都筑道夫

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796書斎魔神 ◆CMyVE4SVIw
慎んで御冥福をお祈りします。
最後まで巨匠、人気作家という感じの作家ではなかったが、
技巧による面白さ(長編では謎解きになる)に徹した姿勢は見事ではある。
反面、ミステリにも人生の哀歓とか警句のような「小説」としての充実を求める人には
物足りない面も多かった。筆者もそのひとりである。
本格長編ミステリでは、横溝正史、鮎川哲也、両先生には遠く及ばず、
SSではテーストの差があるとは言え星新一先生の後塵を拝し、
捕物帳、怪談の分野では、岡本綺堂御大のような古典足り得なかった。
器用貧乏な感もある人である。
唯一のヒットとも言える短編連作ミステリの退職刑事シリーズは、E・D・ホック好き
あたりには支持されそうではある。