1 :
名無しのオプ:
2 :
名無しのオプ:2010/10/10(日) 12:11:13 ID:yEiPmwMq
ちんちんのカス
3 :
名無しのオプ:2010/10/10(日) 14:08:42 ID:1+YK1NZ7
4 :
名無しのオプ:2010/10/10(日) 14:24:54 ID:CQkLSRJ+
「こんな殺人が起きることが確定しているスレにいられるか!俺は別のスレに戻る!」
5 :
名無しのオプ:2010/10/10(日) 14:26:31 ID:ASTIA+HU
6 :
名無しのオプ:2010/10/10(日) 15:57:15 ID:l+/beHzT
「まあまあ皆さん、こんな嵐の夜の余興もたまにはいいじゃありませんか」
7 :
名無しのオプ:2010/10/10(日) 16:07:04 ID:cWDSm4Ez
セックス
8 :
名無しのオプ:2010/10/10(日) 17:07:17 ID:RMpOKe7W
も随分永いことしてないな、などと考えながら私は言った。
9 :
名無しのオプ:2010/10/10(日) 18:47:08 ID:mnej3hy6
↓登場人物一覧
10 :
名無しのオプ:2010/10/10(日) 18:48:05 ID:credRavv
小浜大統領
11 :
名無しのオプ:2010/10/10(日) 19:30:50 ID:CQkLSRJ+
小浜大統領専属物真似芸人・エスケープ能治
12 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 00:13:21 ID:Nm1MhXsj
あべちゃん
13 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 00:36:26 ID:QaaV6h5k
それと私の4名だ。残りは後から到着するらしい。
暇なのでモバゲーでもしようと思ったが、そもそも私は携帯を持っていなかった。
14 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 00:45:26 ID:jm6ZY0Sn
今晩は、森進一です
15 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 00:46:58 ID:jm6ZY0Sn
せのびぃしてみいるかいきょうを〜
きょうも、きて〜き〜がとおざ〜かる〜
16 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 17:30:00 ID:8gwRG2EM
「相変わらずテレビ朝田の17時台の番組は面白くないですねぇ。今更オバマのモノマネ芸人が出てきて
モノマネやってますよ。この森進一もモノマネ芸人で、たぶん歌が終わった後にホンモノの森進一が出てきますね」
「相変わらず君はつまらない事には詳しいな。そう言えば、さっきCMでやってたモバゲーって何だ?」
「ヤダなぁ、知らないんですか、所長。携帯でできるゲームですよ」
「携帯電話、だろ。僕は略語が嫌いなんだよ、田中くん」
「いちいち細かいですね、所長は」
ぼくの名前は田中勇馬。所長、すなわち銀田一コースケの探偵社で働き始めて、もう2年になる。
「田中くん、今何時だ」
「17:30です」
「そろそろ依頼人が来る時間だな」
17 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 17:33:59 ID:8gwRG2EM
「コン、コン」
その時、ノックの音がした。何だか上品な叩き方だ。
「はいって…開いてますよ」
「所長、トイレじゃないんですから…」
ドアの向こうに立っていたのは、森本レオ風の初老の男、そして稲森いずみ似の長身美女だった。
銀田一所長、通称銀さんの目つきがにわかに変わる。彼は一目惚れ体質なのだ。
銀さんの性癖はさておき、この二人が、今回の依頼人らしい。
18 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 18:57:37 ID:ZIK/7A9j
なにやら古いチラシの裏に下らない事が書いてある。
燃やしてしまえ。
19 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 19:17:32 ID:cPEziKsv
今晩は、三田明です
20 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 21:04:58 ID:cRyWZpXi
「美しい十代」か。
そういえば俺にはそんな青春はついぞなかったな。
無意味な人間が無意味に歳を喰らい、
今また無意味な行動に手を染めようとしてる…
「やるか」
誰に言うでもなく、俺は呟いた。
21 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 22:16:02 ID:K4s6wLvd
まず全裸になり
( : )
( ゜∀゜)ノ彡
<( )
ノωヽ
自分の尻を両手でバンバン叩きながら白目をむき
从
Д゚ ) て
( ヾ) )ヾ て
< <
人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人
Σ て
Σ びっくりするほどユートピア! て人__人_
Σ びっくりするほどユートピア! て
⌒Y⌒Y⌒Y) て
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
_______
|__ ヽ(゜∀゜)ノ
|\_〃´ ̄ ̄ ヽ..ヘ( )ミ
| |\,.-〜´ ̄ ̄ ω > (∀゜ )ノ
\|∫\ _,. - 、_,. - 、 \ ( ヘ)
\ \______ _\<
\ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
\||_______ |
22 :
名無しのオプ:2010/10/11(月) 23:25:25 ID:8gwRG2EM
何処かの誰かは古いチラシを焼く。
何処かの誰かは名を名乗る。
何処かの誰かは無意味な行動に手を染める。
何処かの誰かは驚くべきユートピアを彷徨っている。
そんな夜だ。
それはさておき、依頼人は目を丸くした。
まぁ、壁紙があちこち剥がれ、ソファからクッションが飛び出し、ゴミ捨て場から拾ってきたような
机を見たら、誰でも驚くだろう。以前、ある事件の捜査のため事務所関係者総出でロスに出張した際、
ついでにラスベガスに出張した銀さんが非合法のカジノでスッテンテンにされてしまったからだ。
しかも通帳を奪われ、暗証番号まで自白し、おまけに借金まで背負ってしまった。
ロスから帰国して真っ先に銀行へ駆け込んだが、残高は0円。事務所に残っていた10万円がわれわれの全財産だった…
23 :
名無しのオプ:2010/10/12(火) 13:35:26 ID:m8x4pQsK
部屋の中の落書きを消していると玄関の方で声がする。
「たのもー!!!たのもたのもたのもーーーーー!!!(`・ω・´)」
ドアを開けると一人の少年が立っていた。
「おめでとうございまつ!!!このペンションのリーダーのでつまつと申しまつ」
何だこの少年は?そうは思ったが私は少年をペンションの中に招き入れた。
多分彼が最初の犠牲者なのだろう。
24 :
名無しのオプ:2010/10/12(火) 20:48:57 ID:7msNjzSu
頭部に鈍い衝撃が走り生暖かい液体が流れ出してくる。
何が起こったか把握するも遅かったらしく、もう一撃加えられる。
「見られるわけにはいかないんでね。」
凶器を置き死体を見下ろしながら考える。
しばらくここに滞在しなければならない。
早急にこれは処分すべきだろう。
幸い周囲に人気は無い。
処分する時間はいくらでもある。
ここに誰も訪れるものはいない。
25 :
名無しのオプ:2010/10/12(火) 20:53:25 ID:m8x4pQsK
そういえば今日から東京の女子大生がアルバイトに来ることになっている。
麓の駅まで姪が迎えに行ってそろそろ帰ってくる時間だ。
26 :
名無しのオプ:2010/10/12(火) 21:17:50 ID:M34gLeQc
「ただいまー」
姪が帰ってきた。玄関に迎えに出たのだが…
「そちらは?」
「頼んでいた人が急に来られなくなったんだって」
「いやぁ、ドーモ。申し訳ないですねぇ、さやかちゃんが急病でして」
「そうなんです。さやかちゃ…いえ、早坂さんが急病で来られなくなってしまいまして」
姪の後ろの妙な二人組は、揃って同じような言い訳をする。「早坂さやか」、確かに
アルバイトを頼んだ女子大生の名前だ。ハヤサカサヤカ、回文が作れそうな名前だった。
「で、あなたがたは?」
「派遣会社「ド・ブース」から派遣されましたぎん……いえ、佐藤です」
「田中です」
何だか怪しげな二人組だ。私の計画の邪魔にならなければよいのだが。
27 :
名無しのオプ:2010/10/12(火) 21:20:34 ID:M34gLeQc
そう、ぼくたち銀田一探偵社のエース調査員(自称)は、偽名を使い、あるペンションでの極秘の仕事を
くだんの依頼人2人から引き受けたのだ。ちなみに、あの稲森いずみ風の美女が早坂さやかだ。
女子大生なのに、30を過ぎた未亡人の如き妖艶な色気…くぅ、たまんねぇ!
出来れば一緒にお仕事したかったなぁ。
「何ニヤついてんだよ田中。気味悪ィな」
「あっごめんなさいぎ……佐藤さん」
28 :
名無しのオプ:2010/10/12(火) 21:27:50 ID:m8x4pQsK
とりあえず胡散臭い二人組みには帰ってもらった。
登場人物一覧
私(俺)・・・・・・ペンション「シュプール」オーナー
小浜大統領
エスケープ能治
あべちゃん
自称 森進一
自称 三田明
超電少年でつまつマン
29 :
名無しのオプ:2010/10/13(水) 02:31:30 ID:S5WxCYCG
吹雪が強まってきた。
二人は無事に帰れたのだろうか。
30 :
名無しのオプ:2010/10/13(水) 07:23:09 ID:oyhjyDJ0
そのとき「道に迷ったんで一晩泊めてくれ」と小沢一朗と女秘書が入ってきた
31 :
名無しのオプ:2010/10/13(水) 11:19:08 ID:RYhi8S8z
やあねえ私秘書じゃないわよ真紀子よ真紀子
32 :
名無しのオプ:2010/10/13(水) 16:26:04 ID:anrYwhd9
という下手な物真似をするのは何を隠そう、再度変装して現れた銀田一と田中だった。
33 :
名無しのオプ:2010/10/13(水) 17:33:31 ID:igNZq1NM
などということはなく、例の二人はメ欄を見て下山した。
以前このペンションの近くで悲惨な事件が起こりその時の亡霊が時々悪さをするようだ。
それはそうと小沢一朗の顔色が悪い。まるで何かから逃げてきたみたいだ。
34 :
名無しのオプ:2010/10/13(水) 19:27:16 ID:67Ii6mC4
萌絵「先生セックスしましょう」
35 :
名無しのオプ:2010/10/13(水) 20:40:25 ID:EqW3NyHI
鳩山「だめだよキミ、ボクには美しい妻が」
萌絵「ゆ・う・あ・い。ねっ? センセ」
鳩山「うぅ〜ん、まぁ、一晩くらいならいっかなぁ〜」
そのころ、M夫人の命を受けた宇宙人が鳩山を暗殺するためにペンションに向かっていた。
36 :
名無しのオプ:2010/10/14(木) 00:28:51 ID:TBuJqUhw
同じ頃、事件の本筋に参加できなかった銀田一と田中はそのまま山の中で凍死した。
37 :
名無しのオプ:2010/10/14(木) 00:40:22 ID:9rZn92Vx
犀川「四季タンハァハァ四季タンハァハァ四季タンハァハァ」
38 :
名無しのオプ:2010/10/14(木) 02:44:35 ID:HCcceZcf
リレー小説したい人とネタに走りたい人が争ってるせいでなかなか流れがカオスってるな。
そう、まるで今の天候のように・・・
byエスケープ能治
39 :
名無しのオプ:2010/10/14(木) 05:33:01 ID:UTvU6PSi
でつまつマン 「書斎タンみたいな芸術を愛する立派な方をいじめるのは僕が許たない」
40 :
名無しのオプ:2010/10/14(木) 11:40:23 ID:uQ/QdvYZ
でつまつマン 「書斎タンハァハァ書斎タンハァハァ書斎タンハァハァ」
41 :
名無しのオプ:2010/10/14(木) 13:47:32 ID:TBuJqUhw
突然発生した大雪崩にペンションは飲み込まれた。
42 :
名無しのオプ:2010/10/14(木) 14:20:47 ID:dZ+ptYx2
スレ立て人も死亡し、このスレは終了。
43 :
名無しのオプ:2010/10/14(木) 18:51:24 ID:kuZC/Scs
そんな事とはつゆ知らず「kamome」は飛んだのか落ちたかで、あべちゃんと真紀子が口論を始めた。
44 :
名無しのオプ:2010/10/15(金) 01:57:38 ID:gcRvWkcD
|┃三 ..--‐-----------..,
|┃ (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::\
|┃ // ヽ::::::::::|
ガラッ. |┃ // ..... ......... /::::::::::::|
|┃ ノ// || .) ( \::::::::| メシはまだか・・・
|┃三 .|.-=・‐. ‐=・=- |;;/⌒i
|┃ .| 'ー .ノ 'ー-‐' ).|
|┃ | ノ(、_,、_)\ ノ
|┃ |. ___ \ |
|┃三 | くェェュュゝ /|___
|┃ _入 ー--‐ //☆☆::入
|┃ /:::::::::|\_____/ /::::::::::::::/::::::\
|┃ /::::::::::::::::\_/i|○::\__/::::::::::::::::|:::::::::::::::|
|┃三 /::::::::y::::::::::::::::::::||:::::::::::::::::::::| ̄ ̄|:::|:::::::::::::::::|
|┃ .|::::::::::|:[ ]:||○:::::::::::::::::|::: :::|:::|::::::::::::::::::|
|┃ .|::::::::::|:::::::::::::::::::::||:::::::::::::::::::|::: ::|:::|::::::::::::::::::|
45 :
名無しのオプ:2010/10/15(金) 03:08:19 ID:gcRvWkcD
ペンション【シュプール】平面図
1F
窓 窓 \ /
┏━□□□━┳━━━━┳━□□□━━━┓ ┏━━━━┓
┃ ┃ ┃ ┃ ┃
┃ 浴 室 ┃ 乾燥機 ┃ 厨 房 ┃ 玄関ホール ┃
┃ ┃ ┃ ┃ ┃
┣ ━━━╋━ ━╋━━━ ━╋━┓ ┏━┫
┃ ┃
┃ ┃ ┏━┓ ┏━━━┓ ┃
┃ ラ ウ ン ジ ┃ニ┃ ┃ ┃
┃ ┃階┃ 食 堂 ┃ ┃
┃ ┃↓┃ ┃ ┃
┗━━━□□□━━━━┫ ┣□□□━━━━┻━ ━━┛
窓 ┗━┛ 窓 勝手口\
┏━□□□━━━┓
┃オーナの部屋 ┃
┃ (離れ) ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━┛
46 :
名無しのオプ:2010/10/15(金) 03:11:29 ID:gcRvWkcD
2F
窓 窓 窓 窓
┏━□□□━┳□□□━┳━□□□━┳━□□□━┳━━━┓
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ □
┃ 1 ┃ 2 ┃ 3 ┃ 4 ┃ 5 □
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
┣━━━━━┻━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━┫
┃ ┃
┣━━━━━┳━━━━━┓ ━━━━━┳━━━━━━┫
┃ ┃ ┃一┃ ┃ ┃
┃ 6 ┃ 7 ┃階┃ 8 ┃ 9 ┃
┃ ┃ ┃↓┃ ┃ ┃
┗━□□□━┻━□□□━┫ ┣━□□□━┻━━□□□━┛
窓 窓 ┗━┛ 窓 窓
47 :
名無しのオプ:2010/10/15(金) 03:48:30 ID:SRhxWgRG
「オーナ」って、森博嗣?
