新・毒薬 劇薬 火薬 睡眠薬 麻酔薬 病原体 検査薬
1 :
名無しのオプ :
2010/09/13(月) 17:40:13 ID:YGn4g7D4
2 :
名無しのオプ :2010/09/13(月) 18:09:09 ID:JVawCIX7
霧雨魔理沙の毒薬教室
3 :
名無しのオプ :2010/09/13(月) 22:34:53 ID:JVawCIX7
age
4 :
名無しのオプ :2010/09/14(火) 21:45:58 ID:eyjjEYaQ
5 :
名無しのオプ :2010/09/15(水) 14:46:03 ID:kFDElvPt
6 :
名無しのオプ :2010/09/16(木) 16:31:09 ID:JafogQgU
7 :
名無しのオプ :2010/09/16(木) 20:06:48 ID:JafogQgU
>>6 のページを根拠にすると、以下のようになる。
水の蒸気圧:3.1kPa (3100Pa) (25℃)
パラジクロルベンゼンの蒸気圧:0.17Kpa (170Pa) (20℃)
ヨウ素の蒸気圧:0.04kPa (40Pa) (25℃)
ナフタレンの蒸気圧:11Pa (25℃)
塩化メチル水銀の蒸気圧:1.13Pa (25℃)
水銀の蒸気圧:0.267Pa (25℃)
塩化水銀(II)の蒸気圧:0.1Pa (20℃)
塩化水銀は昇汞といわれるくらい昇華性があるけど、それよりは高いから、
まあ昇華性があるといっても間違いではないはず。
だが水の数千分の1になるので、実質的には昇華性はあまり関係ないんではないかな。
うーむ、なぜ資料によってこんなに差があるんだろう。
8 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 01:43:21 ID:DdhJZztk
>>4 のサイト作者にメールを送って聞いてみたんだが、英語で返事が来てワラタ
↓私の送った文
>
http://jimnishimura.jp/tech_soc/kan/25th/2.html >を読みましたが、塩化メチル水銀の蒸気圧について分からない点がありました。
>
>
http://www.grdp.org/static/documents/Research/SCHO0309BPQA-e-e.pdf >こちらの5ページにあるデータでは、塩化メチル水銀の蒸気圧は1.13Pa(25°C)となっています。
>貴サイトの数値と大きくかけ離れているようなのですが、何か理由などはご存知でしょうか?
>海外では、誤ったデータが広く知られているということなのでしょうか?
↓返信
>Thank You for your interest on vapor pressure of methyl mercury.
>
>For the lower temperature range, I totally relied on and cited from the report of Lindqvist shown in the literature for Chapter 3.
>
>If you feel some inconsistency with your source that I do not know, please consult with Lindqvist report.
>
>Best regards.
>Jim(Hajime) Nishimura
翻訳サイトに掛けて何となく分かったけど、リンドクヴィスト(スウェーデン人?)の論文を参考にしてその部分を書いたって事かな?
とすると西村氏自身の実験のデータではないということ?
よく分からんが、この蒸気圧の件がチッソの工程の問題に関する根幹部分であるようなので、
大事なことだと思うんだけど。
9 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 02:42:17 ID:DdhJZztk
こりゃあ、ひょっとすると結構話が広がりそうな・・・
10 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 02:56:39 ID:J5IdUpvb
該当するスレがないんで完全にスレチだが返り血について解説した本ってないかな。
11 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 14:16:06 ID:DdhJZztk
男性用トイレの設計者は飛び跳ねに気をつかったそうだが、その種の文献になんか書いてあるかな。 まああれはこっち側から飛んだのが跳ね返るのであって、向こうから自噴するのじゃないけど。
12 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 15:18:37 ID:DdhJZztk
↓翻訳サイトで調べながら何とか日本語にしてみた。 >メチル水銀の蒸気圧に興味を持って頂き、あなたに感謝します。 > >第3章の参考文献にあるように、低い温度範囲については、私が信頼しているリンクヴィスト(リンドクウィスト)の論文から引用しました。 > >もし私が知らない情報源により、いくらかの矛盾を感じているなら、リンクヴィストの論文と相談してください。 > >それでは。 >ジム(肇)西村
13 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 15:24:54 ID:DdhJZztk
で、
>>5 のページでは、岡本って人が
>当時、塩化メチル水銀の蒸気圧を記載した文献は存在しません。
>今日に至ってすら、塩化メチル水銀の常温以上での蒸気圧のデータを記載した文献はなく、『水俣病の科学』での西村の報告が世界最初なのです。
と述べている。
ところが実は、リンクヴィストという外国人の論文が先にあったわけだ。
しかも英語サイトでは、それと1000倍も違う値が見つかる。
でこの岡本って人はどうもチッソの労働組合にいた人で、人名辞典にも載るくらい有名な人らしい。
患者側に立って戦ったという経歴があるようだ。
・・・どうもなんか利権とか人権問題とかの存在が話をややこしくしているような気がする。
14 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 15:29:02 ID:DdhJZztk
というか >第3章の参考文献にあるように と言われても、ウェブには抜粋しか載ってないから、本買わないと分からないんだよね。
15 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 15:35:19 ID:DdhJZztk
試しにLindqvistを検索してみたけど、確かにメチル水銀の論文に名前が出てたりするけど、 蒸気圧について書かれてるそのものの文章はヒットしなかった。
16 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 15:55:25 ID:DdhJZztk
17 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 16:34:02 ID:9dfwNUFA
英語はできて当たり前です。在外の日本人からなら日本語の返信で英語のメール来ることあります。かな漢字変換がない状態でPCを使っているから、読めても書けないそうです。
18 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 16:59:37 ID:DdhJZztk
19 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 17:28:45 ID:9dfwNUFA
ローマ字はとても失礼です。日本人同士でもアルファベットの時には英語がデフォ。それが現実。
20 :
名無しのオプ :2010/09/17(金) 17:31:42 ID:9dfwNUFA
たまプラーザ在住ですね。それなら、日本語でないと変。
21 :
名無しのオプ :2010/09/18(土) 03:20:13 ID:wDBSyTpZ
ローマ字が失礼wwwwww じゃあドイツ語やフランス語で返信した法が失礼度が低いのか。 イタリア語でもいい。
22 :
名無しのオプ :2010/09/18(土) 06:26:51 ID:WgtUDsb5
>>21 ローマ字は英語がわからないということを前提にしているからマジで失礼。
23 :
名無しのオプ :2010/09/18(土) 12:40:09 ID:AHh4i0nx
ローマ字だとどこで文を区切るのか凄い解りづらいから 英文の方が意味は分かりやすいかも知れないな。
24 :
名無しのオプ :2010/09/18(土) 15:16:27 ID:wDBSyTpZ
どうも西村肇またはシンパがスレにいるようです
25 :
名無しのオプ :2010/09/20(月) 20:43:28 ID:7nfGJBmd
26 :
名無しのオプ :2010/09/20(月) 20:46:22 ID:7nfGJBmd
これで決着かな。 西村のあの図は嘘。 だが、今まで誰も指摘してこなかったのか? 日本人のリテラシーが低いのか・・・
27 :
名無しのオプ :2010/09/22(水) 10:58:57 ID:tlhS8f+v
28 :
名無しのオプ :2010/09/25(土) 07:39:17 ID:HDqBBL9o
メチル水銀って400mg/m3/1時間くらいの致死濃度なので、 10mg/m3/1時間くらいの致死濃度のPFIBには負ける。 遅効性の猛毒は珍しいようだ。 神経ガス並みの毒性と、数ヶ月の遅効性って両立しないのかな?
29 :
名無しのオプ :2010/10/07(木) 22:20:13 ID:ZCSAI1xa
毒物とはいいにくいが、ニトロソジメチル(エチル)アミンはかなりの低濃度で肝臓がんや肝硬変を引き起こすらしい。 急性毒性も結構高くて、青酸ガスくらいはある。 何mg/m3/1時間の吸入で半数ががんになるかという数値は、また厄介な議題だが。 もちろんがんになっても全員死ぬわけじゃないし。
30 :
名無しのオプ :2010/10/14(木) 11:19:07 ID:8wWEra8G
西村氏に再度質問してみたよ。 また英語で返信来たけど。 誰か翻訳きぼん。 ↓私 >さらに分からないことがあります。 >塩化メチル水銀の融点は170度ですが、今回の図を見ると100度ちょっとで1気圧を超えてしまうように見えます。 >つまり融点より数十度低い温度で、蒸発してしまうということに思えるのですが、もしかして融点の既知のデータも誤りだということなのでしょうか? ↓西村氏 >You might be right in your supposition. > >For the purpose you must know the difference between the ideal solution and the perfect solution defined in Prigogine's Chemical Thermodynamics. >The perfect solution is the solution which obeys Raoult's law for a certain concentration range while the ideal solution is the solution that is perfect over the whole range of concentration.
31 :
名無しのオプ :2010/10/16(土) 13:07:17 ID:Ev0rZbQR
32 :
名無しのオプ :2010/10/16(土) 13:27:29 ID:Ev0rZbQR
機械翻訳併用して訳してみた。 特に後半が怪しいけど。 >あなたは、あなたの仮定において正しいかもしれません。 > >目的のために、あなたはプリゴジーンの化学薬品熱力学において定義された理想的な解決と完全な解決の違いを知らなければなりません。 >完全な解決は、特定の濃度範囲においてラウールの法則に従う解決で、理想的な解決は全ての濃度範囲にわたって完全な解決です。 なんのこっちゃ?
33 :
名無しのオプ :2010/10/17(日) 19:02:24 ID:m9O8CnKg
solution -> 溶液 ? wikiの溶液の項参照
34 :
名無しのオプ :2010/10/19(火) 21:21:46 ID:awhpXIvj
もしかするとだけど塩化メチル水銀が水中では蒸気圧高くなるのかと思って、 化学板の質問スレで、水溶液になった場合は固体より蒸気圧が上がるのか聞いてみたけど、 回答ないね。 まあ水に溶かしただけで1000倍も高圧になるってのは多分ないだろうけど。
35 :
名無しのオプ :2010/10/21(木) 06:26:34 ID:nYTSLDMN
>>33 これだから英語で出すと誤解が生まれるんだ。
わざとか?
36 :
名無しのオプ :2010/10/21(木) 23:43:03 ID:1IM7OqC0
服用したのち、催眠を経て死に至らせる薬物ってありますか?
37 :
名無しのオプ :2010/10/26(火) 06:11:33 ID:TeFWAoej
睡眠薬と毒を混ぜればいいんじゃないのか?
38 :
名無しのオプ :2010/10/29(金) 13:23:50 ID:WEKE4HNk
C型肝炎持ってる奴をさっさと肝硬変or肝癌にするには何を与えればいい?
39 :
名無しのオプ :2010/11/02(火) 01:51:47 ID:cYUaEMa8
ロンフルマン0.25mgで 七時間ほど寝た後です。 あまり下らないこと言うもんじゃないですよ。
40 :
名無しのオプ :2010/11/08(月) 03:29:08 ID:kDxYJjVO
>38 わからんがアフラトキシンやニトロソアミンでおk
41 :
名無しのオプ :2010/11/20(土) 04:58:12 ID:kPCjT5dl
銃の普及が低い国は毒殺が多いのか?
42 :
名無しのオプ :2010/11/23(火) 06:51:06 ID:rOSouDku
TGN1412という抗体は、ものすごい副作用があり、治験で重体者を出したそうだ。 0.1mg/kgという微量で、集中治療室での治療を余儀なくされた。 食品に混ぜても効くかわからないが、点滴や注射なら確実に効くだろう。 サリン並みの毒性。
43 :
名無しのオプ :2010/11/25(木) 04:32:03 ID:w/Ik4/Ys
石英(水晶)の毒性ってTOXNETだと dog LDLo intravenous(静脈注射) 20mg/kg (20mg/kg) mouse LDLo intravenous 40mg/kg (40mg/kg) となってるが、こんなに毒性高いのか……
44 :
名無しのオプ :2010/11/25(木) 17:47:01 ID:w/Ik4/Ys
今までのスレで出てこなかった揮発性猛毒をTOXNETから探し出してみた。 LCで検索するんじゃなくinhalationで検索した方が、多く引っかかるようだ。 (TCLoなんかも混じるが) Hexamethoxydisilylethane(別名は1,2-Bis(trimethoxysilyl)ethane、Ethylenebis(trimethoxysilane)) rat LC50 inhalation 2400ppb/4H (2.4ppm) 2-Butene, 1,4-dibromo-2-methyl- mouse LC50 inhalation 5500ppb/4H (5.5ppm) rat LC50 inhalation 2100ppb/4H (2.1ppm) Dichlorobutene dog LC inhalation > 9ppm/6H (9ppm) guinea pig LC inhalation > 1ppm/6H (1ppm) rat LCLo inhalation 7ppm/6H (7ppm) 例によって臭いや刺激性は未調査なので毒殺に使えるかは不明。 なおこのサイトは結構疑わしいデータも入ってる。 明らかに毒性の桁が数段階違うと思われるのとか。 たとえばクロロエチルエチルエーテルは2500ng/m3/2H (0.0025mg/m3)というサリン以上の猛毒というが、 他のサイトでは数桁違っているし、毒性情報もほとんどないのでTOXNET側の誤記とみなせる。 またEthene, 1,1,2-trifluoro-2-(trifluoromethoxy)-も46ug/m3/2H (0.046mg/m3)と書いてるんだけど、 そのソースが前記物質とまったく同じなので、これも多分桁間違いの誤記。 サリンの25倍〜50倍の毒性なので、本当ならとっくに兵器化されてるはず。 膨大な資料なのはありがたいが誤記が多いと困る。 まさか化学の文献を史料批判する必要があるとは思わなかった。
45 :
名無しのオプ :2010/11/27(土) 03:41:09 ID:uz5R2/lw
46 :
名無しのオプ :2010/11/29(月) 00:46:39 ID:CjTh3eJY
五フッ化硫黄も忘れないで。 TOXNETじゃあまともな致死量データがないけど。
47 :
名無しのオプ :2010/11/30(火) 23:11:27 ID:qCNVI8vk
48 :
名無しのオプ :2010/12/01(水) 00:25:21 ID:r8VIOZbs
49 :
名無しのオプ :2010/12/04(土) 23:48:10 ID:/oaf1pT2
50 :
名無しのオプ :2010/12/05(日) 00:07:38 ID:CQFB4nU9
書いてから気づいたが、分解酵素によっては、(メチル(モノフルオロメチル)水銀)のように、 モノフルオロメチル基の導入が効果的である可能性もある。 実際TCA回路はそうだし、ジメチル水銀やメチル水銀の代謝がTCA回路の酵素によっても行われているなら、 モノフルオロメチル基が分解阻害をする可能性はある。 メチル水銀が肝臓に入って分解されるのと脳内で分解されるのでは異なった酵素が働いていると思うし、 だったらモノ・ジ・トリフルオロメチル基全てで試してみるのがよさそうだね。 フッ素科学はまだまだ分からないことが多い。 というか、化学板の毒物スレが飛んじゃったからここに来てるんだけど、 2Chにトキシコロジーについて語れる学問系のスレってないのかなあ。
51 :
名無しのオプ :2010/12/05(日) 00:15:13 ID:CQFB4nU9
ん、炭素数が偶数じゃないとモノフルオロアルキルはモノフルオロ酢酸にならないか。 じゃあエチル水銀をモノフルオロエチルにする? まあ炭素数が多くなっても、少なくともブチル水銀までは脳内に結構入り込むことが分かってるし (システインと結合して脳に入るというルートだけじゃないっぽい) エチル水銀も神経毒性は強いからね。 まあ最近は水銀使用が激減してるせいで水銀中毒の研究は下火のようだから、 日のあたらない分野になっちゃうけどね。
52 :
名無しのオプ :2010/12/06(月) 00:59:40 ID:TlEx5Fto
揮発毒って、有機と無機のどっちにもすっきり入らないカモノハシみたいなのが多いね。 ホスゲンとか、ニッケルカルボニル、PFIB、TFD、シアン化水素、シアン化塩素、ジホスゲン、 クロロピクリン、ホスゲンオキシムなどかなりの物質が炭素を持ちながら無機物にも分類できる。 有機か無機か分類できない物質は例外的存在だったけど、揮発毒の分野では、 むしろ主流ってくらい多い。 偶然にしては多すぎると思うけど、どうしてなんだろう。
53 :
名無しのオプ :2010/12/07(火) 07:11:07 ID:O5zb4FGJ
PFIBなんてPPM表示だと毒性が高そうに見えるけど、分子量から調べると蒸気密度は高いから、 ホスゲンとかの蒸気密度の2倍だし、mg/m3基準だと大して毒性高くないじゃん。 ホスゲンの10倍って書いてあるところあったけど、PPM換算でも4から5倍、重量換算だと2から2.5倍にしかならない。 分子が嵩高い割に反応する箇所(二重結合)一個だからねえ、効率悪いんだよね。 肺水腫を生じる物質で最強なのはPFIB? これが限界なのかな。
54 :
名無しのオプ :2010/12/08(水) 01:34:32 ID:2K6gvDl/
>>48 ナカライの描画機能で調べたら
2,4,4,4-tetrafluoro-3(trifluoromethyl)but-2-enenitrile
という名前になることが分かった。
55 :
名無しのオプ :2010/12/08(水) 02:41:43 ID:2K6gvDl/
CAS1113-69-5が非常に構造が近い物質。 だが毒性は低い。 気になるね。
56 :
名無しのオプ :2010/12/10(金) 19:40:22 ID:koGvIl0p
57 :
名無しのオプ :2010/12/12(日) 09:05:18 ID:7kzg7QSd
PFIBの毒性はグルタチオンとくっついて離れなくなるのが原因。
二重結合の炭素の根元にくっついて、もうひとつの炭素にはH付加。
で
>>48 の下の物質のどこがくっつくのかと考えると、CNなのかCなのかが分からない。
1113-69-5の低毒性から見るに、CNが残るわけではなさそうだが、あるいは全体的な電子配置が変わって、
まったく別の所が反応する可能性もある。
また、結合後のアダクトが毒性を発揮するのか、それともグルタチオンと結合しやすくなるのか、
機序も興味深い。
58 :
名無しのオプ :2010/12/14(火) 10:13:13 ID:uEb49mEt
59 :
名無しのオプ :2010/12/18(土) 12:39:31 ID:vRVVOoh+
ニッケルカルボニル中毒ではカルボキシヘモグロビン濃度は上がらないらしい。 なので一酸化炭素中毒に偽装することは不可能か。 またニッケルは生体内での微量元素なので、中毒者は異常高値を示すだろうし、 怪しまれるだろう。
60 :
名無しのオプ :2010/12/19(日) 23:06:39 ID:QHXDi1uZ
毒殺は、以下の対象に行なった場合、発覚する危険性が高くなる。 ・要人 ・著名人 ・機密情報取得者 ・恨まれている人 ・資産家 ・高額の生命保険付与対象者 これらの人が毒殺された場合、周囲が「殺される動機がある」とみなしたり、 あるいは単純に人々の興味を呼んだりして、検視などの詳細な究明が強く行なわれる傾向がある。 一方、それらに当てはまらない人の場合、毒殺をしても、医療機関は病死と判断しやすい。 同じ毒物を使っても、毒殺と発覚するかはこういった社会学的な状況による。 たとえば重金属毒などは、一般人に対して用いれば、病死で処理されて血液検査などもされず、 毒殺だと発覚しないケースも多いだろうが、上記のリストのような人物に対して用いれば、 司法解剖のときに血液中の濃度などから明らかに異常な値が現れて、毒殺だと発覚する。 砒素が「愚者の毒」とされている所以は検視での発覚しやすさにあるのだが、 そもそも検視がなされなければあまり欠点のない毒だ。 ある毒物が、愚者の毒であるか、単なる毒であるかは社会学的な観点によって決まる。 もし、毒殺対象が上記リストに当たらないような一般人であれば、 わざわざ発覚しにくい「賢者の毒」を選ぶ必要もないし、愚者の毒であっても事足りる。 もちろん、100%検視されないわけではないから安全性には欠けるが、 世の中の多くの事件はこういったパターンがまかり通っている。 実際、愚者の毒を使っても1回目や2回目は発覚せず、何回も繰り返したために怪しまれて発覚したという犯人の例は、 外国などにも数多くある。 (続く)
61 :
名無しのオプ :2010/12/19(日) 23:07:27 ID:QHXDi1uZ
あえて愚者の毒を使う理由もある。 日本では火葬だが、火葬でも残る金属毒であれば、死亡時には病死と診断されて何事もなく進むが、 数年後に遺骨を検査したら重金属が見つかったという場合、すでに証拠は散逸しているし、 記憶も曖昧で、誰が投与したのかも分からなくなっている。 あえて、こういうシチュエーションにするとメリットがあるという状況を作り上げれば、 あえて愚者の毒を使うという動機が説得力をもつ。 たとえば、ある組織の要人を愚者の毒で暗殺して、上手く病死に見せかける。 数年後、匿名の手紙で「○○は毒殺された。遺骨を検査しろ」と知らせることで、 毒殺と発覚、しかし物証は散逸し、組織の構成員は疑心暗鬼状態になる。 そして内部から崩壊していき、組織はライバルに吸収される。 「愚者の毒」でも検視をされないこつとしては、一度弱い毒物で入院させておき、 二度目に強い毒で殺害するということで、入院後しばらくしてからの死亡という形にして、 変死・異常死の扱いを避けるという方法が考えられる。
62 :
名無しのオプ :2010/12/28(火) 20:19:20 ID:LUuSkVhA
http://news.nicovideo.jp/watch/nw18507 【ベルリン時事】ドイツの検察当局は28日までに、ベルリンに滞在している旧ソ連の情報機関、国家保安委員会(KGB)の元情報員とその妻が水銀を盛られた可能性があるとして、捜査を開始した。夫妻はジャーナリストとして活動し、ロシア政府を批判していた。
ベルリンの医療関係者によると、夫のビクトル・カラシニコフ氏(58)から血液1リットル当たり53.7マイクログラム、妻マリナさん(52)からは同56.0マイクログラムの水銀が検出された。通常は同3マイクログラム以内という。
ビクトル氏は1991年のソ連消滅を機に情報機関を離れた。夫妻はロシアのチェチェン軍事作戦などを批判する記事を執筆していた。
63 :
名無しのオプ :2010/12/28(火) 20:21:38 ID:LUuSkVhA
ヴェッターハーンは4000マイクログラムだったから差があるが、 これは一体…… ただこの夫婦の容態が不明なので気になる。
64 :
名無しのオプ :2010/12/29(水) 04:13:25 ID:sFTWsBl9
65 :
名無しのオプ :2011/01/10(月) 15:38:13 ID:8Se6iZXf
どんなときにも最高の毒というのはないはずだ。 一種の毒は、症状が同じだ。 毎回同じ症状で人が死ぬと、怪しみ出す人も出る。 複数の毒を使い分けて、違う症状で病死と思わせるのがプロ。 特に数ヶ月以内の短期間に、数人を暗殺する場合は重要。 だから多くの毒薬に詳しくなるのは、メリットがある。 登場人物が毒殺を生業とするなら、「至高の毒」一つで任務遂行するのではなく、 さまざまなものを使用するのが説得力を持つだろう。 痙攣を起こす毒、肺水腫を起こす毒、脳浮腫を起こす毒、肺炎を起こす毒、 肝不全を起こす毒、神経症状を起こす毒、腎障害を起こす毒、死因がわからない毒など、 決して同種の物を使わず、同一人物による行為の疑いを避けるのが鉄則。
66 :
名無しのオプ :2011/01/25(火) 06:55:02 ID:jF4g39Vr
67 :
名無しのオプ :2011/02/26(土) 14:03:15.20 ID:rcS5w1qc
68 :
名無しのオプ :2011/02/28(月) 06:17:32.59 ID:l1CIxI8m
69 :
名無しのオプ :2011/03/02(水) 17:45:06.03 ID:98vh/zrn
70 :
名無しのオプ :2011/03/06(日) 20:04:54.66 ID:k4J+ajCr
>>49 重水素化ジメチル水銀に興味がある。
脳内での毒性がどのくらいか、そして代謝されにくいかどうか。
重水素が入ると生体内で分解されにくくなるという。
2年くらいの遅効性も毒物が出来上がる可能性があるんじゃないか。
71 :
名無しのオプ :2011/04/20(水) 18:05:17.40 ID:15b85EE4
KGBで使われてた数mの距離から毒を投射できる毒物発射機って、 どんなミステリもぶち壊しになる存在だよね。 飲食物に毒を入れなくていいので食事時間以外も殺害が可能になるし、 目撃されても、目を凝らさないと何が飛んでるのかまで分からない。 これをミステリに登場させたらもう他の作家は既存のトリックを使えなくなるんじゃないか。 というか創作じゃなくて現実にも使われる可能性があって危険すぎw 警察も誰の犯行なのか特定できないし、KGBの秘密兵器で刑事いびりってかwww
72 :
名無しのオプ :2011/04/25(月) 18:32:16.84 ID:KCg4qZnH
>>71 どう作るんだろ。
死因が青酸の中毒死で、直前に周囲にいた人物は怪しまれない?
73 :
名無しのオプ :2011/04/26(火) 16:12:05.27 ID:IYayki+y
>>72 ブルガリアだかの反対派を暗殺したときに使われた雨傘型毒物発射機はリシンを内部に空洞がある
小型の弾丸に込めて体に差し込むって奴だったような。
生分解性の頑丈な物質に、自然由来の強力な毒物を積めて発射できる武器を作れれば、ほぼ証拠を残さずに
対象を暗殺できると思うけど、そこまでする能力のある人物・組織は限定されるな。
74 :
名無しのオプ :2011/04/27(水) 04:59:07.97 ID:VmIoZg4o
>>73 炭酸ガスで、中に毒薬詰めた岩塩でも発射すればいいかな。
75 :
名無しのオプ :2011/04/27(水) 19:20:49.83 ID:kDunPlGI
>>72 青酸って?
