人間描写が上手い作家

ミステリ要素そのものは好きなんだけどやっぱりミステリって
人間の心情がおざなりにされてるというか納得しづらいというか
そんな作品が多いような気がします。
そんな自分の偏見をぶっ飛ばしてくれる皆さんのお勧めミステリを教えてください。
トリックの凄さも大事ですけど
一応｢人が人を殺す｣というテーマを扱ってるんだからその辺の登場人物たちの心情がしっかり
書き込まれてる作品が読みたいです。

たとえば何を読んで、「納得しづらい」と思ったの？

心当たりが多すぎてそうすぐには浮かばない・・・・
例えばよくあるとってつけたような復讐動機とか(だからって人殺すか〜？みたいな)

強いてあげるなら十角館とか。
名探偵コナン(これは入るのかな？)に至っては犯人の支離滅裂さ(それでも作者はマジで
同情させようとしてる)にどうしょもない嫌悪感を禁じえないため
これが子供達にヒットしてると考えるだけでも鬱になる・・・・

これはもう他のあらゆるジャンルの物事と一緒で色んな
タイプの作家・作品があるわけだから、自分の好みに適
ったものを選択するしかない｡当然１氏の要求を満たす
ような書き手もいるだろうし。

だが支離滅裂な犯人の事件が
現実でもたくさん起きている・・・・。

>>4が一番自分の考えに近い。十角館さえ理屈としてわかる、という
人間も当然いるからな。（「納得いかない動機」スレ参照。）
コナンを見てる子供は、たぶん１が引っかかるようなところはそんなに
見てないからね。気にしなくていいんでないの。

たとえばだけど、１は人を殺す小説で、これは心理面がすごくよく
書いてあった、と思う作品は何なの？　別にミステリに限らずで
いいから教えてよ。でないと１の嗜好がよくわからなくて、お薦めの
しようもない。

今のとこ共感したのはない。(してたらそれはそれでヤバいが)
でも人の狂気や潜在意識を生々しく描写してるのは結構好きだったりする。
食欲からくるカニバリズムとか性欲とか・・・
自分の嗜好でいったら
｢あまり説明的過ぎるとかえって現実味なくなるからどちらかというと
理性的なものよりも本能的なもの」かなあ？
まあ、感情をあえて全く捨てて己の利の為に冷徹に行動する犯人
(バトロワで例えるなら相馬光子や桐山)
みたいなのも個人的には好みだが。

あと、教えて欲しいってのもあるけど掲示板っぽく
皆が自分のコレだ！ってものを聞くだけでも参考になるので
個人的な意見でも充分オッケーですよ

以前、ダヴィンチで恋愛描写のうまい作家ランキング、
と言うので、森博詞が1位だった。

ダヴィンチ読者のｦﾀ度がよく分かった。

30過ぎの童貞と20過ぎの処女の恋愛描写など、ｷｼｮ過ぎ。
それを、齢40にもなる男が描いているというのがもっとｷｼｮｲ｡

森は下手だろ？恋愛。
まあ赤川次郎よりはずっとマシだが

＞９
男の感覚だね。
女の子が一番共感できるのは赤川次郎なんだよ。

当方女だが赤川次郎の男どもは女に都合よすぎる気もしないでも
ない

森なら「今はもうない」の笹木は結構よかったと思うが。

「本格度」が高ければ高いほど作りが人工的にならざるをえないと
いう部分はどうしてもあると思う｡そこをさらに超えて心理描写を
納得いくものに、という声があってもおかしくはないが、それはや
っばりなかなか難しいだろうね。
この手の話題、過去に何度も現れては消えしているが、なんか最後
は罵倒しあってグダグダになるんだよなあ・・・

では、心理描写というよりも、人物造形がうまい作家は？

変化球だが京極の｢魍魎の匣｣で殺人に動機が必要かどうか
考えてみるのもいいかもね。
殺人を実際に犯した人の書いた本じゃだめなのか？ルポとか。
人間描写､心理描写､人物造形がどんなに巧みに書かれていても
自分にとって魅力の無い人間のそれは意味があるとは思えないが。

