宮部みゆきの『模倣犯』

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305名無しのオプ
寝る前2日かけて読み終えました。
下に向きしてた耳が痛い。面白かったです。どのキャラの心理も
(むかつくやつも)手にとるようにわかり、魅力的。
栗橋がほんとうにバカなんだけど愛しかったのでカズが自分の
危険顧みず救いに行く姿に感情移入しました。
あとピースのほころびに気づきかける栗橋のシーンは
本当にはらはらしました。ばかばか!そこで引き返せって!と。
最後はたしかにせりふで解決した感で物足りなかったけど。
それまでの引き込み方がすごいなあ、やはりキャラクターに
力のある作家さんだと思いました。
たしかにミステリーとしての伏線の落ちはいろいろあるものの、
あの大人数のキャラの感情の行方の破綻があまりないように
思います。
被害者、加害者、その各遺族の姿が多面的に描かれているので、
由美子がホテルに乗り込んでいくシーンはまさに皆の感情を映像
マルチビジョンで見せられているようでした。
そうですね、でもせっかくなんでラストはもっとページかけて
欲しかったな。余韻に浸りたかった。
ピースを薄っぺらにするならピース側の心理は入れないほうが
シャープだった気がします。