1時間くらい経って症状が現れる物質使えばいいんじゃ?
作り方は、銃の弾なし薬莢(空包)と銃身をくっつければいいはず。
新聞紙にはさむタイプの連発タイプが実在したようだ。
>>74 固体だと当たったとき痛いのでばれるでしょ。
76 :
名無しのオプ :2011/04/28(木) 01:50:47.48 ID:fj4Bpq3M
>>75 吹き出物程度の腫れならいいかなと。
傘改造したやつなら、普通に痛み感じた。
足に痛みを感じて振り返ったら晴れてるのに傘持った男が歩き出したらしい。
気体や接触毒は、使用者も危険過ぎない?
77 :
名無しのオプ :2011/04/28(木) 07:56:56.82 ID:EkqhvhLm
1メートルくらいから液体飛ばせば、強い逆風じゃない限り自分には1%も掛からないし、 仮に致死量の3倍をかけたとしても自分が中毒するのは致死量の数%。 水銀系のように蓄積する毒なら、職業的に何十人も暗殺してるといつか死ぬけど。 というか、リシン銃は足に腫れがあったので、医者で摘出されたし、 痛みがあったからマルコフは「あの時撃たれた」と申告した可能性もある。 そうなると、犯人が顔見知りの場合、警察はすぐたどり着く。 実際、化学研究で使う試薬で服に数滴こぼして放置したせいで数時間後に死んだというものもある。 毒の強さが強烈なほど、掛ける量も減るのでばれにくい。
78 :
名無しのオプ :2011/04/28(木) 15:34:46.26 ID:EkqhvhLm
79 :
名無しのオプ :2011/04/29(金) 11:12:24.10 ID:79Sv6Wya
毒物唱歌 人皆その名を知悉する シアン化カリウム名は高し 迅雷のごとき効能で その名も胃壁も色あせず 太古は賢者の毒にして 愚者の毒すら懐かしき 遺骸を焼いても残る砒素 マーシュテストも今昔 古代の霊薬不老不死 水銀の名は落ちに落ち 塩化水銀昇汞水 二つの腎も耐えがたき 燐は構造数多あり 赤きは毒があらずとも 黄色き燐は赤信号 一世風靡の猫いらず 玄人好みのタリウムは 抜け目少なきつもりでも 抜け毛の多さは隠せざる 見るべき所を見据えつつ 昼は夕方夜は闇 縮瞳見れば有機リン サリンの猛威は伝説に ナチス滅びて半世紀 皮膚を腐らすマスタード 今や純粋臭いなく 浴びても気付かず薬なく 時代遅れと見るなかれ 幾百万の民族を 姿残さず消しつくす シアン化水素の暴風は 電撃のごとく人を撃つ 臭いもかすけきホスゲンは 遅効性こそその脅威 戦を忘れて眠る頃 突如肺から泡を吹く 未だに荒れしボパールに イソシアン酸メチル吹く 風はスラムを吹き連ね 犠牲は幾万今もなお
80 :
名無しのオプ :2011/04/29(金) 11:14:48.51 ID:79Sv6Wya
毒は毒矢に使われし トリカブトからアコニチン 草は花粉も毒を持ち 蜂蜜すらも毒にする クラーレウラリで獲物狩り 血潮に混ざれば激しくも 胃や腸よりは効き目なく 皿を重ねる晩餐に 海の神秘のフグの毒 今や人工全合成 その名はテトロドトキシン 早めに救えば回復す 森にたたずむ死の天使 白きキノコのアマニチン 一度の波を乗り切るも 二度目が死の波滅び波 地球最強ボツリヌス 数値を見れば驚けど 薬石功あり予後は良し この毒もまた薬なり 皮膚への雫半年後 死の宣告は来訪す それはジメチル水銀ぞ もはや治らぬ微小管 炭素が偶数猛毒の ひとつフルオロ酢酸は 犬猫害す種差強く ギフブラアルは独り咲く 揮発も強く燃えやすく 臭いも薄く遅効性 それはニッケルカルボニル CO通せば配管に 論争多く収まらず ダイオキシンは猛毒か 見よやセベソとウクライナ 種差の激しさ桁違い 医師も匙投ぐパラコート 酸素を吸うほど肺痛め 日に日に進む増悪が 致死量に比し恐れらる 蒸気を吸えば肝臓癌 ニトロソジエチルアミンなど タバコの煙に潜むのは すぐに見えざる脅威なり
81 :
名無しのオプ :2011/04/29(金) 11:15:41.88 ID:79Sv6Wya
カビにも良いカビ悪いカビ そのうちアフラトキシンの 発がん性は群を抜く 国を滅ぼす力あり すぐに消え行くポロニウム 原子炉出立ては鮮烈に 身の内側を打ち砕く 薄くば癌に濃くば死に 潜伏期間半月の テトラアルキルスズならば 思いも掛けない頭痛あり 捜査官にも頭痛もの 服に数滴付いたらば マジックメチルの犠牲者に 魔幻甲基は中国名 メチルフルオロスルホン酸 その毒性はサリン並 症状遅く数日間 NPSF新兵器 遅効性毒最強か 飲めば痙攣必発の ストリキニーネ強烈さ 誰もが思う毒殺の 手がかり残す症状を 半導体ガスアルシンは 吸えば血尿猛毒で 風に流れる砒素のガス ボンベを要すが玉に瑕 人類創りし最強の 毒のその名はVX 屋外にても数週間 威力を残せしその力 トウゴマより取るリシンの名 猛威はスパイの暗器にて 世に知れ渡り明かされる 全合成など夢の夢 テフロン加工のフライパン 空焚きをした暁は 人は良くても鳥は死ぬ パーフルオロイソブチレン
82 :
名無しのオプ :2011/04/29(金) 11:16:07.05 ID:79Sv6Wya
二つの意味あるテトラミン 一つは貝毒天然の 二つは人工毒鼠強 南京毒殺幾百人 (著作権フリー)
83 :
名無しのオプ :2011/05/01(日) 01:20:14.06 ID:WrpSwvXr
そういえば20世紀以降の要人の毒殺ってどんなのがあったっけ? 疑惑レベルはあるだろうけど明白なものって思いつかない。
84 :
名無しのオプ :2011/05/01(日) 15:14:45.47 ID:WrpSwvXr
ハッターブというチェチェンの軍人は毒殺らしいね。
85 :
名無しのオプ :2011/05/02(月) 01:00:03.30 ID:IHdoKdt0
ビス(4-フルオロブチル)水銀 フルオロ酪酸のアナログ。有機水銀なので脳に届きやすい? 4-フルオロブチル ヘプタフルオロブチル水銀 上記の物質の臭い削減を狙ったもの。毒性半減。 トリフルオロメチル メチル水銀 トリフルオロメチル基が微小管阻害にどう作用するか未解明。 モノフルオロメチル メチル水銀 上記物質より脳関門を通りやすい可能性がある。また微小管阻害効果も気になる所。 トリヨードメチル メチル水銀 蒸発しにくく燃えにくい。長期間掛けて蒸発させたい場合に。 ビス(トリ重水素化メチル)水銀 微小管阻害性に影響するかどうか、また分解される速度が変わるかどうか注目。 実験テーマに困ったら上記の課題をやるといいよ。 水俣病の治療の進歩にもつながるしね。 今は水銀毒性研究は下火だからライバルも少ないはず。
86 :
名無しのオプ :2011/05/03(火) 01:32:41.20 ID:ZcaB+lTv
87 :
名無しのオプ :2011/05/03(火) 03:15:49.99 ID:ZcaB+lTv
88 :
名無しのオプ :2011/05/03(火) 15:19:38.21 ID:ZcaB+lTv
>「ボスゲン」ハ吸 入タルト腹内注腔入タルトヲ問ハズ、 >数時間後ニハ顯著ナル藤水腫及ビ血液濃縮ヲ來ス。 これが1940年に出てたって事は、半世紀以上もホスゲンの中毒機序が不正確に解説されてたってこと? 塩酸を注射ししも肺水腫は起こらないよね。 なら、腹腔内から灰まで運ばれたホスゲンが直接肺細胞の何かを傷つけるということになる。
89 :
名無しのオプ :2011/05/06(金) 18:16:50.28 ID:qYqLF4Q+
ドキサプラムという薬を使えば、呼吸中枢を興奮させて呼吸を多くすることができるそうだ。 この状態で複数いる場所に毒ガスを充満させれば、一人だけ死亡することになる。 青酸ガスのような後遺症の少ないガスなら、他の人は多少吸っても症状は出ない。 50mg/m3くらいならドキサプラムを投与された人だけ死ぬんじゃないかな。
90 :
名無しのオプ :2011/05/10(火) 01:22:54.76 ID:BCBVX46s
91 :
名無しのオプ :2011/05/15(日) 00:56:43.77 ID:gZH4cS55
92 :
名無しのオプ :2011/05/16(月) 01:45:56.63 ID:21IQOUiU
93 :
名無しのオプ :2011/05/16(月) 22:34:30.38 ID:21IQOUiU
塩化メチル水銀のサルの致死量は腹腔内で5.6mg/kg、モルモットも腹腔内で7mg/kg、 ハムスターは腹腔内で15mg/kg、マウスは腹腔内で10mg/kg、給餌で57.6mg/kg。 生物学的半減期の差と、腸管吸収性の低さが、サルとマウスの投与方法違いのデータで10倍の差を生んでいる。 人に対してはサルと同程度と考えるのがよさそう。
94 :
名無しのオプ :2011/07/06(水) 10:52:56.06 ID:BO219CkA
95 :
名無しのオプ :2011/07/12(火) 18:10:54.16 ID:lRkxRgrn
96 :
名無しのオプ :2011/07/17(日) 03:41:03.06 ID:cTvfTtME
ジメチル水銀が6ヶ月の遅効性という説に疑問。
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=audiology1968&cdvol=29&noissue=5&startpage=445&chr=ja これによると投与後10日目から体重が減少し、21日〜25日目から中毒症状が現れたという話。
これではメチル水銀の潜伏期間とほぼ同じじゃないか。
まさか論文の筆者が間違えてジメチル水銀と書いているのか?
そんなことはないと信じたいが。
ジメチル水銀はメチル基が脱メチル化されるのに長い時間が掛かるから潜伏期間が長いとされているはずだが、
ラットは特別に脱メチル化酵素が強いのか?
この実験での投与量は45mg/kgくらいだが、ジメチル水銀の致死量は4mg/kg位とされている。
ヴェッターハーンの場合も10mg/kg位摂取した計算なので、このラットはその4倍位を摂った可能性もある。
しかしこの脱メチル速度は投与量が多くても大きくならないとも言われてる。
たとえ数百倍とろうと潜伏期間は同じではないか。
どうも謎が多い。
そもそもジメチル水銀やジエチル水銀はメチル水銀に比べて動物実験がほとんど行われていないので、
まともな観察データがないんだよなあ。
97 :
名無しのオプ :2011/07/17(日) 04:06:30.52 ID:cTvfTtME
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=yakushi1947&cdvol=79&noissue=5&startpage=579&chr=ja ジエチル水銀のマウス致死量が載ってる。
24時間後で45mg/kgだって。
これは時間が書いてあるので貴重。
残念ながら長期観察はやってない。
でも、ジエチル水銀でも大量を投与されればすぐ死ぬ、というのは判明。
多分ジメチル水銀もそうだろう。
であるならば前レスの21日目から中毒症状というのも不思議ではない。
テトラアルキルスズはアルキル基が1個脱落してトリアルキルスズになると毒性を現すが、
これが大体20日。
アルキル水銀とアルキルスズで脱メチル化の速度が同じならば、
ジメチル水銀のモノメチル化も20日という仮説が立てられる。
私はヴェッターハーンの事例から6ヶ月くらいかけてゆっくり脱メチル化していくと考えていたのだが、
そうではないという可能性もあるのかな。
単に致死量ギリギリを摂ったから半年も掛かったのか、あるいは皮膚から吸収されたからゆっくりと脳に移行したのか(これは考えづらい?)。
脂溶性が高いと脂肪に沈着するだろうし、皮膚吸収のせいで長い潜伏期間があった可能性もあるね。
あと、ジメチル水銀が脱メチル化してモノメチル水銀になるときと、モノメチル水銀が脱メチル化して無機水銀になるときの、
脱メチル化の速度は果たして同じなのかも検証が必要だ。
98 :
名無しのオプ :2011/07/17(日) 04:19:46.76 ID:cTvfTtME
http://ehp.niehs.nih.gov/members/2002/suppl-5/851-854weiss/weiss-full.html む、待てよ、メチル水銀の体内半減期は50日〜70日というのが定説のはず。
上記の図でも50日くらいでメチル水銀イオンが半減してる。
そして、投与量が少ない場合は最初の発症が伸びている。
ということは、どんなに多く摂取しても潜伏期間は変わらないというのは、
一定量以上の場合に限定される話で、致死量ギリギリの場合はモノメチル水銀でも数ヶ月くらい先になるのか。
うーん、何日目までに発症したら予後は死亡、それ以降は重症だが生き延びる、
という分水嶺が分かるといいんだが。
ホスゲンの場合は72時間まで発症が遅れることがあるが、48時間以降に発症した場合は死ぬことはないという経験則がある。
逆に4時間くらいで発症した人はまず助からないという見立てがある。
第一次大戦の頃の治療レベルの話だと思うから、現代だともっとよくなってるとは思うが。
それと同じくメチル水銀も例えば3ヵ月後に発症した場合は生き延びるとか、
そういう予後予測は可能だと思う。
99 :
名無しのオプ :2011/07/17(日) 04:30:45.48 ID:cTvfTtME
ただ、メチル水銀の体内半減期は、脱メチル化されて無機水銀になるためか、 そのまま排泄されるためかがはっきりしてないよね。 だからこのままジメチル水銀の脱メチル化速度には当てはめられないと思う。 まあ、「脱メチル化+そのまま排出」を加算した数値だから、脱メチル化だけなら メチル水銀の半減期は70日より結構長いはず。 仮に100日とすれば、そしてジメチル水銀の脱メチル化も同じとするなら、 倍の200日が潜伏期間の根拠となる。 だから6ヶ月というのは不思議ではないが、人とマウスの差も大きい。 マウスだと屠殺して体内の有機・無機水銀量を測れるが、人ではできないので困難。 仮にジメチル水銀の潜伏期間が1ヶ月だとしても、前記の実験で10日くらいで症状が出たのは、 もしかするといわゆる脳神経への影響以外にまったく別な理由によるものという可能性もある。
100 :
名無しのオプ :2011/07/18(月) 03:00:30.66 ID:/gqYR1WZ
Brodifacoum遅効性で猛毒過ぎ。 人に対しては鼠より劣るかもしれないが、それでも強い。 ただ医師が治療を適切に行えば救命可能かな。 というかこういう簡単な元素だけで構成された物質が猛毒とは奥が深い。
101 :
名無しのオプ :2011/07/18(月) 05:19:10.60 ID:/gqYR1WZ
102 :
名無しのオプ :2011/07/18(月) 06:06:50.25 ID:/gqYR1WZ
上の論文は戸木田菊次の弟子によるもので、水俣病アミン説が正しいという雰囲気を持った物みたいだ。 最後の部分で他の学者を批判したりしていて、どうもこの時期の文献は論争の最中のため変な方向に行ってるのもありそうだ。 ただ内容は一応正確っぽい。 アミン説の話じゃないからね。 メチル水銀もエチル水銀も、単回投与で30mg/kgくらいすれば、1ヵ月後には 歩行困難などが発症していると思うが、既存の論文は毎日投与したものだから 単回投与の遅効性と慢性毒性の区別が付きにくくなってしまってる。 そもそも当時はあまり遅効性だという発想がなかったのかな。
103 :
名無しのオプ :2011/07/18(月) 23:35:16.73 ID:/gqYR1WZ
104 :
名無しのオプ :2011/07/19(火) 00:07:51.59 ID:QG/OZvNU
105 :
名無しのオプ :2011/07/19(火) 03:58:24.72 ID:QG/OZvNU
106 :
名無しのオプ :2011/07/21(木) 06:36:41.45 ID:ocITQnGv
トリアルキルスズもプロピル、ブチルが殺菌力が強いが、 水銀と同じで哺乳類にはかなり弱い。 (水銀は急性大量投与だとブチルの方が強いが) 菌の方がひどい環境に耐えられそうに見えるが、なぜ脳細胞の方が長鎖アルキルに対して強いんだろう? ブチル水銀は脳に結構入り込むはずだが、分解が早いのか?
107 :
名無しのオプ :2011/07/21(木) 21:34:31.25 ID:ocITQnGv
アルキルスズの場合、プロピル、ブチルは代謝がかなり早い。 エチル、メチルは遅い。 エチルが毒性が最も強く、メチルはそれに準じる。 n-プロピルになるとかなり弱くなるが、イソプロピルはある程度強い。 ブチルは無毒に近い。 フェニルスズはブチルスズより代謝が遅い。 つまり水銀の場合、代謝速度などが同一であれば、ブチル水銀はフェニル水銀より代謝が早いことになる。 そうするとブチル水銀は速やかに代謝されるから、無機水銀としての毒性を表しやすく、 急性毒性は強いが神経毒性は低いのだろう。
108 :
名無しのオプ :2011/07/21(木) 21:48:07.79 ID:ocITQnGv
有機スズの情報を調べていくと、水銀だけで調べた時は分からなかったことが分かるようになる。 類似した重金属ということもあり、脱アルキル化についての知見が共通した部分がある。 アルキル水銀は長鎖のものほど脱アルキル化されやすく、無機水銀となって腎毒性を生じるので、 ブチル水銀はメチル水銀の3倍の急性毒性がある。 逆に、トリアルキルスズは脱アルキルされてジアルキル以下のスズになると毒性が大きく減るので、 脱アルキル化されやすいプロピル、ブチルスズも急性毒性は低い。 脱アルキルがなされなければ、人の神経細胞に対する毒性は、 殺菌効果と同様に炭素数6までのアルキル水銀が一様に強いと思われる。 とすればブチル水銀の神経毒性の低さは、アルキル基がチューブリンのSH基に対する親和性が低いからではなく、 単に代謝量が大きいという、フェニル水銀と同じ原理によるものであることが判断できる。 もしイラクで消毒剤にメチル水銀やエチル水銀が使われず、ブチル水銀やフェニル水銀が使われていれば、 急性中毒は起こした可能性があるが、その時点で有毒性に気づいて、 大量の遅延性中毒による死者を出してはいなかっただろう。 彼らは消毒剤の赤い着色を警戒して、家畜などに食べさせて何も症状が出ないことを確認してから食べ始めた。 だからブチル水銀による急性中毒で家畜が死んだ場合、当然食べなかっただろう。
109 :
名無しのオプ :2011/07/21(木) 21:59:22.80 ID:ocITQnGv
まあ要するに、殺菌力があまり変わらないのなら、ブチル水銀やフェニル水銀を使うべきであったし、 発症まで20日という遅効性はこれほどまで被害を拡大させるということだ。 エイズがこれほど広まったのも、潜伏期間が非常に長かったからだ。 メチル水銀自体は毒性は青酸カリと同じレベルで、神経ガスには全く及ばないが(VXの千分の1)、 昆虫と違ってヒトは周囲の個体の異常死の後では警戒するという能力があることが、 最強の毒物とは一体何かと言った議論に一石を投じるだろう。 その点、10年以上後に影響が出る放射性物質が、毒物としては最強だとも言える。 潜伏期間は警戒心を発生させない。
110 :
名無しのオプ :2011/07/22(金) 05:24:09.70 ID:aV5Zy/kn
脱メチル化の速度が大量投与でも変わらない(分解酵素が占領される)ことと、 脳細胞障害の影響が現れるのが大量投与でも変わらないことは別個。 前者はジメチル水銀が脱メチル化されて有毒化する早さに、後者はメチル水銀の潜伏期間に関わる。 大量投与時のメチル水銀の潜伏期間は20日、ジメチル水銀が分解されて体内に致死量のメチル水銀が蓄積するのが6ヶ月、と考えるべき。
111 :
名無しのオプ :2011/07/22(金) 05:28:41.70 ID:aV5Zy/kn
いずれにせよジメチル水銀でのマウス実験すらないのが議論紛糾の根源。 ジエチル水銀だと代謝が早いのでちょっと前にあるように急性中毒症状が起きてしまうので不可。
112 :
名無しのオプ :2011/07/27(水) 08:36:20.27 ID:ptrEfgkB
113 :
名無しのオプ :2011/09/10(土) 05:22:51.38 ID:hfaWnX+N
選挙の投票用紙を瞬時に読み取って、投票した候補者によってノズルから発がん性物質が吹きかけられる投票箱とかがあったら独裁者は喜ぶだろうな。 症状が現れるのはしばらく後だから気付かないし。
114 :
名無しのオプ :2011/09/21(水) 17:34:25.70 ID:gXXNdO44
>>113 あまり使い勝手のいい殺人器具を世に出回らさせると、それを使って自分が暗殺されかねないぞ。
115 :
名無しのオプ :2011/09/26(月) 08:55:43.74 ID:9D/3A+zm
塩化メチル水銀はL-システインと結合し、メチオニン輸送系を通して脳関門を通過するが、 LogPがそれほど油性でないので、システインと結合しなかった場合の脳関門透過性はそれほど高くない可能性がある。 なお、D-システインと結合した場合は脳関門を通過しないために毒性を増強しないという可能性がある。 このためD-システインは解毒剤にも使える。 また、脳内への蓄積性はメチル水銀>プロピル水銀>エチル水銀>ブチル水銀であり、 単純に炭素数に比例するわけではない。 おそらく、システインと結合したメチル水銀は、脳内でシステインと分離し、 次に脳細胞のチューブリンに結合して微小管形成を阻害するのだろう。 つまり、システインとの結合性があまりにも高いと脳内で放出されず、 結果的に毒性がなくなるし、システインとの結合性が低いと、脳関門をシステインに乗って通過することができなくなり、 脳内への取り込み量が少なくなる。 なお、システインもチューブリンもSH基を持っており、メチル水銀はここに結合するため、両者とも仕組みは同じである。 であるならば、システインに頼らずに脳関門を通過する構造にすれば、 毒性は高いまま、脳内に流入するだろう。 脳関門は脂溶性が高いほど通過しやすいので、塩化メチル水銀よりもジメチル水銀は単独で通過しやすいといえる。 しかし、塩化メチル水銀がシステインに乗って通過する量と比べて、ジメチル水銀の方が多いのかは分からない。 またシステインとメチル水銀の複合体が、脳内への一方通行なのかも気になるところだ。 残念ながら、塩化メチル水銀の臓器分布に関するレポートは数多いが、 ジアルキル水銀に関するレポートはほとんど見つからない。
116 :
名無しのオプ :2011/09/26(月) 09:12:29.01 ID:9D/3A+zm
チューブリンとの結合力を増す構造にすれば、おそらく微小管形成阻害作用は高まり、 神経毒性は大きくなるだろう。 だが、チューブリンとの結合力が増すことは、システインとの結合力が増すことになり、 脳内で自由な状態にならないというジレンマがある。 であるならば、ジアルキル水銀の片方のアルキル基を、SH基と結合しやすい構造の物にして、 もう片方を代謝が早い物にすれば、脳関門を通過したあと、 脳内で片方が代謝され、残った基は水銀原子をSH基に親和しやすくするため、 チューブリン阻害効果が高まるだろう。 なお、SH基と結合するのはアルキル基ではなく水銀原子である。 水銀原子に付いている官能基を電子供与性・電子求引性のどちらにするかで、 水銀原子の電子の状態が変わり、SH基への親和性が変わってくるだろう。 メチル水銀・ジメチル水銀はLD50が人に対し4mg/kgくらいであり、 化学兵器レベルではないが、今後の研究次第では大幅な毒性の増加が見込める。 サリンやVXは軍が多くの費用や人員を投入して開発した、チューンアップされた毒物だが、 水銀系の物質についてはより毒性の強い物を探索した研究は、過去になかっただろう。 だから、まだフロンティアが広がっているともいえる。
117 :
名無しのオプ :2011/09/26(月) 20:23:46.88 ID:9D/3A+zm
ビス(トリフルオロメチル)ジスルフィドも硫黄原子とトリフルオロメチル基がくっついた物質だ。 おそらく、肺のグルタチオンのSH基とくっついて離れず、肺を還元型グルタチオン不足にするのだろう。 そして活性酸素を処理しきれず、肺水腫が起きるのだろう。 つまり、トリフルオロメチル基で電子不足になった硫黄が、SH基との結合力を高めるのだろう。 同様に、電子吸引基を結合した水銀は、システインを介さずに脳内に入れば、 チューブリンとの結合力が強い、メチル水銀以上の毒物となるだろう。
118 :
名無しのオプ :2011/09/27(火) 09:07:00.29 ID:D68SHk/k
マウス・ラットの場合はヒトよりメチル水銀への耐性が強いが、 L-システインと混ぜてメチル水銀を与えると72時間後のLD50は46mg/kgくらい、 そのままオリーブ油に混ぜて与えるとメスの2週間くらい後のLD50は50mg/kgくらいだったはず。 であるならシステインがかなり毒性を増強していることが分かる。 ちなみにヒトやサルのメチル水銀のLD50は4〜5mg/kgで、マウスやラットよりはるかに感受性が高いが、 マウスの致命的発症レベルは脳内で20mg/kg、ヒトは脳内で10mg/kgだから、脳内濃度的には2倍くらいの差。 10倍を投与しても脳内濃度が2倍程度なのは、マウスの体内半減期が4.4日、ヒトは40日から70日であることと、 脳関門通過性の差があることが原因だと考えられる。 なお、ラットは半減期32日なので、体が小さいことがすぐ排出される原因ではない。 であれば、半減期を長く(代謝をされにくく)、脳関門通過性を高くすれば毒性は強まる。 ところで、TOXNETの致死量データには、システインと混ぜた場合の量なのかについて記載がないので、 原論文に当たらないと分からないのがつらいところ。 観察期間についても書いてないので、この種の遅効性毒物についてはTOXNETは向いてない。
119 :
名無しのオプ :2011/09/27(火) 11:32:27.13 ID:D68SHk/k
メチル水銀は神経細胞に2μM(0.5mg/l)の濃度で著しい影響を与える。 無機水銀はその5倍から10倍の濃度が必要。 だからヒトの脳内濃度が10mg/kgというのはその20倍だが、 インビトロでの結果とこの差が出る原因はなんだろう。 実際の脳内には脱メチル化酵素やSH基、SeH基のある物質などがあるために解毒される量も多いということか。 また、長期継続的に神経細胞を障害していかないと、バックアップ力が勝るからか。 あと、赤血球のヘモグロビンについて脳に運ばれるメチル水銀についても考慮しないといけない。
120 :
名無しのオプ :2011/09/27(火) 11:41:08.35 ID:D68SHk/k
ラットの赤血球はヘモグロビンがメチル水銀を吸着しやすい形状のようで、 その分遊離しにくい。 マウスなどはそれほどでもない。 また脳関門は赤血球そのものは通さないため、赤血球から遊離した物がどれくらい多いかも影響する。 血漿から脳関門を通るルートもあるはず。 ヘモグロビンが動物種によって異なることは予想外だった。
121 :
名無しのオプ :2011/09/27(火) 15:28:50.79 ID:lmlL42gz
てとのの
122 :
名無しのオプ :2011/09/27(火) 15:29:04.09 ID:lmlL42gz
てとのの
123 :
名無しのオプ :2011/09/27(火) 21:04:05.68 ID:D68SHk/k
↑何の暗号だ?