48 :
名無しのオプ:2010/10/15(金) 10:13:42 ID:GmHpa1fo
桜奈(おうな)とはオーナーの飼っている飼い猫のことである。
皆は親しみを込めてオーナちゃんと呼び、
あまりにも溺愛しすぎてオーナのための部屋を作ってしまったほどだ。
49 :
名無しのオプ:2010/10/15(金) 10:22:51 ID:/lUsASrt
ブラウザによって崩壊しているトリックの
ペンションシュプール
50 :
名無しのオプ:2010/10/15(金) 15:05:39 ID:QMZNtrKV
全ての壁に隠し扉が配置されているのは密室殺人をさせないための配慮である
51 :
名無しのオプ:2010/10/16(土) 13:14:38 ID:0GkKkhTD
銀「何て奴だ! わざわざ密室殺人を防ぐなんて! 俺の出番を奪う気だな!」
52 :
名無しのオプ:2010/10/16(土) 17:55:38 ID:a/9zmHCr
二階の八号室は壁に大きな隙間が開いている。
オーナーは多分最初に犠牲者であろうでつまつマンにその部屋を割り当てた。
53 :
名無しのオプ:2010/10/16(土) 21:31:29 ID:juQJQ+Bk
萌絵「そんなことより先生、セックスしまくりたおしましょう」
54 :
名無しのオプ:2010/10/16(土) 22:47:55 ID:JLp+p3e/
しかし犀川の方は萌絵に興味はなく小沢一朗の尻を狙っていた。
55 :
名無しのオプ:2010/10/17(日) 13:56:02 ID:Yc48MR4f
その頃、山中に埋もれた銀田一と田中は融合し銀田中としての新しい生物になりつつあった。
が、本筋には関係ない。
56 :
名無しのオプ:2010/10/17(日) 14:12:03 ID:Qrd1MVMx
犀川「小沢先生!セックスしましょう」
57 :
名無しのオプ:2010/10/17(日) 18:02:38 ID:mNNHyFNX
でつまつマン「セックスって何でつか?おいしいの?(・_・;) 」
58 :
名無しのオプ:2010/10/17(日) 18:29:44 ID:m9O8CnKg
天王寺「君が決めるんだ」
59 :
名無しのオプ:2010/10/18(月) 10:49:08 ID:qOx9+QqX
「777」と闇の中から犯人(予定)が不気味に笑う。
だがよく見ると「ふ」じゃなく「七」だった。
60 :
名無しのオプ:2010/10/18(月) 13:08:35 ID:dkYvpCK+
7が三つそろったので大量のメダルがペンションの屋根に降り注いだ。
61 :
名無しのオプ:2010/10/18(月) 18:29:45 ID:NYwJI8Mr
メダル1枚の直径は1メートル重さ30トン
62 :
名無しのオプ:2010/10/18(月) 20:25:50 ID:qOx9+QqX
犀川は材質でメダルの厚さを計算した。
金=197.8Cm
銀=364.3Cm
銅=427.0Cm
鉄=485.6Cm
鉛=336.4Cm
アルミ=35.3857Km
63 :
名無しのオプ:2010/10/18(月) 23:43:17 ID:NYwJI8Mr
まるでロードローラーだ
64 :
名無しのオプ:2010/10/19(火) 18:58:04 ID:CZX3NI7i
そろそろ夕食の時間だ。
今夜のメニューは三食丼にしよう。
ご飯の上にウドンと蕎麦とスパゲッティをのっけた物だ。
65 :
名無しのオプ:2010/10/19(火) 19:24:43 ID:E9IJusyV
山岡「この三食丼は出来損ないだ、食べられないよ。」
66 :
名無しのオプ:2010/10/20(水) 15:03:31 ID:Nj/eaqGf
十月(太陽暦)と言うのに窓(アルミサッシ)の外は一寸先(約3cm)も見えない激しい(概ね27m/s)吹雪だ。
突然、玄関の扉(YKK製)が開かれ年齢不詳の男(推定60才)が立っていた。
書斎魔神(自称知識人)と名乗った彼は凍えながら叫ぶ「ローマ字の読み方を教えてくれ!!!!!!!!!!」
ふと辺りを見回すとでつまつマンの姿が見えない。
もしかして、これはミステリーで言うところの伏線なのだろうか?
67 :
名無しのオプ:2010/10/21(木) 10:04:15 ID:Fu22t14z
銀田中は猛吹雪の中で咆哮を上げた。
68 :
名無しのオプ:2010/10/21(木) 18:36:04 ID:Ku27awrU
ある方向から咆哮が聞こえた。
私は取り合えず部屋割りを決めた。
離れ------私と姪+飼い猫の桜奈(オーナ)
201号室---小浜大統領
202号室---エスケープ能治
203号室---あべちゃん
204号室---自称 森進一
205号室---自称 三田明
206号室---犀川、萌絵、鳩山
207号室---小沢一朗、真紀子
208号室---でつまつマン
209号室---書斎魔神
ラウンジ--謎の生物「銀田中」
居るかどうか分からない天王寺と山岡は玄関で下足番
69 :
名無しのオプ:2010/10/22(金) 17:28:44 ID:vUtT+1d7
「た、たいへんたいへんたいへんたいへんたいだ!」
鳩山前首相が離れに駆け込んできた。
「変態が何ですって?」
「大変だ、小浜大統領に首脳会談を申し込みに行ったら、201号室で小浜さんが死んでいる。
小浜さんだけじゃなくて、他の部屋にも死体がゴロゴロ転がってるんだ!」
にわかには信じ難い話だ。
「確かなんですか?」
「ボクを疑うんですか!」
「……まぁ、あれだけ問題起こしまくった人なんで、今更信用しろって言われても。
しかもアンタもう首脳じゃないのに何で首脳会談の申し込みに?」
そこへ犀川、萌絵コンビが飛び込んできた。
「き、来て下さい! でつまつマンも書斎魔神も、小沢さんも真紀子さんもみんな殺されている!」
私は姪、犀川、萌絵の三人を離れに残し、母屋へ向かった。鳩山は頼んでもいないのについてきた。
70 :
名無しのオプ:2010/10/22(金) 17:35:17 ID:vUtT+1d7
確かに、みんな死んでいた。みんなみんな死んでいるんだ被害者なんだ。
ラウンジにはあの二人組がいた。何故か、足を奇妙な形に絡めて高鼾をかいている。松葉くずしか?
「……確かにこれは変態だ」
「何かおっしゃられましたか?」
「いえ、別に」
鳩山は耳はいいらしい。
母屋は凄惨の一言に尽きた。そこらじゅう血だらけだ。
209号室の客は、何故かカタカナ語辞典で頭をカチ割られていたが、それはさておき、
206号室の犀川、萌絵、鳩山以外は全員、斧のような凶器で頭を割られて殺害されていた!
71 :
名無しのオプ:2010/10/22(金) 19:59:47 ID:LeLRTyXH
ふと意識が戻った。どうやら悪い夢を見ていたようだ。
そう、最初の殺人が起こるのは
>>100で、まだ早い。
私は今一度
>>1を確認した。
72 :
名無しのオプ:2010/10/22(金) 21:15:08 ID:0C7ol+Sk
犀川「そう言えば書斎魔人くんとでつまつマンくんが一緒にいるところを見た記憶がない」
73 :
名無しのオプ:2010/10/23(土) 04:42:57 ID:dlSnCtpW
不審に思って209号室のドアに耳を付けて様子を窺うと、中のから声がする。
でつまつくんがスレに溶け込んでいるね。
リーダーの存在感がスレを引き締めているね。
いじめは犯罪だよ。
でつまつくんが荒らしているというなら証拠を出して欲しい。
荒らしは出て行けや。
返事をしてあげてくれ。
無視はいじめ以外の何者でもないぞ。
でつまつくんの努力には頭が下がる。
スレ住人も認めてあげて欲しい。
74 :
名無しのオプ:2010/10/23(土) 19:21:22 ID:cphykde2
犀川「あれ・・・さっき見た時は辞書で撲殺されてたはず・・・」
萌絵が突然ドアを蹴飛ばして開けた。開ける前に一言断るくらいしろよ。これだから若い女は。
後頭部にカタカナ語辞典が食い込んだままの209号室の客は、机に突っ伏して息絶えていた。
鳩山「おっ、2ちゃんねるを見ていたようですよ」
犀川「傷を負ってもなお、2ちゃんねるでの工作をしなきゃ死に切れなかったのか・・・何たる執念」
私は、ふいに思いつきを口にした。これは実は、自己弁護に偽装したダイイング・メッセージでは?
