722 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :
711氏の論が説得力を欠くのは、主張に対応する根拠が明記されていない点に
あるかと思う。
例えば、
>日本ミステリ史(仮にそんなものがあればだが)を俯瞰する上では大藪作品を
>ハードボイルドの嚆矢と するのはやぶさかではない。大藪作品はミステリでもなければ、
>冒険小説でもない。それでは都合が悪いからである。
なぜ、日本のミステリ史というものの存在に疑問を感じるのか、大藪作品がミステリ、
冒険小説と把握すると、なぜ都合が悪いのか、(実はこの点には個人的には共感する面も
ある)簡略でよいので根拠を示すべきであろう。
>ハードボイルドとは何かを明確にしなければならない。
これはポイントになる部分である。
ハードボイルド小説を文体等の形式のみから定義した場合には、
>主人公の行動を描写する文体はハメットなどの影響を受けているが
711氏も認め、大藪氏のエッセイからも読み取れるように、
大藪作品は「ハードボイルド小説」に該当すると考えて間違いはない。
従って、「大藪作品はハードボイルド小説ではない」と無条件に断定するのは
誤りである。