###佐野洋スレッド###

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147密室博士
>>142
えっ佐野洋スレ?(あわてて上を見る)あっホンマや! ちーともしらんかったわあ(古すぎたか…)
佐野洋も好きだよ。全作品の8割は読んでると思う。

この人の味は「騙しの美学」だね。とにかく犯人が読者の思考の盲点に入るように
プロットが非常に巧みに構成されている。構成のうまさといえば、佐野洋作品では、
終盤で探偵が自分の推理を
クドクドと説明したりしないんだな。9割5分くらいまで読んだところで、自然に
読者にも謎が解けるようにプロットが構成されてて、エンディングはさらっと切り
上げてる。かっこいいよ。

この人のミステリでは、たいてい冒頭に奇抜な事件が起こる。乱歩のいう「発端の
怪奇性」だね。つづいて、一見無関係な事件が次々起き、プロットが錯綜していく。
それらが最後に、きれいな一枚の絵になるとこが快感だね。もっとも、発端の事件
は単なる脇筋であることも多いが…

もっとも本格(犯人あて)とは言えない。犯人限定の手がかりがキチンと提出され
てないことが多いし、第一この人の作品には共犯がやたらに多いんだな。

おすすめはやはり初期の中長編かな。短編集では「七色の密室」。これには「まだこ
んな手があったのか!」と唸りまくったね。