシスの顔を忌々しそうに見下ろした。
「ほう、盗み見とは・・・そなたこそ、お美しい女王に似つかわしくない結構なご趣味をお持ちなのだな」
293記憶の恋人(68):03/09/28 22:14
アイシスは口許だけで笑う。
「そなたとは・・・存外に気が合うかも知れませぬな。
我々は・・・互いに協力できる事がありましょう。
少なくとも、私はそなたの今一番の願いを成就させる手立てを存じております」
「何を申されたい?はっきりと口に出されては如何か。」
「そなたはキャロルが・・・わたくしはメンフィスが欲しい。
わたくし達は利害が一致していると申し上げておりますのじゃ」
「何――?」
琥珀の瞳が黒い瞳を探るように見る。
(やはりこの女・・・メンフィス王を得んが為に何か企んでおるな・・・!)
「王子・・・これを」

王子は手渡された、小さな壜を指先で振ってみた。
その中には壜の半ばに満たない程の黄金色の液体が揺れていた。

「これはキルケーという魔女から手に入れた・・・恋の秘薬。
わたくしの司祭としての神秘の力と引き換えに――」
訝しげに眉をひそめる王子。
「キルケー?伝説の魔女の名ではないか・・・」
アイシスは真っ直ぐに王子を見据えて言った。
「イズミル王子、そなたにキャロルを奪って欲しい!
キャロルにこれを飲ませ共にヒッタイトへ逃れられませ。
目覚めた時、キャロルはメンフィスへの思慕を忘れておりましょう。
メンフィスさえいなければ、キャロルはじきにそなたを愛するようになりましょう・・・。
後の事はすべてわたくしが・・・メンフィスはわたくしが宥めて慰めましょう。」
しばしの間、その秘薬を食い入る様に見つめていた王子であったが、突然に顔をあげて激しい怒りを爆発させた。
「・・・馬鹿にするにも程がある!!
私はこのような妖しで姫の心を手に入れたいとは断じて思わぬ!!
この私に、卑怯者に成り下がれと申されるか!」
294記憶の恋人(69):03/09/28 22:16
アイシスは口許に手を当てて、空を仰いで高らかに笑った。
「ほほほ・・・そなたともあろう男が、卑怯という言葉に怖気づかれるとは!」
蔑むような冷ややかな嘲笑が王子の頬に浮かんだ。
「笑止千万・・・!
そのような利便の良い秘薬があらば、何故にそなたが使わぬ?
メンフィス王に飲ませばよかろう!」

感情を見せないアイシスの美しくも冷たい瞳に、初めて深い哀しみの色が灯った。
アイシスは哀しく笑う。
「そう、いかにも。
もとより、これはメンフィスの為に作らせたもの。
しかし・・・メンフィスに飲ませてみたものの・・・効かなかった・・・。
何故なら、あれは・・・日頃から毒に体を慣らしておる故、薬の類の一切が効かぬ体なのです・・・!!」

アイシスの指が、目の前を雄大に流れるナイルの上流を指差した。
「イズミル王子、左に見えるナイルの東河岸をご覧あそばせ。
遠くに神殿が見えますな?あれはメンフィスがキャロルの為に作らせている神殿。
その完成の暁には、晴れてキャロルを正妃に迎えるつもりなのです。
もう日を待たずして完工するはず・・・!
良いのですか・・・キャロルが名実ともにメンフィスのものとなろうとも・・・?」
王子は表情を変えなかったが、メンフィスに抱かれ身も心も彼の妃となるキャロルを脳裏に思い浮べた瞬間に、その瞳に激しい嫉妬が揺らめいた。
アイシスは畳み掛けるように言う。
「・・・わたくしにはよく分かるのです。
嫉妬の炎に身を焼かれ、あきらめきれぬ恋に苦悩するそなたの辛さが・・・。
そして、そなたも一度心に決めれば、必ずやそれを成し遂げる男であろうと」
295記憶の恋人(70):03/09/28 22:20
王子は心を鎮めるように、固く目を閉じていた。
アイシスの言葉を振り払う。
ゆっくりと顔をあげて、アイシスを強い意志を秘めた瞳で見返した。
「私はそなたとは違う。愛する者の心を欺いて手に入れたいとは思わぬ。
そう・・・私は欲するものは必ず手に入れる!・・・ただし己の力でだ!」

言い放つ王子の言葉を、アイシスは冷ややかな微笑で受け止めた。
そして王子に背を向けると、顔だけで振り返り妖しい流し目を送った。
「キャロルを奪うも逃すも・・・すべてはそなた次第。
イズミル王子。
そなたの恋の成就、心よりお祈り申し上げまする・・・」

そう言い残し、彼女は足音を響かせて宮殿の奥へと消えていった。

「くだらぬ話だ・・・!」
王子はアイシスから譲り受けた秘薬の壜をナイルの濁流の中へ投げ捨てようとした。
しかし――
一瞬の心の迷いがそれを止めた。
296名無し草:03/09/29 01:18
連日うpありがd。
アイちゃんの陰謀がメンフィスを寝取られ男にしてしまうのでつか?
嗚呼〜
297名無し草:03/09/29 07:48
結局王子がたどり着くのは妖かし婚・・・・・・てか。哀しいSAGA♪
298遠い約束:03/09/29 12:18
>>227
83
「─では次のニュース。
先日のハイ・ジャック事件の最後の行方不明者であったミス・キャロル・リードの無事が確認されました。事件以来、実に3ヶ月ぶりのことです。
リード嬢は負傷により長く重態が続き、アル・シャハル王国内で治療を受けていました。
この件については、本人の健康状態と精神の安定を最優先するという医学上の立場から、報道は控えられていました。
事故に伴う直接の犠牲者の方々、ハイ・ジャック機追跡の空軍機威嚇射撃による不幸な出来事など暗い出来事の中で、絶望視されていた犠牲者の無事が確認されたことは喜ばしいことです。
アル・シャハル国営放送のインタビュー映像が入ってきておりますので、ご覧ください・・・」

画面は切り替わり、清潔な室内で車椅子に乗った華奢な少女が映った。キャロル・リードである。彼女はアラブ風の美しい衣装を着け、はにかんで目を伏せている。
事故の衝撃が未だ癒えないせいか、白い顔がやつれて少し神経質そうに見えるのも、青い瞳ばかりが目立つのも痛々しかったが、気品のある優しい顔立ちはなかなかテレビ映りが良い。
インタビュアーが問う。
「・・・キャロル・リードさんですね。あの恐ろしい事故の後、ずっと皆があなたの安否を気遣っていました」
「ありがとうございます。怪我をしておりまして長く意識がありませんでした。アル・シャハルの皆様にアメリカ人の私が本当に親切に治療していただいたおかげでこうして皆様にお礼とお詫びを申し上げることができます」
「お礼と・・・お詫びですか?」
「はい。お礼はもちろん治療をしていただいたことについてです。
お詫びというのは・・・あのハイ・ジャック機の追跡中に不幸な・・・事故があったことについてです。
私の国の軍隊だったと教わりました。私のようなものがお詫び、などと口にすることすら傲慢であるかもしれません。でも私に親切にしてくださった国の皆さんに申し上げたいのです・・・」
299遠い約束:03/09/29 12:19
84
インタビューはしばらく続いた。異国の少女の飾らない誠実な口調はアラブ諸国の人々の態度を軟化させてしまったことをニュースキャスターは最後に伝えた・・・。
「・・・ごらん頂きました映像はアル・シャハル国営放送のものでした。
リード嬢のインタビューの放映以後、アメリカに対するアラブ諸国の態度は相当軟化し、アル・シャハル政府は賠償問題についての話し合いに応じる態度を明らかにしました。
リード嬢にはインタビュー放映後、アル・シャハル内外からお見舞いの品が寄せられるという異例の事態となりましたが、リード嬢は全てを今回の事故の犠牲者に寄付したいと申し出たということです。
なお、リード嬢は医師の許可が出次第、帰国予定です・・・」
キャスターは言い終わると隣の席のアシスタントに、キャロル・リードの外交的センスはなかなかのものであり、これならば下手な遺恨は残るまいと賢しげなコメントを出した。
それは皮肉で冷徹な論説が身上のキャスターのいつもの「冴えた一言」であったはずなのに、視聴者から「事故にあった未成年の純真な心遣いを踏みにじる無神経な一言だ」として抗議が殺到したのである・・・。

アル・シャハル国営放送のインタビューはシーク・イズミルと彼の叔父達が仕組んだものだった。
厄介者の外国人、あるいはシーク・イズミルとの悲恋に泣く予定であった小娘は一転、シーク・ラバルナに認められシェイハの称号まで受けた。
アル・シャハルの大臣達は混乱した。
だが昔ながらのシークへの絶対的な忠誠心や、キャロルの実家でもあるリード・コンツェルンがアル・シャハルにもたらす莫大な利益、あるいは実の甥への愛情から彼らは方針を変換せざるをえなかったのである。
300遠い約束:03/09/29 12:20
84.5
「お前の妻になる小娘・・・いやキャロル・リードはなかなか頭が良いらしいな。馬鹿では一国のシェイハはつとまらんから、まぁ安心した」
奥宮殿へ向かうシーク・イズミルを呼び止めたのはカリム石油担当大臣とケマル外務大臣、それにファイサル内務大臣の三人だった。
キャロルは相手の心を掴み、和ませる不思議な力を持っているらしかった。
あのインタビューの内容は事前に言い含められた無難な言葉ではない、キャロル自身の言葉であったがゆえに、結果として敵であった人々をも味方とした。
反キャロルの急先鋒だった大臣達の皮肉っぽい祝辞にイズミルは頬を緩め、キャロルの許へ急ぐのだった。
301遠い約束:03/09/29 12:21
85
「どうした?顔色が冴えないな。準備は進んでいるか?」
にぎやかに取り散らかされたキャロルの私室を訪れたシーク・イズミルは意外そうに問うた。
「あ・・・シーク。お帰りなさい。何でもないのよ。ちょっと考え事をしてしまって。だめね、何度もムーラに注意されているんだけれど・・・」
「色々と忙しなくございましたもの。お疲れなのでしょう。でもシェイハ、おめでたいご帰国なのですから準備は万全に・・・。あなた様は私達のシェイハとしてお国にお戻りになるのですから。
シークもご同道なさいますのに何がご心配なのでしょう?」
ムーラは苦笑しながら言った。
「無理もない・・・と言ってやらねばならぬのだろうな」
シークはソファの上から絹の長衣をどかして自分が座り込んだ。ムーラが他の侍女たちに目顔で指示して、散らかされた衣装や装身具類を手際良く片付けていく。
「お茶などお持ちいたしましょうほどに・・・」
侍女たちは出て行き、キャロルは婚約者たるシーク・イズミルと二人きりにされてしまった。
「どうした?お妃教育に疲れたかな・・・?」
キャロルの不安の原因はやはり、元は婚約者でもあった義兄ライアンとの再会にあるのだろうと思いながらイズミルはわざと別のことを問うた。
曖昧に頷くキャロルの横顔の艶かしさにイズミルは昼間だというのに男の欲望を感じた。幸い、邪魔なムーラはいない・・・。
302遠い約束:03/09/29 12:23
「困ったな・・・。一国のシェイハとなるお前はもっともっと学ばねばならないというのに。言葉に文字、歴史、文化、産業に経済、外交、宮廷の典礼・・・。
勉強嫌いでは先々、苦労するぞ?」
「嫌いじゃないわ。先生方に色々なことを教わるのは楽しいの。本当よ!」
「ははは・・・。ムキになるな。そのように肌を赤く染めて」
シーク・イズミルがキャロルを膝の中に抱き寄せた拍子に、あけっぴろげなもう一人のイズミルの昂ぶりがキャロルに触れた。
キャロルは真っ赤になり、小さく息を吸い込むと乱暴にイズミルを押しのけた。
「おやおや、何と無礼な子供だろう?」
「わ、私は子供じゃないわ!今のはシークが悪いのっ!子供扱いしないで!」
シーク・イズミルの細められた目に好色な光が燈った。
「子供ではないと?そうかな?何も知らないくせに!・・・そうだな、今日はお前に新しいことを教えてやろう。私とお前の・・・子供と大人の違いを・・・」
303名無し草:03/09/29 12:49
キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!
こここっ好色ですかっ(興奮)
子供と大人の違い?
どえりゃーことです。次はムフフなヨカーン。
304名無し草:03/09/29 13:39
遠い約束さま
つ・ついに・・・・Ψ(`▼´)Ψ でつか?!
 
こうぷんしてきまつ (*´o`*)ハァハァ
305名無し草:03/09/29 14:52
子供と大人の違いは帰国の時の航空運賃の違いでつ
・・・・などとボケてみる。
306名無し草:03/09/29 16:03

 _,,..i'"':,
|\`、: i'、
.\\`_',..-i
  .\|_,..-┘
作家様達にΨ(`▼´)Ψ・・近い気がしますので。
鼻血用をご用意させて頂きました。
307名無し草:03/09/29 22:59
鼻血用でつか
308名無し草:03/09/29 23:44
306タン、気が利くぅ〜!
もうここ数日間鼻血噴出状態でつ。
さらにΨ(`▼´)Ψでつか?貧血おこしそう。。。
両作家様、いつもお疲れ様っす! お茶お入れしました〜 (*^^) _U~~
309Ψ(`▼´)Ψ遠い約束:03/09/30 11:19
>>302
86
シーク・イズミルはその整った顔に、残酷な慈しみを湛えた無上の微笑を浮かべた。金茶色の瞳の輝きがキャロルの理性を縛り、甘い吐息と熱い手が身体の自由を奪ってしまう。
「私とお前は違う。私は大人の男で、お前はただの子供だ。女にもなっていない未熟な子供・・・」
キャロルは魅入られたようにシークの顔を見つめるが、それでも薔薇色の唇は図々しい進入を試みる男の舌を拒むように歯を食いしばっている。
「やだっ・・・!急にこんなの、いや。やめて・・・」
「やめない」
シークは舌先で歯をつつき、促すように敏感になっている唇を自分の舌でなぞった。
「覚えているだろう、前にもこんなことがあった。お前は私に熱烈な告白をしてくれたな。ライアンではないのに嫌ではないと・・・」
わざと憎い恋敵の名を口にすれば、びくっと震えるキャロルの身体。
「あれほど嬉しく思ったことはなかったな。お前は言っていたな、ライアン以外の男にキスされたのに嫌ではないと。
苛められっ子のように恐ろしそうに震えて、ライアンへの罪悪感でいっぱいの顔をしていたっけ・・・」
イズミルは唇を離さないままにキャロルに語り掛ける。男の唇の微妙な動きと熱い吐息が、キャロルの身体から力を奪っていってしまう。そんな頼りない身体をしっかりと支えるイズミルの強引で逞しい腕。
「お前は気づきもしないだろうが、あの時、お前は子供っぽく涙ぐみながら、でも無意識のうちに男の私を誘う女でもあった。私はお前を手に入れたいと思ったが、お前もまた私を誘った・・・」
「あ・・ああ・・・」
イズミルはすっかり脱力した身体を覆う絹の衣装の前ボタンを巧みにはずしてしまった。高価ではあるが野暮なほどに慎ましい下着に包まれた脹らみをそっと手で触れる。
「さぁ・・・脱線はほどほどにして授業に入らねば・・・」
310Ψ(`▼´)Ψ遠い約束:03/09/30 11:20
87
シークの手にキャロルの戦きが直接に伝わってくる。イズミルは自分の片膝を立て、そこにキャロルの小さな身体を凭れさせるようにして座らせた。
「女であるお前は私とは違う身体を持っている。まず一つめの箇所はここだな・・・」
下着を上に捲り上げ、まろやかな脹らみを露わにする。
あまりに白くて青みがかって見える肌の頂きは、ほんのりと薄紅に染まり男の視線を当てられただけでひとりでに震えて膨らんだ。
「女のそこは隆起し、柔らかな曲線を描く。男の胸とは違う」
そこでイズミルは逃れられぬようにしっかりと捕らえたキャロルの片手を自分の胸元に持っていった。衣装越しとはいえ、こんな状況で男の胸に触るのだからキャロルはもう口もきけない。
「・・・そして大人になりかけた女の胸のある部分は刺激にも・・・敏感になる。こんなふうに・・・」
軽くつま先で頂きの宝石を弾いていたぶれば、痛みとほとんど区別のつかない電撃のような刺激がキャロルの全身を駈け抜けた。
「あうっ・・・!」
びくん、とのけぞった拍子にキャロルの脚はシーク・イズミルを乱暴に蹴る仕儀となったが男はただ満足の笑みを浮かべただけだった。
「痛かったかな?怪我をさせてしまったのであろうか。・・・大丈夫だ、舐めておけば治る・・・」
シークは自分の唇を軽く舐めると、キャロルの胸に舌を這わせた。
「女の肌は滑らかだ。子供の肌も滑らかだが木目細かさがまるで違う。女の肌は柔らかに吸い付いてくる、男である私に・・・。そしてこの甘い匂いも女に特有のものだな。
キャロル、分かるか?だんだん強く匂ってくるお前の・・・香りが・・・」
恥ずかしい言葉でイズミルはキャロルを煽り、ゆっくりと衣装の裾に手を伸ばした・・・。
311Ψ(`▼´)Ψ遠い約束:03/09/30 12:45
88
キャロルは魅入られたように金茶色の瞳を見つめるばかりだった。身体はもう自分のものではないようで、恥ずかしさから目を瞑ろうとしても叶わない。
(いや・・・恥ずかしい・・・こんなのはだめ・・・)
キャロルは小さく口を動かすのだけれど、漏れてくるのは吐息混じりの悩ましい声ばかり。のぼせ上がった頭の中ではもう何も考えられない。
シーク・イズミルはそんな恐ろしさと戸惑いの中にいるキャロルを心底愛しく思った。
(いや・・・だめ・・・いいえ・・・違う、もっと・・・・?)
キャロルは潤んだ瞳でイズミルを見つめ、弱弱しく頭を振った。誰にも見せたことのない場所を男の指が探ろうとしている。じきに無遠慮な視線がそこを焼き焦がすだろう。
(お願い、この感覚はあなたのせいなの?どうにかして欲しいの。自分でも、もう・・・分からない・・・)
「女は非力だ、男と違って・・・。柔らかくしなやかで・・・でも弱くはない。そのしなやかさで大の男を捉えて離さないでいることもできる。このなだらかな曲線を持った身体で、な」
キャロルは人形のように頭を縦に振った。
「ここが・・・男と女の一番違う箇所だ・・・」
イズミルは、はや潤みを感じさせる柔らかな箇所に指先を這わせながら言った。キャロルはもう抗いもしない。半開きの唇から仄見える小さな舌先にイズミルはいやがうえにも昂ぶった。
「私の・・・が、お前のここに入る。でも子供のお前のそこは私を受け入れられるだろうか・・・?」
衣装越しに自分自身をキャロルの小さな手の中に握らせながらイズミルは問うた。手に余るそれを握ったキャロルに今にも男は暴発しそうだった。
「確かめても・・・いだろう・・・?他ならぬ私が花嫁となる身体を改めるのだ」
優しい吐息でキャロルはイズミルに答えた。イズミルはキャロルをソファに深く座らせて、その細い足首をキャロルの手に握らせ、ゆっくりと膝頭を離していった・・・。
312名無し草:03/09/30 13:04
ぐはぁっ 
 
は・・はなぢが・・あぁぁぁぁ
313名無し草:03/09/30 13:25
Ψ(`▼´)Ψ キター!!
314名無し草:03/09/30 13:53
自信たっぷりなイズミルに萌え萌え〜〜〜っ!!!
>306さんのティッシュを使わせてもらいますわ
昼間から凄いもん見ちゃったw
315名無し草:03/09/30 15:58
きゃー!
昼間からいいのー?

思わずハァハァしちゃいました。
ティッシュ、アリガd

んで、続き・・・読みたいw
316名無し草:03/09/30 16:16
キャ、キャロルちんはひょっとしてM字開脚とゆーのをしているんでつか?
アラブ男は昼間から大胆ねー。
でもきっとムーラが乱入してくるよ(W
317名無し草:03/09/30 16:21
王子・・・20代の青年だというのに何てエロいの〜
でもエロオヤジな王子も現代の政治家ぽさを醸し出しててイイw
318名無し草:03/09/30 16:27
ティッシュ、お役に立てて良かったワン。

私も思いっきり使いました(涙&鼻血)
教えるシーク萌え〜〜。私にもおせーて。ハァハァ。
319名無し草:03/09/30 18:08
ダイジェストサイト更新されてるのに今ごろ気づきました。
管理人様ありがトンでつ!

それと「ラブ」と「時のナイル」の続き書いてもらえませんかね〜?
駄目ですか〜?気になるので、読みたい〜。
320名無し草:03/09/30 18:37
( ゝ)・゚・。 ブッ


 _,,..i'"':,
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  .\|_,..-┘
321名無し草:03/09/30 22:08
つづきがよみたい!
322名無し草:03/10/01 00:07
Ψ(`▼´)Ψ続きでハァハァしっぱなしでつ。
ありがとう>作家様達

記憶の恋人さま、今夜のうpまだかしらん?
リロードかけてお待ち致しておりまする。
昼過ぎとこの時間帯になるとリロードしまくりですわ。。。
323名無し草:03/10/01 00:22
>>322
をを、同士!!私も昼12時と夜12時はPC前に釘付け。
で、更新されてないと何回もリロードしてしまう……もう日課になってる。
324名無し草:03/10/01 01:19
そう言えばメンヒス&ミラ メンヒス&アイシス(ラカシュ?)で
リク短編を書いて下さるお話もあったよね。
作家タマ、首を長〜くして待ってるよ〜〜〜ぅ
325名無し草:03/10/01 09:57
王子達ってアンダーウェァなるものは着用していたのかな?
ハッ・・・
朝から妄想入りまくりだわ。
逝ってきます。
326名無し草:03/10/01 10:26
私も新作お待ちしてまつー('∀'*)ワクワク
メン×ミラってすごく新鮮なカップリングじゃない?
激しくカコイーイM様をキヴォンヌ!!!
327Ψ(`▼´)Ψ遠い約束:03/10/01 11:25
>>311
87
キャロルは荒く息をつきながら、自分の脚の間にあるシーク・イズミルの頭を眺めていた。
シークに促されるままに、あられもない格好を晒しているというのに心は妙に甘く痺れて強くそれを拒むこともできない。
(私・・・どうなるの?誰か来てしまったら?こんなこと恥ずかしい。怖くて気持ち悪い・・・)
それなのに。
「お前が嫌がることはしない。お前を見てもいいか?今ならばまだ・・・」
掠れた男の声にキャロルは許諾の印を見せ、下着が横にずらされるのを許した。
(怖い・・・怖い・・・でも逆らえない。身体が熱くて痒いみたいな疼くみたいな・・・。・・・ああ、シーク!)
「怖がらなくてもいいから。そんなに震えてくれるな。怖くはない。お前の身体・・・を確かめてやる・・・」
外気に晒されたそこは神経質に震えていた。頼りなく未熟なそこに、物慣れたはずのシーク・イズミルは無知な少年のような興奮を覚えた。
「何と小さくて・・・薄くて・・・頼りない・・・。脆い細工物のようだな・・・。愛らしい・・・それでいて私を狂わせる・・・淡い色の・・・・・。
男のものとはまるで違う・・・子供のままの・・・・私の・・・」
シークが切れ切れに呟く言葉が、吹きかけられる吐息が、キャロルの眠る薔薇を揺り起こす。
脚を痛いほどに開かされてもなお慎ましく閉じ合わさっていた花びらは自然に綻び、初めて甘く匂う蜜を浮かべた。襞の奥に厳重に包まれていたはずの真珠も震えながら顔を出す。
「美しい・・・な。お前は子供ではあるけれど、女の貌も持っていて私を、男を狂わせる・・・」
シーク・イズミルは恥ずかしさのあまり手で顔を覆ってしまったキャロルを慰めるように囁くと、慎重に指先で花びらを掻き分け、小さな小さな泉の入り口を改めた。
持ち主の意思とは全く無関係に妖しく蠢くそこには紛うことなき乙女の印・・・。
(今度こそ、お前の全ては私のものだ!)
シークは心の中で快哉を叫ぶと、いとおしげにキャロルの最も女性らしい部分に接吻した。
328Ψ(`▼´)Ψ遠い約束:03/10/01 11:26
88
「あっ、いやっ!」
びくんと震えるキャロルにイズミルは淫らに囁きかけた。
「静かに。まだ授業は終わっていない・・・。もう少し我慢してごらん。
ほら・・・見てごらん。ここが・・・男女の一番異なる所だ。深く窪んで・・・男を受け入れる所。そして・・・新しい命を産み出す所・・・。
普段は眠っているけれど一番、敏感な場所だ」
シークの指がキャロルの薔薇をいたぶるように弄った。蜜を花全体に塗りつけ、てらてらとした淫靡な光沢で目を楽しませる。
「ふふ・・・。男のものもそうだが、ここは嘘をつけないのだよ。ああ、恥ずかしがることはない。私は嬉しいのだから・・・お前がちゃんと女になる準備ができていると分かって」
キャロルは涙に曇る瞳でシークを見つめた。嫌がって抗って、その無体に怒るべきなのに出来そうになかった。
「こんなこと、しちゃいけないことなのに。私は・・・あなたに怒らなきゃなのに・・・こんなことは・・・嫌・・・・」
キャロル自身がその言葉の空虚さに気づいている。
「嫌・・・・なことなはずなのに・・・・?」
「私を愛していると言ってくれただろう?愛している相手にされるのなら、それは一概に嫌なこと、とは言えないものだ・・・」
シークは充分に潤んだある箇所に優しく自分の指を吸わせようとしたが、柔らかく甘い器官のそこだけは驚くほど頑なで、キャロルは苦痛の叫びをあげた。
シークは苦痛と快感に惑乱する少女の顔を満足そうに見下ろすと、今度は自分の器官を露わにした。
「お前ばかり恥ずかしい目に会わせては不公平・・・だな。見てごらん。これが男の器官だ・・・」
荒々しく怒張する成熟した器官をキャロルの白い手に無理やり握らせながら、シークは自分の無軌道振りに内心苦笑する思いだった。
(全く・・・・私が女に・・・しかも子供にここまで溺れるとは!)
おそらくはドアの外で中の乱れ振りを察したであろうムーラが、巧みにタイミングを計ってノックをしてくれなかったら「授業」はどこまでエスカレートしていたか分からない。
329遠い約束:03/10/01 11:26
89
「お待たせいたしました、お茶をお持ちいたしました」
ムーラは真っ赤にのぼせ上がったキャロルと、反対に子憎たらしいほどに落ち着き払った育て子を見て、威圧的に片眉をあげて見せた。
(シーク!全てはお見通しでございますよ!ご自分でシェイハを辱めるような真似をなさるとは何という呆れ果てたことでございましょう!)
「ああ、ムーラ。ご苦労」
イズミルはさすがに苦笑しながら乳母からお茶を受け取った。
「呆れ果てた方!」
ムーラはイズミルにだけ聞こえる声で厳しく言い捨てた。
「キャロル様、お茶をお召し上がりなさいませ」
「え、ええ・・・・」
キャロルは声も身体も震えてしまっている。その初々しい様子は男を喜ばせるけれど、この場合はムーラの怒りに油を注いだだけだった。
(全くシークのなさりようは!ご結婚の儀前にずいぶんときわどくお戯れのよう。シェイハもお逆らいにはなれなかったらしいけれど・・・。
せめてこの方がもう少しもの慣れて知らん顔がお出来になればねぇ。これでは何があったやら丸分かりではありませんか。せめてキスくらいはご存分にと思ったのが裏目に出た!)
ムーラは真っ赤になっているキャロルの様子を素早く改めた。
「どうなさいましたの?お顔が赤くて。お疲れなのかもしれませんね。今日はお湯を召して早くにお休みあそばして。・・・シークもお引取りあそばせよ」
「そうするかな。キャロル、もう当分私が教師役をしてやれることもないだろうが勉強は・・・怠けてるのではないぞ」
シークはくすくす笑いながら出ていった。

「全くシーク!今日のなさりようは何でございます?ご結婚までは指一本お触れにならぬと信じておりましたのに!異国から嫁いで来られるシェイハに悪い評判でもたてばお可愛そうではございませんか!」
キャロルが早くに寝かしつけられたその夜、シーク・イズミルは乳母から手厳しく糾弾されていた。だがイズミルは悪びれもせずこう言って乳母を呆れさせた。
「シェイハとなる娘が紛うことなき無垢の乙女だと私は全世界に証言できるぞ。私はシェイハの名誉をための証人なのだよ?あまり下世話な想像はするな」
330名無し草:03/10/01 12:28
むむむむむっーら。

エスカレート中断させちゃいやーん。キッキッキター!!!
331名無し草:03/10/01 13:04
やーん ムーラお邪魔よぉぉ・・
332名無し草:03/10/01 13:08
悪びれず、しれっと言うセリフがまた萌え〜!!!
くぅぅ、やっぱりティッシュが必要だ〜。

ここしばらくわがままな子供みたいに
続きをせがんでばかりだよ〜。
333名無し草:03/10/01 15:16
両鼻にティッシュ詰めるとぐる゛じい゛ーー。

作家様。
「おかわり」
334名無し草:03/10/01 18:15

⊂⊃                       ⊂⊃
                 ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ⊂⊃     ( ´∀` ) < ありがたやーdjーー
               ⊂    つ  \_____________
               ノ ノ ノ
              (_ノ _ノ  ⊂⊃
             彡

335記憶の恋人(71):03/10/01 19:26
>>295
エジプト宮殿の奥庭の池にキャロルはひとりただずんで、咲き誇る蓮の花を摘んでいた。
終日、胸に浮かぶのはメンフィスの事ばかり。

初めてメンフィスの寝所で彼の胸に抱かれて眠ったあの夜以来、キャロルの寝室は一度も使われていない。
キャロルの月の障りのせいで添い寝に終わる夜が続いていたが、メンフィスの愛撫は日を追うごとに激しさと熱さを増して、キャロルの体は自分でも驚く程に昂ぶるばかりであった。
しかし、愛しい相手を前に欲望を抑えねばならない切ない連夜も、もう終わりを告げようとしていた。
今宵にはキャロルの障りも去って、メンフィスを受け入れられる状態になる。

池の水に手を伸ばせば、火照った指先に冷やりと心地よかった。
揺れる水面に映る自分の顔にキャロルは驚いた――頬は艶かしく紅潮し、瞳はうっとりと潤んでいる。
それは、愛しい男を切に求める女の顔そのもので、どれ程に彼女自身もメンフィスを求めているのかを改めて知らしめさせた。
メンフィスの熱い肌を思い返すだけで、体に甘い疼きが走りキャロルは思わず目を瞑った。

「危ないぞ!・・・何をしておる、池に落ちるところではないか!」
突然に背後から体を抱き上げられ、キャロルは一瞬うろたえた。
しかし彼女を抱く逞しい腕、広い肩。顔を見上げなくても誰の胸にいるのか、すぐにわかる。
「メンフィス・・・?どうしたの、今日は接見続きで忙しいって・・・」
メンフィスは漆黒の瞳を意気揚々と輝かせながら、キャロルを見つめた。
「キャロル、私達の婚儀を挙げる神殿がやっと完成したぞ!
たった今、神殿工事の監督官が完工の報告を知らせに参った。
いち早くそなたに見せてやりたいものぞ」
336名無し草:03/10/01 19:32
メンフィス
キタ━━キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ !!!!
━━━━キタ━━━━━━キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ !!!!
━(゚∀゚)━━━━キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ !!!!
━━━ !!!!キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ !!!!
━ !キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ !!!!
!!!

━(゚∀゚)━━━━━━━ !!!!

337記憶の恋人(72):03/10/01 19:34
「まぁ、本当?メンフィス!是非見てみたいわ・・・!」
「よし!では、そなた今から見に参るか?
私はまだ接見が控えておる故、終わり次第神殿へ向かう。そなたは先に行っておれ」
「ええ!わかったわ・・・向こうで待っているわ。早く来てねメンフィス!」
嬉しさの余り彼の腕に抱きついたキャロルに、思わずメンフィスの体は反応した。
柔らかな乳房が、逞しい腕を両脇から包み込む様に押し当てられたからだ。
メンフィスは突然に、キャロルの腰を抱き寄せてその耳元で囁いた。
「キャロル・・・そなた、まだ終わらぬのか?
今宵こそ、そなたが欲しい。もうこれ以上は待てぬ」
キャロルは一瞬、その言葉に戸惑いを見せたが、やがて彼の腕の中でゆっくりと頷いた。
そして、みるみる内にキャロルの体が戦いて震えだす。
「メンフィス・・・わたしを・・・わたしをあなたのものに・・・して」
恥じらいのあまり、か細く消え入りそうな声。
「おお・・・!キャロル・・・キャロル!・・・今宵だな!」
衣装を持ち上げんばかりに漲ってくる自身にメンフィスは片目を瞑りどうにか自制しようとするが、堪えきれずキャロルの頬から首筋にかけて唇を這わす。
今宵にやっと念願叶うかと思えば、気が遠くなる程に嬉しさと興奮が沸き起こる。
「メ・・メンフィスったら!」
「フン・・・もはや逃さぬ・・・ただではおかぬ!
神殿も完成した事ぞ、今宵そなたを抱けば・・・もう我が妃にしたようなものだ。
おお・・・接見などが控えておらねば今すぐにでも押し倒してやりたい!」
「もう・・・メンフィス!」
名残惜しそうに真っ赤に染まった頬から唇を離すと、キャロルと連れ立って奥庭を後にした。
338名無し草:03/10/01 19:36
ま、まさかこの良いムードのアトに
王子に頂きまーーーすハアトされちゃうのか~
339記憶の恋人(73):03/10/01 19:39
長椅子の上にしなやかな肢体を横たえ寛ぐアイシス。
アリの差し出す飲み物を手に取りながら深いため息をつく。
「それにしても、イズミルめ・・・キャロルの事なれば、飛びついて来ると思うたに。
思い通りにゆかぬ男よ・・・いらいらする!」
「焦りは禁物でございますよ、アイシス様」

開放された室内に、外部の歓声が届いた。
「アイシス様・・・随分と外が賑わしゅうございますね?」
アリはアイシスの部屋から、外を眺めて大げさに驚いてみせる。
「おお・・・アイシス様!今しがた神殿が完工した模様にございます!!
神殿工事の監督官がメンフィス様に直々に報告に参ったようです・・・。外は浮かれたような騒ぎでございますよ」
「ふん・・・忌々しい。何がめでたいものか!」
アイシスはゆるやかにはためかせていた扇を一瞬止めて、アリを一瞥する。
「して・・・例の手筈は整っておるのか?アリ」
「はい。抜かりはございませぬ。」
「ふん・・・キャロルの為に建てられた神殿など、完成と同時に燃やしてくれる!
メンフィスはさぞ落胆するであろうが・・・。
キャロルとの婚儀に先立ち、神殿炎上などと不吉なこと極まりなし・・・!」

外の様子を伺っていたアリがまたアイシスを呼んだ。
「ア、アイシス様・・・!
これから、キャロルが神殿に向かうようでございますよ!」
「何・・・まことか?」
「はい、監督官達と連れ立って・・・メンフィス様は同行されぬご様子です」
「メンフィスは接見が控えておったはずじゃ!おお・・・という事は」
アリの瞳が狡猾そうに細められた。
「キャロルを葬る絶好の機会でございます・・・アイシス様!」
アイシスは椅子から立ち上がり、アリを頭上から見据える。
「・・・アリ、急げ!急ぎ神殿へ出向き・・・手筈通りに火を放つのじゃ!!
・・・面白い!婚儀を挙げるはずの場がキャロルの墓場になろうとは・・・さすがのメンフィスも思いも寄らぬじゃろうて!
ほほほ・・・キャロル共々焼き尽くせ!」
340記憶の恋人(74):03/10/01 19:46
キャロルは監督官や数名の供と駱駝にゆられて、王宮から程なく離れたナイル河畔にそびえる神殿へと到着した。
強い陽射しのもと、見上げるばかりの雄大な白亜の神殿はナイルと空の青に映えて息を呑む程に素晴らしかった。
メンフィスがキャロルとの婚儀のために作らせた神々しいばかりの神殿に、キャロルは足を踏み入れる――

「まぁ・・・何て・・・何て素晴らしいの!」
キャロルの声が神殿に響いた。
「どうぞ、キャロル様。こちらのレリーフを是非ご覧頂きとうございます。
ああ、お足元にお気をつけて下さいませ・・・」
キャロルは誇らしげに神殿内部を案内する監督官に連れられて、神殿の奥深くへ進む。
「ああ・・・綺麗なレリーフ・・・建立当時はこんなに色鮮やかだったのね。
素晴らしいわ・・・ここで、メンフィスと婚儀を挙げるなんて・・・」
キャロルは今宵メンフィスと迎える初夜、そしてこの雄大な神殿で挙げられる婚儀を思い馳せ、胸が痛いほどの幸福感に包まれていた。

突然、監督官達は辺りを見回した。
「むっ・・・この異様な匂いは何ぞ・・・?」
キャロルも空気の流れに混じる異臭に気づいた。
「何かしら・・・油の匂いに混じって・・・何かが焦げる匂いだわ!」

見る見る間に、灰色の煙が神殿の奥に立ち込める。
「馬鹿な!何処から火の手が上がると言うのだ・・・?」
「だめだ・・・もう煙と火で囲まれている・・・!!」
「火の回りが早すぎる・・・おかしいぞ!」
口々に騒ぎ立てながら出口へ急ごうとするものの、まるで火に囲まれたように逃げ道を塞がれている。
「キャロル様――!」
供の者がキャロルを呼ぶ声が聞こえるが、煙が充満して手を伸ばした先さえも見えない。
「私はここよ・・・!みんな・・・どこにいるの?」
大声を上げようとするが、煙が喉を刺激してキャロルは激しく咳き込んだ。
341記憶の恋人(75):03/10/01 19:55
エジプト王宮、接見の間。
「メンフィス様―――!!
大変です・・・一大事でございます・・・!!!」
近隣国の使者との接見中であるにも関わらず、大扉が突然に開かれた。
メンフィスは肩眉を上げて、息を切らせて飛び込んで来た兵士を苛立ちを含んだ目で睨んだ。
「接見中であるぞ・・・何事か?!」
「し、神殿が・・・神殿が炎上いたしまして・・・キャロル様が中に・・・!!」
メンフィスの顔色がサッと変わった。
「なに・・・?!」
一瞬、水を打ったように静まり返る室内。
しかし、椅子を蹴倒す勢いで立ち上がったメンフィスの怒声が静寂を破り響き渡る。
「馬ひけい―――っ!
神殿へ向かうぞ!ええい、急がぬか――っ!!」




王子は窓辺に腰掛けて静かに文に目を通していたが、メンフィスが半狂乱で馬を駆り立て、王宮を後にするのを目にして眉根を寄せた。
「何だ・・・随分と騒がしい」
不審に思い廊下に出た王子は、慌てふためいた様子で往来する女官の一人を呼びとめる。
「様子がおかしいぞ・・・何事かあったのか?」
「はっ・・・はい、それが・・・ナイルの姫の参拝された神殿が今、炎にまかれて・・・」
「な・・・何と・・・!」
王子は驚愕の余り、声を失った。
342名無し草:03/10/01 20:06
(゜TT゜)鼻血ブブッ・・・・・・キタッ!とオモタけど、何かとんでもないコトに〜〜〜
話の先が読めませぬ〜〜〜〜〜ど・ど〜〜〜〜なるの〜〜〜〜〜?
驚きの展開に、鼻血でそ〜〜でつ。
343名無し草:03/10/01 20:20
メンフィスが「馬引けーー」なら
王子は「鳩飛ばせーー」かな?


Σ(´Д` )鳩には乗れないか…
344名無し草:03/10/01 20:30
鳩に乗る王子もなんかイイ!(メンフィス派だけどw)
ニルスじゃないんだから〜チビ王子可愛いかも。
345名無し草:03/10/01 20:59
>遠い約束作家様
すっげーハードなBまで逝ってて寸止めできるシークは「鉄の男」。
本番ではどうなることやら、ワクワクドキドキ・・・・・

>記憶の恋人作家様
面白すぎです。メンフィスの悶々ぶりがまたイイ!
この後、王子がアブラゲじゃなくてキャロルをかっさらうんですね
346名無し草:03/10/01 21:02
w(°0°*)w オォー━━━━━ w(*°0°)w オォー━━━━━w(°0°*)w オォーマイガ━━━━━ッ!!!!

メンピーの初夜Ψ(`▼´)Ψはどーなるんだぁ!
ちゅーか、あんな喜んでんのに王子に奪われたらカワイソすぎる(泣
347名無し草:03/10/01 21:14

⊂⊃                       ⊂⊃
                 ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ⊂⊃     ( ´∀` ) < ありがたやーdjーー
               ⊂    つ  \_____________
               ノ ノ ノ
              (_ノ _ノ  ⊂⊃
             彡

再度、幸せ浮遊中…(出番が多いニャ)!!
楽しみに股り待ってましたーー。
348名無し草:03/10/01 21:41
アカン…面白すぎて叫びたいヾ(>y<;)ノ うわぁぁ!
これってキャロルの回想なんですよね、確か??
ほんと怒涛の展開…、結末が予測不可です。

両作家様、面白すぎ&ウマすぎ〜!嬉し涙が〜 ありがd×100
349名無し草:03/10/01 23:19
「遠い約束」「記憶の恋人」良いです〜
久々に王家を押入れから取り出して読んでみたくなりまひた。

大人の貫禄のシーク素敵ぃ!邪魔者ムーラ憎たらしい。
アイシス・アリのペアも王家らしいイイ味出してる。
350名無し草:03/10/02 00:07
突然思ったのだが・・・
このスレの住人にイラスト書く才能に恵まれた方はいないのかな?