124 :
名無しのオプ :2011/09/27(火) 23:17:03.53 ID:D68SHk/k
水銀はセレンと強固に結合するようだ。 SH基よりもSeH基の方が、一旦結合したメチル水銀を手放さない性質が強いはず。 実際、海洋生物はセレンをメチル水銀と結合させて無毒化しているため、 ヒトなら中毒を起こしている量を体内に蓄えていても平気だ。 ヒトの体内では、セレンは硫黄の代わりに微量存在する。 ウィキペディアによると、平均で体重1kg当たり0.17mgのセレンが体内に存在し、これはモルを統一すると0.42mgの水銀と同一の原子数になることになる。 体内のセレンが全てSeH基となっていると仮定して、その全てがメチル水銀と結びついたとしても、 メチル水銀のLD50を0.42mg増やすに過ぎない。 なお、日本人の平均的な摂取量は1日0.1mgであり、体重60kgのヒトなら約100日経たないと体重1kg当たり0.17mgに達しない。 つまり一般人の摂取するセレンではさほど強力な解毒作用はないということになる。 一方、1日0.8mg以上を摂取するとセレン中毒の危険が出る。 中毒しないギリギリの量を摂取し、かつ体内蓄積量も摂取量に比して上がったとすれば、 1kg当たり水銀3.3mgに対応する量にはなる。 もちろん全量がメチル水銀と上手く結びついて解毒してくれるわけではないが、 メチル水銀の致死量に近い値の解毒力があることは、それなりの防御力といっていいだろう。 もちろん、致死量の2倍を投与されれば対応できないが。 しかし、もしメチル水銀が体内に多いことが判明したならば、セレンを許容量よりもはるかに多く摂っても、 中毒症状は出ない可能性がある。 セレンとメチル水銀の化合物が無毒性なら、メチル水銀の方が多い場合は、セレン中毒の症状は起きないことになる。 SeH基を持つメチル水銀キレート剤はすでに開発されているのだろうか? SH基と違って、脳関門に入ってから解離させたりすることはないだろうから、 強力な特効薬になりそうだ。
125 :
名無しのオプ :2011/09/27(火) 23:18:24.79 ID:D68SHk/k
そして、もしセレンが水銀原子との親和性が非常に高いのであれば、上記の理由で水銀化合物を体重1kg当たりLD50 0.42mg以下にすることは困難だろう。 どのようにチューブリンのSH基に親和性を高めても、SeH基と先に結合されれば、 この0.42mgという壁は破ることが困難だろう。 もちろん、特定臓器に集中するドラッグデザインにすれば、そこにあるSeH基としか競合しないから、この壁は破れるだろうが。 そういうわけで、メチル水銀から有毒化合物を発展させる場合、毒性は10倍程度を目標とするのが、 実現可能なラインといえそうだ。 サリン並の猛毒性は、ヒトがセレンを摂取する限りは実現し得ないのではないだろうか。
126 :
名無しのオプ :2011/09/30(金) 20:37:13.00 ID:Htc+u35X
127 :
名無しのオプ :2011/10/02(日) 02:41:54.67 ID:zOvTIQDh
アルキルスズが脳関門を通る原理が不明。 検索しても情報無し。 脂溶性のみで通ってるのかな。 しかし塩化トリメチルスズのLogPは0.28と、塩化メチル水銀とさほど変わらない。 プラス0台でも脳関門はよく通るのだろうか。 あるいは、塩素と離れてイオン化すると脳関門透過性が高くなるのか。 ならばモノアルキル水銀のLogPは再考の必要性がある。
128 :
名無しのオプ :2011/10/02(日) 16:04:57.21 ID:zOvTIQDh
メチル水銀はシステインとくっついてメチオニンに類似した形状となって脳関門を通るが、 アルキルスズはおそらくシステインとくっついてもメチオニンに似てないだろうし、 単に脂溶性によって脳関門を通ってるとも考えられる。 またエチル水銀やプロピル水銀が脳に蓄積されるのは、システインとくっついてメチオニンに似るという原理ではないだろう。 炭素数が増えてメチオニンとまだ似ているとは考えづらい。 特にエチル水銀はメチル水銀より脳に入りにくいが、プロピル水銀はエチル水銀より脳に入りやすいので、 メチオニンからより似ていない状態となったプロピル水銀−システイン複合体が、 むしろ脳に入りやすくなっているのは、メチオニンに似ているからではないということになる。 これらの事を考えると、アルキルスズやアルキル水銀が脳関門を透過するのは、 システインとの結合は決定的な影響ではないということになる。 トリアルキルスズやアルキル水銀のハロゲン化物はさほど脂溶性が高いとはいえないが、 体内でハロゲンが乖離して脂溶性が変わると考えられないだろうか。 もしシステインとの結合が大きな要因でないならば、SH基との吸着力を上げれば、 確かにシステインに結合して離れない水銀も出るが、それ以上に脳内のチューブリンに結合して離れない性質が出るだろう。 システインの体内量にもよるが。
129 :
名無しのオプ :2011/10/03(月) 21:30:35.78 ID:I5n9f11C
http://books.google.com/books?id=5UMGDcCbJ-MC&pg=PA489&lpg=PA489&dq=trimethyltin+half+life+days&source=bl&ots=eV_SM7zmHy&sig=mCcp XY54whlSiPNj7V3upaTwSSU&hl=ja&ei=CbaITu3MIa2ImQWpxtQq&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=6&ved=0CFAQ6AEwBQ#v=onepage&q=trimethyltin%20half%20life%20days&f=false
トリメチルスズの半減期が3日という新情報があった。
今までの情報では、水銀と同じく炭素数の少ないアルキルスズは脱アルキル化が遅いという仮説だったが、
それは間違っていたようだ。
とすると、メチル水銀の半減期が40〜70日は本当として、
ブチル水銀やプロピル水銀の半減期は何日なのかも再検証の必要がある。
また、なぜトリメチルスズが短い半減期でトリブチルスズよりはるかに毒性が高いのかも要検証。
トリブチルスズは脳内に入らないのか、神経毒性がないのか。
殺菌力はブチルスズくらいの物が強いので、神経毒性は強そうなはずだが、
今までの判断では、インビボでは炭素数が長いと代謝が早いので、ということだったはず。
これから色々と、炭素数と代謝速度を再確認しないといけない。
このスレで定着していた仮説がひっくり返りそう。
130 :
名無しのオプ :2011/10/04(火) 15:56:13.70 ID:A0MFf2iW
これは脱アルキル化速度なのか排出速度なのかによっても考え方が変わる。 トリメチルスズなどの低炭素スズは脱アルキル化は遅いものの排出は早いと考える事だってできる。 ならばメチル水銀は各組織のSH基にくっついて貯蔵されやすいけど、 トリメチルスズは組織にくっつきにくいから便で排出されやすい(脱アルキル化されないまま)とも考えられる。 あとメチル水銀は腸肝循環しやすいので、その特徴も半減期に関わっているだろう。 あとトリメチルスズの脳内半減期は、短いのかどうかも未確認。
131 :
名無しのオプ :2011/10/04(火) 16:56:40.13 ID:A0MFf2iW
確かトリメチル・エチルスズの脳症は毒物の摂取が止むと回復は早いという記述があった気がする。 とすれば脳の白質から離脱するのも早いのか。 そもそもアルキルスズはSH基に結びつくのが毒性機序なのかも不明。 で、アルキルスズの排出が早いのは、脱アルキル化が早いというわけに限らないという結論になりそうだ。 で、アルキル水銀については、炭素数が多いほど脱アルキル化・水酸化が早いのかという点については未検証。 ブチル水銀でも結構脳にたまるのに、なぜ神経症状が出ないのか、 また急性毒性が強いのかについても、一番すんなりと来る説は、 炭素数が多いほど無機化しやすいからというものだが、スズでの傍証がなくなった今、 論文を再読する必要がありそうだ。 一応エチル水銀はメチル水銀より半減期が短いので、炭素数が多いほど排出または脱アルキル化・水酸化が早いとも考える理由になる。 しかし、おそらくエチル水銀イオンでの滞在ではなく、システインなどに結びついて体内に溜まってるはずだし、 それの動態の差が影響している。 なお、無機水銀も半減期は結構長く、メチル水銀の半分くらいはある。 メタロチオネインなどに結びついたまま、なかなか排出されないのだろう。 これらを考えるとより複雑になってくる。
132 :
名無しのオプ :2011/10/04(火) 17:25:48.13 ID:A0MFf2iW
133 :
名無しのオプ :2011/10/04(火) 18:03:14.91 ID:A0MFf2iW
134 :
名無しのオプ :2011/11/08(火) 10:12:55.83 ID:V1fa/Puy
http://cnx.org/content/m32333/latest/ 1865年のジメチル水銀中毒の詳しい状況が書いてある。
一人はガスを吸った後翌日にもう症状が出ていたそうだ。
で、その後急速に悪化して死亡。
おそらく、こういった詳細な情報があるということは間違いではなく、
実際にこういう事件があったことは間違いなさそうだ。
しかし、何分この時代なので、不純物が混じっていた可能性も十分ある。
例えば当時はヨウ化メチルとシアン化カリウムで合成していたという、
現在はあまり知られていない方法が載っているが、もしかするとこの方法だと不純物ができるのではないだろうか?
ただ、大量に曝露すると翌日に症状が現れるという可能性も否定できない。
以前に「摂取した量に関わらず脱メチル化は一定速度で起きる」という話があったが、
再考の必要がある。
135 :
名無しのオプ :2011/11/11(金) 12:00:04.04 ID:IG+uIX4I
136 :
名無しのオプ :2011/11/14(月) 13:51:40.09 ID:G5b6PIJj
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jpestics1975&cdvol=7&noissue=1&startpage=71&chr=ja マラチオンはLD50が12500mg/kgという非常に安全な物質だが、不純物の作用によって、
250mg/kgという50倍の毒性になる。
この不純物は、マラチオンを高温の場所に長期保管しておくと自然発生する。
たとえばO,S,S-trimethyl phosphorodithioateを0.05%添加したマラチオンは、毒性が4倍になり、
0.5%添加すれば7.2倍になる。
しかしこの物質自体の毒性はLD50が110mg/kgであり、さほど猛毒ではない。
またイソマラチオンが混じっていても毒性が増強する。
たとえばこれらの物質を単独で食事に混ぜ、片方だけ食べた人は中毒しないが、
両方食べると死亡するという状況想定ができる。
名探偵コナンのアニメ版の製作者が、二つ混ざると効果が現れる毒という物を考えて採用しようとしたら、
実在するか分からないので却下されたという話があったが、
このように現実に存在する。
なお、VXもQLと斜方硫黄の混合で有毒化するが、こちらの場合は食事に混ぜた状態でもいいのか分からない。
137 :
名無しのオプ :2011/11/14(月) 13:55:50.58 ID:G5b6PIJj
なお、前レスの物質はマウスとラットでかなり結果が違うので、 人でも大丈夫かは分からない。 0,0,S-trimethyl phosphorothioateはOPIDNを発症する。 前レスの物質とは違う物質。 25日間観察するとLD50が激減したという物質。 急性毒性がなくてOPIDNしか発生しない猛毒というのはあるのだろうか?
138 :
名無しのオプ :2011/11/14(月) 14:02:27.44 ID:G5b6PIJj
コナンの話、検索すると井上敏樹って人のことのようだ。 どうも実際には「全員に毒を飲ませて、殺したい人以外に解毒剤を飲ませる」って話だったという掲示板書き込みがあった。 それが本当かは分からないが、本当なら私の方の記憶違いかな。 ただ、毒と解毒剤、というのは古くから知られているし、そういう発想が「非現実的」として蹴られたというのはなんか不思議だが。 解毒剤じゃなくてもサソリとトリカブトという拮抗する毒があるし。
139 :
名無しのオプ :2011/11/15(火) 04:48:28.36 ID:8oJ5yPy/
上のPDFには、O,O,S-trimethyl phosphorothioateは、異性体のO,O,O-trimethylphosphorothioateの混入でほぼ無毒になると書いている。 であればコナンの「解毒剤と混ぜて無毒化」もこれで可能となるわけだ。 上のレスではPDFからコピーしたのでOが0になってた。 ちなみにこのO,O,S-trimethyl phosphorothioate、S原子のアルキル基を別なものに付け替えたりすると、 ほんのちょっと毒性は上がったりするが、急性毒性になって翌日に死んだりするようだ。 だからメチル基が一番OPIDNになりやすいみたい。 ただO原子のアルキル基を変えるとどうなるのか興味がある。 フルオロアルキルにするとAChE阻害が激減、OPIDN阻害が激増とかにならないかな。
140 :
名無しのオプ :2011/11/20(日) 14:18:15.62 ID:Rl1LULV+
くも膜下のような症状で死に至る毒薬というのはない?
141 :
名無しのオプ :2011/11/26(土) 00:07:05.92 ID:v7/xOV/r
血圧上昇剤かな。
142 :
名無しのオプ :2011/12/01(木) 18:49:57.92 ID:aJZBJQbV
検死で見つからない食物由来の毒ってないのかな
143 :
名無しのオプ :2011/12/03(土) 01:01:27.78 ID:QZfLMWfW
大部分のきのこや毒草の毒は、毒殺を疑われない限り、検視では見つからない。 青酸ウーロン茶事件だって、最初発覚せずに火葬にしちゃったし。 簡単に検出できる青酸ですらあれなんだから、アルカロイドは、 保険金とか掛かってて怪しまれない限り、警察は捜せない。 まあ、有名所は科捜研が本気でやれば見つかると思うけど、 その地方にない毒キノコとかだとまず検出できないと思う。
144 :
名無しのオプ :2011/12/07(水) 08:10:22.78 ID:EwQTA4ld
145 :
名無しのオプ :2011/12/07(水) 15:48:54.88 ID:RfB7v0OQ
>>143 あーなるほど、地域か
そういえば海外にしかない毒を持つ木なんか日本だと全然検出されないって話があるね
146 :
名無しのオプ :2011/12/07(水) 17:46:26.58 ID:EwQTA4ld
リシンを含むトウゴマの実、アブリンを含むトウアズキの実なんか、販売は規制されてないし。 トウゴマなんか検索すると薬局が通販してる。 すりつぶして足に貼ると健康にいいとか。 リシンその物は化学兵器禁止法で規制されてるのに、その原料は普通に売ってるというのが面白い。 早くすりつぶさないと(嘘) リシンはやや即効性、アブリンはそれより遅効性なので、アブリンの方が発覚しにくいだろうね。
147 :
名無しのオプ :2011/12/07(水) 22:25:37.77 ID:RfB7v0OQ
事件(検死)の舞台が東京だと場数踏んでるだけに 地方にしかない毒物も発覚しちゃうかな? やっぱり田舎が舞台じゃないとだめかな
148 :
名無しのオプ :2011/12/08(木) 21:20:03.47 ID:cVhuXcpx
ルテニウムカルボニル(Ru(CO)5)は不安定であることが分かった。 早いうちに二量体に変化するらしい。 オスミウムカルボニルは不明。 パラジウムカルボニルは存在しないらしいが、三フッ化リンが一酸化炭素の代わりに配位する化合物はあるらしい。 三フッ化リンは一酸化炭素と同様の毒性を持つが、ホスゲン並みの猛毒らしい。 だが常温で気体なので取り扱いが困難。
149 :
名無しのオプ :2011/12/08(木) 23:07:58.45 ID:cVhuXcpx
二量体じゃなく三量体だった。 Ni(PF3)4は沸点約70度で猛毒らしいが、毒性のデータはない。 またNi(PCl3)4はニッケルカルボニルと三塩化リンの反応で生成する。 Ni(PF3)4の化学名はニッケルテトラキス(リントリフルオリド)らしい。
150 :
名無しのオプ :2011/12/10(土) 23:25:00.16 ID:KRNUruqx
暗黒化学スレ落ちたな。 あんなに熱心にコピペされてたのに、落ちるとは意外だった。 鯖移転のドサクサでいつもと落ちる基準が違ったのか。 レニウムヒドロカルボニルも常温で液体。 あと、シクロペンタジエニル金属も、カルボニルとの組み合わせで常温で液体かつ有毒なのがある。 シクロペンタジエニルコバルトジカルボニルは、対称型ジエンだが液体。 シクロペンタジエニルマンガントリカルボニルは、対称型ジエンで固体だが、 メチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニルは、非対称型ジエンで液体。 最後のはMMTという略称で外国のガソリンアンチノック剤に使われている。 これを添加すると、過早爆発が起きにくくなるらしい。 実は鉄カルボニルにも同じ効果があり、同様にアンチノック剤として使われたことがあるという。 鉄カルボニルは発火点50度と、白熱電灯やカップラーメンの熱でも発火する自然発火性の強い物質だが、 燃料に混ぜると引火しにくくなるという不思議な性質がある。 ちなみに赤燐も可燃性だが、プラスチックに混ぜると燃えにくくなる。 このように可燃性物質が難燃剤の役割を果たす例はいくつかある。
151 :
名無しのオプ :2011/12/11(日) 00:14:08.08 ID:+HttRiNl
上記のレニウムとコバルトの化合物は毒性不明だが、 マンガンの化合物は二つともニッケルカルボニルに準ずるくらいの毒性だ。 (固体は昇華させないと吸入できないが、吸入毒性値も掲載あり) メチル基が1個付いただけで融点がこんなに違うのは、対称化合物ほど融点が高いという経験則に一致する。 ベンゼンとトルエンの融点の差と同じ原理だろう。 ただシクロペンタジエニルコバルトジカルボニルは対称型なのに低融点と、例外的だ。 これはカルボニル基の方が対称性に影響してるのかな? こういう、片方にシクロペンタジエン(Cp)などが付いた金属カルボニルをいす状化合物という。 これの利点は、両方がCpである化合物(フェロセンなど)やカルボニル基のみの化合物(ジコバルトオクタカルボニルなど)が固体しかない金属でも、 液体状の化合物が得られる点である。 ただ毒性への影響は不明だ。 ニッケルカルボニルなどは含まれる一酸化炭素と同量の一酸化炭素よりも、かなり毒性が強いし、 これはカルボニル基だけじゃなくて金属が毒性を担っている可能性があるが、 であればいす状化合物になってカルボニル基が減っても、毒性が減るかは分からない。
152 :
名無しのオプ :2011/12/11(日) 07:09:49.52 ID:+HttRiNl
暗黒化学スレは501KB。 512には達してないが、容量に近づいてたから落とされたのかな? しかし、いす状化合物には鉄やニッケルのはないのか気になる。 鉄やニッケルは二量体のしか見当たらない。 こういう配位結合は原子の手の数で考えられないから、当然あるはずだという結合が不可能だったりするし、 RuやOsの単量カルボニルが不安定だったりするのも、ちょっと考えただけでは分からない。 もちろん、シクロペンタジエンでなくベンゼンとかシクロオクタジエンなどの他の配位子なら、 また可能性があるという可能性もある。 しかし金属カルボニルの毒性機序は気になるな。 カルボキシヘモグロビンがあまり増えないということは一酸化炭素中毒は原因ではないし、 体の多くの臓器がやられるということは原形質毒(細胞毒)? しかし、注射ではシアン化ナトリウムより結構弱い毒性なのに、 経気道ではシアン化水素と同等か上回る毒性ということは、 経気道の場合死因は各臓器の不全や脳浮腫などではなく間質性肺炎ということだろう。 そして、無害な金属であるはずの鉄カルボニルでさえもニッケルの3分の1の毒性ということは、 何らかの未知の理由があるのか?(まあニッケルもいわゆる有害金属ではないが) クロム、マンガンと異種の金属でも毒性は健在ということは、 金属毒性が主体ではないとも考えられる。 さりとて、前記のように一酸化炭素よりもはるかに強毒性なので、 カルボニル基が遊離することが理由でもないわけで、これは将来の研究が俟たれる。 異種の配位子に変えた物質で動物実験すれば分かるだろうか? だが先述の3フッ化燐は一酸化炭素同様の毒性をもつ物質だし、イソシアニドも同様らしい。 もしかすると金属に配位できる物質のほとんどはヘモグロビンにも吸着して阻害するのか? 毒物学は意外に未解明のフロンティアが多いな。
153 :
名無しのオプ :2011/12/12(月) 05:12:30.81 ID:iVy44KcR
http://www.poweraccel.co.jp/octane.html >よく誤解されている事ですが、燃えやすいガソリン=低オクタンではありません。
>正確に言うと引火性が高く、自己着火性が低い燃料のオクタン価が高いのです。
これは重要な情報。
MMTや鉄カルボニルの添加でオクタン価が上がるなら、MMTや鉄カルボニルは有機溶媒の引火点を下げ、
発火点(自己着火点?)を上げる働きを持つことになる。
まあ、圧縮による発火と加熱による発火が同等なのかは議論の余地があるが。
であるなら、燃えやすい物質にMMTや鉄カルボニルを添加しても、むしろ引火性は上がってしまうのか?
添加する濃度にもよるのだろうが……
一応、ウィキペディアでは難燃剤と書かれているので、多分そんなことはないようにも思える。
あるいは、「引火はしやすいが、自己消火性が強い」という難燃剤なのだろうか?
154 :
名無しのオプ :2011/12/12(月) 10:42:05.03 ID:iVy44KcR
>有機金属系の添加剤は、どちらかと言えばオクタン・ブースターのジャンルに入り、低回転域の吸気速度の遅い層流域が多い場合
>(レイノルズ数が小さい)に火炎伝播速度を上げてノッキングを防ぎ、低回転域でのトルクアップにも貢献します。
とも書いてあり、燃焼がすぐ広がるということであるが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%9C%E3%83%8B%E3%83%AB%E9%89%84 >ペンタカルボニル鉄は、酸素炎中で強力な燃焼抑制剤であることが発見された[8]。
>数百ppmのペンタカルボニル鉄を添加するだけで、化学量論のメタン-酸素炎の火炎速度を50 %抑制することが知られている。
>しかし、その毒性のために難燃剤としては広くは使われなかった。
こっちではこう書いてあり、速度が落ちるということになっている。
この場合の火炎速度は意味が違うのかな?
引火点と発火点の差、加熱による発火点と圧縮による発火点の差が問題の核心だろう。
臭素系溶剤の点火による難燃化なら、単純に引火点が上がったと考えればいいんだろうけど、
カルボニルだと可燃性だし、1%未満の微量添加での影響だから、判断しづらい。
155 :
名無しのオプ :2011/12/12(月) 22:08:23.68 ID:iVy44KcR
http://fire.nist.gov/bfrlpubs/fire99/PDF/f99069.pdf これを見るとトリフルオロブロモメタンより10倍くらいの燃焼抑制効果がフェロセンや鉄カルボニルにはあるようだ。
アルカンとアルカンの臭素化物の比較では引火点が臭素一つ増えるごとにある程度上がるので、
難燃性の向上は引火点の上昇で数値化できるはず。
しかし、トリフルオロブロモメタンも1%未満の添加でだいぶ効果があるようなのが不思議。
アルカンに臭素が一つ入ったくらいじゃ引火点は100℃も上がらないけど、
グラフを見るとものすごい効果があるようなので、もしかすると引火点ではなく別の要素を反映してるのかな。
自己消火性というものに臭素やヨウ素などが関わってくるようだけど、
こっちの方の影響が主体なんだろうか?
