夢って何だろう…。
幼い頃に見た夢。
そして、現実。
ほっそーは今日も輝きを失った瞳で編集者に体を預ける。
夢なんて見ない方が良かった。
そして、無心でいるはずの体が編集者に喜びの反応を返しているのが嫌でたまらなかった。
心を体から切り離して、自由にしてあげたかった。
だから、ほっそーはベランダに立った。
ふと、吹き付ける風が何も身につけていない体に冷たかった。
自分は汚れてしまったのだろうか?
あの男の舌や指に触れられていない部分はもはやどこにもない。
違う…触れられていないのは確かにあるんだ。
ほっそーはベランダの手すりから1歩前に進んだ。