犀・萌・鳩「それはない」
75 :
ガリガリ博士:2010/10/23(土) 20:16:42 ID:jA1ACVVg
銀田一コースケが経営する探偵事務所「(株)シルバー・エンタープライズ」(←ふざけた名前だ)は、
高級そうな社名に反して新宿歌舞伎町のオンボロ雑居ビルの二階にある。このビルは見た目よりもかなり古く、
東京大空襲で被災した跡が壁のあちこちに残っているくらい古い。
その古さゆえ、建物の構造上クーラーが設置できず、扇風機で夏をしのぐしかなかった。
しかし、ここ最近銀田一が働かずに一日中事務所でぐうたらしていたため夏になってから電気を止められてしまい、
ここ何日かはうちわで暑さをしのいでいた。
銀「畜生、何も一番暑い季節になってから電気を止めなくたってよさそうなもんじゃないか」
田「銀さんが全然働かないからいけないんですよ」
76 :
ガリガリ博士:2010/10/23(土) 20:17:27 ID:jA1ACVVg
銀「うるさいよ田の字。働こうにも、やれ旦那が愛人作ってんじゃないか、やれ家出した娘探してくれだの、
つまんない仕事ばっかじゃないか。僕は名探偵なんだぞ。全然やる気が起きないよ。そういう細かい仕事は次からお前がやるんだ田の字」
田「よかった、ようやく田の字に戻った。前回の事件は散々でしたよ、ブリ田中だのおもらし君だの、ろくでもないアダ名の
オンパレードだったじゃないですか」
その時、事務所のドアがノックされた。
銀「開いてますよ」
訪ねてきたのは、あの六車六郎弁護士だった。前回の事件、「ここだけ殺人事件2〜孤島への招待状」でお馴染みの、
怪しい関西弁を喋る男だ。
六「ご無沙汰でんな、銀田一はん、田中はん」
銀「相変わらず怪しい関西弁だな、荷車弁護士」
六「荷車やない、六車や! まぁ、ええわ。今日はな、おたくらに仕事を依頼しに来ましたんや」
77 :
ガリガリ博士:2010/10/23(土) 20:18:14 ID:jA1ACVVg
銀「仕事? また怪しげな遺言うんぬんじゃねーだろーな」
六「実はここ半年で、ある宗教団体に関する苦情がたくさん寄せられるようになったんや。その団体をあんさんに調べてもらいたい」
銀「宗教って創価か? だったら俺じゃなくて山崎正友か乙骨正生に聞いてくれよ」
六車六郎は首を振った。
六「創価ちゃう。「神の御こころの会」っちゅう団体や」
銀「また怪しげな名前だな。カミノミココロノカイ、だってよ」
田「何日か前のニュースで見ましたよ。確か、「神の御こころの水」ってミネラルウォーターを売ってる団体ですよね」
六「せや。「神の御こころの水」には、難病の患者を全快させる効果があるそうなんや」
銀「ウッソくせぇ。やい田の字、出発の準備をしろ」
田「銀さん、引き受けるんですか」
銀「あたぼうよ。そんな胡散臭ぇ宗教を放置しておけるかってんだ、てやんでぇバーロー」
何だかよく分からないが、ここ何ヶ月か仕事をしなかった銀さんが急にやる気を出している。ここは助手の僕が
サポートしなければならない局面だろう。
田「お供します」
78 :
ガリガリ博士:2010/10/23(土) 20:19:00 ID:jA1ACVVg
六「引き受けてもろて助かったわ。実は、あんさんたちにも少し縁があるんや、この教団」
銀「縁? もしかして、前回の事件の石原だか関原だかが信者だったのか?」
六「ちゃうちゃう。あの事件の後にこの事務所にも来たやろ、軽尻エリカが」
そう言えば、随分高飛車な女が一度この事務所に来た。確かロンドンにいる筈ではなかったのか。
田「でも、何かよく分からずに来てよく分からないまま帰っちゃいましたよ。別に関係ないような…」
銀「五月蠅いよ田の字。軽尻エリカも御用達の探偵事務所って宣伝すれば、マシな仕事が来るかも知れないぞ」
田「それって詐欺じゃ」
銀「で、軽尻エリカが何の関係があるんです、歯車弁護士」
六「せやから荷車でも歯車でもない、六車や! 実は軽尻エリカは神の御こころの会の信者で、広告塔なんや」
銀「宗教を信じるような性格なのか、軽尻って」
六「何でも一緒にロンドンに行ったタカダだかタカギだかって男に振られて、今度は宗教にすがったそうや」
銀「随分単細胞なんだな」
田「じゃあ、神のミココロの何たらに早く行きましょう銀さん!」
79 :
ガリガリ博士:2010/10/23(土) 20:19:49 ID:jA1ACVVg
「神の御こころの会」の施設は、信州の山中にあるそうだ。珍しく乗り気な銀さん、僕、そして六車の三人で早速向かった。
銀さんの愛車、ローンが五年くらい残っている中古のポンコツ軽自動車に乗って一路、信州をめざす。
当然、助手の僕が強制的に運転させられ、銀さん、六車弁護士は後部座席でトランプに興じている。
二人で七ならべをしてもつまらない気がするが、随分楽しそうだ。少し、ほんの少しだけ、羨ましかった。
しかし、僕は小中高全てでハブられた経験を持つ究極のイジメられっ子だ。別につらくはない。
約六時間かかってようやく、「神の御こころの会」の施設がある無間山の登山口に着いた。
六「ここから先は歩かなあかんのや」
銀「やい田の字、俺をおぶるんだ」
田「それだけは勘弁して下さいよぉ、後生ですからぁ」
銀「ふん、このもやしっ子が。東京に戻ったらお前なんか首にして、スタミナのある助手を新たに雇うからな。お前は
この一件が解決し次第首だ首!」
田「そんなぁ」
六「教団の人間に道案内を頼んだんやが…おお、来よった来よった」
教団の関係者らしき男が、登山道を下ってくるのが見えた。
80 :
ガリガリ博士:2010/10/23(土) 20:52:53 ID:jA1ACVVg
男「六車弁護士ですね」
六「せや。神の御こころの会の方でっか?」
男「左様です。私は「神の御こころの会」教主、鬼頭通玄の秘書をしております雨宮でございます」
六「雨宮はん。わては六車六郎、こっちは銀田一コースケ。探偵さんですわ。その隣が田中君」
銀「私のしもべです」
田「違います、助手です!」
銀「五月蠅いぞ田の字。お前なんて所詮は俺のしもべなんだから大人しくしてろ」
雨「では、教団施設の方へご案内いたします」
銀「あー、雲宮さん。歩いて何分くらいかかるんですか」
雨「雲宮ではございません、雨宮でございます。そうですね……まぁ、三時間くらいでしょうか」
銀「ああ、たった三時間ぽっち……エエエエエエッ! そんな歩くのかッ! 山道をッ!」
銀さんは物凄い典型的なボケをかました。
雨「左様でございます」
銀「よーししもべの田の字、やっぱり俺をおぶって行くんだ」
田「そんなぁ〜」
81 :
ガリガリ博士:2010/10/23(土) 20:53:47 ID:jA1ACVVg
銀田一コースケ(ぎんだいち・こーすけ)………私立探偵。(株)シルバー・エンタープライズ代表取締役。
田中勇馬(たなか・ゆうま)………銀田一のしもべ的な助手。
六車六郎(むぐるま・ろくろう)………下ネタ好きの弁護士。顔は笑福亭鶴光に似る。
鬼頭通玄(きとう・つうげん)………新興宗教「神の御こころの会」教主。
雨宮(あめみや)………鬼頭の秘書。
軽尻エリカ(かるじり・えりか)………女優。「神の御こころの会」信者で、広告塔。
82 :
ガリガリ博士:2010/10/23(土) 20:54:32 ID:jA1ACVVg
ここで神の御こころの会について説明しておこう。神の御こころの会は教主の鬼頭通玄が、平成一年に設立した新興宗教だ。
教主・鬼頭通玄は神の意思を聞き、神の言葉をうつし世に伝える伝道師。
神の御こころの会の資金源の一つが、教団が販売している「神の御こころの水」。癌に体を蝕まれた患者が、
この水を飲んで全快した例があるらしいが、真相は定かでない。女優の軽尻エリカはロンドンから帰国後、信者になって、
今は教団の広告塔を務めている。また軽尻の他にも、政財界や芸能界に信者の数を増やしているらしい。
教団の拠点は信州の無間山(むげんざん)で、鬼頭を含む幹部らは常に無間山の施設で生活している。
田「これが、神の御こころの会の概要です」
銀「ぬあにが概要だ、エラソーに。やい田の字、それ全部パンフレットそのまんま読んでるだけじゃねーか」
83 :
ガリガリ博士:2010/10/23(土) 20:55:26 ID:jA1ACVVg
銀「そのコルゲンだかって奴はあれか? エスパーなのか?」
田「コルゲンは薬じゃないですか。コルゲンじゃなくて鬼頭通玄ですよ」
雨「通玄先生には……」
突然、雨宮が語り出した。
雨「神の声をお聞きになる力がおありなのです」
銀「カミノコエ?」
雨「神のご意思を聞き、それを広めるのが、通玄先生が神から託された使命なのです」
田「それってやっぱり生まれつき備わっている力なんですか?」
雨「ええ、もちろん。通玄先生は生まれつきの、神のご意思を継ぐ選ばれし者なのです」
銀「じゃあ、あなたたちは何のためにいるんです?」
雨「は? 何のために?」
銀「ですから、その神の声を聞く力ってのは生まれつき備わっているものなんでしょ?