そういえば初期のアンチノック剤はヨウ素単体だったらしい。
156 :
名無しのオプ :2011/12/12(月) 23:28:49.95 ID:iVy44KcR
TOXNETで三フッ化リンの金属錯体の表示が変だ。 水素がないはずの場所に水素が表示されている。 同サイトの化学式などを見ても水素が入ってないのに、図では水素が出ている。 どうも、このサイトはリンは3か5の原子と結合しないといけなくて、 そうでない場合は余計に水素が付加されるという仕様のようだ。 三フッ化リンが金属に配位してる場合、腕は4本になるので、自動的に水素がくっついてしまう。 ただ図から検索する機能だと、この水素は存在しない物とみなされて正常に検索できるようだが、 どうも見栄えが悪い。 まあ金属カルボニル自体、原子価と一致しない配位結合を主体とする化合物なので、 この種の描画エンジンとは相性が悪いのだろう。 ちなみにTOXNETには金属の三フッ化リン錯体が大量に掲載されているが、 毒性情報も載っているのはなかった。
157 :
名無しのオプ :2011/12/13(火) 13:46:30.20 ID:JSUslfPt
マンガンヒドロカルボニル(16972-33-1)というのもある。 TOXNETでは明らかに構造表示と元素羅列(スマイルズ)が変。 水素が変なところについてるしスマイルズには水素入ってないし。 まあしかし、ヒドロカルボニルなら通常二量体しかない金属でも単量体で揮発性の物があるということだ。 ちなみに鉄にもジヒドロカルボニルがあるが、常温で気体だ。 ただクロムのカルボニルで液体のがなかなかない。
158 :
名無しのオプ :2011/12/13(火) 21:58:01.51 ID:JSUslfPt
第六族元素のクロム、モリブデン、タングステンには液状のカルボニル化合物がないっぽい。 ヒドロカルボニルもシクロペンタジエニルのいす状化合物も見つからなかった。 ただ、合成の可能性は残されてると思う。 そして銅、亜鉛などのカルボニル化合物はあるんだろうか? 配位子を変えればありそうだ。 そしてあらゆる金属カルボニルの中で毒性最大なのはニッケルなんだろうか? その下のパラジウムやプラチナも、PF3を配位した場合には毒性がどうなるのか一考すべきだ。
159 :
名無しのオプ :2011/12/30(金) 22:02:53.04 ID:kVKK0pjV
160 :
名無しのオプ :2012/01/03(火) 02:44:15.08 ID:p9/gtDHP
161 :
名無しのオプ :2012/01/04(水) 15:09:12.77 ID:SoQ65L3J
リン化アルミニウムを混ぜた水ってどうですかね? 無味無臭なんでしょうか?
162 :
名無しのオプ :2012/01/04(水) 17:55:05.71 ID:aY2170Zl
水と反応してホスフィンを生じるから、混ぜたままの状態は存在しないんじゃ? ホスフィンは腐魚臭だし。
163 :
名無しのオプ :2012/01/05(木) 06:33:38.17 ID:yD2jQyp+
過去ログ見てみたけどミステリ殺人にはジメチル水銀最強ですね 触るだけでOKな上に超遅効性なんて でも入手方法がな・・・職業柄持ち出せたとかじゃ興ざめだし 似たような効果を持ってて素人でも手に入れられる(作れる)毒ってないかな
164 :
名無しのオプ :2012/01/11(水) 05:23:00.15 ID:n47cGbLa
テトラメチルスズ、テトラエチルスズはジメチル水銀ほど遅効性ではないが、 20日くらいの潜伏期間があるそうだ。 こちらは薬局で普通に買えるらしい。 あと何かあったような気がするが、過去ログに書いてなかったかな。
165 :
名無しのオプ :2012/01/16(月) 23:38:54.34 ID:ZTKxtkMG
スイートピーにある神経毒って人間も下半身不随とかにできるんでしょうか ラチリズム?とかなんとか 種買ってすり潰してなんかに混ぜて食わせるとか(嘘)
166 :
名無しのオプ :2012/01/18(水) 19:13:57.33 ID:b4K7Qv0M
毒殺ではないが、人に食品保存料を食わせてから殺せば、死亡時期がごまかせるのではないか? 使用禁止になったような強烈な合成保存料を大量に食わせて、普通に殺して死体を捨てれば、アリバイトリックが成立。 あ、年金不正受給のために死ぬ直前に食わせて、長持ちさせるってのもありか。
167 :
名無しのオプ :2012/01/19(木) 15:18:27.14 ID:KR1Cms9Y
168 :
名無しのオプ :2012/02/18(土) 04:14:38.81 ID:fF7VI/h9
金属カルボニルの一部が他の原子団に置き換わっている物資に、静注でLD50が1mg/kg未満のがいくつかあるんだよね。 で、類似構造物質では数mgだったり数十mgだったりするし、経口やその他の経路での毒性と大きな差はないのが多いけど、 いくつかは静注で猛毒、それ以外ではそこそこの毒というデータが出てる。 多分、CO基以外の基が体内で速やかに外れて、金属カルボニルイオンになるからじゃないかと思う。 でもそれだとなぜ静注だけで猛毒なのかとか、よくわからない。 ちなみに見つけた中で一番有毒だったのがタングステンカルボニルにピペリジンがくっついているやつ。
169 :
名無しのオプ :2012/02/18(土) 07:28:56.17 ID:fF7VI/h9
ジクロロ(m-トリフルオロメチルフェニル)アルシン human LCLo inhalation 28ppm/10M (28ppm) これはフェニルジクロロアルシンのアナログだが、かなり毒性が高い。 症状はなんだろう?
170 :
名無しのオプ :2012/02/19(日) 00:32:49.96 ID:vsBM0WUZ
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jjh1946&cdvol=34&noissue=5&startpage=670&chr=ja >とくにこれらの作用については,TELその物自体の影響か,あるいはその代謝産物によるものか検討の余地がある。
>これに関連して,Cremer,J.E.et al23,24)は, TELは肝細胞で速やかに三エチル鉛に分解され,
>これによって中枢神経症状が発現することを報告している。
>一方,長谷川25)は,ウサギに30mg/kgのTELを静注したとき,2時間までは脳内にTELが蓄積されていたが,三エチル鉛の蓄積は認められず,
>この状態でも激しい興奮状態がみられたとして,TEL自身にも中枢神経障害をきたす作用があるといっている。
>また,鶴田等26)も投与直後の毒性はTELによるものであり,それ以後は体内で変化した三エチル鉛の毒性であるとしている。
>これらの事実を参考にするならば,睡眠・覚醒像の変化は,TEL,三エチル鉛の両者による脳内の代謝異常,または器質的変化によって生じたものと思われる。
これによれば、テトラエチル鉛は、脱アルキル化されてトリエチル鉛になる前から、毒性が存在し、
自覚症状があるということになる。
ただし、遅効性であることは間違いなく、死亡例でも数日から10日以上たってから死亡している。
ペルアルキル重金属は脱アルキル化されないうちはほぼ無毒かと思っていたが、実際にはこのままでも一種の毒性があるようだ。
ただし、テトラメチル鉛や、テトラアルキル錫、ジアルキル水銀も同じであるかどうかは分からない。
シンナーなどが精神症状を起こすのと同じで、有機溶剤として精神作用があるということだろうか。
171 :
名無しのオプ :2012/02/19(日) 06:55:47.98 ID:vsBM0WUZ
172 :
名無しのオプ :2012/02/19(日) 08:05:18.10 ID:vsBM0WUZ
173 :
名無しのオプ :2012/02/19(日) 11:21:45.95 ID:vsBM0WUZ
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=joh1959&cdvol=28&noissue=3&startpage=151&chr=ja >アルキル鉛化合物の毒性について, Cremer18)は四エチル鉛および三エチル鉛中毒では興奮,振戦,痙攣などの神経症状がみられたが,
>二エチル鉛中毒ではこれらの症状はみられないと述べている.
>また, Springmanら20)も,ラットの実験で二エチル鉛中毒では興奮,振戦,痙攣と共同運動炎調などの神経症状はなく,動物はただ衰弱して死亡したと述べている.
>この点で二エチル鉛中毒と三エチル鉛中毒の作用機序は本質的に異なるようである.
>本実験の二塩化二エチル鉛投与ウサギでも,死因は急性中毒死か衰弱死であり,四エチル鉛や三エチル鉛を投与した場合に特有な神経症状はみられなかった.
>しかし,二エチル鉛の急性毒性は,急性致死量からみて三エチル鉛よりは弱く,四エチル鉛よりも強いと考えられる.
このようにジエチル鉛は結構毒性が強く、ジアルキルスズの毒性の低さとは異質である。
またジエチル鉛は無機鉛より排泄が早い。
アルキル基が少ないほど脂溶性は落ちるが、無機鉛より脂溶性だろうし、
やはり水銀化合物とは対照的だ。
タンパクのSH基と結びつきにくいのだろう。
とすると、アルキルスズもSH基とは親和性が低いのではないか?
でもアルキルスズの殺菌効果は、どういった機序なんだろう?
174 :
名無しのオプ :2012/02/20(月) 01:42:26.05 ID:BeBGwtnz
175 :
名無しのオプ :2012/02/20(月) 04:24:35.97 ID:BeBGwtnz
176 :
名無しのオプ :2012/02/20(月) 04:34:51.28 ID:BeBGwtnz
BAL(ジメルカプロール)はアルキル水銀に対しては解毒効果がないとされているが、 これはBALがメチル水銀とくっついたまま脳内に入るからで、結合力自体はあるということのようだ。 BALはSH基が二つあるので、もしかすると二つのSH基で水銀原子を挟み込んで吸着するのだろうか? だとするとメチル基が外れるということになるが…… あるいはメチル基が外れないにしても、吸着したメチル水銀分子を余分なSH基が電子的に安定化させてるのだろうか? そういえばチューブリンにもSH基が二つあり、普通の微小管阻害薬は二つにくっつかないと阻害しないが、 メチル水銀は一つにくっつくだけで阻害するという。 もしかして、これはBALと同じ原理でチューブリンのSH基がメチル水銀に親和性が高いということなのだろうか? ただ、BALのように近い位置にSH基があるのかは未確認。
177 :
名無しのオプ :2012/02/20(月) 07:40:28.86 ID:BeBGwtnz
178 :
名無しのオプ :2012/02/20(月) 11:48:54.00 ID:BeBGwtnz
フェニル水銀だと立体障害のせいで、BALはSH基が二つあるからうまく抱合できない、
という可能性を考えたが、他のSH基二つの物質の実験結果を見ない以上は断定ができない。
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jjh1946&cdvol=20&noissue=1&startpage=11&chr=ja >(CH3Hg)2SおよびCH3HgSCH3を動物に経口投与し,その肝臓および腎臓粉末をエーテルとふっても水銀はエーテルに移らない。
>またBAL(2-3-dimercapto-propanol)のエーテル溶液とふっても水銀はBALに移らない。
>しかしこれらの臓器をペプシン消化または1NHClで処理すると消化液または加水分解液から水銀がエーテルに移る。
>前記4種のメチル水銀化合物投与動物の脳粉末からは水銀は直接エーテルに移らない。
>しかしCH3HgCl,(CH3Hg)2SおよびCH3HgSCH3投与動物の脳粉末中の水銀はBALに移る。
>このことは脳内における有機水銀の存在様式が肝臓や腎臓内と異なることを示す。ただCH3HgOH投与動物の脳粉末中の水銀はBALに移りにくい。
>このことはCH3HgOHが他のメチル水銀化合物と異なり,水溶性がたかく,その水溶液はリトマス紙に感ずるほどのアルカリ性を呈し,
>かなり反応性をもつ基をもつためと考えられる。
前のレスに書いたように、BALはシステイン・メチル水銀複合体からメチル水銀を奪う力を持っているわけだから、
肝臓や腎臓のメチル水銀はシステインとくっついているわけじゃないということかな?
で、脳内水銀はシステインか、他のSH基のあるタンパクなどとくっついていると。
メチル水銀が肝臓や腎臓に対して障害を与えるという話はあまり聞かないけど、
実際には肝臓や腎臓には脳と同じくらいか、それ以上に蓄積する。
なのに無機水銀と違って腎臓障害がおきないのは、腎臓細胞がメチル水銀に対する耐性が強いか、
毒性の低い形でタンパクと強固に結合しているからだと思う。
セレンと結合して無毒化して蓄積される場合もあるが、人体のセレンはわずかなので急性投与の場合はあまり関係ないだろう。
179 :
名無しのオプ :2012/02/20(月) 12:44:47.28 ID:BeBGwtnz
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jjh1946&cdvol=21&noissue=6&startpage=371&chr=ja >ただし甲斐の実験においてCH3HgCl,CH3HgOH,(CH3Hg)2SおよびCH3HgSCH3投与動物の臓器中の水銀はいずれもクロロホルムに移行しないことは本実験における(CH3Hg)2SO4投与動物の場合と同様であるが,
>0.1%-BALクロロホルムと振盪したとき,甲斐の実験においては脳および血液中の水銀化合物は容易にBAL層に移行し,肝臓および腎臓中の水銀化合物は容易にBAL層に移行しなかった。
>これに対して(CH3Hg)2SO4投与動物の臓器(肝臓および腎臓を含む)中の水銀化合物も容易にBAL層に移行した。
>ただ甲斐の実験ではメチル水銀化合物投与動物より摘出した乾燥試料を用いたのに対し本実験においては生の臓器を用いている。
>おそらくこの差異は投与したメチル水銀化合物の種類によるよりも,乾燥試料と生試料との差異によるもので,
>おそらく乾燥により臓器蛋白の変性がおこりCH3Hg-基と蛋白との結合状態に変化がおこったものと考えられる。
ところがこれで否定されている。
ということは肝臓・腎臓のメチル水銀も、脳と異なる結合の仕方とはいえないということか。
でも、乾燥によって結合状態が変化するのが、肝臓・腎臓の方では起こって脳では起こっていないのは、
タンパク質の種類が違うからだろうか?
ここら辺はどうもよく分からないな。
ただ、メチル水銀の大量投与で腎臓障害が起きないかどうかは確認不足なので、
蓄積率が高いのに通常量投与で腎臓障害が起きないのは、単に腎臓は神経細胞より耐性が強いからだってことも十分に考えうる。
180 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 00:13:36.50 ID:pUAY7NsP
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=nogeikagaku1924&cdvol=60&noissue=9&startpage=725&chr=ja >ウニ胚に対しては5×10-5SM程度で分裂阻害活性を示し,第1分裂は完全に阻止きれる.
>コルヒチン類縁体であるコルセミドはコルヒチンの10倍の活性を持っている.
>ウシの脳由来のチューブリン重合阻止濃度(50%阻止に必要な濃度)は,2.3×10-7Mときわめて強い.
>ビンブラスチンは,in vitro系において0.1〜1.0×10-5Mで微小管を脱重合する.
>ウニ胚に対してもきわめて強い分裂阻害酒性を示し,5×10-6M程度で,
>すでに形成された前中期(prometaphase)の紡錘体をすみやかに短縮させ,処理時間を早めると紡錘体の形成は認められない.
>その作用はコルヒチンより強力であり,作用部位はコルヒチンとは異なる.
>その活性成分は,ポドフィロトキシン(17)を成分とするC6-C3単位からなるリグニン類である(171.
>これらの化合物は,in vitro系でチューブリン重合を0.5〜1.Ox10-6Mで阻害する.
>ウニ胚に対する分裂阻害効果はコルヒチンよりはるかに強く,受精後35〜40分目に5×10一'〜10-6Mで処理すると紡錘体の形成はほぼ完全に抑制される.
>しかし,tドフィロトキシンは中期の紡錘体には顕著な阻害効果を示さず,すでに形成されている微小管への作用は温和である.
>タキソール(19)は,イチイ科植物(Taxus brevifo-lia)から単離された抗腫瘍性ジテルペンであり(22),HeLa細胞の増殖を2.5×10-7Mで抑える.
>しかしながら,その微小管形成に対する効果は前述のコルヒチンV`代表される紡錘体毒とは正反対であり,in vitro系では著しい微小管形成促進効果を示すのみならず微小管を安定化させる.
>タキソールは受精直後のウニ胚の第1分裂を5×10-sMで停止する.
またジヒドロキシジアルキルベンゼンである、レゾルシノール類縁体も強力である。
しかしこの物質はTOXETにちゃんとした毒性情報がない。
T-1はmouse LDLo intraperitoneal 1200mg/kg (1200mg/kg)とあるが、LD50は不明。
経口摂取でどれほど毒性があるかなど、不明な点が多い。
181 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 01:26:51.20 ID:pUAY7NsP
182 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 01:42:38.02 ID:pUAY7NsP
コルヒチンは種差は結構あるもののLD50が1mg/kgくらいの報告が多いし、 メチル水銀より毒性は強い。 ただし脳関門を通らないと思われるので、メカニズムは大きく異なる。 もし脳関門を通れば、中枢神経のSH基にくっついて微小管合成を阻害し、 さらに致死量は低くなるだろう。 ということは、微小管阻害毒の理論上の最大毒性は、かなり強い数値となるはず。 たとえば0.5mg/kgくらいはありえるということになる。
183 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 03:44:28.79 ID:pUAY7NsP
184 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 03:45:08.54 ID:pUAY7NsP
BALはシステインと同じく、メチル水銀と同時投与すると脳内へメチル水銀を送り込んでしまうが、 システインの場合は発症までの潜伏期間が短くなったりと明確に毒性を増強していることが分かっているのに比べ、 BALの投与により毒性が増強されたという話はまだ読んだことがないし、 BALにくっついたメチル水銀は、脳内で離脱せず、無毒状態のまま脳にあるという仮説も立てることができる。 であるなら、BALはモノチオール(SH基が1個しかない物質)から有機水銀を奪い取り、 なおかつ、放出しにくいという性質を持つことになる。 チューブリンのSH基の配置は、これがタンパク質であるためなかなか分子構造図が分からないが、 もしBALと同様に相互影響のある位置に並んでいるのだとすれば、チューブリンはBALと同様に、 有機水銀を吸着しやすく、離しにくいという性質を持つことになる。 メチル水銀の場合は他物質と違ってSH基1個だけの結合でも重合停止するという話とも符合する。 (もう1個のSH基は、結合していなくてもメチル水銀に引き寄せられて機能をなくしていると推定)
185 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 05:36:27.73 ID:pUAY7NsP
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=kagakutoseibutsu1962&cdvol=19&noissue=12&startpage=767&chr=ja >動物に無機水銀とセレン化合物を投与すると,生体内で両者が反応して毒性の低い1:1のモル比の複合体を形成すること,
>またこの複合体の体内残留性が高いことが判明しており,このような現象が上記の水銀鉱山作業者の体内でも起こっていたものと考えられる.
>また,セレン化合物はメチル水銀の毒性をも軽減することが明らかにされており,メチル水銀を高濃度に含有するマグロ肉などを多食するマグロ漁船員に,
>その毛髪中メチル水銀量がメチル水銀中毒における毒性発現レベルを越えるようになっても,メチル水銀中毒患者が発生した事実がこれまでにないのは,
>マグロ肉中にセレンが多量に含まれているためと推測されている.
>しかし,メチル水銀は無機水銀とは異なり,生体内でセレン化合物と安定な複合体を作ることはなく,セレン化合物によるメチル水銀毒性軽減のメカニズムはまったく不明である.
>最近,生体内でセレン化合物がメチル水銀と反応してビス(メチル水銀)セレナイド(CH3Hg)2Seが生成することが判明したが,このビス(メチル水銀)セレナイドは,
>生体内では不安定ですぐに再びメチル水銀とセレン化合物に分解されてしまうことから,
>この物質が生体内で生成することがセレン化合物によるメチル水銀毒性の軽減現象でいかなる意義を持つかについては,結論は出ていない.
このようにセレンもメチル水銀と安定な化合物を作るわけではないが、
メチル水銀の毒性を減らした物質として沈着する点では、反応機構が理論的に説明できないことについてBALの例と同じだといえる。
BALもジチオール構造がメチル水銀のメチル基を保持したまま強固に吸着する現象があり、
セレンもメチル水銀のメチル基を吸着したまま安定な複合体を作るので、よく似ている。
もしかすると、メチル水銀は水銀原子の大きさから、他の物質では起きないような電気化学的な理由があるのではないだろうか?
186 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 05:37:43.13 ID:pUAY7NsP
たとえばサリンのようなアセチルコリンエステラーゼ阻害剤はリン原子にくっついている原子団の電荷(?)により、 アセチルコリンエステラーゼに特異的に吸い寄せられるようだ。 VXのように大きな基が付いているものや、ホモコリン系の有機リン剤のようにアセチルコリンと似た構造のものは、 より毒性が強いし、電荷による吸着力が勝っているのだろう。 メチル水銀だけでなくブチル水銀などについてもBALやセレンによる解毒実験が行われていれば、 その反応機構が分かりやすくなる。 t-ブチル基による立体障害などを駆使すれば、何か分かるはず。 またこのPDFには水銀がシステインに対して他の重金属よりずっと強い親和性があるという表が載っている。
187 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 06:07:25.30 ID:pUAY7NsP
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/62/1/58/_pdf/-char/ja トリメチルスズとトリエチルスズは脱アルキル化が遅いが、
トリプロピルスズとトリブチルスズは脱アルキル化が早い。
マウスではトリアルキルスズの血中濃度はラットに比べて100倍以上低い。
これを考えると、メチル水銀でもマウスとラット間で血中濃度に大きな差があったことから、
マウスとラットでは血液中の物質のSH基などがメチル水銀や、ある種のアルキル金属に対する親和性に大きな差があるのではないかと考えられる。
またプロピル水銀・ブチル水銀はメチル水銀・エチル水銀より脱アルキル化が速いという推測も成り立つ。
188 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 09:12:35.86 ID:pUAY7NsP
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=joh1959&cdvol=15&noissue=1&startpage=3&chr=ja >それは陸軍科学研究所第二部主任の命令でSn(C2H5)4を試作してくれとのことで,この研究所で製造研究を始めpilotplantまで進展した.
>3月3日その試作品の精製蒸溜を一般研究室で始めたところ,その部屋にいた全員が頭痛など起こしてきたために,この仕事の担当者2名以外は午後になって皆帰宅してしまった.
>この2名は夕刻に精製蒸溜を終わり,残渣の匂いまでかいだということである.
>ところが帰宅の段になるとふらふらして自転車にもうまく乗れない状態であった.
>そしてだんだん症状は重くなるばかりで付近の病院に入院することになった.そこで6日に筆者の訪問となったのである.
>すでに1人は死戦期状態で1時間後には死亡し,ほかの1人も意識不明であったがそれから3〜4時間後には死亡したとのことである.
テトラエチルスズはこんなに即効性なのか?
脱アルキル化までの期間はもっと長いとされていたが、これはなぜだろう。
テトラエチル鉛と同じように、テトラ体でも毒性が出現するのだろうか?
それとも脱アルキル化は意外に速いのだろうか?
それとも不純物としてより炭素数の多いアルキルスズや、トリエチルスズが混じっていたのだろうか?
塩化トリエチルスズは揮発性が高い液体だし、混入していれば蒸気吸入が結構あってもおかしくない。
まあ、テトラメチルスズの場合、既報通り潜伏期間が20日くらいだけど、エチルになると縮むってことなのかな。
非対称型のトリメチル・エチルスズと、テトラエチルスズで、脱アルキル化の速さはどう違うのだろう?
腕のうち1本が脱アルキル化されやすい基になった場合、影響力は4分の1なのか、それとも100%に近いのか。
たとえばエチル基がメチル基より2倍脱アルキル化されやすいなら、テトラメチルスズがテトラエチルスズになった場合、
脱アルキル化されやすさは2倍なのか、16倍なのか。
189 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 09:13:38.04 ID:pUAY7NsP
>投与局所の皮膚では四エチル鉛(Photo4)では,表皮の核が一部濃縮し,表皮直下に多少の浮腫があり,そこに多核白血球の浸潤が軽度にみられる. >とくに毛嚢付近に細胞浸潤が強く,毛嚢上皮の核は一部顆粒状を呈し,死生状となっている. >四メチル鉛(Photo5)では,表皮直下にごくわずかに多核白血球の浸潤がみられる程度である. >有機錫化合物に比し,障害の程度ははるかに軽いようである. >肺では,四エチル鉛(Photo6)ではウッ血‰浮腫,出血がみられ,一部ではあるが肺胞壁の幅がやや広くなり,多核白血球やリンパ球が多くみられ,いわゆる間質性肺炎の像を呈している所もある。 >四メチル鉛(Photo7)でも同様の傾向が窺われるが,変化の程度はやや軽いように思われる. これは接触した部位の細胞で脱アルキル化されてトリアルキル鉛になることによって起きる炎症かな? メチル体の方が軽微ということは、メチル体の方が脱アルキル化が遅いということか。 ただトリアルキル鉛のメチル体とエチル体の毒性の差も未知なので断定はできない。
190 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 10:09:13.25 ID:pUAY7NsP
191 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 10:55:59.51 ID:pUAY7NsP
192 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 10:56:33.21 ID:i5Vv5UVg
MIKAMIのインターネット でググれ このブログ痛すぎwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww クソワラタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
193 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 13:18:00.51 ID:pUAY7NsP
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/36/6/316/_pdf/-char/ja/ >シアンはシアン化カリウム(KCN:俗に青酸カリとよぶ)を数 mg 程度入れた25 g 試薬瓶を蓋を開けて鼻から20 cm の距離で横に振る.
