###佐野洋スレッド###

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21名無しのオプ
>>19
なんかエラソーなんですけど,一応マジメに答えます。
乱暴なたとえかもしれませんが,
宮部みゆきの「火車」は、物語の素材にしろ,仕掛けとにしろ,
いかにも佐野洋が好みそうな作品ですが,
ただ、もし佐野洋が同じ素材を扱ったにせよ(実際に構想できるかは別問題として),
「小説」の形態は、全く違ってくると思うのです。当然だけど。
ご存知のように宮部みゆきはストーリーテリングの抜群の巧者ですから、
あの作品で何箇所かある盛り上がりの場面では,読者を煽りまくります。
物語の泣かせどころ,感心させどころ,などについて、
読者が感情移入しやすいように。
佐野洋、そしておそらく都筑道夫はそのようなストレートな表現方法に
おそらく「照れ」を感じるタイプの作家だと思います。
(都筑道夫は「推理作家の出来るまで」で『私はメロドラマが嫌いだ』と何度も言ってるし)
ストーリーテラーという言葉についての解釈は,人それぞれいろいろあって、
「これが正しい」というものはないと思いますが,佐野洋は
骨太のストーリーを物語る(これが私のイメージする「ストーリーテラー」),
というタイプでは明らかにありません。
私が「ストーリーテラーではない」と書いたのはそういう意味です。
飽くまで個人的な意見です。
ただ「火車」を佐野洋のようにサラリと書いてしまったのでは・・・・・・
いくら構成上の技巧が優れていても、恐らく次の日には
ストーリーを忘れている小説になってしまうんでしょうね。
佐野洋はあと、会話文の古さと、女性の登場人物の「割り切った描き方」に
ちょっと抵抗があります。
都筑と佐野の論争は,オリジナル探偵の要、不要論についてです。
佐野が「黄色い部屋はいかに〜」に文句をつけた形になってます。