エラリー・クイーン&バーナビィ・ロス〜PART13〜

このエントリーをはてなブックマークに追加
938名無しのオプ:2013/10/16(水) 13:10:32.60 ID:vDYQfbzB
「顔」と「孤独の島」がリー執筆だったというのには
驚きました。アメリカの研究も進んでいるんでしょう…
939名無しのオプ:2013/10/16(水) 18:25:57.63 ID:ZGC1WEhJ
>>933 >>936

932です、ありがとうございました
「恐怖の研究」は好きなんですけど・・・最後が物足りなくて
あれ、プロットの打ち合わせからもしリーが口を出せてたらもっとなんとかなったのかな、
といろいろ教えてもらって思いました
940名無しのオプ:2013/10/16(水) 20:23:30.20 ID:bkP7+oxZ
『恐怖の研究』の中に『盤面の敵』を引用する場面があるけど、
そこらへんはどうなんだろ?
941名無しのオプ:2013/10/16(水) 22:16:43.46 ID:vDYQfbzB
「孤独の島」がリー執筆というのには驚いた。「顔」なら分かるが。
942名無しのオプ:2013/10/16(水) 23:38:52.47 ID:trnfwoj5
『Zの悲劇』と『最後の事件』って現在はハヤカワと角川しか出してないんだな
新潮の表紙が好みで揃えようかと思ったから残念だ
943書斎魔神 ◆wo8/e6IiAG5v :2013/10/17(木) 00:23:42.76 ID:5D3E1BEH
>>942
昔は新潮版Zはあったんだけどね。
ペイシェンスの語り(訳文)が超絶、宇野作品かおな感があった。
君が声だけでも逝ける、抜けるクチなら、一応見てみるべし(w
944名無しのオプ:2013/10/17(木) 03:39:22.01 ID:v0wt8nK5
女性口調で訳した『Zの悲劇』は、新潮文章ではなく、
旧・角川の田村隆一訳だと、何度間違いを指摘されても、未だ理解できていない。
こりゃ『間違いの悲劇』ならぬ『未読の喜劇』だなw
945名無しのオプ:2013/10/17(木) 08:47:14.63 ID:Suyn8F95
>>942
もともと新潮文庫から「最後の事件」は出ていない。
同文庫のレーンものは、大久保訳の「X」「Y」と、横尾訳の「Z」のみ。
文庫で四部作を揃えようとすれば、創元推理文庫(「Z」も「レーン最後の事件」も現役)、
ハヤカワ・ミステリ文庫、新旧の角川文庫から好みで、ということになる。
946名無しのオプ:2013/10/17(木) 13:29:36.99 ID:5oKKxUme
「恐怖の研究」で、リーが加筆したというのはあくまでも憶測だから……。
基本、現在パート=ダネイ、過去パート=フェアマンの合作として扱うのが妥当かと。
そして、あの現在パートのふくらみの無さが、ライターとしてのダネイの限界をあらわしているんじゃないか?
あれで見るかぎり、ダネイ単独で長編小説は無理。 
947名無しのオプ:2013/10/17(木) 15:55:11.86 ID:RHm3PaKn
>>944
俺も、Zだけは角川のもってた。なんでだろうな。
新潮文庫ではZなかったのか。
948名無しのオプ:2013/10/17(木) 17:06:00.92 ID:posoPTAH
>>946
>ダネイ単独で長編小説は無理

いちおう「ゴールデン・サマー」はあるけどね。
ただやっぱり、あれも「短編」のつなぎ合わせといえなくはない。
949書斎魔神 ◆wo8/e6IiAG5v :2013/10/18(金) 01:05:52.14 ID:+Jhq/4bt
>「恐怖の研究」で、リーが加筆したというのはあくまでも憶測だから……。
さんざ語っておいて、またこれかよ・・・(w
>>947
しっかりしろよ(w
950名無しのオプ:2013/10/18(金) 11:13:45.82 ID:2WFa6Ryi
みなさんのやりとりがあんまり面白いので(まあいつものように例外はいますけどw)
『恐怖の研究』を引っ張り出してきて読み返してみましたよ
たしかにダネイが頑張ったんだろうなあ、と思わせる出来でしたw
自信のないダネイがリーに見せて意見を聞いたとしても、正式の契約でない以上、
リーもアドバイス程度しかできなかったんじゃないかな

『盤面の敵』の引用はよく意味がわかんなかったですね
こちらも読み返してみますか
951名無しのオプ:2013/10/18(金) 18:05:11.19 ID:asDweKWU
“それは、ふまれてはいたが、ふみにじられてはいなかった。それは低くはあったが、いやしくはなかった”

引っかけに使ってるってことは、原文はコナン・ドイルっぽい表現とかか?
952名無しのオプ:2013/10/18(金) 20:44:20.49 ID:NTdBRtCf
>>951 原文は
These are the trodden, but not downtrodden. These are the lowly, but never the low.