>わかる人は1 m 離れてもわかる.シアンは嗅盲については男性に多いことが知られている.
>シアンのにおいを感じない人は白人では男性で18.2%であるのに対し,女性では4.5%,日本人の男性では18.0%であるのに対し,女性では5.5%であるというといわれている.
>講習会で私が統計を取ったところ男性40%が嗅盲であった.
>水銀は金属水銀はにおわないが,メチル水銀は吐き気がする不快なにおいで一度嗅いだら忘れない.
シアン化水素って結構におい感じやすいんだね。
しかもこれって空気中の炭酸ガスで自然にシアン化水素発生した場合だから、ごく微量だし。
金属水銀のにおいを感じる人の話をどっかで見た覚えがある。
メチル水銀は昇華するから臭うんだろうけど、かいだ人の体験は多分初めて見た。
194 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 13:45:17.77 ID:AyGVMEpZ
睡眠薬は嗅がせるもの? ドラマでジュースに混ぜるのは嘘?
195 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 13:47:29.99 ID:AyGVMEpZ
子供の頃から、何回か実験されたてたよね
196 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 13:50:51.59 ID:AyGVMEpZ
身体も動かなくなる しかし視力と意識が途切れるのはその後か
197 :
名無しのオプ :2012/02/21(火) 14:03:25.24 ID:pUAY7NsP
>>194 かがせるタイプは吸入麻酔薬といわれる。
で、一般的にはずっと嗅がせていない限りすぐ目が覚める。
198 :
名無しのオプ :2012/02/22(水) 01:25:28.66 ID:AMgCz6qC
199 :
名無しのオプ :2012/02/22(水) 01:44:27.12 ID:AMgCz6qC
上記サイトはブラウザによって不安定になるので注意。
http://www.wissensdrang.com/auf1hg.htm Complete the Table below using these bond energies (in kJ mol-ケ):
C-H (413); C-Hg (109); and C-C (346).
C-Hg結合の結合・解離エネルギーはなかなか調べても分からない。
これが唯一分かった情報源。
鉛−炭素よりも弱いというのは意外だった。
水銀−炭素結合は有機金属の中では珍しく安定と聞いたが、これは解離エネルギーではなくて別の理由かな?
生体内と実験器具内で解離エネルギーの影響力も違うだろうし。
200 :
名無しのオプ :2012/02/22(水) 02:08:58.26 ID:AMgCz6qC
201 :
名無しのオプ :2012/02/22(水) 02:18:51.33 ID:AMgCz6qC
ただしこの論文では、 >径口投与のアルキル水銀は,24時間以内にほぼ完全に吸収されるが,生体内で徐々にC-Hg結合が切れ, >主として水銀塩の形で排泄され,生体内ではより低級,あるいは高級のアルキル水銀に変わることはない。 としているが、古い時代のものなので現在では炭素数が増加・減少する代謝もあることが分かっている。 ただ、その量はあまりたいした量ではないし、またプロピル・ブチル水銀のような長鎖のものの動物実験はかなり珍しいため、 多分それらのデータはなく、「メチル水銀が体内でエチル水銀に少量変化する」程度の情報しかない。
202 :
名無しのオプ :2012/02/22(水) 03:49:33.47 ID:AMgCz6qC
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%B3 >ホロン (phorone) は強力なグルタチオン枯渇剤 (glutathione depletor) として知られている。
>ホロンをラットなどに投与すると、体内にあるグルタチオンのチオール基と強力に反応し、これを不活性化する。
>このため、ホロンを投与された個体はグルタチオン欠乏の症状を呈する。
>これを利用してグルタチオンの生理作用、例えば喘息との関係などが調べられている[6]。
このホロンの構造を見ると、特に毒性が強いような印象は受けない。
そしてどことなくホスゲンに似ている。
そしてホスゲンは注射でも肺水腫を起こす(かなり古い戦前の満州の実験)。
ホスゲンの肺水腫発生機序は諸説あるが、注射でも起こすことは、これまでの多くの説に疑問符を付ける形となる。
また、PFIBはグルタチオンと結合するが、この結合体はグルタチオンペルオキシダーゼによって還元されにくいために、
肺胞がグルタチオン不足となって活性酸素に対応しきれず、肺水腫が起きるのだろう。
ビス(トリフルオロメチル)ジスルフィドもPFIBと同様の肺水腫発生剤だが、
これもS-S結合が二つのグルタチオンに吸着し、トリフルオロメチル基の安定性によってグルタチオンを還元させず、
グルタチオン不足の状態にするのだと理解できる。
であるならば、ホスゲンの毒性機序は、グルタチオンと結合した後、グルタチオンを還元できない状態にして、
肺を活性酸素で満たすというものであると考えられないだろうか?
また、フルオロスルホン酸メチルやメタンスルホニルフルオリド、イソシアン酸メチルなど、
肺水腫を引き起こす毒物は多いが、これらもグルタチオンの再利用を不可能にする性質があるのではないか?
まあ、塩化水素のように、高濃度を吸入すると肺水腫を起こす物質の場合、
肺に直接ダメージを与えているのが原因だと思うが、低濃度でも肺水腫を引き起こす薬剤の場合、
グルタチオンが関わっているのではないかと思う。
203 :
名無しのオプ :2012/02/22(水) 04:02:17.59 ID:AMgCz6qC
ただホロンの毒性について日本語と英語で検索したけど、肺水腫が起きるという情報はなかった。 経口投与と注射による差があるだろうし、また反応速度の問題もあると思う。 可逆的かどうかも重要だし。 もちろん、肺水腫を起こさないから有用な生物試薬として利用されてるってこともある。
204 :
名無しのオプ :2012/02/22(水) 05:52:53.66 ID:AMgCz6qC
205 :
名無しのオプ :2012/02/22(水) 06:37:33.46 ID:AMgCz6qC
206 :
名無しのオプ :2012/02/22(水) 07:15:13.62 ID:AMgCz6qC
207 :
名無しのオプ :2012/02/22(水) 15:26:28.76 ID:AMgCz6qC
208 :
名無しのオプ :2012/02/23(木) 00:51:30.43 ID:+lDDnvVr
209 :
名無しのオプ :2012/02/23(木) 01:09:49.87 ID:+lDDnvVr
210 :
名無しのオプ :2012/02/23(木) 01:39:19.64 ID:+lDDnvVr
211 :
名無しのオプ :2012/02/23(木) 02:41:19.17 ID:+lDDnvVr
グーグル翻訳+修正 >過去10年間の研究では、治療の改善につながる可能性がある2つの重要な事実を発見した。 >まず、ホスゲンは、リポキシゲナーゼ由来ロイコトリエンの合成を刺激する。 >Second, phosgene combines with glutathione to form diglutathionyl dithiocarbonate. >第二に、ホスゲンはジグルタチオニルジチオカルボナートを形成するために、グルタチオンと結合します。 >When the glutathione stores become depleted, phosgene binds to the cellular macromolecules, causing cell necrosis in the renal and hepatic tissues. >グルタチオン貯蔵が枯渇になると、ホスゲンは、腎機能および肝組織中に細胞壊死を引き起こし、細胞の巨大分子に結合する。 10年前か、なら日本のマニュアルに載ってなくても不自然ではない。 第二にとあるが、多分これが主体だろう。 PFIBとかBTFMDSとか、まったく構造が違う物質でもよく似た中毒を起こすし、 この種の物質に共通なのはやはりグルタチオン・システインの枯渇だろう。
212 :
名無しのオプ :2012/02/24(金) 00:19:22.26 ID:7tv6cBrW
1942年のカナダで二人の倉庫勤務秘書がジエチル水銀の漏れ出た蒸気を吸って死亡した事件があった。
この際の吸収量について、解釈が分かれる点がある。
TOXNETだと約1mg/m3を14週間(98日間)吸って死亡したということになっている。
ところが、その倉庫で寝泊りしていたわけではないだろうし、労働時間のみその濃度を吸っていただけなのか、
24時間に換算してその数値になったものなのか、よく分からなかった。
http://gendocs.ru/v26836/?download=1 >The fumes from the drums were responsible, and later tests showed that the concentration of mercury in the air was almost 3mg/m3.
これによれば実際の濃度は3mg/m3みたいだね。
1日8時間勤務とすれば、24時間で3分の1の濃度を吸うのと同等に換算可能となる。
http://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp46.pdf >Exposure to diethylmercury vapor (estimated exposure level = 1?.1 mg/m 3 ) for 4? months resulted in the death of 2 women (Hill 1943).
しかし、ここだと4〜5ヶ月と書いてある。
もしかすると、土曜・日曜が休みだから実際の期間は5ヶ月くらいだったのだろうか?
だとすれば、実際に彼らが吸ったのは以下のような条件になる。
毎週5日間、1日8時間の勤務中、3mg/m3のジエチル水銀を吸う状態が5ヶ月の間、計98日間続いた。
とすると、5ヶ月間も潜伏期間があったわけで、ジエチル水銀もジメチル水銀と同様、
慢性中毒に限ればかなりの遅効性だといえる。
ただ、単回投与の場合、潜伏期間が短い可能性も否定できない。
213 :
名無しのオプ :2012/02/24(金) 00:27:40.41 ID:7tv6cBrW
当時のカナダって週休2日なんだっけ? 戦時中だから普通より勤務日数多いって可能性もある。 週休1日でも98日は4ヶ月間におさまるからこの可能性もありえる。 まあ5ないし6分の1の誤差だし、どうでもいいか。 ちなみに倉庫にあったのは9000キログラムらしい。 これじゃ、よっぽど密封性が高い容器じゃないと少し漏れるし、 合計すると大量になるよね。
214 :
名無しのオプ :2012/02/24(金) 14:39:11.93 ID:7tv6cBrW
で、この吸収量を換算すると、1時間当たり2400mg/m3になる。 ただ、単回吸入の場合は排出も少ないので、実際には1時間に集中して吸入した場合、 かなり致死量は少なくなるだろう。 人の1時間呼吸量を500リットルとした場合、全量吸収なら1200mgだし、半量でも600mg。 体重1kg当たり10mgくらいだから、まあまあ納得できる数値だ。 もちろん、これは2名死んでいるから、半数致死濃度じゃなく、もっと高い値をさしているだろう。 なので、LD50は4mg/kg以下(ジメチル水銀と同じレベル)とも考えることができる。 というか急性症状ならジエチル水銀の方が高い可能性もある。 なおジプロピル水銀はLDLoが2mg/kgとかなり強い。 ジアルキル水銀も、モノアルキル水銀と同じく炭素数が多くなると急性毒性増すのかな。 あと水銀蒸気の毒性は、TOXNETでもまともな情報がない。 情報源によってばらつきが大きい。 肺の化学物質吸収量って不確定な数値なのが気にかかる。 酸素は、吸ったあとかなりの割合が吐く息に残っているが、酸素と同比率での計算は間違いを犯すリスクが大きい。
215 :
名無しのオプ :2012/02/24(金) 15:08:04.46 ID:7tv6cBrW
一応参考までに水銀蒸気。 rabbit LCLo inhalation 29mg/m3/30H (29mg/m3) man TCLo inhalation 44300ug/m3/8H (44.3mg/m3) だから、致死濃度は1時間当たり354mg/m3以上870mg/m3以下というのがこの少ない情報から推測できる。 人の場合、動物実験と違って数日間で実験停止になるのではなく、 少なくとも数ヶ月は経過観察してるだろうから、TCLoの人は遅効性の毒性によって死んではいないと思われる。 すると、この数値は先述のジエチル水銀の数分の1であり、もしかすると水銀蒸気の方がジエチル水銀より有毒な可能性もある。 ただ、水銀蒸気はアルキル水銀ほど遅効性ではないようだ。 肺からの吸収量も、有機金属と金属蒸気じゃかなり差があってもおかしくないし、 色々未検証の点が多い。 なお、単一毒物ではなく、シアン化水素などを混ぜれば、呼吸量が多くなって毒物吸収量が多くなるとも思うが、 シアン化水素の中毒が中度以下のレベルで呼吸量増加効果があるかは・・・??
216 :
名無しのオプ :2012/02/24(金) 22:52:15.38 ID:7tv6cBrW
http://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp46.pdf >A preliminary laboratory report indicated that the whole-
>blood mercury concentration was more than 1,000 µg/L (normal range, 1? µg/L; toxic level, >200 µg/L).
>Chelation therapy with oral succimer (10 mg/kg orally every 8 hours) was begun on day 168 after exposure.
>Whole blood concentrations rose to 4,000 µg/L after one day of chelation, and urinary mercury levels were
>234 µg/L (normal range, 1? µg/L; toxic level, >50 µg/L).
カレン・ヴェッターハーンの中毒事例では、血液1リットルあたり4mgが検出されたという話は、
正しくない情報だったようで、実際は治療開始前は1リットルあたり1mgだった。
キレート剤を投与してから、4mgになったらしい。
過去スレでは血液と体全体の分布比率を同じとして計算しているが、
実際にはマウスとラットで血液への分布に差があるように、人体内でも結構濃縮される場所が各所にある。
またモノアルキル水銀とジアルキル水銀では大きく分布が異なるが、
もし数ヶ月立ったのでほとんどが脱アルキル化されていると考えれば、
既存のモノメチル水銀の文献を参考に判断することができるだろう。
これはSH基を含むキレート剤の効果だが、もしキレート剤が体全体で有機水銀濃度を均質化するものならば、
キレート後の4mg/lという数値が、体全体の濃度を指していることになる。
これはよく出てくるジメチル水銀の致死量と全く同じだ。
もちろん数ヶ月の間に結構排出されただろうけど、そのかわりこの事例ではもっと少ない摂取量でも死亡したと思われるので、
それを相殺するとあまり変わらないのではないか。
217 :
名無しのオプ :2012/02/24(金) 23:14:36.72 ID:7tv6cBrW
>The primary exposure route is thought to have been dermal, but dimethylmercury is so >volatile that inhalation exposure might also have occurred. これは、経気道吸収もあった可能性を検討しているわけだよね。 わからないとして断定はしていないが、やはり十分にあり得る話だ。 さすがにゴム手袋を通して1gくらい吸収するというのは違和感がある。 ただ、その場合は数十分くらいどこかに付着したのを放置していないといけないわけだが。
218 :
名無しのオプ :2012/02/26(日) 03:52:49.74 ID:0Tuz0nct
219 :
名無しのオプ :2012/02/26(日) 04:35:58.28 ID:0Tuz0nct
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jjh1946&cdvol=25&noissue=6&startpage=563&chr=ja >フェニル水銀の腸管吸収は,酢酸塩,ヨウ素化合物では著しく吸収率が異なる。
>また無機水銀に比較して,吸収率は高く,排泄も早い。
>このことは,フェニル水銀の腸管よりの吸収は,有機の型であるが,生体内では,すみやかに分解されて無機化されるためであろう。
>事実住野は3),24時間後,フェニル水銀は98%以上生体内で無機化することを報告している。
フェニル水銀の場合かなり速い。
ただインビトロだと殺菌力や神経細胞阻害力が強いので、
分解がされなければ神経毒性は強いだろう。
フェニル基を難分解性基にすれば毒性変化があるだろうか。
220 :
名無しのオプ :2012/02/26(日) 17:42:05.44 ID:0Tuz0nct
メチル水銀の人体内半減期は50日から80日。 時間とともに減る理由は、無機化と、排泄の両方が起きるから。 メチル水銀と比べて無機水銀は半減期が短いため、無機化が起こればそれが排泄されるのは速い。 (ただし脳内で無機化した場合を除く) メチル水銀は胆汁に混じって腸内に排出され、再び腸から吸収されるという腸肝循環を繰り返すため、 半減期が長いとされる。 しかし、一部(5%程度?)は便として排泄される。 この、無機化と有機のままの排泄の構成比率はどれくらいだろう? 50%ずつなら、メチル基の代わりに無機化しにくい構造の基が付いた場合、半減期は2倍になる。 しかし、これでは蓄積量と毒性が比例してると仮定した場合、毒性が2倍になるに過ぎない。 さらに腸肝循環で排出されにくい分子構造となった場合、毒性はもっと大きくなる。 メチル水銀のような工夫のない物質が同系統の物質の中で最強の毒性だというのは、 偶然にしては不自然だ。 類似構造物質に、より毒性が強いものが潜んでいてもおかしくない。
221 :
名無しのオプ :2012/02/27(月) 06:20:04.29 ID:BwxK5kCo
腸肝循環による半減期の長さが、どの程度毒性に寄与しているのかについて再考した。
ヒトのメチル水銀の脳内半減期は240日(
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jhs1956&cdvol=44&noissue=6&startpage=393&chr=ja )。
しかし、人の体全体の半減期は50日から80日程度。
とすれば、脳内半減期と全身半減期は独立しているわけだから、
全身半減期を長くしても、脳内半減期はあまり変わらない可能性がある。
ただ、全身のメチル水銀がシステインと複合体を作って脳に輸送されるルートもあるから、
全身半減期が長いほど脳への蓄積量が増えるとも考えられる。
単回投与直後の濃度勾配による脳への分布と、それ以後のシステイン系による脳への輸送が、
どの程度のウェイトがあるのかが分かれば、全身半減期が脳への蓄積に及ぼすウェイトが分かる。
ただ、ジアルキル水銀の場合、脂溶性が高いから単回投与直後の濃度勾配による脳への分布がかなり高いと思う。
その後、全身で脱アルキル化されたモノアルキル水銀がシステイン系で脳へ輸送される要素もあるが。
脳内のメチル水銀に限った場合、メチル水銀のまま脳外に出る量と、脳内で無機化されて蓄積する量の、
実験結果ってのはないのだろうか?
これは、普通の実験だと全身のメチル水銀と区別が付かなくなるから難しいだろうけど。
脳内にメチル水銀を注射した場合は測定可能だと思う。
222 :
名無しのオプ :2012/02/27(月) 06:47:46.91 ID:BwxK5kCo
日本語文献を検索した限り、メチル水銀を脳に注射した実験は見つからなかった。 海外は探してない。 システイン輸送系が逆方向に作用しているかも興味ある。 無機水銀の脳からの排出については、すでにほとんどないという推測があるのでまあ分からなくてもいい。 無機水銀摂取時も脳への蓄積はほとんどないし、水銀環境労働者が退職後かなり経ってから、 脳から大量の無機水銀が検出されているし、脳関門は無機水銀をほぼ通さないと見ていいはず。 水銀鉱山とかだと金属水銀蒸気を吸うので、脳にHg0の形で容易に入るし、それが脳内で無機化する。 あくまで問題は脳からのメチル水銀排出。 脳内で起こるメチル水銀の現象が、無機化主体なのか、排出主体なのかによって、 その毒性の律速段階を知ることができる。 無機化主体ならば、無機化しにくい構造だと大幅に脳内残留性が高まるし、 排出主体ならば、システインと結合しにくい構造、あるいはチューブリンとの結合が解けにくい構造だと、 やはり残留性が高まるだろう。 システインと結合しなければ脳外から脳内に入りにくくなるが、脂溶性の高いジアルキル水銀なら、 容易に脳関門を通り抜けて(皮膚すら浸透するので)脳内で片側が脱アルキル化されて毒性発揮。 もしジメチル水銀の脱アルキル化がヒトの脳内では遅いなら、遅効性の理由として大きい。
223 :
名無しのオプ :2012/02/27(月) 07:14:17.81 ID:BwxK5kCo
確か、メチル水銀の無機化は腸内細菌が結構関わっていることが分かってたはず。 腸肝循環で放出されたメチル水銀入り胆汁が、腸内細菌によって無機化をされたあと、 無機水銀は排出、メチル水銀は再吸収ということになるはず。 無菌動物の実験だと、無機化は減ったはず。 ただ、細菌だけでなく人体の酵素などによっても無機化されることも分かっていて、 そのため脳内でも結構無機化している。 人とネズミでは腸内細菌などもかなり違うと思うが、ヒトの場合に腸内細菌の影響がなくなった場合、 半減期は結構長くなるはず。 そして、ジアルキル水銀は胆汁内に放出されるのだろうか? もしされないならば、ジアルキル水銀の脱アルキル化には腸内細菌は関わっていないはず。 とすると、ジアルキル水銀の脱アルキル化は、モノアルキル水銀の脱アルキル化より、ある程度遅いことが考えられる。 こう考えれば、さまざまな現象の説明が付く。 たとえシトクロムP-450などの酵素による脱アルキル化が、ジアルキル水銀でもモノアルキル水銀でも一定速度だとしても、 腸内細菌による影響力が大きいとしたら、結果的にその半減期は大きく変わってくる。 これが遅効性の原因である可能性もある。
224 :
名無しのオプ :2012/02/27(月) 07:54:06.44 ID:BwxK5kCo
225 :
名無しのオプ :2012/02/27(月) 13:23:04.46 ID:BwxK5kCo
226 :
名無しのオプ :2012/02/27(月) 14:08:45.24 ID:BwxK5kCo
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=tox1988&cdvol=6&noissue=2&startpage=233&chr=ja >チメロサールの急性毒性実験の目的で,BALB/c雌マウス,7週齢(24g)の腹腔内にHg量で1mg/kg(第1群),
>2.5mg/kg(第2群),5mg/kg(第3群)を1回投与し,生理食塩水を投与した対照群の2匹と共に観察した。
>第3群は注射後2時間,第2群は注射後5日間で死亡した。第1群は生存したので16日後に屠殺した。
このように、アルキル水銀でありながら5mg/kgという低容量ですぐに死亡している。
また2.5mg/kgという致死量は、マウスやラットでは通常ありえない少量である。
>Powell et al.18は22人の被験者に1%チメロサール水溶液を1回当たり最大50ml,
>中には5回に分けて180mlも静脈投与したが,アナフィラキシーショック症状を呈する者はいなかったと報告している。
しかし、この部分を読むと10mg/kgくらいのチメロサールを注射されながら無事だったということになり、
理解不能になる。
>0.1%チメロサールを腹腔内に投与すると腹膜炎をおこすが,0.01%チメロサールの頻回投与にもかかわらずそれらは見られなかった。
そして、ここでは低濃度のチメロサールでも腹膜炎を起こすことが分かる。
もしかすると、2時間で死んだマウスは、腹膜炎で死んだのではないか?
5日間で死んだ方も、LD50を考慮すれば、水銀中毒で死んだのだろうかという疑いがある。
227 :
名無しのオプ :2012/02/27(月) 15:00:56.44 ID:BwxK5kCo
あれ、なんかおかしいな。 この論文では頻回投与試験もやってるけど、急性毒性試験とほぼ同容量を投与しているのに生きながらえている。 >チメロサール頻回投与実験は,BALB/c雌マウス,実験開始時5週齢を使用し,週2回0.O1%,0.1%チメロサール水溶液を0.2ml腹腔内(IP)および背部皮下(SC)に注射した。 >本実験に使用した0.1%チメロサール0.2ml中には,水銀が98.68μg(そのうち無機水銀が154μg)含まれている。 これなら、投与された量は、体重が25gだとしたら4mg/kgに、20gだとしたら5mg/kgになる。 考えてみればマウスにエチル水銀化合物を5mg/kg投与して死亡というのは、 水銀中毒としたら強すぎるし、前のレスで書いたように腹膜炎だとしても、この頻回投与試験では起こっていないようだし、 矛盾する。 もしかして、急性毒性試験では1%とかの高濃度チメロサールを投与したから腹膜炎を起こして死亡したのだろうか? しかし、それでは、0.02mlという非常に投与しにくい量になってしまう。 この論文は結構しっかりした研究所のものだし、査読もされているだろうし、 何でこういうよく分からない読み方しかできないのか不可解だ。 あるいは、腹腔内投与のつもりが、間違って静脈に刺さってしまった? でも、複数マウスで全部そういうミスが起きるとは考えにくい。
228 :
名無しのオプ :2012/02/27(月) 17:00:34.12 ID:BwxK5kCo
229 :
名無しのオプ :2012/02/28(火) 06:23:08.24 ID:OOvOvl+r
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=joh1959&cdvol=6&noissue=9&startpage=489&chr=ja 有機水銀は大量投与で腸からの出血などの急性症状を現す場合がある。
そのため、毒性そのものなのか劇物としての性質による死亡なのか見分けが付かない。
フェニル水銀化合物はある程度大量にシロネズミに投与しても、当日に死亡する例は一部を除いてないが、
エチル水銀化合物は大量投与で当日に死亡する例が多い。
これを元に判断すると、単回投与では経口、腹腔内は劇物的症状を起こすので、
一定レベル以上の投与では神経毒性を観察できないということになる。
皮下、静脈ならこの問題は解決できる可能性もあるが、いかんせん実験例が少ないのでデータとしてはあまり比較して解釈できない。
そして、今までの論文に出てきたアルキル水銀による急性死亡例は、こういった症状が原因の可能性があるということだ。
ただしジアルキル水銀投与の場合は、当初は刺激性がないので、
神経症状が出るのは単純に脱アルキル化以降のものだと考えられる。
モノアルキル水銀の場合、初期症状があっても、それが脳に作用した神経症状なのかどうかは慎重に判断すべきだろう。
230 :
名無しのオプ :2012/02/28(火) 07:13:14.93 ID:OOvOvl+r
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=yakushi1947&cdvol=79&noissue=5&startpage=579&chr=ja ジエチル水銀45mg/kgのマウス腹腔内注射で24時間で半数死亡。
中枢神経症状は出ていないので、モノエチル水銀に代謝されて劇物的症状を起こしたと考えられる。
>Heppによるとジエチル水銀の毒性はジメチル水銀に類似し,そのエタノール溶液を犬の皮下または静脈に注射すると,体温の降下,脈搏,呼吸の減退を来たし,流涎等が見られるという.