文にイラストったら、あーたっっ。もうっっ。などと・・
独り言でした。
スマソ
351名無し草:03/10/02 00:16
>>350
すごーい名案!
ダイジェストサイトに載せてもらうとか?
イメージに合う合わないや好みの問題はありそだけど
いいねぇ。
それこそΨ(`▼´)Ψシーンは鼻血もんだゼよ。
352名無し草:03/10/02 09:55
イラストかぁ〜
描いてみたいが下手だしクレーム来そう。。。

>345
「B」という表現、同世代かしらン♪と思いました
353名無し草:03/10/02 09:56
イラスト入りのΨ(`▼´)Ψ

流血しすぎて出血死するかも(藁
354名無し草:03/10/02 10:40
ハァハァ
>>352
描いてーーーーーーーーーーー。
プリーズ。A→B→C→D出来ちゃった。
同年代?(w
355名無し草:03/10/02 11:19
王家の漫画をphotoshop等で加工してコラージュしたら面白そうなんだけど
そういうのは著作権に関わるから駄目なの?
356遠い約束:03/10/02 12:04
>>329
90
剣を掴む鷲のアル・シャハル王家の紋章が描かれた飛行機がワシントン空港に滑り込んだ。空港に待ち構えていたマスコミ関係者や、居合せた旅行客は好奇心剥き出しで、一般人は入れない特別スペースのほうを見つめた。
長く行方不明だった大財閥の一人娘が帰国する。それも一国の摂政王子の飛行機に同乗して!王子様に連れられたお姫様を出迎えるのは、お姫様の大金持ちの家族、それにこのアメリカの政府高官だ。
お姫様はひょっとして砂漠の国でシンデレラの切符を手に入れたのだろうか?
お姫様を好きになった砂漠の王子様は、求婚のためにアメリカに来たのだろうか?
もしアメリカ人が一国の王妃となるなら、それはグレース・ケリー以来の快挙だ。しかも今度は大財閥の令嬢、正真正銘のお姫様だ!
全く、キャロル・リード帰国のニュースは何か現代のお伽噺めいた魅力をもつものと考えられ、人々の注目の的となっていた。
とはいえ、それは野次馬のこと。
今回の帰国劇の当事者達は、出迎えられるほうも出迎えるほうも、それぞれのものおもいを胸に抱えていた・・・。

「さぁ・・・行こうか。疲れていないか?うん?」
シーク・イズミルは優しくキャロルの顔を覗き込んだ。
真っ白の民族衣装を着け、頭を覆うかぶり布は摂政王子の地位を物語る高価な額輪で留められている。これまた豪華な意匠のベルトには三日月型に反り返る短剣を手挟んで。
威風堂々たる姿にキャロルは我知らず頬を染めた。身体を調べられた‘あの日’以来、きわどく挑まれることはなかったけれど、シークの気配を感じるたびに身体が火照るのを止められない。
男の一挙手一投足に心ときめき、ずっと見つめていたいのだけれど恥ずかしくて目を逸らしてしまう・・・といったふうなキャロルは、まさにシーク・イズミルが望んだとおりである。
「大丈夫。ああ・・・やっと帰ってきたのね!」
キャロルは微笑むと立ちあがった。ようやく松葉杖も取れたが、裾の長い絹のスカートに足をとられそうになる。
「長い間、座っていたから身体も強張っているのだろう。支えてやろう」
シークは有無を言わせず、キャロルの肩を抱いた。
「さぁ・・・・。やっと私は約束どおりお前を家族に会わせてやれる。私の家族ともなるお前の家族に」
357遠い約束:03/10/02 12:05
91
通路の向こうから、飛行機の乗客がやって来る。アラブ風の衣装に身を包んだシークと随行する官僚達。そして・・・。
靴音は柔らかな絨毯に吸い込まれてライアン達には聞こえない。だが懐かしく愛しい姿は確実に近づいてくる。
背の高い、アラブ風の衣装に身を包んだ男性─アル・シャハルの摂政シーク・イズミル─に伴われた小柄な金髪の少女・・・。
「キャロル!」
我慢できずにライアンは叫んだ。長い間、気も狂わんばかりに心配し、恋焦がれた大切な義妹─恋人、婚約者。
その声に小さな姿はびくっと震え、肩を抱く男の手を振り解くようにして駆け寄ってきた。
「ライアン兄さん!ロディ兄さん、ママ!ママ!」
キャロルは、もしムーラが見たならば「背の君までお決まりの方がはしたない!」と嘆くような勢いでライアンに抱きついた。いや、ライアンのほうが大事な妹を抱き上げたのか。
「キャロル、キャロル!ああ・・・無事で良かった・・・」
「キャロル、皆どれほど心配したか・・・。お前の無事は結局政府筋からじゃなく、例のニュース番組で知ったんだよ・・・」
「キャロル、キャロル、私の娘!お願い、顔をよく見せて・・・」
家族の再会劇は本当に感動的で、海千山千のアメリカ、アル・シャハル両国の官僚たちも思わず貰い泣きをしたほどである。
シーク・イズミルは両手を腰のベルトにゆったりとかけ、自分のシェイハが彼以外の男と熱烈に抱き合うのを無表情に見ていた。
358遠い約束:03/10/02 12:06
92
やがてライアンはキャロルの額にキスして、リード夫人に託すとアル・シャハルの一行に向き直った。
「シーク・イズミル、そしてアル・シャハルの国民の皆さんに感謝の意を表します。よく妹を助けてくださった。この恩義には必ず報いましょう!」
ケマル外務大臣が歩み出して鷹揚に答えた。
「困窮する者に手を差し伸べるのは我らムスリムの義務であり喜び。
御妹君を無事に保護者たる貴殿の手に返した今となっては、我らの間に何のわだかまりもないでしょう。
我が国と貴殿の祖国アメリカ、そしてリード・コンツェルンの良好な関係が復活することを期待いたします」
アメリカ側の官僚が慇懃に外務大臣の言葉に答える。実際、キャロル・リード行方不明の煽りを受けてコンツェルンのアル・シャハル進出が無期延期になったと聞いたときは肝を冷やしたものだ。
「ライアン殿。貴殿の大切な妹御は私が大切に保護してきた。無事にリード家の宝石をお手元にお返しできて嬉しく思う」
シーク・イズミルが言った。その言葉の裏には勝者の余裕が透けて見える。
「キャロル、やっと帰ってきたのだ。せめて一日くらいは家族水入らずで過ごすのも良いだろう。家族と積もる話もあるだろうし、私もいくつか会談をこなさねばならん。
・・・良い子でいるのだぞ。またすぐに会いに行くから」
シークはこれ見よがしにキャロルの頭を撫で、頬にキスして見せた!アメリカ人の官僚はキャロル・リードにグレース・ケリーの再来を確信し、アル・シャハル側の官僚はアメリカナイズされすぎたシークの振る舞いに仰天した。
そしてライアンは・・・・。怒りのあまり身を震わせ、自分を押さえつけるロディの手にも気がつかないほどだった。
(シーク・イズミルは・・・キャロルを・・・!)
359名無し草:03/10/02 12:31
ライアン対決キタ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ(゚д゚)ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━━!!
うpありがd

アゲてしまいましたーー。
スミマセヌーー
360名無し草:03/10/02 13:00
教えてちゃん、ごめんなさい。
グレース・ケリーって誰ですか?
原作には出てきてないですよね?
昔の女優さんでいたような・・・・。
361名無し草:03/10/02 13:12
映画女優からモナコの王妃になった
ケリーバッグのモデルにもなっている美貌の女優ちゃん。
362名無し草:03/10/02 14:28
>>355タン。
フォトショ持っているのでつか。
著作権 どーなんだろ?
363名無し草:03/10/02 18:35
>355サン
コラ画像っつーことは複製?
そこまでやると洒落にならんぞ

WEBに上げるなら、下手でも自作...
自分で描けない場合は
脳内で切り張り、に留めとこう...⊂⌒~⊃。Д。)⊃
364355:03/10/02 19:06
そうなのー?やっぱり駄目かー。
他のスレで時々コラージュ作品へのリンクをお見かけするけど
1日だけのうpとかだから、きっと著作権ヤバいんかなと
思てましたが。残念。
365名無し草:03/10/02 20:04
二次創作自体がグレーゾーンなんだから、本家の絵を使ったコラはやばいでしょ。
そんなものをダイジェストに投稿したら、管理人さんに迷惑がかかっちゃうんじゃない?
366記憶の恋人(76):03/10/02 22:09
>>341
神殿から濛々と立ち上る黒煙がエジプトの青い空に舞い上がった。
数多の兵士がナイルから水を汲み上げ消火にあたるが、猛烈な勢いで燃え盛る炎にはまさに焼け石に水であった。
神殿のそびえるナイル河岸は、飛び交う怒声、水を運ぶ兵士達でごった返し、混乱の極みを呈していた。
待ちに待った祝福すべき神殿完工の日は、混沌とした悪夢の幕開けとなったのだ。


「おお、メンフィス様が来られたぞ!」
土煙を巻き起こし、白馬に跨ったメンフィスが神殿に到着すると、兵士達は各々一斉に声をあげた。
荒々しく手綱を引き馬を止め、メンフィスは馬上から怒鳴りつけた。
「キャロルは神殿の中かっ?!」
「はっ・・・指揮官と数名の供を連れられ・・・」
聞きおわらぬうちに、メンフィスは馬上から飛び降りるやいなや、側にあった貯水を頭から勢いよく被った。

「ま、まさか・・・メンフィス様!」
「おお・・・おとどまり下さいませ!!どうか・・・メンフィス様」
必死に制止しようとする家臣達を力任せに振り払い、メンフィスは剣を突きつけギラリと睨みつける。
「その腕を切り落とされたくなくば放せ!
この私に殺されたいか!!ええい、放せと言うに――!!」
周囲の者を力でなぎ倒すと、メンフィスは水に濡れたマントを翻し、突風のように火柱の上がる神殿の中に消えて行った。
「皆の者!何としてもメンフィス様とキャロル様をお助けしろ!」
兵士達も次々とメンフィスに続いた。
367記憶の恋人(77):03/10/02 22:10
メンフィスに少し遅れて、王子の率いるヒッタイト軍精鋭の兵士達も神殿に到着した。
黒い煙を吐き出す神殿を目の前に、王子は唸り声を上げた。
この炎の中にキャロルがいるのかと思うと、体を引裂くような喪失感が駆け抜ける。
「おおお・・・姫、何としてもそなたを助けてやるぞ!」
王子は水を被り、衣装にたっぷりと水を含ませると、濡れた布を頭に巻いた。
「お、王子、ご乱心なされたか!
まさかこの火の中に飛び込まれるおつもりか・・・!」
将軍が王子の体に縋りついて止めるのを、勇ましい咆哮で振り切った。
「放せ!邪魔立ていたすと許さぬぞ!!」
年老いた将軍を地面に叩きつけるように押し倒しすと、炎をものともせず王子は神殿の中へとなだれ込んだ。
冷静沈着な王子の甚だ無軌道な行動にただ驚愕するばかりのヒッタイト兵士に、将軍は直ちに命じた。
「ヒッタイト兵よ、全力を挙げて王子をお助けせよ!
王子・・・おお・・・何と言うご無体を・・・!」

エジプト兵とヒッタイト兵がそれぞれの主君の為に、捨て身で救出に当たった。
368記憶の恋人(78):03/10/02 22:13
キャロルは立ちこめる煙の中で動けずにいた。
(もう誰の声もしなくなったわ・・・みんなどこにいるのかも分からない・・・!
ああ・・・メンフィス・・・どうしたらいいの・・・どこにも逃げられない)

燃えさかる炎の音が、キャロルの恐怖心を煽り立てる。
もう煙が目と喉に染みて、目を開ける事も声を出す事も出来なくなっていた。
息苦しさと熱さで頭が朦朧とし始める。
それでも、彼女は一心に彼の名前を呼び続けていた。
(わたし・・・メンフィスと結ばれないまま死ぬの・・・?
いやよ、わたし・・・あなたと共に生きたい・・・!
あなたに・・・あなたに抱かれたい・・・!あなたの妻になりたい・・・!!)


「キャロル―――!」
遠くから聞き慣れた力強い声が、待ち望んでいた声が、キャロルを呼んだ。
愛しいメンフィスの声に、思わず涙が溢れそうになる。
(メンフィス!!)
「キャロル――!私だ・・・助けてやるぞ!何処にいる、返事をいたせ――!!」
(メンフィス・・・メンフィス!わたしはここよ・・・!)
キャロルは叫ぼうとしたが、煙を吸って咽返るだけに終わった。

そして、必死にメンフィスの姿を煙の中に探すキャロルの耳に、もう一人の男の声が。
「姫――!姫――!何処だ・・・そなたは何処ぞ!!」
キャロルは耳を疑った。
紛れもないイズミル王子の声。
(ど、どうして・・・王子がここに?)
369記憶の恋人(79):03/10/02 22:16
――噴煙で男達の姿は全く見えない。
しかし、燃え盛る炎の轟音と混じりあう様に、煙の向こうから彼女を呼ぶ二人の男の声が確かに聞こえる。
「キャロル―――!何故に私を呼ばぬ・・・返事をいたせ!」
「姫――!おお・・・先が見えぬ・・・何処にいるのか声で知らせよ!」
(ああっ!わたしは・・・わたしはここよ!!)
「キャロル――!今、助けてやるぞ!」
「姫――!姫――!そなたは何処ぞ!」
キャロルは声のでないもどかしさに、拳で床を叩いた。何度も床を打ちつけた。
(お願い・・・気づいて!気づいて!!わたしは・・・わたしはここにいる!!)

そして――
立ち込める噴煙を掻き分けるようにして、キャロルの前に現れた一人の男の影。
男は煙の中にキャロルの姿を見付けると、大股で駆け寄った。
その大きな手、広く逞しい胸がキャロルの全身を愛しげに抱きしめる。

「おお・・・無事であったか!良かった・・・どれ程に心配した事か・・・!!」
370名無し草:03/10/02 22:33
どっちだよぅ〜〜〜ここで寝るには辛すぎるョ〜〜
371名無し草:03/10/02 22:46
キタ━━キタ━━★\(゜▽゜*)キタ━━キタ━━★\(*゜▽゜*)/キタ━━キタ━━★(*゜▽゜)/キタ━━キタ━━★

先頭きったのはメンヒスか王子かっ!!いやはや大荒れの場内・・・て競馬じゃないか。ウガ〜!気になるんですけども〜

キタ━━★\(゜▽゜*)キタ━━キタ━━★\(*゜▽゜*)/キタ━━キタ━━★(*゜▽゜)/キタ━━キタ━━★キタ━━
372名無し草:03/10/02 22:51
王子とメンヒスの両バージョンきぼん!!
373名無し草:03/10/02 23:17
火事はイヤンだが、メンフィスと王子が二人して助けに来てくれるんなら…イイ!w
374名無し草:03/10/03 08:57
>372
それ(・∀・)イイ!!
両方読めればきっと何倍も楽しいでつね!!!

遠い約束さまも、王子とライアン両バージョンダメかしら?
375名無し草:03/10/03 18:36
遠い約束は更新無かったですね…。
ライアンの反撃は来週までお・あ・づ・け?
376名無し草:03/10/03 20:54
どっちなんだぁ〜〜〜ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン
377記憶の恋人(80):03/10/03 21:36
>>369

(お・・・王子!!)

王子は、彼女の存在を今一度確かめるように、キャロルの体をしっかりと胸に抱いた。
濡れた衣装でキャロルを頭からすっぽり包みこむと、軽々と腕に抱き上げた。
「さあ、しっかりとそれで顔を覆って、私に掴まれ。
早く脱出せねば、そなたも私も生きて戻れぬぞ」

だが、王子の意に反してキャロルは腕の中で激しく暴れ、何かを叫ぼうとする。
(メンフィスが、メンフィスがそこまで来ているの!!)
キャロルは必死でそれを王子に伝えようとした。
しかし無情にも、腫れ上がった喉から漏れるかすかな声は、まわりの轟音にかき消されて届かない。
「何・・・?聞こえぬ。煙で喉をやられたな・・・無理に喋らぬ方がよいぞ。
姫、話は後だ。今は一刻の猶予も無い・・・行くぞ!」

キャロルは渾身の力を込めて、王子の胸や腕を叩いて狂ったかのように暴れ回る。
メンフィスの声はもはや遠くへ消え、聞こえなくなっていた。
(ああ!駄目よ、王子!・・・メンフィスがこの中にいるの・・・メンフィスが炎の中に!!
お願い・・・放して!私を放して!!)
王子には何故キャロルがここまで泣いて暴れるのか理解出来なかった。
何を言わんとしているのか、ゆっくりと聞いてやれる余裕も残されていない。
「姫、許せ・・・」
王子は拳を握ると、キャロルのみぞおちに当て身を食らわした。
力なく崩れ落ちる彼女の体を逞しい腕が抱きとめる。
薄れ行く意識の中でキャロルは、火炎の中に向かってメンフィスの名をそれでも叫び続けた。
(メンフィス・・・メンフィス・・・メンフィス!!)
378記憶の恋人(81):03/10/03 21:40
キャロルが目を開けると、そこには見慣れた自分の部屋の天井があった。
心配そうに覗き込むナフテラやキャロル付きの女官達の顔が並んでいた。
「メ・・・メンフィス・・・」
キャロルはヒリヒリと焼け付くように痛む喉で、彼の名を呼んだ。
しかし、そこには彼の華やかな顔は無かった。

ナフテラの温厚な目に涙が浮かんで、それは目尻を伝って流れ、キャロルの肩へと落ちた。
「ナフテラ・・・メンフィスは・・・?」
その問いには答えず、ナフテラはただ首を横に振った。
「キャロル様・・・、今は何も考えずにご養生下さいませ。
あなた様のお命は・・・メンフィス様とイズミル様が命がけでお救いになられたのです」
「メンフィスと・・・王子・・・が・・・・・・?」
そう言いながら、キャロルは再び眠りの底に落ちていった。
薬湯がもたらす深い眠りの中にあっても、キャロルの心はいわれのない不安で満ちていた。
炎の中に遠ざかって行ったメンフィスの声が、耳を離れない。

――キャロル!何故に私を呼ばぬ・・・返事をいたせ!――
――キャロル!今、助けてやるぞ!――

(メンフィス・・・メンフィス・・・何処にいるの・・・?)
379記憶の恋人(82):03/10/03 21:41
王子はキャロルの容態が気がかりで、度々ナフテラに面会を申し出たがその度に丁重に断られた。
(姫・・・どうしているのであろう・・・?
そなたが気がかりで堪らぬ・・・どうしているのか・・・)

夜半遅くに、ルカが人目を忍び王子の部屋を訪れた。
「おお、ルカ・・・姫の容態はどうか」
「王子!そ、それが・・・何者かが姫を連れ去った様子でございます」
「なっ・・・」
険しい視線が無言のままにルカを問いただす。
「姫はまだお体の調子が戻られず、薬湯で眠らされ動けぬ状態だったそうです。
それが突然、寝室から姿を消されて・・・。
王宮内部の者の仕業かも知れませぬ。
この騒ぎの上、姫君まで失踪とあってエジプト王宮は混乱の渦中です」
ルカの報告を聞きながら王子は片手で口許を押さえて、方々に思考を巡らせていた。

しかし突如、何かを思い立ったように立ち上がると、剣を手に取り腰に携えた。
「ルカ・・・!すぐに出かける。そなたも来い!」
「王子・・・?」
「姫を探しに行くぞ!心当たりがあるのだ」
380記憶の恋人(83):03/10/03 21:43
次にキャロルが目覚めた時、目の前は真っ暗だった。何も見えない。
ピチャン・・・ピチャン・・・という水音がやけに響いて聞こえる。
体の節々が痛んだ。固い床の上に身を投げ出すようにして眠っていたようだ。
まだ薬湯の成分が抜けきらぬのか、頭はボーっと霞むようで、手を握ろうとしても力が入らない。
「・・・ここはどこなの?」
キャロルはゆっくりと立ち上がって、闇の中で両手を前に伸ばした。
冷たい何かに指が触れた。キャロルは金属で出来た棒状のそれを両手で掴んだ。
頭上の遥か上にある明かり取りの窓に月がさしかかり、薄暗くあたりを照らした時、彼女は初めて自分の置かれている状況を把握した。

「鉄格子・・・!!ここは・・・牢なんだわ!」

キャロルは後ろを振り返り、ぐるりと周囲を見回した。
青黒いほのかな光を頼りに目を凝らして見れば、そこにはかつて罪人に使われたのであろう・・・足枷や鎖が雑然と転がっていた。
湿って澱んだ重たい空気。天井に染み入って落ちる地下水が、床を濡らしている。
明らかに水の染みではない、禍々しい色の不気味な染みが床の至る所に残っていた。
背後から忍び寄る闇の冷たさが、背筋にゾクゾクと悪寒を走らせる。
「いや・・・ここから出して!・・・誰か・・・メンフィス・・・メンフィス!」
キャロルは鉄格子を掴み揺らしてみたが、それは虚しい金属質な音を立てるだけでビクともしない。
「ああ・・・メンフィス・・・今どこにいるの・・・?あなたに会いたい!!」

その時、キャロルの頭上でギギギ・・・という、扉が軋むような重い音が聞こえた。
それに続いて複数の人間の足音がこだまする。
足音が近づくにつれ、橙色の明かりが揺らめきながら室内に差し込む。

キャロルは格子の隙間から、松明を手にした人影を見つめた。
381名無し草:03/10/03 22:41
キタ━━━.。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。.━━━━━!!!!!

しかし今度は誰ー?王子?メンフィス?
382名無し草:03/10/03 23:27
アイシスタンに、30000アリで、
倍率さらに倍でドンで
60000アリ。
383名無し草:03/10/03 23:47
アイシスでわ?でも王子もありえ〜る?
384名無し草:03/10/03 23:50
(」_ _ )」  やはりアイシス様でございましょう   L(_ _L )
385名無し草:03/10/04 00:15
短編作家様、作品の進み具合いかほどにーー?
読みたーーい
386名無し草:03/10/04 11:38
以前に伯爵令嬢の創作の話が出ていましたが、ここがだめなら
ダイジェストサイトに掲載してもらうのはどうでしょう?
ずっと読みたいと思っていたのですが、、、
387名無し草:03/10/04 23:59
>>217タンですか?
リク頑張っておりますが、メンフィス×ミラタンでは、ヤバイ展開しか
浮かばない自分の想像力が鬱です。
今書き直しておりますが、カプが変更になりそうな・・・
もうちーーっとお待ち下さいまし。

今日はうpが無くて淋しい夜ですなー。週末が恨めしい〜。

でも、両作家様〜ゆるりとお休み下さい。
来週のドトーの展開楽しみにしています。
388385:03/10/05 00:44
217さんではないですが、面白いカップリングなので楽しみにしてまつ。

ほんと、うpがない夜は寂しいですね〜。わたしも何か書いてみたいけど最初の出だしからして詰ってしまう。読書感想文さえ苦手だったもんなァ。

        作家様がた♪q(^-^*q)(p*^-^)p がんがってネ♪
389記憶の恋人(84):03/10/05 22:02
>>380
「アイシス・・・」
アイシスは松明の明かりを片手にアリを従え、格子の外から悠然とキャロルを見下ろした。
整った美しい貌が、残酷な笑みに歪んだ。
「地下牢の寝心地はどうであった・・・?キャロルよ!」
「アイシス!・・・どういうつもりなの?
それより、メンフィスは?メンフィスはどこにいるの?何故、皆何も教えてくれないの?」

メンフィスの名を口にした瞬間、アイシスの黒い瞳は狂おしい程の憎悪に歪んだ。
音も立てずに歩み寄ると、格子の間から腕を差し伸ばし、アイシスの指がキャロルの細く白い首をゆっくりと締め上げた。

「お前の口がメンフィスの名を呼ぶのは・・・我慢がならぬ!」
「アイシス・・・」
「お前のせいで・・・お前のせいで・・・メンフィスは死んだ!」
アイシスの瞳に滔々と涙が溢れ、キャロルの目の前でそれは止まる事無く零れて流れた。
キャロルの瞳が大きく見開いた。
「お前は一人のうのうとイズミルに救われ命を拾った。
メンフィスの愛を受けながら、心の底でイズミルにも心奪われておったようなお前ごときの小娘の為に・・・エジプト王メンフィスは死んだのじゃ!炎に焼かれ・・・苦しんで!!
お前さえ現れなければメンフィスは雄々しい王として名を轟かせたであろうに・・・」

渾身の力を込めるアイシスの指は震え、キャロルの喉に喰い込んだ。
「お前は罪深い・・・メンフィスを惑わせ狂わせた・・・!
お前のような罪人は生かしてはおけぬ。死んで罪を贖え!」
アイシスの言葉が何度も頭を叩き付けた。
『お前さえ現れなければメンフィスは・・・』
頭の中でそれは次第に大きな唸りとなり、無数に広がっていくようであった。
キャロルの意識は遠のいていく・・・。
体から魂が抜けて、奈落の底に落ちていくような不思議な感覚がキャロルを襲う。
今のキャロルにとって、命が流れる浮遊感は恐怖ではなく、むしろ苦しみから解放する唯一の救いのようにさえ思われた。
390記憶の恋人(85):03/10/05 22:06
「アイシス女王!そこまでだ」
強く低く響くその声に、キャロルはハッと意識を取り戻した。
いつも何か危機あらば、その声の主に救われているような気がする。

アイシスはキャロルから手を放し、忌々しそうに唇を噛んだ。
「イズミル・・・どうしてここへ?」
地下牢の階段に王子とルカが剣を差し向けて立っていた。
王子は機敏な動作でアイシスに近寄り、その滑らかで美しい喉許を羽交い絞めにし剣をかざした。
「動くな・・・!その美しい顔が飛ぶぞ」
「くっ・・・」

「アイシス様!」
アリが近寄ろうとするのをルカが制した。

「アイシス女王よ、悪行の極みもここまでだな。
苦しませず殺してやる代わりに、最期に教えよ。
我が妹・・・・ミタムンを殺害したのは・・・そなただな?」
「ちっ・・・知らぬ。ミタムンなど・・・私に関りない」
「ふん、どこまで白を切れるかな。これをこの地下牢で見つけたのだ・・・」
王子は懐から、ミタムンの遺品の首飾りを取り出した。
「もはや、言い逃れなどさせぬぞ!さあ、ミタムンに何があったのか話してもらおうか!」
「知らぬっ・・・!!」
「ほう・・・そうか」
王子は片頬に残酷な笑みを湛える。
そして、ゆっくりと剣を真横に引いた。
「ひっ・・・」
アイシスの胸元に鮮血がポタポタと滴った。
「あ・・・ああ・・・あれは・・・あの女が悪いのじゃ!
小娘のくせに・・・メンフィスに相手にもされておらぬくせに・・・厚かましくも・・・私を出し抜こうと」
「おお・・・!やはり・・・アイシス、そなたが・・・!」
怒りを滾らせた王子がアイシスの喉を引裂こうとしたその時――
アリがルカを振り払い、松明を手に鉄格子に飛びついた。
391記憶の恋人(86):03/10/05 22:08
「待ちや!イズミル王子!これをよく見なされ!
この地下牢の床にはたっぷりと油が染みておる。
私のこの手が松明を放てばどうなるか・・・おわかりか!?
・・・アイシス様を放さねば、キャロルめがけて松明を投げつけますぞ!」

王子は怒りでわなわなと体が震えるのを抑える事ができなかった。
「おのれ・・・ミタムンも・・・ミタムンもそうして焼き殺したのか?!」
アリの顔に浮かぶ狡猾な笑みを、松明の明かりが下から照らしあげる。
「ふふふ・・・兄妹揃って焼死したくなければ、その手を放すのじゃ!
さあ、アイシス様をお放しせぬか!」
今にも松明を落とそうとするアリにを睨みつけながら、王子は仕方なくアイシスを壁に叩きつける様に解放した。
「ぐっ・・・!!」
アイシスは咳き込みながら鮮血の流れる喉許を押さえ、壁に寄りかかりイズミルを睨みつける。
「ほほ・・・形勢逆転じゃな、イズミル王子。
さあ、そなたも今宵からこの牢獄で過ごすのじゃ。
さぞかし嬉しいであろう?・・・あれほど恋焦がれたキャロルと仲睦まじく寄り添って眠れるのだからな!」

アイシスは王子とルカをキャロルと共に格子の中に閉じ込め、大きな錠を下ろした。
「アイシス様!今すぐ殺さねば!・・・生かしておいてはなりませぬ」
縋りついて進言するアリに、アイシスは首を振った。
「待つのじゃ、アリ。メンフィス亡き今も、キャロルはエジプト国民に絶大な支持を誇っておる。
キャロルにはイズミル王子と密通し、メンフィスを・・・エジプトを裏切った女として死んでもらう!
さあ・・・どの様な死に様を与えてやろうかの・・・?
ほほほ・・・・しばし、それを考えて愉しむのも悪くない」
392記憶の恋人(87):03/10/05 22:16
アイシスとアリが去った後、王子は力なくうな垂れるキャロルを揺すり起すように抱きしめた。
「おお・・・姫。危ない所であったな・・・どれほど心配した事か!」
しかし、彼女からは何の反応も返ってこなかった。
抵抗もしなければ、物も言わず、床に両手を付いたままの姿勢で青い目はぼんやりと遥か遠くを見つめていた。
「姫・・・どうしたのだ。何か申せ」
王子がキャロルの肩を揺さぶれば、ポツリポツリと唇から言葉が零れ落ちる。
「メンフィス・・・わたしが・・・わたしが死なせてしまった・・・」
「何を申す!」
「メンフィスはもう帰ってこないの・・・わたしのせいで・・・死んでしまったんだわ!!」
キャロルはしばらく空虚を見つめ無言でいたが、突然狂ったように激しく号泣し始めた。
地下牢の冷たく固い床に突っ伏して、体を震わせて嗚咽を漏らす。

王子は泣き伏せるキャロルを、ただ見守る事しかできなかった。
掛けてやる言葉さえ見つからず、激しくうち震えるその背に手を触れる事すらできずに・・・
393記憶の恋人(88):03/10/05 22:18
キャロルの号泣はかなりの長時間続いたが、やがて泣く事に疲れ果て、いつしかそれは穏やかな寝息に変わって行った。
王子は床に転がるように眠るキャロルを抱き上げると、自分の膝の中で横抱きにした。
痛々しい程に憔悴した顔に、まだ乾き切らぬ涙の跡が行く筋も残っていた。
王子はそれを優しく、キャロルを起さぬようにそっと指で拭った。
「お可哀そうに・・・」
ルカがキャロルの顔を覗き込んでしみじみと言った。
「うむ・・・時が心を癒すのを待たねばなるまいな。
今は誰が何を申したところで・・・姫の心には届くまい」
王子は明かり取りの窓を見上げた。
「あと数日で月が満ちる・・・ヒッタイトからの援軍はまだ来ぬか!?」
「はっ・・・伝令を出して確認を急がせておりますが返答がございません。理由はわかりませぬが・・・」
「どうなっておるのだ?!もうとっくに上陸してよい頃合いぞ!
・・・いずれにせよ、いつまでもこのような場所で愚図愚図としておれぬ。
アイシス女王の悪趣味にこれ以上付き合う暇はない。ルカ、これで錠前を開けよ」
王子は後ろに束ねた髪の間から、鉄製の短刀を取り出してルカに渡した。
ルカは慣れた手つきで難なく、錠前をこじ開ける。
王子は深く眠り込むキャロルを肩に担ぎ、格子戸をあけて慎重に周囲を見回しながら地下牢を抜け出した。

「ルカ・・・ひとまず我々はエジプト王宮を引き上げるぞ。
夜が空け切らぬうちに、王宮内に残っておるヒッタイト兵をすべて撤収させよ!
口惜しい・・・援軍あらば今すぐにでもアイシス女王共々攻め落としてやろうものを・・・!」
王宮にかかる黄金の月を仰ぐように振り返り、奥歯を噛み締めながら吐き捨てるように王子は言った。
394名無し草:03/10/05 22:22
わーい!2チャン周りの最後を華で締めくくって眠れます。
395名無し草:03/10/05 22:47
伏線が生きててオモロイでつ!!陰謀企む王子とアイシス良い良い。
明日は遠い約束も更新あるかしらん?楽しみだわ〜
396名無し草:03/10/05 23:42
ヽ(´ー`)ノ ヤホーイ
ヒッタイトへの旅がはじまるのかしらん(ワキワキ
397名無し草:03/10/06 00:06
メンフィスが死んだというアイシスの言葉には嘘がない様子。
すると真相は?
398名無し草:03/10/06 00:23
複雑な展開ですにゃあ。ますますどうなるんだろ。。。気になる〜
399名無し草:03/10/06 00:26
メンヒス・・・
400名無し草:03/10/06 01:10
私は死んでないと思ったけどな?
今は回想シーン?

休日うpありがトン、トン、トンでイスタンブールは庄野真代。
飛んでいったままは、円ひろし。
401名無し草:03/10/06 08:18
400タンに胴衣!メンヒスは死んでないと思う。
王子を↓グサッしてたから、自分は王子の生死の方が気になるんだが。。。

(/-_・)/D・・・・・ピューン------ →(;/゜o゜)/ <アウ  \(°o°;)<キャー,オオジー
 メンヒス               王子         キャロル

こんなんだったよーな。。。
402名無し草:03/10/06 11:05
>401
めちゃくちゃワロタ!3人とも可愛い〜
403名無し草:03/10/06 14:27
     (mm゚*) <イヤッ、シーク!
チュパ \( )
    ( ´З/
    ( )  <オマエハ、マダコドモダ        遠い約束もΨ(`▼´)Ψシーン再現でつ!

あ〜、仕事中に何やってんよ>自分
現代王子は今日は更新無いのかな。。。

作家様達、いつも楽しい作品蟻が頓★
404名無し草:03/10/06 17:48
>>401,403
挿絵イラスト・・・じゃなく挿絵顔文字に激藁。
でも、Ψ(`▼´)Ψはイラストで是非きぼん!

405記憶の恋人(89):03/10/06 21:41
>>393
アイシスは王宮奥の神殿に篭り、ひとり無心に祈りを捧げていた。
美しく気高すぎる故に誰にも心を許せない孤独な彼女が、唯一全身全霊をあげて愛した弟――メンフィスを鎮魂する為に・・・。

天窓から差し込む神々しい一条の光に、両腕を高くかざして祈る彼女の瞳からとめどなく涙が溢れて流れ落ちた。
「おお・・・何故にキャロルをあれほどに愛したのです・・・・・!
メンフィス・・・そなたは、命さえもあの娘の前に差し出した・・・!
わたくしの放った炎が・・・何故にキャロルでなく・・・そなたを死なしめる事になってしまったのか!
わたくしが悪いのか・・・いいや、違う!キャロルさえいなければ、何もかもがうまく収まったはずじゃ。
おお・・・憎い!キャロルが憎い・・・!わたくしからメンフィスを・・・全てを奪ったキャロルが憎い・・・!!」

アイシスは足許から崩れるように、神殿の冷たく硬い床石の上に座り込んだ。
「おおお・・・メンフィス・・・メンフィス・・・そなたはわたくしを怨むのでしょうね・・・愚かなわたくしを・・・。
あの夜流れた星は・・・凶を示しておったのじゃ・・・そなたの命の翳りを・・・!
おお・・・気づきもせずに・・・そなたを愛するが故に・・・わたくしは・・・」

アイシスは美しくも勇猛果敢な誇り高き弟の非業の最期を思い返して、激しく泣き崩れた。

―――アイシスが駆けつけた時、すでに見る影もなく焼け落ちた神殿の跡には、多数の兵士達の焼死体だけが残されていた。
どの遺体も損傷が激しく、個人を特定できるものは何もない有様であった。
そして、メンフィスの・・・ファラオの象徴である黄金の王冠が焼け落ちた廃材の下、折り重なる遺体と共に転がっていた。
アイシスは廃墟の中に佇み、メンフィスの王冠を胸に抱きしめて言葉を失ったまま立ち尽くした。

アイシスが放った業火は、最愛の弟を死なしめた。
そして、生きて帰還したのは皮肉な事に、数名の兵士と、イズミル王子とキャロルだけであったのだ――
406記憶の恋人(90):03/10/06 21:42
あまりの無念さと絶望に声を殺し嗚咽を漏らすアイシスの許に、アリが息を切らし慌ただしく駆け寄った。
「アイシス様・・・アイシス様!」
涙に曇る黒曜石の瞳がアリを振り返る。
「イズミルがキャロルを連れて牢を破り逃亡しました・・・王宮内のヒッタイト兵も姿が見当たりませぬ!」
思いがけぬ報告に、アイシスは目尻に神経質な苛立ちを浮かべてアリを睨み付けた。
「何っ・・・!衛兵は何をしておったのじゃ!」
「ですから!生かしておいてはなりませぬと申し上げ・・・」
アリが言い終わらぬうちに、アイシスは怒りに任せてアリの頬を張り倒した。
「わたくしに口答えするか、アリ!
早う・・・一刻も早くあの二人を追え!
逃してはならぬ・・・!ナクト将軍に伝えて兵を挙げて追うのじゃ!」
407記憶の恋人(91):03/10/06 21:44
キャロルは暑さと不規則な揺れで目を覚ました。
広く逞しい胸と腕に包まれるようにして、彼女は炎天下の砂漠を行く駱駝の上で揺られていた。
がっしりとした男の腕がキャロルの背中を支えている。
逞しく太い腕、広く厚みのある肩、温かく心地よい胸・・・
キャロルは思わず、瞳を喜びに輝かせ顔をあげた。
「メ・・・メンフィス・・・?」

しかし――彼女を見守るように見つめるのは、黒曜石ではなく深い慈しみの色を湛えた琥珀色の瞳であった。
「王子・・・」
キャロルの表情がみるみる内に、暗く曇っていくのが手に取るようにわかる。
王子は心の中で嘆きにも似た深いため息をつく。
「気分はどうか・・・?慣れぬ駱駝の上で疲れたであろう?」
「あの・・・ここは、どこ?」
キャロルは辺りを見回した。振り返れば砂漠の遥か彼方、砂塵の向こうに小さくエジプト王宮が見えた。
「わたし・・・帰ります!・・・王宮に・・・わたし・・・!」
突然に王子の腕を振りほどこうと、キャロルはもがき始めた。
「姫!大人しくいたせ・・・そなたは、もはやエジプト王宮には戻れぬ!」
「いやよ・・・わたしは帰るわ・・・!」
「馬鹿な!!メンフィス王亡き後、アイシス女王の政権下でそなたが生きてゆけると思うのか?
メンフィス王の後ろ盾なくして、そなたの居る場所など何処にもあろうはずもない!
私と一緒に参れ。命の保障はしてやる!」
『メンフィス王亡き後・・・』その言葉はキャロルの心に爪跡を立てて、痛烈な痛みをえぐり出す。
キャロルは泣きじゃくりながら王子に食って掛かり、体が横倒しになる程力任せに身を捩った。
例えメンフィスがいなくても、彼の面影や思いでがそこかしこに残るエジプト王宮から離れたくはなかった。
「いやよ!わたしは何処へも行かない・・・死ぬまでメンフィスの側に・・・エジプトに残るわ!放して!」

どんどん地平線の奥に遠ざかってゆくエジプト王宮の影。
その消えゆく影は青い瞳に溢れる涙に滲んで、陽炎のように儚く揺らめいた。
「いやあ―――!!」
408記憶の恋人(92):03/10/06 21:48
渾身の力でもがいた瞬間、キャロルの華奢な体は王子の腕の間をすり抜けて砂漠の砂地へ落下した。
「姫!!」
王子は駱駝から飛び降り、キャロルの体を抱き起こす。
「おお・・・何と言う無茶をする!怪我はないか?!」
できうる限りの優しい仕草と声色で、王子はキャロルを案じ、髪や衣についた砂を払ってやる。
しかし、キャロルは強張った表情で頑なに叫ぶだけであった。
「放して!・・・どうしてわたしを放っておいてくれないの・・・!
あの時も・・・そうよ、あの時もそうだったわ!」
キャロルは王子の顔を見上げて、睨みつけた。
「メンフィスはすぐ側まで来ていたのに・・・炎の中でわたしを呼んでいたのに!!
どうして・・・あの時・・・私を放してくれなかったの・・・!」
そう言われて、王子は初めて、炎舞い立つ神殿の中でキャロルが必死に何を伝えようとしていたかを確信した。何故、救いを差し伸べる彼の腕の中で狂ったように暴れていたのかも、納得できた。
(そうか――やはり、メンフィス王もあの時すぐそこまで来ていたのだな・・・!)
またキャロルは激しく号泣を始めた。
――命を賭けて炎の中から救い出した愛しい娘は、何故に自分をを救ったのかと王子を責め立てる。
嫉妬でも、怒りでもない・・・言葉に表せぬ苦渋に満ちた感情が王子の胸をキリキリと締め上げる。
王子はやるせなさに耐え切れず目を瞑った。
何もかもをかなぐりすてて泣きわめき、四方八方を殴り蹴りまくるキャロルを、無理やり抱き上げで駱駝に跨った。
一体この華奢な体のどこにそんな力があるのかと、目を疑いたくなる程であった。
キャロルの体に回した腕に力を込めて、彼女の骨が軋む程きつく抱きしめる。
「大人しくいたせ!言う事を聞かぬなら、無理やりに黙らせる事もできるのだぞ!」
王子は凄みを効かせた厳しい瞳でキャロルを睨み、一喝した。
「苦しい・・・放して・・・」
息もできぬ程の拘束にあい、さすがにキャロルは大人しくなった。