「ら抜き言葉殺人事件」で思ったんだけど、
なんで独身なのにあんなにオバさんの心理がわかるんだ、
島田掃除。マジ会った事ありそうなオバさん出てきて
こわかったっすよ。これも「人物造形」のうちにはいるのかな？？

島田荘司、言われてみればもっともです。見落していました。
「奇想、天を動かす」の犯人とか、なんであんな人物が書けるんでしょう。
すごすぎとしかいえないですよね。

「バトル・ロワイアル」
寧ろ高見の文章はヘタだと思うが
それでいてあんだけ感情移入させてしまうのは
やっぱり「人物造形」がウマイからだろうか？

設定が分かり易くてゲームみたいだから

あぼーん

あぼーん

>18
ちょっと逸れますが。

１．なるべく平易な言葉で書こうとしている作家
　　東野圭吾、宮部みゆき
２．なるべく難解な言葉を使おうと頑張っている作家
　　麻耶雄崇
３．もともと難解な思想なので難解な言葉を使う作家
　　笠井潔
４．思想の深さに見合って読みやすい文章
　　島田荘司、綾辻行人
５．思想の深さに見合ってるのに読みずらい文章
　　清涼院流水
６．乾いた筆⇔湿った筆⇒粘着質な筆
　　泡坂妻夫⇔横溝正史⇒江戸川乱歩
７．西洋人ギャグや決め台詞、日本人的には寒い言葉
　　山口雅也
８．上手い、下手を、ムードで超越しようとしている作家
　　京極夏彦

さて、高見広春。
世間では「文章下手」と言われますが、
私的には、１と８のミックスで、好感持てます。
因みに、２と７が苦手。

>>22
その分類だと二階堂黎人はどれになるの？

>>22
７は良いと思うけどなあ。
海外やハードボイルドに親しむと、割と平気なんだけど。
キッド・ピストルズとか屍は、舞台日本じゃないしねえ……

>>1
Ｐ・Ｄ・ジェイムズなんてど変態がいますけど……
どんな動機も、重厚にして晦渋な文章と執拗な描写で
無理矢理にでも納得させられます。
「文学系」の暴力って感じ。
いや、大好きなんだけどね。

22です。
>>23
極私的な分類で恐縮ですが、
二階堂は４でいいと思います。

後で読み返すと１の言い方が不充分で
４との違いが出ていないようです。
１はエンターテインメント作家として
器用なくらい高い技術を持ちつつも、
敢えて（プロ意識か創作哲学か？）
日常的な言葉で描写しようと努めているところに
「凄み」というかを職人芸を感じる作家です。

>>24
山口雅也の作品は、ミステリとして
とてもレベルが高いと思います。
読みながら海外翻訳物と錯覚してしまうくらいです。
ただ本物の翻訳物と違い、もともと日本語である分、
ある意味、救われない部分を感じることもあるのです。
（作品を読むときに作者の顔がちらつく…そんな私の我侭です）

東野圭吾「白夜行」や宮部みゆき「火車」みたいな間接技法で
逆に心理が浮き彫りにされる作品を教えて下さい。

間違っても綾辻に思想性なんか感じ無いけどね・・・。
彼の執筆は非常に無自覚で、トリックやサプライズの演出を考えているだけだと思うな。
その純粋さ、単純さがミステリとしては力強かったんだろうに。
むしろ思想と言う観点からすれば「無い」か「浅い」のどちらかでしょう。

島田は思想のようなものを持とうとしているけど、非常に浅い。
たとえば「水晶のピラミッド」のような文明批判は小学生にも言えるレベル、もしくは「24時間TV」レベルだよ。

追加。
つまり思想の浅さに見合って読みやすい。
――だよね。もしかして最初からそういう意味？

>>29
22です。
察して下さい。

桐野夏生とか篠田節子とかの女性陣は結構上手いと思ふ。
高村薫は好みの分かれるところだけど。
男で上手いのは誰だろ。萬月かなぁ。初期の北方とか上手いと思う
なぁ。ペレケーノスみたいで。

