夜になって、またパソコンをつけてみた。チャットに行くと、「けん」と「ぷるるん」が来ていた。
僕は「けん」にきいてみた。
“がち: けん、このまえの Linux の件だけどさ、どうすればいいのかな?”
“けん: おっ、食いついてきたね!今度の日曜日、秋葉原行くんだけど、なんなら、がちも行く?”
“がち: 秋葉原に?”
“けん: パソコンやパーツを見にだよ!”
“がち: へぇ・・・”
“けん: へぇじゃねーよ、お前、Linux やりたいんだろ?”
“がち: あぁ、そうなんだけどさ・・・”
“けん: 一万くらい、持ってこいよ”
“がち: な、なんで??”
“けん: もちろん、Linux 用のパソコンを買うためだよ!”
“がち: またパソコン買わなきゃなんないの?”
“けん: そうさ、だって別のOSなんだよ?今のWindowsを消してもいいわけ?”
“がち: なるほどぉ・・・。でも、Linux って、一万円でできるの?”
“けん: もちろん、中古のパソコンだけどさ、そのくらいでOKなんだよ”
“がち: ほほぉ・・・”
僕たちが、そんな会話をしていると、それまで黙ってた「ぷるるん」が、
“あんたたち、そうとうオタクね!!”と打ってきた。
そのうち、「ルン」もやってきた。
“なによ、ちんちん、けがけがって。”と、「ルン」が言った。
“へんな縦読みすんなっ!”と「けん」が言った。
女の子が増えてきたので、僕とけんは、Linux の話はやめることにした。
〜つづく〜
いつの間にか、11時になっていた。けっきょく、真美は来なかった。
みんなは、そろそろ寝ると言ってチャットを出て行った。「けん」が、
“じゃ、日曜日の10時、ラジオセンターの細い階段のとこで、たばこ吸ってるから”と言った。
“目印は?”と、きくと、“あそこは、おっさんしかたばこ吸ってないから、すぐわかるよ。”と言った。
“わかった。必ず行くよ” 僕たちは約束して、チャットを出た。
朝になって、僕はさっそく、父さんに話してみた。
“リナックスで勉強したいんだけどさ、リナックス専用に、中古のパソコンが必要なんだ。”
“今度、友達といっしょに買いに行く約束したんだけど。だから・・それ買いたいんだけど。”
父さんは、“ふーん、それ、いくらなんだ?” と、きいてきた。
“一万円くらい” 僕が答えると、
“よし、わかった。それで、そのリナックなんとかってのは、英語の教材かなんかなのか?”
と、父さんは、いいように解釈してたので、
“そんな感じ” と答えておいた。
父さんは、“真面目に続けろよ〜” と言って、僕に1万5千円くれた。ラッキーだった。
〜つづく〜
学校から帰って、うちに入ろうと鍵を取り出した僕は、急に、公園に行ってみたくなった。
そのまま歩いて行ってみた。公園について、あたりを見回したけど、誰もいなかった。
僕は、道路を渡って、橋の向こうの、真美のアパートのほうを見てみた。でもアパートは見えなかった。
そのまま、本屋に行って、Linux の本を買った。ちょっと高かったけど、なんとなくわかりやすそうな本が
あったので、それに決めた。うちに帰って、部屋に戻ると、いつものように、パソコンの電源を入れて、
チャットを開いた。チャットも、誰もいなかった。さっそく、買ってきた本を見てみた。
しばらく本を読んでいると、チャットの、入室のベルが鳴った。画面を見てみると、「ぷるるん」だった。
《 ぷるるん、はやいねー 》 僕が言うと、
《 がちに、ききたいことがあるんだけど・・ 》
《 なに? 》 と答えると、
《 がちって、男だよね? 》 と、きいてきた。
《 なんだよ、いまさら。そうだよ。》 と、僕は言った。
《 わたし、女の子だよ。 》 と「ぷるるん」が言った。
《 わかってるよ! 》 僕は答えた。
《 わかってない!! 》 「ぷるるん」が言った。
《 なんだよ、なんかあったの? 》 と、僕はきいてみた。
《 ううん、なんにもないよ・・ 》 と「ぷるるん」は答えた。
僕は、しばらく返事に困っていると、「ぷるるん」は、
《 また今晩来るからね☆ 》 と打ってきた。
《 うん、待ってるから 》 と答えた。
《 うん、待っててね☆ 》 と言った。すると、
突然、ログが流れ出して、あっという間に、2人の会話は見えなくなった。