逆に言えば、生まれつき持っていない奴は一生かかったって神の声が聞こえるようにはならないわけだ。
だったら、教団で修行なんかしたって無駄なんじゃないですか?」
銀さん、意外に鋭い。雨宮も返答に詰まったらしい。しかし助け舟を出したのは、他ならぬ銀さんだった。
銀「まぁ、神の声が聞こえるのがそのコルゲン先生だけでも、その先生を介して神のご意思は聞けるわけだし、
まるっきり無駄じゃないのかもね。いや、失敬失敬」
雨「…………」
雨宮は何も言わず、また銀さんの言い間違いの訂正もしなかった。
84 :
ガリガリ博士:2010/10/23(土) 20:56:17 ID:jA1ACVVg
六「おお、見えてきたでぇ、教団の施設が」
銀「そろそろその怪しい関西弁やめないか? 破綻してきてるぞ」
六「わては生まれも育ちも関西や!」
田「ウソっぽーい」
銀「テメェ矢車、さては在日だな? 在日を知られないために関西人を装っているんだな!」
六「わては正真正銘の関西人や、在日やない! それに矢車やのーて六車や!」
銀「それで雨宮さん。コルゲン先生には会わせてもらえるんですか?」
六車弁護士の抗議を完全無視し、銀さんは雨宮に尋ねた。
雨「コルゲン先生ではなく、通玄先生でございます。……あいにく先生はお忙しい身でいらっしゃいますので、
ご都合がつくかは確約できません」
六「なぁ雨宮はん。この二人はあの軽尻エリカに縁があるんや。あんさんからも、通玄はんに
頼んでもらえんかな。会ってもらえるように……」
雨「……分かりました。前向きに検討致しましょう」
軽尻エリカの名前を出したのが功を奏したらしい。あのお騒がせ女優もたまには役に立つようだ。
銀「おお田の字! 何かバカにデカい、金ピカの五重塔が見えてきたぞ!」
銀さんの言う通り、五重塔が建っている。しかも、金閣寺並みに金ピカだった。
雨「あの塔が、通玄先生が瞑想のために半日、こもられる神聖なる場所なのです」
85 :
名無しのオプ:2010/10/23(土) 21:20:42 ID:cphykde2
86 :
名無しのオプ:2010/10/23(土) 22:46:21 ID:vbQSfxzS
このスレは過去スレみたいにリレーが続かないな
87 :
名無しのオプ:2010/10/25(月) 10:56:20 ID:1ru1JkS1
>>86 すぐ話を脱線させる困ったちゃんが多いからね。
88 :
名無しのオプ:2010/10/25(月) 11:59:53 ID:7bv9SUr8
つまらねえ話を続けてる奴の方が困ったちゃんなんだがな
89 :
名無しのオプ:2010/10/25(月) 18:22:06 ID:qraVnbun
「なんだとこの野郎!ぶっ殺してやる!」
90 :
名無しのオプ:2010/10/25(月) 18:55:16 ID:qu7uCQ7F
「はいはい」
91 :
名無しのオプ:2010/10/25(月) 23:33:37 ID:ncqjGxEY
そう、全てはユークリッドの掌の上
92 :
名無しのオプ:2010/10/26(火) 10:35:09 ID:WGmdLJOB
まぁ、あれだ
気を取り直して、
>>100からまた話をはじめようや
93 :
名無しのオプ:2010/10/27(水) 01:15:10 ID:o6Md9gJh
「まぁ、あれだ。
気を取り直して、
>>100からまた話をはじめようや。」
「それもそうだな。」
彼の一言でグラスを持っていた彼女達も腰を上げ、今夜はお開きとなった。
だけど、あいつだけが戻ってこない。
かれこれ40分前の柱時計が鳴った時、「送られてきたノートを見せてやる」と言って2階に上がったきりだ。
94 :
名無しのオプ:2010/10/28(木) 14:39:21 ID:Q1Af5Tyf
-------------------------------- 閉幕(カーテン・フォール) ----------------------------
「何なんだ、このヨタ話は」
「連携しないでみんな脱線していくから話が続かないんだろ。まぁ2ちゃんねるのスレが原作の
自主制作映画なんて、はなっから期待するもんじゃないんだよ」
「でも、
>>100からまた新しい話が始まるらしいぞ」
「それもロクな話じゃないだろうがな。ま、
>>100以降は少しは筋の通ったミステリが書かれる事を期待するよ」
彼はそう言って、外国人のように大袈裟に肩をすくめた。
95 :
名無しのオプ:2010/10/28(木) 14:53:38 ID:Qmyn2F7d
ー 完 ー
96 :
名無しのオプ:2010/10/28(木) 16:25:28 ID:/T9ISRYi
97 :
名無しのオプ:2010/10/29(金) 10:47:46 ID:LPMB7eMv
どうせまた脱線しまくるんだろうから、少し変な話にしようぜ。
乱歩の「人間豹」とか「猟奇の果」みたいな、活劇探偵モノにしちゃおうw
クローズド・サークルものは前スレでやってるし。
98 :
名無しのオプ:2010/10/29(金) 12:16:35 ID:2GbDK8k6
じゃあとりあえず「人間猫」で
にゃあ
99 :
名無しのオプ:2010/10/29(金) 20:04:33 ID:ackcs3Lx
指定レスで殺人が起こればなんでもいいんじゃね
100 :
名無しのオプ:2010/10/29(金) 20:13:03 ID:gqQl1Ss/
=== 完 ===
101 :
名無しのオプ:2010/10/30(土) 15:40:19 ID:KrsJwoOK
俺の名前は白鷺小五郎、私立探偵だ…
今日もまた、厄介な事件を抱えた依頼人が新宿歌舞伎町のオンボロ雑居ビルの俺の事務所のドアを叩く。
102 :
名無しのオプ:2010/10/31(日) 10:58:28 ID:xHhUqf3J
「入りたまえ」
ドアが開くとマサカリを振り上げた男が俺をめがけ
103 :
名無しのオプ:2010/10/31(日) 13:40:39 ID:vd5N8vYp
「…! 何をする…!」
男はハッとしたように手を止め、白鷺の目をじっと見据えた。「息子を…私の息子を、助けて下さい…」
104 :
名無しのオプ:2010/10/31(日) 13:48:56 ID:BKPMlxxs
「泌尿器科は下の階だ」
そう、男は下半身に何も穿いていなかったのである
105 :
名無しのオプ:2010/10/31(日) 16:49:21 ID:vd5N8vYp
「中林君!そのくだらないテレビの音を消してくれないか。…とにかく、事情を話して下さい」
白鷺は男の手からマサカリをもぎ取ると、古びた応接セットのソファに座らせた。
106 :
名無しのオプ:2010/10/31(日) 22:35:01 ID:xRzHo1/l
「先生、ぼくの名前は中村です。そろそろ覚えて下さい」
「そうか、なかきすんくんだったな」
典型的なボケをかまし、俺は依頼人に向き直った。助手の中林、じゃねぇ中村も隣に座る。
しかし中村が座った瞬間、オンボロソファの板をぶち抜き、尻餅をついてしまった。
「バカな助手は無視して下さい。お話を伺いましょう」
107 :
名無しのオプ:2010/10/31(日) 23:41:19 ID:BKPMlxxs
ズボンを穿きながら男は答えた。
「実は脅迫状が届いたんです。以前からも息子の周囲で度々不審な出来事が起こっておりまして
その矢先に届いたものです。」
「警察には相談したんですか?」
「ただのイタズラだろうと言って取り合ってくれませんでした。」
「では、その脅迫状を見せてもらえますか?」
108 :
名無しのオプ:2010/11/01(月) 16:56:44 ID:TXqJ6994
「あの」
中村が口を挟んだ。まったく、肝腎な時に煩瑣い奴だ。
「……何で下半身裸だったんでしょうか」
依頼人は何故か、それを聞いてもらいたかったらしい。笑顔で説明を始めかけたため、俺はさえぎった。
「あなたは全国下半身で歩こう会の会員なんでしょう。そんな話は後にして脅迫状を」
「ち、違います。これにはワケが」
「ワケでもワカメでも何でもいい。ご依頼の案件には関係ないんでしょ」
「それが、大いに関係があるんです」
さしもの俺も、意表を突かれた。下半身裸が、一体探偵事務所への依頼に如何なる関連性を有するのだろうか。
「では、説明して下さい」
いい年したオッサンが何故下半身裸でいるのかなぞ大して興味はないのだが、俺はしぶしぶ尋ねた。
109 :
名無しのオプ:2010/11/01(月) 17:02:51 ID:TXqJ6994
「実は、私は全国下半身で歩こう会ではなく、全裸を愛好するジャパン・ヌーディスト・クラブ、
略してJNCの副会長補佐なんです。ただ、町中を全裸で歩くわけにはいかないので、こうして下半身だけ」
なら上半身裸にしろよ。何でそこで下を選ぶんだ、下を。しかも副会長補佐ってすごい中途半端なポジションだな。
「で、JNCだかJCBだかが何の関係があるんです?」
「実は私の息子が、JNCの副会長なんですが」
息子が副会長で、親父がその補佐。何だか妙な人間関係のようである。
今回の依頼はJNCだかJICAだかが肝らしい。いずれにしてもここで息子が登場し、一応ようやく話が繋がった。
110 :
名無しのオプ:2010/11/01(月) 21:46:01 ID:GHHCntie
「中村君!だからそのビの音は消してくれと言っただろう!…いや、失礼しました。
さきほど
>>106でも言いましたように、彼はなかなかバ…いや、味のある助手でしてね。さあ、改めてお話を伺いましょう」
男はぽかんと口を開けて白鷺と中村の顔をしばし眺め比べていたが、やがておずおずとした調子で事の顛末を話し始めた。
「実は…私の息子、いや、本当は息子ではなく…なのですが…」
「はっ? 今、何とおっしゃいましたか?」
111 :
名無しのオプ:2010/11/01(月) 23:53:42 ID:hc/S1+cR
頭にヌルりとした感触が走る。
そうだ、俺は
>>102で頭をカチ割られたんだった。
今までのは死ぬ間際に見るアレなのか・・・。普通なら人生を振り返ったりするものだと思っていたが。
もうすぐ俺は死ぬ・・・。だが・・・
中・・・村君な・・・ら・・・きっと・・・解い・・・て・・・
112 :
名無しのオプ:2010/11/02(火) 00:46:32 ID:6aGGmq77
「ナーカームーラーくーーーーーん!だからテレビを消したまえ!
…いや、失礼しました… ええと…さきほどは何とおっしったのでしたっけ?息子さんではなく…?」
113 :
名無しのオプ:2010/11/02(火) 01:18:29 ID:RhFiixwk
「先生、先週から電気が止められてるのにテレビがつくわけないじゃないですか。現実を受け入れてください。」
そうだった、早く目の前にある依頼をこなして報酬を得なければ。
「それで、息子さんではなくなんですって?」
114 :
名無しのオプ:2010/11/02(火) 09:40:41 ID:AFC5F0on
「もしかして股間のムスコさんですか?」
俺の我慢も限界に達した。俺は立ち上がって、マヌケ面の中村をブン殴った。
「失礼しました、ウチはアウトローな事務所でしてね。…お話を続けて下さい」
依頼人はもはや青褪めて脅えきっている。まずい、このままでは仕事を依頼する前に逃げられてしまう!
115 :
名無しのオプ:2010/11/02(火) 13:02:03 ID:29N33pXg
モスコミュールを飲りながらムスコ見ゆる。
そこには手入れのされていないS&W・M36・2インチモデルがあった。
思わず「フッ」と侮蔑の笑みが漏れる。
116 :
名無しのオプ:2010/11/02(火) 13:35:09 ID:AFC5F0on
「おい、中村くん。何だそのケータイは。モデルガンのCMやってるな」
「ワンセグケータイですよ。これでテレビが見られるんです」
「そ、そんな画期的なシステムがあったのか! 何で今まで教えてくれなかったんだ」
「所長はアナログ過ぎるんですよ」
「ふんっ…あっ、もう1時半だ。おい、昼ドラやってるだろ」
「あの…」
しまった、新世紀の画期的な科学技術の進歩に気を取られ、俺はまたも依頼人の存在を失念してしまった。
117 :
名無しのオプ:2010/11/02(火) 20:53:12 ID:6aGGmq77
「やっぱり昼ドラは面白いなぁ!うーんこちーんちーんーーー!
…おや、どうされたんですか…、あなた!またそんなものを持って…!」
「いや、もう結構ですから…」
男は立てかけていたマサカリを抱え、パンツを脱ぎかけている白鷺と中村をドアの前で振り返りながら言った。
「いけませんよ!あなた!いいですか、早まってはいけません!
安心して何でも仰って下さい。必ず、あなたを助けてみせますから」
「そうですよ、先生ほどの名探偵は日本中どこにもいません。さ、どうぞおかけになって…」
中村はずり落ちたパンツの端をつかみながら、男の肩にやさしく手をかけ、座らせた。
118 :
名無しのオプ:2010/11/03(水) 00:39:28 ID:Xo4U0lc8
「結構だっつってんだろ!」
依頼人はマサカリを振り回す。
「おっと、当たったらどうするんですか。」
「うるせぇ、無駄に時間ばかりかけさせやがって。依頼人放って昼ドラ見てる探偵がどこにいるんだ。
依頼はやめだ、銀田一探偵事務所に行く。」
「ひぃ、それだけはご勘弁を。」
119 :
名無しのオプ:2010/11/03(水) 01:59:46 ID:/Q3CTI93
「呼びましたか?」
事務所のドアがゆっくりと開いて、銀田一がするりと入ってくる。
白鷺探偵事務所はにわかに殺気立った。
120 :
名無しのオプ:2010/11/03(水) 02:17:59 ID:EdpbqNX4
いや、正確には動揺したのは中村だけだった。
「…これは、これは。」
足首にパンツがまとわりつくのも気にならない様子で、白鷺はドアの方へズルズルと歩み寄った。
「貴方がここにくることになるとは、ね」
「お前、その格好で言うことじゃないだろう。私の躾が悪かったと思われてしまう。」
「貴方に躾けられたというほどの思い出もありませんがね、私には。」
もう一つの父と子のもつれた糸が、何かを語ろうとしていた。
121 :
名無しのオプ:2010/11/03(水) 07:13:00 ID:8+yR0qK/
その時、俺の体がブルブルと振動した。
背広の内ポケットから携帯を取り出すと依頼人に「失礼」と告げ窓際に歩み寄る。
彼に聞かれないように携帯を開いて静かに用を済ました。
事務所のトイレが故障し携帯トイレのお世話になって早一ヶ月。
122 :
名無しのオプ:2010/11/03(水) 10:17:49 ID:V8BAcyKd
結局依頼人はそのまま帰ってしまい、俺は仕事を一件失った。
その3日後、俺の事務所があるビルの裏で、銀田一の他殺体が発見された。
「斧か鉞のようなもので」首を切られ、惨殺されていた。俺はすぐさま警察に出頭し、旧知の仲である
新宿歌舞伎町署捜査四課の鬼島警部に事情を説明した。「新宿鬼」の異名を取るこの警部は、オフレコを条件に
こんな情報を俺に提供してくれた。
「実は事件当夜、怪しい中年男がビルの裏で目撃されていてな、そいつは鉞を持っていたんだ」
まさか…あの依頼人が?