しかし、彼女はそれでも背後を振り返っては縋るように見つめていた。
メンフィスと出会い、メンフィスに愛され、その腕の中で無上の時を過ごした楽園をいつまでも――
409名無し草:03/10/06 22:32
王子も切ない立場だねぇー、キャロルもなんだけどさ。
410名無し草:03/10/06 23:40
あ〜〜ん
なんだかモンモンとした展開になってきたyo・゚・(ノД`)・゚・

しっかしどこへ行ってもアイシスは悪代官役だねぇ
キャロルもたまには「そなたもワルよのぅ」なんてナフテラと悪事を企んで欲しいわw
411名無し草:03/10/07 00:36
いや、キャロル&ナフテラのほほん組では
アイシス&アリ以上の抜け策になりそうやわ。
412名無し草:03/10/07 11:59
キャロル・ナフテラ組だと何を企んでも悪事にならないような…。
「そなたもお人よしよのぅ…」で終わりそうでつ。

遠い約束、今日はうpあるかな〜?ワクワク
413遠い約束:03/10/07 14:11
>>358
93
リード一家を乗せた自動車は一直線に広大な屋敷に滑り込み、頑丈な門扉が閉ざされた。もうマスコミもうるさい世間の好奇の視線も、久しぶりの再会を果たした一家を邪魔することは出来ない・・・。

「キャロル、ああ、本当によく無事で私のところに戻ってきてくれたわ!
無事を信じて祈っていたけれど、でも、もしあなたを失っていまったらと思うと気が狂う思いだった!」
リード夫人は少しやつれたせいか大人びて見えるようになった愛娘を抱きしめて涙をこぼした。
「本当に無事で良かった!シーク・イズミルは私達一家の大恩人ですよ!」
「ママ、ライアン兄さん、ロディ兄さん、連絡できなくてごめんなさい。怪我をしてずいぶん長く臥せっていたの。
外交問題だとか色々と煩雑なことがあって・・・そのことで私が傷つかないようにってシーク・イズミルがわざと私には何も知らせないようになさったの。
でも、シークは本当に私のことを大事にしてくださったわ。あの方がいなかったら私はきっと死んでいたわ。最高の治療、優しい人達。
シーク・イズミルだけじゃないわ。アル・シャハルの人達は皆、私の恩人だわ」
キャロルの言葉を聞いて、いちいち頷くリード夫人。ロディもばあやも涙に潤む目をして母と娘を暖かく見守った。
キャロルが大切にされていたらしいことは、アル・シャハルから着て帰ってきた衣装ひとつ見ても知れることだ。
ごく薄い薔薇色に染められた絹で作られた裾の長いプリンセスラインのワンピース。イスラムの国の女性に求められる慎ましさを映したそれは首筋までぴっちり被う形で、最高の技術と材料で誂えられたものだとすぐ知れる。
裾周りに施された刺繍は薔薇。ゆったりした袖口を手首で絞るのは真珠を連ねたカフス。胸元にはシーク・イズミルから贈られた真珠の首飾りが光る。
ベールに被われていた髪の毛は真珠とサファイアをあしらった金糸のネットでまとめられてさえいた。全てはシェイハたる彼女のためにシーク・イズミルが吟味して贈った物だ。
414遠い約束:03/10/07 14:11
94
(キャロルは大切に守られていた。そして今も・・・守られ、想われている。
誰に・・・?・・・・・・・・・シーク・イズミルに!)
ただ一人、ライアンだけが複雑な感情を抱いていた。
最愛の義妹が自分の所に還ってくる・・・という待ちわびた知らせを受け取った至福の瞬間に覚えた疑惑。

─キャロルはシーク・イズミルのところにいた。長いこと、長いこと。
キャロルを欲しいと図々しくも口にした男の許に!
キャロルは・・・・キャロルは・・・・本当に還ってくるのか?僕のところに。僕のキャロルとして・・・?─

ライアンの物思いは不意に破られた。
「兄さん、心配かけてごめんなさい。私、どんなに兄さんに心配をかけたかと思うと、もう・・・」
キャロルが抱き着いてきて、ライアンの顔を見上げている。それは昔から見慣れた「妹」の顔だった。懐かしい愛しい妹の顔・・・。
(ばかばかしい、僕は何を考えているんだ。キャロルは僕の花嫁になる娘だ。
僕だけのキャロルだ。昔から決まっていたじゃないか)
「お前が無事に帰ってきてくれたんだ、僕はもう何も望まない・・・」
ライアンはキャロルに接吻しようと顔を近づけた。キャロルは一瞬、ばつの悪そうな顔をして、大急ぎで頬を差し出した。唇ではなかった。
(キャロル・・・?)
だがそのとき、ばあやが賑やかに夕食の支度が整ったことを告げに来た。
キャロルは母親に肩を抱かれて食堂に向かっていった・・・。

夕食後。シークから贈られた衣装を脱いでくつろいだ服に着替えたキャロルはリード夫人の部屋を訪れた。
「まぁ、キャロル!どうしたの?」
「ん・・・。何だかママのそばにいたいの。アル・シャハルにいる間ずっとママの膝が恋しかった。会いたいって・・・会ったら何を話そうかってずっとずっと考えていたわ・・・」
リード夫人は愛しげに娘の頭を膝に抱いた。そのまま様様な会話を交わす母娘。わざと核心を避けるように話す娘に、母はやがて言った。
「・・・キャロル、あなた何か心配事があるのかしら?ママには言えないこと?もし・・・もしママがあなたを昔のように・・・小さい子供だったころのように助けてあげられれば・・・?」
415名無し草:03/10/07 14:52
わぁ〜い、キタキター!!!ライアンの反撃に乞うご期待、だね。
416記憶の恋人(93):03/10/07 22:28
>>408
薄暗くなり始めた荒涼とした山地に、ヒッタイト軍は夜営のための天幕を張った。
王子は将軍や指揮官を召集し対エジプトへの戦略を詮議立てするものの、ヒッタイト本国からの伝令は未だに音沙汰無く、進退きわまって身動き取れぬ現況に王子は苛立ちを隠しきれずにいた。

疲れきった顔で天幕に戻って来た王子は、キャロルを見てまたもや眉間を寄せた。
「姫・・・何も食べておらぬではないか!」
キャロルの前に並べられた数々の皿に顔をそむけるように、彼女は座っていた。
どの皿も給仕されたままの状態であった。
王子は深く長いため息を漏らすと、キャロルの黄金の髪をくしゃっと優しく撫でた。
「・・・これから暫くは過酷な旅になるやも知れぬ。
しっかり食せねば、ただでさえか弱い、女のその身が持たぬぞ!」
「・・・・・・・・・」
「姫!」
どのような王子の気遣いに対しても無言の抵抗を見せるキャロルに業を煮やした王子は、キャロルの横にドカリと腰を降ろし、料理を手に取りキャロルの口許に運ぶ。
少々乱暴ではあったが無理やり固く閉ざされた唇に、肉料理を押し込んだ。
それでも尚、飲み込もうとしないキャロルの頑固さに王子は呆れ、水を自分の口に含ませると彼女の体を強引に引き寄せ、口移しで水を注ぎ込む。
「うっ・・・!!」
いつかの夜、エジプト王宮の庭園で交わした官能的な接吻とはまったく異なったが、それでも彼女の唇に直に触れて王子は嫌でも胸が熱くなるのを感じていた。
ゲホゲホとむせ返りながらもキャロルは料理を飲み下し、そして無言のままに王子を睨みつけた。
417記憶の恋人(94):03/10/07 22:29
「強情だな。
しかし、力では決して私にかなわぬぞ。
さあ、どうする?自分で食事を取れぬなら、私が食べさせるまでだ」
口端に余裕の笑みを湛えながら、王子は料理の載った皿をキャロルの前にかざした。
キャロルは指先を細かに震えさせながらも、皿を受け取った。
ゆっくりと料理を口に運ぶ。
しかし、一口一口噛み締める度に彼女の伏せた瞳から涙が零れ落ちた。
肩を震わせながら、王子の腕から逃れる為だけに、砂を噛むように食するキャロルを王子は言葉なく見つめていた。
ただ、哀れだと・・・そう思った。

王子は複雑な想いでキャロルに思いを馳せる。
この手でメンフィス王を殺して、奪い去ろうと思っていた娘。
恋敵であるメンフィス王は彼が手を下すまでもなく非業の死を遂げたというのに、何故か王子は手放しで喜ぶ気になれなかった。
王子が欲しいと思ったのは、メンフィス王の腕の中で恥じらいながらも幸せそうな笑みを満面に浮かべて愛しい男を見上げるその姿だったのだ。
皮肉にも恋敵が去った瞬間に、キャロルからあの愛らしい笑顔は消え去ってしまった。
(・・・時が過ぎるのを待つのだ。
どれだけ深く愛しようと、いつまでも死人を思い続ける訳にもゆかぬぞ。
そなたには、泣いて縋れる胸が・・・存分に甘えて頼れる胸が必要なのだ!!」
418記憶の恋人(95):03/10/07 22:31
夜も更けた頃、王子は自分の天幕の寝台にキャロルを運び、寝かしつけようとした。
しかし、キャロルは寝台の隅に寄って震え上がり、恐ろしいものを見るような目で王子を見つめた。
「いやっ・・・何を・・・何をするの!来ないでっ!!」
王子はくすりと笑い、大きな手でキャロルの頬を撫で付けた。
「そなたを襲うとでも思っておるのか?・・・安心いたせ。
そなたをまだ一人で放っておく訳にゆかぬ故、添い伏して眠るだけだ。
決して、指一本たりともそなたに触れたりはせぬ・・・安心して眠るが良い」
キャロルは首を振った。
「いやよ・・・いや!」
しかし王子はそんなキャロルにお構いなしでさっさと寝台に体を滑り込ませ、キャロルに背を向けるようにして横たわった。
十分に広い寝台の中、王子はわざとキャロルから距離を取り、大きな体を端に寄せていた。
こういう時、幾らキャロルが嫌だと駄々をこねたところで、王子は決して聞いてはくれない。
彼がこうだと決めた事にはいくら逆らっても無駄なのだ。
キャロルは睡魔に勝てず根負けし、ついには寝台の片隅に体を小さく丸めて眠り始めた。

王子はキャロルの寝息に気づくと、そっと起き上がり、キャロルの顔を覗き込む。
また哀しい夢を見て泣いているのではないか、とずっと気がかりだったのだ。
しかし、思いのほか彼女は穏やかに眠り込んでいた。
王子は安らかな寝息を立てるキャロルの頬に、そっと唇を寄せた。
(ふふ・・・許せ。指一本たりと触れぬと申したに・・・愛しい姫よ。
これからは私がそなたを支えてやろう。
いつまでも悲しみの中に生きてはならぬ。そなたは男に愛され輝く娘なのだ・・・!)
寝具の中で柔らかく温かい体を手繰りよせ、腕の中に囲い込んで抱きしめた。
二人の体温は混じりあう。甘くほのかに漂うキャロルの髪や肌の匂い。
「おお・・・愛しい・・・」
王子は甘く切ない疼きを覚えながらも、愛しい娘を抱いて眠る喜びにただ胸を熱くするのだった・・・
419名無し草:03/10/07 23:03
ああ、いよいよ王子お約束の拉致監禁生活が始まったわん!
どんな経過でキャロルのお初を奪うのか、密かに楽しみにしております。
アイシスからもらった妖し薬をやっぱり使ってしまうのか…!?

遠い約束もライアン対決近づいてますね。楽しみです。
あとシークとの初Hが(とってもとっても)気になるぅ〜


二人のイケメンが一人の女を……、これって永遠の乙女の萌えツボでつ。
420名無し草:03/10/08 00:40
>419
>王子お約束の拉致監禁生活

バクワラw
421名無し草:03/10/08 01:47
ほんと、もうすっかりお約束ですな >拉致監禁生活
でも自由にさせてくれるメンヒスより、なぜか束縛しまくりの王子に萌えなんだな。
指1本触れぬーとか約束しておきながら思わず(*´`)・^* )チュッ♪してしまう王子、カワイイ奴だ。
422名無し草:03/10/08 07:16
いつも楽しく読ませていただいています。
エチーな物を読んでいて、昔、友達がアラブとかあちらの人とつきあっていて、
私にぼそって、「すっごいの、身体がもたない」って言っていたのを
思い出しました。イヤン、ずっごいのね。
423名無し草:03/10/08 08:04
>422タンの書き込みに朝から鼻血(゜TT゜)ブー
そ、そ、そんなに「すっごい」のれすか?
確かにアチラの方達って見た目からして「強そう&情熱的」だよね。
メンヒスも王子も・・・キャロルも大変ねぇ。ハァハァ
424名無し草:03/10/08 09:54
>>422
いやぁん。リアルな情報。
妄想膨らみすぎました〜〜〜  鼻血にまみれて逝ってきまつ
425名無し草:03/10/08 11:05
異国の者・・・
裏山しぃ。言葉もテクも・・裏山しぃ。
違うんだろうな・・・
ハッ・・逝ってきます。
426遠い約束:03/10/08 11:47
>>414
95
「それはひょっとして、あなたを助けてくださったシークと・・・関係のあることかしら・・・?」
リード夫人の言葉にキャロルは、はっと顔をあげた。キャロルは何も言えずに母の顔を見つめるばかりだったが、それは心のうちを告白したも同然だった。
(やっぱり・・・)
リード夫人は穏やかにやさしい手つきで娘の金色の髪の毛を撫でた。
空港で娘の姿を見たときに、小柄な娘をいとおしげに見つめる砂漠の国の若者の視線にも気づいてしまった。
独占欲と愛情の混じった視線。キャロルは臆するふうもなくその視線を身体に纏わらせていた・・・。
「キャロル、あなたは・・・」
「ママ、私、私ね・・・あの方を、シーク・イズミルを愛しているの・・・」
キャロルは言葉を選んで訥々と語り始めた。時に言葉は涙声に震えたけれど、決してキャロルは取り乱したり、泣いてその場をごまかすような子供っぽいことはしなかった。
真摯に誠実にキャロルはリード夫人に話す。
望まれるままに‘大好きなライアン兄さんのお嫁さん’になることを疑いもせずにいたけれど、シークに出会って初めて自分から人を好きになることを知ったのだと。
ライアンを裏切るのが恐ろしくて必死に忘れようとしたけれど、自分を望んでくれるシークに向かう心は止めようがなかったと。
そして事故による思いもかけないアル・シャハル滞在。キャロルはシークとお互いの心を確かめ合った・・・。
「ごめんなさい、ママ。私、ライアン兄さんもママも・・・家族を、今まで私を愛してくれた人全部を裏切ってしまった。ごめんなさい。許してもらえないかもしれない、でも私は・・・」
リード夫人はそっと娘を抱き寄せた。
優しすぎて素直すぎて流されやすいところもあった娘。ライアンが与える強引な愛を受けることには母として少し疑問に思っていた。
(この子の心はやっと目覚めたんだわ。遠慮ばかりして流されやすくて自分がないのではないかしらと心配させられた子供が・・・やっと自分の心に目覚めた。
この子に生き生きとした自分の心を授けてくれたのは、では砂漠の国のシークなのね!ライアンじゃないなんて何という皮肉でしょう!)
427遠い約束:03/10/08 11:48
96
「キャロル。よく話してくれたわ。ママはね、あなたがそうやって話してくれたことが嬉しいの。取り乱しもせず、自分を抑えて、ただ誠実に・・・。
キャロル、あなたは大人になったのね。あなたは初めて自分の‘望み’を口にしたの。今まであなたが強く何かを望むことなんてなかったわ・・・」
「ママ・・・?!」
「よく話してくれたわ・・・」
リード夫人は思っていた。
いくら血がつながらないとはいえ、兄と妹の結婚というのは少々抵抗があった。ライアンがそれを望み、キャロルもまたライアンを慕っていたから許していたけれど・・・。
(キャロルは大人になったわ。あの無事を知らせてくれたインタビューを見たときも成長振りに目を見張ったけれど。何も知らない子供のまま、ライアンに嫁いでいくことより他にもこの子の幸せはあるはず・・・。
今となっては・・・母としてキャロルを幸せにしてやりたい。ライアンだって分かってくれるわね・・・?)
「ママ、許して・・・」
「キャロル、許すも何も私は少しも怒っていませんよ。そりゃ驚いたけれど。
キャロル、あなたはまだほんの16よ。性急に結論を出すには及びません。
この件についてはライアンともよく話し合って・・・。もちろんママが間に立ってあげます。あなたがライアンを結局、兄としてしか見られないならそれは仕方のないことだし、ある意味、当然よ。
・・・シーク・イズミルのことも・・・しばらく考えてみましょう。急いではだめ。あなたはまだママの大事な子供なんですから」
こっくり頷いたキャロルの額に優しくキスするとリード夫人は娘を寝室に連れていってやった。
428遠い約束:03/10/08 11:49
97
「・・・キャロル、起きているかい?」
ライアンがキャロルの寝室に入ってきたのは真夜中と夜明けの間の時間、夜が一番静かで深い時だった。
「兄さん・・・!」
浅い眠りの中を漂っていたキャロルは驚いて身体を起こした。ライアンはずかずかと入ってくると、ぎゅっとキャロルを抱きしめた。
「兄さん・・・っ!何するの?いきなり・・・!」
キャロルは驚いて暴れたが、万力のようなライアンの腕からは逃れられない。
「お前の顔が見たくなった、心行くまで。帰ってきてからは何となく忙しなくてろくにお前と話せなかった・・・」
「兄さん・・・」
キャロルはライアンの胸の中から逃れられない。以前なら素直にこの強引な腕に身を委ねて甘えることも出来ただろう。でも今は・・・。
「やっ・・・!」
キスしようとしたライアンをキャロルは思いきり押しのけた。ライアンの顔がさっと強張った。
「僕が・・・怖いのか・・・?」
ライアンはぐっとキャロルに体重をかけるようにした。弾みでキャロルはベッドに崩れ落ちるようにへたりこんだ。ライアンはのしかかるように自分の大柄な体でキャロルの動きを封じた。
「兄さん、やめて。こんなこと・・・」
手馴れた様子でキャロルの顔にうなじに唇を這わせるライアンに、キャロルは冷や汗を滲ませて抗った。もう兄としてしか見られなくなった男性の、男の動作が恐ろしくて疎ましかった。
(シーク・・・!助けて!)
ライアンは不意に動作を止めた。首筋に、今まで自分しか触れたことのないはずのキャロルの白い首筋に薔薇色の跡を見たからだ。
冥い予感と怒りがライアンの胸を苦しいほどに苛んだ。自分だけの愛しい大事な娘は・・・。
「キャロル、僕に触れられるのが嫌なのか?・・・キャロル、誰になら触れられてもいいんだ?一体、誰に許したんだっ、触れられることをっ!
・・・・・・シークか・・・・・?」
ライアンはキャロルの抗いを強引なくちづけで封じて、表情を強張らせたまま小さな身体を確かめ始めた・・・・・。
429名無し草:03/10/08 12:08
\从/
  ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 (;TДT)<強引ライアンキターー。
 ( つ  つ  \_______
  〈 〈\ \
  (__)(__)

シーク!完遂前に来るのだ!
430名無し草:03/10/08 13:01
きゃー!
強引なライアン兄さん萌えー!!!
なんだかレスだけでも
最近ティっシュの消費量が多い今日この頃・・・。
431名無し草:03/10/08 14:17
みんなの鼻血の流血っぷりがおかしくて激ワラですわ。

ムスリムの知り合いが何人かいますが、
まぁ、たしかにあちらの殿方はこっちがのけぞるくらい情熱的です。
ただし、王子みたいに一人の女性だけを追うような一途さは全くありません。
彼らは特に異教徒の女性を軽率に扱うところがあるように思います。
見てくれはエキゾチックで素敵なんですけどね。
王子やメンフィスはやっぱり夢の中の人なのね〜(あたり前か)
長レススマソ。
432名無し草:03/10/08 15:30
           
            ほわん 
             
ほわん   イ⌒⌒⌒ヽ   
     (⌒ ^    ⌒)   
    (  (⌒       )
    ( (          )
    (  (         )    
    (  ー ∩∩   ノ ) ほわん
     ヽ( ( ´Д`) ) イ           
>>431
「こっちがのけぞるくらい」って…………
お試しつー事でっか?
もう……鼻血どころじゃないって感じっす。        
433名無し草:03/10/08 16:35
でも向こうの男性って女には貞操求めるでしょ?
小説とか読んでも何気にこちらの女性はススんでいるから
いくら遊んでもオッケーな意識なだけな気がする。
434名無し草:03/10/08 18:46
… 皆たん、オリジナルの千夜一夜物語、読んでみそ。
のけぞるくらい男と女のお話しだよ。
蛇足だがいたす場面の描写の発想感覚が違って面白い>男は剣・女は鞘とか

もちろん現代ムスリムの男女観≒千夜一夜物語だろうけど、興味深くはある。
「シンドバッドの冒険」は、あの中ではマッタクの例外(w

                スレ違いスマソ
435名無し草:03/10/08 19:40
のけぞるくらい情熱的ってどんなのなのよ〜?
妄想がパンクしそうでつ。
詳しく教えて〜〜〜〜 >431

千夜一夜物語面白いし好きだ。
アラブに限らず、日本も中国でもどこでも昔の人はスキモノだよね。
他にする事無かったからなの?
436名無し草:03/10/08 21:49
江戸時代の艶本とかでも
結構キますぜ、ダンナ、なんちてw
でも〜千夜一夜物語も激しく気になるな〜。
そんなに激しいのかしら?
437名無し草:03/10/08 23:43
喪まえら、欲求不満かよ。
438名無し草:03/10/08 23:50
>>437
いいじゃないの。
女同士集まればこんなもんでしょ。ヒャヒャヒャ
439名無し草:03/10/09 00:35

      //
    /  /
    /   /   パカ
   / ∩∧ ∧    話は聞かせてもらったぞ!
   / .|( ・∀・)_ のけぞりたいーーーー(w 
  // |   ヽ/   
  " ̄ ̄ ̄"∪
440名無し草:03/10/09 08:21
>>437
三村?
441名無し草:03/10/09 10:33
>435
ご期待に沿える回答じゃないかもしれないですが
サイズ合わない・激しい・回数多いのが続くと最初はいいけど辛いものがあります。
SEX強いのは認めるけど、もう少し繊細なHのほうが日本人には向いてると思いました。
口説き落とす時の情熱はいいですね、日本人男性も見習って欲しいですわ。
でもあちらの男性は女性に奉仕してもらうのが好きで、ここのメンフィスや王子のように
最初から最期までいたせりつくせりご奉仕してくれる訳ではありません(笑)
女のわがままだとは思うけど、メンフィスや王子は理想の男、いいですよね〜。

また長レスになりました。退散しますスマソ。 
>作家様方、続きを楽しみにしております。
442名無し草:03/10/09 12:58
奉仕好きなのですか〜
 
極端にサイズが違うのもあれか。
 
しかーし、キャロル嬢は欧米人。
日本人では辛いサイズでも彼女だから受けられるのでしょ〜w
 
てか、本当に外国産はオオキイノ?
定規で測って報告キボン〜
443名無し草:03/10/09 14:44
.ニニニ}:`、 ,':}ニニニ
    ||:  x' .:}
    ||;,.'...,`;;j
    '~ ̄ ̄u
        。
       _
         ̄
ご報告に・・・ティッシュでは足りず・・・洗いますた。
すごぉぉぉ!楽しかったサンクス。。。
444遠い約束:03/10/09 15:09
>>428
98
「やっ・・・!兄さん・・・っ。嫌・・・!」
キャロルの抗いを苦もなく受け流してライアンは小柄な少女の身体を改め始める。
寝巻きの胸元をはだければ、夜目にも鮮やかな白い肌。しみ一つない青ざめて見えるほどに白い肌を見つめながら、ライアンのもう片方の手はゆったりと長い寝巻きの裾の中へ・・・。
恐怖に声も出ないキャロルの顔をまともに見ることもしないまま、ライアンの指は下着の中に入っていった。
(シーク・・・!)
キャロルは心の中で絶望的に叫んだ。
「あ・・・っ、イタっ!」
ライアンの指が脚の間の窪んだ場所に触れた瞬間、キャロルは小さく叫んだ。
ライアンは驚いたように指を目の前にかざした。指先は堅固な砦に阻まれた・・・。
(キャロルはまだ・・・!)
嬉しい驚きに一瞬、動きを止めたライアンにキャロルの刺々しい言葉が突き刺さった。
「兄さんなんて大嫌いっ!なんてひどい人なの?私を何だと思っているの?
兄さんなんて大嫌い、大嫌い・・・!」
「キャロル・・・すまない・・・」
ライアンは未だ無垢であったキャロルにこの上ない愛しさと、自分の闇雲な嫉妬に突き動かされた獣じみた行為に嫌悪を覚えながら言った。
「許してくれ・・・僕は・・・どうかしていた・・・。
妻にと思い定めて、ずっと無事を祈ってきた大事なお前にこんなことを・・・。許してくれ・・・」
その声は真摯で心からの後悔と謝罪の念に溢れ、思わずキャロルは顔をあげて無体をしかけてきた図々しい男の顔を見上げてしまった。
「お前の・・・お前のことを疑うなんて僕はどうかしている。許してくれ。
・・お前が僕を裏切るはずなどないことを一番よく知っているのは僕なのに」
ライアンは黙って義妹の着衣を整えてやり優しい手つきでベッドに寝かしつけ、振りかえらずに出ていった。
445遠い約束:03/10/09 15:10
99
キャロルは静かに涙を流してもはや‘兄’でしかない男を見送った。
(兄さん、ごめんなさい。私は・・・兄さんを裏切ったの)
シークを愛したがゆえにライアンを拒んだ彼女だったが、こんなにまでなっても心の底からライアンを嫌い、拒むことは出来ないのだった。
キャロルはそっと指先を秘所に触れさせた。結婚を控えた娘のためのアル・シャハルの風儀だからとムーラがきれいに刈り込んで手入れしてくれた茂みの奥が脈打つように痛んだ。
ライアンが乱暴に触れた場所。
シーク・イズミルが愛で、その色合いも形も、感触や味わいまですら確かめていった場所。
(怖い・・・怖かった・・・。シーク、早く会いたい。でなければ私・・・どこまで自分を守れるか分からない・・・)
キャロルは自分を抱きしめるように丸まって眠ろうとした。だが当然ながら眠りは訪れず、キャロルは汗ばんで寝苦しく長い夜を過ごしたのだった。
しかし。
ライアンが最後までキャロルを確かめようとしなかったのは非常に幸運だった。
キャロル自身は気づいてもいなかったが、その白い内股にはくっきりとシークの接吻の跡がつけられていた。
婚儀を終えるその時まで待ちきれずにイズミルがキャロルの身体に残した刻印・・・。

ライアンもまた自室で眠れない時を過ごしていた。
(僕はキャロルを失うのだろうか・・・。どうしてあんな真似をしたんだ。
結婚式を終えるその時まで、キャロルを守ると誓ったのに。
・・・・キャロル。あんなに僕を恐れて。キャロルに拒まれなければ僕はあそこまで見下げ果てた真似はしなかった)

じきに夜があける。
朝一番にリード邸には大統領じきじきの電話があるだろう。アル・シャハルの摂政王子が被保護者であった少女との非公式の面会を強く希望しているので丁重にもてなして欲しいと。
446名無し草:03/10/09 15:51
うpありがd!ライアン兄さん、なんかお気の毒…

そして鼻血モノの報告ありがd!
あう〜辛いんスか。辛いほど激しい…って…あ〜また流血だー!!
447名無し草:03/10/09 20:05
前世で超ラブラブだったメンフィスだから今度は不幸になる番だとか(藁
448記憶の恋人(96):03/10/09 21:52
>>418
キャロルを腕の中に抱き込むように眠っていた王子は、差し込む朝の光の眩しさにふと目を覚ました。
彼の逞しい腕に頭を載せ胸に頬を寄せるようにして眠る娘から、安らかな寝息が聞こえてくる。
王子はキャロルの顔に掛かる黄金の髪をそっと脇に退けて、そのあどけない寝顔に見入った。
少し開いた唇が、まるで接吻を待っているかのように錯覚させる。
キャロルを起さぬように、そっと顎に手をかけ上向かせると、王子は優しく唇を啄ばむように吸った。
(ああ・・・何と甘いのだ。)
つい自戒を破り、唇の奥へと舌を差し入れ、唇よりも更に柔らかく甘い舌に触れる。
キャロルに舌を絡ませているうちに、胸の中に萌え出でる男の欲望。
「んん・・・」
キャロルの小さなうめき声にハッと我に返り、王子は名残惜しそうに唇を離した。
体を起こし、身なりを整えると寝台から抜け出した。

それから間もなくして、キャロルも目覚めて寝台から身を起した。
キャロルは辺りを見回したが、寝台にも天幕の中にも王子の姿はない。
しかし、寝具に残る男の体の温もり。メンフィスとはまた異なる男の肌の匂い。
キャロルは深くうな垂れて目を瞑った。
何もなかったはずだが、男と床を共に一夜を過ごした事には変わりはない。
メンフィスに対する深い罪悪感がキャロルの胸をちくちくと苛んだ。
この先どうなるのだろう?
もし王子がキャロルを求めて来たら、どれ程抵抗しても彼に敵うはずなどない。
いや、腕力など使わなくても・・・初なキャロルを意のままに攻め落とす事など、彼がその気になりさえすれば他愛ない事なのかも知れない。
キャロルは以前に王子に抱きしめられ口づけされた時、絡め取られたように動けなくなってしまったのを思い出して思わず両の拳を握り締めた。
(メンフィス・・・わたしは・・これからどうすればいいの・・・?
これからどうなるのか・・・どこに連れて行かれるのかもわからない・・・!)
449記憶の恋人(97):03/10/09 21:55
キャロルの視線がふと、寝台の脇に置かれた王子の守り刀が目の端に止まった。
恐る恐る、鈍く光る銀色の短剣に手を伸ばす。
その切っ先を、キャロルは思いつめた瞳で見つめる。
(メンフィス、あなたに会いたい・・・あなたの声が聞きたい・・・あなたの許へ行きたい・・・!!)

しかし、キャロルが自分の胸に刃を当てようとしたその時、男の大きな手が彼女の手首を掴みあげた。
驚いてキャロルが振り向くと、王子が暗い瞳で睨みすえていた。
「いや・・・!放して!」
手首を更に強く握り締められて、短刀はキャロルの手から寝台の上に落ちた。
「愚かな事を!
そなたの命を救う為に・・・どれだけの命が失われたかを考えぬのか!?」
今のキャロルには辛辣すぎる言葉だと王子は思ったが、言わずにはいられなかった。
キャロルの瞳が揺れて、みるみるうちに涙が溢れる。
「数多の兵士がそなたを救う為に烈火に身を投じたのだぞ。
メンフィス王もだ。
そして、それはこの私も同じ。
そなたの為に命を投じた男達の死を無駄にしたいのか?」
キャロルは力なく首を横に振った。
王子は感情を抑えて、務めて穏やかな声で続けた。
「それでもなお死にたいと思うなら・・・その時はこの私に申せ。
苦しまぬよう、私の手で安らかに葬ってやろう・・・」
450記憶の恋人(98):03/10/09 21:59
驚いた表情で自分を見上げるキャロルを、王子は真摯な瞳で見つめ言い含めるように言葉を繋ぐ。
「しかし・・・そなた一人では逝かせぬ。
その時は、私も共に逝ってやろう。
一度はそなたにくれてやったこの命だ、今更惜しくは無い」
「・・・・・・・・・」
言葉を失って瞬きもせずに見詰める少女の痛々しい顔を、王子は抱き寄せて自分の胸に埋めた。
そっと包み込むように優しく抱く。
「・・・良いか、心に置いておくのだ。
私は己の命よりも、そなたが愛しい。
私の命をそなたに預ける!
もはやそなたの命はそなた一人のものではない。
そなたのその身の、その命の重さを忘れてはならぬ」

王子は優しくも厳しい口調で命じながら、キャロルの背を宥める様に撫で下ろす。
キャロルは王子の胸の中で堰を切ったように泣き出すと、もう止まらなくなっていた。
色々な事が一度にありすぎて、もうキャロルの心は限界に達していた。
どんなに辛くても、どんなに寂しくても、この胸にだけは縋ってはいけない、と心のどこかで自分の声がする。
なのに、自分に向けられる優しさは温かに肌を伝って流れ込み、凍てついた心を溶かし奥深くまで染み入るようであった・・・
451名無し草:03/10/09 22:51
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(´・ω・`)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
なんだか切な〜い展開になってきたよぅ。
メンフィスはキャロルに甘々だけど、王子は甘やかすけど時には厳しい感じがステキ!
本編の王子はもうダメぽいけどさ。初期の頃の王子の感じが好きです。

452名無し草:03/10/09 23:25
本編の王子なんて、メンヒス以上にメロメロヘロヘロじゃん!
あんなのもう王子じゃないyo!
453名無し草:03/10/09 23:39
ダイジェスト読んでいて、王子メインの話だと、メンフの浮気だとか裏切りだとかで
メンフの扱いがひどすぎ・・・ショボン

どちらもカッコよく話を展開させることは難しいのね。
原作でメンフラブなキャロルを振り向かせるにはこれくらいしないと駄目なのかもしれないけど・・・。
454名無し草:03/10/10 00:13
うpありがとうです〜。

二人ともカッコ良かったら…私なら選べない〜〜〜(w
選んでいる内にキャロルタン、お婆ちゃんになったりして(w
にしても、作家様達のお話のライバルは二人とも(・∀・)イイ!から悩んでしまう。
455名無し草:03/10/10 00:33
でもでもメンフィスは死んで無いハズー!ダヨネ?
メンフィス派の私としては、メンフィスの巻き返しに期待大でつ。
アンネでキャロルとHできなかった続きを是非〜
456名無し草:03/10/10 14:50
うおおお〜!
ダイジェストさんが更新されてた〜!
ありがとう!管理人さん!(感涙

そしてありがとう、作家様方!
切ない展開でやっぱりテイッシュがいる私・・・。
・゜・(ノД`)・゜・。(ホロリ
457名無し草:03/10/10 16:42
ほんとだーダイジェストサイト更新ありがd!!
連載を追いかけて読むのも完了後にまとめて読むのも、どっちも楽しい。。。
管理人様&作家様の労力に深く感謝致します。
458記憶の恋人(99):03/10/10 22:20
>>450
王子の監視下に置かれたキャロルは、常に狭い天幕の中で彼と寝食を共にした。
キャロルの予想に反して、王子はキャロルに無体を仕掛けるような事は決してしなかった。
それどころか、キャロルが「女」で王子が「男」である事を必要以上に感じさせぬよう、常にキャロルを気遣っているのを彼女は感じていた。
メンフィスを失い消沈するキャロルを王子がどこまでも深く暖かい愛情で見守ってくれているのかを、キャロルは嫌と言う程わかっていたのだ。
王子に対する恐れは日ごとに減って行ったが、惜しみなく注がれる彼の愛情や優しさはキャロルをますます苦悩させる。
口にこそ出さなくとも、愛しさに満ちた琥珀の瞳は言葉以上にキャロルへの想いを伝えていた。
メンフィスでない男の、メンフィスにとっては恋敵であった男の、命すら惜しまぬ激しい愛。
しかしそれは、王子がキャロルを思いやれば思いやる程に彼女を追い詰めて行くのだ。

(いけない・・・王子に心を許しては・・・頼ってはいけない・・・どんなに優しくされても!
メンフィス・・・あなたが恋しい・・・死ぬ程寂しいわ。
わたしの為に死んでいった人達に祈りを捧げて、あなたへの思いを振り返るだけ・・・
何の為に生きているのかわからない・・・。死ぬことも叶わない・・・。
お願い・・・あなたに会いたい・・・会いたい・・・一目だけでも・・・メンフィス!!)
声を嗄らして泣き叫ぶ日々は過ぎ去っても、心は亡き人の影ばかりを慕い、更に深い悲しみの淵に沈んで行く。
459記憶の恋人(100):03/10/10 22:21
夜もふけた頃、王子は将軍に呼ばれて天幕から出て行くと、キャロルは一人残された天幕の暗がりの中で声を殺してすすり泣いた。夜の暗さと静けさが一層に孤独感を増長させるのだ。
そんなキャロルの耳に、天幕の外を護衛する側近の兵士達の会話が布一枚を隔てて届いた。
「・・・・・しかし、王子はあの姫君を今後どうなされるおつもりだ?」
「何でも・・・王子は姫を御自分の妃にと望んでおられるらしい。
エジプトを攻落した暁には、晴れてご婚儀を挙げたいと思っていらっしゃるのだ」
「しかし・・・メンフィス王の妃に上がるはずであった姫であろう?そのような手つきの娘を・・・
それほどに王子はご執心なのか・・・あの姫に?」
「ふん、何と言っても未来を読むエジプト神の娘だぞ・・・!
それに、お前も見ただろう?あの黄金の髪と白い肌・・・男なら誰でも欲しくなろうが。
ファラオと王子が奪い合いをしたって噂も頷ける・・・王子は本気らしいぜ」

キャロルの手は細かに震えていた。
『王子は姫を自分の妃に・・・』
逃れられぬ運命の鎖がキャロルを絡め取る。
メンフィスと愛し合い、現代を捨てて古代の歴史の中に生きる事を決意したキャロル。
歴史の傍観者でなければならないと常に自分を戒めていた彼女の存在こそが、メンフィスを夭逝させ、イズミルまでもを巻き込み歴史の流れを変動させる。
キャロルは改めて自分の為に命を落とした兵士や愛しいメンフィスの重みを感じていた。
息も出来ぬほどに、それは重たくキャロルにのしかかり胸を締めつける・・・
460記憶の恋人(101):03/10/10 22:23
斥候に出ていたルカは陣営に戻るなり、息を切らして王子と将軍の許へと駆け寄った。
ルカの只ならぬ顔色に王子は整った眉をひそめる。
「何事か・・・ルカ、そのように慌てふためいて」
「お・・・王子・・・、たった今知らせが入りました・・・!
ヒッタイトからの援軍は・・・ヒッタイト王が・・・陛下自ら率いられ・・・アッシリア国境に差し掛かったところで・・・
居合わせたアッシリア軍の奇襲に合い・・・」
切れ切れに漏らされるルカの言葉に、王子の顔から血の気が引いてゆく。
琥珀の瞳は見開かれたまま動かない。
「その折に陛下は・・・流れ矢にあたり・・・ご、ご崩御なされたとの事でございます!!」
「なに・・・父上が・・・!!」
「王子・・・急ぎ帰国のご準備を・・・!!」
「おお・・・あの豪気な父上が・・!!
将軍・・・ヒッタイト兵をここに集結させよ!
そしてルカ、そなたは姫に付いて様子を見ておれ。
私は暫し手が放せぬ。良いか、決して目を離すでない・・・頼んだぞ!」


王子は全兵士を召集し、ヒッタイト王の訃報と直ちに帰国の路に向かう旨を厳粛に伝えた。
兵士達の間にどよめきが沸きあがる。
悲嘆にくれる兵士達を前に、王子は覇気漲る声で父王と妹を死に至らしめたアッシリアそしてエジプトに必ずや報復せんと高らかに宣言した。
冴え渡る月を背に、堂々とたる体躯に武具を纏い立ちそびえる男の姿ははさながらに軍神のようであった。
アナトリアの大国、ヒッタイトの新王誕生の瞬間に兵士達は士気を煽られ、口々に怒涛のような雄叫びをあげた。
461記憶の恋人(102):03/10/10 22:27
兵士達を解散させると、王子は急いでキャロルのいる天幕へと向かう。
何か理由の知れぬ胸騒ぎがして落ち着かない。
「おお、ルカ・・・姫の様子はどうか?」
ルカは王子の声に気づくと、すぐさま足許に跪き低頭して許しを請うた。
「申し訳ございませぬ!!獣の鳴き声に気を取られ外に出た隙にお姿を眩まされ・・・」
王子はルカが言い終わるより早く、刀身を鞘に収めたままの剣でルカの体を打ちつけた。
憤怒を爆発させた王子は、青白い炎を宿した鋭い瞳でルカを見下ろした。
「たわけ・・・!あれ程に目を離すなと申しつけたであろうが!!
手分けして今すぐに探せ!何かあらば、そなた・・・生きてはおれぬと思え!」
「はっ・・・!」


王子は足許もろくに見えない暗い山道を、あてもなく探し回った。
川辺に下りて、彼女の足でも歩めそうな場所はすべて見渡した。
(おお・・・何処にいるのか――!
何故これ程までに私を苦しめる・・・私を苛立たせるのだ!
それでもなお・・・そなたを求めずにはおれぬ私の心が何故わからぬのか・・・おお、姫よ!!)

