1 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:
清涼院流水。
ここでも当然のごとき扱い受けてますね。
大方同感なのですが……私自身はそれなりに楽しめました。
(人にはけして薦めませんが)
メタな要素が入ったミステリは初めてでしたので。
初めて、というのは多分私が物知らずだからだと思います。
どなたかアレ以外にメタ的なミステリをご存知ないでしょうか?
「メタ」の定義はしません。広い意味の解釈でOKです。
京極と森のごとき「リアリティを疑う(西澤保彦曰)」な手法も
含めてでお願いします。
考えてみれば
アレが「初めて」な訳ありませんでした。
竹本と麻耶は読んでます。
ぜいたくかもしれませんが、それ以外で頼んます。
というよりネタ。
メタの定義はしません。
そういわずにやってくださいよ。
5 :
ねつてつ:2000/07/09(日) 08:40
メタ系ということで、考えてみると、実は少しハズした作品の方が、メタの本質が
よくわかるかも^^
まず、積木鏡介の「歪んだ創世記」
笑えるメタ。
京極夏彦の「絡新婦の理」
なんと、事件がメタ的構造
6 :
>2:2000/07/09(日) 09:56
麻耶はメタ小説は書いてないと思うけど・・・
もしかして「夏冬」のこと言ってる?
あれのどこがメタなの?
7 :
あとそれから:2000/07/09(日) 10:04
清涼院流水ってメタなの?
読んでないので分からない・・・
どこがメタなのか解説きぼーん。ネタバレ大歓迎(^^)
8 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 10:25
メタなのかどうか解らないところがメタなのです。
9 :
メタって:2000/07/09(日) 10:29
作中作があるやつのことだよね?
あと実在の作家が作中に登場するやつもそうだよね?
違ってたらだれか教えて下さい。
マジっす。
10 :
定番だが:2000/07/09(日) 10:31
東野圭吾「名探偵の掟」
11 :
天然八歩:2000/07/09(日) 11:18
江戸川乱歩「陰獣」
元祖メタです。
12 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 11:32
「人形館の殺人」
13 :
ねつてつ:2000/07/09(日) 13:29
さて、意外にメタとアンチの区別がつかない人も結構いそうなので、
簡単に説明。
結論から先に言うと、代表的な作品だけで理解しようとしたら、区別が
つかない人がいても、仕方がないのね。
まずはメタ。こちらは、「作中作としてのミステリ」があることが条件。
ただ、これだけで「メタ」と決めちゃうとメタ、結構多いよね。
で、まあ、効果、狙いということで、「作中作のミステリと本線のミステリが
ある程度リンクし、交錯しているもの」を、大抵の人はメタとして考えている
ようです。最近では歌野晶午氏の「安達ヶ原の鬼密室」とか、メタと言えばメ
タと言えないこともないかな?で、笠井潔氏の「天啓の宴」「天啓の器」など
は、これもメタなんだけど、メタフィクションという別なジャンル。それも純
文学の形式。小説の中で小説について書いたり、批評したりする形式のことで
す。
次にアンチ。中井英夫氏が提唱したんだけど、要するに、「全てが最後に割り
切れて大団円なミステリの対極だッ!」みたいな感じ。大まかな定義はないけど、
最後に本格ミステリとしては欠陥ともいえるような大きな謎を、意識して残した
ままにしちゃうという風で、作者はミステリ世界における確信犯的犯罪者になる
のね。
で、二つを考えると、メタというのは構造、ジャンルというより、一手法なのね。
だから、メタにしてアンチなんてのは、別に不思議でもなんでもないの。やたら
メタとして有名な「匣の中の失楽」は、正にそうだから、ついついメタとアンチを
混同する人がでるようだね。作品だけで考えたら、勘違いも無理はない^^
以上、かなりはしょった説明ではありますが。
次にアンチ。
14 :
>7:2000/07/09(日) 15:33
>清涼院流水ってメタなの?
清涼院流水の場合、存在そのものがメタだからな(笑)
流水は作家というより、誰かの小説の登場人物みたいだろ?(笑笑)
15 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 16:41
古めのを挙げとくと『トレント最後の事件』とか、
『陸橋殺人事件』とか、アントニイ・バークリーの諸作とか。
特に『トレント』はいま読んでもおもしろいと思う。
16 :
メタメタ:2000/07/09(日) 18:28
メタってのは手法だね。
そー言うと全ての小説は何らかのメタ的要素が入っているんだけど。
まぁメタってのは小説のお約束事を敢えて外すというお約束事
(最近では、そのお約束事も敢えて外す(笑))
があるんだけど、そーゆー意味では流水氏は外してる。確かに。
でもあれは何て言うのだろう。
「悪い意味で」敢えて誰もやらなかったことをやってるだけ(^_^;)
つまり1さんが望んでいるのはメタ度の高い小説ではなくて
所謂バカミスのことなんじゃないのかね。
17 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 21:51
ねつてつさんのいってる「メタ」の定義って本当にあってる?
なんかイメージと違うんですが。
それだと「メタ」と「メタフィクション」は違うものみたいだけど、そうなの?
なんか参考資料ありますか?
18 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 22:04
>「作中作のミステリと本線のミステリが
>ある程度リンクし、交錯しているもの」を、大抵の人はメタとして考えている
それなら「Yの悲劇」もメタになっちゃうぞ(ワラ
19 :
す@:2000/07/10(月) 01:01
ギルバート・アデア「作者の死」
内容は全く覚えてないっす。もしかしたらミステリですらなかったかも。
20 :
天然八歩:2000/07/10(月) 01:05
マケイブ「編集室の床に落ちた顔」はいかが?