123 :
名無しのオプ:2010/11/04(木) 02:38:50 ID:GEKM6c3+
それから1週間が過ぎた。
平穏そのもので、探偵事務所は開店休業状態だ。
助手の中村など転職でも考えているのか、アルバイト情報誌を熱心に見ている。
鬼島警部とは幾度となく連絡をとっているが銀田一殺害事件の捜査に進展はないらしい。
手をつけている仕事もない。依頼人が訪れることもない。事務所内の掃除は隅々まで行き届いている。
特に俺が座る机などはピカピカに磨かれていて顔が映りそうだ。
俺は机から一枚の名刺を取り出した。件の鉞を持った依頼人が置いて行ったもので、「北林久仁彦」とある。
その隣に「北林オフィス」とその住所が印刷されている。
白鷺探偵事務所からそう遠くなかった。車で一時間もかからない。俺はしばらく考えてから立ち上がった。
124 :
名無しのオプ:2010/11/06(土) 00:41:46 ID:PWLsGgb9
が、やはり座った。
そう、まずは電話だ。
125 :
名無しのオプ:2010/11/06(土) 01:55:19 ID:zrL9jp05
心を裸にして相手と話すための儀式として俺はまず服を脱いだ。
126 :
名無しのオプ:2010/11/06(土) 05:00:50 ID:PWLsGgb9
「俺はなにを動揺しているんだ?」
つぶやきながら俺はシャワーを浴びた。
熱いしぶきに顔を打たせながら、北林が事務所に来た日のこと、北林が話したことを思い出した。
「息子を…私の息子を、助けて下さい…」
「実は…私の息子、いや、本当は息子ではなく…なのですが…」
彼の息子は何かのトラブルに巻き込まれている。
そして、その息子は彼の本当の息子ではなく…なんだというのだ?
そして、銀田一の突然の死。
もう二度と会うこともあるまいと思っていたはずが、奇しくも北林と出会ったにふらりと事務所に現れた…銀田一。
本当なのかどうか私自身にもわからない、私の、父。
127 :
名無しのオプ:2010/11/07(日) 00:51:19 ID:tOFNwaF5
事務所に一枚のハガキが届いた。「暑中お見舞い申し上げます」
・・・・・・もののあはれなり
128 :
名無しのオプ:2010/11/07(日) 20:47:21 ID:8s5eTcSG
「なんですか、先生。暑中見舞い葉書ですか」
コーヒーをいれていた中村が覗き込むように首を伸ばしてきた。
「なになに…、“せっかくのスレも話が全然つながってきませんね…”
なんのことでしょうね、先生?」
129 :
名無しのオプ:2010/11/07(日) 22:08:12 ID:MDiHAsVo
【ACT2】
俺の名前はDrトンマ、もぐりの医者だ…
今日もまた、厄介な事情を抱えた患者が日暮里のオンボロ診療所のドアを叩く。
130 :
名無しのオプ:2010/11/09(火) 00:53:28 ID:yeC3PoUN
「おいおい。またスレが乗っ取られているよ。まあ困難が多いほど探偵の仕事は燃えるものだけどな!」
俺は髭を剃りながらひとりごちた。
「あれー。先生おでかけですか」
「おう。ちょっと出てくるわ。ソファでタバコ吸うなよ。お前よくソファ焦がすから」
「あーい」
「今度やったらまじ追い出すかんな!」
「あーい」
中村をおいて俺はクソ暑い中外に出た。
131 :
名無しのオプ:2010/11/09(火) 01:07:36 ID:yeC3PoUN
北林の仕事場は繁華なオフィス街にあった。
受付嬢に名前と要件を述べると露骨に胡散臭いものを見る目で見られ、それが中々気の強そうな美人であったから
俺はひそかに興奮した。
受付嬢は電話で誰かしらと連絡をとってから俺を狭く窓のない応接室に案内した。
勿論、お茶やお菓子もなし。歓迎されていないのは確からしい。
俺は応接室に置かれている灰皿でタバコを三本灰にした。
三本目を灰皿で消していると、ドアがあいて若い男が入ってきた。
細いフレームの中の小さい目が値踏みするかのように俺の頭から足先までを行ったり来たりした。
男は二宮と名乗った。
132 :
名無しのオプ:2010/11/09(火) 14:56:12 ID:bEim25XK
彼は背負っていた薪を下ろし、読んでいた本から視線を外すと言った。
「ご用件は?」
133 :
名無しのオプ:2010/11/09(火) 17:30:01 ID:BowGEnPZ
「実は北林久仁彦さんにお話がありまして。」
「え、何ですって。」
二宮は顔を歪める。
「だから・・・。」
「ふくか、いえ所長の北森久仁彦はお亡くなりになられました。丁度一週間前に。」
そんな馬鹿な。
134 :
名無しのオプ:2010/11/09(火) 19:00:20 ID:YblbYziQ
俺はイライラして答えた。
「いえ、喜多林栗彦さんにお話を伺いたいのですが」
135 :
名無しのオプ:2010/11/10(水) 16:08:15 ID:xjX8A6RZ
「喜多林栗彦という者は当社にはおりませんが?」
二宮は酷く冷淡に言った。俺はヤケクソ気味に
「では滝川クリステルを呼んでください!」
と言った。
136 :
名無しのオプ:2010/11/10(水) 23:54:11 ID:hYNwChs7
「今日はもうお引取りを。」
俺は警備員につまみ出された。
137 :
名無しのオプ:2010/11/15(月) 02:12:42 ID:W9zeiMwc
真矢みき「あきらめないで!」
138 :
名無しのオプ:2010/11/15(月) 12:02:38 ID:3TsesK8A
「そう言えばさっきの二宮だか三宮だかいう奴、「お亡くなりになられました」と言っていたな。
これは敬語として正しくない語法だぞ。戻って訂正してあげなくては、あの三宮だか四條畷だかいう奴の
将来に関わるかも知れない。うん、戻って訂正してついでにもう少し詳しく話を聞かなければ」
日本一美しい日本語にうるさい私立探偵(当社比)である俺は、俺の突撃を阻止するため仁王立ちになった
警備員の急所に拳で強烈な一撃をぶち込み、警備員があの女には分からないえもいわれぬ痛みに苦しんでいる間に
ビルの中へ飛び込んだ。幸い受付嬢はこちらに背を向けて電話中だったため、俺は容易に第二関門も突破した。
後は、あの五位堂だか六波羅探題だかいう奴を見つけ出すだけだ。
139 :
名無しのオプ:2010/11/15(月) 17:49:07 ID:IlCSZvAZ
いつの間にか俺は警察に包囲されていた。
140 :
名無しのオプ:2010/11/16(火) 00:58:04 ID:0be4MsNo
ということにならないようおれは慎重に行動しなければならない。
あの悶絶した警備員はしばらくおねんねしているだろうが、いつ正気づくとも限らない。
可及的すみやかに二宮を見つけ出し、用件をすませなくてはならない。
一階フロワーをスタスタと歩き去り、折から降下してきたエレベーターに滑り込んだ。
好都合なことに相乗りするものはいない。
おれは深く考えるときの癖でポケットの中に手をいれて小銭をじゃらじゃらいわせた。
こうするとおれの脳細胞は活性化し、感覚が鋭くなり、心が充足していくのだ。
今やおれの探偵としての嗅覚はMAXになっていた。
二宮は嘘を言っている。おれとの会見で話した内容は一から十まで虚言だろう。
なぜ偽りを話したのか?おれと北林を会わせたくないのか?二宮をしめ上げなくてはならない。
141 :
名無しのオプ:2010/11/16(火) 14:16:41 ID:3v+vOY+Z
その時だった。エレベーターホールに立っていた俺は、窓の外を「なにか」が通過するのを見た。
上から下に、黒い影が…
俺はすぐさま窓を開け、首を突き出して下を見た。そこは丁度、ビルの正面玄関の前だった。
先刻の警備員が股間を手でかばいながら、落下した物体をおそるおそる覗き込んでいる。
身を投げたのは、若い男のようだった。…
そこから先が大変だった。すぐさま一階へ駆けつけた俺は、突然羽交い絞めにされた。あの警備員が応援を呼んでいたのだ。
たまたま駆けつけた捜査班の中に鬼島警部がいたので助かったが、真実に続く道がまた一つ、途絶えてしまった。
ビルの屋上から落下したのは、七福神でも八百万でも九十九でもない、あの二宮、二宮三四郎なる若い男だった。
それにしても、二宮三四郎って名前をつけた親のセンスは凄いな。
142 :
名無しのオプ:2010/11/17(水) 02:20:43 ID:JXIF8jHL
「困るんだよねえ」
どこか上の空で鬼島警部が云った。
「あれだよね。ぼくは結構、君にはよくしているつもりなんだけどねえ」
「はあ」
俺は肩を落としながら答えた。
「ほら、よそでは話せないようなさあ、捜査状況を君にだけはオフレコで話したり、
君の探偵の仕事にもさあ、いろいと目をつぶったり、便宜をはかったりさあ」
「鬼島警部にはいつも感謝しています」
「うん」
うだるような暑さの午後。二宮という前途ある若い男が理由もわからないままビルから身を投げた午後。
俺と鬼島警部は喫茶店で気まずい雰囲気の中、対峙していた。
「だいたいさあ、人が死にすぎなんだようねえ。まだ200レスにもいってないのにさあ。
銀田一でしょ。二宮がいうには北林、いった当人の二宮。立て続けに三人。こりゃ、警察の仕事も大変でしょうよ」
鬼島警部はまるで他人事のように云った。
「いや。これはスレの流れというか。即興の面白みというか…」
俺はしどろもどろに云った。
「うん。でもさあ。もうちょっと控えめというか慎重にさあ、探偵の調査をしましょうよ。そうしましょうよ」
鬼島警部はやはり上の空で云った。
143 :
名無しのオプ:2010/11/20(土) 02:24:28 ID:aMAAVRA2
俺には三つの選択肢があった。
@ここまま北林、二宮ラインを追うこと。
これは、銀田一殺害事件とも何かしら関連しているかもしれない。
二宮が投身自殺をしたためこの線を追うことは現状かなり厳しい。
A銀田一の生前の身辺を洗うこと。案外この線から新しい事実が浮かび上がるかもしれない。
確か銀田一には田中という助手がいたはずだ。彼をあたってみるのもいいかもしれない。
B中村に暇を出し、事務所をたたんで探偵稼業を廃業すること。
俺の心はB番に傾きかけていた。
144 :
名無しのオプ:2010/11/20(土) 11:36:51 ID:cj8sCEo2
が、動機の線から最有力容疑者となっている俺は思いとどまった。
このまま事務所をたたんだら警察に拘束されてしまうだろう。
銀田一
北林久仁彦
二宮三四郎
この三人の中から調べるならやはり北林だろう。
そもそも本当に死んでいるかどうかすら不明なのだ。
俺は北林の周辺を洗うことにした。
145 :
名無しのオプ:2010/11/20(土) 21:03:48 ID:KMK59GiH
「死んだ…?!」
アバートの扉の前で俺は立ち尽くした。
「そうなのよ、昨日見つかってね…怖いわよねぇ…」
146 :
名無しのオプ:2010/11/25(木) 13:10:33 ID:c5G7e4Bt
北林は戸籍上は百三十六歳だったそうだ。
既に死体はミイラ化していて、北林の長女・北林みなみ(七十九歳)が今、警察で事情聴取を受けているらしい。
147 :
名無しのオプ:2010/12/14(火) 12:45:56 ID:0YjPAP+o
俺は事務所をたたんで故郷に帰ることにした。
上野を出発した列車が青森駅に着いた。
皆誰もが無口で海鳴りだけを聞いているようだ。
俺も一人で連絡線に乗って寒そうなカモメを見詰めていたら
ふいに泣けてきた。
ああ、どうしてこうなった。
148 :
名無しのオプ:2010/12/16(木) 12:37:29 ID:q4d5SlYR
突然、青函連絡線トンネルを走る特急列車が停車した。おかしい、蛇尾海底駅には停車しないはずだ。
車掌が慌ただしく走ってくる。俺は車掌を呼び止めた。
「何かあったのかな? 警察の者だ。あいにく、勤務中じゃないんで身分証がないんだが」
俺は車掌に名刺を差し出した。万一の時に備えて、警察官だったころ(ウン年前)の名刺をまだ持ち歩いているのだ。
もちろん、その名刺は隙を見て、ホンモノの警察が駆けつける前に回収しておくのも忘れない。俺はこう見えても、凄腕の探偵なのだ。
「け、刑事さんですか。実は、函館駅に脅迫電話があったのです。列車を蛇尾海底で停めなければ、列車に仕掛けた爆弾が爆発するって…」
「爆弾? 犯人から何か要求は」
「函館駅にまた電話があるそうです。蛇尾海底駅で列車を停めるのが、第一の要求だそうで…」
何やら、俺はまた妙な事件に遭遇してしまったらしい。
149 :
名無しのオプ:2010/12/18(土) 10:22:43 ID:+WT7pSrZ
偶々乗り合わせていた旅行好きな警視庁の刑事が二人。
亀井「警部、息子の健一が、無人のはずの海底駅で、若い女性が手を振っているのを、見たというんです」
十津川「亀さん、翌朝、女性の刺殺体が、見つかるんじゃないかね。さらに、被害者の婚約者が、東京のホテルで、謎の転落死を、遂げるかもしれないよ」
「警部、台詞が長いですよ」と、亀井は、呟いた。
150 :
名無しのオプ:2011/01/26(水) 21:04:41 ID:G9qlO6Dd
============================== 完 ==============================
結局また脱線しまくって失敗したなぁ
151 :
名無しのオプ:2011/02/11(金) 14:43:52 ID:d78hLDpl
もう初代スレみたいなのは難しそうだな…
152 :
名無しのオプ:2011/02/11(金) 15:09:32 ID:dMpkoABN
自分の思い通りの展開にならないと気が済まない馬鹿さえいなけりゃなぁ
153 :
名無しのオプ:2011/02/12(土) 16:48:18 ID:ts4td7eH
かと言って脱線しすぎるのもね・・・
ネタもやり過ぎると逆効果
154 :
名無しのオプ:2011/02/14(月) 11:03:56 ID:2F+IVJzA
(銀田一)「おい! メインキャラクターの俺の出番が何でこんなに少ないんだ!」
(田中)「あれ、死んだんじゃなかったんですか?