至る場所を駆けずり回り、途方に暮れた王子は、ふと滝の音に耳を傾ける。
王子の目の前には暗い色の水が音を立てて落ちる滝壷が広がっていた。
(まさか・・・!)
その下を流れる川に恐る恐る目を向ける。
月の明かりを頼りに、目を凝らして見れば水の流れに巻かれて流される黄金の髪が見えた。
「おお・・・姫!!」
王子はザバザバと深い川を渡る。
肌を刺すように冷ややかな夜の水に、浮いては沈むキャロルの体をその腕に抱き上げた。
ただでさえ白い顔はもはや青白く、紫がかった唇はもはや呼吸を止めていた。
「愚かな・・・!おお、何と愚かな・・・!」
冷え切った体を抱き、その胸に耳を当てる。
しかし柔らかな胸の膨らみの奥からは確かな鼓動の音が伝わってくる。
思わず王子は天空を仰ぎ、目を閉じて神に祈りを捧げた。
462記憶の恋人(103):03/10/10 22:29
キャロルを急いで水から上げると、川原へ横たわらせ、何度も口移しで空気を送っては飲み込んだ水を吐き出させる。
呼吸を促すうちに、キャロルはゴホゴホと咳き込みながら何とか息を吹き返した。
王子はキャロルの体をあらんばかりの力で抱きしめ、どこへぶつけて良いのか分からぬ怒りに向かって叫んだ。
「おお・・・姫!!何と馬鹿な事を!!そうまでして死に急ぎたいのか!!」
キャロルはうっすらと瞼を開けた。
(また・・・また王子に助けられてしまった・・・わたし・・・死ねなかった・・・)
力なく、諦めにも似た弱々しい微笑みがキャロルの頬に虚しく浮かんで消えた。

王子は懐に手を差し入れ、小さな壜を握り締めた。
それは、あの星の流れた夜、エジプト王宮でアイシス女王に手渡された禁断の秘薬であった。
――愛する者への思慕を消し去る、キルケーの秘薬。
キャロルに飲ませれば、メンフィスへの深い思慕を忘れさせる事ができる、そうアイシスは言った――

王子の指が、壜の蓋を外した。
黄金の液体が妖しく揺らめいた。

「哀れな姫よ・・・。
私がこれ程までに愛するその身を、そなた自らの手で葬ろうとするのか!
それならば・・・その命、この私が貰い受けようぞ!!」

王子はキャロルの唇に、ゆっくりと黄金の秘薬を注いだ―――
463名無し草:03/10/10 23:16
お・お・王子!ついに踏み切りましたーーーーーっ!!!
だけどキャロルの命を救う為ぽくて、なかなかイイでつ。

アイシスのくれた薬だから、毒薬じゃないかと心配だが・・・
464名無し草:03/10/11 00:18
>アイシスのくれた薬だから、毒薬じゃないかと心配だが・・・
ワロタ あり得る


キルケーの誘惑に鼻斜線でホイホイ乗ってしまう王子はどうかと思ったケド
このシチュなら納得。うpありがトン!
465名無し草:03/10/11 13:54
これで最初の話につながるんだね>記憶の恋人

・・・しかしスゴイ練られた展開。
作家様、巧すぎです〜〜
こんなお話を細川先生の絵で読めたら・・・・・
466名無し草:03/10/11 14:36
\(◎o◎)/うおう!王子が王様になるのでつね!! \(◎o◎)/
王子とキャロルの初Ψ(`▼´)Ψはこれからだよね?楽しみじゃぁ〜
467名無し草:03/10/11 15:04
>練られたを・・「縛られた」と読んだ腐女子って私だけ?
468記憶の恋人(104):03/10/11 21:28
>>462
―――キャロルはエジプトでの日々を呼び起こす長い夢から目覚めようとしていた。
記憶の底でいつもキャロルを呼んだ黒髪の男――メンフィス。
今キャロルは彼の顔も、彼との記憶もはっきりと思い描ける。
彼と過ごした熱波のような日々、彼との別れ、そして・・・
まだ頭は夢の中から抜けきらず、瞼が重い。
(そう・・・わたしはメンフィスと愛し合っていた。誰よりもメンフィスを愛していた・・・。
メンフィスはわたしを助ける為に炎の中で命を落として・・・メンフィスは・・・メンフィスは・・・!)―――



「キャロル!大丈夫か?・・・しっかりいたせ!」
体を揺り起こされて、キャロルは目を覚ました。
突然、現実に引き戻され呆然と辺りを見回した。
寝台に横たわる彼女の背中を支える、力強い腕。
陽に焼けた浅黒い逞しい胸にファラオの印である黄金のホルスの胸飾りが揺れている。

「メ・・・メンフィス!!」
キャロルは大声で叫び、自分を抱きしめる男の顔を見上げた。
黒く艶やかな流れる髪。高く通った鼻筋に引き締まった唇。強い意志を秘めた黒曜石の切れ長の瞳。
紛れもなく愛しいメンフィスの胸の中にキャロルはいた。
469記憶の恋人(105):03/10/11 21:31
端整な口許に複雑な表情を浮かべて、メンフィスはキャロルを心配そうに見つめていた。
「キャロル・・・随分とうなされていたぞ!
何も思い出せぬとはまことか・・・!?・・・何があった?
おお!そなたに一体なにがあったのだ!!」
キャロルはメンフィスに飛びついて、その首にしがみ付いた。
「メンフィス・・・メンフィス・・・あなた無事だったのね!!
わたし・・・思い出したの・・・神殿が燃えて・・・あなたは死んだとみんながそう言ったわ!!
だから・・・だからわたしも死のうとしたの・・・だけど死ねなかった!」
キャロルは細い腕で力の限り、メンフィスの身体を抱きしめた。
身を燃やしつくす程に恋焦がれた愛しい恋人。
その彼は今キャロルの目の前に、以前と変わらぬ凛々しい姿で彼女を抱きしめている。
「私は死なぬ・・・!そなたを残して死ぬものか!!」
メンフィスはそう言って、キャロルの頬を自分の頬に引き寄せた。
「神殿が崩れた時の衝撃で飛ばされ、ナイルに落ちたのだ・・・!
随分川下まで流され意識を取り戻し、民に助けられ命からがら戻った時、王宮はひどい騒ぎだった。
そして・・・そなたの姿は消えていた!」
キャロルはメンフィスの体の温かみを確かめるように、その胸に頬をすり寄せた。
メンフィスも愛しげにキャロルの背を何度も何度も撫でる。
「姉上は・・・イズミルがそなたを口説き、駆け落ち同然に逃亡したのだと・・・!
私はそのような事は信じぬ!
イズミルは嫌がるそなたを奪って逃亡したのであろう?・・・そうに決まっておる!」

しかし、キャロルの体はメンフィスの腕の中でビクリと震えた。
「キャロル・・・・?!」
470記憶の恋人(106):03/10/11 21:34
(――わたしは、王子と・・・王子とも愛し合っていた・・・!)
キャロルの記憶は、王子の妃になるのを拒みメンフィスの許へ行くために滝に身を投げた所でプツリと途絶えていた。
しかし、その後王子と愛し合っていた事実を断片的に蘇った記憶が知らせていた。
月の夜の砂漠で王子の求婚を受けた事・・・。
そして、その後――天幕の中で王子と深く結ばれた初夜・・・。
なのに、何故王子を愛するに至ったのか・・・その過程をキャロルは思い出せない。
まるで霞みがかかったように、ぽっかりと穴が開いたように空洞になっているのだ。

「どうした・・・?何故そのような顔をする?」
メンフィスの表情は強張ってゆく。

(メンフィスが死んだと聞かされて・・・私は命を絶とうと滝に身を投げた・・・!
その後どうなったの・・・?ああ、思い出せない・・・どうして、王子を愛するようになったのか・・・!)

「何か申せ!キャロル!!
・・・そなたはイズミルに捉えられ無理に連れて行かれた、そうであろう?」

(わたし・・・わたし・・・メンフィスを裏切った・・・?)
そして、崖下に落ちて一切の記憶を失った後もキャロルは王子を愛するようになった。
彼女を救った王子を信じると決めた後、二人は衝動に操られるように川辺で愛し合ったのだ。
(あの時・・・わたしは王子を愛してた事を確信したわ・・・)
その後、山間で待ち伏せしていたメンフィスの矢に撃たれ、王子はキャロルの足許に倒れ伏した。
深々と彼の背に突き立った矢から飛び散る血潮が脳裏によみがえる。
(王子は・・・今どこに・・・?一体どうなってるの・・・!
わたしは誰を愛しているの・・・?メンフィス・・・?王子・・・?ああ!!)
471記憶の恋人(107):03/10/11 21:38
何も答えぬキャロルにメンフィスは押さえ切れぬ苛立ちを感じて、細い手首を捉えると乱暴に寝台に押し倒した。
「キャロル!!何か申せ!何故なにも答えぬ?!」
「メンフィス・・・!」

その弾みで、キャロルの胸元が少しはだけて白い肌が露出した。
そして――そこには、色濃い接吻の跡が生々しく残っていた!

「おおお・・・・・・・!!」
メンフィスは総毛立つような激情が胸から全身に広がるのを感じていた。
気が遠くなりそうな程の猛烈な怒り。凄まじく凶暴な狂気がメンフィスを支配し始める。

メンフィスはキャロルの衣装を力任せに剥ぎ取り、音を立てて引き裂く。
「いやっ・・・やめて!やめて・・・メンフィス!!」
怒りに燃え滾るメンフィスに抗えるはずもなく、キャロルはあっという間に一糸纏わぬ裸身にされた。

見下ろすメンフィスの黒い瞳がゆっくりと、白い肌に残る男の跡を辿ってゆく。
胸元・・・乳房・・・腰・・・腹部。
それは、キャロルの腿の辺りにまでも及んでいた・・・

震えるメンフィスの手がキャロルの足首を捉え、ゆっくりと脚を開かせる。
「いやあっ!!」

白い腿の最奥、そこにひそやかに佇む女の器官がメンフィスの面前に露わになった。
メンフィスがいつか心のままに愛でてやりたいと胸を熱く焦がし続けた、愛しいキャロルの秘所。
淡い色味の小さな花弁は、メンフィスの前で震えている。
しかし、その可憐な二枚の花びらの間からはありありと――白濁した男の残滓が流れていた!

「おのれ・・・!イズミル・・・殺してやる!たたき殺してくれる――!!」
メンフィスの咆哮が天幕を揺らした。
472名無し草:03/10/11 21:49
キタタタタタタタ━━━(((((゚(゚(゚(((゚゚∀∀゚゚)))゚)゚)゚)))))━━━!!!!!!
473名無し草:03/10/11 22:26
メンフィス、御存分に叩き殺(ry
男なら怒るわな〜
でもきっと王子を選ぶンだよね(´・ω・`)ショボーン…
474名無し草:03/10/11 22:33
いやいや、ここからメンヒスの巻き返しをきぼん!!
たまには情にながされないキャロルを見てみたいなぁ。
475名無し草:03/10/11 22:49
こ、これまた怒涛の展開やん!!!!
メンフィスの怒りっぷりを考えると禿げしくワクワクしまつなぁ〜〜〜
キャロルと初夜寸前だったんだからそらぁ怒り狂いだよね〜〜
怒れるメンフィス、ステキー!!もっと怒って欲しい。

最後はどっちを選ぶんだろ〜
476名無し草:03/10/12 00:31
週末うpありがd♪
伏線イパーイ敷かれていて超面白いです。
明日もうpあるかしらん?続きがき・に・な・るYO!
477名無し草:03/10/13 07:22
ここを偶然に見てから、すっかりハマっています。本家がまだ延々と続いて
いる事を知って、再度びっくり。
ところで、本家も読みたいと思っているのですが、どうでしょう?
こちらの創作を見ている私には、もう本家は物足りなかったりしませんか?
ちょっと心配です。また、コミックと文庫本版なら、どっちがいいでしょう?
どなたか教えてくださいませ。

作家様達、うpを楽しみにしています。
478名無し草:03/10/13 08:24
>>477
是非本編も読んでみて下さいな。
作家様達のお話は、本編からのエピソードやシチュエーションを取り混ぜ
ながら独創的に作られてますので、本編を読んでいればイメージが
すっごい広がると思いますよ〜。
文庫本は7巻まで(コミック14巻相当)しか発刊されていませんので
読むならコミックスの方が全部読めるのでおすすめ。
ほんとにこのスレ、本家の悶々を解消してくれます。ありがたや。
479名無し草:03/10/13 22:08
>477タン
原作は読むべきよ!
ハマる事間違いなしだから♪

今日はうpないのかしら、連休だものね....。
480477:03/10/13 22:08
>>478タソありがとう。
どこかで、コミックを手にいれて、絶対に読んでみます!

ああ、うpお願い。
481名無し草:03/10/13 23:20
今日はうpないの〜?

ダイジェストさんにいって
やさぐれた心を癒してきまつ・・・。
482名無し草:03/10/14 00:21
メンヒス・・・

怒りに任せてキャロルを奪い返すのだ〜〜〜

うpありませなんだなぁ〜〜〜(´・ω・`)ちぇっ 明日に期待していまつ>作家様がた
483名無し草:03/10/14 09:23
更新の無い日が続くと辛いよぅ。。。
遠い約束&記憶の恋人作家様、週明けの更新お待ち致しておりまする〜!
484遠い約束:03/10/14 12:34
>>445
100
アル・シャハルの国旗を立てた豪華な公用車がリード邸の車寄せに滑り込んだ。
邸宅の玄関には当主ライアンを筆頭にリード家の人々が整列して異国からの高貴な客人であり、キャロルの命の恩人でもあるシーク・イズミルを出迎える。
やがて車の扉は開かれ、シーク・イズミルの堂々たる姿が現れた。高貴な客人に従うのは秘書官のルカのみ。シークはごくごく個人的な訪問に余計なお供は受けつけなかったのである。
「ようこそおいでくださいました。殿下」
リード夫人が恭しく挨拶した。シークは目の端に憮然たる表情のライアンと、嬉しさと不安がない交ぜになった表情を浮かべたキャロルを捉えると、口の端に薄く満足の笑みを浮かべた。
(なるほど・・・ライアンはもう何事かを察知したわけか。
男ならば誰でも欲しくなる掌中の珠を奪うのは申し訳なく思わないわけではないがこればかりは譲れない)

そして場面はリード邸の応接間に移る。
「キャロル、やはり家族の許に帰れたのはお前にとって何よりの薬となったようだな。輝くような顔色ではないか」
シーク・イズミルはライアンから少し離れた場所に座るキャロルを見て上機嫌だった。
ことさらに幼い娘らしさを強調するような服を着せられているのは自分への挑戦のように思えたが(実際それは当たっている)、頬を染めるキャロルに薄薔薇色の小花模様のワンピースはいかにも似つかわしかった。
「娘のことではいくら感謝しても感謝しきれない思いで一杯です、殿下。
私達の所に戻ってきた娘は健康で、精神的にもたいそう安定しておりました。殿下が大切にしてくださったのだと話してくれました・・・」
シーク・イズミルと主に話すのはリード夫人だった。キャロルの本当の気持ちを聞いた夫人は、ライアンを刺激しないように細心の注意を払っていた。
「キャロル嬢は我が国の滞在中に人々の心を掴んでしまったようだ。私も父も親戚達もすっかり彼女が気にいってしまってね。もちろん我が国の国民もだ。帰国の折はちょっとした愁嘆場だったくらいだ。
・・・じきに彼女を連れて帰るから・・・と私がいくら言っても聞かないのだから」
485遠い約束:03/10/14 12:35
101
「まぁ・・・殿下。それはどういうことでございましょう・・・?」
リード夫人は上品なさりげなさで若者を牽制しようとしたが叶わなかった。
シーク・イズミルはキャロルを見やった。キャロルは立ちあがってそっと自分の手をシークの大きな手の中に滑り込ませた。
ライアンがはっと息を呑んだときはもう遅かった。
「リード夫人、どうかあなたのお嬢さんを私の妻とすることをお許し頂きたい。私はすでにキャロルに結婚を申し込んだし、キャロルも私の願いを聞き届けてくれた」
「ママ、ライアン兄さん、ロディ兄さん・・・。私、シークのお申し出をお受けしました・・・」
消え入りそうな声で、でも最後までしっかりとキャロルも言った。
居間にいるのはリード一家とばあや、それにシークの秘書官ルカだけだったが、まるで誰もいないかのように室内は静まり返った。
(何てまぁ、性急なこと!)
リード夫人はひそかに嘆息した。砂漠の王子は何とせっかちに事を運びたがるのだろう!あのおとなしいキャロルまでが引きずられるように大胆な告白をした。
(ライアンは何と言うかしら?きっとただではすまないわ。ライアンはキャロルを・・・)
金属音がしそうな緊張状態を緩めたのは、非常に穏やかに落ち着いたライアンの声だった。
「これはシーク・イズミル。ご冗談がお上手だ。キャロル、こちらへおいで。
・・・いや、お前は一度部屋に戻ったほうが良いな。ばあや、キャロルを連れていってくれ」
ライアンは何の躊躇もなく義妹の白い手をイズミルの手の中から引っぺがした。キャロルは何か言おうとしたがリード夫人に促され、兄の言うとおりにした。
ライアンは黙ってキャロルの後姿を見送った。
「さて、シーク。リード家の当主たる私からもキャロルを無事に帰してくださったことについてお礼を申し上げる。
これでお国とリード・コンツェルンのプロジェクトについては何の隔てもなくなった。すぐにでも契約書にサインして懸案事項を片付けられる。・・・・そうすれば早速ご帰国になれますよ、殿下!」
ライアンは少し言葉を切ってから相変わらず穏やかな口調で言った。
「キャロルは私の妻となる女性です。あなたになぞ渡せない」
486名無し草:03/10/14 12:51
キ(_- )キ!(-  )キッ!(   )キタ(.  ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━━━━━!!

うp楽しみにしていました。ありがトン
487名無し草:03/10/14 13:12
引いちゃダメ。

ライアン、しつこく食い下がってドロドロしてから
颯爽と王子がさらうのだい!
488記憶の恋人(108):03/10/14 22:24
>>471
イズミルはキャロルを抱いた――
メンフィスが最も恐れていた事。
とってそれはメンフィスにとって想像にすら耐えられぬ事であった。

「おおお・・・許せぬ・・・イズミル!!この怒り・・・どうしてくれよう!」
体中の血が逆流して渦巻き、炎で炙られるような痛みがメンフィスの全身を駆け抜ける。
欲望ではなく、あまりにも激しい怒りがメンフィスの男の部分を猛々しく怒張させた。

悲鳴さえ発せないキャロルの両足を大きく広げると、メンフィスは他の男の名残が滴る花びらに、凶器と化した猛り狂う自身を突き立てた。
未だに狭く屈窮なそれに構わず、腰を強く押し付けて深く貫通させる。
もはやキャロルの悲鳴は、ドクドクと脈打つ自分自身の鼓動にかき消され聞こえない。

何かに執りつかれたようにメンフィスはキャロルを激しく抱き続ける。
熱い迸りをキャロルの中に何度放っても、メンフィスの怒張は一向に納まりを見せない――


どれほどの時間が経った後であろうか。
メンフィスがやっと正気に戻った時、キャロルは彼の体の下で完全に意識を失っていた。
いつキャロルが失神したのかさえ気付かなかった。
一体何度キャロルの中に放ったのか・・・それすらメンフィスは覚えてもいなかった。
可憐な佇まいを見せていた淡い桜色の花びらは、痛々しく陵辱されて赤く色づき、おびただしい量の残滓にまみれている。

メンフィスは思わず片手で額を押さえ、目を瞑った。
胸の中にはとどうしようもない後味の悪さが渦巻き、まだ荒れ狂う怒りが煮え滾っている。
初めてキャロルを抱いた後だと言うのに、満足感など微塵のかけらもありはしない。
やるせなさと苦渋に満ちた深い吐息を漏らし、杯や水差し、手元にある物を手当たり次第、力のままに床に投げつけて叩き割った。
489記憶の恋人(109):03/10/14 22:28
「おおお・・・何故にこうなる!」
キャロルの力ない体を胸に抱きしめ、メンフィスは体を震わせて叫ぶ。
「何故だ―――っ!!
何故にそなたを・・・この私が・・・そなたを傷つけねばならぬのだ・・・!
何よりもそなたを愛しく・・・大切にしてきたと言うに!!
このような形でそなたを抱こうとは・・・!!おお、何故だ!何故だ、キャロル!!」

メンフィスはキャロルの体をそっと寝台に横たえると、上掛けを肩の上まで掛けてやった。
先ほどの乱暴さなど億尾にも感じさせぬ優しい仕草で、疲れた頬に残る涙の跡を指で拭った。
金色の髪を、柔らかな唇を、細い肩を愛しげに撫でる。
キャロルの白い手に自分の指を絡めて、そっと握り締めた。
そして耳元に囁く。
「キャロル・・・そなたを愛している・・・!
何が起ころうとも私の想いは変わらぬ・・・決して変わりはせぬ!!」


メンフィスはゆっくりとキャロルに背中を向けて天幕を後にした。
490記憶の恋人(110):03/10/14 22:33
暗い天幕の中。倉庫代わりに荷物を積み上げた狭い一角。
イズミル王子は頭から水をかけられ、目を覚ました。
体を捩ろうとしたが、背中から左肩にかけて受けた矢傷に焼けるような激痛が走る。
動こうとしても両腕は頭上で柱に縛りあげられ、身動きさえままならない状態であった。

「――目覚めたか?いい様だな・・・!!」

力強く響く男の声に顔を上げる。
片手に持った鞭で床をピシリと叩きながら、メンフィスは立っていた。
水が滴る前髪の間から冷ややかに睨みつける琥珀の瞳が、メンフィスの激情を燃え立たせる。

メンフィスは鞭を空中に撓らせると、いきなり力任せに王子の裸の上半身を打ちつけた。
皮の鞭の先が撓り、鈍い音と同時に肌に亀裂走らせ鮮血が滲んだ。
「ぐっ・・・!」

「よくも・・・貴様!私がおらぬ間にキャロルを―――!!」
皮膚を裂き骨を軋ませる鞭の音とメンフィスの怒声が交互に響く。
何度鞭で打たれようとも、王子は歯を食いしばり苦痛に耐えるだけで一言も言葉を漏らさない。
「キャロルの体を無理に奪ったのか!
吐け・・・申さねば即刻斬り殺す!!」

王子は苦痛に満ちた端整な顔を上げて、口端に嘲笑を浮かべる。
「私は姫が愛しい・・・姫を愛している。
ふっ・・・愛しい娘に・・・誰が無体など・・・!」
491記憶の恋人(111):03/10/14 22:36
「くっ・・・ぬけぬけと・・・!
何と申し開きしようと、許さぬ!許さぬぞ――!」
更にメンフィスはイズミルを打った。
王子の胸は鮮血で染まり、苦しげな荒い呼吸で波打つように上下する。
拘束され痛めつけられても尚、その琥珀の瞳だけは落ち着いた涼しげな光を宿している。
その乱れのなさが、またメンフィスの逆鱗に触れる。

「つくづく・・・強情な男よ!
普通の男ならばとっくに気を失っておるであろうに・・・呆れた奴だ!」
メンフィス自身も息を荒げながらイズミルの前に歩み寄り、身動きできぬ彼の顎を鷲掴みにして上を向かせた。
「貴様の様な男を痛めつけるに、このような鞭など何の役にも立たぬわ!
フン・・・良い事を聞かせてやろう。
イズミル!よく聞け・・・私は」
顎をグッと引き上げ、琥珀の瞳を間近に捉えて睨みつける。

「――キャロルを抱いた」

瞬間、イズミルの顔から血の気が失せた。
瞳が驚愕と怒りに震え始めるのが手に取るようにわかる。
畳み掛けるようにメンフィスは続けた。
「何度も・・・何度も、だ!キャロルは私のもの!もはや貴様の跡など何も残ってはおらぬ!」

憎い男の顔が苦悩に歪むのを見てもまだ満足せぬ様子で、メンフィスは更に鞭の音を唸らせる。
彼の意識が遠のく寸前まで痛めつけた。
492記憶の恋人(112):03/10/14 22:39
メンフィスが去った後、イズミルは戦慄くような震えを押さえる事ができなかった。
体の底から込み上げる耐え難い怒りと絶望に、歯を食いしばったままの唇から獣のような声にならぬ低い唸りが漏れる。
メンフィスの男らしい体に組み敷かれる白い体を想像するのは、生きながらはらわたを引裂かれるような苦しみであった。
それに比べれば、鞭打たれた痛みなど単なる熱さでしかない。

「おお・・・姫・・・!
そなたは・・・メンフィス王に抱かれたのか・・・!
今どうしているのか。
メンフィス王に抱かれるは・・・本来・・・そなたの宿願であったはず!
・・・メンフィス王への恋慕を思い出し・・・私を怨むか・・・!
それとも・・・やはりそなたも絶望の渕にあるのか!!」


王子はキャロルと過ごした日々を胸に浮かべた。
それは孤独に生きる事をむしろ好んで生きてきた彼にとって、愛しい娘とのめくるめく幸せに満ちた甘い蜜月、生涯に於いても至福の時であった――
493名無し草:03/10/14 22:49
辛い展開ですなぁ〜〜。
しみじみ・・・
494名無し草:03/10/14 23:02
今のところ三人三様に辛いよね。。。
いったい誰が幸せになるんだろ?

誰が悪いワケでもなく。。。うーん、私もしみじみ。

でも王子がキャロルを奪ったら普通ならすぐ自分のモノにしちゃうだろうし
本編ではありえないけど、ホントはホントにありえる話のような気もする。。。
495名無し草:03/10/14 23:57
メンヒスー!涙)
ふたりの男に愛されるのは一歩間違うと悲劇さね。
496名無し草:03/10/15 00:50
すんごい〜、両作家様とも100話を超えましたよ!!
いやはやアッパレお疲れ様&うpサンクスでございます。

ところで最近他の作家様達の消息は・・・?
お元気にされてますか〜?
497名無し草:03/10/15 07:53
ダイジェスト版には、過去に掲載された全てのお話があるわけでは無いのですね。
最近、ここを見つけた私は、過去に掲載された物全てが見たいです。
作家様のうpも毎日楽しみ。
「願い」の王子の傷ついた左手を取る の後の続編の見たいです。作家様 プリーズ。

イズミルタソ トコジョーズ
498396 ◆OUKEYXVT.2 :03/10/15 09:14
>>497
その内うpするから、ちょっと待ってね・・・。
    _
   / /|) 
   | ̄|
 / /


あ、更新しますた。
499名無し草:03/10/15 09:51
>>498
ダイジェストの管理人様でつか?

いつもお疲れ様です〜ありがトン!
500名無し草:03/10/15 11:05
おぉぉ!
ナイルの管理人タマではございませぬか。
いつも感謝して読ませて頂いてます×10000

AAかわいいーー(w
作家様と同じく激しく愛していますデス
501名無し草:03/10/15 17:53
管理人様ー!
いつも感謝です。
そろそろ冷えてくる今日この頃でございます。
ご自愛ください。

そういいつつ、更新をいつも心待ちにしてます。
502名無し草:03/10/15 19:40
みなさんダイジェストでまとめ読み派でつか?
それとも毎日スレ追っかけ派?

わたし特に長編はイッキ読みをして世界に浸りたいのでダイジェストがどんなに有り難いかわかりません!!
管理人さん・作家さまありがddd!!!わたしも愛してまつ( ̄ε ̄@)CHU−
503記憶の恋人(113):03/10/15 20:49
>>492
キルケーの秘薬を飲ませた後、昏々と眠り続けるキャロルを王子は片時も離さず腕の中で見守った。
そして三日三晩にわたる長い眠りの末に、キャロルはイズミルの胸の中で目を覚ましたのだ。
キャロルの澄んだ瞳が、心配そうに顰められた琥珀の瞳をまっすぐに見つめた。
その青い瞳に、もはや死を匂わせるような暗い哀しみの翳りはなかった。
「王子・・・?」
透き通るように青い宝玉の瞳の少女を、王子は胸の中に抱き込んで、彼女が痛がる程にきつく抱きしめた。
「おお・・・無事に目覚めたか・・・私の姫よ・・・!」

その後の彼女は秘薬の口上通り、メンフィスに関する一切を忘れており、その薔薇の花のような唇が恋敵の名を呼ぶ事は無かった。

しかしながら、キャロルの心はまだ不安定であった。
彼女の心の中の大部分を占めていた何にも代えがたいメンフィスとの思い出や恋慕の全てを薬で奪われたキャロルの心には空虚の穴がぽっかりと空いていた。
思い出を消し去っても、愛しい男が心に住んだ場所までもを消す事はできなかったのだ。
「誰かがわたしを呼んでいる気がする・・・」時折、不安げに呟くキャロル。
しかし、心の底に眠る何かを思い出そうとすればする程、それは遠ざかり、キャロルに虚無感を残すだけであった。

イズミルは何にも増してそんなキャロルを愛しんだ。そしてキャロルの心は日ごとに彼に傾いていく。
最初は寂しさを癒してくれる存在というだけの理由だったのかも知れない。
しかしキャロル自身も気付かぬうちに、彼を一人の男として深く愛するようになっていった。
秀麗な面差しに逞しく男らしい肢体、誰よりも優しく彼女に一心に愛を注ぐイズミルを、キャロルが厭う理由など最初からどこにも無かったのだ。

そして、イズミルは最初から感づいていたのだ。
自分がそうであったように、キャロルもまた初めて会ったその日に自分に好意を抱いたという事に。
彼女の体を抱きしめ口づけした時、彼女の心と体は激しく葛藤していた。
メンフィスへの強い思いがイズミルを意識的に遠ざけたが、キャロル自身はイズミルのもたらす甘い官能に酔いしれて抗う事すらできなかったのだから。
504記憶の恋人(114):03/10/15 20:51
心の不安を埋めるかのように、キャロルはいつもイズミルの姿を探し求め、少しでも彼が側を離れるとたちまちに異常なまでに寂しがるようになっていった。
イズミルが添い伏して寝てやらなければ、キャロルは眠れない有様だった。
イズミルの側で彼の温もりに抱かれる時だけ、彼女は温かい何かで満たされる気がして心休まるのだった。
どうしようも無いほどに手のかかるキャロルであったのに、その苦労すらイズミルには幸せで、不憫さが一層に愛しさをいや増しにするばかりあった。

イズミルの胸の中に罪悪感が無かった訳ではない。
きっとキャロルにとっては、メンフィスへの思慕を忘れ他の男を愛して暮らすなどとは最も厭わしい事だったに違いない。
メンフィスを忘れるくらいならば死を選ぶ、と彼女なら言っただろう。卑怯者と罵るかも知れない。

しかし、それでもイズミルはキャロルが欲しかった。
かつてアイシスに「愛する者の心を欺いて手に入れたいとは思わぬ」と言い放った彼ではあったが、キャロルが自ら命を絶つのであれば、自分が卑怯者に成り下がったとしても彼女を手元に置いておきたかった。
キャロルの心を騙しても、それを償い贖う程に愛して幸せにしてやれば罪は報われると思ったのだ。
(そなたの寂しい心を・・・私の想いで溢れるほどに埋めてやろうぞ・・・!)

自分を恋い慕うキャロルを前に、イズミルの男の欲望は当然の事ながらキャロルと結ばれる事を求めていたが、彼はことごとく自分自身のはやる心を制していた。
いかに秘薬がキャロルを妖かそうとも、彼女の生身の心はまだメンフィスを失った痛手に血を流しているはずだ。
ゆっくりと時間をかけてキャロルの心を完全に自分のものにすれば良いと、イズミルは大きくゆったりと構えていた。穏やかに彼女を見守って行きたい、そう思っていた。

しかし、そんなイズミルを脅かす知らせが舞い込んだ。
―――メンフィス王は生きていた!
神殿崩落の折にナイルに飛ばされ、流された所を民に助けられメンフィス王の葬儀が執り行われる最中、生きて帰還したのだと―――

イズミルの心は音を立ててざわめき出す。
彼の心は叫んでいた。キャロルを、愛する娘を失いたくない。
メンフィスは必ず後を追ってくる。
必ずキャロルを奪い返しに来るはずだ。地の果てまでも――!!
505記憶の恋人(115):03/10/15 20:52
イズミルは昼夜を徹して、ヒッタイトへの帰路を急いだ。
夜の砂漠を駱駝で渡る。
腕の中に愛しいキャロルを抱き、その温かみを何度も抱きしめては確認した。
そして煌々と光る白銀の月のもとで、ついにイズミルはキャロルに求婚を囁いた。
「姫・・・そなたを私の妃に。愛している。未来永劫に私の妃はそなた唯一人だ」
キャロルは少し驚いた様に彼を見上げ、そして恥らいながらも嬉しそうに微笑を浮かべて頷いた。
「王子・・・わたしも・・・。わたしもあなたを愛しています」

キャロルの返答は、イズミルを一気に燃え上がらせる。
頬を撫でる砂漠の冷たい夜風さえ、今は肌に熱い。
駱駝の上で押し倒さんばかりにキャロルをきつく抱きしめ、愛しい言葉を紡いだキャロルの唇を口づけで覆った。
どれほどにキャロルを愛しく感じた事か!
この時イズミルは、愛しさの余りこのまま口づけでキャロルの息の根を止めてしまいたいと思うほど、凶暴なまでの独占欲と征服欲に駆られた。キャロルを自分のものにしてしまいたい――
股間で眠っていた自身はもはや抑えの効かず荒くれた獣のようにいきり立ち、キャロルの体をあからさまに押し上げる。
キャロルも只ならぬイズミルの興奮と欲情を肌で感じ取り、腕の中で妖しく浅い吐息を繰り返す・・・
506名無し草:03/10/15 21:32
おぉぉ・・・せつない展開だ
507名無し草:03/10/15 22:01
>どうしようも無いほどに手のかかるキャロルであったのに、その苦労すらイズミルには幸せで、不憫さが一層に愛しさをいや増しにするばかり...

ココなんか切ないを通り越して悲し〜ぃ
王子には悲しい幸せが似合うんだけどさ...
508名無し草:03/10/15 22:48
記憶の恋人作家様 うpアリがトン!
それにしても可哀相なキャロルですな。
でもメンヒスにも王子にも愛されてやっぱり羨ましいゾ。
509497:03/10/16 00:31
>>396タソ ありがトン、待っています。お疲れですね、そばにいれば肩もみなどいたすのですが。


皆様のアドバイスにより、王家の紋章1〜48手にいれますた。
今読んでいますが、途中でやめられません。今やっと33巻目です。
トマリマセ~ン ダレカトメテ。
510名無し草:03/10/16 00:37
せつないお話

秋の夜長にピターリ・・・
511名無し草:03/10/16 07:00
ううーん、伯爵令嬢パターンですな。
となると勝者はやっぱりイズミルタン?チョト(´・ω・`)ショボーン
512遠い約束:03/10/16 12:10
>>485
102
ライアンの刺すような視線からさらりと目を逸らすとシーク・イズミルは再度、リード夫人に向き直った。
「私は今すぐにでもお嬢さんを妻とする用意があります。キャロル・リード嬢はアル・シャハルで私の妻として‘シェイハ’の称号を許され、相応の敬意を受けるでしょう。
決して打算や気まぐれからの申し出とは思っていただきたくないのです。
どうか私に結婚の許しを」
シーク・イズミルはキャロルの兄であり、許婚であるライアンを徹底的に無視して見せた。
自分の申し出があっさりと受け入れられるとは思ってもいなかったが、ライアンの態度は生まれてこの方、人々に仕えられ、命令することに慣れてきた若者には許しがたかった。
ライアンがぐい、とシークの肩を掴んだ。ルカやロディが止める間もなかった。
「シーク・イズミル!私の言葉が聞こえなかったのですか?
キャロルは私の妻となります。あなたが世間知らずのあの子に何を吹き込んで誑かしたかは聞きますまい。
・・・・・シーク、私が穏やかでいられる間にお引取りを。人の婚約者を盗ったなどと噂になっては御身の名折れですぞ?」
「ミスター・リード!シークに対して何という無礼!」
息巻くルカを軽く制するとイズミルは自分に掴みかかる無礼な手をぎりりと締め上げた。
「未来の義兄殿に気遣うは私の努めであり、キャロルへの心遣いかとも思っていたが・・・こうも言われてはな・・・」
シークは何が起こったか咄嗟に理解できないライアンの体を軽々と投げ飛ばした。
だがライアンも負けてはいなかった。すぐに立ちあがると拳を握り、シークに重い一撃を食らわせた。
後はもう怒り狂った男達のいつ終わるとも知れない殴り合いだった。食器類は無残に砕け、家具は踊った。すさまじい音の中、リード夫人の鋭い声が飛んだ。
「二人ともいい加減になさいっ!」
513遠い約束:03/10/16 12:11
103
「もうこれ以上の乱暴狼藉は真っ平です。ライアン、おやめなさい。シークもです。ロディ、壊れたものを片寄せて頂戴。ばあや、救急箱を・・・」
リード夫人はてきぱきと指図した。
秘書官のルカは主君の負傷に狼狽え怒った。これは国交問題になると息巻くルカはイズミルが制止しなければ宣戦布告でもしかねない勢いであった。
やれ怪我の手当てよ、片付けよと室内が混乱しているうちにライアンはぷいと席を立ち、出ていった。行く先はキャロルの部屋である・・・。

「キャロル、入るぞ・・・」
ベッドの上に起き直り、怯えたように自分を見つめるキャロルにライアンは寂しげに微笑した。
「ライアン兄さん、私・・・」
「何も言わなくていい・・・。お前は長い間、アル・シャハルで閉じ込められていた。精神的に不安定になって・・・心にも無いことをさも自分の本当の望みのように勘違いしてしまったとしても責められはしない。
さっきの求婚話のことは・・・もういいから。僕だけのお前・・・」
ライアンはキャロルをぎゅっと抱きしめた。懐かしいキャロルの香り、抱き心地、誰よりも愛しい、誰よりも欲しい・・・。
だが。
キャロルは自分を抱くライアンの腕から身を離した。
「いいえ、兄さん。私・・・もう兄さんのお嫁さんにはなれません。
私・・・私・・・シーク・イズミルを愛しているんです。ごめんなさい・・・」
キャロルは顔を強張らせ自分を凝視する兄に語りかけた。自分の気持ちを。リード夫人にしたように。
「ごめんなさい、兄さん。私、兄さんが大好き。それは今も昔も同じなの。
でも気づいてしまった、大好きだということと愛しているということは・・・違うんだって。
許して・・・ください・・・」
長い沈黙。やがてキャロルは耐え兼ねて伏せていた目を上げた。彼女がそこに見たのは冷たい炎を宿した黒曜石の瞳。
「言いたいことは・・・それだけかい?」
ライアンは固い声で言うといきなりキャロルの服を引き裂いた。
514名無し草:03/10/16 12:28
キタ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ(゚д゚)ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━━!!

切り裂きライアンキターー。
つつつついに?ライアンったらっっ。
ティッシュ用意しとかないと(w
515名無し草:03/10/16 13:08
 _,,..i'"':,
|\`、: i'、
.\\`_',..-i
  .\|_,..-┘

さ、用意しましたわ!
作家さま〜!
蛇の生殺し状態は辛いですぅ〜!
516名無し草:03/10/16 17:42
リード夫人、結構有能そう。
517名無し草:03/10/16 19:19
>>511
王子=アラン? ああ、アランも好きだったわ〜(はぁと)

キャロルがどちらを選ぶか未だにわかんなくて面白いです〜
メンヒス寸止めの頃は、こりゃもうメンヒスだろっ!!とおもてましたが。。。王子なんだろか?
518名無し草:03/10/16 19:41
私もアラン好きだー!
ここでは伯爵令嬢ネタはご法度なのよね…
もしくはキャロル×アランのカップリング…
コリンヌと代わり映えしないなぁ。
考古学かカメラが違うだけで外見&中身&好奇心は一緒だもんな。

誰かどこかに伯爵令嬢の創作サイト知りませんか?
519名無し草:03/10/16 21:08
>>515
サンクスコ (・∀・)
520名無し草:03/10/16 21:19
>キャロル×アラン
劇ワロタ
キャロルがセーヌ川に流されベルエポックのフランスへ?!

何となくアランとキャロルって話が噛合わなさそうな気がするよぅ〜
それなら、いっそ王子×コリンヌはいかがでつか?

