173 :
書斎魔神:
森英俊・野村康平編著「少年少女昭和ミステリ美術館」を読む。
2011年と少し前に出た本だが、古書に出て来たので即座にゲット!
年代によって読者を選ぶ企画ものと言い得るが、
まあ、俺には見て懐かしくも、楽しい本ではあった。
さすがに古過ぎて昭和20〜30年代に出版されたものは、
全く記憶に無いものが多く、50年代に入ると既に成人向き作品を読んでいた頃なので、馴染みが薄いが、下記のシリーズは、マジ懐かし過ぎであった。
・少年探偵 江戸川乱歩全集(全46巻) ポプラ社
このロングセラーは当然でしょ。
個人的には「青銅の魔人」のカバー写真を掲載して欲しかったものである。
(俺の大乱歩作品初体験作品なのだ)
・少年版江戸川乱歩選集(全6巻) 講談社
生頼氏の恐怖感溢れる表紙に慄然。
当時在住していたビッグシティ図書館児童書コーナーでは、わりと暗がりに
あったので、JSをビクーリさせて遊んだ記憶も懐かしくある。
・名探偵ホームズ全集(全20巻)ポプラ社
・名探偵ホームズ (全22巻)偕成社
前者が有名な山中トンデモホームズ(w、
しかし、俺は後者を主に読んでいた。価格もこちらの方が廉価だったのだ。
・ドイル冒険・探偵名作全集(全22巻) 岩崎書店
学校図書館に在庫、不思議に書店で見た記憶無し。
この全集で読んだホームズもの(「恐怖の谷」等)もあるが、
ホームズもの以外の作品を主に読んでいた。
ジェラールとか怪奇小説とか。
174 :
書斎魔神:2014/02/15(土) 13:25:57.56 ID:hXK3cAfV
・怪盗ルパン全集(全30巻) ポプラ社
・「アルセーヌ・ルパン全集」(全20巻) ポプラ社
主に前者を愛読。後者で読んだものもある。
バーネット探偵社とか。
ホームズ派(とういか活劇よりも謎解きが好み)だった俺は、
ルパンが探偵役を務める作(「七つの秘密」等)を
中心に読んでいた記憶あり。
・「世界科学・探偵小説全集」(全24巻) 偕成社
ミステリプロパーの全集ではないが、
ミステリに関してはホームズ、ルパン以外の
作品を読んでいた。
「クロイドン発12時30分」「赤い館の秘密」
「踊る人形の謎」(原作「曲った蝶番」)「闇からの声」等々、
後には全てオリジナルも読んだが、原作のエッセンスを巧く
纏め得た良ジュブナイルという感あり。
ウールリッチ「黒衣の花嫁」が入手出来ず残念な思いをした記憶あり、
SSの「呪われた家の秘密」(原作「グリーン家殺人事件」)、
「黄色い部屋の謎」は、何でか、この全集ではなく後の集英社の全集で
読んでいる。
・「少年少女世界推理文学全集」(20巻) あかね書房
図書館御用達な全集(市立図書館、学校図書室に両方に在庫していた)。
「エジプト十字架の秘密」「魔女のかくれ家」「ふしぎな足音」等が
懐かしい。
これもオリジナルの内容を良く伝えた良ジュブナイルであり、
ジョン>エル、G・Kは退屈という俺の嗜好は、その後オリジナルを
読んでも変化無しだった。
・ミステリベストセラーズ(全10巻) 鶴書房盛光社
ペーパーバックサイズの巻数少なめの全集で、わりと愛読していた。
なぜか、第10巻はSF(宇宙人捜し=犯人捜しと見たか、あの物体X)。
カー、ウールリッチに嵌り、ブレット・ハリディやフランク・グル―バーを
一流のハードボイルドミステリ作家と誤解させる(作品はそれなりに楽しめたし)因となったシリーズ。
175 :
書斎魔神:2014/02/15(土) 13:26:44.48 ID:hXK3cAfV
・ジュニア探偵小説(全26巻) 偕成社
興は惹かれながらも、翻訳ミステリに嵌っていたせいもあって、1冊も手にする
ことはなかった。
「出版当時はさほど評判にならず、爆発的な売行きも見せなかったようだ」
と記されているが、俺の実感にも合うものあり。
在庫していない書店もあった。
今思うと、本邦マエストロの手になる怪奇探偵小説ジュブナイルが多く収録
されているようなので、残念な感はある。
・世界探偵名作シリーズ(全12巻) 偕成社
相当数を読破したお気に入りのシリーズだった。
特にウールリッチ「自殺ホテルの怪」は、その後、ポケミス、集英社文庫で
再読したが、あらためてこのジュブナイルの出来栄えに感心。
とにかく面白かった。
同じ作者の「魔ひょうの恐怖」(原作「黒いアリバイ」)も面白く読んだが、
後に創元で読んだオリジナルはさほどのものとは思えず。
「まぼろしの証人」(オリジナルはアイリッシュ名義「幻の女」)も、
泣きのウールリッチ節無しでは、今ひとつな感あり。
他では「夕日が丘の怪事件」(原作「ポワロ登場」から3作)、
ブレット・ハリディ「呪われた美少女」(原作「死の配当」)、
J・ブリュース「OSS117の秘密」(原作「OSS117 最後の15分間」)
も良かったが、他社のジュブナイルでもおなじみのこの2人の作家を
かなりメジャーな存在と思ってしまった(w
176 :
書斎魔神:2014/02/15(土) 13:27:23.58 ID:hXK3cAfV
・ジュニア版・世界の推理(全24巻) 集英社
私的には海外ミステリジュブナイルの決定版だったかと。
カー(「どくろ城」「ろう人形館の恐怖」)、
バンダイン(「姿なき殺人鬼」=原作「グリーン家殺人事件」)、
ルルー(「黄色いへやの秘密」)等の本格ミステリだけでなく、
ナポレオン・ソロ(「恐怖の大作戦」=原作「ハイ・ティーンを狙え!」、
007(「007は殺しの番号」=原作「ドクターノオ」)
ハメット「マルタの鷹」の正統派ハードボイルド、
ガードナーのぺリイ・メイスンもの「ペルシアネコの秘密」
(原作「管理人の飼猫」)、シムノンのメグレ警部もの「黄色い犬」等々、
多彩なミステリの面白さを知らしめてくれたシリーズである
おなじみブレット・ハリディ、J・ブリュースもあり(w
うーん、成人向き作品を読むようになってからは、
すっかり馴染みが無くなってしまったこの2作家。
・世界名作推理全集(全16巻) 秋田書店
俺が本格的に読んだ最後のジュブナイル全集かと思う。
既刊の他社の全集で読んだ作が多く、
J・ラティマー「死刑六日前」、ガードナー「義眼殺人事件」、
クロフツ「ド―バー海峡の怪奇」(原作「英仏海峡の謎」)等、
このシリーズのみでしか読めないものをチョイスして読んだ。
・ヒチコックと少年探偵トリオ・ミステリーシリーズ
ビニールカヴァーがかかったわりと大判のシリーズだったが、
面白くは思えず。