>>122で」
(銀田一)「お前はアホか、田中勇馬。俺の名前を言ってみろ」
(田中)「えっ・・・銀田一コースケさん、ですよね?」
(銀田一)「このスレの
>>100以降を見ろ。全部『銀田一』ってなってるだろ」
(田中)「あっ、まさか!」
(銀田一)「そう、そのまさかさ。
>>119で登場し、
>>122で早くも殺されたのは私立探偵の銀田一(ぎんだ・はじめ)。赤の他人さ」
(田中)「以前からのこのスレの読者を欺くために作者が仕掛けた罠だったんですね! でも、それに何の意味が?」
(銀田一)「俺に聞くなよ。おおかた
>>154が俺たちを題材にまたつまんない話を書きたいからでっち上げたんだろうよ」
(田中)「なぁんだ、そうか。さんざん失敗したのにまだこのスレを続けようなんて、
>>154って相当バカですね」
(銀田一)「ああ、バカだな。お前以下だ」
(田中)「そうそう、僕以下・・・あれ?」
155 :
名無しのオプ:2011/02/14(月) 22:27:31 ID:2F+IVJzA
事務所のドアを開けた瞬間、スチール机の上でなぜか銀さんがコサックダンスを踊っていた。
嬉しさが頂点に達した時、所構わずコサックダンスを始めるのが銀さんの癖なのだ。僕は訊いた。
「銀さん、何かあったんですか?」
「見て分からないか? 依頼があったんだよ、大口の依頼が!」
「へぇ、それはすごい」
「応接セットのテーブルの上に、依頼人からの手紙がある。見てみろ」
テーブルの上には、数枚の便箋がある。よく言えばおそろしく達筆な、悪く言えばみみずが這ったような文字だが…
よく見たら、パソコンの行書体で書かれたものだった。まったく、まぎらわしい!
「えー、なになに・・・私の命を何者かが狙っている。ついては貴殿に警護を頼みたし・・・オタカラジマ、ダイフゴウ?」
コサックダンスをやめた銀さんが笑いながら、
「読み間違えてるぞ。依頼人はショホウジマのオオトミ・ツヨシ氏だ」
「緒宝島」がショホウジマなのは分かるが、名前は・・・言われてみれば、「大富豪」ではなく「大富 豪」になっている。
「緒宝島は、若狭湾の沖にある小さな島だ。大富豪氏がいかに大富豪かは道中、詳しく説明する。出発は明日だ」
「明日って・・・急すぎますよ!」
「嫌なら来なくたっていいんだぞ。俺一人で行くから」
この有能なる助手、田中勇馬が行かずして、事件解決はない!
この自信に根拠はないが、僕は明日以降のアルバイトを全て断った上で、緒宝島行きを決めたのだった。
(あーあ、また孤島だよ・・・何か嫌な予感・・・)
156 :
名無しのオプ:2011/02/15(火) 00:50:51 ID:XCXG70mN
157 :
名無しのオプ:2011/02/19(土) 19:19:54 ID:QZwaLPpl
「おい田中くん、見ろ。このコーヒー、よく見たらデザインがめずらしいぞ」
「もしかしてアレじゃないですか、コアラのマーチのレアな絵柄のヤツみたいな感じの」
「しかしこれBOSSじゃなくてよく見たらKASSだな…炒った豆のカスから作ったコーヒーか?」
「今はエコがはやってますからね。炒ったコーヒー豆を捨てずに再利用するのもエコですね」
「…なんかあんま当たっても嬉しくないな」
そんなこんなで、僕らは緒宝島行きの船に乗った。聞けば緒宝島行きの船は一日一往復で、しかも平日は運休らしい。
でも緒宝島には大富豪さん、ではなく大富 豪さんの一家しか住んでいないから、それで問題ないのだそうだ。
「そろそろ教えて下さいよ、その大富豪の大富豪さんって何者なんですか」
158 :
名無しのオプ:2011/02/21(月) 11:06:15.52 ID:pD1Fl3TT
銀「・・・大富氏はな、日本一有名なAVメーカーの総帥だ。これから俺たちが行く館の名前は「AV館」。
日本のみならず、大富氏が世界中から集めたポルノ、アダルトビデオの博物館だ」
僕のアソコはにわかに興奮し始めた。AVの博物館・・・じゃあ、その館にいる間AVは見放題?
日本のみならず世界中のAVが一堂に会して・・・ヒャッホォォォォォ! 同行してよかったぁぁぁぁぁ!!!
銀「冗談だよバーカ。大富氏は銀座にある老舗の時計店「帝銀堂」のオーナーだ」
159 :
名無しのオプ:2011/02/22(火) 16:04:23.46 ID:XW9fN62I
そんなこんなで僕らは島に着いた。
台風が来れば吹き飛ばされそうな桟橋で、台風が来たら吹き飛ばされそうな痩身の男が待っていた。
「お待ちしていました。銀田一様、他一名様ですね?」
銀田一は頷く。僕は他一名かいッ。
「私は大富の秘書の細井長一です。さっそく「時計館」へご案内します」
時計館? 綾辻行人じゃあるまいし。しかし、細くて長い細井長一さんって、えらく覚えやすい名前だ。
160 :
名無しのオプ:2011/03/01(火) 14:33:23.74 ID:kiOBjOWu
「やっぱち●こも細くて長いのかなぁ」
銀さんは相変わらずKYすぎる
161 :
名無しのオプ:2011/03/10(木) 13:03:29.65 ID:xNHzsm3I
「時計館なんかよりアソコに案内してくれないか」
銀田一の言葉に細井が答える。
「アソコとは何処ですか?」
「在るんだろ、黒くて硬くて立派に聳え立つ断崖絶壁が」
162 :
名無しのオプ:2011/03/10(木) 16:57:31.08 ID:TJNQbt8c
「はぁ…時計館は崖の上に建っているのですが」
「ああ、そう。ならいいんだ。…しかし、先が思い遣られるね」
「は? 何かおっしゃいましたか?」
「なんでもない。気にしないで下さい。…おい田中くん。早速へたばってるんじゃないよ」
断崖絶壁の上に建つ館までは、急な山道を登らなければならない。僕は早くも息が上がっていた。
頭脳派でもなく、肉体派でもない。だから、僕は探偵にはなれない。
「だから、僕は探偵になれない…」
独白(モノローグ)風につぶやく僕を、銀さんは妙な目で見ている。
崖の上に、時計塔らしき尖塔のシルエットがわずかに見えた。
163 :
名無しのオプ:2011/03/31(木) 00:34:10.49 ID:onMZFLzn
ふと、狼の遠吠えが響き渡った。
「な、何、今の?」
「ああ、あれは主が狼好きでしてね。シベリア狼をこの島で放し飼いにしている
のです。大丈夫です。人に慣れてますから。」
そう言うと細井はに〜っと微笑んだ。
164 :
名無しのオプ:2011/03/31(木) 01:47:09.56 ID:ezGfcN/P
「それは嘘だね」
突然、道端から男があらわれた。禿頭に、山羊髭を生やしている。首から聴診器がぶら下がっているから、医者だろう。
幸いにして(?)、あの変な関西弁の弁護士がまたもあらわれたわけではなかった。
「儂は村瀬、村瀬辛庵だ」
何処かで聞いたような名前だ。待てよ、獄門島の医者は辛庵じゃなくて幸庵だっけ。まったく、まぎらわしい。
医者はなんだか酒臭かった。それもそのはず、左手にウイスキーの瓶を持っている。医者は唐突にまくし立てた。
「あの吠える声は狼なんかじゃない。時計館の地下に幽閉されている、きちがいさんの咆哮さ」
はて。これまた何処かで聞いたような話だ。
「あの、ちなみにその「きちがいさん」の名前は…」
「名前? 大富与四松、大富 豪の息子さ」
「もしかして大富 豪氏ってもう死んでるんですか? 変な遺言状残して」
「は? 何を言ってるんだね? ピンピンしてるよ、年は九十一だから耳は遠いがね」
「じゃあ、孫娘が三人?」
「孫は七人いるが、今日は来てないよ。来てるのはご隠居の子供たちだけさ」
「早苗さんっていう女の子はいます?」
「さなえ? そんな名前の子はいないね。ただ、ご隠居の世話をしている住み込みの女の子はいるよ」
「その人のお名前は…」
「あんたも妙な質問をするね。まぁ、いい。名前は美也子、林美也子さ」
なんなんだこの横溝正史ワールドな島は!