気の利く515タソ、いつもテイッシュありがd。使わせてもらってますわん。
521名無し草:03/10/16 22:34
ここって伯爵令嬢ネタはだめなの?
かいてくれたら嬉しいなあ。

>キャロルがセーヌ川に流されベルエポックのフランスへ?!
スッゴクおいしいネタだと思いまつ〜!
522名無し草:03/10/16 22:54
伯爵令嬢だけだと悪いかもしれないけど、
王家と混ぜちゃえばもんだいないんじゃない?
523名無し草:03/10/17 00:09
懲りんぬと王子もたいがい話しが噛みあわないんじゃぁない?
懲りんぬは家事は得意かもしれんが叡智はないだろうし…

アラン&キャロル 気になります。誰か書いて〜
524名無し草:03/10/17 01:07
伯爵令嬢は知らないので、正直つまらないかも・・・ゴメン
なので王家だけがいいです。
525名無し草:03/10/17 04:46
私も伯爵令嬢はあまり知らないけど、(1巻だけパラパラ立ち読み)
でも497のように、ここのお話しから伯爵令嬢にはまるかも知れない・・

他のお話しがウプされるのは嬉しいけど、ここの雰囲気が変わるのなら
ちょっと勘弁かな。
526名無し草:03/10/17 06:16
伯爵令嬢もうpしちゃっても大丈夫じゃないの?
スレがそれだけになっちゃうのは問題だろうけど、
王家も一緒に連載していけば無問題では。
知らなかったり、つまらなかったらスルーすればいいだけでしょう。
527名無し草:03/10/17 07:40
王家限定でおながいしたいよ。
スルーしるとかの問題。???
伯爵令嬢と王家MIXは、ごちゃごちゃでヤダ。
スレタイ変える、か余所でして。
番外の設定理解のために原作勉強する気になんない。
528名無し草:03/10/17 08:08
んーそっか、残念だな。
王家とも似通った作品だから知らなくても楽しめるかと思ったけど。
外でうpするとしても作者さんから、誘導して欲しいな。
529名無し草:03/10/17 08:31
難しい〜
知らない人にはオリキャラ同様だもんね
冷めるか・・
530名無し草:03/10/17 11:31
伯爵令状のキャラだったら、ただの奴隷→愛人になるくらいしかないのでは?
キャロルはそれなりの歴史等の知識があったから、あれ程愛されたわけで。
ただ、やさいい気だてに良い娘じゃあ、話が膨らまないよう二思います。
531遠い約束:03/10/17 12:03
>>513
104
キャロルの悲鳴はライアンの唇に吸い取られ、行き場を失った。
頑丈な体躯はキャロルを縛める鎖となり、欲望は直截な男の動作となって性急にキャロルを求める。
それはこれまでの愛と慈しみのもう一つの面。猛烈な独占欲と狂気じみた嫉妬心。

─ライアン兄さん、嫌っ!やめて!お願いよ、嫌なの。許してください、許して、やめて!
─私は兄さんのものにはなれません。許してもらうためなら何でもします。
でも、でも、これだけは嫌ぁ・・・。お願い、やめて・・・。

キャロルは必死に抗った。シーク・イズミルを愛し、かの人に開かれる日を待つ自分の身体を・・・奪われたくはなかった。

─死んでしまう、死んでしまう、無理に・・・されたなら。
─助けて、助けて・・・!これは罰なの?兄さんを・・・メンフィスを裏切った・・・。

「キャロル・・・お前を幸せにしてやるから・・・だからお前を・・・」
ライアンはキャロルの死に物狂いの抵抗をものともせずに囁いた。深い悲しみと喪失感を胸の奥に閉じ込めて、無垢の身体を我が物とするために・・・。
「愛している・・・愛している・・・お前を失いたくない。誰にも渡したくない。お前が誰を愛していてもいい。僕がお前を愛しているから・・・っ!僕を一人にしないでくれ」
ライアンの声音に滲む哀しみを敏感に感じ取ったキャロルは不意に身体の力を抜いた。

(兄さん・・・。この痛みは・・・この哀しみは・・・兄さんの本当の心?
呑み込まれてしまいそうな深い深い孤独・・・兄さんの・・・。
・・・兄さんは前世のことなど何も覚えていないはず。でも傲慢なまでの強さに隠されたこの孤独な心は・・・)
(・・・・・・メンフィス・・・・・なの・・・・ね・・・・・)

キャロルの双眸から新しい涙が流れた。
「ごめん・・・なさい・・・」
532遠い約束:03/10/17 12:04
105
ライアンは不意に抵抗を止めたキャロルの言葉に一瞬、動きを止めた。
(何もかも失ってしまう・・・。手に入れた瞬間に・・・。だが・・・)
ライアンはそっとキャロルの頬を撫でた。
「謝る必要はない。きっとお前を幸せにしてやろう。お前を僕に呉れ。お前はただ僕の傍に居ればいい。
・・・・・・・許しておくれ・・・・・」
ライアンはそういうと動作を再開した。目の前で震える真っ白な肌。
胸のふくらみに、その先端にくちづけてもまるで大理石像の冷たさ。嫌がる股間に膝を入れ、無理やりに秘所を探れば蜜ではなく冷や汗に濡れるそこ。
ライアンは構うことなく膝を開かせ、そこに舌を這わせようとした。
(僕は何をやっている?してはいけない。止めなくては。だがそんなことはできない。どのみち失うしかないのならいっそ・・・!)
キャロルの唇から絶望の悲鳴が迸る。

その時。

扉が開けられ、あまりのことに絶句したリード夫人が現れた。
「あ・・・・ライアン・・・・キャロル・・・・何故・・・・?」
気丈な母親とはいえ、目の前の凄惨な光景には言葉を失い立ち尽くすしかなかった。
「いやーっ!見ないで、見ないで、見ないで・・・・」
キャロルの悲鳴にロディ達が廊下を走ってくる気配がした。
ライアンは倣岸に言い放った。
「お母さん、席をはずして下さい。後で二人で報告に伺います・・・」
「ママっ、助けて・・・助けて・・・見ないで・・・そんなふうに・・・」
互いに家族としてこの上なく愛し合っていたがゆえに突然の出来事は深い傷をもたらす。

「何事だ?」
出入り口をふさぐような形で立ち尽くしていたリード夫人を押しのけて現れたのはシーク・イズミルだった。ただならぬ気配を感じたシークは客人としての立場も忘れ、邸宅を走り抜けキャロルの部屋を探し当てたというわけ。
だが目にしたのはあまりに衝撃的な光景だった。
「貴・・・様っ・・・!」
シーク・イズミルは肉食獣のような俊敏な身のこなしでライアンに襲い掛かった。ライアンはベッドから引き摺り下ろされ、首を締め上げられるような形で後頭部を思いきり床に叩きつけられた。
鈍い音がしてライアンは動かなくなった。もしリード夫人がシークに抱き縋って止めなければ、彼は確実にライアンの息の根を止めていただろう。
533遠い約束:03/10/17 12:05
106
はぁはぁと荒い息を吐きながらシーク・イズミルはベッドの上で震えている少女に目を止めた。
服は乱暴に引き裂かれ、白い肌には無理やりにつけられた薔薇色の口付けの跡。細い手首はむごたらしい色の痣が出来ていて、キャロルの受けた恐怖と苦痛を物語っている。
「キャロル・・・」
シーク・イズミルはそっとその白い頬に触れようとした。だがキャロルはびくっと震えてそれを拒否した。
「何故だ・・・?」
「やっ・・・!触らないで、見ないでっ!私は汚れてしまったの。あなたに相応しくないの・・・っ!許して、許してください。シーク、ライアン兄さん、ママ・・・・皆・・・。
ああ・・・あああ・・・・・・・いやーっ!!」
聞く人の胸を引き裂くような悲痛な悲鳴を上げて泣き伏したキャロルを、しかしイズミルは無理やりに抱きしめた。
「許してくれ・・・お前をこんな目に遭わせた私を・・・っ」
シーク・イズミルは自分の純白の長衣を脱ぐと、しっかりと裸身のキャロルをくるみこんだ。もう何物にも愛しい者が傷つけられないように。
キャロルを抱いて立ちあがったシークは犯しがたい威厳と、鬼気迫る静かな冥い怒りの炎をその身に帯び、余人を近づけぬ雰囲気だった。
「リード夫人、私の妃はもう二度と私の傍からは離さない。このままキャロルは連れて帰る、私の国へ!彼女が幸せに生きられる場所へ!」
「シーク・・・!」
「あなたが娘御を愛しておられるのは承知している。しかしあなたがキャロルを愛し、必要としている何倍も私のほうが彼女を愛し必要としてるのだ。
夫として生涯かけて妻を守り幸せにしてやることが私にはできる。何の心配もご無用。もし・・・会いたいと望まれるのならいつでもお知らせ頂きたい。
さぁ・・・リード夫人。我ら夫婦はアル・シャハルに帰還する。またいつか・・・キャロルが家族に会いたいと望む日が来るといいのだが・・・」
534遠い約束:03/10/17 12:06
106.5
シーク・イズミルは自分の胸の中で固くなったままのキャロルを抱きかかえてアル・シャハルの領事館に帰っていたのだった。シーク・イズミルは今回の件を人々が話題にすることを厳禁した。
君主に忠実な砂漠の国の人々は固唾を飲んで突然シェイハを連れかえってきたシーク・イズミルの私室を見守るのだった・・・。
535名無し草:03/10/17 12:27
(・∀・)イイ!
ライアン未遂で、シークの愛に満ちたエチー。
イズミルタン、ハァハァの私のツボでごじゃりまする〜〜。
ガンバレ!シェイハキャロルタン。
536名無し草:03/10/17 12:50
>>527

あなたここの管理人?
伯爵令嬢の創作に関してはどちらでもいいと思っていたけれど、一人で仕切るのは止めてほすぃ。
スレを自分のものみたいに「余所でやって」と言い切る527さんは凄いわ。
537名無し草:03/10/17 12:55
そうそう、未遂でよかったぁー。
同じ無理やりにされちゃうのも、イズミルタソなら許せるのに
ライアソorメンヒスだと不思議にキャロルが気の毒になっちゃってさぁ。勝手な私w。
538名無し草:03/10/17 13:00
537は>535に同意したのよねん。
539名無し草:03/10/17 13:00
まぁまぁ・・・
527タソはちょっぴり書き方がマズイだけでひょ。マターリマターリ♪
他にも伯爵令嬢知らない人も多いみたいだし、難しい問題だよね。
うpされたら是非読みたいけど・・・
540名無し草:03/10/17 13:06
私はメンヒス好きだからライアンが余りにみじめだと哀しい〜〜〜

未遂の上に頭ゴチン☆の間にキャロル奪われ・・・(泣)
この後キャロルに忘れ去られるだけなのもなぁ・・・読者はホント勝手だよね(w
541名無し草:03/10/17 13:37
いやいや、これから怒濤の展開が待っていると思われ。私はイズミル好きなので、
とてもうれしい流れです。うひょ〜
542名無し草:03/10/17 14:21
  ∧__,,∧
 (´TωT`)  メンヒス派チャンゴメンネ・・・本誌では報われないから許してチョウダイマセ?
  ( || || )
  `u||-||u' ダーッッ   
 _⊂   ̄⊃
⊂_   ⊃
  ⊂_⊃
コッソリと嬉しがるイズミル萌えでつ。
543名無し草:03/10/17 16:38
>あなたここの管理人?
それもイタタでつよ
544名無し草:03/10/17 17:03
でも伯爵令嬢はスレ違いじゃね?
ぶっちゃけイラネー
545名無し草:03/10/17 17:20
あたしもイラネ、ペッペッ!
546名無し草:03/10/17 17:26
>542
かわいいーー。
鼻血?ヨダレ(w

547名無し草:03/10/17 17:50
伯爵令嬢は知らないけど、あんまりな言い方じゃないか?
ペッ! とか悪意むき出しで、好きな人は悲しいだろうね・・・。
548名無し草:03/10/17 18:09
同じ細川作品なのにあんまりな言われよう…
伯爵令嬢、王家と同時進行の割に
なんとか完結はしたけど、中途半端で不完全燃焼ぽいもんなあ
描くならゴージャス結婚式まで描いて欲しかったよ…
「ひとみ」と「プリンセス」両方買ってて楽しみにしてた者です…
549名無し草:03/10/17 18:12
うにゃん。

作家様が、うpした作品にスレつけているのでもないし、
作家様からの申し入れじゃなく、雑談なのだから余りに深く考えるのも??
550名無し草:03/10/17 19:00
伯爵令嬢伯爵令嬢って・・・
このスレタイは「王家の紋章番外編」ですよ。

ここの流れはいつまでも王子メインの甘〜いので行って欲しいのよね。
それ以外のはあんまり読む気起こらないなぁ〜
メンヒス好きの人は本編で読めるからいいじゃないの。
551名無し草:03/10/17 19:41
>>550
(;´д`)

へタレ化しているという意味では王子もメンフィスも変わらないよ・・・。
552名無し草:03/10/17 19:47
>550
そうそう、ここは王子ファンにとって夢のようなところヨン。
本編では見られない甘〜く幸せな王子ワールドに浸れて
う・れ・し・い ♪
553名無し草:03/10/17 20:08
そうね、王子派の私にはここはパラダイス!
本編では絶対キャロルとくっつかないもの。
554名無し草:03/10/17 20:30
>>537
そうそう、アランやメンヒスを読むんなら本編で嫌って程カコヨク書かれてる訳だし
それを創作したって意味ない訳で・・・本編以上にカコヨクするなんてムリー

キャロルタンといたすのはイズミルだけ・・・これが最高!
555名無し草:03/10/17 20:45
>>552-554
うんうん、よーっくわかるよ。
キャロルと他キャラがしちゃう話なんて読むのが辛い。夢が崩れちゃう。
ここはいつまでも王子ワールドであって欲しい♪
556名無し草:03/10/17 21:01
これだけ長い連載だと・・・・・。

最初はメンフィス命で、邪魔な王子が憎かったな(遠い目)
今は・・イズミル命でメンフィスも楽しめる両刀使い?になりました。
作品次第で、どっちも楽しめるわさ(w 
557名無し草:03/10/17 21:03
ん〜、私もイズミーは永遠の恋人だと思ってるけど、
そこまで言うのもなぁ。

キャロル嬢合意の上でのラブラブセックルならメンヒスとのでもそんなに
嫌じゃないよ。メンヒスファソの需要だってあるだろうし。
そこに敵役としてイズミル様に出てきて欲しくないのは確かだから
ここのスレ読んでるメンヒスファンは辛いと思うけど、メンヒス派とイズミル派で
スレ分けるわけにも行かないしね。

ただメンヒスの無理やり・・・って本当に乱暴そうでキャロルたん可哀相だよね。
558名無し草:03/10/17 21:04
なんか新手の荒しっぽい
みんな釣られんなよ 
マータリ マータリ

メンヒスだろーが王子だろーが面白い話が良いお話 byトウ小平
559名無し草:03/10/17 21:17
上のほうで小気味よく王子マンセーしているのって、一人でしょ。

ここは大多数のきちんとした大人に混じって、
あまりにも精神的に幼い年寄りガチンコ厨房がいることを忘れちゃいけないよ。
560名無し草:03/10/17 21:24
また例のお方が登場…?

語り口は柔らかくなってるけど、連載中の作品を貶めて妨害する行為は変わってないような・・・
最近他の作家様達の足が遠のいてるのは、作品うpしてもバッシングされるからじゃないの?
561名無し草:03/10/17 21:36
553ですが、おもしろければもちろんメンヒス様のお話も歓迎!
荒しじゃないよ(T T)
562名無し草:03/10/17 21:42
本編読めって…本編のメンフィスだってヘタれてるのようう
563名無し草:03/10/17 21:45
>>550
前半同意
後半、王子メインでなくとも
メンでもラガでもなんでもカモーン



王 家 の 紋 章 【の】 番 外 編



ならば!
564名無し草:03/10/17 22:10
>>560
私もそうかな思ったよ。
パクリの言いがかりの次はこれかいっ(-_-X)
すでに中断させられた作品が2本もあると言うのに!
565名無し草:03/10/17 22:32
好みじゃないならスルーすればいいのにねぇ。
とにかく批判的になりたい奴ってのは何所にでもいるんだナ。。。
566名無し草:03/10/17 22:32
中断させられた話もどっかでうpしてほしいです。
私はその中断させられた経緯は良くしらないけど、是非再開してくださいませ。
ここに熱烈に楽しみにしている者がいます>>作家様達。

イズミルタソ好きですが、勿論王子の話も好きです。とりあえず王家の紋章関連なら
どちらでもいいのでは? と思います。
567名無し草:03/10/17 23:07
>566

私もずーっと続きを読みたいと思い続けています!

中傷や妨害しているのは少数の人だけだと思います。
L.O.V.Eや時のナイル作家サマのお話、どちらも目新しい展開で良かった。
医学を学ぶキャロルも新鮮で面白いし、肩の銃弾を抜いてくれる日を待ってたのに〜
現代でオロオロ王子も可愛くてツボでした。ああゆう王子も珍しいけど、結構いいもんだと思いました。
現代に感化された王子が古代に帰ってどうなるのかを見てみたかった〜
残念で残念で…

>記憶の恋人作家サマ
いつも予想と違う驚きの展開にドキドキです。
ちょっと辛い展開にマンセーじゃない読者もいるんでしょうが、すごく面白いお話だと思います。
あの後、メンフィスがキャロルにどう接するのか気になります〜

>遠い約束作家サマ
長期にわたる連載本当にお疲れ様でございます。
スレが荒れてうpが無くなった時も毎日楽しみにしてました。
だからお話が日々進んでいくのが嬉しくて…

長レスすみません、作家様たち頑張ってくださーい
568567:03/10/17 23:12
>スレが荒れてうpが無くなった時も毎日楽しみにしてました。

毎日、今日こそうpがあるかな〜と心待ちにしてました、

の間違いです。何だか変な文、すみません。
569名無し草:03/10/17 23:48
んだね。

いつも中傷するのは少数(もしかすると1人だけ?)
その他大勢はマターリうpを待ってるよん。

どっちの作品も続きよみたい。>作家様、プリーズ
570名無し草:03/10/18 00:21
どこが面白いのか理解できなーい!ペッペッ!
571名無し草:03/10/18 01:12
                    .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+  マターリ
                    (\(\_/)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      .          〜  (\ヽ( ゚Д゚)′<   換気致しましょうね〜
.    ∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+  〜 (\ (ナフテラ)つ .\__________
                      (____)        .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+            ∪∪
                             .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
            .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+                  マターリ

ナフちゃんを連れてきますた。
どの作品も面白い、ダイスキですわ
572名無し草:03/10/18 01:19
ナフたん乙!!
記憶の恋人うpなーい、オマケに週末だー
えーん、えーん
573名無し草:03/10/18 07:08
567,569,571タソに胴衣

どれも面白いと思う
このカップリングでないとイヤとか
こーだからカワイソウとか
思うのは勝手なんだろうけど、わざわざ書かなくても・・・
ほんとにそろそろマターリしないと他の作家さんも書きづらそう
574名無し草:03/10/18 09:59
昨日伯爵令嬢モノを読みたいと発言した者です。荒れた模様でゴメンナサイ!
今スレを見てレスの多さにビクーリしましたぁ…

やっぱりココじゃぁまずいよね。
私は作品書く才能ないですが、もし「書きたい」or「書いてもイイよ」という作家様がいらっしゃったら別口でサイト立ち上げまつよ。
ここの管理人様のような立派なサイトは無理だけど、読めるだけでOKなら頑張ってみるよ。

アラン&コリンヌは王子とキャロルが相思相愛だったらこんな感じ?のカップルで、
年の離れた包容力あるヒーローが幼いヒロインを熱愛する…というお話でつ。
王子萌えの私はいつも脳内変換で楽しんでおりますが、あの二人の結婚後のラブラブぶりを見てみたいのです。

ご要望があれば早速とりかかりまーす。
イラネーヨ!という事なら、毒蛇に巻かれて逝ってきまつのでスルーして許して。
スレ違い許されよ、スマソでつ。
575名無し草:03/10/18 10:18
王子の需要の方が多いのは承知ですが
やっぱり王道カプールも萌えなんだよね。












伯爵令嬢番外も読んでみたいです。
まずあの二人の結婚式から(w
576名無し草:03/10/18 10:32
申し出に感謝!!

作家様からの申し入れがあるといいですな(・∀・)
577名無し草:03/10/18 10:40
        | Hit!!
        |
        |
   ぱくっ |
     /V\
    /◎;;;,;,,,,ヽ 食いつき良すぎ
 _ ム::::(,,゚Д゚)::| 過剰反応しすぎの気がする私は鈍感チャン?
ヽツ.(ノ:::::::::.:::::.::...|)
  ヾソ:::::::::::::::::.:ノ
   ` ー U'"U'

週末さみすい。
578名無し草:03/10/18 10:41
何に過剰反応?
579名無し草:03/10/18 10:44
きゃぁ!嬉ぴい!
アランのΨ(`▼´)Ψ激しく読みた〜〜〜い!ハァハァ

作家様カモーンヌ!!

こっちで書いてくれる作家様もカムバーック!
580名無し草:03/10/18 11:33
アラン=イズミル・メンヒス
コリンヌ=キャロル
アンナ=カーフラ
コリンヌママ=リード夫人
コリンヌ爺さん=イムホテップ
フランソワ=アルゴン・ラガシュ
ミノス=リシャール

これで脳内変換すれば済むでしょ?
令嬢書くなら王家を書いて>作家様
581名無し草:03/10/18 11:45
>580

>私は作品書く才能ないですが、もし「書きたい」or「書いてもイイよ」>という作家様がいらっしゃったら別口でサイト立ち上げまつよ。
>ここの管理人様のような立派なサイトは無理だけど、読めるだけでOK>>なら頑張ってみるよ。
582名無し草:03/10/18 13:59
別室利用したら?保守にもなるし良いのでは?

もちろん、別室住人様達の意見を聞いてからなのですけど
うPされたら、574様が良ければ伯爵令嬢のダイジェスト希望に一票。


583名無し草:03/10/18 15:11
アラン×コリンヌ、前から書いてみたかったの!
でもTOEICが近いので今は書いてる場合じゃないんだよね(泣)
書きたいって言われてた方が他にもいてたと思うんだけど・・・。
そういうレスを前に読んだ記憶があります。
試験終わったら書きたいです!
584名無し草:03/10/18 16:54
おお
作家様は勉学に励む作家様ですね。
試験頑張って下さいな。
その後・・・・・心待ちにしております。
585名無し草:03/10/18 18:14
>582

別室とは何ぞや?
586名無し草:03/10/18 18:39
587名無し草:03/10/18 20:40
583作家様〜!
いつまででもお待ち申し上げますので、熱いアラン様を書いて下され。
あ、エチーもよろすくね(ボソッ
TOEICか、懐かしい響きだ。

週末うpあるかな・・・・
588名無し草:03/10/18 21:38
ちょっとタイミングずれちゃったけど、次に荒れた時のための
(そうならないことを祈りつつの)アドバイス。
難民には愚痴吐きスレがあるから、ここで何かあってスルー
しにくい時は、ここに書かずにそっちに書くといいと思う。

■才殳げまιょぅ■タロ無し草@灘民【3】
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1032266474/
ちゃぶ台を投げながら、怒りを発散させたり愚痴を
こぼしたりするスレ

つぶやき草
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1047374501/
スレタイ通り、呟くスレ

両方のスレの共通ルールとしては、他人のレスに絡むのは
イクナイ!ということ。明文化されてはいないけど慣習っぽい。
あと、どこのスレのことか、分からないように書いた方が吉。
愚痴吐きスレで荒らしに眼をつけられて、新たな荒らしを
ここに呼び込んだんでは、本末転倒だからね。
589名無し草:03/10/18 21:47
>メンヒスだと不思議にキャロルが気の毒になっちゃってさぁ
>メンヒスの無理やり・・・って本当に乱暴そうでキャロルたん可哀相だよね
>夢が崩れちゃう

わかる?読者は夢を追い求めるものなの。
590名無し草:03/10/19 00:16
不思議ハケーン見た?
最初しかみれなかったよ(ノ_・、)グスン
イムホテップって、実在の人物だったのね。
591名無し草:03/10/19 00:30
いや、あのイムホテップとは違うぞ。名前が同じだけだ。念の為・・
592名無し草:03/10/19 00:34
|  |
|  |∧_,,∧
|_|´・ω・`) そ〜〜・・・ 
|精|o旦 o       
| ̄|―u'
""""""""""
|  |
|  |∧,,_∧
|_| ・ω・`)
|神|o旦o.  静かにしている、そんなお利口なアナタに・・・
| ̄|―u' 
""""""""""
|  |
|  | ∧_,,∧
|_| (´・ω・`) 心安らかになるお茶を用意しました、どぞー
|修|o   ヾ  
| ̄|―u'   旦 
"""""""""""""""""""""""""""""""
|  |
|_|  ピャッ!
|養| ミ
| ̄|     旦 
"""""""""""""""""""""""""""""""
593名無し草:03/10/19 00:41
>592タン ありがと〜♪かわいいよぅ。お茶サンクソ!
>588タン ありがと〜♪3枚ほど投げてくっかな。

594名無し草:03/10/19 11:52
寂しい週末・・・(´・ω・`)
595名無し草:03/10/19 13:45
AAなごむ〜〜。

>>594
・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )ヨチヨチ キモチハ イッショサ!
596名無し草:03/10/19 14:11
>>574様他
こちらでたまに短編を投稿していた者です。
まだネタも浮かんでないんですけど伯爵令嬢でひとつ挑戦したいです。
うpはどうすればよいのでしょう?
597名無し草:03/10/19 14:13
中断されている作家様達は、その後お話は書きためていらっしゃるのでしょうか?
こそっと教えてください。
もし、ありましたら、どこかでうpプリーズ。
598名無し草:03/10/19 14:48
>596,597

前にも提案があったけど、別室はどうよ?
中断されてるお話については問題ないと思いますよ。
令嬢の方はどうだろ・・・O家別室だからね。いい案ないかしらん?
599名無し草:03/10/19 15:01
別室にお伺い立ててみたらどうなんかな?
ここは、アク禁も難しいから作家様を保護する為にも
個人のサイトの魅力も捨てがたいし。

別室にも嵐ちゃん乗り込まれたら、迷惑かけちゃうし・・
何かないかなー。ご意見募集!
600396 ◆OUKEYXVT.2 :03/10/19 15:05
中断されている作品について提案なのですが、
もし2ch内で発表するのを躊躇っているのであればこちらに直接発表するというのはどうでしょうか?
(メールやBBSでの書き込みなど方法は作者様方にお任せしますが)
601574です:03/10/19 15:22
伯爵令嬢のダイジェスト着手しております。

>>583、596
作家様、嬉しいです〜!有り難い、是非よろしくお願い致します。
や〜、楽しみですわ。

さてうpの場なのですが、やはりここや別室にご迷惑にならないように
サイト内に掲示板を設けますので、そちらへうpして頂くのは如何ですか?

URL取得しましたので、完成次第ご通知いたします。
ところで、以前に伯爵令嬢スレがあったと思うのですが、検索かけても見つけられません。
ご存知の方、教えてくださいませ・・・。

度々スレ違い、申し訳ありませぬ〜
602名無し草:03/10/19 17:11
ダイジェストの管理人様&新たな管理人様?

ありがたやーーー!
お二人の心遣い嬉しいです。
ダイスキィィィ。ハグ&チュ。
頑張って下さいませ。
603596:03/10/19 19:30
W管理人様のご降臨ですね。
うpの件了解しました。
頑張って書いてみます(汗)
でも、私のは駄作ですので他作家様からもお申し出がありますように(祈)
604名無し草:03/10/19 21:26
みなさ〜ん!良いお知らせよ〜!
ダイジェストが更新されてまつよ〜♪

管理人タマ、ありがトン!作家様…頑張って下さい。応援してまつよ〜
605名無し草:03/10/19 23:09
業務連絡乙〜。
早速いってくるよん。
管理人様〜ありがd。
606名無し草:03/10/20 06:53
おおう!管理人さま更新ありがd。
いつも頭が下がる思いでございます。

令嬢ダイジェストも楽しみでございます。
607名無し草:03/10/20 11:53
週明けですなーー。

令嬢サイトさんは、どんな感じになるのやら?o(^-^)oわくわくだいっ。
608遠い約束:03/10/20 12:25
>>534
107
シークは怯えきった雛鳥のようなキャロルを一度もその胸の中から離さなかった。緊張して小さく固まったままの身体、きめこまかな肌をじっとりと湿らせる冷や汗、浅い呼吸、伏せた瞳から無言のうちにただ零れ落ちる涙・・・。
(可哀想に、可哀想に・・・。どれほど恐ろしい思いをしたか!もう二度とお前を恐ろしい苦しい目には遭わせないと幾度も誓ったのに・・・!
どうしてお前をほんの短い間とはいえ私の目の届かぬところにやったのか!)

シークの胸の中を支配しているのは言い知れぬ悲しみであり、後悔であった。不思議なことに・・・ライアンへの─そしてもし彼が前世というものを覚えているのならメンフィスでもある─怒りや憎しみは感じなかった。
ルカの運転する自動車の中でキャロルを抱きしめていたとき、少女の心の葛藤が音となり映像となり直接、彼の中に流れ込んできたのだ。

昔から愛し合ってきた家族。一度は結婚まで誓い合った家族とも恋人同士ともつかない不思議な強い絆。
男の想いはあまりに強くて、その強さゆえに愛するものを失った。あるいは包み込むような愛に息苦しさを覚えた娘は自分から飛び去ってしまった。
男は飛び去ろうとする娘に無理やりに楔を打ち込もうとした。惨い所業。
それでも。
娘は男を憎みきることはできない。男の深い孤独を知ってしまったから。縋るように愛を求める孤独な魂が少女の心の奥深いところを打つ。
育んできた絆の強さ。娘はこんな目に遭っても男に自分こそ‘許して欲しい’と思っている・・・・。

(ああ・・・この深い悲しみは、絶望に満ちた空虚は・・・癒されることのない孤独は・・・私の知っているものだ。
キャロル、昔メンフィスのものだったお前を際限もなく求めた時に。目の前でお前を死なせてしまった時に私は嫌というほどこの感情を覚えた・・・。
では・・・今度はライアンが喪失の哀しみに沈むのか。私のキャロルに無体を仕掛けたのも・・・あるいは前世で私が犯した罪の深さを知らしめるための神の御心か・・・)
シーク・イズミルはそっとキャロルを覗き込んだ。
「もう・・・何も心配しなくていい。もう大丈夫だから。私を許して欲しい・・・」
609遠い約束:03/10/20 12:26
108
キャロルの目から新たな涙が零れた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、シーク。
私はもう・・・あなたに相応しくない。だって私は・・・見たでしょう?」
「キャロル、何と言うことを!そのようなことを言ってはいけない!たとえ何があろうともお前は・・・」
言いかけたシークの言葉は強い調子で遮られた。
「そんな言い方しないで!何もなかったの、何も・・・いやらしいことはなかったの!本当よ、本当なの!
でも・・・でも・・・私、シーク以外の人に触られてしまった・・・」
キャロルはぶるっと震えた。
「汚い・・・触られて・・・気持ち悪かった・・怖かった・・・。大好きな兄さんに・・・。ごめんなさい、シーク。ごめんなさい・・・」
白い長衣に大切に包み込まれて泣きじゃくる少女の痛々しさにシークは顔をしかめた。
キャロルをこんな目に遭わせたのは、そして慈愛に満ちた優しく頼り甲斐のある男であったはずのライアンを暴走させた責任の一端は自分にあるのだと思った。
「泣くな・・・。お前は汚れてなどいない。私の大事なお前を誰が汚れているなどと言うものか。お前はこの世で私が愛するただ一人の娘だ。
それを忘れては・・・いけないな」
シークはひょいとキャロルを抱えあげると隣室の浴室に入った。キャロルを抱きかかえたままシークはバスタブに暖かな湯を満たし始めた。勢いよく流れ出る透明な湯はあっという間にバスタブを満たす。
「さぁ・・・」
シークはキャロルをそっと湯の中に入れた。そして自分も袖をめくり上げ石鹸とスポンジを使って器用にキャロルを洗ってやった。
「あ・・・あのっ!シーク・・・!」
「可哀想に身体が冷え切っている。それに汗もかいて。私がさっぱりとさせてやろう」
610遠い約束:03/10/20 12:26
109
キャロルが抗って逃げようとする暇も与えず、イズミルは白い身体を清めあげていった。ライアンの乱暴なくちづけも跡も荒々しい力の跡も消えよ、と。
白い肌は石鹸の泡に包まれ、男の心を騒がせる胸のふくらみも、脚の間の羞恥の場所も見えなくなってしまった。
キャロルの身体からも緊張が去り、息遣いには陶然としたような色合いが添うてきた。白い肌も薄く色づいてくる・・・。
シークはなおも器用に指を使い、キャロルの身体を隅々まで確かめるようにして清めあげていくのだった。その巧みな指使いに何時の間にかキャロルも酔わされていく。
「このままでは・・・洗いにくいな。それにお前ばかりそんな格好では落ち着かないだろう・・・」
イズミルはキャロルの耳朶にそう囁きかけると、自分も衣装を脱ぎ捨てた。
逞しく鍛え上げられた男の体を、あんな目に遭ったばかりのキャロルに晒すのは少々躊躇われたが、白い肌の誘惑には勝てなかった。
「あ・・・」
キャロルは初めて目の当たりにする男性の体を驚いたように見上げた。彫刻のように美しい筋肉に被われた均整の取れた体つき。
(まるで作りものみたいにきれい・・・)
だが作りものなどでない証拠に、その逞しい腰のあたりには濃い色合いの体毛が纏わり、見る人の視線を自ずとある一箇所に導くのだった。
それは過日、キャロルが半ば以上無理やりに手の中に握らされたイズミル自身だった。キャロルが知っている威厳と自信に満ち、優しいイズミルとは違ってそれは荒々しく恐ろしいまでに大きく思えた。
シーク・イズミルは子供っぽい好奇心を剥き出しにしたキャロルの視線に苦笑するとバスタブに身を沈め、膝の中にキャロルを抱き寄せた。
「そんなに見られては決まり悪いではないか。男のものなどグロテスクで醜いと思ったのではないかな?」
キャロルは反射的に首を振った。イズミルはくすっと笑い、なおも優しく悩ましい手つきでキャロルの身体を洗ってやり、筋肉を優しくほぐしていってやった。
「私のシェイハ・・・私のキャロル。もうどこにもやらない。ずっと私のそばに居ると約束してくれ」
611名無し草:03/10/20 12:46
でへへへへ〜〜。

私も洗ってシーク!昼から萌えです〜〜
612名無し草:03/10/20 13:51
キタ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ(゚д゚)ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━━!!

やっぱり、やっぱり、こうでなくっちゃねぇ!!私も萌え〜
作家様の作品シチュといい作風といい展開、どれも私好みです。ありがd!
文章もお話もオリジナリティがあって良いです・・・ああ、ため息。
613名無し草:03/10/20 14:59
私も洗って洗って〜
順番待ちは何人ですか(笑)
614名無し草:03/10/20 15:15
ハイ並んで並んで〜〜(w
ダフ屋まで出たりして?
615名無し草:03/10/20 15:19
>>613
いやあん、私も順番待ちに参加〜!

シークめっちゃステキ!!!
この後、たっぷりの愛に満ちたシークのエチーがあればもっとステキ!
みんな早いもの勝ちよ(笑)どうする?!どうする?!
616名無し草:03/10/20 15:22
順番抜かしはダ・メ・よ!
ちゃんと整理券取ってね〜〜
みんな並んで並んで〜(w

やっぱりみんな王子が好きなのね〜♪
617名無し草:03/10/20 15:47
ほんと昼間から萌え萌え〜。

順番待ちはわたしも含めて6人はいてそう。
ささ、そんなみんなの為にティッシュも用意しますたよ 笑)どぞ!

 _,,..i'"':,
|\`、: i'、
.\\`_',..-i
  .\|_,..-┘
618名無し草:03/10/20 15:47
王家でエチー対象外は私的にはアトラスのみっす。

あれって人外・・・つーかイルカ?(w
獣姦は・・(・A・)イクナイ!!
619名無し草:03/10/20 16:01
いや〜ん!
私も順番に入れてぇ!w

はあ、萌えますた・・・・。
ティッシュ、アリガd。
620名無し草:03/10/20 16:16
順番待ち8人目ゲトー!だけど、そんなに待ってられなーい!

>>618
獣姦&レイプは禁じ手、論外。

でもなぜか王子のレイープは許せる(萌える)から不思議…。なんでだろ?
621名無し草:03/10/20 16:32
ええ〜、私は例え王子でもゴカーンはイヤン!!読むのも嫌。スルーするのさえウザイ。
そんなので萌えれるなんて刑部○○とか新條○○の読みすぎじゃない?

だから、遠い約束はツボなのよ〜(笑)
622名無し草:03/10/20 17:19
ぐうう・・・出遅れた!
私も順番待ちに〜〜〜616タン、整理券ちょうだい〜

うーん、幸せラブラブセックルがやはり萌え〜かもね。
623ニセ王子:03/10/20 17:56
私はキャロルしか洗わないのだ
624名無し草:03/10/20 19:00
>>623
何なのあんた。
バカボンのパパみたいな喋り方やめれ!
625名無し草:03/10/20 19:26
>621
>624
ご新規さんなのかしら?もしそうならば、過去ログくらい読んでカキコ
して欲しいな。
今まで、こんなスレ付ける人達いなかった。
自分達は荒らしている自覚も無いのかも知れないけど
マターリしている住人には充分過ぎる程に嵐に見えるからね。
626名無し草:03/10/20 19:28
スレ×
レス○
でした、スマソ(・∀・)
627名無し草:03/10/20 20:16
うっせーんだよ。
628名無し草:03/10/20 20:34
ナフテラ様ー!
629名無し草:03/10/20 20:44
ちょっと盛り上がっただけでお小言いうのはマターリなの?
それとも逆恨み?・・・やめてほすい。

630名無し草:03/10/20 21:42



                    .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
                    (\(\_/)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      .          〜  (\ヽ( ゚Д゚)′< ハイ、すこし換気しましょうね〜
.    ∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+  〜 (\ (ナフテラ)つ .\__________
                      (____)        .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+            ∪∪
                             .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
            .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+

631名無し草:03/10/20 21:49
ナフテラ様ありがとう!



うかつにもバカボンのパパで笑ってしまった
632名無し草:03/10/20 23:12
いやん、イズミルタソ。結婚までキャロルの操は守ってほしいっす。

みなさま、私も列に加わりますわ!、でも私はキャロルみたいに華奢じゃあ
ないので、イズミルタソ、洗うのに大変かもかも。
633名無し草:03/10/20 23:14
うp・・・今夜も有りませぬか・・・( ̄Д ̄;) 嗚呼〜
634名無し草:03/10/20 23:21
>>632
ささ、列にお並びの方は押さないようにね。
長蛇の列ができてますわよ

今宵はみんな、王子に洗ってもらう素敵な夢を見るんでしょうね。
いやん、恥ずかしいわ〜(w  >作家様、ありがd
635イズミル:03/10/21 05:51
ふぅ、ふやけますた。
636名無し草:03/10/21 11:07
>635=イズミルタソ
昨日は大変だったわね(笑)
今日はついにキャロルとエチーかな〜
それこそみんな順番待ちなんじゃ〜

うpが待ち遠しいよぉ〜〜〜、作家様はやくぅ〜〜〜!
637遠い約束:03/10/21 11:16
>>610
110
「さて、と。日常の暮らしに困らないだけのものはすぐに揃えてやろう。
今日はこの部屋で大人しく過ごしてもらおうかな。もっともその格好では外には出られないだろうが」
シークは素肌に自分が貸してやった大きなシャツを羽織っただけのキャロルに言った。自分は早々に服を着こんだが、欲望は抑えきれない。
さすがにそれを処女に見せるのは躊躇われたのでシークは急いで体を被うゆったりした長衣を着こんだ。
「シーク、あの・・・」
「それ以上は近寄ってくれるな。私は乙女のままのお前を娶るつもりだから。こんな無粋な部屋でお前を女にしては可哀想だ」
イズミルはわざと明るくおどけた口調でキャロルを押しとどめてから、手を伸ばして優しく頬に触れた。
「もう何も心配しなくていい。全て私に任せてお前は安心してすごせば良い。お前は私のところに来たのだ。お前を愛する私のところに。
何もかも、これから新しく始まるのだ。分かるな?」
それはごく短い言葉。だがそこにはこれまであった全ての哀しみ、苦しみを浄化し昇華する暖かな真心が溢れていた。
キャロルはこくんと頷いた。
「少し雑用を片付けてくる」
シークは照れ隠しなのかわざとそっけなく言った。
「ありがとう。・・・・行ってらっしゃい。待ってます」
その暖かい声音でシークは自分が世界一の幸せ者だと確信した。まるでキャロルとそう年頃の変わらないのぼせ上がった少年のように。

領事館の執務室では難しい顔をしたルカが領事とともに主君を待ち構えていた。一国の摂政王子が、まるで三文小説に出てくる酔狂な男のように女を連れかえってきた!何ということ!
「ふむ・・・。言いたいことは多々あるだろうが、アル・シャハルの国民としてシークの妃になる女性への敬意だけは忘れぬように。
多少、当初の計画とは違ってきたが私はシェイハ・キャロルを伴って帰国する。リード・コンツェルンとの折衝は商務大臣を責任者として交渉その他を一任する」
シークはそう宣言した。今となっては自分が直接、リード・コンツェルンと関わるわけにはいかないのだから。
638遠い約束:03/10/21 11:17
111
「まぁ、シェイハ!お帰りあそばしませ!」
シーク・イズミルに伴われて帰国してきたキャロルをムーラをはじめ王宮の召使達は暖かく出迎えてくれた。
事前にシークから何らかの説明があったのかもしれない。アル・シャハルの人々はシークの「婚約者」として帰国し、当分その身分のままで過ごすキャロルをそれは大切に気遣ってくれた。
本当ならシークの婚約者は帰国後、すぐに盛大な結婚式を挙げてもおかしくはないのだから。

キャロルがムーラに案内されたのはいかにも女性好みの繊細な細工を随所に施した美しい建物だった。
「今日よりはこちらでお過ごしになられますように、シェイハ」
「わぁ・・・なんて綺麗。こんな見事な宮殿を私一人が使うの・・・?」
シェイハとなる娘の子供っぽい言葉に微笑む侍女たちを制して、ムーラは説明してやった。
「こちらはもともとハーレムの建物でございました。シーク・イズミルはお独りでございましたから長くこちらの建物も使われておりませんでしたが。
シェイハはシーク・イズミルという高貴の方にお仕えするただ一人の御方となられるのですから当然、こちらでお過ごしいただかなくては」
心細そうなキャロルにムーラは続けていった。
「そのようなお顔をなさいますな。ご結婚前の方がいくら未来の婿君とはいえ
、殿方と同じ建物でお過ごしになることなど出来ませんものを。
さぁさぁ、これからはお寂しくお思いになる暇などありませぬよ。私達のシェイハとなられる方はたくさんお勉強をなさらなくてはね」

とはいえ、シークは毎日のようにキャロルの許を訪ねてきたし、ごくたまに本当にごくたまにムーラが‘うっかりと’席をはずした折りはキャロルを味わうことにも積極的だった。
639遠い約束:03/10/21 11:18
112
ライアン・リードがアル・シャハルを訪ねてきたのは、リード・コンツェルンの巨大なビルがその威容を見せようかという時だった。
ライアン・リードから謙った謁見の願いを受けたときは、シーク・イズミルの執務室はちょっとした騒ぎになった。
執務室のスタッフや政府の大臣達は何故、妹がシーク・イズミルの妃になるというのにライアン・リードが顔を見せないのか訝しく思っていたからだ。
理由はライアンの多忙、リード夫人の体調不良のせいであり、顔を合わせなくてもシェイハは電話で家族と毎日のように話をしていると説明されてはいた。
それでも家族の結びつきの強いアル・シャハルの人々はお妃教育に余念のないシェイハの淡白さを不思議に思い、またいささか長いシークとシェイハの婚約時代を怪訝に思った。

「とうとうライアン・リードが来たか・・・」
シークは人払いした応接間の窓から外を眺めながら呟いた。
(キャロルをさらうように連れてきてからもう8ヶ月近くになる。
キャロルを愛するがあまり力尽くで我が物にしようとした許しがたい男。
キャロルを愛するがあまり罪を犯してまで手元に留めようとした男。
強すぎる愛ゆえに全てを失った男。
・・・・・かつての私と同じように・・・。憎く許しがたい男。だが・・・憎みきれない男)
その時、ドアがノックされシークの物思いは遮られた。
「シーク・イズミル。ミスター・ライアン・リードをお連れいたしました」
そして一人の長身の男がシークの前に現れた。ライアン・リードである。
黒い髪、黒い瞳の若者は眉目秀麗で相変わらず堂々とした自信溢れる人物であった。
だがシークが覚えているよりもその顔は少しやつれ、隠し切れない憔悴と苦しみで険しさを増しているように思えた。
無言のまま、恭しく礼をしたライアンにシークは声をかけた。
「お待ちしていた、ミスター・リード。お会いしたいものだとずっと思っていた」
「恐れ入ります、殿下。私に謁見のお許しを賜ったことを感謝いたします」
そして二人の若者は─同じ少女を愛した因縁浅からぬ二人は─見詰め合った。
640名無し草:03/10/21 11:33
いや〜ん、キタキター!!!

