森博嗣スレッドPart66

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376名無しのオプ
「今はもうない」についての質問です。
「西ノ園」として書かれている人物が、章によって違う人間を指しているという叙述トリック。
犀川を愛しているはずの「西ノ園」が、犀川ではない人間のプロポーズを受諾してしまい、それに読者が驚くという仕掛けが、小説としての大オチ・メインだと私は認識しています。
私は他の叙述トリック物で、「1章と2章が同じ時間軸であるように見せかけているが、実は違う時間軸である」とか「1章と2章に出てくる、AとBいう人間は、実は同一人物である」
というようなものを読んだことがありますが、それらはいずれも、その叙述トリック自体が、事件と密接に関係していました。
つまり、その叙述トリック自体が事件の本質と密接な関係を持っており、そこを解き明かす事ができれば、事件の全様・真相を解明する事とイコールになっている、というものでした。
そしてミステリならば、当然そうであるべきだろうと思っていたのですが、「今はもうない」の場合、物語としてのメイン(叙述トリック・プロポーズ)の部分と、メインであるべき殺人事件が、全く関係が無いように見えるのです。
私が何か見落としているのでしょうか?
「何なら、殺人事件は起きなくても良かったんじゃないの?」と思っています。
それとも、「シリーズの中に、キャラ萌をメインとした話があっても良いじゃないか」という事なのでしょうか。

だとしても、以前のシリーズを読んでいる読者しか、プロポーズの件は驚かなかったのでは無いかと思うのですが、メインの仕掛けに、前のシリーズを読んでいる事を前提としてしまって良いんですかね?