165 :
名無しのオプ:2011/04/01(金) 13:43:26.71 ID:Sg7joUmw
☆彡ここまでの登場人物☆彡
銀田一コースケ…探偵。
田中勇馬…その助手。
大富豪…老舗時計店「帝銀堂」オーナー。子だくさんらしい。
大富与四松…その息子。
林美也子…大富豪の世話をする女性。
細井長一…大富豪の秘書。
村瀬辛庵…医者。
166 :
名無しのオプ:2011/04/04(月) 10:39:18.61 ID:p21A5Xkb
「この島には何か祟りの伝説のようなものはないんですか」
銀さんの質問に細井は首を傾げる。
「祟り、ですか…さぁ、そのようなものは聞いた事がないですねぇ」
「そうですか。そんなはずはないんだが…」
「銀さん、何でそんなはずないんです?」
「いや、こういう場合、大体殺人が起きたらこれはナントカ様の祟りじゃ〜って言い出すバアさんが必ず出てくるもんだろ」
確かに、そういうバアさんは横溝正史ワールドには欠かせない。
「訝しいなァ」
まだ祟りを諦めきれないのか、銀さんはしきりに首をひねっている。
167 :
名無しのオプ:2011/04/06(水) 17:28:52.75 ID:eVH59Mbg
そんなこんなで僕らは時計館に着いた。時計館の建物は二階建てだが、建物の中央部から時計塔が屹立している。
細井氏の説明によれば、塔の最上部の機械室は五階に相当するそうだ。
ウイスキーの瓶の中身を全部飲み干してしまった村瀬医師はだいぶ出来上がったのか、顔は真っ赤で、目が泳いでいる。
突然、玄関の扉(ライオンの顔を模したノッカーまでついている)をドンドン叩き、
「開けろぉ〜〜〜、開けろこるぁ〜〜〜!」
「酔っ払いは醜いな」
酒を一滴も飲めない銀さんが失笑する。地獄耳なのか、村瀬は銀さんの嗤笑を聞き咎めた。
「何ぃ〜、きさま探偵だろう。探偵ってのは善良な一般市民のプライバシーをほじくる仕事だろう。けがらわしい! うぃ」
「けがらわしいのはあんただろ、酔っ払い。こっちに向かってゲップすんなよ、藪医者」
「何ぃ〜」
「失礼ですよ銀さん、見た目は藪っぽくても、藪かは分からないじゃないですか」
「何ぃ〜〜〜俺の見た目が藪だぁ〜〜〜? 若造がぁ、げふ」
「実際その人は藪だよ」
玄関の扉が開き、扉を開けた男が言った。村瀬は気まずいのかそっぽを向き、男を無視して屋敷の中へ引っ込んでしまった。
「こちらは、財部村の白木多喜平村長です。緒宝島は、財部村の一部でして」
細井氏が横から説明してくれる。それにしても、またしても何か聞き覚えのある名前だ。
168 :
名無しのオプ:2011/04/06(水) 21:27:54.51 ID:fJI+E3WK
三毛猫「長文は読む気しないニャァ」
169 :
名無しのオプ:2011/04/08(金) 16:29:36.47 ID:RP53AJMr
「ギョギョギョ〜!」
銀さんがさかなクンのように絶叫した。銀さんは猫が大嫌いなのだ。
「あっち行け、しっしっ! 悪魔の手先め!」
「あの猫は誰が飼っているんですか?」
僕は細井に尋ねた。
「美也子さまですが」
「じゃあこの島で殺人事件が起きたらそいつが犯人だな。悪魔め!」
はて、銀さんはこんなに短絡的な人だっただろうか???
170 :
名無しのオプ:2011/04/13(水) 22:20:09.58 ID:KImoTR2s
「やぁ、きみが銀田一くんか」
「日本の大富豪」のサンプルのような初老の男性が、玄関ホールにあらわれた。
もしデアゴスティーニが「週刊 日本の大富豪」を出したら、間違いなく創刊号で特集されそうだ。
「いかにも私が銀田一です」
銀さんはめいっぱい胸を張って応じたが、虚勢を張っている感はぬぐえない。
「そういうあなたは、大富豪さんですね?」
「いかにも」
オオトミツヨシ氏はダイフゴウらしく、鷹揚に頷いた。
「早速、依頼について詳しく説明したい。私の書斎に来てくれ」
171 :
名無しのオプ:2011/04/20(水) 16:39:23.30 ID:13kV3iWh
「五月蝿いよ、金持ちだからって上から目線で見んなよ」と機嫌の悪い銀田一。
どうやらあの日らしい。
172 :
名無しのオプ:2011/04/21(木) 16:02:05.24 ID:xYfNSDb1
「それは違うだろう。大富さんが金持ちだから上から目線なのではなく、銀田一くん、
他人のプライバシーをほじくる探偵が賎民だから、自動的に富豪や医者はきみに対して上から目線になってしまうのだよ」
いつの間にしらふになったのか、山羊髭の医者がさらに銀さんのプライドを逆撫でした。
「ちっきしょー、誰がテメエらの依頼なんざ受けるもんか! 帰ろう、帰るぞ田中!」
「おいおい、落ち着きたまえ、銀田一くん。難問を解決してくれた暁には五百万でも一千万でも、きみの言い値を払おう」
「ではさっそく大富さまの書斎でお話を伺いましょう」
魯迅の阿Q並みの情けなさを発揮し、賎民探偵・銀田一は揉み手しながら言った。
173 :
名無しのオプ:2011/04/22(金) 07:12:44.91 ID:163fuFsB
書斎の扉を開けると中には買い占められた納豆、ヨーグルト、カップ麺、飲料水、乾電池、トイレットペーパー、タバコ
が溢れんばかりに置いてあった。
174 :
名無しのオプ:2011/04/23(土) 13:59:11.14 ID:EVKajIuf
「な、何でこんなものがこんなに…」
「孤島に住むのはなかなか大変でね。物資は常に十分に備蓄しておかねばならないのだ。
震災の時に買い過ぎて、台所におさめきれなくてね」
「ハァ…でも、これじゃこの書斎が使えないですよね?」
「ウン。まぁしかし、隣に六十畳の私専用の寝室があるからね」
旅館の宴会場並みの広さだ。さすが大富豪の大富豪氏、スケールが違う。
「じゃあお話は寝室で…」
「だめだ。私の寝室には特殊な防犯システムが備えつけられていてね。静脈認証で、私以外は中にはいれないのだよ」
銀さんは大富豪氏に聞こえないように、
「おい、今のうちにその妙な防犯システムを突破する策を考えておくべきかもしれないぞ」
「えっ銀さん、まさか大富豪の寝室が見たいんですか?」
「違うよバカ。大体こういう場合、防犯システム完備の部屋でこのクソ成金が殺されて密室殺人っていうパターンだろ」
175 :
名無しのオプ:2011/04/25(月) 19:22:49.15 ID:eoVswB2c
「あの、じゃあ、ご依頼について伺いたいんですが」
「これは失敬した。まぁそこにかけたまえ」
大富氏はそう言って自分専用らしい黒革のスツールに腰を下ろしたが、僕らは座る場所がない。
「あの、何か座るものは…」
「ああ、そこにカップめんのダンボール箱がある。中身が詰まってるから、そこへ座ってくれ」
なんたる扱いだ。しかし銀さんは意地でも事件を解決して言い値をふんだくる気らしく、何も言わずに座った。
しかたがないので僕も座…
「ひぇ〜」
「ああ、勘違いしていた。そのダンボールは空っぽだった。ごめんね」
「丁度いいじゃないか。尻餅ついて聞いてろ。ではお話を伺いたいのですが」
今の僕くらい間抜けな姿勢で依頼人の話を聞く探偵助手がかつていただろうか…
176 :
名無しのオプ:2011/04/27(水) 16:03:45.89 ID:b4wGq9sW
「実は、私は何者かに命を狙われている」
「身辺警護は一日三万円、諸経費別でいただきます」
「殺人を予告する脅迫状が届いたのだ」
「では脅迫状を鑑定し精査しなければ。脅迫状の文書鑑定は一通につき一万円です。二通目からは二割引!」
「しかも一週間前、ロマネ・コンティをまぁ軽く一杯やったら、塩味がした。私の気づかないうちに、
ワイングラスに誰かが塩を混ぜたのだ。翌日届いた脅迫状にはこうあった。『次は毒だぞ』」
「毒味は危険度が高いので、一回につき五万円いただきます。万一、毒が混ざっていて毒味した人間が死んだ場合は
損害賠償も請求します。まぁ毒味をやるのは助手ですから、コイツの人間的価値から考えて、賠償金は…
まぁ、大富さまには後々、諸経費を含めた多額の報酬を請求するでしょうから、百万円にまけておきましょう」
「さらに四日前、私にあてて小包が届いたのだが、中に爆弾が仕掛けられていて、爆発した。
幸い、荷物を置いてあった居間が無人だったので誰もケガはなかったが」
「それは大変だ。では早速、今日から荷物の開梱は全部この田中がお引き受けしましょう。荷物一個につき手数料一万円。
爆発物で開梱している人間が死んだ場合の損害賠償は百万円です」
「けっこう。よろしく頼むよ、銀田一くん」
「お任せ下さい。大富さまの命は何に代えても死守しましょう」
僕の命を守る気はないらしい・・・ショボーン。
177 :
名無しのオプ:2011/05/05(木) 06:47:24.97 ID:ebw9s6Jt
なげーよ
178 :
名無しのオプ:2011/05/05(木) 20:33:34.44 ID:3aouV0p4
「なんだこの声は! もしや大富さまの命を狙う殺し屋が早速…」
「銀さん、あそこあそこ」
その声は殺し屋のものではなく、部屋の隅の鳥籠の中のオウムのそれだった。
「ナゲーヨ、ナゲーヨ、ナゲーヨ」
「なんだまぎらわしい! しかもなんだナゲーヨって。こういうシーンなら鳥は「ネヴァーモア」だろ!」
「何ですかそれ?」
「ポーも読んでないのかお前は、この大ぶぁかものぉ!」
今日の銀さんはなんだか横山弁護士みたいだ。
179 :
名無しのオプ:2011/05/13(金) 07:07:34.96 ID:Go1fn1Vj
一人でオナニー文章書いててむなしくならない?
180 :
名無しのオプ:2011/05/13(金) 13:15:02.48 ID:Go1fn1Vj
心機一転新たなる物語が始まる。
181 :
名無しのオプ:2011/05/13(金) 14:48:14.78 ID:dGvukRK8
冷たい雨が降る10月のある日、インカ神話によるクスコ王国の国王であるマンコ・カパックのペニスが勃起していた。
182 :
名無しのオプ:2011/05/15(日) 11:28:18.22 ID:SygIEgxb
>>179 「大馬鹿者! むなしさを恐れる者がそもそもオナニーなぞするものか!」
マンコ・カパックは誰にでもなく絶叫しながら玉座の上でオナニーにいそしんでいた。
183 :
名無しのオプ:2011/05/16(月) 03:51:24.34 ID:qvbz+R5u
殺し屋銀さんはメガネっ子を降り払って走る、ひた走る、とことん走る。何故かというと・・・
184 :
名無しのオプ:2011/05/21(土) 18:39:54.07 ID:HaDlPFRb
>>96で指定された最初の殺人が近いからだ。
自己完結のレスはボケも突っ込みも出来ないから注意。
登場人物一覧
@JIN 英国出身らしい。「イギリスならジンだな。イギリスジン」
A
185 :
名無しのオプ:2011/05/22(日) 02:12:33.32 ID:Sn2N2rPY
次のレスを縛るような手渡しの仕方もよくないから注意
186 :
名無しのオプ:2011/07/10(日) 23:09:10.49 ID:i3txLyIr
事情を知らない片山元が所轄に転勤してきた
(……これでいの?)
