「まゆらさん!卒業するって本当ですか?」
「あなたは?」
まゆらは駆け寄ってきた娘に問い掛けた。
「あ、あの、始めまして。私、
>>54です。」
「こちらこそ、よろしく。」
「本当に、卒業するんですか?」
「ええ。」
>>54はさながら、恋する乙女のようだ。
憧れのまゆらの卒業を耳にして、いても立ってもいられなくなった。
気が付いたら、まゆらを追いかけていた。
いつも、遠くから憧れのまなざしで見ていた。
まゆさ先輩、大好き。
「あのね
>>54さん。」
「は、はい!」
「わたし、そろそろ行かないと‥‥」
「でも!でも!」
すねる
>>54に、まゆらは優しく言った。
その目は、
>>54を見てはいない。
もっと遠く、昔を思い出す時の目だ。
「ごめんね、でも、行かなきゃ。」
「ふええん。」
>>54はどうしていいか分からず、遂に泣き出してしまった。
「あなたも、いずれは‥‥分かってくれると思う。
ううん。分かってくれなくても、いいの。
でも、これはわたしが決めたことだから。
じゃ、ね。わたし、卒業します。
さようなら、そして、ありがとう。
>>54さん」
「まゆらさーん!」
>>54の絶叫が夕焼けの空に響き渡る。
そして、まゆらは卒業した。