「土門……先生」
「偶然だねえ」
にこにこと笑うその顔に、異常な性癖を晒したあの時の空気は感じられない。
分厚い書籍を小脇に抱え、男は少女に歩み寄る。
不必要なくらい、近くに。
「あ、あの……」
「どうかしたのかい?」
どこまでも人のよい印象を抱かせる声をかけてくる、男の抱えた本。その背表紙には『SMスナイパー』という文字が印刷されていた。
そのインパクトに引きつつも、先輩作家──そう、どんな汚らわしい趣味の持ち主であっても──ということで礼儀を失わないよう、小さく頭を下げる。
その髪に、男の大きな手が触れた。
びくっ、と少女が震える。
「この間は……みっともないところを見せたね」
…駄目だ、どうしても(一見)カッコよくしようとするとエロにならねー。
>>488-491、なんとかエロくしてくだちぃ。