『何か』観察小屋133

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593名無し~3.EXE
「まゆらさん!卒業するって本当ですか?」
「あなたは?」
まゆらは駆け寄ってきた娘に問い掛けた。
「あ、あの、始めまして。私、>>54です。」
「こちらこそ、よろしく。」
「本当に、卒業するんですか?」
「ええ。」
>>54はさながら、恋する乙女のようだ。
憧れのまゆらの卒業を耳にして、いても立ってもいられなくなった。

気が付いたら、まゆらを追いかけていた。
いつも、遠くから憧れのまなざしで見ていた。

まゆさ先輩、大好き。

「あのね>>54さん。」
「は、はい!」
「わたし、そろそろ行かないと‥‥」
「でも!でも!」
すねる>>54に、まゆらは優しく言った。
その目は、>>54を見てはいない。

もっと遠く、昔を思い出す時の目だ。
「ごめんね、でも、行かなきゃ。」
「ふええん。」
>>54はどうしていいか分からず、遂に泣き出してしまった。
「あなたも、いずれは‥‥分かってくれると思う。
 ううん。分かってくれなくても、いいの。
 でも、これはわたしが決めたことだから。
 じゃ、ね。わたし、卒業します。
 さようなら、そして、ありがとう。>>54さん」

「まゆらさーん!」
>>54の絶叫が夕焼けの空に響き渡る。

そして、まゆらは卒業した。