>犬に対する最小致死量(皮下)は59mg/kgである.
>中毒犬の尿には常に蛋白を証明する.
>Kalmanによるとジエチル水銀の飽和空気を吸入した家兎の剖検では脳の充血,肺尖のヘパチザチオン(hepatisation),腎臓皮質の脂肪変性,蛋白尿等が見られるという.
この場合、犬を数ヶ月観察していなかったのだと思うけど、もしもっと少量で長期観察していれば、
神経症状による死亡も判明しただろう。
またこの論文ではR-Hg-S-Hg-R型の化合物の分解産物であるジアルキル水銀が毒性を持つという内容になっているけど、
実際にはモノアルキル水銀が毒性の主因のはず。
1950年代の論文だから仕方ないけど。
231 :
名無しのオプ :2012/02/28(火) 12:42:55.10 ID:OOvOvl+r
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jswe1978&cdvol=10&noissue=9&startpage=520&chr=ja >しかし,脂溶性薬物に対しては母体血中濃度依存的に通過させてしまい,胎盤は関門としての役割をはたし得ない。
>脂溶性異物の母体血中濃度と胎児血中濃度は,数多くの脂溶性異物で数分以内にほぼ等=濃度の平衡に達し,母体血中濃度とほとんど等しい経時変化をたどる。
>脂溶性有機水銀が血液ー脳関門が未完成な胎児の脳組織に対して重大な影響を与え,胎児性水俣病を発症させたのもこの理由による。
これを見ると脳関門や胎盤関門は意外に速く脂溶性物質を透過することが分かる。
ジアルキル水銀はこれで説明されるレートで拡散するだろう。
ただモノアルキル水銀はそんなに脂溶性が高い方じゃないから、
ネズミによる実験でも数日間たたないと脳内が最高濃度にならない。
サルだと8日だっけ?
ジアルキル水銀の場合、一瞬で脳に行くから、脳内からどうにかして追い出さないと神経細胞が傷付いていくが、
脱アルキル化してからでないと解毒剤と結びつかない。
しかし脱アルキル化は脳内ではゆっくりなので、毎日キレート剤を摂取して、
その日脱アルキル化した分と結びつくようにしないといけない。
ただジアルキル水銀のままの脳内残留性は、脳関門透過性が速い分、
モノアルキル水銀よりは速いだろうから、脳外のジアルキル水銀濃度が下がっている場合に限り、
必ずしも悲観しなくてよいだろう。
セレンはジアルキル水銀を分解するのかどうかは分からない。
232 :
名無しのオプ :2012/02/28(火) 14:50:50.42 ID:OOvOvl+r
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jjh1946&cdvol=20&noissue=1&startpage=11&chr=ja >メチル水銀化合物投与動物の血液を血球と血漿に分離し,血球をそのままエーテルとふっても水銀はエーテルに移らないが,
>BALエーテル溶液とふると,CH3HgCl,(CH3Hg)2SおよびCH3HgSCH3投与動物の血球からは水銀がBALに移る。
>しかしCH3HgOH投与動物の血球中の水銀はBALに移行しがたい。
>血球のぺプシン消化液からはCH3HgOH投与動物を除いて水銀がエーテルに移る。
>また血球をそのままpHを調整した水中で水蒸気蒸留するとCH3HgOH投与例を除けばいずれも酸性(pH 1.6)側で留出し,中性およびアルカリ側で留出しない。
>以上の性状は脳中の水銀化合物と同じであるが,
>ただCH3HgOH投与動物の血球の水銀化合物が酸性側でも留出しがたいことは血球との結合が脳におけるより強いのかとも考えられるが,
>血球を1NHCl処理すると酸性側 で水銀が留出してくる。
>このことは血球内のCH3HgOHが1NHCl処理でCH3HgClに変わったとみられる。
>また(CH3Hg)2S,CH3HgSCH3投与動物の血球はそのまま酸性側のみで留出することは血球内においても(CH3Hg)2SやCH3HgSCH3の形はもはや存在しないと考えられる。
これは重要。
メチル水銀の陰イオン側の基によって体内の挙動が変わる。
陰イオン側がどんな基でも中枢神経毒性はあるとされているし、
致死量は変わらないとされているが、このことは陰イオン側が体内で完全に分離するということではないようだ。
特にOH-はメチル水銀イオンと分離せずに体内で移動しているのだと思われる。
ただ、そうするとSH基にくっつく理由が分からない。
水酸化メチル水銀はSH基にはくっつかずに体内を移動しているのだろうか?
それとも、メタロチオネインなどがメチル水銀を、結合の手がふさがったまま抱えて移動しているのだろうか?
233 :
名無しのオプ :2012/02/28(火) 15:35:17.50 ID:OOvOvl+r
234 :
名無しのオプ :2012/02/29(水) 08:05:57.54 ID:Sadbp1Re
235 :
名無しのオプ :2012/02/29(水) 09:10:46.18 ID:Sadbp1Re
236 :
名無しのオプ :2012/03/01(木) 06:09:05.23 ID:seXypZSo
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/tootake/s6391.htm 脂溶性物質の場合、経口投与だとまず肝臓から吸収される。
ジアルキル水銀の場合、脂溶性が高いから肝臓に行くだろう。
経口投与だと初回通過効果という要素によって、まず肝臓で一度代謝されるため、
全身に回る前に化学変化を受ける場合が多い。
ただ、モノメチル水銀は腸肝循環で長い間分解されないまま滞留するので、
肝臓ではさほど脱アルキル化しないのだろう。
ジアルキル水銀の場合、ジメチル水銀なら、やはり肝臓では同様に代謝されにくく、
初回通過効果は小さいのではないだろうか?
ただ、アルキル基が二つある場合に、片方が脱落しやすいとかだと、話は違ってくるが。
そして、ジアルキル水銀は脂溶性が高いので、排泄は肝臓経由になると思うが、一体どれほどのレートだろうか?
体が脂肪と同様に扱うのであれば、まず体外には排出されることはないだろう。
ただ、脂溶性の異物として扱うなら、やはり排出される量も多いだろう。
ジメチル水銀は揮発性なので呼吸から排出される量もある程度あるらしい。
ジエチル水銀の場合、投与した動物からその臭いがするという報告もある。
237 :
名無しのオプ :2012/03/01(木) 08:34:13.76 ID:seXypZSo
>>27 の本を見てみた。
>Dr. Edwards publishes two cases of poisoning by mercuric methide.
>The first case is that of a German, ?t. 30, one of the assistants in the laboratory at St. Bartholomew`s.
>The history of this patient is as follows :-He had had epilepsy as a child, and had also had fits since.
>For nearly three month he had been engaged in the preparation of mercuric methide.
>During this time be had complained of impairment of sight, but no abnormal condition could be detected by the ophthalmoscope.
>A mouth ago he had been seized with a fit, and since then he had not quite recovered his speech.
>Two days before his admission he was affected with numbness of the hands, deafness, and general weakness, and noticed that his gums were sore.
>On admission, Feb. 3, 1865, his urine was found to be albuminous, and to contain triple-phosphate crystals and casts.
どうも古い時代はメチル基のことをメチドといっていたみたいだね。
でもそれ以外は翻訳サイトでも通じる言い回しだった。
で、この人は別な論文に出てくるジメチル水銀摂取後11日で死んだ人と同一人物みたいだけど、
実際にはジメチル水銀合成に3ヶ月掛けている。
この間、蒸気を吸っていたらしい。
いつ摂取したかについて、他のサイトなどを見ても日時は書いていなかったが、
長期間継続的に吸入していたという話だったらしい。
で、入院後11日間で死亡したようだ。
やはり人や猫の場合、数十mg/kgレベルの用量だと、3ヶ月くらいの潜伏期間があるようだ。
ヴェッターハーンの場合、それより少なかったので、5ヶ月の潜伏期間だった。
テトラアルキルスズで即効性の話を見たので、ちょっと気になっていたが、
水銀の場合は脱アルキル化はやはり遅いようだ。
238 :
名無しのオプ :2012/03/01(木) 10:28:03.91 ID:seXypZSo
239 :
名無しのオプ :2012/03/01(木) 10:47:57.02 ID:seXypZSo
http://en.wikipedia.org/wiki/1971_Iraq_poison_grain_disaster ジメルカプロールはイラクの水銀中毒で使われて容態を悪化させているみたい。
動物実験だと、システインと比べてあまり中毒を重くするというデータはなかったけど、
ヒトだと悪影響があるみたい。
やはり、SH基が二つある試薬でも、必ずしもメチル水銀を離さないというわけではないのかな。
システインよりずっと吸着力は強いが、やはり吸着したまま脳に入ると放出するとか。
ただ、脳に入らないキレート剤だと、脳の中毒を改善することはできない。
頭蓋骨に穴を開けて直接注射するとかなら可能だろうけど。
脳関門を通り、なおかつ脳内で再放出しないというキレート剤が、
常時有機水銀を扱う作業者にとっては、予防的服用の価値があるだろう。
既存のキレート剤の硫黄をセレンに変えた場合、吸着力はかなり改善するだろうが、
いくつかをTOXNETで見たら、セレン化合物だけあって毒性もそこそこあった。
わざわざそういった化合物を飲まないでも、亜セレン酸ナトリウムを飲めば、
体内で適切な蛋白やペプチドにセレンが配位されて、最適な働きをしてくれる可能性もあるらしい。
なお、ヴェッターハーンの治療にはサクシマー(ジメルカプトコハク酸)が使われたようだ。
そういえばセレンの代わりにテルルってどうなんだろう?
毒劇物指定のあるセレンと違って入手の制限は緩いんじゃないかな。
240 :
名無しのオプ :2012/03/01(木) 12:55:36.64 ID:seXypZSo
http://open-sesami.weebly.com/652931245912488125211254021338227631239832207202503603926009.html ジメルカプトコハク酸は略称DMSAで、文献によって脳内に入るか食い違う。
これだと脳内に入らないというニュアンスで書かれている。
>「キレート剤」は、標的物質の分子一つにつき2個以上の結合基「チオール基」をもっています。
>DMPS、DMSA、ALAは(EDTAと同じように)キレート剤です。
>システイン、グルタチオン、MSMなどは、この意味でキレート剤とはいえません。
>これらと重金属との結合はゆるやかなので、重金属は排泄にあたって再付着も起こしやすくなります。
>解毒には、化学的な意味で適正なキレート剤を利用する必要があります。
やはりSH基二個というのは重要なようだ。
メチル水銀への作用原理は分からないが。
というかこのページは無機水銀のキレートも含めて書いてるので、もしかすると上記文章は無機水銀の場合の物なのかな。
有機水銀だとどうしても片方のSH基が作用機序不明になる。
まあ、実際BALはイラクで脳内濃度上げてしまったみたいだし、有機水銀の場合はSH基が二つあるからって劇的な差はないってことなのかな。
でも、もし無機水銀なら、SH基が二つのキレート剤によくくっつくというなら、このALAが脳関門を通るから問題があるという、
下記の文と矛盾することになる。
>ALAはすべての細胞から毒素を除去し、血液脳関門を容易に通り抜けます。
>すなわち、アマルガムの詰め物をした人々にALAを酸化防止剤として投与すると、2〜3カ月で水銀中毒になる可能性があり、また、この現象はよく見受けられます。
まあ、このページは低濃度の重金属をより少なくしようという話だから、
中毒時のキレートとは前提が違うこともあるだろうけど。
またこのページではDMSAには副作用が強いと書いてある。
予防的投与は問題あるね。
むしろセレンサプリメントを中毒限界くらいまで服用するのがいいのかな。
241 :
名無しのオプ :2012/03/01(木) 14:36:51.21 ID:seXypZSo
http://www.anti-ageing.jp/show/d200609100001.html >DMSAの短所はEDTA同様血液脳関門を通過することです(一部では通過しないという報告がされてはいるが、一般的には通過するとの声が高い)(注13)。
>経口剤として投与されたDMSAは胃腸で体内に吸収され、肝臓に運ばれます。
>肝臓は重金属(特に水銀)がたまりやすい臓器であるためDMSAは肝臓内で重金属に吸着します。
>重金属とくっついたDMSAがそのまま体外へ排出されればよいのですが、約2割のDMSAは体の血流にのって脳へと一度運ばれます。
>そのため肝臓にたまっていた重金属を排出する前に脳へ渡してしまう可能性があります。
こう書いてはいるけど、BALとの差はどうなんだろう?
BALはメチル水銀中毒に禁忌、DMSAはむしろ推奨みたいな感じなんだけど。
というか、ヒトで摂取直後からキレート治療受けた例ってあまりないんだと思う。
多くの例では、日数が経過して症状が出てからだから、あまり効果がない。
もしかすると、症状が出てから効果が高い解毒剤と、摂取直後に使用すれば効果が高い解毒剤は、
別である可能性もあるし。
242 :
名無しのオプ :2012/03/02(金) 11:50:17.70 ID:sklTTlYZ
243 :
名無しのオプ :2012/03/02(金) 13:10:37.22 ID:sklTTlYZ
244 :
名無しのオプ :2012/03/02(金) 20:06:33.53 ID:sklTTlYZ
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jjh1946&cdvol=24&noissue=3&startpage=359&chr=ja この論文を再読。
主文は英語だけど色々重要なデータがあるので詳しく見てみた。
最初のページにはアルキル水銀の急性毒性値が載っているが、これはシステインと結合させた形で腹腔内投与したもののようだ。
これまでの調べでは、アルキル水銀はそのままの形で腹腔内投与すると、劇物的な作用で腹膜炎を起こしたりするし、
経口投与でも消化器が糜爛して出血し、それ自体が死因として成立してしまう。
しかし、これを見るとシステイン結合により粘膜刺激性が大分低下しているようだ。
他の試験でも、この手法を使った方が、急性毒性については正確な値が得られただろう。
しかし
>>230 のジエチル水銀注射の場合はそもそも脱アルキル化しない限り糜爛性はないだろうし、
本当に毒性によって死亡した可能性もある。
(腹腔内で速やかに脱アルキル化され、腹膜炎を起こした可能性は、あまりないだろう)
ただ、アルキル基の炭素数によるシステインとの結合力の差については不明なので、
この表のLD50の差が、毒性そのものの差なのか、それとも長鎖のものはシステインとの結合が弱くて糜爛性を生じやすいせいなのか、
はっきりしたところは分からない。
なお、L-システインは脳への輸送を高めるから、D-システインなどの別の物質と結合させた場合についても興味がある。
ただ、72時間でのLD50なので、どうせ死因は脳に対する神経障害ではないと思うし、
あまり差はないかな。
245 :
名無しのオプ :2012/03/02(金) 20:07:00.00 ID:sklTTlYZ
2ページ目の表は投与水銀量が1匹あたりで書かれているが、体重200gのラットを使っているので、mg/kgに換算するには5倍しないといけない。 メチル水銀の場合、何日目で投与をやめるかにもよるが、総量45mg/kgでも一応発症する。 これだけだと先のサルの例の3倍だが、もし1日投与量をもう少し減らせば、 もっと少ない量でも発症するだろう。 エチル水銀がメチル水銀より3倍くらい投与しないと症状が現れない(しかも結構時期が遅い)というのは、 もしラットとヒトでこの比率が同じなら、ジエチル水銀の3分の1の量でジメチル水銀は中毒することになるが、 種差とか、脳外からモノアルキル水銀が脳内に行くのと脳内に浸透したジアルキル水銀が脱アルキル化するのの違いとかがあるし、 想定は単純ではない。 また、プロピル水銀とエチル水銀の差があまりないのも重要。 プロピル水銀はエチル水銀より脳に入りやすいが、これは分子の長さが膜通過に有利だからだろうか。 それとも脂肪鎖が長いのでより脂溶性だからだろうか。 イソプロピル水銀との比較がほしいが、プロピル水銀自体の実験すら稀なので、 多分探してもないだろう。
246 :
名無しのオプ :2012/03/02(金) 20:15:02.15 ID:sklTTlYZ
45mg/kgじゃなくて33.5mg/kgだった。 サルの約2倍になるが、発症がサルよりずっと短いことを考えると、 もっと小容量投与でも死亡するだろうと思われる。 なお、この連続投与実験でもシステインと混ぜているみたい。 基本的にマウスは結構メチル水銀に強いが、ラットはもう少し弱いという感じなのかな。 体が小さいほど代謝が大きいから排出も大きいという考え方で多分問題ない。
247 :
名無しのオプ :2012/03/03(土) 23:42:20.77 ID:ymiiyLln
メチル水銀33.5mg/kg投与例では25日目発症、42日目死亡だが、
63mg/kg投与例では17日目発症、20日目死亡となっており、それぞれ闘病期間が17日間、3日間と大幅に差がある。
しかし潜伏期間には大きな差はない。
ただ
>>238 の実験だと投与量を3倍変えると潜伏期間も3倍変わっている。
これくらい短期間の場合、投与量を2倍にしても数割程度しか縮まらない。
闘病期間については、ジメチル水銀でも、大用量投与で短くなると思われる。
ヴェッターハンの例だと、致死量ギリギリか数倍くらいまでだったので、
発症してから徐々に悪化し、しばらく入院してから死亡した。
またジエチル水銀中毒例の二人も、しばらく闘病して死亡したらしい。
1865年の中毒例も、1年以上たってから死亡した例がこれに当てはまる。
一方1865年のより重い例では、入院後11日で死亡しており、大量に摂取したから経過が速かったのだと推測できる。
このように、アルキル水銀中毒は摂取量が多いほど、発症後の悪化も速いという傾向が存在するようだ。
そして、それは発症までの潜伏期間よりも摂取量によって増減する度合いが大きいようだ。
ただ、
>>246 の考えについては、33.5mg/kgラットが結構長い日数生きながらえたことを考えると、
ここからさらに投与量を減らしても、あまり下降してないラインの量で、致死しなくなるような気もする。
248 :
名無しのオプ :2012/03/04(日) 11:41:26.19 ID:5JH5ES+4
プロピル水銀の投与後一定日数たってから臓器内の量を測定した実験では、 投与終了直後は臓器に結構存在するが、さらに10日後はかなり減っている。 しかし、さらに10日、20日後になると、その減り方はわずかである。 つまり、プロピル水銀は各臓器に残留性がある。 投与直後こそ高濃度だが、それらはすぐ大部分消滅し、しばらくたつと、 なかなか減らない残留分が長期間残ることになる。 つまり、投与直後は蛋白と非結合のプロピル水銀が多いが、しばらくたつと蛋白と結合したもののみ残るということか。 蛋白と結合している場合はなかなか酵素によって代謝されないのかな? 1匹ずつでしか試験していないので誤差も大きいと思う。 システインと混ぜて投与したので蛋白結合の度合いが大きいとも考えられる。 しかしシステインや臓器内蛋白と結合するならチューブリンとの結合もするはずだが。 アルキル水銀は長鎖になるほどチューブリンとの結合力が弱いのか、結合しても阻害力が弱いのか、 さてどっちだろう。
249 :
名無しのオプ :2012/03/04(日) 14:10:29.84 ID:5JH5ES+4
テトラヒドロフランの沸点は65度、蒸気圧は20度で131mmHg、25度で161mmHg。
250 :
名無しのオプ :2012/03/04(日) 14:39:54.55 ID:5JH5ES+4
http://www.st.rim.or.jp/~shw/MSDS/04259321.pdf >(代 謝)
>動物にジメチル水銀を吸入または静注により投与した実験によると、いったん取り込まれたジメチル水銀は急速に呼気から排出され、
>残ったものは代謝されモノメチル水銀となることが知られている。
>(症 状)
>ジメチル水銀それ自体は生体に対し特に障害を与えず、モノメチル水銀となって障害を起こすものと考えられている。代謝の項に述べ
>たように呼出される割合が大きいので、毒性はモノメチル水銀より低いと考えられる。しかし、非常に蒸発しやすいことを考えに入れ
>ると危険は大きい。ジエチル水銀によって起こった人の中毒において、その症状はモノエチル水銀の場合と本質的には差がなかったも
>のと考えられている。
ジメチル水銀は沸点が低いので、吐く息(呼気)からかなり排出される。
エタノールなども呼気からの排泄が多いが、物質による差はどの程度なのだろうか。
http://www.env.go.jp/chemi/report/h21-01/pdf/chpt1/1-2-2-13.pdf これはテトラヒドロフランについて。
>ラットに4.45、8.9、17.9 mg を腹腔内投与し、6 時間後までの呼気、尿、血液中の本物質濃度と時間との関係を指数関数y=A×exp(-kt)(A: 初期値、k: 消失速度定数)に当てはめて検
>討した結果、投与量にかかわらず呼気、尿、血液ともに指数関数の変化で現わされ、初期値A は投与量の比を反映してほぼ1:2:4 であった。半減期は呼気で52〜79 分、尿で79〜93
>分、血液は49〜64 分、呼気中への排泄は37〜44%、尿中へは5〜8%で、ほぼ50%が未変化体で排泄されると考えられた 2) 。
1時間後に半減していることは、これは体内の量が半減していることを意味するものなのか。
血液中の量が半減しているだけなのか、脂肪に溜まっているのかはわからない。
251 :
名無しのオプ :2012/03/04(日) 14:52:40.26 ID:5JH5ES+4
>ヒトではボランティアに100〜400 ppm を短時間(6 分以内)ばく露させた結果、ばく露濃度に対する排泄率は男性の通常呼吸で約35%、深呼吸時で約20%、女性ではそれぞれ約27、
>19%であり、男性に50、200 ppm を3 時間ばく露した場合にはともに約40、27%であった。ばく露濃度に対して呼出される濃度はいずれも低く、その差は体内に取り込まれていると考
>えられ、ばく露濃度とは関係なく、普通呼吸よりも深呼吸、男性よりも女性の方が多く取り込まれた 3) 。
これはしばらく吸入した後の呼気に含まれる濃度ではなく、
吸入直後の呼気に含まれるテトラヒドロフランの濃度を測定したものなのだろうか?
>男性に200 ppm を3 時間ばく露させた結果、呼気、尿、血液中の本物質はばく露終了4 時間後にわずかに検出され、8 時間後には検出限界以下となったが、尿中濃度はばく露前に排
>尿したにもかかわらず、ばく露の終了直後よりも1 時間後の値の方が高かった。半減期は呼気で34 分、尿で75 分、血液で54 分であり、体内の本物質は比較的早い時期に代謝されるか、
>または未変化体のまま体内から消失すると考えられた 4) 。
この物質の場合、分解される量もある程度ある可能性がある。
テトラヒドロフランの沸点は65度、蒸気圧は20度で131mmHg、25度で162mmHg、
ジメチル水銀の沸点は93度、蒸気圧は20度で50〜82mmHg。
単純計算だとジメチル水銀の半減期は数時間のはずだが。
http://homepage3.nifty.com/mokiti-yamamoto/yuuki.htm エーテル、ケトン、テトラクロロエチレンは代謝されずほとんど呼気から排出される。
呼気排出量を検討するとジエチル水銀の方が毒性が強い可能性もあるか?
252 :
名無しのオプ :2012/03/04(日) 15:25:49.84 ID:5JH5ES+4
http://www.safe.nite.go.jp/japan/sougou/data/pdf/hazard/hyokasyo/No-65_1.1.pdf >SD 雄ラットの吸入暴露で血液、脳、肝臓、腎臓、肺、心臓、腎周辺の脂肪及び骨格筋にテトラクロロエチレンの蓄積が認められ、半減期は血液
>の322 分から脂肪の578 分まで幅があった (Dallas et al., 1994b)。
>吸入暴露の場合、テトラクロロエチレンの酸化的代謝では、代謝が飽和した後は暴露量が増加しても尿中代謝物濃度が増加しない (Ikeda et al., 1972)。テトラクロロエチレンの尿中代謝物
>の生物学的半減期は職業暴露したヒトで約6 日間との報告がある (Ikeda and Imamura, 1973)。ラットにテトラクロロエチレン10 ppm を吸入暴露した実験で、吸収量の68%が未変化体、3.6%
>が代謝物の二酸化炭素としてそれぞれ呼気中に、残りの代謝物は尿及び糞中に排泄された。600 ppm を吸入暴露した実験では、吸収量の 88%が未変化体として呼気排泄された (Pegg et al.,
>1979)。マウスは代謝物を尿中に排泄する (Schumann et al., 1980)。テトラクロロエチレンの体内蓄積量が増加するに伴い、未変化体の排泄割合が増加する。これは、テトラクロロエチレンの
>代謝が限られ代謝物の尿排泄が制限されること、代謝の飽和までは用量依存的であることを示す (Schumann et al., 1980; Yllner, 1961)。
呼気のものではないが、かなり半減期が長い。
テトラクロロエチレンの沸点は121度、蒸気圧は25度で18mmHg。
ジメチル水銀の場合、蒸気圧からすれば結構体から抜けるのが速そうだが、
もしかして脱アルキル化が早くてすぐモノメチル水銀に変わるために蓄積されるのだろうか?