>キャロルを味わうことにも積極的だった
ああ鼻血が・・・たった一言なのになんて萌え萌えなの〜
641名無し草:03/10/21 11:39
640タン。こうぷんしすぎっw)

でもどこをなにでどうして味わったのか激しく気になるわん。
後日詳細キボンでつ>作家様、いつも読めて幸せでつ(感涙)
642名無し草:03/10/21 13:11
8ヶ月も我慢できるなんてスゴイよ・・・。
キャロルの方が我慢できなくなっちゃうんじゃ?
いつのまにかライアンは敬意を払った喋り方になっていて
シークがより引き立ってます、(・∀・)イイー!!
643名無し草:03/10/21 13:40
私も640,641タンと同じでつ〜!
どうか詳細きぼーん。
個人的にはキャロルを丹精して育ててるといいなあと・・・。
鼻血でそう・・・。
644名無し草:03/10/21 14:31
ハイ、みなさんティッシュ!

 _,,..i'"':,
|\`、: i'、
.\\`_',..-i
  .\|_,..-┘

あ・・・味わうって・・・やっぱりキャロルタンの花びら&真珠を・・・でつか?!
あ〜妄想入りまくり〜助けて〜まだ昼間なのに〜
是非、そのへんを詳しくネットリ書いて頂きとうございますわ!
645名無し草:03/10/21 15:22
きゃー!それを言っちゃダメ…、もうテイッシュじゃ追いつかないって!
作家様いじわるしないで、その辺の描写をお願いします。
焦らしちゃいやン(キャロルもそう思ってるんだろな)
646名無し草:03/10/21 16:10
結婚までの間ずっとオアヅケで、ちょっとづつエチーなコトされ続けちゃうなんて
萌え〜 だけど辛いだろうな・・・キャロル。わかるよ。
「遠い約束」大好き(・∀・)イイ!!
647名無し草:03/10/21 22:59
記憶の恋人作家様は?さみしいよぅ
648名無し草:03/10/22 00:41
我も記憶の恋人うpを待っておりまする(´・ω・`)
649名無し草:03/10/22 13:23
遠い約束うpないのかしら?
首を長くして待っていたのにーー
650名無し草:03/10/22 13:37
んー。せっかくの作品をオカズ扱いされて萎えちゃったんじゃないの?
他の作家様にはバッシングだし、書きづらいよ、こんな雰囲気じゃあ。
651名無し草:03/10/22 15:07
褒める表現の仕方が「オカズ」になってしまっただけでしょう(笑)
>>650
 
作家様、レスついている以外にも沢山のロム者が楽しみに待ってます〜
「記憶の恋人様」も「遠い約束様」(五十音順)もその世界観に圧倒されます。
すんごい楽しみなんで、随時更新は大変かもしれませんが宜しくでつ。
652名無し草:03/10/22 15:54
>(五十音順)

651タンの気の使いようが涙ぐましい・・・
653名無し草:03/10/22 16:39
>(五十音順)
ワロタ

作家様にも色々都合があるだろうし、マターリ待ってようよ
654名無し草:03/10/22 17:02
わたしも両作家様の作品をずっと楽しみに読ませてもらってました。

遠い約束様は、しっかりとした文体で知識の奥深さが作品にもよく表れていて素晴らしいですし
何より王子萌え読者にはハッピーエンドが約束された安心感と幸福感がとってもハッピーで良いです。

記憶の恋人様は、シーンに華を添えるのが上手い。臨場感があると言うんでしょうか。
こちらは逆に王子もメンヒスも主役級という異例の展開が、長〜くここを愛読してる私にはとても新鮮でした。

どうか大好きな作品を最期まで読ませて下さい<作家様
作家様はどの方も応援しています。
自分では作品なんて書けない分、せめて心のこもったレスを付けさせて頂きたいと思っていました。
頑張ってください〜(ρ_;)
655名無し草:03/10/22 19:28
>654タン
心のこもったレスの貢献度は高し!
見守ってくれる方の存在を感じるからこそ書けるものでつ。(小作家より)


>「記憶の恋人様」「遠い約束様」
どちらの作品も大好き。すばらしいです!
両作家さま、最後まで思う存分大暴れして下さいね!ファイト!!
656遠い約束:03/10/23 11:33
>>639
113
「リード・コンツェルンの社屋ビルの完成も間もなくだな・・・」
シーク・イズミルはわざと試すように言った。執務室の窓からは巨大なガラス張りのビルの一部が見える。まるで燦然と輝く光の塔のようだった。
光の塔はアメリカという異教異国の祖国から嫁いでくる少女の身の上を弥が上にも豪華に彩るだろう。
「様々な便宜を図っていただいたことにはお礼の言葉もありません。我が国にも、わが社にも・・・・・・・そして私の家族にも・・・」
イズミルは相手の深い声音にはっとした。ライアンに再会した今日までの間にその胸中に去来した様々な物思いが一時に蘇る。

─私の最愛の妻を辱めんとした憎い男。我が物と思い定めた娘を横取りしようとした男。
─あれほど溌剌とした自由で強い心を持った娘を、わざとのように無知無邪気なままに己の腕の中に囲い込んで、妹から妻にしようとした男。
─私はライアン・リードが憎い。キャロルを泣かせ、私にこのような思いをさせた男が憎い。
─だが・・・・あの男は間違いなくキャロルを愛している。キャロルもまた・・・ライアンを愛している。私に対するのとは違う愛しかたで。二人は家族なのだから。
─私はかつて人の妻を騙して娶り、死なせた。ライアンもまたかつての私と同じように苦しみ、血の涙を流したに違いない。己の罪に戦いて。愛するほどに相手を不幸にするもどかしさに。
─私は・・・・私にライアンを憎み、裁く権利があるか?私はライアンを打ち倒してキャロルを得た。キャロルはライアンに会いたがっている。
・・・・・・私のとるべき道は・・・・・・?

「ずいぶん長く連絡がなかった。私から君に連絡するのはどうかと思ったし・・・」
ここでイズミルはずいとライアンに近づき、その黒曜石の瞳を直視した。ライアンもまた琥珀の瞳を見つめ返す。それはきっと罪を贖う覚悟を決めた人間に宿る強さであったのだろう。
「・・・・私の婚約者・・・シェイハ・キャロルも私に遠慮してか、母君にすら連絡をするのを極力控えていたほどだ」
「・・・・・私がキャロルに・・・‘血のつながりのある’妹に疎まれるのは当然だ」
657遠い約束:03/10/23 11:34
114
シークは驚いた。
「‘血のつながりのある’妹、と言われたか?」
ライアンはシークの前に頭を垂れた。
「キャロルは大切な家族です。その大切な妹があなたの妻になる。私を憎く思われるだろうが、キャロルのことは大切にしてやって欲しいのです。
私が今日、殿下の許に伺ったのは・・・謝罪と・・・そして私以外の家族を憎まないでやっていただきたいとお願いするためでした」
「謝罪・・・・・」
「私がキャロルに為したことを。許してもらえるとは思ってはいません。
しかし私の大切な妹が、今、あなたの所に嫁ぎ新たな幸せを得ようとしている。謝罪の言葉をせめて・・・私のキャロルへ伝えていただきたいのです」
ライアンは驚いたように自分を見るイズミルにわずかに勝利感を覚えた。きっとこの傲慢なシークは自分が未練がましい男だと思っていたに違いない。
「どうか・・・せめて謝罪の言葉を口にすることを許していただきたい。
キャロルにもあなたにも心からお詫びを申し上げます。お二方の幸せを心より祈っています」
そう言ってライアンはシーク・イズミルの前にひざまづいた。
「どうか・・・・罪は私一人のものです。どうか私以外の者を憎まないでやっください、シーク・イズミル」
そして。
シークが驚きと不思議な感動に胸打たれ無言で立ち尽くすままなのに、ライアンは立ちあがり一礼し言った。
「ご拝謁の栄を賜り厚く御礼申し上げます。ではこれで・・・」
(この男はキャロルに・・・・自分があれほど愛したキャロルに会わずに行くというのか?キャロルがあれほど会いたがっているのも知ってか知らずか)
今更のようにライアンの覚悟と潔さがイズミルの心に染みた。
(そうだ・・・!この男は・・・。この八ヶ月間、何の社交生活の噂を聞かなかった。身を慎んでいたというわけか?
我が国へのアメリカの態度が寛大で気前が良いのも・・・アル・シャハル現地法人の首脳陣にはライアンはいなくて代わりにロディ・リードが就くというのも・・・現地採用のスタッフ人数が桁違いなのも、全てはこの男の・・・!)
658遠い約束:03/10/23 11:35
115
シーク・イズミルは今更のようにライアンの心のうちを悟った。
(ライアンもまた贖罪の日々を送っていたのだ!私がキャロルを独り占めにして勝利の美酒に酔っていたときも!)
「待たれよ、ミスター・リード!」
シークは呼び止めた。
(前世で私はメンフィスからキャロルを奪った。今生でもまた私は同じことをした。ライアンは喪失の痛みに血の涙を流しながらもキャロルと・・・キャロルが嫁ぐ我が国のために様々に腐心してくれた。
キャロルが肩身の狭い思いをせぬように・・・と。それなのに私はライアンに復讐することだけを考えていた!)
「待たれよ。帰られるのならばしばし待たれるように。
・・・・・・・私のシェイハが・・・・君の妹のキャロルが・・・・会いたがっている。私としても会ってやって欲しい。・・・・ご案内しよう」
ライアンは─かつてはメンフィスと呼ばれ、でも今はそんなことは少しも覚えていない若者は─驚いたようにシーク・イズミルを見つめるばかりだった。
「今更・・・情けなど。私を・・・愚弄されるか・・・?」
抑えきれない激しい気性。だが溢れ出すキャロルへの想い。
「キャロルはずっとあなたに会いたがっていた。私と結ばれる前にあなたに詫びたいのだそうだ。会ってやって欲しい」

「兄さん・・・・っ!」
思いもかけない客人を自室に迎えたキャロルは驚きと嬉しさで言葉が出なかった。シーク・イズミルはさりげなく侍女たちに退室を促すとソファにゆったりともたれかかって兄妹の再会を見守った。
最初の驚きが過ぎるとキャロルは固まったように立ち尽くしていた兄に抱きついた。
659遠い約束:03/10/23 11:39
115.5
「兄さん、兄さん!会いたかったの。ずっとずっと。言いたかったの、許してくださいって。シーク・イズミルを愛してしまったことを許してくださいって。兄さん、私、兄さんに許して欲しいの。結婚を祝って欲しいの・・・」
自分がひどい目に遭わせた相手からこんなことを言われては氷のライアンも形無しだった。
ライアンは妹をそっと胸の中から離すと、心から詫びた。その黒曜石の瞳には光るものがあった。
「キャロル。お前の心を無視してお前を傷つけた僕を許して欲しい。いや、許すなどとは言ってもらえないことはよく分かっている。ただ・・・許しを請わせてほしいんだ」
罪人に与えられたのは暖かい涙と優しい頬への接吻だった。キャロルがライアンから受けた傷などとうにシークが癒してしまっている・・・。

感動の再会劇が一段落するとシークは立ちあがってキャロルを腕の中に抱いた。
「さぁ、キャロル。これでライアン殿との確執も消えたと考えていいのかな?
ライアン殿、改めて言おう。私はあなたの妹君を妻に迎える。結婚式には・・・是非、あなたも出席していただきたい。
あなたは私の兄弟であり、私の国に大きな富をもたらす人間だ」
660遠い約束:03/10/23 11:41
いつも読んでくださっている皆様、過分のお言葉をくださる皆様、そして寛大にスルー
してくださっている皆様、ナフテラ様、本当にありがとうございます。
書いている側がお話以外でしゃしゃり出るのはどうかなと思ったのですが、お礼を
言わせていただきたくなりました。本当にありがとうございます。
661名無し草:03/10/23 14:13
>遠い約束作家様
 お礼を言いたいのはこちらの方です。
 いつも素敵なお話ありがとうございます。
 心から。 
662名無し草:03/10/23 14:14
Σ(゜ロ゜) 

うわっ 遠い約束さまだ!!
 
作者様がお話以外で出て下さるのは私は大歓迎です〜
こちらこそいつも素晴らしい作品を読めて大感激してます。
 
もうすぐ結婚式ですね!
みんなHAPPYになれるとい〜な〜vv
663名無し草:03/10/23 15:09
>遠い約束作家様
この状況でのうp、ありがとうございます。
いよいよ結婚に向かって一直線(^^♪ですね!
本編では報われない王子だから、遠い約束の中ではたっぷり幸せにしてあげて下さい。

>記憶の恋人様
続きのうpを心からお待ちしてます(滝涙)
メンヒスが強引な行動にでたのがショックな読者もいるのかも知れないけど
未遂に終わるのがお約束ですが、そうはならない所がまたお話として面白い!!
あの後、メンヒスと王子の怒涛の争奪戦が始まるんかな?ワクワクして待ってます。
早く続きを読ませて下さいませ。ペコリ

作家様がいてこそ成り立つこのスレ。作家様の存在が本当に有難いです。
664名無し草:03/10/23 19:15
>>663
同志。
作家様のうpがあるとほっとしますね〜。ありがトン、作家様。

これで記憶の恋人様のうpがあったら大喜びなんだけどなぁ。
キャロルがどっちを選ぶのかが謎な作品だけに、絶対最後まで読みたいよぉ。
今までもここが荒れても頑張って書いてくださっていたので、更新があると信じてますー
665名無し草:03/10/23 19:30
>書いている側がお話以外でしゃしゃり出るのはどうかなと思ったのですが

作家様は本当に控えめで折り目正しい方ですね。
作家様として群を抜いていらっしゃるのは作品だけでなく、その姿勢。
表に出てこず、読者と馴れ合いになろうとしない距離のとり方が素敵です。
666名無し草:03/10/23 19:42
ほんと。作品を決して投げ出したりしないとコメントされていたし
安心して読者は付いていけるのよね…。最後までお供しますわ、遠い約束様!
シークとキャロルが結ばれる日までは…死ねないって感じ!
667名無し草:03/10/23 21:37
やたらと出てくる作家多いよね。
あれ読者に媚びてんの?
読者と仲良くなって気を引こうというか〜(w

ライアンの扱いが不満だと裏スレで書いてる香具師がいたけど
王子メインのお話だからね。ライアンメインの話だと思ったのかしら?
ライアンを寛大に許したキャロルとシークに感動しいてた一読者には、
げっそりするレスでした。
668名無し草:03/10/23 21:56
馬鹿か?
669名無し草:03/10/23 22:16
665,666,667の誉め殺しジエーン読んでるほうがよっぽど
げっそりしますた。
670名無し草:03/10/23 22:23
何も言うまい。・・・貝になった私。
671名無し草:03/10/23 22:53
>>665-667

そんなに誰かを褒めたおしたいなら

こんな時間までサービス残業してる漏れを褒めてくれ。終電なくなる前に帰りたいー!
672396 ◆OUKEYXVT.2 :03/10/23 22:59
>>671

(つд`)ヾ(´∀` ) ヨシヨシ

673名無し草:03/10/23 23:36
ナフテラ、出番であるぞよ。

なんつって。マターリと次のうpを待ちます。
>>671 がんがれ。
674671:03/10/24 00:26
管理人タソ、673タソありがトホホ。うれすぃ。
29歳乙女の過酷な労働を支えていたのは作家様の作品なのれす・・・(ほんとよ)

毎日のように大量うpしてくれて、週末までうpしてくれた記憶の恋人作家様〜
あなたの書くメンフィス様が大好きだ〜。正直に白状します。萌えました。

昼過ぎには上司の目を盗んでは遠い約束をROMる毎日。
たぶんすごい顔でにやけてたんだろーな。ボーナス査定に響かなきゃいいけど。

お二人に感銘を受けて、私も書きたーいーと思ってWORDを開いたが数行で挫折した。
自分じゃ書けない夢を書いてくださる作家様たち。
みんなで大切に見守りましょうよ・・・

さて、帰るとするか。タクシーだな、こりゃ。
675名無し草:03/10/24 01:30
 ,.-、
           /.n l  /⌒ヽ
             | l l | ,' /7 ,'
        , '' ` ー ' '-' /
       /  、_,       `ヽ  
         l   , .-. 、`´    l
         ヽ  ヽ ̄フ     / >>673 ナフテラじゃなくてNOVAうさを連れてきたよん
        丶、 ̄____,/      みんなマターリしろよ〜〜〜
         /  ,. - 、  )
      (( ( n ([N],ハ_う
         ゝ)ノ  ̄   ヽ
            /   _   l ))
            〈__ノ´   `(_ノ
676名無し草:03/10/24 01:32
いやん、ズレた。。。スマソ
677名無し草:03/10/24 02:39
>>675
かわいい〜w
678名無し草:03/10/24 07:36
フリフリ腰が可愛いよん。

いっつもありがd。乙!!
679遠い約束:03/10/24 12:10
>>659
116
「今日はライアン・リードがやって来たそうだな?」
「はい、父上。キャロルにも・・・会わせてやる事が出来ました」
夜。父シーク・ラバルナの部屋を訪れたイズミルは穏やかな雰囲気に包まれていて父親をおおいに驚かせ、また安心させた。
「そうか・・・。お前がシェイハを連れ帰ってきてからもうどれくらいになるかな?皆が何があったのかとずいぶん心配していた。
異国の娘を婚儀も挙げないままハーレムの建物に囲い込んで、一体どうしたのだと大臣達や召使達が入れ替わり立ち代り私に事情を聞きに来るのだよ。・・・忠実な息子は父親に秘密を持たないものと思われているらしいな」
皮肉な言葉とは裏腹にシーク・ラバルナの目には何か面白がっているような不謹慎な、あるいはいたずらっぽい光が宿っていた。
「恐れ入ります、父上・・・」
シーク・イズミルは畏まって答えた。
「・・・話してくれないか?お前が話して良いと思う範囲の事柄で良い。お前と・・・お前が私に与えてくれた金髪の新しい娘の間にあったことを」
この人にしてはたいそう珍しいことに言葉を選びあぐねて黙っているイズミルに、シーク・ラバルナは穏やかに問うた。
「たとえばそれは・・・私達のキャロルが義兄のライアン・リードと婚約するものと一部の人間の間では考えられていたことと関係があるのかな?」
「・・・・・・・ご明察です、父上・・・・」
シーク・イズミルはごくごく簡単にキャロルを予定よりはるかに早く手元に置くことになった事情を説明した。無論、ライアンの邪恋のことなど口に出来ない。
イズミルの口から出たのは、恋に溺れた自分が一時も恋した相手を離しておきたくなくて連れかえってきたという陳腐すぎるほどの話であった。誇り高い若者は生まれて初めて他者のために自分が道化になって見せたのである。
「・・・・・お前がそう言うのならばその通りなのだろうよ」
息子の不器用な作り話に、父は優しく感想を述べた。病の床にあるとはいえ、この英明な老人の炯眼は決してごまかされはしないのだ。
680遠い約束:03/10/24 12:16
117
「お前の話を聞いて少し安心した」
「は・・・」
シーク・イズミルはさすがに頬を染めながら頷いた。
「それで・・・シェイハ・キャロルはもうこれからは好きに家族と連絡を取ったり会えたりもするのだろう?花嫁の支度にはやはり母親の手助けが欠かせないものだ。それに双方の親族同士の絆も強めなばな。
お前がムーラに言ってあれこれシェイハのための準備を進めているのは知っているが、やはり男の子しか育てたことのないムーラには限界があるだろう。
そうそうシェイハの祖国の大統領も・・・共和制の国の長らしく王家との結婚ということでたいそう舞い上がっているらしいな?」
大統領と議会の喜び方のすさまじさはつとに有名であったので、シーク・イズミルもはじめて笑みを漏らした。
ややあって。
シーク・ラバルナは積み重ねた枕に凭せ掛けていた体を起こし、息子に問うた。
「イズミル。お前は花嫁となる娘を連れてきてハレムに住まわせてもう半年以上になる。私は男がこれと思い定めた娘に何をしたがるものかはよく知っている。
・・・・シェイハ・キャロルは婚儀のときにまっすぐに顔をあげ、誇らかに神に誓いの立てられる身か?お前はあの良い娘を真実大切に守っているか?」
(来たか・・・)
シーク・イズミルは思った。誰もが遠慮してか、それとも下品に想像を巡らせて楽しんでいるのか、ハーレムの奥深くに守られた少女の純潔について聞いてくる無礼者はいなかった。
「父上、私はシェイハとして私に並び立つ娘に敬意をもって接しています。
私は彼女をあらゆるものから守ると誓っております。婚儀を終えるその時まで彼女は私の最愛の妹として扱われるでしょう」
「よく言った!」
ぱん、とシーク・ラバルナが手を打った。
「お前は実(じつ)のある男だな。そして・・・キャロル嬢をお前の手に委ねて去っていったライアン・リードも・・・実のある男だ。
・・・・大切にしてやるがいい、お前が選んで得た娘を」
681遠い約束:03/10/24 12:17
118
美しく豪華に装われたキャロルは目の前で繰り広げられる極彩色の宴を、まるで夢のようだと思いながら眺めていた。

ムスリムの結婚式というのはシンプルだ。今朝、キャロルの許に花婿シーク・イズミルの代理人としてカリム大臣─彼は今やすっかりキャロル贔屓だ─がやってきて、シーク・イズミルとの結婚の意志に変わりはないかと聞いた。
花嫁であるキャロルが諾の返事をすると証人は帰っていってしまった。
そしてしばらくしてからまた帰ってくる。花婿は花嫁の承認を嬉しく受け取った、これで二人は夫婦であるとの言葉を携えて。
それから花婿花嫁は聖職者の祝福を受け、二人がめでたく夫婦となったことを公表した。アル・シャハル国内では祝砲と爆竹の音が鳴り響き、遠いアメリカでも馬鹿騒ぎが繰り広げられたのである。
それがすめば男女に分かれての披露宴である。

(シークはどうしているかしら・・・?)
キャロルはにこやかに招待客たちが踊る伝統的なダンスを眺めながら考えた。
美しい結婚衣装、豪華な装身具、きらびやかな宮殿。それは皆、昔夢見たものだけれど立て続けの儀式に疲れた今はただシークが恋しかった。
年よりも幼く見える花嫁の疲労にシークの親族である女性達も気づくのだろう。皆、親切に気遣っては綺麗なお菓子や飲み物を持ってきてくれる。
キャロルは自分をそっと支えてくれる母親に甘えて凭れかかりながら、極彩色の覚めない夢を見つづけているような心地だった。

(キャロルはどうしているかな・・・?)
ムスリムの宴会は男女別で、男性の宴会というのは正装した男たちが簡単な食事を立食で取るそっけないものだ。
女性達の豪華な乱痴気騒ぎとは無縁の礼儀正しい世界。
シーク・イズミルは各国の要人と洗練された会話を交わしながらもただ花嫁が恋しかった。晴れて自分のものにできる乙女が。
「シーク・イズミル。お疲れなのではありませんか?」
ライアンがあるかないかの皮肉な笑みを浮かべて話しかけた。
「なんの」
イズミルは答えた。
「花嫁を新床に連れていくのが待ち遠しいだけでね・・・」
ライアンのひきつった笑みを見て、シークは意地の悪い満足感を覚えた。
682名無し草:03/10/24 13:16
ああっ、何か一波乱あり?
無い事を願いつつ、あったりもいいかもと思ったり。揺れる私??

作家様うpありがトン
683名無し草:03/10/24 13:59
イズミルタン、そりゃー意地悪でしょー(笑)
684名無し草:03/10/24 14:31
ムスリムの披露宴は男女別なんですかー?
へぇー、知らなかったぁ。楽しいだけじゃなくとてもお勉強にもなります。

シーク意地悪なんだけども、そこがまた萌え萌えなのよね。
ライアンもう手も足も出ないとは思うけど、反撃なるか?!
685名無し草:03/10/24 14:56
友人がインドのイスラム教徒のとこに嫁に行った。
たしかに披露宴はシンプルだったな〜。だんなも庶民だし(笑)。
親族だけでやるやつは徹夜のご馳走攻めらしいけど。
ド派手なのはヒンズー教徒の結婚式よ、でしゃばりで言わせてもらうと。
686名無し草:03/10/24 15:52
遠い約束を読んだお陰でイスラム圏の文化に興味を持ちました。
二次創作といえど、しっかりとした知識に基づいて書かれており感心します。
完成度の高い作品をいつも有り難く読ませて戴いております。深く感謝。
687名無し草:03/10/24 16:26
うっせーんだよ。
688名無し草:03/10/24 16:27
すんまそん。
689名無し草:03/10/24 16:54
まぁまぁ ( ^^) _旦~~
690名無し草:03/10/24 17:08
読んでていろんな知識がそこかしこに
ちりばめてあって、一口で二度美味しいとはこのことですね。
人物描写もすてき。
敵対する人物なのに好感がもてるし。
うpが待ち遠しいです、いつも。
両作家様、ありがとうございます。
691名無し草:03/10/24 17:11
ババアどもがなにいってんだか。
692名無し草:03/10/24 17:32
はーい・みなさーん! ↑これはスルーしましょう♪
693名無し草:03/10/24 18:11
ヴァヴァ
694名無し草:03/10/24 19:34
最近よく荒れるね。2ちゃんだからしょうがないか。

それにしても、記憶の恋人作家様はお忙しいのかな。
うpなくてさみしいです。
695名無し草:03/10/24 20:47
荒れてるから書きにくいんじゃない?他の作家様もとんとお姿が見えませんもの。
あんなに沢山いらっしゃったのに。。。

長編短編色んなキャラのお話が読みたいです。早く落ち着いてほしいなぁ(切実)
696名無し草:03/10/24 21:39
記憶の恋人・・・続きが読みたいよぅ(つд∩) ウエーン
697名無し草:03/10/25 10:39
毎日のように色々な作品がうpされてた頃が懐かしいでつ。
作家様も読者もわきあいあいとしてたよね。
いつからこんなになっちゃったんだろう(´・ω・`)ショボ
698名無し草:03/10/25 11:54
今日は良いお天気ダネ♪ ションボリしちゃ駄目だよ〜>696,697タン
699名無し草:03/10/25 13:54
規制かかってるところ多いからそのせいかもね。
700名無し草:03/10/26 22:11
      (´・ω・`)     ○   (´・ω・`) 。 O 
         ○  。
しょぼん玉dだ〜。  (´・ω・`)    ○ 。 
 ∧_∧    。 o ○
 (*´・ω・)y━o          (´・ω・`)
 ( つ□ノ 
  し' し'

週末・・・サミシイ 700ゲトー
701名無し草:03/10/27 09:33
サミシイ週末だたよ・・・

>>700 カワイイよぅ
702遠い約束:03/10/27 11:39
>>681
119
花嫁花婿がようやく宴席をさがることが出来たのはもう夜明けのほうが近いという時間帯だった。
アメリカの年若い花嫁が、長い間独身だった砂漠の国の若い王子と結婚するというのだから世間の興奮振りも尋常ではない。
マスコミを会場から追い払い、両人の親族同士でしみじみと、あるいは親しく話をして、新婚の二人に繰り返し祝辞と忠告、それに昔から延々と引き継がれているきわどい冗談が言いかけられ・・・。
キャロルが新しく父となったシーク・ラバルナに挨拶をして、ムーラに伴われて私室に戻ってきたのは明け方の四時過ぎだった。
「お疲れでございましょうねぇ。おめでたいお席とはいえ、シェイハは少々辛く思し召したのではございませんか?さ、お湯をお召しあそばせ!」
ムーラにやっとの思いで微笑み返すとキャロルは浴槽の中で悠々と身体を伸ばした。
(私・・・とうとうシークのものになるのね・・・)
そう思うとひとりでに身体が火照り、頬が熱くなった。本当に結婚するというのはどういうことかくらい知っている。シーク・イズミルにきわどく触れられるたびにキャロルは打ち震えときめいた。
(シークの妻に・・・。今度こそあの人を幸せにするために。もう二度と悪い夢なんて見せないわ、シーク・イズミル・・・)
前世の記憶などという儚いものに引かれて、とうとうキャロルは捜し求めていた相手を得た。迷ったこともあった。恐ろしいとも思った。
(でも、もう迷わない。たとえ前世のいきさつなんてことがなかったとしても私はあの人を愛したわ・・・)

「キャロル様?そろそろお上がりなさいませ。シークがお待ちでございますよ。お支度をなさらなくては」
キャロルは、はっと我に返った。そのまま恥ずかしさのあまり動けなくなった彼女をムーラが手際よく浴槽から引き上げた。
「恥ずかしがりもいい加減にあそばしませ。シークがお待ちかねですわ。さぁさぁ、こちらをお召しになって・・・」
703遠い約束:03/10/27 11:40
120
用意されていたのは膝丈のガウン、それにゆったりしたパンツだった。どう見てもこれから起こるであろうことに際して着る服ではない。ウエストは絹の帯で結ばれた。
どちらかといえば昼間に着るような動きやすそうな服・・・。
戸惑いながらキャロルは用意されたその薄紅色の衣装を着け、あまつさえ髪の毛が乱れぬようにとベールでしっかりと髪の毛を包み込まれてしまった。

「ああ、やっと用意ができたか。こちらへおいで。お茶を飲んだら出発だ」
居間で待っていたシークはキャロルを見て上機嫌でお茶を勧めた。
その様子は何かを企んでいるいたずらっ子といった風情で、キャロルを惑乱させる、艶めいた強引さを感じさせるものなど微塵もない。
キャロルは勧められるままにお茶を飲み干した。金色がかった緑色のお茶は甘くて、薄荷と花の香りがして疲れた身体を心地よく癒していった。不思議なことに眠気も消えていく。
「シーク・イズミル・・・。どこに行くの?」
「いい所だ」

シークはキャロルの腕を引いて大型のランドローバーに乗り込んだ。車は砂煙を立てて砂漠の中を走り抜けていく。
バックミラー越しに見える砂煙はお付の車だろうかとキャロルが考えているとシークがそっと頬に接吻した。
「結婚したご感想は?少しも私のほうを見てくれないな?私達は本当に結婚したのだろうか?」
「あ・・・いやだ、からかわないでください、シーク。それよりもね・・・あの・・・私達どこに行くの?いい所ってどこ?もうずいぶん走ったわよね?
それにあまり遠出しては・・・これからまた色々と儀式や行事があるって教わったわ・・・」
「やれやれ、うるさい子供だ!色々な儀式や行事のことなど心配しなくていい!私が諾と言わねば始まらないのだ、全ては!」
キャロルは夫となったばかりの人の不機嫌を察して素早く腕に身を摺り寄せた。
「あ・・・あのね・・・怒らないで。あの・・・好き・・・」
いかにも子供っぽく自分の機嫌をとろうとするキャロルにイズミルは苦笑した。
(きっとライアンを怒らせたときもこうやって仲直りを申し出ていたのだろうな、この娘は)
やがて。
車は砂漠の中に急に現れた小さなオアシスに乗りつけた。小さな池の周りに潅木が生い茂り、真っ白な建物が澄んだ水に映っている。
「ようこそ、キャロル。ここは私のちょっとした別荘だ」
704遠い約束:03/10/27 11:41
121
「わぁ・・・!」
砂漠の中に突然現れたおとぎばなしの小さな屋敷を見てキャロルはうっとりと叫んだ。
「さぁ、おいで。中を見せてやろう。ここは私が一人でくつろぎたくなった時に来る所だ。亡き母の形見でね・・・。これからは私一人の場所ではない。お前の場所でもある・・・」
シーク・イズミルは自慢のおもちゃを見せびらかす子供のようにキャロルを連れまわした。館自体は特に豪華なものではない。居間に寝室が二つ、書斎、それに台所、浴室。でもどの部屋も心地よく整えられている。
見て回るうちに外が段々明るくなってきた。
「夜明けだな・・・」
シーク・イズミルは呟くとキャロルを屋上に連れ出した。
「砂漠の夜明けの美しさをお前に見せてやりたいと思った。世界一美しいぞ。
・・・アル・シャハルには誇れるものがたくさんあるが私はこの国の砂漠の夜明けが一番だと思っている。こんな神々しく美しいものを見られる土地は他にはないぞ」
夜明けのぴりりとした冷気の中、キャロルはシーク・イズミルの逞しい腕に抱かれて初めて砂漠の夜明けを見た。
薄い灰色と藍色の交じり合った空に、太陽の光が射し、夜明け前の無彩色の空気はやがて金色と朱色の豪華な色彩に変化する。世界全体が闇の中からその身を起こし、明確な輪郭を纏い始める。
そして近くの砂山の縁が白に近いほどの金色になったかと思うと朱色の太陽がその姿をあらわす。
「ああ・・・」
キャロルはすばらしい光景にものも言えず、ただそれを見つめるばかりだった。
「すばらしいわ・・・何てすばらしいの。ああ・・・シーク、ありがとう、ありがとう・・・!」
感極まったキャロルは背伸びしてシークの頬に接吻した。シークの頬に満足の笑みが刻まれた。
「どういたしまして。さぁ・・・疲れただろう。昼間の太陽はお前には強すぎる。少し休まなくては・・・」
何とも言えない艶めいた好色な笑みを浮かべてシークは新妻を抱き上げ寝室に連れていった。
705名無し草:03/10/27 14:07
幸せそうだなあ。本編の王子にもキャロル以上の女性と
出逢わせて欲しいな。真に幸福そうな王子が見てみたいよ。
(メンフィス派だけど)
706名無し草:03/10/27 14:54
うんうん、幸せそうだよねー。
でもって次はいよいよオニだよねー?ワクワク(笑)
707名無し草:03/10/27 15:12
>>705.706
やっぱり幸せそうなお話がイイよね。
遠い約束は王子の幸せ度が高くて、こっちまで幸せになれるw)
708名無し草:03/10/27 15:28
最近、また本家を読んでいるんだけど、ミノスの宴会で、キャロルを隣にして
ため息をつく王子って、萌えるよ。
本当だよね、本家でも是非幸せになってほしいよね。
でも、キャロルはメンフィス以外は目に入らないと思うので、ダメだな。
ここは、王子のパラダイスでつ。
709名無し草:03/10/27 15:51
本家で王子が幸せになれるかどうかは・・・もう諦めてます(笑)
でも、ここ(王子パラダイス)で幸せになってくれるから満足。
メンヒス&ライアン派には悪いけど、王子だけがカッコ良くて幸せになるってのが最大の萌えなのよ。
本家でのフラストレーションを見事に解消してくれるのよね。
710名無し草:03/10/27 16:19
本家の王子は愛が故の拉致監禁妖し総動員なんだろうけど
「私を愛して欲しい!」という気持ちが
年月とヘタレと共に伝わりすぎて
なんとなく古代では正統カプール萌えな私だが
今生の「遠い約束」は変な言葉ですが、納得できてしまふ。
諦めないのなら「いつか」王子の本懐叶えてもいいよねって。
711名無し草:03/10/27 16:32
王子パラダイスもよかですが
メンフィスとのウトーリラヴラヴもどうぞ宜しく。
いやマジでキボンヌ。ヘタレてるのは王子だけではない!(爆
712名無し草:03/10/27 16:45
遠い約束、確かに納得できる。
私もメンフィスファンだが、こんな王子ならキャロルを渡してもいいかな〜なんて(藁
王子メインのお話だと飛ばし読みが多いのに、何度も読んじゃう。何でだろ。
713名無し草:03/10/27 16:52
あまり極端すぎるのはアレだけど、幸福そうなカップルを見てると
なんだかこちらも嬉しい気分になるよね。
本編のことはしばし忘れて二人の世界を見守ってます(w
714名無し草:03/10/27 16:57
皆さん、明日はいよいよオニですよ。最高潮ですよー
心の覚悟はオッケですか?
私は今からティッシュを用意してスタンバイしておりますw)
715名無し草:03/10/27 17:03
めずらしくまったりしてる・・・・・・
716名無し草:03/10/27 17:09
やっぱり現代人の王子ってのが新鮮で良いんでしょうね。
古代人の王子を扱った作品は数え切れないほどあるからねぇ。
正直言ってちょっと食傷気味だった。
717名無し草:03/10/27 17:39
>>715
荒らし?
718名無し草:03/10/27 17:39
>>716

まっ 
そんなこと言っちゃあダメでしょっ
 
記憶の・・様は古代モノですけど、私は待ち望んでるんですし。
他の方も心待ちにしている人いらっしゃいますよ〜
719名無し草:03/10/27 17:40
日の出の描写がすんげーキレイとオモタ。
720名無し草:03/10/27 17:47
情景描写がすんばらしいい!!!
まるで絵画を見るようですた。
はあ〜、続きを早くお願いです。
721名無し草:03/10/27 17:47
というか、遠い約束はホント〜に番外編な感じがする。
細かい前世の設定を変えてみれば、本家からやたら逸脱もしてないし
現代で王子と結ばれるのも充分あり得る話だし。




722名無し草:03/10/27 19:01
夢見る乙女でもガッカリする事なく安心して読める作風がいいです。
あんまりSMチックな王子とかは苦手かも。ストイックすぎてもさみしぃし。
王子の悲恋ものも、ここでまで読むのは辛いー。
723名無し草:03/10/27 19:27
え〜、私は結構サドっぽい王子も好きだけどなぁ(´・ω・`)
ストイックな王子は本編のイメージに近いし、色んな王子を楽しみたい方だけど。

だから、色んな作家様に色んなパターンで書いて欲しいよ。。。
724名無し草:03/10/27 19:58
過去、ちょっとだけ書いた作家もどきでつ。
書きたいけど、ネタがない・・・。

それに今すばらしいお話の真っ最中だし、
ひたすら読者でいるだけ。

ネタが沸くの待ってまつ。
725名無し草:03/10/27 20:21
私もそう。
これだけ素晴らしいお話の連載中にお邪魔したら申し訳なくて。
もどきにもなれない小作家でつ。
私もネタ切れ。
726名無し草:03/10/27 20:49
前に短編書いてくれるって言ってた作家様
いずこへ〜?
メンヒスもののリクを受けられていたとオモタのですが。
727名無し草:03/10/27 21:19
連載のお邪魔〜なんて変な遠慮したら、連載中作家様のほうが気ぃ使ったりするんでない?
百家争鳴(でよかったっけ?)いろんなお話が読みたいよん。
728名無し草:03/10/27 21:45
皆遠慮して言わないけど、ここっていつも同じ流れだよね
弱肉強食というか、他を蹴落とすというか・・・

色々な作家様のお話が読みたいだけなのに・・・
ま、スルーして下さい
729名無し草:03/10/27 22:08
作家様同士でそんな遠慮があるもんなんすか?

