有栖川有栖

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878甜菜その2
[7月16日]『御庭番暗殺剣』の第6章の5分の4まで全体の60%。
 有栖川有栖氏の『月光ゲーム』を読了。有栖川氏のデビュー長編ということだが、私が編集者なら不採用にする。
 動機が有りふれている上に、リアリティを感じない。TVの2時間ミステリーで、「こんな理由で何人も殺すかよ」と呆れることが多いが、同様の違和感を覚えた。
 展開も遅すぎる。短編を無理矢理、長編に水増し引き延ばしたような印象。鮎川哲也さんと戸川安宣さんが面白いと感じて刊行が実現したって話だから、こういう作品に波長が合う人もいるんだろうが、私には全く面白くなかった。
 エンターテインメントは、疲れている頭でも楽しんで読めること。これが私の主義主張だから、少なくともこの作品が私の追求するエンターテインメント像に合致していないことだけは確かである。