『盤面の敵』での訳は
“このような人々は踏みつけられている。だが決して踏みにじられてはいない。これらの人々は、身分こそ卑しいが、決して野卑ではない”
(4章の冒頭)
953951:2013/10/19(土) 08:41:20.76 ID:0QdZZC6C
>>952 有難う。
しかし、いやはや凄いな。The Player on the Oter Side にじかに当れるのか。
誰かも書いてたけど、スレ終盤のこの充実ぶりには目を見張る。
じき終了が惜しいよ。(この一連のメンツがまた揃いますように)

で、と。
問題の箇所、ドイルっぽいかどうかはやっぱり判定できないわ(涙)
ひとことだけ言いたいのは…訳文表記、統一しとけよ早川編集部!
954書斎魔神 ◆wo8/e6IiAG5v :2013/10/19(土) 12:12:51.72 ID:wCaSE/Mp
充実ちゅーか、確証がないことをダラダラ書いて喜んでいるだけのような(w
スレ終了直前に「顔」の完全ネタばれを予告しておきます(w
955名無しのオプ:2013/10/19(土) 12:17:12.54 ID:VgTgVKf6
うへえ。「恐怖の研究」と「盤面の敵」の訳文を比較したことはなかった。
大庭忠男、意味わかってないじゃんw
なんで「盤面の敵」を調べなかったんだろーね。
それにしても、最近、ここを覗きにくるたび感心させられてた。
アレに寄生されながら、ここまで建設的なやりとりが出来るのは羨ましいよ。
956書斎の自己批判w:2013/10/19(土) 12:21:12.86 ID:u+3ju3U6
954 名前:書斎魔神 ◆wo8/e6IiAG5v 本日の投稿:2013/10/19(土) 12:12:51.72 ID:wCaSE/Mp
充実ちゅーか、確証がないことをダラダラ書いて喜んでいるだけのような(w
957名無しのオプ:2013/10/19(土) 17:57:29.55 ID:b7DzI40k
さきに話題になっていた、「ニック・ザ・ナイフ」を読みました。
いや〜、これ、クイーンのラジオ台本のなかでもベストのひとつですね。
ミッシング・リンク・テーマの逆をいく、この趣向って、かなりユニークだと思います。
958名無しのオプ:2013/10/20(日) 07:36:32.82 ID:5mxrFpw5
>>957
「ニック・ザ・ナイフ」は、そうですね。
通例あの手の話って、共通項がキイになるのに、これは実は「○○は○れ」を捜せ、なんですね。
ミッシング・リンク・テーマの新機軸だったと思います。
959名無しのオプ:2013/10/20(日) 08:05:54.57 ID:5mxrFpw5
「恐怖の研究」の、引用文のヘンな訳について。
訳者の怠慢は勿論なんですが、それでも担当編集者がちゃんとクイーンを読んでいれば・・・
チェックしたと思うんですよ。

同様に残念なケースが、青田勝訳「最後の女」の導入部ですね。
こちらは、クイーンの用意した趣向を、訳者が理解していない。
誤訳ではないんだけれども、そこは先行作の訳文と合わせないと意味がない。
やはりこのへん、早川の、クイーンにあまり関心のない編集者の仕事だった証左でしょうか。
960名無しのオプ:2013/10/20(日) 10:23:18.75 ID:6+AeTCcn
>>959 クイーン追悼号の座談会かなんかでは青田さん、
『最後の女』は『顔』から続いてるって発言してたのにね。

青田、大庭、尾坂、繋がりのある作品に限って、訳者が別々ってとこからして間違いの始まりだったのかも。

早川は、『最後の一撃』と『ローマ帽子』の挑戦文も統一してないし、そういうとこかなり無頓着なんだよね。
961名無しのオプ:2013/10/21(月) 12:45:31.33 ID:fuVIPsCB
あいだに「真鍮の家」と「孤独の島」をはさんで二部作を書いた意味って、なんだろ?
962名無しのオプ:2013/10/21(月) 13:03:38.45 ID:fuVIPsCB
上のほうで、ダネイ単独で長編は無理、という話があったけど、
別な見方をすれば、短編なら書けそう、ってことにもなる。
ダネイとリーが別個に書いた短編とか、ありそうにも思うがどうだろ?
963名無しのオプ:2013/10/22(火) 00:09:42.73 ID:hCkmbH1V
『検察局』や「パズル・クラブ」なんかはダネイでも書けそう。
964名無しのオプ:2013/10/22(火) 08:14:32.64 ID:CniAJxYP
>>962
リーの体調不良からくる、作家エラリー・クイーン終了のお知らせとも言える「最後の一撃」から、
新体制スタートの「盤面の敵」までのあいだ、そのはざまの時期に書かれた少数の短編は、
かなりの程度、ダネイ本人の仕事ではないかかと思います。
具体的には、「Eの殺人」や「パラダイスのダイヤモンド」。
965名無しのオプ:2013/10/22(火) 08:44:20.37 ID:CniAJxYP
>>961
ダネイ+デイヴィッドスンの「真鍮の家」が、それ以前の契約で書かれていた別物とすれば・・・
「孤独の島」は、まんざら“二部作”と無縁とも思えないんですよ。