読者は色々読みたいんだけどなぁ。
「〜ならぬ」とか「〜いたせ」の古代セリフが大好きだから
飽きたなんて思った事ないすよ〜。
730名無し草:03/10/27 22:30
>>715さんよ・・・全然マターリしてないじゃん。

このレスの多さ何なの?褒めレスも妙に異様な感じ。
ここは王家の呪いがかかっているスレでつか?
731名無し草:03/10/27 22:46
王家の呪いにはかかりたくないけど、王子の呪縛にはかかりたいわん。

>>714 期待してもよかでつか? また〜り、ハァハァ
732名無し草:03/10/27 23:15
何か最近、ここと別室にレスつけてるのは実は作家様達なんだろーか?
と考えてしまいます。
パクリ疑惑の頃からそーかなと思ったけど
730の言うとおり不自然なレスが多いような。
遠い約束作家様v.s.他作家様みたいな図式が見えちゃうんだけど・・・

荒らすつもりじゃないんです、
一度、パクリ疑惑やら変な確執はすっきり取り払って
また前みたいに沢山の作家様のうpが楽しめたら
と思ったので勇気を出して発言しました。
5スレや6スレの頃のように色んな作家様が共存できる環境が懐かしいです。
733名無し草:03/10/27 23:30
こう申しては何ですけれども、少々騒ぎすぎではないのでしょうか。
734名無し草:03/10/27 23:42
夏ごろ(だったっけ?)のパクリ騒動から騒ぎすぎ。
パクリでも何でも面白けりゃいいんだけどね。
どんな文句言われても無視して書き続けてくれる強気の作家様がいたらいいのに。
735名無し草:03/10/28 00:16
皆さん。王家の紋章がお好きだと言うからには、結構お年を
召した方が多いのではないかと邪推ですが思います。
そのような方々がおっしゃる言葉ではないような発言も
少なからずあるのではと思うのですが・・・・・
736名無し草:03/10/28 00:22
今まで色々と荒れたこともあったけど、こんなの初めてだ。

何でもないようなレスにも過剰反応する人が増殖しすぎ。
>>715なんか何でもないレスだと思うけど、いきなり「荒し」
別室では、ここの住民と思える人が長文の挑発暴言発言しているのに?
泥試合を避けて、極力スルーしてる別室のマターリ住人さん達には
今の状況は不公平すぎる。
737名無し草:03/10/28 00:30
パクられたと本人にしたら、とても面白くないと思うだろうし
連載を止められた方からすりゃ、それは頭に来ると思うわ。

私もたまに書く人だから、どっちの言い分も分かるけど
そもそも、未完になってる作品はパクリ?
どの作品も全然内容は違うと思ったから、あの時はちょっと引きました。
あれだけでパクリと言われたら、そうそう書けないな〜と。
738名無し草:03/10/28 00:49
>733=うっせーんだよ。

>735=ババアどもがなにいってんだか。
739名無し草:03/10/28 00:53
せっかく2スレあるんだから、スレ分けたら?
740名無し草:03/10/28 00:55


ただの煽ラーだあね
741名無し草:03/10/28 00:56
740は738のことでつ
742名無し草:03/10/28 00:57
>>739此処は遠い約束スレ?
743名無し草:03/10/28 00:58
うーん、お年を召した方だからこそな部分があるのかも。

パクリについては、商業誌に載せてる作品ではないので
あまり固い事は言わなくて良いのではないでしょうか。。。
744名無し草:03/10/28 01:08
遠い約束関係の人、排他的すぎるんだよ。
連載期間が短いならまだスルーできたんだけど、もう限界!
他を排そうとすれば自分が排されるぞー。世の中そんなもんだ。
745名無し草:03/10/28 01:12
うわっはやっ!
レス分けは王子、他キャラとか。短編、長編とか。
Ψ(`▼´)ΨありΨ(`▼´)Ψなしとか、どうなんかな?
746名無し草:03/10/28 01:17
スレ分けはズバリ

ここ→遠い約束専用スレ
別室→番外編8(他作品うp用)

これでどうでしょう?上手くいくと思うのですが〜
747名無し草:03/10/28 01:32
私は王家ネタでやるなら、スレわけの必要はないと思うんだけどナ。
今までは問題無かったのにさ。(別室は別として。)
何とかならないの?
748名無し草:03/10/28 07:17
スレ分けなんてしたら「遠い〜」作家さんが余計に書きづらくなるだろ。
間接的とはいえ火種の元となっている現状は、遠い作家さんにとってとても苦しいと思うし。
自分と合わないものがある事は仕方ないけど、
せめてもう少しモニターの向こう側の人を尊重するレスを心がけようよ。
BBSの特性上文字だけで、尚更意図が掴み辛いんだからさ…・・・。
749名無し草:03/10/28 07:18
ぎゃあぎゅあ言っている人って、一人か二人なんではない?
今のまま、スレ分けしないでいいと思うけど。
また、今掲載中の作家様や、過去に執筆されていた方、これから書こうと思って
いらっしゃる作家様の為に、もっと心地よい雰囲気を作ってあげたいな。
私は新参者で、昔の争いとかわかりませんが、マターリと行きませんか?
ナフテラ出番よ〜〜。
750名無し草:03/10/28 07:38
ひぇぇ・・・。
昨日はマターリしてたと思ってたのにな〜・・・
スレ分けなんてしてしまったら、ますます溝が深くなりそうだよぅ。

他の作品がうpされないからこんなに荒れるの?
他の作家様・・・どなたかマターリご光臨下され。
751名無し草:03/10/28 07:38
スレわけ賛成。本当は少し前の状態が理想なんだけどね・・・

他の作品も楽しみたいけど
この先も荒れる可能性大だと思う。
お約束あったら、ソレに対する批判からは作家様達を守れるから。


752名無し草:03/10/28 07:47
ケコーンですね(w
正妃の座は譲ります。
753名無し草:03/10/28 08:09
ここは感想も書いてはいけないの?
オニキターーもオ◯ニーなんだと文句言われるし。
連載終るまで黙ってろッてこと?
754名無し草:03/10/28 08:36
まわり見てみ
ここは難民なんだ。ヲチスレが主流でここの住人もヲチャがいると思われ
(私もそうだ)ベタつくんだよ。
755名無し草:03/10/28 09:15
遠い約束が終わったら前の状態に戻るんじゃない?
それまでスレ分け待ってみたらどうかな?
756名無し草:03/10/28 09:42
>>753
別に感想を書いても構わないでしょー。
今までだってΨ(`▼´)Ψは何度もあったし
「女もここ見てオ◯ニーしてんのか?」みたいなage晒しされた時もあったけど
みんなスルーしてたよ。何をそんなに騒いでんのよ?
757名無し草:03/10/28 09:53
でも、真面目に感想書くとベトつくとか〜
大体、分けなきゃいけない理由は何さ?
面白い連載が沢山あれば自然に感想も散っていくだろうよ
今回はたまたま「遠い約束」が一本だから感想も多くて
槍玉に挙がってしまったのよね。
744さんも冷静になって欲しい。排されるって何?言葉が過ぎる。
758名無し草:03/10/28 09:57
自分、小ネタ作家です。
自分の作品?をうpするより、この大河ロマンを読みたいから現在ロムラー。
 
そういう人もいるんすよ。
 
良作は、多かれ少なかれ賞賛と中傷の反響があるもの。
それをいちいち気にしていたらダメダメよ〜☆
759名無し草:03/10/28 09:57
記憶の恋人と二本立ての頃はまだよかった・・・・
一作品のみだと仕方ないかもよ
カムバック、作家様方。
760名無し草:03/10/28 10:08
>>744さんの言葉が過ぎるってゆーなら、裏スレでの発言や遠い約束作家様
以外の作家様への発言は言葉が過ぎないのか?

「遠い約束」が一本じゃなくて、一本にされたんでしょうが。
761名無し草:03/10/28 10:18
どこにどうやってどのように一本化にされたのか
羅列してみて下さい(呆
762名無し草:03/10/28 10:58



                    .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
                    (\(\_/)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      .          〜  (\ヽ( ゚Д゚)′< ハイ、すこし換気しましょうね〜
.    ∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+  〜 (\ (ナフテラ)つ .\__________
                      (____)        .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
.∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+            ∪∪
                             .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+
            .∴・.゚ ゚.・∴..*.☆+


763名無し草:03/10/28 11:02
ナフテラ様〜
764<お約束>:03/10/28 11:10
再度、<お約束>を読み返してみようよ

・ここは社交場ですので特に形式は決めません。質問・雑談・作品発表ご自由に。
・作品がほのぼの系なので、あまり殺伐とした雰囲気はご勘弁を。
・作品の好みは人それぞれ。気にいらないならスルー、煽りや荒らしは完全放置。
 あとは常識的マナーの範囲で。。。
 
ねっ
 
今日、遠い約束様のうpを心待ちにしている一人です。
765名無し草:03/10/28 11:14
だけど実際に他作品がどんどん減っていって、現在1本だけ。

パクリ事件以来、まともに掲載されたのは短編だけ…

まぁいつか嵐も過ぎるだろうと生暖かく見守るつもりだったけど

異常なレスをROMるのも最近しんどいです。

他の作品の共存を許せない理由って何なんですか?
766名無し草:03/10/28 11:17
記憶の恋人作家さんは規制中なのかな〜気になるよ。

小ネタでもうpしてみようか。
767名無し草:03/10/28 11:25
>面白い連載が沢山あれば自然に感想も散っていくだろうよ

それが面白くないと感じる方がいらっしゃった結果なのでは?
特に同じ現代ものを扱っていて、うp量の多かった作品などは目の上のタンコブだったんだろうな。
768遠い約束Ψ(`▼´)Ψ:03/10/28 11:34
>>704
123
明るい太陽の光が射しこむ部屋の中で、シークはキャロルを妻にした。
全てが隈なく露わになる強い光を恥じて身を固くするキャロルを宥めるように接吻で覆い、ムーラが着せたばかりの衣服を優しく、でも断固とした手つきで剥ぎ取っていく。
「何も恐れることはないよ。これまで幾度か私はお前に男女のことを・・・教えてやっていただろう?お前は良い生徒だった・・・」
とうとうキャロルの上半身は剥き出しになってしまった。強い光に映える白い肌、その白さをさらに強調する頼りないふくらみの頂きを飾る乳嘴の薄紅色にシークは満足の笑みを漏らした。
「何と可愛らしいのだろう、私のシェイハは・・・」
シークはふくらみを優しく捏ねるように弄び、男を誘う薄紅色の突起を舌で思う様、味わい嬲った。その間にも空いたほうの手はキャロルの肌を探り、その吸い付くような感触に酔うのだった。
キャロルは唇を噛み締め、今までとは比べ物にならないほど激しく甘やかな愛撫に耐えた。男の舌が敏感な場所に触れるたびに、もっと敏感な場所がひとりでに震えキャロルを戸惑わせた。
(ふふ、快楽に溺れて奔放に乱れてくれれば男は嬉しいのに・・・。だが乙女がよがる事もできずに困惑しているというのも・・・そそるな)
「お前の全てを私に・・・お前を子供でない身体にする許しを私に・・・」
シークはキャロルの耳朶に囁くと、残りの衣装をすっかり取り去り、脚の間に割り込んだ。そのとたん、男を誘う甘い蜜の匂いが立ちこめた。
「ああ・・・強がらなくていい。お前は・・・女になるのだ・・・」
これまで接吻と医師めいたいささか無粋な触れ方しか与えたことのないキャロルの女性の器官をイズミルは初めて男として味わい、愛撫した。複雑な襞を舌で解し、指先でくつろげ、揉みしだき、溢れかえる蜜を啜った。
巧妙で、ねっとりと纏わりつくような男性の熟練したやり方でキャロルはほどなく、甘い泣き声を漏らしながら生まれて初めての感覚の中に溺れて行った。
769遠い約束Ψ(`▼´)Ψ:03/10/28 11:35
124
「お・・・シーク・・・私・・・もう・・・」
初めての奈落から我に返ったキャロルは痺れる身体を持て余しながら残酷な笑みを浮かべるシークに嘆願した。自分が何を欲しているのかは知っていた。でもそれを口にするのは憚られて・・・。
「もう・・・?私はお前を悦ばせてやれたのだな?ふふ・・・なんと艶めいた美しい顔をして誘うのだ・・・」
シークは腰を覆っていた窮屈な最後の衣服を脱ぎ捨てた。キャロルは自分を熱望するシークの欲望を目の当たりにして小さく震えた。覚えているのよりもはるかにそれは荒々しくて・・・。
「では・・・良いのだな?今度はお前が私に悦びを与えてくれ・・・・」
シークは反り返った自身にそっと手を添え、キャロルの器官を優しく愛撫しながら押し入ろうとした。
だが年若い花嫁のそこは蜜に濡れそぼってはいてもあまりに狭隘で怒張した男はほんの少し入っただけで押し戻されてしまう。
「何と・・・物堅いことよ・・・」
苦しそうに男のものを受け入れようとしているそこが、シークを煽った。接吻や指先の戯れでキャロルを宥めながら、シーク・イズミルはわざとゆっくりゆっくりと無垢の隘路に押し入っていった。
(針の穴にラクダを通すとは・・・このことか・・・)
キャロルの苦痛をよそに下手な冗談に苦笑しながらシークは女を押し開いていった。
「・・・・分かるか?私がすっかりお前の中に入ったのが・・・」
シークの言葉にキャロルは心底ほっとした表情を見せた。これで終わると思ったのだ。だがキャロルの期待はあっさりと裏切られた。
花婿は苦痛とわずかな恍惚感がない交ぜになった花嫁の美しい顔を愛でながら、男の動作を繰り返したのである。キャロルが耐えきれずに漏らした悲鳴はイズミルの唇に吸い取られていった・・・。

シークがようやくキャロルの中に精を放ったのは何時頃のことだったのか。
男女のことでまだ快感を覚えるほどにはなっていない新妻の傷ついた身体を優しく清めてやりながら、シークは深い満足感を覚えた。
「愛している、キャロル。私のシェイハ・・・。私は・・・今日お前が流した涙にかけて未来永劫お前のものだ・・・」
キャロルは優しく微笑むと初めて自分からシークに接吻した。
770名無し草:03/10/28 11:47
初夜らしくて萌え〜冷静な王子イイ!
いきなりアンアン喘ぐのも興醒めだったんで安心しますた
771遠い約束:03/10/28 11:47
他の作家様達と一緒にお話をアップするのが楽しくてここまできてしまったのですが
調子に乗りすぎて空気が読めなくなっていたようです。
不愉快に思われた方、ごめんなさい。そして私のせいで他の連載が途切れたり、
そのために不愉快な思いをされた方に心からお詫びします。

他の作家様が邪魔だからアンチな書きこみをしたなどとお考えの方もあるのですが
それについては、「たかが匿名でおそらくはここ以外には受け入れがたい
二次創作を書いているだけ」の身ですので、調子に乗って「作家ヅラ」して天狗に
なるほどおめでたい厨ではありませんとしか申し上げられません。

私自身は、ここで書かせていただいてはいましたがそれ以上に他の作家様達のお話
が楽しみな読者もあります。
空気が読めず結果としてここの雰囲気を悪くしたことは幾重にもお詫びします。
今書いている話は次回で終わらせます。
どうか他の作家様方、また作品を読ませてください。
772名無し草:03/10/28 11:54
それでも最後まで書ききるアンタは偉い!
773名無し草:03/10/28 12:08
やっぱり物語は完結してこそ華だと思うよ。
少なくともここでは。
(本家は無視)
774名無し草:03/10/28 12:13
>>773

あ、それは激同。
完結あるからこそ、物語が成り立つんだもん。
775名無し草:03/10/28 12:17
完結させないより
完結させる方が大変だけど、やはり放置は哀しい。
776名無し草:03/10/28 12:29
完結していればアレコレ書くのも楽しいけど
未完放置だと感想の書きようもないね。
何言われても結局、結果論だから。
777名無し草:03/10/28 12:38
終わってから、色んな感想書くならフェアだけど
あくまで中断までさせて平気な読者ってすごくない?
778名無し草:03/10/28 13:16
中断させたのは読者か?
単なる読者が中断させるまでパクリと騒ぐか?
言うつもりも無かったけど、本人以外の誰があんなに騒ぐんだよって心でオモてたよ
779名無し草:03/10/28 13:18
>>遠い約束様、
もうおしまいなのですか? 雰囲気が読めないなんて誰も思っていないと思います。
もしかしてこの嫌な雰囲気がなかたら、もうちょっと長く続いたのかしら?
終わったらイヤン。楽しみがまた一つ減りまする。

私って、鈍感でした、記憶の恋人の作家様は、忙しくてうpしていないだけだと
思っていました。うpしたくなくなった雰囲気があったのですね。気づきませんでした、
ああ、雰囲気の読めない一読者がここに。鬱。
780名無し草:03/10/28 13:38
>>779

なんだか、一読者を装ったレスですなぁ。
さりげなく読者のせいにしてしまう辺りが何とも。。。
781名無し草:03/10/28 13:39
あんまり変に穿ち過ぎたレスを入れない方が…
782名無し草:03/10/28 14:03
”完結してこそ華”なのしょうが、どの作家様も未完で終わらせるのは
甚だ不本意なのだと思います。

未完作品の続きをいまだに諦めきれない読者は多くいます。
未完作品の作家様もどうか続きを発表して下さいませんか?
遠い約束様に堂々と今の連載を遂げて頂いて、未完作品が完結すれば
ここのスレに平和が戻ってくると思うのですが・・・

そういう私も昔にうpした作家ですが、この雰囲気が変わらない事には
やはり書きたくてもうpしづらいです。
執筆するにはかなりの労力がかかりますし、それを支えてくれるのは一重に
ここの皆さんのレスの力だったりします。
それが中傷や疑惑に満ちていては、恐ろしくて尻込みしてしまいます。
書く気力さえ失くしてしまうでしょう。
あえなく中断された作家様達の残念なお気持ち、お察し致します。
すべての作品を最後まで楽しめたらと願っています。

書く側としても読む側としても、ここの熱烈なファンです。長文すみません。
783名無し草:03/10/28 14:29
>>782

禿同。未完作品が完結しないことには本当のマターリは戻ってこない気がしまつ。

一番心配なのは
作家さまが誰もいなくなっちゃったらどーしよぉぉ…
784名無し草:03/10/28 14:41
そんなに書きたきゃ自分のHP作ればいいじゃねぇかyo!
785名無し草:03/10/28 14:47
私もここにうpされた作品は最後まで読みたいし、
どんな作品もそれぞれの作家様の個性があって
いつも楽しみにさせてもらってます。

未完の作品の作家様、どうか最後までうpしてください。
他の作家様も、どんどんぅpして下さい。
お願いです。
786名無し草:03/10/28 14:57
>784
そうだね、他作品と一緒になるのが嫌なら不特定多数の作家がうpする所よりも
自分専用のHPや何かの方が良いかもしれませんねぇ。
787名無し草:03/10/28 14:58
未完の作家様の書く気がなくなるのも無理はないと思う。
それを攻める権利が果たして我々にあるのか?
788名無し草:03/10/28 15:07
自分の主観だけでパクリだ、他人を蹴散らしている、悪いのは誰それだ・・・
そりゃ書く気のなくなる作家様もいるよねー。
それをまた面白がって(?)煽る香具師もいるし。

でもさ、自称愛読者、作家様の大ファンに煽られるままゴカーン、リンカーン連発の
オニ作品書いといて、オカズ呼ばわりされただけで逃げる&無責任愛読者の
詮索魂に火をつける、結果としてここが荒れるっていうのもどうよ?
789名無し草:03/10/28 15:07
ま・さ・に!!
778タソに同意だ
790名無し草:03/10/28 15:13
誉めても貶してもいけないのねん。
791名無し草:03/10/28 15:20
ここでないスレで同じような諍いがあったなぁ・・・。
自分専用HPでやるよりも、匿名掲示板のここで感想をもらいたいって人もいるよ。
マンセーだけでない本音が聞ける場所でもあるかららしい。

大体皆さん毎日のようにうpされている現状に甘えていませんか?
多くのスレは一ヶ月に数本、一週間に一本あればいい程度だと思うよ。
作家さんだってお金もらって書いているわけでないのだから
途中で終わらせたって別に文句は言えない。

とりあえず、「遠い約束」作家様は何も悪くない。
周りが騒ぎすぎているだけです。
792名無し草:03/10/28 15:26
>>790
あなたが褒め殺しをしていた犯人でつね! また煽ろうとしてまつね!
793名無し草:03/10/28 15:40
遠い約束作家様・・・

個人レスにいつもちょっとトゲがあるのよね。
「お話以外で作家がしゃしゃり出てくるのはどうか」とか
「たかが匿名でおそらくはここ以外には受け入れがたい二次創作を書いているだけの身」とか。
作品の後のレスで読者さんと交流される作家様も多くいらっしゃるわけで。。。
ここで書く理由が、他では受け入れてもらえないから、てのがまた気に障る方もいらっしゃりそうで。。。
ご本人の謙遜のつもりなんだろうというのは伝わるんだが。
固定観念強いんかな。いや、ちょっと些細な言葉でさらに誤解招いてそうで気になっただけ。
関係ないこと書いたかな。
スルーして、スマソ。
794名無し草:03/10/28 16:07
ま・さ・に!!
>>778タソに同意だ

私も〜
795名無し草:03/10/28 16:10
謙遜されてるんだとは思う。
なので、そこまで言葉尻までうがった読み方するのもどうかと・・・。

私も過去ちょっとだけうpさせてもらったけど
読者の人には悪いなあ、って思いながら
文章を書く修行のつもりだったんで
賛否両論の意見が読めるのはありがたかったし
自分のサイトでもないところにうpさせてもらって悪いな、ていう気持ちもあった。
だからそこまで言われると辛いよ。
796名無し草:03/10/28 16:24
うっせーんだよ。ばばあどもがなにいってんだか。
797名無し草:03/10/28 16:46
ばばあにばばあと言えるあんたもばばあw
798名無し草:03/10/28 16:49
ジャイアントババア
799名無し草:03/10/28 16:55
そして十六文キーック?
800名無し草:03/10/28 17:11
人を呪わば穴ふたつ、他人の道を塞いだら自分の道も閉ざされる。
もう皆よーくわかったんじゃないですか。
無記名だからって、2ちゃんだからって好き勝手言って言い訳ではないよ。
結局、誰も書けない・読めないでは作家様も読者も何も楽しみが無いですもの。

次に作品がうpされたら、温かく迎え入れたいです。
感謝の気持ちを込めてレスを付けたいと思ってますので…作家様達帰ってきて〜ぇ(泣)
801名無し草:03/10/28 17:47
書こうが書くまいが、完成させようがさせまいが、
金もらってるプロじゃないからしょうがないっつのはわかる。
でも、2ちゃんだから好き勝手言っていいわけじゃないけど、
2ちゃんだから荒れることもあるわけで。
それが合わない、色々言われるのが怖いっていうなら
ほんとに自分でサイト作ってやったほうがいいと思うよ。
802名無し草:03/10/28 18:14
でも中途で投げるよりガッツで完結させて欲しい。
作品が気の毒だよ・・・・・
803名無し草:03/10/28 18:33
>>801
一般的にはごもっともなご意見ですがー
それを言ってしまうとホントに作家様がいなくなりそうでつ(´・ω・`)

ダイジェストや個人サイトへ直接投稿されても読者は読めるけど
ここにうpされるのを楽しみにしてる者としては辛い。ウワァァァァン
804名無し草:03/10/28 18:33
未完の作品の続きを読めたら嬉しいけど。
セカンドレイプ(表現が悪いけど)みたいじゃない。
謝罪未完後も、色々と言われ続けていたのにさ、完結させろとは・・・

いえないよ。・゚・(ノД`)・゚・。
805 :03/10/28 18:37
806名無し草:03/10/28 18:45
>>805
誤爆?
「漂流自衛隊2 激突篇」  要らないよぅ・・・
807名無し草:03/10/28 19:18
都合で全くネットできないって時はしょうがないけど、、
2ちゃんで規制された場合は、
ダイジェストの掲示板も書けなくなるの?

他の作家様がだんまりを決め込んでると、
遠い〜作家様だけを、悪者に仕立て上げようと
してるんじゃないかと受け取られかねないよ。

更新やめた作家様は、絶賛されなきゃヤダ!ってタイプなの?
続けていれば理解してくれる人もいたかもしれない。
それもせずにウジウジしてるんだったら、最初からうpしなきゃいいのに。

それとも未完作としていつまでも語り継がれたい、
なんて自己陶酔してるワケ?
808名無し草:03/10/28 19:23
>色々言われるのが怖いっていうならほんとに自分でサイト作って

そ、それを言っちゃぁ、このスレが駄目になっちゃう・・・。
夏以降、ほんとに作家さんが居つかない状態だったんだ。
作家さんが来なくて保守ageだけのスレにはしたくないです。
ここは2ちゃんとは思えないほどマターリしてて好きだったのに・・・。
809名無し草:03/10/28 19:31
>>807
キタ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ(゚д゚)ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━━!!
810名無し草:03/10/28 19:40
>>807
ぅおおっ、ついに登場!さ〜泥仕合を見せてくれ
811名無し草:03/10/28 19:43
>807
>他の作家様がだんまりを決め込んでると、
>遠い〜作家様だけを、悪者に仕立て上げようと
>してるんじゃないかと受け取られかねないよ。
  
 そんな風には受け取る人なんてどこにもいないよ(つД∩)。゜・
812名無し草:03/10/28 19:47
【実況中継】

まずは>>807のきつーいジャブ。
「更新やめた作家様は、絶賛されなきゃヤダ!ってタイプなの?」

\(゚∀゚)/ <そうでつ!絶賛されなきゃヤダ!ヤダ!それは君もだろ?
813名無し草:03/10/28 19:48
プロですら絶賛されたいのみで描いてる人多いのに
素人じゃ何を言わんや
814名無し草:03/10/28 19:50
ここって、煽っているのって、本当に一人二人では? ID出たらわかるのにね。
 
とりあえず、作家タソ カムバーック。
815名無し草:03/10/28 19:50
【実況中継】

つづいて>>807の右フックがクリーンヒットォ!
「続けていれば理解してくれる人もいたかもしれない」

\(゚∀゚)/ <それは、テメェの作品なんか誰も理解しちゃいねぇヨって事スか?ひぃぃ〜
816名無し草:03/10/28 19:56
【実況中継】

>>807の強烈なアッパーで見事にKO!
「自己陶酔してるワケ?」
1RでKO勝ちー!見事に相手を下しましたー!無敵の強さですー!

\(゚∀゚)/ <そうでつ。ごめんなさい。もううpしませーん
817名無し草:03/10/28 19:57
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1058198507/l50
ここでやれや。ぼけども。
818名無し草:03/10/28 20:03
煽りに格好のネタを与えてどうするよ!>807

誰も遠い約束作家様が悪いとも、他の作家様達が悪者に仕立ててるなんて
思ってないでしょーが。まともな住人はスルーしてる。
全部、荒らしなんだよ。落ち着けって。
819名無し草:03/10/28 20:03
これこれ・・・。
820名無し草:03/10/28 20:09
私荒らしじゃないけど、ひとこと。

作家様って皆さん、お金を貰うわけでもなく、言えばボランティアで書いてくれてるのよね?
絶賛されなきゃ嫌なのか、自己陶酔してるのか、なんて言われたら

そりゃ、もう書いてくれなくなるわな。
821名無し草:03/10/28 20:26
なんだかねぇ。
822名無し草:03/10/28 20:30
807の遠い約束作家様新作でつか?
823名無し草:03/10/28 20:31
これで、しばらくうpないのね。
さびしい・・・
(´・ω・`)ショボーン
824名無し草:03/10/28 20:34
やっぱりあの人キツイわね。ひと言ひと言が。
825名無し草:03/10/28 20:38
遠い約束を書いている人へ。
あなたの言い分はわかりました。つまり自分にされて嫌なことは他人にもしない、つまり他作家さんを陥れるようなことはしませんでした、と。
でもそういうこと言う前にあなたが書いたもんの後に書いたせいでパクリと言われて消えていった作家様たちに、やっぱり謝罪してください。

作家デビューして面白いものを書こうとしていたときにパクリ呼ばわりされた心の傷がわかりますか?悔しさがわかりますか?

あなたは他作家様は決してパクリなどではないと煽る香具師達に毅然と擁護するべきでした。

それができないから今、叩かれる。当たり前のことです。
まず消えていった作家様達に謝罪してください。
826名無し草:03/10/28 20:39
と言うか、すごい暴言だな。>807

遠い約束作家様だとは断じて思ってない。
いや、仮にもモノを書いている人の言葉だとは思いたくないね。
単なる煽られて舞い上がった読者が書いたと思いたい。
827名無し草:03/10/28 20:46
なんかさぁー >>825も不自然だなぁ。
消えていった作家様の一人を語ってますが、ホンモノでつか?
825様はどの作品を書かれた作家様ですか? なんて、思わず聞いてみたくなるよ。
828名無し草:03/10/28 20:51

       、''"''''''丶ヽ、.,、
        .、、: : : : : : : : :`'',,、
    、 .,.,.,: : : ゙':、   : : : : : : : ゙'.、,,,
    .゙″ `゙^''ー-,`‐  :   : : : : `;;.
     `、 : : : ::,,:'′      : : : : : : `;;、
      ヽ  :,,:'´         : : : : : `;
      ` 、,:'           : : : : :: .';
       : ,"             : : : : : :;;
      : .;    ,: ''''"``;∠     : : : : ;;
      : ."   ,:'    ,:'ヽ    : : : : : :′
       : .ヽ,:'     ,''___     :: : : 丶  
        ,:'    :'ヽヽヽ)    : : : : : : :゙;; 
        ;     ;'、., ̄ ̄       : : : : :: ゙;、
        ;    ;  :;;             : :: ;;

このスレ好きなんだよーーーーー。
829名無し草:03/10/28 20:52
なんだかもつれてきてごちゃごちゃだね。
もう言葉だけでは伝わらない。
メンフィスや王子なら「黙れ!」と
抱き締めてしまうだろうに。はあ〜
830名無し草:03/10/28 20:58
消えた作家様が今になって謝罪要求のコメントするか?しかも無記名。
「感動の謝罪劇」の布石かとオモタ。
違ごたらスマソじゃ。

そもそも、他を擁護しなかっただけの事なら、全然謝る必要ないんじゃー?
831名無し草:03/10/28 20:59
人口が増えたら下品になってきた。
832名無し草:03/10/28 21:01
>>829

抱きしめて「黙れ!」ってイイねぇ!
何だか妙に萌えますた。メンヒスにやってほすぃです。あうー
833名無し草:03/10/28 21:02
>828
きゃあ。きゅうん・・ときちゃった。
猫ちゃんに禿同〜
834名無し草:03/10/28 21:11

真剣な討論が始まるのかとレス読んでいたら、ボクシング実況中継で誤魔化されてるし。
風刺が効いてて面白い。あれ、荒らしだったの?妙にマターリしたけど。

メンヒスや猫に萌えてるおねいさん達も面白い。
835名無し草:03/10/28 21:33
>>827 禿同。

擁護しなかっただけで、そんなに避難される事はないと思うよ。
擁護したら、したで、また何か避難されるでしょうよ。
825さん、気持ち悪いよ、頭大丈夫ですか?
もし本心からそう言っているなら、かなり精神的に危ない人ですよ。
今までここで何回も雰囲気を悪くしていたのは、あなたですか?
836名無し草:03/10/28 21:37
さあ、泥沼化となってまいりました。
837名無し草:03/10/28 21:40
>>834 ボクシング・・・実は私も思わず笑ってしまった。
新型ナフテラ様?
激論にならずに良かった〜
838名無し草:03/10/28 21:46
ともかく、一段落したらすべての作家様達に戻ってきて欲しいな。
未完作品の続きは作家様本人が気乗りでなかったら、新作でも嬉しい限りです。

今度、変な貶めレスつける香具師がいたら、わたし荒れるの承知で叩く覚悟でございます!
ああいうのを見過ごしちゃいけないと、今回思いました。
一生懸命書いてくれる作家様を護ってあげるのは、読者の仕事かな。
ただで楽しませてもらってるもん。
せめて、心のこもったレスや姿勢で作家様の創作意欲を大切にしてあげたい。
クレクレ言うだけが読者ではないですもん。


残念ながら、文が下手すぎて作品は無理ですが
ネタだけなら、私のヤヴァイ妄想で良かったらいくらでも提供いたします(要らんてか?)

王子もメンフィスも他キャラも、どのお話も楽しみです。
本当に・・・作家様達、戻ってきて下さい。
839名無し草:03/10/28 21:52
ネタ、欲しいですw

書けたらまた書いてみたいw
840名無し草:03/10/28 21:59
>>838
激しく胴衣しますた!
確かにスルーすべきものと、叩いて潰さなきゃいけないものがある。
そうだよね。酷い事言われても
作家様はスルーするしか出来ないんだよね。
書く気なくしちゃうよね。。。
二度と作家様を未完に追い込まない様、読者も頑張りまつ!
作家様、カムバック!!

ネタというかリクはOKでつか?>>839作家様?
841名無し草:03/10/28 22:04
>840
書けるかどうかはわからないけど
ネタはとっても嬉しいです♪

もちろん、他の作家様も書いてください♪
同じネタでも、作家様によって味付け違うから。
842名無し草:03/10/28 22:07
遠い約束を書いている人へ。
あなたの言い分はわかりました。つまり自分にされて嫌なことは他人にもしない、つまり他作家さんを陥れるようなことはしませんでした、と。
でもそういうこと言う前にあなたが書いたもんの後に書いたせいでパクリと言われて消えていった作家様たちに、やっぱり謝罪してください。

作家デビューして面白いものを書こうとしていたときにパクリ呼ばわりされた心の傷がわかりますか?悔しさがわかりますか?

あなたは他作家様は決してパクリなどではないと煽る香具師達に毅然と擁護するべきでした。

それができないから今、叩かれる。当たり前のことです。
まず消えていった作家様達に謝罪してください。
843名無し草:03/10/28 22:09
>わたし荒れるの承知で叩く覚悟でございます!

荒らし・煽り・厨房は完全無視すること。
無視できない貴方も厨房です。

ったく。やれやれ
書き手も読み手も上手くスルーできんのか
844名無し草:03/10/28 22:14
でも・・・
スルーした結果がコレでしょ?
作家様はどんどん消えて、荒らしが言いたい放題の温床になっちゃった。

明らかに特定作家様や作品を陥れるようなレスは潰していいんじゃない?
要は見極めが必要だけど。
845名無し草:03/10/28 22:14
遠い約束が他の作家を擁護しとくべきだった。
擁護しないから蹴落としたと思われてもしょうがない。
謝罪しろ、蜜柑作家様達にまず謝れ。
846名無し草:03/10/28 22:16
蜜柑じゃない、未完だった(藁
とにかく残って書いていた香具師が悪い
消えた作家様が悪いんじゃない、残ったのが悪い
847名無し草:03/10/28 22:16
>845

アンタ、まだいたの?もう、えーっちゅうねん!
848名無し草:03/10/28 22:23
変に謝ったりしちゃ、余計におかしくなるんじゃ。別に悪くないってのに。
この状況の中でも、完結される意志はほんとに偉いと思う。
どうか、最後まで頑張って欲しいです。
遠い約束作家様は謝る必要なんてありませんよ。
私は、それよりむしろ他の作家様にエールを送ってあげてほしいな、と思うよ。
849名無し草:03/10/28 22:34
遠い約束作家さん、気にすること無いからね。
他の作家さんも荒らしに負けないで。いつでも
マターリうpしてくれるの待っています!
850名無し草:03/10/28 22:34
ンだね。
遠い約束作家様も、他作家様の作品を楽しみにしてらっしゃいますよ( ^ー゜)b
皆で作家様カムバック運動を♪

>>841作家様 たまには振られるor片思いのキャロルが見てみたいです。駄目かなぁ?
851名無し草:03/10/28 22:35
すみません、どこをどう読んだらこんなに荒れるんですか?
私はここが好きなので、謝れとか悪いとか書き込む人の方が怖いのですけれど・・

王家のファン層は厚いので一概にお祭り厨ばかりではないとは思うんですが、
ここは初めから読んでいる者として、
いびつな粘着がいて以前にもひどいことをしたり、荒れてはスレ2分の話題に
なったりも見ています。
でも、ここ最近はすぐこんなになっちゃって、このまま荒廃していくのを
見ているのも辛いです、スレをつぶすのが目的なんですか?
852名無し草:03/10/28 22:41
戦争って、二つの真実から起きるんだよね。
両方自分達は「正しい」荒しじゃないって思っているだろうし。
スルーしている者には、両方が荒しだろうしね。
それぞれに抑えてきて、吐き出したいものがあるんだろうけど

その先にマターリがあると信じたい。

自分語りゴメン!
853名無し草:03/10/28 23:03
アクセス規制で今までずっと書き込めなかったよー
作家様達もそうなのかもしれないね。
嵐になんか負けないぞ!これからもこのスレを愛しつづけます!!
854名無し草:03/10/28 23:07
スレがきれいに流れていくことなんて有り得ないんだから、
スルーが基本。「自由な掲示板」だから、マターリも批判もあって当然。
いちいち反論したり、言い訳したり、過剰に下手に出ることもナシ。
はたまた反してそうするも良し。
スレタイとルールにそっていれば気にならない。
855名無し草:03/10/28 23:27
>>854
そう思うよ。
荒しが来ることもあるだろうけど、臨機応変に対応するしかないね。
ルールなんてあくまでもマニュアル、原則だからね。

マターリしてた頃のスレのレスを読んでると、他を誹謗するレスなんて全然付いてない。
どの作家様も他と上手く共存されて気持ちよく書かれてる感じ。読者も上手く盛りたてている。
良いムードは作家だけでなく読者も一緒に作っていくものだと思う。
856名無し草:03/10/28 23:49
書きづらいだろうけど、嵐につぶされそうなこんな時こそ作家様方に
書いてほしいです!作家様達が来てくれてはじめてこのスレは立ち直る!
どうか嵐が何を言おうと気にしないで下さい。
たーくさんのファンが作家様達の見方です!!!
857名無し草:03/10/29 00:01
そう急かさなくても(w
マターリと待ってますよ。
858名無し草:03/10/29 00:12
片思い、振られるキャロル・・・。
面白いなあ。

書ける人、よろしく。
859名無し草:03/10/29 00:51
自称駄作作家です。

いきなり書き始めるのは躊躇するんで
リレーとかどうですか?
リハビリがてらに・・・なんて(笑
860名無し草:03/10/29 01:32
すんごいスレ消費速度。
怒涛の新作うpだったらナー・・と嘆いてみる。
861名無し草:03/10/29 07:42
作家タンのリハビリ発言にワロタ!

穏やかな朝です〜
今日は遠い作家様の最終回(今日なのかと決め付けたりして……)
ずっとロムしてたけど、作品は楽しく読ませてもらってました。

楽しみです〜〜。

862名無し草:03/10/29 09:00
業務連絡です!
王族乙女の皆さま!
ダイジェストサイトさん、更新でございますわよ!
863名無し草:03/10/29 09:17
またま遠い約束連載と同時期に連載していたヤシがパクリ扱いを受けて、たまたま
内容が似ている遠い約束作家が即座にヤシを擁護するレスを返さなかったから、
ヤシが遠い約束作家を逆恨みして粘着厨やっている、ってことか?

ま、作家同士の確執ではあるな、一方的だけど。(そもそもそんなことあったか?)

しかし、おんなじ漫画をベースにして副次創作してるんだから、主要登場人物の性格や
タイムスリップ・記憶喪失・秘薬・諸国漫遊・etc. 設定や小道具モチーフが被るのなんか
当たり前。その時々のスレの流れで、自分が暖めていたお話を他の作家の作品読んで
触発されることだってあるだろう。同じ漫画のファン同士、萌え視点が似ている方が当たり前。
意図的だと一目でわかるようなパクリ作品がうpされたわけでもないだろうに。

作家も読者も、

本 編 の 連 載 で は 満 た さ れ な い 鬱 屈 を 満 足 さ せ る こ と

をここでの創作に求めてたんじゃなかったの?!

ちょっと話が似てようがΨ(`▼´)Ψ が多かろうが少なかろうが、そんな気持ちがそれぞれの
作家たちの創作でおおよそ満足しているんなら、そして、そのお話の内容が「スレ住人の
総意で」受け入れられるような範囲ならば、どんなお話だっていいだろうに。
864名無し草:03/10/29 09:26
リレー面白いかも。。。
今後書くならダイジェストに直接送ろうかと思ってたけど
やっぱり書く人間としては読者さんの反応が知りたいんよね。
皆さん他の作家様がいないと書きづらいだろうし、良い呼び戻しになるかも。。。
誰かネタふり&先頭きってください、参加します。

管理人様、いつもありがd。
865名無し草:03/10/29 09:33
>>遠い約束作家が即座にヤシを擁護するレスを返さなかったから

またこの人?>>825
擁護レスを返さなかった事に異様にこだわる人だねぇ。
視点のズレ具合が凄いな。擁護レスなんかしなくても悪かないでしょが。
866名無し草:03/10/29 09:49
>>863は同じ話をむしかえしたい嵐タンでつか?
せっかく作家様達がリレーや新作を書いてくれそうな
マターリに傾いてきてるのに〜。ハラハラしまつ。
やめてほすぃ(´・ω・`) 
867名無し草:03/10/29 09:54
リレー賛成〜\(^o^)/
  
自由参加制? 固定メンバー制?
 
