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http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/10465646874/615 ちょっと、自分なりにつじつまを合わせてみたので書いてみます。
東京インペリアルホテルのロビーで、剣菱百合子は、硝子の向こう側の日本庭園で佇む
わが娘に溢れんばかりの愛情に満ちた眼差しを向けた。百合子は無意識に、ちょうど23
年前の、霞がかった穏やかなあの春の日を思い出した―。
その日、とある場所で、3組の夫婦が父親を失ったばかりの女の子達を引き取るべく集
まっていた。誰がどの子を引き取るかについて予め知らされておらず、3組ともどうした
ものか途方に暮れていた。どの子もそれぞれ愛らしく、ひとりを選ぶことなどできそうに
もなかったからだ。百合子はいっそ、3人とも連れて帰りたい衝動に駆られたが、他の2組
の夫婦のことを考えるとそれはできない。むしろ、一人息子の豊作がいる百合子達の方が、
本来ならば引き下がらねばならぬ立場だからだ。
続きます。