そして、ぷるるんは退室した。
「ぷるるん」は、きっともう少し、やさしい言葉遣いで接してほしいんだと思った。
でも、いまいち、女のことはよくわからない。
父さんが、「女心と秋の空〜♪」と風呂で歌っていたのを、思い出した。
〜つづく〜
夜になって、チャットは、また、いつものメンバーになった。
今日はみんな、和やかに話していた。すると、「けい」が入室してきた。
(真美だ!)僕は、すぐに打った。
《 けい、ひさしぶり!! 》
《 みなさん、こんばんわ 》 と真美が打った。
《 おっひさー! 》 と「けん」が答えた。
《 おーぅ!けいちゃーん! 》 と「ルン」が答えた。
順番的に「ぷるるん」だったが、「ぷるるん」は打たなかった。
5秒くらいシーンとした。
でもその後、
《 みなさん、どうも。 》 と真美が答えた。
僕は、とにかくうれしかった。みんなで、5分くらい雑談したあと、僕は、
《 けい、第2に行こうよ 》 と打った。
《 はい 》 と真美が答えた。
そのとき、
《 なんで????? 》 と「ぷるるん」が打ってきた。
《 なんでって? 》 と僕は打った。
《 がちって、なんで、そうなの???? 》
《 ねぇ、なんで??? 》
《 がち、なんで??? 》と「ぷるるん」が打った。
僕は、困ってしまった。なんか、僕に怒っているみたいだった。
〜つづく〜
《 わたし、帰ります 》 と真美が打った。
《 ばいばい 》 「ぷるるん」が言った。
「けん」が、
《 がち、ぷるるん、お前ら何かあったのかよ? 》
《 あ、けい、またねー! 》 と、打った。
「ルン」が、
《 ぷるるん、どうしたん? 》 と、打った。
なんか、いやな空気になってきたので、僕はとりあえず
メッセで真美に送った。< xxx.xxx.xxx.xxx 真美、10分後くらいに待ってる。健二 >
すると、真美から返ってきた。< うん、あとでいくね。 >
《 わたし、がちと2人で話したい 》 と「ぷるるん」が言った。
《 あちゃー・・・ 》 「ルン」が言った。
《 じゃ、そーゆーことで俺は帰るよん 》 「けん」が言った。
二人っきりにされたらマズい。僕は、
《 けん、待ってくれ。 》
《 ね、ぷるるん、自分勝手すぎない?みんな、いやなムードになってるんだよ? 》 と打った。
《 わたしも、いやな気持ちにさせられたもん 》 と「ぷるるん」は答えた。
《 あーあー、こりゃ大変だわー、がち、ちゃんと答えろよー、そりじゃ、あたいはこれで。 》
と言って、「ルン」は退室してしまった。
《 じゃあ、またな ALL 》 と言って、「けん」も退室してしまった。
けっきょく、二人っきりになってしまった。
〜つづく〜
(この話はフィクションです)
夜になって、またパソコンをつけてみた。チャットに行くと、「けん」と「ぷるるん」が来ていた。
僕は「けん」にきいてみた。
“がち: けん、このまえの Linux の件だけどさ、どうすればいいのかな?”
“けん: おっ、食いついてきたね!今度の日曜日、秋葉原行くんだけど、なんなら、がちも行く?”
“がち: 秋葉原に?”
“けん: パソコンやパーツを見にだよ!”
“がち: へぇ・・・”
“けん: へぇじゃねーよ、お前、Linux やりたいんだろ?”
“がち: あぁ、そうなんだけどさ・・・”
“けん: 一万くらい、持ってこいよ”
“がち: な、なんで??”
“けん: もちろん、Linux 用のパソコンを買うためだよ!”
“がち: またパソコン買わなきゃなんないの?”
“けん: そうさ、だって別のOSなんだよ?今のWindowsを消してもいいわけ?”
“がち: なるほどぉ・・・。でも、Linux って、一万円でできるの?”
“けん: もちろん、中古のパソコンだけどさ、そのくらいでOKなんだよ”
“がち: ほほぉ・・・”
僕たちが、そんな会話をしていると、それまで黙ってた「ぷるるん」が、
“あんたたち、そうとうオタクね!!”と打ってきた。
そのうち、「ルン」もやってきた。
“なによ、ちんちん、けがけがって。”と、「ルン」が言った。
“へんな縦読みすんなっ!”と「けん」が言った。
女の子が増えてきたので、僕とけんは、Linux の話はやめることにした。
〜つづく〜