○●鮎川哲也スレッド■□

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908書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
鮎川センセ(以後「鮎」と略す)は、怪奇探偵小説はお好みではないらしく、
長編ではこの傾向のものは1作も書いていない。
創元推理文庫「日本探偵小説全集12 名作集2」の解説で、
鮎は蒼井雄(「船富家の惨劇」と「霧しぶく山」の2作を収録)に関して、
怪奇因縁噺めいた分野(*収録作品のうちの後者)にはそっぽを向いて、
あくまで純粋推理の作品(*収録作品のうちの前者)を執筆して欲しかった旨を記し、
「霧しぶく山」を蒼井氏の中編の代表作と認めながらも、こうした傾向のミステリには
興味が持てないと述べている。
しかし、鮎短篇の代表作である「赤い密室」「白い密室」は、因縁噺とは言い難いかもしれないが、
J・D作品を想起させるような怪奇探偵小説なのは面白い。