ならば、遅効性がある理由としては何があるだろう。
結局謎が多い物質だ。
あぼーん
254 :
名無しのオプ :2012/03/04(日) 20:32:19.03 ID:5JH5ES+4
255 :
名無しのオプ :2012/03/05(月) 13:17:02.71 ID:4KMTlW0E
上の
>メチルイソブチルケトン(沸点)は呼気半減期0.6時間。
は
メチルイソブチルケトン(沸点116度)は呼気半減期0.6時間。
に修正。
http://books.google.co.jp/books?id=KyYvXMvXF20C&pg=PA14&lpg=PA14&dq=dimethylmercury+exhalation++mice&source=bl&ots=QNryLmVx36&sig=sXeHMO6 DkaMRDju1Kla68cjgQjU&hl=ja&sa=X&ei=M2xTT52OA6H2mAXRpZyHCg&ved=0CFkQ6AEwBQ#v=onepage&q=dimethylmercury%20exhalation%20%20mice&f=false
>Dimethyl Mercury
>Ostlund studied the distribution of dimethyl mercury in mice. He found no difference due to route of administration (inhalation or intravenous injection). In both cases, he observed a rapid reduc-
>tion in blood concentration with simultaneous deposition of dimethyl mercury in fat (within five minutes after administration). Five minutes after administration, the bronchi and nasal mucosa were high
>in mercury concentration. Moderate concentrations of dimethyl mercury were observed in the liver and kidney, though the renal cortex had a high mercury concentration. A concentration similar to
>that in the blood was seen in the spleen, lungs (except bronchi), and intestines. Moderate uptake was observed in the salivary glands after five minutes. The mercury concentration varied for different
>parts of the central nervous system after five minutes. Mercury content of the cerebral cortex and cerebellum were lower than that in the blood. After five minutes, most of the mercury present was
>in the form of dimethyl mercury. The brain stem and medulla oblongata showed concentrations similar to that of the blood. The concentra- tions of the hypophysis and the spinal cord were similar to that of the liver.
256 :
名無しのオプ :2012/03/05(月) 13:18:36.85 ID:4KMTlW0E
>At 20 minutes, the mercury concentration of the blood was low and the concentration in the fat, high. Concentration of mercury was increasing in the liver, kidney, and the red pulp of the spleen. >The gall bladder showed the same concentration as the liver. The concentration in the bone marrow was lower than in the blood. A high concentration of mercury was observed in the nasal and oral >mucosa, the pharynx, esophagus, and pancreas. After 20 minutes, Ostlund found that all tissues except the fat deposits, brown fat, and the central nervous system contained mercury in the form of a >non-volatile metabolite. The fat tissues contained only dimethyl mercury. > >At one hour, Ostlund found a decrease in the total body concentra- tion although the kidney, liver, and adrenal cortex concentrations had increased. The mercury concentration in the kidney, gall bladder >liver, and fat were the same. The concentration in the fat had decreased in relation to the blood. The nasal, pharyngeal, oral, and esophageal mucosa concentrations remained unchanged while the >gastric and intestinal mucosas showed a marked accumulation of mercury. An increase in mercury concentration was observed in the central nervous system and hypophysis. All organs contained non- >volatile metabolites of dimethyl mercury.
257 :
名無しのオプ :2012/03/05(月) 13:21:39.23 ID:4KMTlW0E
>After four hours, the mercury content of the fat remained higher than that of the blood. The bronchi, liver, kidneys, and adrenal cortex contained higher concentrations than the fat. A small concentration >was observed in the muscles. A few areas of the intestines showed a high mercury content while the remainder of them showed a concentra- tion comparable to the blood. All organs contained non-volatile >metabolites except the fat and central nervous system which still contained mercury in the dimethyl form. After 16 hours, the distribution of dimethyl mercury and non-volatile >metabolites was the same as after four hours. The highest concentra- tions were observed in the kidney, liver, and nasal mucosa. The muscles, intestines, spleen, and lungs showed concentrations of >mercury comparable to the blood. No mercury accumulation was seen in the bronchi. The concentration in the upper digestive tract had decreased by 16 hours, and a moderate mercury uptake was observed >in the lens and hypophysis. The fat tissue and tissue of the central nervous system both showed mercury concentrations less than that found in the blood. No mercury was detected in the connective tissue or compact bone. > >By 24 hours, the nasal mucosa and inner cortex of the kidney were only tissues containing large amounts of mercury. Differences in the mercury concentration in most structures had disappeared. Less >than the average concentration was seen in the central nervous system and fat. After four days, the central nervous system concen- tration had increased, and uptake by the hair follicles was observed. >Uptake in the basal part of the hair occurred by 16 days. The mercury concentration of the central nervous system was the same as >that of the blood by this time.
258 :
名無しのオプ :2012/03/05(月) 13:25:12.67 ID:4KMTlW0E
>Ostlund also described fetal uptake in pregnant mice, As early as five minutes after injection or inhalation, he observed moderate mercury uptake in the ovaries and oviduct though no fetal uptake >was seen. The placenta showed a mercury concentration comparable to that of the blood. By one hour, the fetuses showed marked mercury uptake in their nasal, oral and esophageal mucosa, and bronchi. >Moderate uptake was observed in the liver. Only the placenta con- tained dimethyl mercury as the sole mercury form. Fetal tissues contained non-volatile metabolites of dimethyl mercury. The mercury >concentration of the fetuses was approximately the same as the maternal blood by 16 hours. No accumulation was observed in the bronchi, nasal, oral or pharyngeal mucosae though the lens showed marked uptake. > >Ostlund also measured excretion of injected and inhaled dimethyl mercury. He found two phases in the excretion rate curve, a rapid phase during the first six hours and a slow phase. The rapid phase >corresponded to the time required for exhalation of dimethyl mercury. Ten percent of the body burden of mercury remained after the rapid phase of excretion was completed. The half-time of the slowly >excreted metabolite was 9.5 days. The half-life of a similar dose of methyl mercury is 8.9 days. Ostlund suggested that this slowly excreted metabolite is methyl mercury. A rapid excretion phase of >six hours was also observed with inhalation as the route of admin- istration. The half-time of elimination of the slow phase was seven days. Ostlund concluded that the excretion rate is the same for the two routes of entry.
259 :
名無しのオプ :2012/03/05(月) 13:51:48.26 ID:4KMTlW0E
>Ostlund described the mercury present in mice after administration of dimethyl mercury as volatile or non-volatile metabolites. He showed that the volatile exhaled portion was dimethyl mercury. The >even distribution pattern of the non-volatile portion gave support to the hypothesis that the non-volatile portion is methyl mercury. Thin-layer chromatography confirmed this hypothesis. The only >organic metabolite of dimethyl mercury is methyl mercury. これを翻訳してみると、ジメチル水銀でもまともな動物実験が行なわれていたらしい。 致死量については記載がないが、排出についての貴重な情報だ。 マウスに投与したジメチル水銀は6時間で90%が失われる。 残りの10%はモノメチル水銀になる。 これほど排出が大きいとは予想外だった。 マウスは体重当たりの換気量が大きいので、呼気からの排出が多いのだろうか。 ヒトの場合、これによる解毒がないので危険性が高い。 ただ、マウスと人で何十倍も呼気からの排出が異なるなら、動物実験の結果はあまり当てにならない。 ただ、6時間くらいでジメチル水銀が1割も脱アルキル化されるとは、 かなり意外だった。 マウスの場合とヒトの場合で、このレートに差があるのかも疑問。 場合によっては、モノメチル水銀の方が、ジメチル水銀より脱アルキル化が遅い可能性もある。 ジメチル水銀は塩酸によって分解するが、モノメチル水銀は分解しないのと同じで、 結合の強さに違いがあるとも考えられる。 テトラアルキルスズが、トリアルキルスズに分解するのが速いのとも比較すべきだろう。
260 :
名無しのオプ :2012/03/05(月) 19:22:38.63 ID:4KMTlW0E
http://www.mendeley.com/research/oral-and-intravenous-trichloroethylene-pharmacokinetics-in-the-rat/ トリクロロエチレンの半減期はラットで2時間。
やはり小動物は短いようだ。
http://www.atsdr.cdc.gov/csem/csem.asp?csem=15&po=9 >It has been estimated that humans metabolize approximately 20 times less TCE on a body weight basis than rats at similar exposure levels. Consequently,
>humans metabolize approximately 60 times less TCE on a body weight basis than mice (Goeptar, Commandeur et al. 1995).
換気量の差が原因だとは明記してないが、ラットで20倍、マウスで60倍のヒトとの差があるようだ。
ジメチル水銀も、ヒトではあまり肺から出てこないのだろう。
もし、フェニルメチル水銀などを合成し、ネズミに与えた場合、沸点が高いので蒸発は少なく、
ジアルキル水銀なので体内動態はジメチル水銀に近く、フェニル基は分解されやすいのですぐモノメチル水銀に変わるので、
蒸発の影響を排してジアルキル水銀の分布を調べることができるし、毒性はジメチル水銀を上回る予測が立てられる。
(マウスの場合10%しかモノメチル水銀として残らなかったので、これなら最大10倍の毒性)
>>250 の文書は、多分このマウスの実験を基にしたのだろうが、体重あたりの換気量の差を考慮すれば、
人での残留量は数十倍になったはずだと予測できただろう。
注意文書としては安全側にありすぎる。
また、人の場合はさらに脱メチル化の遅さが加味されるので、脳内残留期間が長くなり、毒性は増す。
なお、肺からの呼気の半減期は血液内の濃度に比例するようだが、脂肪への蓄積は、
あまり素早く動かない性質のもの。
脂肪移行の比率によっては、小動物でもある程度少量での中毒を生じさせる。
モノメチル水銀は脂肪にはほとんど含まれないが、ジメチル水銀は油と似ているので脂肪に移りやすい。
ただ、絶食して脂肪を燃やす際に一緒に燃焼するかは不明。
可燃性物質なので分解時にエネルギーを発生するのは間違いないが。
261 :
名無しのオプ :2012/03/06(火) 13:40:35.31 ID:+RrFlKdQ
http://baillement.com/dimethylmercury.html ヴェッターハーンの体内に入ったジメチル水銀は1344mgと推定されていたが、
その理由がここに書いてある。
初診時に血液に含まれていた水銀量を測定し、さらに血液には全身の5%の水銀があるという経験的知識を元に、
全身の水銀量を20倍とし、髪の毛の水銀の半減期が75日だったため、
暴露から150日程度たって初診したことをあわせ、暴露量は初診時の水銀量の4倍だったと判断したらしい。
そのためこんなに大量のジメチル水銀が手袋越しに体内に入ったという発表になっている。
ただ、気になるのは以前書いたように、血液中の水銀が1リットル当たり4000マイクログラムというのは、
キレート剤を投与してからの数値であり、投与する前はその4分の1だったという話がある点。
「血液には全身の水銀の5%」というのは、キレート剤を投与してからの数値であれば正しいのだが、
投与前の数値だとしたら、前提が違ってくる。
この人の血液量は4.2リットルで、逆算すれば体重は55〜60kgとなる。
キレート剤を投与しないうちに血液に全身の水銀の5%があったとすれば、
投与後は血液に全身の水銀の20%が集まっているということになるが、
だとすると全身の血液量の比率から見て、かなり高濃度すぎるような気がする。
だとすると、「キレート後に5%」で間違いないのだろうか。
たとえ数滴こぼしたとしても、手袋を通り抜けるのはその半分を超えない。
また、吸収される量はさらに少なくなる。
吸収量が1グラムを超えるというのが、どうしても謎のままになってしまう。
262 :
名無しのオプ :2012/03/06(火) 17:02:12.10 ID:+RrFlKdQ
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM199806043382305 上のページは、このページのコピペのようだ。
こっちの方が図がある。
髪の毛の水銀濃度は、摂取後17日ごろから急に上昇しているが、
これは17日間ほとんど脱アルキル化が起こらなかったのか、それとも毛を作る栄養素がストック中心に使用されていたのか。
また、なぜ正確な摂取日の起点を導き出せたのだろうか?
もしかすると、摂取後数日で急上昇しているということもありえる。
髪の毛の伸びるペースは個人差があるからね。
ただ、このカーブ自体は多分間違いないと思われる。
これを信じれば高速にメチル水銀が毛に溜まっていったということになるけど、
ジメチル水銀のまま毛に入って行ったという事はないだろうか?
それだと、さすがにかなり蒸散するだろうが、まだ皮膚から出ていない毛の根元なら、ありえる。
それがないとすると、非常に急速に脱メチル化が進んだということになる。
ただ、肝臓などで脱メチル化されて毛根に運ばれてきたのと、毛根で毛になる過程で脱メチル化されたのの区別は付かない。
ヒトの場合、毛が長いからこういう検査がしやすいが、ラットや猫などでは難しいだろう。
ただ、できるならジメチル水銀とモノメチル水銀の投与例で、毛の水銀量の変化がわかれば、
ジメチル水銀の体内動態も分かるだろう。
この例では約20日間のうちに髪の毛の水銀濃度が急上昇し始めてから最高値にまで達しているが、
一体ジメチル水銀はいつ体内から消えたのかは分からない。
この急上昇以前にとっくにモノメチル水銀に代謝されていたのか、脂肪などに蓄積してその後もずっとモノメチル水銀を供給していたのか、
それが遅効性の理由に繋がる鍵だと思う。
263 :
名無しのオプ :2012/03/06(火) 17:32:56.25 ID:+RrFlKdQ
この事例では摂取後5ヶ月で入院、入院後5ヶ月で死亡となっているが、入院の時期は1865年の死亡例のうちの軽い方よりは遅く、 かつ死亡時期はやや早い。 単純に、摂取量が少なかったから遅効性のように見えただけなのだろうか? もしマウスのように数時間でモノメチル水銀に変わってしまうなら、ジメチル水銀の毒性はモノメチル水銀と遅効性があまり違ってないことになる。 ただ、イラクの中毒事例では1ヶ月以内に症状が起きた例が多く、モノメチル水銀はそれほど長い遅効性ではないという知見もある。 テトラアルキルスズの潜伏期間が20日という情報も他のスレにあったが、やはりペルアルキル化合物は脱アルキル化の期間が潜伏期となるはずなのだが。 また、解剖検査では脳の前頭葉と視覚皮質で3.1ppmだったらしい。 10ppmくらいで致死的発症と言われるが、今回の場合は時間が経っているので低下したのだろう。 ただこの髪の毛のグラフは、綺麗な曲線を描いていないので、何か気に掛かる。 やや直線状に濃度が低下しているが、この場合、半減期を求めるのには適していない。 これは、メチル水銀の排出が生体内の酵素量の限界によって制限されるなら、直線的になるため、 摂取量の大小によってグラフの形が変わってくる可能性を示している。 つまり、割り算的に減るのではなく、引き算的に減るのだということ。 ジメチル水銀の投与量が多くても潜伏期間が変わらないなら、脱アルキル化酵素の量による制限があると考えられるが、 実際にはある程度投与量によって左右されることは判明した。 またモノメチル水銀はイラクの事例で摂取量によってあまり潜伏期間が変わってないという話があるが、 脳へ輸送されるシステインの量が律速段階になってる可能性がある。 ただこのグラフがやや直線的である原因は、脂肪などに蓄積されたジメチル水銀が徐々に脱アルキル化されて各組織に移行しているためであるという可能性もある。 投与直後は大量に血液中に存在し、肝臓などで大量に脱アルキル化されるが、一定量が脂肪に分布し、 血液中からジメチル水銀が消え去ったあとも、徐々に放出されて代謝されるという可能性。 ただ、このグラフを見る限り、それがあったとしても、投与直後に脱アルキル化される分の方がはるかに大きいと思われるし、 脂肪蓄積の影響は限定的な気もする。
264 :
名無しのオプ :2012/03/07(水) 17:28:17.02 ID:9HiWImWT
http://www.nimd.go.jp/kenko/archive/suigin_kenko_dai4.pdf 毛髪中水銀濃度は血液中水銀濃度の250倍という換算式が一般に使われている。
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=sesj1988&cdvol=17&noissue=3&startpage=191&chr=ja >JECFA.は生体内での毛髪一血中濃度比率(1:250)が集団平均値で140〜370,また個人間で137〜585と大きく変わりうることよりUF=2とし,
>毛髪一血中濃度比率は文献により140〜460まで幅があり,約3倍も異なる1,6)。
>これは主に採取部位(頭毛と腋毛,頭皮からの距離)の違いによると考えられている。
>髪を分割せずに測定すると,毛髪水銀濃度は長期曝露の平均値を示すが,血中水銀濃度は限られた時期の曝露平均値であり,両者に違いが生じる。
>魚介類を高頻度に食べる集団の平均毛髪水銀濃度は季節により3倍もの変動が見られる17,18)
このように、色々ばらつきはあるが、250が標準とされている。
しかし、文献によればもっと適した値があるという。
>血中メチル水銀が毛髪に現れる時間差を4週間,
これが本当なら、先述のジメチル水銀暴露例のグラフの約17日の空白期間は、
短すぎることになる。
ただ、毛髪を抜いて計ったのか、根元で切って測ったのかによっても異なる。
1ヶ月に1cm以上伸びるとすれば、根元で切った場合、確かに4週間くらいはありそうだ。
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=sesj1988&cdvol=17&noissue=3&startpage=169&chr=ja >(3)毛髪一血中濃度比率として250:1が通常使用されるが,個人間差が大きく,フェロー諸島の7歳児コホートから算出すると370となる(大人では250近傍になる)。
若年者だと髪に多くなるのか、血に少なくなるのか。
脳内分布は若年者の方が多いのかな?
血液と髪の比率はジメチル水銀でも一緒だろうけど、血液と脳の比率は、
脳関門透過性が関わってくるから、モノメチル水銀よりも高くなっててもおかしくない。
あと、ゆっくり脱アルキル化されるとしたら生体内のシステインが余裕のある状態で脳へ運ぶとも考えられる。
(モノメチル水銀だと単回投与では体内のシステインが足りなくなって脳に運ばれずに別な場所に行ってしまう可能性が考えられる)
265 :
名無しのオプ :2012/03/07(水) 19:04:58.33 ID:9HiWImWT
266 :
名無しのオプ :2012/03/07(水) 19:25:19.55 ID:9HiWImWT
ちなみに前記ヴェッターハーンの検証ページによると、死亡時の脳の水銀濃度は血液の6倍だったようだ。 ただ、キレート療法の影響があるから注意しないといけない。 初診時の血液1リットル当たり1mgに6を掛けると脳の濃度は6ppm、キレート開始時の血液1リットル当たり4mgに6を掛けると脳の濃度は24ppm。 10ppmが発症の基本的な値だから、24は高すぎる。 ただデータが少なすぎて、あらゆる計算が誤差だらけになってしまう。 また胆汁にはほんのわずかしか含まれていないと書いてあり、 腸肝循環の話に当てはまらないようだ。 血液中のレベルよりはるかに少ないのは意外。 長期経過すると胆汁にほとんど含まれなくなるのか? しかし肝臓には20ppmも含まれており、0.1ppm以下の胆汁と比べると差が大きすぎるような気がする。 ただキレート前と後で胆汁の濃度を比較していないのでよく分からない。 なお、レポートを読むとキレート剤はサクシマーを使ったようだけど、セレン投与については書いていなかった。 セレンの有用性はとっくに分かっていたし、時間も十分あったはずなのに、しなかったのはなぜだろうか? 一応キレートの効果はあったようだが、血液中濃度を下げてもまたすぐ上がってしまうということになっていたらしい。 また、メチル水銀と結合したサクシマーが脳に入ってそこでメチル水銀を放出した可能性はないのだろうか? BALと違って臨床的に有効だと確かめられてはいるようだけど、硫黄系だから結合力は弱いはず。 セレン系のキレート剤か、セレンを別に摂取するとかの方法で、より改善されたのではないか? 色々調べてみても、この事例ではモノメチル水銀中毒の例と大部分が共通していて、 違うのは潜伏期間くらいだということ、また謎が残るとすれば導き出された摂取量が多すぎるということだ。 ジアルキル水銀の毒性はモノアルキル水銀と質的に違いはないと考えるべきなのかな。 なんともつまらない結果だけど。
267 :
名無しのオプ :2012/03/08(木) 01:56:01.40 ID:TJWc1jtN
分布容積という概念がある。
これは説明が難しいが、血漿にある量の薬物が存在するとき、
体内全体ではその血漿のどれくらいの量に相当する薬物が存在するかという数値を計上したもの。
単位はkg当たりリットル。
なお、血漿に溶けにくいが脂肪に溶けやすい物質の場合、この数値は1kg当たり1リットルをオーバーすることがある。
実物を測定した結果ではなく、簡単に性質をイメージするための表現方法であるため、物理的にありえない数値を取る。
これは体内水分量が6割であるため0.6を超える場合、その薬物の脂溶性や蛋白結合性が高いと考えられる。
この数値が高いほど脂肪や組織に蓄積し、長期間残ることを意味する。
たとえばアミオダロンという薬は、分布容積が40〜84l/kgとかなり大きいため、半減期は58日である。
http://www.ctk.ne.jp/~yamamoto/amiodarone.htm >兎に角、この薬は血中半減期が極端に長いのです。数ヶ月といわれています。
>平たく言うと一旦体に入った薬がちっとも体から出て行かない。
>世界に薬多しと言えどもこの値だけはアミオダロンが抜きん出ています。
>私の知る限り世界の市販薬では血中半減期は最長です。
>体重 50kg の人で 2,000 L-4,200 L、うーん、数トンの血液、実際には脂肪などに極めて高濃度に蓄積され、血液にはほんのチョッピリしか出てこない、しかも数ヶ月かけて。
>だからこんな数字になっちゃうのです。
モノメチル水銀は体内半減期が長いので、分布容積も大きいのではないかと思って調べてみた。
するとブタによる試験結果があることが分かった。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7295033 9.8l/kgという結果が出ている。
そして半減期は25日だから、ヒトよりだいぶ短い。
半減期が分布容積にどのくらい影響を与えているのかは分からないが、
とにかくモノメチル水銀はそこそこ分布容積が大きな薬剤だと判明した。
三環系抗うつ薬は8〜30、エタノールは0.6〜0.7、アンフェタミンは3〜33と数値の差が大きい。
有機リン剤は7〜9だが、酸素系と硫黄系でかなり違うんじゃないか。
268 :
名無しのオプ :2012/03/08(木) 02:31:35.74 ID:TJWc1jtN
ただ、ジメチル水銀と違って脂肪にはたまらないのでこの程度の分布容量に留まっていると思う。
一方、ジメチル水銀は脂肪に溜まるが蛋白に結合しないので、どっちが分布容量が大きいのかは分からない。
なお、分布容量はあくまで血漿ベースのため、赤血球によく溜まる性質であるためモノメチル水銀は、
この数値から想像するよりも血液に結構分布することになる。
分布容量自体、赤血球に余り結合しない薬剤に適した方式なんじゃないかな。
で、ブタの実験だと15日間に16%が便として排出されたって書いてあるみたいだけど、
1日約1%の排出だよね。
これだと半減期25日というのは短い気がする。
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jhs1956&cdvol=44&noissue=6&startpage=393&chr=ja 1日排泄量が1.6%だと半減期は45日だから。
ただ本文見てないのでなんともいえない。
ちなみにこの論文だとヒトのボランティア試験で、便中の水銀はほとんど無機だが、
メチル水銀は投与後1週間以内は3.5%、2ヶ月ごろは1.5%だった。
ってことは、ほとんど無機化されてから排泄されるってことか。
もし無機化が起こらなければ、かなり半減期は長くなってしまうだろう。
ただ、もし理論上体内のメチル水銀濃度がずっと一定だとしたら、
その濃度で3ヶ月経過した場合は無症状でも、1年経過した場合は発症したということはありえるのかな?
もちろん慢性投与の実験はすでにあるけど、あれは蓄積量がどんどん増えて行ってるので少し違う。
たとえば発症量の10分の1の量を、半減期を10倍にしたと仮定すれば、
発症するのかという疑問。
269 :
名無しのオプ :2012/03/08(木) 13:15:26.40 ID:TJWc1jtN
未確認情報もある bis(heptafluoropropyl)diselenideは沸点90〜92度? 気圧88mmHg時の可能性あり。 トリス(トリフルオロメチル)アンチモン[Sb(CF3)3]は沸点73度。 ビス(トリフルオロメチル)ジセレニド[(CF3)2Se2]は沸点73度。 ビス(トリフルオロメチル)セレニド[(CF3)2Se]は沸点-1〜-2度。 tris(trifluoromethyl)phosphine[P(CF3)3]は沸点17度。 bis(perfluoroethyl)disulfide[(C2F5)2S2]は沸点77〜79度。 ビス(ペンタフルオロエチル)水銀[(C2F5)2Hg]は融点106〜107度。 ビス(トリフルオロエチル)水銀[(CF3CH2)2Hg]は融点40度。 ビス(テトラフルオロエチル)水銀[(CF3CHF)2Hg]は融点78〜79度。 ジアルキル水銀はフッ素が多くなるほど融点が上がる。 水銀原子のイオン性と関係がある可能性があるようだ。 ただ、片側のみフッ素をつけた場合の沸点はあまり情報がないが、CF3HgCH3(メチル(トリフルオロメチル)水銀)は沸点130℃、融点−13.8℃だから、 より炭素数が大きい化合物も同様の可能性がある。
270 :
名無しのオプ :2012/03/09(金) 12:19:03.81 ID:1FFzO66b
テトラキス(トリフルオロメチル)鉛[(CF3)4Pb]は液体らしい。 ビス(トリフルオロメチル)亜鉛[(CF3)2Zn]は無色または薄い茶色の固体らしい。 ジメチル亜鉛、ジメチルカドミウムは常温で液体。 つまり、トリフルオロメチル基が付くと固体になるのは亜鉛族の元素に特有の性質のようだ。 ただカドミウムの場合はトリフルオロメチル化物の性状は検索で見つからなかった。 この原因は、原子価が2であるため、固体として安定しやすいということなのだろうか? ジメチルマグネシウムとか、左側の金属でも原子価が2のはあるけど、性質が違いすぎるので。 ただ(CF3)2Hgが水溶性でイオン性を示すというのは、この固体である性質と関連しているのかがよく分からない。 常温で液体のトリフルオロメチル金属も、水溶性で電気を通すのか。 そもそもトリフルオロメチルイオンが電離するのかはよく分からない。 もしCF3HgCH3を水に混ぜたら混和するのだろうか? そして電気を通した場合は導電するのか、電離するのはどちらの基なのか? またビス(ペルフルオロフェニル)水銀もイオン性を持つのか?