187 :
名無しのオプ:2011/07/11(月) 20:04:30.19 ID:OUeKrTfk
片山の配属先は、「特命係」なる謎の部署だ。
しかも、その部署に所属しているのは靴下霧氷なる、相当変人の警部らしい。
188 :
名無しのオプ:2011/07/12(火) 23:45:43.08 ID:W8b0E+0n
片山は平巡査でありながら全国各地を渡り歩く相当変な設定の刑事である。
189 :
名無しのオプ:2011/07/13(水) 00:02:33.97 ID:ImSoIV8s
半年〜一年のスパンで北海道警から沖縄県警までをひたすら異動し続けているため、別にそこまで無能ではないにも
かかわらず昇進試験を受ける暇がないために、未だに平巡査なのだ。
さて片山が配属された「特命係」だが、ここで特命係の相棒、靴下霧氷について読者に若干の説明が必要だろう。
190 :
名無しのオプ:2011/07/19(火) 12:02:23.57 ID:5NdGjzyJ
靴下は頭狂大学呆学部卒。英語のほかフランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、中国語、韓国語、
ヘブライ語、ラテン語、イヌ語、ネコ語を解し、漢文も白文で読める、なんだかよく分からないが凄い刑事である。
191 :
名無しのオプ:2011/07/20(水) 22:34:05.90 ID:2PM/+erf
対する片山は頭に血が上るとハンガーを振り回して暴れる、違う意味で凄い刑事である。
この二人が焼き鳥屋で砂肝をつまみに生ビールを飲んでいた。
192 :
名無しのオプ:2011/07/21(木) 21:03:48.93 ID:YZLrW8UA
特命係というのは仕事のない窓際の部署と思いきや、事実はテレビドラマよりも奇なり。
片山は着任早々、強盗が立てこもるコンビニに丸腰で突入させられるわ、無理矢理爆弾処理班に参加させられて
爆発物をたった一人で処理させられるわ、警察犬のトレーニングセンターで犬に追い掛け回される犯人役をやらされるわ、
さんざんな目に遭った。上司の霧氷は、なぜか必ず特命係の部屋で留守番をしている。
そんなわけで、片山は特命係という部署がほとほと嫌になっており、この日も砂肝をつまみに生ビールを飲みながら、
ひたすら人事部に対する恨みつらみを霧氷に愚痴り続けていた。
193 :
名無しのオプ:2011/07/30(土) 16:41:42.01 ID:CahXchqq
そこへ、鑑識課の骨沢がやってきた。
194 :
名無しのオプ:2011/08/01(月) 14:32:04.73 ID:BHiUi4E9
どうしたことか、骨沢の表情は妙に曇っている。
何事かと問おうとした、その一瞬早く、骨沢が口を開いた。
「あ、あの、あの、あ、あ、足、足跡が……」
195 :
名無しのオプ:2011/08/01(月) 19:17:00.70 ID:mN5NcvoG
そこへ、捜査一課の粥見と三崎もやってきた。
「特命係の片山ぁ〜!」
196 :
名無しのオプ:2011/08/05(金) 19:36:33.07 ID:+aA2VECS
「なんだ、捜査一課の粥見ぃ〜!」
犬猿の仲の片山と粥見がメンチを切って睨み合う。
しかし「犬猿の仲」と思っているのは2人だけで、他人の目には「仲良くじゃれ合っている」ようにしか映っていない。本人たちには不本意だろうが。
ちなみに、影で女子職員に「カユミン」と呼ばれていることを、粥見は知らない。
197 :
名無しのオプ:2011/08/06(土) 07:30:47.91 ID:askkspBv
そこへなぜか刑事部長の渕村、参事官の赤園までやってきた。
「バカモーーーーーーン! お前ら何サボってる!」
198 :
名無しのオプ:2011/08/09(火) 15:14:29.15 ID:qIcjrNi9
警察庁の鉈田官房長までやってきた。
「靴下、回転寿司でも食べに行かない?」
199 :
名無しのオプ:2011/08/10(水) 14:53:37.61 ID:i3+uSM0h
============================== 終 了 ==============================
200 :
名無しのオプ:2011/08/11(木) 10:26:00.56 ID:4q5RSxKd
片山が何者かに拉致された
201 :
名無しのオプ:2011/08/11(木) 14:15:59.46 ID:ihQKB1Fg
>>96によると
>>200 第一の殺人 なのでそのまま殺されてしまった。
心の臓を匕首のような物で一突きの惨たらしい殺され方だった。
茂七「下手人はアッシが必ずとっ捕まえるんで、どうか成仏しておくんなさいまし」
202 :
名無しのオプ:2011/08/11(木) 22:37:05.31 ID:akxSCUTW
片山殺しの容疑で逮捕されたのは、内縁の妻の奥寺枇杷子だった。
203 :
名無しのオプ:2011/08/12(金) 00:13:24.96 ID:AsXc5ZVa
そして奥寺は水の事故で溺死してしまった。
204 :
名無しのオプ:2011/08/12(金) 20:50:38.26 ID:wtYpwADz
「成程、びわこだけに、水の事故で溺死したわけですか」
警視庁一人だけの特命係の部屋で、靴下霧氷が誰にでもなくつぶやいた。
205 :
名無しのオプ:2011/08/18(木) 16:13:23.70 ID:n4fJmDpF
「そんなつまらないギャグ言ってる場合ですか警部ドノ!」
いつの間に来たのか、特命係の部屋にいた粥見刑事がからかうように言った。
よく見たら、粥見はよきライバルの死が堪えたのか泣いていた。
206 :
(地の文):2011/08/27(土) 13:52:54.05 ID:BUIA6g3a
色々な混乱の中で探偵たちは迷っていた。
自分が犯人を突き止めていいのだろうか?自分はTVドラマの影響を受け過ぎてはいないだろうか。
自分の事しか考えない独善的な言動はなかっただろうか。
……と考えていると、驚くべき事実が飛び込んできた。
207 :
名無しのオプ:2011/09/02(金) 20:37:45.79 ID:on8Yj9Tq
なんと、
>>206はこれまでの書き込みを暗に「TVドラマの影響を受け過ぎ」で「独善的」だと批判しようというのである。
しかもわざわざ「地の文」と銘打つあたり、彼は小説でいうところの「神の視点」で語っているようなのだ!
自分が正しく、他のだらけた書き込みを戒めようなどというこの驚くべき発想は、大いにわれわれを驚嘆せしめたのだった。
208 :
名無しのオプ:2011/09/04(日) 07:02:14.77 ID:nflqVZjq
ケチ付ける前に話し進めろよボケ!
209 :
名無しのオプ:2011/09/18(日) 17:42:00.83 ID:wFh4MH2C
そのとき、地域一帯が放射能の汚染地域に指定され、強制退避命令が出た。
とりあえす、全員、東京へ避難することになった。
事件どころではな。
210 :
名無しのオプ:2012/01/19(木) 17:50:11.97 ID:lJbCU2wl
事件はいつも突然始まる。
突如、東京都下に正体不明の殺人鬼が跳梁跋扈しはじめた。目撃者の証言によれば、犯人は20世紀少年のマネをしたのか、
忍者ハットリくんのお面をかぶっていたらしい。マスコミがその殺人鬼につけた名前は「連続殺人鬼ハットリくん」であった…
211 :
名無しのオプ:2012/01/21(土) 00:48:25.54 ID:LeKr+ULX
「連続殺人鬼ハットリくん」は三回目の殺人が報道されると「連続殺人鬼ハットトリっくん」と呼ばれる様になった。
212 :
名無しのオプ:2012/01/21(土) 14:20:24.94 ID:3dpOAgyu
そんな中、連続殺人鬼ハットリくん(またはハットトリっくん)事件の捜査の陣頭指揮を執るべく、
一人の男が捜査本部に送り込まれた。「ある事情」から数年前、警視庁捜査一課の係長から奥多摩署の総務課長に左遷され、
しばらくはデスクワークに勤しんでいた羽根木俊英(はねぎ・としひで)警部である。
彼が警視庁捜査一課を追われた訳は、おいおい明らかになるだろう。
213 :
名無しのオプ:2012/03/22(木) 20:36:36.31 ID:VRoMJwX8
そんな中、ハットトリっくんは捜査一課の屋根裏に潜んでいたでござるよ、ニンニン。
214 :
名無しのオプ:2012/03/26(月) 18:09:55.75 ID:yY2laBAg
みんなの目の前にいたハットトリっくんをまんまと取り逃がし、羽根木警部はわずか一週間で今度は八丈島署へ島流しされた。
あぼーん
216 :
名無しのオプ:2012/10/16(火) 15:03:28.28 ID:i1/dDF+3
片山殺しの捜査は難航していた。
第二の殺人が起きるのは何時だろうか。
217 :
名無しのオプ:2012/10/16(火) 18:56:54.34 ID:25nJnWS9
いろんな探偵や被害者が出てきたが、
結局、何が起きて、何が起きなかったの?
もう、216しかいないんだろうけど、教えて。
218 :
名無しのオプ:2012/10/23(火) 03:05:54.68 ID:LPGDEd8q
白鷺探偵の話、事件関係者の名前に数字がはいってるのが、何か面白い。
けれど、うまくいかなかったみたいね。打ち切り漫画みたいになってる。
というか、せめて題名の「人間猫」らしきものが出てくるまでがんばろうよ。。。
219 :
名無しのオプ:2012/11/02(金) 14:28:08.56 ID:109onNmm
誰かに呼ばれたような気がして白鷺小五郎はベッドから起き上がった。
「いかんいかん、昨日も少し飲み過ぎ・・・ん?」
何故かベッドの隣には、金髪美女が裸で眠っていた。
220 :
名無しのオプ:2012/11/03(土) 04:23:04.25 ID:4t4rUBda
金髪美女の次に目がいったのは、ベットの脇に乱暴に脱ぎ捨てられた自分の衣類だった。
さらにある限定の職種に携わる女性が好んでつけるような派手な衣装と、きわどい下着が
いっしょくたにされて部屋の隅にころがっているのを見たとき、白鷺の意識は完全に覚醒した。
・・・・おれ、昨日何したんだっけ?
・・・・というかナニしたんだっけ?
とりあえず白鷺は床におちている自分の縞パンを身に付けた。
頭の中では、「ルパン三世のテーマ」がエンドレスで流れつづけていた。
221 :
名無しのオプ:2012/11/06(火) 10:33:52.61 ID:burGQLQW
その時、突然、ドアをはげしくノックする音が聞こえてきた。続いて怒声。
「おい! ここを開けろ! 警察だ!」
何がなんだか分からないが、ここは逆らわずにドアを開けたほうがよさそうだ。白鷺は立ち上がった。その時、彼は気づいた。
傍らの金髪美女は、眠っていたのではなかった。目は見開かれ、口からは血を吐いている。瞳孔は開ききっていた。
白鷺は、部屋の隅にくしゃくしゃに丸められていた自分の衣服を身に着け、窓を開けた。そこは、幸運にして二階だった。
222 :
名無しのオプ:2012/11/28(水) 18:05:52.35 ID:NvngO+q0
着地した瞬間に足をくじいたのか、くるぶしが痛んだ。
間もなく二階の窓から刑事らしい男が首を突き出し、目が合った。
「いたぞ! 外だ! 逮捕しろ!」
これは想像以上にまずい状況らしい。白鷺は運よく鍵の外れた放置自転車を見つけ、一目散に逃げ出した。
電柱の住所表示から察するに、ここは鶯谷らしい。さっきまでいた建物はラブホテルらしかった。
223 :
名無しのオプ:2013/03/11(月) 18:35:55.64 ID:AOAAReZy
千代田区にはいったところで自転車を歩道脇に捨てた。
公衆電話を探したが見つからない。携帯電話の普及により電話ボックスは路上から姿を消していた。
うろうろしていると開店したばかりのパチンコ屋が見つかり中にはいって、電話を借りた。
数回の呼出し音のあと、助手の中村の間が抜けた声が聞こえてきた。
「はーい。中村ですが」
「おれだ」
「白鷺さん。なんすか。おれ起きたばっかで・・・」
「しばらく事務所を留守にするぞ。お前も近寄るな。また連絡する」
中村の返事を聞かずにおれは電話を切った。
外に出て煙草に火をつけたとき、遅ればせながら警察から逃げたことへの自責の念が湧いてきた。
それは女の死におれ自身が大きな関係があるという恐怖の裏返しでもあった。
224 :
名無しのオプ:2013/03/13(水) 22:03:22.65 ID:XST7ULdy
電柱脇から白鷺を見つめる黒い影
???「フフフ。いやにあわてているじゃーないか白鷺」
白鷺「お、おまえは・・・」
225 :
名無しのオプ:2014/01/29(水) 20:19:40.34 ID:UaV95eOa
226 :
名無しのオプ:
ぬるぽ