21 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/17(月) 02:08
あのさぁ、「メタ」って単独で使うのやめようよ〜。
これ、接頭辞だよ。
22 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/17(月) 11:44
「メタ」ってもうミステリ用語化してる気がするときがある<接頭辞
23 :
キョムクモ:2000/07/18(火) 22:36
メタってよくわからない。
叙述トリックのことかと思っていましたが…。
私が読んだことがある下記作品の中に該当あります?
1.十角館の殺人
2.殺戮にいたる病
3.頼子のために
4.11枚のとらんぷ
5.倒錯の死角
24 :
麻耶信者XX:2000/07/19(水) 02:12
「11枚のとらんぷ 」はややメタ。あとはメタでないと思う。
25 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/19(水) 14:58
「メタ」を日本語に訳すのは難しい。
「高次」と訳すのが一般的かもしれない(これも接頭語ね)
26 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/19(水) 16:04
前にどんな本読んでるのか聞かれて
貴志祐介とか・・・、・・・リング、京極は読みました。
と答えたところ「あ、メタミスのほうなのね」と言われましたが、
私が無知なのを良い事に知ったかされてしまったんでしょうかね・・・。
27 :
天然八歩:2000/07/19(水) 20:22
「メタミステリ」は「入れ子構造のあるミステリ」という意味で皆さん
使っているんじゃないかな。その意味で「叙述トリック」とは重なる部
分もあるけど本質的には違うと思う。
28 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/19(水) 20:35
たまに「ネタミステリ」と表現されていることもありますよね
29 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/19(水) 20:56
「メタ」の定義から考えると
「メタミステリ」とは
「ミステリを説明、分析するためのミステリ」
「それ自身がミステリであることを知っているミステリ」
とかいった感じになるのでは。
自己言及性があるのは全て「メタミステリ」と言えると思う。
30 :
名無しさん@そうだ占拠にいこう:2000/07/19(水) 21:05
事件か?と思っていた事象が(作中)ネタだったり
探偵(役)の解釈が(意図的)ネタだったりするのが
「ネタミステリ」だと思える
31 :
30:2000/07/19(水) 21:19
うわわわわ
「メタ」ミステリだったのですね!!(汗)
私、本気で「ネタ」ミステリだと思ってました・・・・
すみませんでした!
ミステリ・・・・って、ミステないでください(汗)
32 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/20(木) 00:47
都筑道夫『猫の舌に釘をうて』
33 :
神居鈴:2000/07/20(木) 02:52
『迷宮Labyrinth』倉阪鬼一郎
はて、メタミステリーというか、ミステリーじゃないというか。不思議な作品。
34 :
麻耶信者S:2000/07/20(木) 06:35
『迷宮Labyrinth』はミステリだと思って読むと結末に大激怒してしまう
ので気をつけましょう。
何が三重密室だよーー。ふざけんじゃねーよコノヤロー!!!
35 :
>34:2000/07/20(木) 10:48
同感。あそこまでミステリわかってないとは思ってなかったよ。
36 :
>29:2000/07/20(木) 14:20
私もそういう認識でした。当然、入れ子構造も含まれますよね。
最近読んだのでは、『ゾク・日本殺人事件』がちょいメタ?
「みすりん」にある、リンク集のリンク集が「メタリンクス」
これってメタの説明にうってつけかなあと(笑)。
37 :
名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/04(金) 16:15
最近ねつてつさんが来ているのでサルベージage
38 :
ねつてつ:
せっかくあげてくれたのだから、もっかい説明をこころみてみようか。
かなり想像で補う部分が多いのだけれど…
さて、「メタ」と呼ばれる作品の解説にはまず出てくるのが、「メタ的
構造」という言葉。何のことかといえば、これが大抵、「作中作のある入
れ子構造」を言ってるのですね。つまり、「メタミステリ」という言葉
を用語辞典のような形で定義づけるならば、「作中作のあるミステリ」と
考えるのが、妥当。ただし、この定義は狭い。狭義のメタ。前にも書いた
通り、こういう構造の使い方は、演出、技法として考えたがよく、それを
どういうミステリに使うかで、「匣の中の失楽」と「11枚のとらんぷ」
といった違いが出てきます(この二つをあげたのは、幻影城つながりね^^)
で、同じように「メタ」と認識されてるのが、上の29で言われている
「ミステリを説明、分析するためのミステリ」「それ自身がミステリで
あることを知っているミステリ」というやつで、これの「ミステリ」と
いう言葉を「フィクション」に置き換えると、そのままメタフィクション
という文学形式の説明になります。そう、もう一つのメタミステリの定義
は、「メタフィクションの形式をミステリに流用したミステリ」というこ
となのね。こっちは広義のメタ。
さて、メタフィクションにおいても、入れ子構造を技法として使うという
ことはあり、そう考えると、メタミステリにおいても、広義のメタに狭義
のメタを含んでもいいのだけれど、広義のメタミステリは、多分に思想的
であり、狭義のほうは技法、演出として構造を使っているだけだったりも
するので、ちと同列において考えにくいときがある。別物っぽいんだよね。
分類的に分けてもいいかなー、とか思ったりもします。上手い言い方はない
ものか?
と、まあ、こんなとこで勘弁。