 そしてエラリーは立ちつくした。彼が自分だけの島に立っているとき、彼の手に、誰かの
 手が触れた。

「最後の女」のラスト、“自分だけの島”って、要はジョンダン(「孤独の島」の引用詩)
のいう「島」でしょう。
そこを純粋にテーマとして膨らませたのが、「孤独の島」。
ミステリ面で、犯人を愛の“孤独の島”においたのが「最後の女」。
――ではないでしょうか?
966965:2013/10/22(火) 08:46:57.52 ID:CniAJxYP
×「最後の女」のラスト
○「顔」のラスト

ですね。失礼しました。
967名無しのオプ:2013/10/22(火) 15:47:56.36 ID:yaplGNFm
『顔』の問題箇所の原文は
 And so Ellery stood there. / He was standing alone on his island when a hand touched his.

ジョン・ダンの『献身』の最初の2行(『孤独の島』の引用部分)の原文は
 No mam is an island entire of itself / Every man is a piece of the continent, a part of the main
968名無しのオプ:2013/10/22(火) 18:14:50.76 ID:st8lTFV3
作家の書きたいことと、読者の読みたいことが一致すれば幸せなんだろうなあ。
「孤独の島」は、決定的にそこにズレがあった。
それに、ジョン・ダンから普通に小説読みが連想するのは、ヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」。
この勝負は、ちと分が悪い。
969名無しのオプ:2013/10/23(水) 06:28:44.32 ID:FV96Mcgr
『恐怖の研究』で『盤面の敵』を正典扱いしたり、
『クイーン警視自身の事件』の続編『真鍮の家』を書かせたり、
この辺りのダネイはリーに対してサディスティックだよね。
それとも奮起を促すため?
970名無しのオプ:2013/10/23(水) 07:26:54.60 ID:LWNniuUS
>>969
長年つれそった夫婦が、いろいろあって、別居してるようなものですから・・・
なかなかその二人の愛憎は、第三者にはわからないですよね。
まえに話題に出た、書簡集 Blood Relations を読めば、ダネイとリーの「合作」が、
いつ空中分解してもおかしくない、危険な「激闘」の連続だったことがわかります。
結局、リーが心臓をやられてダウンしたのも、原因はそのストレスでしょう。