ナンバーふってリレーしていきます? 「お次は3さんへ〜」とか
868名無し草:03/10/29 09:55
そう?
最後まで読むと「何でもありでいいんじゃない」的に私はとったけど?
最終目的は一緒なんじゃないか?
ちょっとキツイ言い方ではあるけどね。
869名無し草:03/10/29 10:00
>ま、作家同士の確執ではあるな、一方的だけど。

この一言があるから好意的に読めないよ。
なんでそんなに作家の誰かを悪者にするシナリオを作ろうとするの?
だれもそんな風には思っていないって・゚・(つД`)・゚・
この騒ぎはただの粘着荒らしが面白半分にからんでたダケにだと
理解してるよぅ。作家様達は一生懸命に書いてくださってるのに、
あげくに悪者扱いじゃ気の毒すぎるよ。

リレー、がんがって下さい。
870名無し草:03/10/29 10:01
まあ、パクリでも何でもありと考えてますよと言いながら焦点は他にある感じですね。
言い方がキツイんだよね・・・
871名無し草:03/10/29 10:07
もう、これ以上墓穴を〜〜〜と言ってしまいそうになる。
一方的って、一方的なのは863だよ。
決め付けもいい所だ。

それより、私もリレー応援しています!昔のスレを思い出すな〜〜。
872名無し草:03/10/29 10:13
>>863

「おはようございマス、遠い約束様」

と言いかけてしまいますたが人違いですた、イヤン。すまそ。

逝ってくる〜
873遠い約束:03/10/29 10:16
>>769
125
二人は黙って抱き合って刻々と位置を変える影を眺めていた。触れ合う肌は心地よく、互いに安心できた。
(私はようやく愛する娘を手許に置くことができる。私の傍で大切に傅き守って幸せにしてやろう。そう・・・今度こそ幸せな生涯を送らせてやること、決して泣かせぬこと、それが私の務めだ。
何もかもこれから始まるのだ。前世での不幸な私が・・・今生の私に託した遠い約束を果たして・・・)
シークはそっとキャロルの首筋を撫でた。白かったそこのここかしこには彼がつけた接吻の跡があった。
(もう・・・この首筋にこれより他の印はつけさせぬ)
「愛しい・・・。お前は暖かくて心地よい。よく今までこの暖かさなしに過ごせたものだな」
似つかわしくない甘い睦言を口にする男に、キャロルは恥ずかしそうに微笑みかけた。
「こ、これからはずっと私が暖めてあげる・・・」
「嬉しいことを言ってくれる。・・ありがとう、キャロル。お前が私を選んでくれたことがとても嬉しい。
・・・・・ずっと私のそばにおいで。もう私と一緒でなければどこにも行ってはいけない。よいな?」
頷くキャロルの脳裏にライアンの言葉が蘇る。

─キャロル、お前はもうアル・シャハルの人間になる。シーク・イズミルのお妃だ。現実というのはおとぎばなしではないから辛いことや嫌なこともあるだろう。
でもお前は何があっても泣き言を言ったり、僕らのところに戻って来たりしてはだめだよ。これからは・・・僕たち家族ではなくシーク・イズミルだけがお前が頼り、縋れる相手なのだからね。
何があってもシークと一緒に乗り越えていきなさい。それが・・・人を愛するということだからね。
分かったね、‘ライアン兄さん’の言うことを忘れないでおくれ・・・。

「ええ・・・私はあなたを愛したの。だからずっとずっとあなたと一緒よ」
キャロルは暖かく滑らかな男の肌に自分の肌をさらに合わせた・・・。

874遠い約束:03/10/29 10:17
126
アル・シャハルの摂政王子の妃、シェイハ・キャロルが懐妊したのは結婚してから一年半後の春のことだった。
結婚後も兄ライアン・リードの意向と本人の強い希望でアル・シャハルの大学に通い、勉強を続けていた「学生妃殿下」の懐妊は国中から好意的に祝われた。
シェイハ・キャロルは懐妊が分かった後、退学の届を出し出産のその日に備えた。本人は学業の中断を少し残念に思ったし、噂によればライアン氏は卒業前に妹をそんな身体にした義弟に不快感を表したそうである。
シェイハ・キャロルのおかげで王家への親愛度と、女子の進学率が飛躍的にあがったアル・シャハルであるので、政府は早速シェイハ・キャロルの名を冠した奨学基金を設立した。

シーク・イズミルが懐妊した妻を気遣うことはこの上なかった。
もともと勉強熱心なたちであるのでせっせと関連書を読み漁り、得たばかりの知識を振りかざしてあれこれ口を出すものだから、キャロルにもムーラにもすっかり煙たがられている。
「大丈夫よ、シーク。お医者様は順調だとおっしゃっていてくださるわ」
「そういう油断があるからいけないのだ。お前はまだ二十歳にもなっていないし、大学にも通っていたし、初めての出産なのだし・・・。
ああ、気が揉めることだ。こんなに早く身篭らせるのではなかったな・・・」
「まぁ、シーク!心配しすぎだわ。私が決めているの。元気で可愛い赤ちゃんを産みますって。私が決めているんですもの、絶対に大丈夫なの!」
「お前は本当に太平楽すぎるのだ・・・。本当に子供だな!」
人々は微笑ましく、この夫妻のやりとりを見守っていた・・・。
875遠い約束:03/10/29 10:18
127
そして。
月満ちてアル・シャハルのシェイハ・キャロルは男児を出産した。父親に似た美しい嬰児を誇らしげに眺めながらキャロルはシークに問うた。
「シーク・イズミル・・・。‘また私達の所に生まれてきてくれた’この子には何と名前をつけましょう?・・・・・スレイマン?」
シーク・イズミルは妻と生まれてきたばかりの息子に慈しみ深い眼差しを注ぎながら優しい深い声で答えた。
「ナスル(勝利)・アースィム(守護者)・・・・サマーフ(赦し)王子」
サマーフ(赦し)と聞いたキャロルの胸が熱くなる。何に対する赦しであるのかは・・・聞くまでもないこと。
「私は神に与えられた今、この生を生きているのだ。前世などに囚われて生きることは・・・したくない。この子も全く新しい自分の幸せな人生を力いっぱい生きて欲しい」
「良い名前だわ・・・ナスル・アースィム・サマーフ王子・・・」
キャロルはそっと自分の手をシーク・イズミルの大きく暖かい手の中に滑り込ませた。
「我々は、我々の人生を歩むのだ、キャロル・・・」

アル・シャハルはその後、政治的に安定した近代的な富国として世界にその名を知られることになる。即位したシーク・イズミルは祖国中興の祖として長く国の歴史に名を留めるだろう。
その傍らにあるシェイハ・キャロル。アメリカ生まれの彼女は異文化を繋ぐ存在として、その務めを果たすことになる。そして家庭にあっては4人の幸せな兄妹達の幸せな母親である。

遠い約束は果たされ、哀しみの呪縛から解かれた者達は新しい生を歩き始める。
悲しみや苦しみに押しつぶされることなく、時に迷いながらも強い心を持って幸せに生きること・・・・それがキャロル達の新たな約束であるのかもしれない。
876遠い約束:03/10/29 10:18
ようやくといったかんじで最終回です。今まで読んでくださった方、色々と書きこんでくださった方、そしてスルーしていてくださった方、本当にありがとうございました。

長い話を書かせていただきましたが本当に色々あったなぁと思います。
「自分が読みたい話をここで最後まで書く」ということにこだわって、途中で誤解を受けるような皮肉っぽい言葉遣いにもなりました。
「それは完全に誤解だ(涙)!」と思うことがあっても何か言い返せばもっと荒れるだけだと思い、「自分がされて嫌なことは人にもしない!転んでも泣かないで立つ!」意固地になってうpを続けてしまいました。
結果として、ありもしないことを詮索することや他の作家様方が書きにくく思われる雰囲気がうまれてしまったことは本当にすみませんでした。

言葉を連ねれば連ねるほど泥沼になりそうなので、言葉足らずではありますがお許しください。

最後に。
ここで色々なお話を読めるのが本当に嬉しいし楽しみにしています。
私が言って良いのかなと思いますが、言わせてください。
どうかこれからもたくさんのお話を読ませてください。どうか他の作家様もまたすてきなお話を私達に読ませてください。
877名無し草:03/10/29 10:32
本当にお疲れさまでした。
ドキドキワクワクしながら楽しく読ませてもらいました。
ゆっくりと休んで気力体力回復されたら、また次回作を待っていますね。
転んでも泣かずに ・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )ヨチヨチ

管理人様サンクス! 
878名無し草:03/10/29 10:34
お疲れ様でございました。
とにかくゆっくりと休んで下さいませ。

今後はどの作品も貶められる事や中断すること等なく、どの作家様にも
疑惑がかかる事がないと良いですね。
どの作家様にとっても辛い事だったんじゃないかと思いますよ。
879名無し草:03/10/29 10:45
王子おめでとう(*^ー^*)
古代で不幸だった分を、今生でとりもどしてね!
「遠い約束作家様」長い間おつかれさまでした&ありがとうございました。
何があっても最後まで書き切ることは大変だったと思います。
その作家魂に敬意と感謝を!!
880名無し草:03/10/29 10:54
幸せムードのおすそわけでしたね。
楽しみにしていた連載が無くなってちょっとサミチー。
リレー待ってます。
881名無し草:03/10/29 11:07
これで全部終わっちゃった・・・か。

さみすぃ・・・(´・ω・`)ショボーン  

リレー&再開を待ってまつ 遠い約束作家さまも新作よろでつ!
882名無し草:03/10/29 13:14
潰れずに書ききったわけね。
ま、書くのがアタシの無罪の証明よってかんじ?
でもまぁ本当に最終回まで書くとは思わなかったわ。
根性ってか?

    今 回 は 漏 れ が 負 け ま し た
883名無し草:03/10/29 13:14
読者から作家様へリクエストしてもよかですか?

いっそ学園モノとかどうでしょう?
私のイメージでは王子はいつも図書館にいてるのに、いざスポーツとか武道をするとすごいタイプで
メンフィスは全然勉強なんかせずにスポーツしたりふざけて大暴れしてばかり
なのに、成績は王子と並ぶって感じなんですが。

だめ???



884名無し草:03/10/29 13:21
>>882
>アタシの無罪の証明

はいはい。今度はそれが言いたいわけね。
885名無し草:03/10/29 13:25
作家タンって決め付けないで(決めてなかったっけ?)
読者タンも参加したら?
そっから、新たな作家タンになる、きっかけになるかもよ?
886名無し草:03/10/29 13:34
学園もの、面白そうですね
あとは企業ものとか・・・
王子は御曹司とかで、働いているキャロルを見初めるとか
シンデレラストーリっぽいのもいいなあ〜
887名無し草:03/10/29 13:36
882・・・次は荒しを自演でつか。
もうそのシナリオは要らないんだよ。
終わった後も自ら傷を広げなくてもいいのにな・・・
888名無し草:03/10/29 13:39
>>883
うわー見てみたいかも。
( ゚д゚)ハッ! ジミーはどこへ?(w
そういえばパラレルってあんまりないね。ここ。
889名無し草:03/10/29 13:42
地味ーはもちろん登場で!
ライアン兄さん&ロディ兄さんの使用も可ですね。
を、カプターやイムホテップあたりは教師役や上司役で使えそうですな。
リレーそれで逝っとく?
890名無し草:03/10/29 13:50
カプター=セクハラ教師or上司にケテーイ(激笑)
891名無し草:03/10/29 14:19
学園物ならば、是非とも学ラン熱望!
892名無し草:03/10/29 14:20
学園ものいいなぁ。
いっそイズミルタソを先生で如何ですか?

そんでもって
お勉強だけでなくΨ(`▼´)Ψも優しくレッスン♪

でも、ぢつは先生は御曹司♪ ああ、貧困な想像力でごめんなさい〜
893名無し草:03/10/29 14:22
遠い約束の作者様、お疲れ様でした。
毎日うpとワクワクしながら読ませていただきました、また新作お待ちしております。
記憶の恋人、時のナイルを越えて、L.O.V.Eの作者様、うPお願いします。
私はまだ続きを読みたいです、熱烈かも〜んでございます。

ところで、どなたかが、アトラスだけはダメだと書いていましたが、
私、アトラスって顔きれいだし、私的にはNGではないです。
キャロルとはいいませんが、是非アトラスを理解してくれる
慈悲深い誰かと幸せになってほしいです。
本家では何年か後にまた何かありそうな気配ですけどね。

894名無し草:03/10/29 14:41
企業物もハーレクインぽくて良いかもw)
895名無し草:03/10/29 15:02
うーん。アトラスって相手が難しいンですよね
イルカのマカオーンに人間の女性になってもらうとかね
896名無し草:03/10/29 15:24
アトラス最初見てると、ほんといい奴なんだよね。
お母さんの愛情欲しがってるところなんかキュンとくる。
でも最後のあたりでキャロルを追い掛け回しすぎて
どんどん変態ぽくなっていくのが切なかった。
897名無し草:03/10/29 15:38
王子だといくら追っかけまわしても変態じゃなくて、カコエーって感じるのにね(笑
898名無し草:03/10/29 15:45
>>897
それも今では・・・(つд`)
899名無し草:03/10/29 16:03
最近は王子もかなり変態ちゃん入ってます。
仕事も放っぽって、キャロルハァハァ・・・。

アトラスものの作品て過去にありましたっけ?
900名無し草:03/10/29 16:09
>899タン
ずいぶん前に読んだなぁ。でも題名忘れてしまいますた。
901名無し草:03/10/29 16:13
遠い約束の作家様。最後まで書ききってくださって
ありがとうございました!!なんか胸がズウウン〜ってかんじで。。
さみしいけど,やっぱりハッピーエンドでうれしい♪
本当にお疲れ様です。
記憶の恋人、時のナイルを越えて、L.O.V.Eの作者様
うPしてくださったら本当にうれしいです!!


902名無し草:03/10/29 16:18
マカオーンをタクシー代わりに夜這いも楽しいかも(w
マカオーンが呪文を施されていた、が、解けて女性化?
なんちゅうパラレルは?ありですかね〜?
903名無し草:03/10/29 16:25
ありで〜す。
904名無し草:03/10/29 16:28
 L(_ _L ) 

アリでございます
905名無し草:03/10/29 16:49
アリポーズ可愛い。

どなたかメンヒス様ものもお願いします〜
初期のころの、いつもカッカイライラしてるお姿がたまらなく萌え〜でございます。

キャロルがメンヒスに侍女でお仕えしてて、キャロルのほうが惚れてるとか読みたいな〜
906名無し草:03/10/29 17:15
キャロルを追いかけて、ある船で人々を殺そうとしたら、目の見えない貴族の
娘が、どっかに拉致されるところで、たまたまその娘が助けに来てくれたと
誤解して、アトラスに恋するというのはいかがでしょう?
だめ? (小説は書けないけど、この文を読めば一目瞭然でつ)
907名無し草:03/10/29 17:34
>>905タン

「メンフィスだと?この大エジプト帝国のファラオである私の名を、侍女のお前に呼び捨てする自由など許さぬ!
メンフィス様、だ。よいなっ!」
「メ、メンフィス様・・・」
「もうよい、下がれ!ミヌーエはおらぬかーっ」
艶やかな黒髪をひるがえして足早に去るメンフィスの姿はキャロルの涙で溢れた瞳なの中で輪郭がぼやけていく・・・
 ―メンフィス・・・様・・・あなたと私の距離はどんどん開いていってしまう・・・
  金色の髪と青い目が珍しいからと私を侍女にしてくれた時、不安で恐ろしくて泣く私に「一生私のそばに侍れ」
  って言ってくれたじゃない。私、どんなに嬉しかったか・・・
  ああ、メンフィス、あなたを愛しているの・・・愛しているわ。侍女ではなく、一人の女性としてあなたのそばに
  いたい。

後先なんにも考えずに2分(爆)で書いてみましたが、こんなんでもいい?
まったく作家経験のない私ですが、こんなんでも読んでくれる方がいるなら
書いてみようかな〜。。。
908名無し草:03/10/29 17:44
>907たん
905じゃないけど。お話おいしそう〜。書いてください(願)
909名無し草:03/10/29 17:46
良いではないか。
良いではないか。是非、続きをば・・・。
(悪代官風)
910名無し草:03/10/29 17:51
906様もぜひに作家デビューされたらいいのに。素敵なネタですのに。
911名無し草:03/10/29 18:20
遠い約束作家様

お疲れ様でした&ありがとうございました!途中からお話とは関係ない部分で
色々ネタにされて辛かっただろうな〜と思ってました。
最終話は未来へ幸せが続いていく〜みたいなかんじでじーんとしました。

ついでにネタ投下!アルゴンの純愛ものもみたいでつ。
912905:03/10/29 19:20
>>907
きゃ〜、907様、ありがトン!
お出かけから帰ってみて、感涙でございます!嬉しいぃ!!
いいわ〜メンフィス”様”と呼ぶキャロル。
どうか、書いてくだされ〜お願いします!!!
913名無し草:03/10/29 19:31
>>907さん。おもしろそう〜
ぜひ続きおかいてくださいませ。
914名無し草:03/10/29 19:47
          lヽ、            /ヽ
           i! ゙ヽ、       /  ゙i!      ..,, .,,.;;''⌒ヽ
            l    ゝ-─‐-/'    i!  , ,__,,;'"  "';    ,ノ
         ,/"             i!''"  ....゙'';;..,,;;  ,,Y"
        ,/'              〈         'i;;- 、,,  
         i'               'i,              ゙"ヽ、 
          i! ●     ●    * ,'i               ゙)
        'i,:::   ト─‐イ    :::::::  ,/    '     ゙",;''i,-‐'"
     ,,-‐''"ヽ、   ヽ,_ノ     ,,-‐         ,..;;;゙"
    (    ,,, ''      ,,.-‐''"       ,,'"´``´
     ヽ,..-‐''    ,.-‐''"      ノ-‐''"´
           (       ,. -'"
             ヽ、,,.. -‐'''"

マターリうれしいがやーーーーーーーー。
915名無し草:03/10/29 20:00
かわいいやんけ。
猫ちゃ〜ん
916名無し草:03/10/29 20:04
>895
マカオーン、人魚姫バージョンかい?いいかも〜〜。!
917名無し草:03/10/29 20:19
猫ちゃん萌え〜〜〜

AA職人様もいつもありがd。癒されまつ。。。
918895です:03/10/29 20:42
>>916タン
ほんと?マカオーン人魚姫バージョンいってみましょか?
>>893タンのご希望にそえるかどーかわかりませんが(汗
以外にアトラスファンがいそうな雰囲気なので
アトラスラブラブ編、超マイナー路線で攻めてみましょうか?

902タンのマカオーンタクシー編とパラレル編も読みたいな。
919902:03/10/29 20:58
あちゃー。
ネタ投下をしたつもりでした。
パラレルも読んでみたいなと思ったのでーーす。
920名無し草:03/10/29 21:05
うおう!新作のヨカーン嬉しいよぅ。

わたしもネタ爆弾投下すんね。
峰不二子風のちょっぴり浮気者でセクシーなキャロルなんてどうっすか?!
メンヒスと王子を手玉にコロコロ。
エチーもどちらとも楽しんじゃう美味しいところどりの悪女キャロル。
921893:03/10/29 21:27
>>918

勿論、アトラスが幸せになるなら、どんなシチュエーションでも、うれしいです。
是非、書いてくださいませ。
マカオーンは、私の脳内では、マカローンに変換されてココナツマカロンが
食べたくなるのでした。
922名無し草:03/10/29 22:05
ココナツマカロンなつかすぃね♪

アトラスファンじゃないが、以外なキャラがカッコ良く書かれてたら面白そう。
カッコいいネバやカプターはいくら何でも無理があるけど
アトラス、アルゴンとかなら作家様の筆でカッコ良く脚色していただけそ〜だわ。
923名無し草:03/10/29 22:21
ラガッシュも書きようではかっこよくなりそう。大人の魅力ってやつ。
924名無し草:03/10/29 22:23
>>遠い約束作家様
長期の連載本当にお疲れ様でした。
作家様の王子への愛は作品にとてもよく表れていて、王子ファンには特に
嬉しい作品だったと思います。次回作も楽しみにしてますね。

遅レスですが企業で働くOLキャロル見てみたい。
王子がオイルダラー?石油会社の社長?でその秘書キャロルとかね。

企業が新聞社だと「ジュテーム、おお君を…」の世界になっちゃうな(w
925名無し草:03/10/29 23:00
イヤンなことはスルーの努力が微笑ましいyo!
926名無し草:03/10/29 23:13
ここがホントに好きな人が多いんだね、って思ったよ。
927名無し草:03/10/29 23:17
>926
だって夢があるじゃん、ここ(^▽^*)
928名無し草:03/10/29 23:55
王子×キャロルのΨ(`▼´)Ψ調教モノてリクあったね昔。
相手がキャロルでは痛々しいよで賛同しなかったが
王子×ヒューリアでそのシチュ萌えるなァ。



記憶の彼方でハケーンしますた。。おながいしまつ>作家様
929名無し草:03/10/30 00:16
読者さんのリク&ネタ提供に創作意欲がうずうず刺激されました。
久々に書いてみようかな。
でも大作家様達みたいな長編はムリよー。
20話程度がせいぜいってとこ。色んなネタ投下よろしくでつ。
930名無し草:03/10/30 00:16
>>905タソの
『キャロルがメンヒスに侍女でお仕えしてて、キャロルのほうが惚れてる』に1票
王子×ヒューリアも良さげ!!(        ・     ∀      ・         ) ィィ
931名無し草:03/10/30 01:07
>>930タンに禿同
『キャロルがメンヒスに侍女でお仕えしてて、キャロルのほうが惚れてる』に2票目
932名無し草:03/10/30 01:18
キャロルがメンヒスに侍女でお仕えしてて・・・は907様が書いてくれるンだよね?!
期待してまーつ。
リレー小説やアトラス人魚姫編もひそかに楽しみっス。
イズミル王子調教のお話は相手がキャロルでもオッケじゃない?勿論ヒューリアもイイね。
ひゃー、楽しみが増えそうだぁー
933名無し草:03/10/30 08:34
ライアン&キャロル編もキヴォンヌ。
冷たいライアンにキャロルが惚れる椰子。もちろん血はつながってないのよ(W
934名無し草:03/10/30 08:35
ひえ、上げてもうた。
すみませぬ。マカオーンに齧られて逝ってきまつ。
935名無し草:03/10/30 09:04
うわーい!
ネタがいっぱいだー♪

作家様、お待ちしてます。
936名無し草:03/10/30 10:16
てか、そろそろ次スレ立てないとヤバくない?
937名無し草:03/10/30 10:25
ヤヴァイかもぉ。
新作は新スレでスタートできる方が
スレまたがりにならなくて良さそうだしね。

>929よろしくお願いしまつ。作家さまはどのキャラ萌えでおられますか?
938名無し草:03/10/30 12:02
遠い約束作家様にも新作リクをお願いしたいな。

勿論王子もので!現代王子のその後、とか。
大作の後でお疲れだと思いますので、ゆっくり休養された後にぜひお願いしまーす。
あなた様のファンは作家様の中にも読者様の中にも沢山いると思いますyo!
939名無し草:03/10/30 13:16
うんうん、また楽しませて欲しい。
どの作家様も大好きです♪ここの作家様みんなレベル高し。
自分じゃ短編もムリだから本当に羨ましい。
て言うか、尊敬しています。。。
940侍女キャロル:03/10/30 14:21
「やめい!まだ子供ではないか、許してやれ!!」
「は、メ、メンフィス様・・・」
砂漠の石切り場に響き渡った声に、工事現場の監督官はふりあげた鞭をぴたと静止させた。
傷ついたセフォラを腕に抱えて身を固くしていたキャロルが、その声におそるおそる顔をあげる。

「あ、あなたは・・・」
自分を見下ろす少年の秀麗な口元がにやりと歪んだ。
「そなた異国の者だな。珍しい金の髪に青い瞳、面白い!!」
溌剌とした声でそう言うと、絢爛豪華な黄金細工で身を飾った少年は、よく日に焼けた腕を伸ばし、ぐっとキャロルの肩を掴みあげた。

「ふーん、近くで見るとなかなかに愛らしい顔をしているではないか。気に入ったぞ!」
「は、はなして・・・」
「なに?」
「セフォラ・・・私のことより、セフォラを助けてください。怪我をしているのよ。車の下敷きになって、足を痛めて・・・お願いです、はやく手当てを・・・」

青い瞳を潤ませて懇願するキャロルに、メンフィスはちらりと倒れた奴隷女に鋭い視線を走らせた。
泥にまみれた布を身にまとい、血の流れる足を押さえて、少女の母親ほどの年の女が苦しそうにうめいている。

「その女を助けたいのか?」
「ええ。お願い、セフォラを医師にみせて、休ませてあげてください」
「奴隷女のために、医師を遣わすことはできぬ」
「そんなっ!!」
「だが、苦役を免除してやることはできるぞ。怪我が治るまでゆっくりと家で休ませてやろう。・・・そなた次第だ」
「え・・・それはどういう・・・」
「そなたが私のものになるのなら、その女を助けてやろうと申しているのだ」
「え、えええっ?!」
941侍女キャロル:03/10/30 14:23
メンフィスの申し出に、キャロルは驚愕したように目を見開き、まじまじと相手の美麗な顔を眺め上げた。
揶揄するような光を含んで、甘く煌めく黒曜石の瞳。
口元に刻んだ面白そうな微笑。
おのれに対するなみなみならぬ興味と好奇を宿したその無礼な眼差しに、キャロルはほとんど反射的にメンフィスの腕を払いのけた。

「ふ、ふざけないで!!私は物ではありません!!」
「違うな。おまえは私の所有物だ」
「なんですって?!」
「おまえだけではない。このエジプトにあるものは、すべてファラオである私のものだ。人も、物も、大地もすべて・・・例外はない!!」
「そ、そんな・・・」

傲然として嘯くメンフィスに、キャロルは困惑もあらわに赤い唇をかみ締めた。
この少年がエジプトの王!!
現代で考古学を学んでいたキャロルは、古代エジプトのファラオの権力のすさまじさをよく承知していた。この相手の言うとおり、古代ではナイルのほとりに存在する全ては王に帰するものと考えられていたのだ。
当然、その地にすまう人々もしかり。
まして今は奴隷身分にすぎないキャロルに、王の言葉を拒否する権利など、かけらも与えられていようはずはない。

「だけど・・・私は・・・」
「その女を助けたくはないのか?」
それでもはかない抵抗を試みようとしたキャロルをなぶるように、メンフィスがちらりと視線だけで倒れたセフォラを指し示した。
「ああ、セフォラ・・・」
「すべてはそなた次第・・・私はそなたが気に入った。そなたが大人しく私に従うというのなら、その女を助けてやろう。医師にもみせて、手当てをしてやる。だが、逆らうというのなら――」
「逆らえば・・・どうするというの・・・?!」
「その女を殺す」

当然のような口調で言い放ったメンフィスに、キャロルは息を飲んでその場に凍りついた。
942侍女キャロル:03/10/30 14:23
「そんな・・・そんな・・・ひどいわ・・・」
あえぐような呼吸であたりを見回しても、キャロルを助けてくれそうな相手はひとりもいない。
「そのような顔をするな。なにもそなたを苛めようというのではない。申したであろう? 私はそなたを気に入った、と。素直に従えばうんと可愛がってやろう。最高の贅沢もあたえてやる」
「・・・・・・」
「私と共に王宮へくるのだ。よいな?」

絶対的な響きを帯びた命令に、キャロルは震える拳を握り締めながら、なす術もなく頷いた。
見れば、いつのまにか手に手に武器を構えた屈強な男達がずらりと周りをとり囲んでいる。ここでキャロルが逆らえば、メンフィスは間違いなく即座にセフォラを殺させるだろう。
そんなことはできない。絶対に――!!

悄然としてうつむくキャロルの身体を、軽々とメンフィスが愛馬の上に抱えあげた。
戦利品を腕にご満悦のファラオに付き従って、兵士達も砂塵をあげて工事現場を後にする。

「キャロル・・・」
悲痛な表情で見送るしかないセチとセフォラの目の前で、キャロルの姿は見る見るうちに遠ざかり、砂塵の彼方に消えて行った。
943名無し草:03/10/30 14:24
『キャロルがメンフィスに侍女でおつかえしてて』で思いついた駄文です。

続きは特にないのですが、、
新スレを待つ間のひまつぶしにでもなればと思ってうPしてみました。
944名無し草:03/10/30 14:39
           ミ       ミ            ミ
                           ミ      ドドドスッ         ミ
 ウォリャ! ∧∧       ._                _                _
     (  ;,,)O..―─┴┴──────────┴┴──────────┴┴──┐
    /; ; つ.      キタ━━━( ゚∀゚ )━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  ゚)━( ゚∀)━( ゚∀゚ )━━━!!!!!!!         |
  〜′ /´ └―─┬┬──────────┬┬──────────┬┬──┘
   ∪ ∪        ││ _ε3                ││ _ε3                ││ _ε3
             ゛゛'゛'゛                ゛゛'゛'゛

うpありがトン、なのだ。 >作家様
砂塵の彼方に消えていったメンヒスとキャロルの続きを是非に〜〜〜
945名無し草:03/10/30 14:44
940様は907様でございましょうか?
でしたらぜひに907の文章のテイストで続きを〜(アリポーズ)
946940:03/10/30 14:50
>945
907さんとは別人なんです。
まぎらわしいことをしてすいません。
947945:03/10/30 14:55
こちらこそ勘違いすみません(汗)
948名無し草:03/10/30 15:05
王子ファンだけど、久々にメンヒス×キャロルのお話で新鮮ですなぁ。
素敵な冒頭だけにオチ無しは苦しゅうございます。どうか続きを。
949907:03/10/30 15:40
昨日ちょこっと書いた907です。
一晩、あーでもないこーでもないと一応構想なんぞ練ってみたのですが
なんとすでに侍女キャロル作家様(940さん)が!
私の妄想など及びもつきませぬ〜。是非つづきを・・・
950名無し草:03/10/30 15:58
AA可愛いよん。スレに活気があると嬉しいよん。
951名無し草:03/10/30 16:00
うわ〜。新作だよぅ!
続きが読みたい!
952名無し草:03/10/30 16:11
そろそろ新スレ?

新スレが立ったら、うpを開始してくれる作家様がいらっしゃるかなーなんて
期待に胸が躍ります。

侍女キャロル 907さんバージョンも読みたいなぁ!
どちらも味があって面白いよ。お話の展開も違うと思うし、是非やってくんさい
953905:03/10/30 21:19
>>907>>940様、ありがとう!
2パターンのキャロル侍女編が読めるなんて嬉しくて嬉しくて…。
我侭で理不尽なメンヒス萌え。また続き書いてくださいまし。
私の勝手な妄想を作品にしてもらえるなんて幸せだ〜ヽ(^o^)丿ウワァァァァイ
954名無し草:03/10/30 21:24
マターリ イイ! でも週末近い・・・
955名無し草:03/10/30 21:33
書ける方がうらやましくてたまらない今日この頃。
作家様「初心者でもらくらく♪あなたにも書ける小説講座」開いて〜
956名無し草:03/10/30 21:45
>>955

955さんも是非書いてくださいな。
私も最初は一生読者と思ってたけど、いざ書いてみたらなんとか短編にはなったよ。←激ショボいやつだけど
それでもレスもらえたりして、すごーい嬉しくって
実は今でも過去ログ読みに行ってもらったレス見て喜んだりしてるよ〜。マジ嬉しんだよね。
自分の作品よみかえすと、恥さらしだーと思うけどね(w
また恥さらしてみようかな〜 大人の魅力のラガッシュいいかも。
957名無し草:03/10/30 21:53
>956
わたしもだー。作品は恥ずかしすぎて読めないけど
読んでくれた方からもらったレスは宝物のように読み返してしまう。
958名無し草:03/10/30 22:29
わたしも、貰ったレスむちゃくちゃ嬉しかったよー。
自分の話は恥かしいけど、
レスだけ読み返しては幸福に浸ってます。
959名無し草:03/10/30 22:43
胴衣です。やっぱり皆様、レスを読み返すものなんですね!
ホント宝物ですよね、あれは。何度読み返してるかな(笑)
あと、ダイジェストに載せてもらっているというのもすごくご満悦でございます。
955タソも書いて、書いて!!多分、書いてみる事が一番の練習&上達法じゃないかしら?
そして、読者タソのレスに勇気付けられて、ますます書きたくなる、という次第でございますね。
960955:03/10/30 23:24
励ましていただきましてありがとうございます。
なんか書けたらな〜ってPCの前に座っても、あらすじ(起承転結)が
作れないんです。(やっぱり最初にそれを考えるんですよね?)
こんなんですが、いつか本当に書けたらいいな〜
一番肝心な言葉が最後になっちゃったけど、作家様いつもありがとうございます。
961名無し草:03/10/30 23:46
他の作家さんはどうなのか分かんないけど、
ワタシはかなり成りゆき任せ。
てか、書き始めたら最初に考えてたのと違う話になっていって困ってしまう。

他の作家さん達はそんなコト無いですか?
962名無し草:03/10/30 23:59
一応大筋は考えてるけど、
レスがついてたら、なるほどって思っちゃって
ちょこっと細部の変更はあるよ。
流れもかわる時あります。
963名無し草:03/10/31 00:09
へぇー、そういうものなんですか。
面白いなぁ。
私も作家様に憧れる1人です。
お話考えるのは好きなんだが
文章が・・・子供の作文みたいでつ。
964名無し草:03/10/31 00:11
レスにネタバレがあって変更した事がありました(w
読者タン鋭い!!
バレバレなネタしか書けない自分が鬱になりました(w
965名無し草:03/10/31 00:14
興味深かい・・・(0゜)
966名無し草:03/10/31 00:32
ほかの作家さんに聞いてみたかったんですが、
書いている途中で、書きたいことはちゃんと頭にあるのに
表現する文章がうまく出てこないことありませんか?
あんまり苦しいと「ああもう、ここんとこだけ箇条書きで済ませたい!」
とか思っちゃう。
967名無し草:03/10/31 00:43
侍女キャロル作家様〜つづきおながいします!!
セチ&セフォラなつかすぃ〜〜
セフォラでパート9のスレいってみる!
できるかなあ(´・ω・`)
968名無し草:03/10/31 00:49
>>964
激ワロタ。わかるよ、それ!同じ経験ありです。
鋭いよね。ドキリとさせられたり、逆にネタになったり色々だね。
>>966
それもあるなぁ。ノリノリの時だとパァーっと書けちゃうのに、苦しみだすと
まるで難産のようでござんす。産みの苦しみってヤツなのか?
箇条書きいいね。今度からそうしよかな。
969名無し草:03/10/31 00:56
わお、作家様達の本音トーク!めちゃ面白い&楽しいです。

質問です。カコヨク王子やメンヒを書く秘訣は何でしょう?

実はたまに書いてみたりするけど、うpする勇気のない小心者です。
なんか読者さんの反応が恐くて。
怒られそうで。あとちょっと恥ずかしいというか照れくさいよぅ。
970名無し草:03/10/31 00:59
>>967様ヨロシクです。

文字とか選ぶ時迷いませんか?
漢字orひらがなとか?
会話のシーンなんか全部カギカッコにしたいよー。
んな事は出来る訳がないけど(藁
971名無し草:03/10/31 01:05
967タソ、ありがとう。

>969
わたしと同じだ。書いたはいいものの…この作品じゃって思うと…
自分そうなのに969タソには投稿して欲しいって思ってしまう。我がまま?
972967:03/10/31 01:20
クッキーがどーのこーのでだめぽ
パート4から6のアドレスなおしたから
どなたかおながい(´;ω;`)

ここは細川先生の少女漫画・「王家の紋章」が好きな人のためのスレッドです。
今までの経緯やここでのお約束は>2-5あたりにありますので、そちらもご覧下さい。

前スレはこちら:
☆☆王家の紋章番外編☆☆
http://salad.2ch.net/charaneta/kako/1002/10022/1002235184.html

☆☆☆王家の紋章番外編2☆☆☆
http://ex.2ch.net/nanmin/kako/1014/10146/1014698074.html

☆☆☆王家の紋章番外編3☆☆☆
http://ex.2ch.net/nanmin/kako/1023/10239/1023957614.html

☆☆☆王家の紋章番外編4☆☆☆
http://that.2ch.net/nanmin/kako/1033/10334/1033446170.html

☆☆☆王家の紋章番外編5☆☆☆
http://that.2ch.net/nanmin/kako/1044/10442/1044250577.html

☆☆☆王家の紋章番外編6☆☆☆
http://that.2ch.net/nanmin/kako/1055/10558/1055804321.html

☆☆☆王家の紋章番外編7☆☆☆
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1059127433/

☆☆☆王家の紋章番外編8☆☆☆
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1063217057/
973名無し草:03/10/31 01:47
>>967たん
うお〜、力になってあげたいがスレ立て経験なしの私には荷が思い〜
どなたかいらっしゃりますか〜?

969と971のお二人、是非次のスレで書き貯め作品を投稿してくだされ〜
お願い×500000
974名無し草:03/10/31 02:32
やってみるね。
975名無し草:03/10/31 02:44
このホストでは駄目だって・・・(つДT)
967さんのをアレンジしたテンプレ貼っとくから、
誰かよろしゅう。
1があまり長いと他のスレに迷惑なんで、
2レスに分けた。
------------------------------------------------
スレタイ
☆☆☆王家の紋章番外編9☆☆☆
-------------------------------------------------
ここは細川先生の少女漫画・「王家の紋章」が好きな人の
ためのスレッドです。
過去ログやダイジェストサイトのURL・今までの経緯・
ここでのお約束などは >2-5 のあたりにありますので、
そちらもご覧下さい。

前スレはこちら:
☆☆☆王家の紋章番外編8☆☆☆
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1063217057/
976名無し草:03/10/31 02:44
<過去ログ>

☆☆王家の紋章番外編☆☆
http://salad.2ch.net/charaneta/kako/1002/10022/1002235184.html

☆☆☆王家の紋章番外編2☆☆☆
http://ex.2ch.net/nanmin/kako/1014/10146/1014698074.html

☆☆☆王家の紋章番外編3☆☆☆
http://ex.2ch.net/nanmin/kako/1023/10239/1023957614.html

☆☆☆王家の紋章番外編4☆☆☆
http://that.2ch.net/nanmin/kako/1033/10334/1033446170.html

☆☆☆王家の紋章番外編5☆☆☆
http://that.2ch.net/nanmin/kako/1044/10442/1044250577.html

☆☆☆王家の紋章番外編6☆☆☆
http://that.2ch.net/nanmin/kako/1055/10558/1055804321.html

☆☆☆王家の紋章番外編7☆☆☆
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1059127433/ (dat落ち中)
977名無し草:03/10/31 02:45
<ありがたいダイジェストサイト>
1ROM人様 ⇒ ●○● 王家の紋章スレ@2ch ダイジェスト ●○●
ttp://members.tripod.co.jp/ouke2ch/

Part3の396様 ⇒ ★★王家の紋章@2chダイジェスト暫定版(,,゚ー゚)っ且~★★
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Palette/4856/


<今までの経緯>
☆キャラネタ板→難民板と流れてきました。理由は主にこの2つです。
・キャラネタ板はキャラになりきって交流するスレのため、スレ違いを指摘されたこと
・住人の中から、作品への感想をなりきりで書くのは辛い、という声が挙がってきたこと
 移転先としていくつか候補があった中から、マターリできそうなところということで、
 ここ難民板を選びました。難民板の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
978名無し草:03/10/31 02:45
<お約束>
・sage推奨でお願いします(メール欄に半角文字で「sage」を入れる)。
・ここは社交場ですので特に形式は決めません。質問・雑談・作品発表ご自由に。
・作品がほのぼの系なので、あまり殺伐とした雰囲気はご勘弁を。
・作品の好みは人それぞれ。気にいらないならスルー、煽りや荒らしは完全放置。
 あとは常識的マナーの範囲で。


<作品掲載について>
・非公式ファン交流広場なので、原作者及び出版元とは一切関係ありません。
・王家を愛する作家さんたちの創作も大歓迎です。ジャンルは問いませんが、
 極端なエロや中傷など確信犯的な作品はご遠慮くださいね。
・作家さんは名前欄に作品のタイトルをお願いします。
 連載の場合は巻頭に通しb書き、「>○○」という形で前作へのリンクを
 貼ってもらえると助かります。
・18禁作品にはタイトルにΨ(`▼´)Ψを記入して下さい。
979名無し草:03/10/31 02:46
1が>975、2が>976、3が>977、4が>978です。
980名無し草:03/10/31 08:08
>>967タンのかわりにセフォラで立てますた。
>>974タンテンプレ借りたよありがd。

☆☆☆王家の紋章番外編9☆☆☆
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1067554907/
981名無し草:03/10/31 08:42
967タソ、974タソ、ありがとう。乙〜
982名無し草:03/10/31 10:55
おおぅ、作家様達が集まっていまつ。感激です、
みなさん、お話うpお願いします。
新しいスレができたので、こちらはもう消化ですね。
983前スレ574:03/10/31 11:19
1様、スレ立てお疲れ様です。

さて、前スレでお話させて頂いておりました「伯爵令嬢ダイジェスト」
まだ全くコンテンツがありませんが(ほんとに何もありません・汗)
一応TOPページだけ出来ましたのでお知らせさせて頂きます。

http://hakusyaku.easter.ne.jp/

勝手ながら、王家ダイジェスト管理人様のサイトと1人ROM様のサイトへの
URLを関連リンク欄に貼らせて頂きました。事後報告になってしまい、すみません。

作家様の皆様、読者様の皆様、多くの令嬢ファンの投稿&訪問をお待ちしています。

またもや、スレ違いの長文で申し訳ありませぬ。では。
984名無し草:03/10/31 12:25
令嬢サイトの管理人様乙〜〜。

あっという間の早業にビックリです。
後はうp待ちですね。楽しみにしてますよ〜。
985574=983:03/10/31 12:36
す・・・すみません!新スレのほうに書いたつもりが(汗・汗・汗)
新スレを見て、自分のカキコが無いので首をかしげていたら・・・。
すごい大ボケ。鬱になりました。
新スレ立ったらすぐにGoなんて思っていたのに・・・ひぃー

すみません。

逝ってきまつ・・・ でも、作家様達よろしくでつ。
986名無し草
ドンマイ(・∀・)v