売れっ子だからアンチも多いが
京極の主役クラス４人の
性格分けとそれぞれの関係は
ほぼ完璧だと思うな。

>>32
くっきり分かれてるよね。
でもエノさんはやり過ぎ…。
まだ御手洗のほうが理解出来る。

皆さんありがとうございます
バトロワは心理描写の注目すべき作家だとは言われてますが･･何故だろう素直に認められないのは
やはり独特のムードが強すぎるのが原因かな？キャラを身近に中学生らしく一生懸命リアリティ出そうとしてるのは
伝わるのですが､かえってそれが目に付くというか・・・
島田掃除氏は好きですね。京極堂も読みましたが魍魎のハコ好きです。
あと>>7で述べてたような人物の出てくる作品とか好みなんですが(藁)そういうのは無いかなぁ？

>>32
それはステレオタイプといって
人間描写が上手い、では微妙にちがうようなきがします。

ドラえもんのドラ、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずか
ちゃんみたいなもんだな。

森博嗣って人間が書けてないってよく言われる（言われた）けど、
私のような象牙の塔に生きる人間にとっては、
研究者タイプの人間が非常によく書けていると思います｡

やっぱドストエフスキーでしょ。ずば抜けてる。実際にはまずいないような
病的な人間や芝居じみた道化ものを書いているのに、読んでるとまるで目の前
にいるかのようなリアリティを感じる。天才だわ。

たしかに性格の方はステレオタイプだよね。
あと、よく言われるけど女達も。

ステレオタイプでも魅力的に書けてるから力があると言えるんでは。

ステレオタイプってのは元々優れていたから定番にまでなったわけで。
優れたパターンを皆が真似したからステレオタイプになったんだよ。
そりゃ中には才能がなくて安易にステレオタイプに走る作家もいる
からステレオタイプ＝凡庸ってイメージもわかるけど、ステレオタイプ
は必ずしも悪いわけではない。きちんとした実力のある作家なら
王道と呼べるようなステレオタイプの傑作をものにすることもできる。
文章変でごめんね。

>>37
工学部出身の友人に言わせると、
森小説の登場人物は、理系人間がよく書けているらしい。
文系の俺にはわからんが。

ほんとですか。
個人的には今の世代（１０．２０代くらい）
の生き様がよく書けている作家を知りたいところ。

小野不由美は人間作家だと思いますですよ！
ストーリー性とかもスゲけど。
特にスゲのは
１．思いこみの激しい少女
２．むかつくおばちゃん
３．清々しい少年
だと思います。
脇役ひとりひとりの性格設定から心理描写まで絶妙。
絶妙すぎてマジで腹立ったりするのが偶に傷か？

あぼーん

若い作者が書く話は、ネットで簡単に犯罪したりだらだらとすごしたり幼児好きな若者がよくでますが、それは社会がイメージする最近の若者であって、なんか違うなーと思う

>>34
「バトル・ロワイアル」その他大勢的脇役たちの描写は巧いと思うが
絶対に厨房に思えんメインキャラどもはやめてくれ。

乃南アサとか。

背景描写だったら、
志水辰夫。

>>35
まて。ステレオタイプの使い方間違ってないか？
何のステレオタイプだ？えのきづが「探偵」のステレオタイプなのか？

何考えてるかよく解らなくて奇怪な行動をとる、つまり「変人」の紋切り型って事じゃない？
榎木津がありふれた人物造形とは思わないけど。
沢山本読んでるとどうしても感覚が麻痺して部分部分はどっかで見た事あるようなキャラに感じられてしまうからねぇ。

ニュアンスの揚げ足とりかもしれないけど、それなら
「ティピカル」の方があってる気がするんですよねえ。
酒が入ってた事もあって、乱暴な書きこみになってたね。
自戒も込めてスマソ。

あぼーん

奥田英郎に一票。
「最悪」と「邪魔」同じくらい面白かった。
人間描写ホント上手いと思う。

>>1
乃南アサなんか，どう？好き嫌い分かれるけど。

>>56
可もなし不可もなしって感じの作家だけど、
読後ほのかにやな感じが残る。
人間描写に関しては、「ひたむきな女刑事」ぶりが鼻につくかな。
あと、実家の近くが舞台になってる小説が多いけど、地域描写はだめだ。
地名だけあとではめこんだように、存在感が薄い。

北村薫は、どうよ。
俺的にはしょうもない文学なんぞより、ずっと納得思考だったよ。

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