で、俺は俺、お前はお前で「エラリー・クイーン」を継続させていくことになったとはいえ、
リーのプロジェクト(ペーパーバックの乱発)が、ダネイにとって面白いわけもない。
いっぽう、本家として新しいチーム編成で「エラリイ」ものを再スタートさせたダネイが・・・
出来あがった「自作」の水準に満足できたとも思えない。
やっぱりリーでないと駄目なのか? そんなことあるものか!
こちらも相当ストレスがたまっていたのではないでしょうかw
971名無しのオプ:2013/10/23(水) 07:39:48.85 ID:LWNniuUS
「顔」と「最後の女」のリンクの件。
普通に考えれば、プロッターのダネイの仕掛けでしょうが・・・
リーの意見で細部が修正されることは、以前の「合作」でもあったわけですから、
もしこれをリーの仕掛けと考えるなら、表向きの理由(ダイイング・メッセージ
つながり、恋愛ミステリつながり)とは別な、リーの本音が窺えるようで怖いですね。
つまり、「顔」→番外編「孤独の島」→「最後の女」でつなげる。
ということは・・・
「真鍮の家」なんて無かったということですwww
972名無しのオプ:2013/10/23(水) 17:47:46.25 ID:pDSOgxM3
ダネイ&リー物語が読みたくなった。
「アガサ 愛の失踪事件」みたいなやつ。
973名無しのオプ:2013/10/24(木) 12:58:12.04 ID:e/1ariMs
「真鍮の家」は、できればリーに書かせたかったな
それも、「クイーン警視自身の事件」の直後に
かりにそれがエラリー・クイーンの引退作になったとしたら…
「最後の一撃」よりかは納得できたと思う
デビュー作「ローマ帽子」のラストときれいに照応するから
974名無しのオプ:2013/10/24(木) 19:29:34.73 ID:eCuwWGGl
“クイーン親子”サーガの帰結としてはね。
975名無しのオプ:2013/10/24(木) 22:21:27.56 ID:DpPpAOtm
「真鍮の家」はエラリー・クイーンの作品ではないのですか?
976名無しのオプ:2013/10/25(金) 09:45:54.73 ID:bYoFDodm
んにゃ、「エラリー・クイーン」の作品だよ。
原案・ダネイ、文・エイブラム・デイヴィッドスン。
よくある名義貸しの代作じゃない。
ダネイとリーのいとこ同士の合作ユニット、というパブリック・イメージ
からは外れるから、抵抗のある人もいるだろうけどね。
それもこれも含めて「エラリー・クイーン」だということ。
977名無しのオプ:2013/10/25(金) 22:14:24.30 ID:lT2DBwzZ
そ、そんなのエラリー・クイーンじゃねえよ
978名無しのオプ:2013/10/27(日) 18:33:29.80 ID:HsQQePsO
フランシス・M・ネヴィンズのクイーン評伝の、増補改訂版が出たね。
書簡集ともども、あちらでの再評価の機運が感じられる。
翻訳が待ち遠しいよ。
979名無しのオプ:2013/10/27(日) 18:35:23.56 ID:uXvR2tet
>>978 何が加わっているの?
何割くらい増し?
980名無しのオプ:2013/10/27(日) 21:22:18.49 ID:I+k0ReB6
>>978
できれば、早川でなく創元で出してほしいな。
981978さんじゃないですけど:2013/10/28(月) 07:41:10.67 ID:KCEWXMOJ
F・M・ネヴィンズの Ellery Queen:The Art of Detection ですね。
既訳のある『エラリイ・クイーンの世界』をベースに、その後判明した情報を大幅に追加しています。

「第7章 彼らはどのようにやってのけたか?」は、ダネイ+リーの具体的な合作プロセスについて。
「第13章 タイプライターのキーの新しい血」は、このスレでも話題になった、ラジオ・ドラマ時代のバウチャー+リーについて。
リー不在期の新体制のエラリイものも、基本、聖典としてあつかわれていますが、ペイパーバック・オリジナルだった「恐怖の研究」だけは、
「第21章 幽霊の増殖」で、リー主導のペイパーバックと並べて扱われています。
「第22章 いとこたちを訪れる死」では、ホックが「エラリー・クイーン」に参加した「青の殺人」もフォロー。
最終の「第23章 エラリーの終焉」では、ダネイ没後の刊行物――「間違いの悲劇」やラジオ・ドラマ集、書簡集なども取り上げられています。

本来、早川書房が日本語版を出すべきだとは思いますが・・・
やる気のないところから中途半端な訳本で出されるよりは、私も東京創元社(でなければ論創社)に版権を取ってもらって、
きちんとした編集で刊行して欲しいと思います。
982名無しのオプ:2013/10/28(月) 11:34:06.59 ID:+dXEdlw9
『エラリイ・クイーンの世界』の既訳が悪訳だし。
983名無しのオプ:2013/10/28(月) 19:14:09.57 ID:Mo12KFXS
だよねえ。
あのままじゃあ、復刊もキツイ。
怖くて、あそこから引用とかできないもん。
抄訳ではあったけど、「EQ」版の「王家の血統」のほうがずっと良かった。
984名無しのオプ:2013/10/29(火) 16:49:56.33 ID:OkX9nH8J
ho
985名無しのオプ:2013/10/29(火) 18:32:36.43 ID:uCk/2RD7
エラリー・クイーンのスポークスマンはダネイだったんだろうけど、
リーのコメントって何か残ってるんだろうか?
翻訳が待ち遠しい書簡集は別にして。
986書斎魔神 ◆wo8/e6IiAG5v :2013/10/29(火) 21:42:47.28 ID:IZ2efrqU
>ではないでしょうか?
おい、おい、まだ「これ」やっとるよ(w

最後の一撃事件がローマ帽子の次の事件という設定は無理過ぎだった。
読者への挑戦という形式面だけでなく、基本設定(探偵エルの居住地、家族や
ジューナの存在等)の齟齬、作風の変化により雰囲気も異なる感あり。
思えば、ベストセラー作家の頃を忘れられないことによる作家エルの夢を
もう1度状態の結実が、最後の・・・という作なのだろうか?
987名無しのオプ
たしかに、リーの自選ベストとか残ってたら面白いな。
あと、ダネイとふたり、クイーンvsロスで討論したときの発言内容とかも。