271 :
名無しのオプ :2012/03/09(金) 19:05:27.11 ID:1FFzO66b
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jhs1956&cdvol=23&noissue=2&startpage=59&chr=ja セレン化合物とメチル水銀を同時投与した場合、肝臓、腎臓、脳ではセレン1モルに対し14〜37モルの水銀があるが、
毒性低減効果を発揮している。
つまり、複合体形成による中和としてだけではなくて、触媒的に影響している可能性があるようだ。
セレンがメチル水銀の脱メチル化を促進しているという話も書かれている。
であれば触媒的にメチル基を引き剥がしているということで、SeH基の水銀原子への親和性とはまた違った理由だろう。
これが主体なら、メチル水銀の大量摂取時にセレンも当モル摂取すると、
セレンの毒性の方が大きく現れる危険性があるだろう。
またセレンはメタロチオネインを生産させるため、水銀への中毒予防作用があるという説もある。
こういった複数のルートで拮抗効果があるようだ。
なお、テルル化合物はセレン化合物より全体的に毒性が弱く、
LD50は10分の1くらいの感じを受けるが、テルルの対水銀解毒効果についてはどうもよく分からなかった。
もしセレンのような効果があるなら、毒性が弱い分、よいキレート剤となるだろう。
テルルは一応職業的暴露を受ける人の中毒の話はあるが、あまり重度の中毒が起きるわけではないようだ。
ただ日常的にデトックスするためにはセレンの方が既知な分安心できるけど。
あとやっぱり毒劇物指定はないので購入保管は容易。
272 :
名無しのオプ :2012/03/09(金) 19:59:34.16 ID:1FFzO66b
ビス(トリフルオロメチル)水銀の体内でのイオン化またはそのままの循環については以前から疑問だったが、 やはり学者の間でも謎だと思われてるようだ。 >This has not yet been proved, but it is improbable that CF3~ ions exist in the free state for long. と1956年文献のスニペットに書かれているが、こういう風にトリフルオロメチル基は単独で存在しうるというのが多くの科学者にとって疑問なようだ。 で、1954年文献のスニペット表示には、Hg++、Hg(CF3)4--という式が書かれていた。 これが実際にそうなら、一応説明できる。 水銀に4本の手というのは、聞いたことがないけど他の原子でも一応こういう例はあるし、 金属カルボニルなんてそういうパターンがむしろ普通だから、まあ仮説としては十分にありえる。 この物質、昇華性が高くて吸い込むと頭痛がするという記載があったので、 体内ではイオン化か分解してるんじゃないかと思ってた。 ただ、体内で金属水銀イオンはできるけど、+に帯電してるから水銀蒸気と同じように脳内には入りにくいはず。 むしろ無機水銀イオンと同じ振る舞いをするはずで、それだと頭痛には繋がらない。 あるいは、脳関門を通ってから水銀イオンになるのだろうか? 中間を取って、CF3Hg+と(CF3)3Hg-に分離していると考えたらどうだろう。 メチル水銀イオンも電子1個分+に帯電しているのに、そこそこ脳関門は通る。 とすればCF3Hg+の方だけが脳にいってもおかしくはない。 ただ頭痛の原因になるとしたら、水銀蒸気(これは頭痛が症状として存在する)と同じ機序になるかと思われるが、 脳内で電荷が外れるのだろうか? 塩化水銀が体内で水銀側の電荷が外れて金属水銀として脳に行くという話は聞いたことがないし、どうも変だ。 もしかするとトリアルキルスズと同様に脳浮腫を起こすのだろうか? 水銀蒸気による頭痛はさほど強烈なものではないし、この物質は強烈な頭痛と思わせる書き方だったし、 むしろアルキルスズの中毒に近いのではとも思う。 ただ、塩化トリフルオロメチル水銀のような物質でも同じ症状は起こるのか確かめないと確実なことはいえない。 動物実験だと頭痛は分からないけど、アルキルスズのように脳浮腫を起こすなら診断可能。
273 :
名無しのオプ :2012/03/09(金) 21:05:00.98 ID:1FFzO66b
http://books.google.co.jp/books?id=2OB_aluN9GsC&q=cf3-%E3%80%80hg%2B%2B+hg (cf3)2&dq=cf3-%E3%80%80hg%2B%2B+hg(cf3)2&hl=ja&sa=X&ei=CNxZT5K_NcahiQep6rTGDQ&ved=0CE8Q6AEwBQ
>Hg(CF3)2 is reported to be very toxic but quantitative data are not available.
やはり毒性は強かったようだ。
ただ、あまり毒性に関する注意書きがないので、どの程度気をつけて実験すべきなのかについては共通した認識はないのかな。
ただ、ビス(トリフルオロメチル)ジスルフィドも猛毒だけど毒性について書いてある科学系論文はわずか。
軍事系の資料はある程度あるけど、実験手順とかだと注意書きはほとんど見つからない。
なので猛毒であってもさほど注意書きが書かれるというわけではない。
あと、この本でも原子価4の存在になるという形で書かれている。
もしかして陰イオンの方が脳関門を通るとか?
でもトリフルオロメチル基が4つ付いた水銀はテトラアルキルスズに形の上で似てるとはいえ、
電荷が逆だからちょっと違うような気もする。
ただ古い年代の文献だから、もうちょっと調べると新しい説が出てくるような気がする。
いくら昇華するとはいえ、蒸気を吸い込むと頭痛という情報が書かれる事自体、かなり強烈な作用があると思う。
ただ昇華量の問題があるが、融点160度くらいならそんなに昇華は激しくないと思う。
頭痛がするが、死亡したという記述がないので、後遺症は残りにくいのか。
ますますアルキルスズ中毒と似ている。
なおこの文書はOCRの間違いがいくつかあったため、普通に化学式で検索しても見つからなかった。
ジャーナルアーカイブの日本語文献だと、そんなにテキストの誤りは見当たらないんだけど、
これはもしかして人力修正をしているのかな?
274 :
名無しのオプ :2012/03/09(金) 23:27:24.13 ID:1FFzO66b
http://ukpmc.ac.uk/articles/PMC1241259/pdf/ehp110s-000851.pdf 基本文献を見直してみた。
これによればジメチル水銀中毒例の髪は「半減期?」6日で濃度が急上昇している。
つまり、この期間がジメチル水銀の脱アルキル化期間だと推測できるという立場。
要するに体内のジメチル水銀が6日の半減期で脱アルキル化され、モノアルキル水銀として髪に溜まっていくということ。
これなら、まあまあすんなりと許容できる期間だ。
もちろん、これでもあの潜伏期間の長さを説明するには短すぎるが。
ただテトラメチルスズの潜伏期間が20日なら、ジメチル水銀も似た速度で脱アルキル化されると考えられるし、
炭素−水銀結合が炭素−スズ結合よりはるかに分解されにくいと考えるよりは合理的だ。
ただ半減期とはいっても結構直線状のカーブであるため、半減期の2倍たつと4分の1になるという計算にはならないだろう。
グラフをざっと見た感じでは23日くらい掛けて急激に上昇しているようだ。
全減期23日とした方がすっきりと理解できると思う。
モノメチル水銀だと体内からの排出は曲線状なので半減期で現すのが適切だが、
ジメチル水銀だと脱アルキル化は直線状なので1日当たり何ミリグラムとした方がいいと思う。
そして、ヴェッターハーンの場合はイラクの水銀中毒事件の最高レベルの病状の中毒死者と毛髪水銀値が同レベルなのに、
なぜ、イラクでの潜伏期間は1ヶ月内外で、この人の場合は150日なのか、という疑問についても書かれている。
確かに毛髪水銀量が同レベルなのに潜伏期間が大きく異なるというのは大きなテーマだ。
結論としては、説明が困難ということになっているけど、この文献の作者は、
あまりメチル水銀中毒について広く知識を得ていない可能性がある。
たとえば無機水銀の量が発症に重要であるような書き方をした表があったり、
もしかすると毒性の本体がメチル水銀ではなく無機水銀であるという昔の説を元にしているのだろうかと思った。
ただ本文中でそれを否定的に言ったりもしているし、いまいち判断が付かない。
多分、ジメチル水銀の潜伏期間は、脱アルキル化速度の遅さが主原因ではなく、何か他のところにありそうだ。
275 :
名無しのオプ :2012/03/10(土) 00:29:59.96 ID:DGcFT/Jw
ちょっと考えてみたが、もしかするとモノメチル水銀として摂取したときは血管や肝臓を遊離単体で回遊する量が多いから、
システインと結びつきやすくそれが脳に送られやすい。
しかしジメチル水銀として摂取して体の各部に浸透した場合、脱アルキル化されたとしてもシステインの多い場所にはあまり流れず、
各組織のSH基にくっついたまま、徐々に流れ出して、少しずつシステインとくっつき、脳に送られる。
そのため、脳内濃度の上昇が遅くなり、潜伏期間が長くなる。
このシステムなら、うまく説明できるが、どうだろう。
また、モノメチル水銀の摂取は、グルタチオンを多く生成させるのではないか?
グルタチオン分子の一部はシステインであるため、食事などによって高濃度のメチル水銀が入ってくると、
肝臓などでグルタチオンが大量生産される可能性もある。
水俣病の場合、イラクと違って低濃度の蛋白豊富な魚肉を長期間食べ続けたため、
潜伏期間は長かった。
これはイラクの例と違って蛋白との結合が多い状態で摂取したのも、毒性が低くなった原因だと思う。
蛋白といってもL-システイン以外はむしろ毒性を減らすから。
この説の検証には、ジメチル水銀投与時の脳内水銀濃度の上昇カーブを調べる必要があるが、
さすがに普通の生体検査と違って動物を生かしたまますることは難しいと思う。
放射性水銀を使って測定する方法もあるようだが、かなり正確に濃度が分かるのだろうか?
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=shokueishi1960&cdvol=27&noissue=5&startpage=528&lang=ja&from=jnlabstract サルの投与実験を再読してみたら、最も多い量を投与されたグループは実験途中で死亡した個体もあり、
瀕死の個体は屠殺しているようだ。
しかし、最高量のグループでもその後数年生きている(しかも体重が増えている)個体もある。
途中で投与をやめたようだが、発症してるのに生存しているのは意外。
ただ、総合的にはこの種のサルのLD50は15mg/kgと考えていいだろう。
276 :
名無しのオプ :2012/03/10(土) 01:31:07.79 ID:DGcFT/Jw
でも4段階のうち下から2番目の投与量の場合、発症はしていないようで、このことから考えると、
連続投与の場合、投与量によっては発症を180日くらいまで伸ばすことは可能なものの、
それを3分の1にすると、もうずっと発症しないということになるらしい。
ただ、ヒトの場合、色々と知能や感覚の問題が出てくる可能性はあるが。
論文が長いのであまり読んでない。
ただジメチル水銀中毒例とモノメチル水銀少量投与による潜伏期間が長い例が、
致死率の点で違うような感触があるから、ここがポイント。
ジメチル水銀の場合、ちゃんと治療しても助からなかったが、モノメチル水銀の少量投与の場合、
発症しても助かる可能性がある程度ある、という所の疑問が浮かんだ。
脳内濃度の曲線が違うのか?
それともこの種のサルはヒトより感受性がかなり低く発症してからでも投与をやめれば生存しやすいのだろうか?
http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/0272059089900584 というか今調べたらサルの一種は半減期10〜15日だって。
上記実験では複数の種類のサル使ってるけど。
半減期が短いなら脳内からの半減期も短いと思うし、うーん、不思議はないのかな。
なんかよく分からなくなってきた。
277 :
名無しのオプ :2012/03/10(土) 14:07:00.91 ID:DGcFT/Jw
>>274 のファイルでは、イラクの中毒事例で血中濃度が高いグループの方が有意に潜伏期間が長いという点も書かれてる。
低濃度のグループでは16日ごろから、高濃度のグループでは30日以上と、2倍以上の差。
これも重要な指摘だ。
文中では高濃度だと生態の防御機構が発動するせいじゃないかとか書かれてるけど。
ただ、低濃度ほど潜伏期間が短いなら、ジメチル水銀暴露のときにゆっくり脳に入るから潜伏期間が長いという前記仮説は成立しにくくなる。
あるいは逆にジメチル水銀単回暴露だと血中濃度がかなり高くなるのでこの機構が発動して潜伏期間が長く?
ちなみに、システインと一緒に投与すると毒性が強まったはずなので、この生体防御機構はグルタチオンやシステインの生産ではない。
また、この事例だと潜伏期間が長いほど死亡率が低かったのだろうか?
多分、潜伏期間が長くても、血中濃度が高いと死亡率は高いと思う。
また、このデータは摂取量が不明なので、摂取量が同じなのかどうかによっても変わる。
血中濃度が高いグループは、セレンも多く取ってたとか、赤血球がメチル水銀を保持しやすく、
脳への移行が少なかったとかって可能性はないか?
一応動物実験では投与量が中くらいだとむしろ潜伏期間が長くなるってのはなかったはず。
この人たちの血中濃度が、摂取量に比例しているのかが疑問。
あと、中毒者のうち血中濃度が高い人はほとんどが医療を受けただろうけど、低い人は医療機関に行かなかった場合も多いと考えられる。
その製で母集団全体を統計できていない可能性もある。
ここまで考えるとややこしくなりすぎるけどね。
アメリカで高層階から飛び降りた猫ほど救命率が高いという統計が出たときも、
低層階から飛び降りた場合、飼い主は動物病院に連れて行かないケースが多いからだという説が提唱されていた。
>>275 のファイルの内容について、どうも高用量グループは5匹ずつのサルを使っていたが、
それぞれ2匹が発症直後またはしばらくたったあとに死亡し、残りの2匹ずつを屠殺したらしい。
そして1匹ずつ、投与をやめて生き残った。
278 :
名無しのオプ :2012/03/10(土) 14:36:44.55 ID:DGcFT/Jw
サルの半減期が15日、人が60日としても、人が半分になる時期にサルは16分の1になってるわけだから、
これは投与をやめれば救われるのは自然なのか。
脳内半減期は不明だけど、マウスかラットの脳内から急速に減っていくデータがあったから、
まあ脳内からの減りが早い動物もいると思う。
近年の研究ではコモン・マーモセットを使用しているらしいけど、値段が高いからあまり多く使えない。
ただ、上の半減期の報告はカニクイザルで、こちらもコモン・マーモセットとほぼ同じ30万円。
ちなみにカニクイザルは体重3〜9kgだが、コモン・マーモセットは200グラムくらいと超小型。
代謝量の違いとかが大きそうだけど、それを含めても人に近いからいいということなのかな。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0041008X74900362 猫のメチル水銀の血中半減期は39日らしい。
場合によってはむしろ猫の方がサルよりも適している場合がある。
279 :
名無しのオプ :2012/03/10(土) 20:06:03.51 ID:DGcFT/Jw
280 :
名無しのオプ :2012/03/10(土) 20:42:55.48 ID:DGcFT/Jw
マウスとラットではメチル水銀半減期が大幅に違うことを思い起こすと、 マウスの方が脱メチル化酵素が強いともいえる。 血液中の分布についても大きな差があるが、ジメチル水銀だとそれとは無関係なので、とりあえず脱メチル化能力に限定することでいいと思う。 ただ、今回の場合は1割から2割がモノメチル水銀になってるわけで、残りの8割は呼気とかから出たはず。 やっぱり色々と不思議。 原文に当たればいいんだけど、有料だから子引き孫引きの資料しか見られない。 どうやって排出量を測定してるのかも気になる。 実は呼気からの排出が終わったと思っていても脂肪に蓄積していたりとかはないのかな。 あの毛髪グラフの23日間の急上昇が問題になる。 モノメチル水銀の単回投与中毒者の毛髪の同様なグラフがあればいいんだけど。 モノメチル水銀の場合、急上昇期間がもっと早くて数日なら、 あの急斜面はジメチル水銀の脱メチル化にかかった時間だと解釈してもいいんだけど。 それがないと、モノメチル水銀の投与でも同じくらいの時間を掛けて毛髪水銀値が上昇しているという可能性もあるし。 6×14でヒトなら84時間でジメチル水銀が排出または代謝されると仮定した場合、3日半しかモノメチル水銀に変換される猶予がないはず。 しかし実際には23日間ほど掛けて最高レベルまで行ってるわけで、もしかするとこの上昇期間は、 モノメチル水銀が毛根に取り込まれる期間なのだろうか? そもそもモノメチル水銀の単回大量摂取をしたヒトの例で、しかも髪の毛を精細に検査した例となると、かなり見つかりにくいと思うけれど。 こういう基本的なところがまだ未解明。
281 :
名無しのオプ :2012/03/11(日) 09:21:43.92 ID:FS/H7obW
>>257 の
Uptake in the basal part of the hair occurred by 16 days.
これは髪の毛に取り込まれるまで16日かかったということか。
であれば、ジメチル水銀の脱アルキル化の期間は、先述のグラフの23日ではないことになる。
マウスの場合、6時間ですでに1〜2割がモノメチル水銀になっているのだから、
この16日が脱アルキル化代謝を表しているわけではない。
可能性としては、人におけるジメチル水銀の脱メチル化はマウスほどではないが1日から数日で終わるという形態と、
数十日以上かかるという形態がある。
結局振り出しに戻った。
ただマウスの実験から分かるように、ヒトでも結構呼気から出るはずだから、
数十日間留まっているというのは、通常は起こりえないだろう。
ある程度は速いような気がする。
チェコスロバキアで1972年ごろにジメチル水銀で中毒死した人もいたけど、探しても詳細はない。
人は1日に20kgの空気を吸うらしいので、体重に比してかなりの空気を処理してることになる。
これでは揮発性物質はかなり出て行くのは自然だろうと思う。
もしかするとジメチル水銀から生じたモノメチル水銀は、モノメチル水銀投与時と違って、
脳への移行が遅い形態で保持されるのだろうか?
マウスの体脂肪率はよく分からなかったが、そんなに脂肪が少ないというわけではない。
なので脂肪への蓄積に関しては人とあまり異ならないはずだ。
そういえば水酸化メチル水銀の潜伏期間ってデータあったっけ?
組織との固定が強いなら、脳への移行もゆっくり?
282 :
名無しのオプ :2012/03/11(日) 21:46:46.71 ID:FS/H7obW
283 :
名無しのオプ :2012/03/11(日) 23:55:37.60 ID:FS/H7obW
>>244-246 でラットの塩化メチル水銀潜伏期間についてちゃんと書いてるけど、
>>234 とあわせて見ると、ジメチル水銀の潜伏期間とあまり変わらないというのが認められる。
これ早く気づけばよかったのだが。
今見るとほぼ同じ日数だったし、いいヒントになってた。
ラットではジメチル水銀の遅効性はほぼ存在しないと見ていいのだろうか。
ただ猫では前述の通り、ある程度あると(猫は個体差大きすぎて比較しづらいが)いうことか。
ジメチル水銀の遅効性はヒトなどに特有の現象なのかな。
ラットはメチル水銀半減期がネコや短い人とそんなに変わらないし、
半減期のせいじゃなくて未知の理由のせいなのか。
あとどうもヴェッターハーンの摂取水銀量は計算がおかしいような気がしてきた。
塩化メチル水銀は一人当たり200〜300mgの摂取で重症か致死。
だとすると1300mg以上摂取したというのは、どうも多すぎ。
髪の濃度から見ても、多分おかしいが、今は確認する時間がない。
284 :
名無しのオプ :2012/03/12(月) 19:52:36.84 ID:7Yrra0F3
何とかジメチル水銀の遅効性の理由が分かった気がした。
脳内への取り込みが少ないか遅いんだ。
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jhs1956&cdvol=44&noissue=6&startpage=393&lang=ja&from=jnlabstract これの396ページには人の水銀中毒例の解剖結果が載ってるが、
いずれも脳内濃度が10ppm近く、肝臓と腎臓はその数倍。
そしてAhlmarkの報告の分は、どうも水酸化メチル水銀のようだ(一番上のは不明)。
これだけ脳内濃度が低いが、当時の分析技術の検出力の問題の可能性もあるものの、
この中毒例は1ヶ月ほど水酸化メチル水銀を扱う作業に従事していて、
終わってから1ヵ月半ほどして症状が出たので、30日と書いてあるのは実際の潜伏期間とは違うと思う。
http://oem.bmj.com/content/5/3/117.full.pdf+html >An extremely high mercury content was found in the frontal lobe and visual cortex (average value, 3.1 μg per gram, or 3100 ppb),
>liver (20.1 μg per gram), and kidney cortex (34.8 μg per gram).
で、ジメチル水銀の場合はこの通り。
やっぱり脳の量が少ない。
ただ脳のどの部分を測ったかにもよるけど、この前頭葉と視覚野は大脳の一部。
http://www.nimd.go.jp/kenkyu/docs/h15nenpoh.pdf そしてこれに水俣病で大脳は小脳より濃度が高い例が1例だが載っている。
なので脳全体の濃度と考えてもいいと思う。
水酸化メチル水銀が塩化メチル水銀より脳への移行が少ないのかどうかは情報不足過ぎて分からない。
(CH3Hg)2SやCH3HgSCH3も同様に実験例が少なすぎるしヒト中毒例は見たことがない。
ただジメチル水銀は脳への以降が少ないか、遅いということは、上記の通りいえる。
猫の実験でも他の化合物と比べると、投与量が多い割に脳内濃度は低い方。
(ただ個体差が激しすぎる猫で1例だけという問題はあるが。差は乾重量なのが原因? 昇華性のある物質だと減る)
解剖時は死亡時だから、投与直後の脳への移行がどの程度かということは証明できないが、
少なくとも死亡時蓄積量は低いようだ。
285 :
名無しのオプ :2012/03/14(水) 16:19:03.91 ID:sfE8/1rm
286 :
名無しのオプ :2012/04/02(月) 10:30:41.09 ID:zJ/zmRop
ホワイトボードのペンにサリンを入れたら、何文字くらい書いた時点で中毒死するかな? キャップ閉めないでそこら辺に落としそうだが。
287 :
名無しのオプ :2012/04/08(日) 20:55:45.34 ID:dM1ThQNv
ジメチルスルホキシドの皮膚浸透性についてだけど。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1462805299 >なんかあり得ないと感じつつ検索したら、簡単にジメチルスルホキシド100%のものが何も資格も手続きも無しで購入可能サイトが多くあったので購入しました。
>届いた商品を試しに自分の指に少し塗ってみたら、浸透どころかまるで料理用のサラダ油みたいに約1時間しても浸透も蒸発もせずヌルヌルしたままで、
洗い流す時も水のみでの洗浄ではヌメリが手全体に広がるだけで、最初に塗った量と比較しても全く皮膚から浸透した感じはありません。
>ましてやどんな強力で即効性のある毒物を混入しても、経口や注射では無く触っただけで5分以内に死亡などとても考えられません。
少なくとも指からはなかなか浸透しないっぽい。
毒塗ったものに触れさせて暗殺ってのは都市伝説?
288 :
名無しのオプ :2012/04/10(火) 08:51:01.93 ID:8DLB25GV
へーそうなんだ。って真に受けた奴を地獄に落とす試み
289 :
名無しのオプ :2012/04/17(火) 05:54:47.30 ID:LauBLdAF
コナンの腕時計型麻酔銃について、本当に現実に可能なのか調べてみた。 そして分かったのは、麻酔薬よりも鎮静薬の方が、微量で強力だということだった。 麻酔薬の場合、人が眠る量を打つと、呼吸も止まってしまうので、人工呼吸器をつけないと死ぬらしい。 そして、ほとんどの麻酔薬は、あんな小さな針では量が足りない。 中でもメデトミジンという動物用鎮静剤が、最も強力らしい。 しかし、これは意識を失わないので、打たれても少々筋弛緩してフラフラはするが、 立ったまま何もできない状態になるようだ。 他にもドロペリドールという似たような作用をする薬があるが、こっちはもっと量が必要。 結論から言うと、針が刺さって数秒で倒れるという薬は存在しない。 最低でも30秒はかかるらしい。 しかし、立ったまま何もできなくなるようにする薬があるとは、事実は漫画より奇なりだった。 ロシアの劇場の人質事件では、麻酔ガスを使って人質ごと犯人を無意識状態にしたせいで、 呼吸不能になって死んだ人が多かったが、もしこういう鎮静剤を使っていれば、誰も死ぬことなく解決できたんじゃないか?
290 :
名無しのオプ :2012/05/06(日) 20:39:04.29 ID:ube1XwEY
ハンターハンターの29巻に出てた人民たちのように、立っているけどボーっとしているような状態になるのかね? それは、ある意味致死性の毒物より使い道が広がるね。 たとえば重要施設の門番にその物質を注射すれば、一見すると警備してるように見えるから、異変に気付かれない。 麻酔薬や睡眠薬だと立ってられないから、巡回に来た人が異常を感じてしまう。
291 :
名無しのオプ :2012/05/07(月) 09:55:37.22 ID:FK4DBbnG
皮膚浸透性の毒ってあまり種類がなくて難しいな それもちょっと触れただけで確実に死ぬとなると
292 :
名無しのオプ :2012/05/07(月) 21:25:32.44 ID:7/8IV84E
ジメチル水銀とかVXとか?
293 :
名無しのオプ :2012/05/07(月) 21:59:52.57 ID:Y7yjM6rK
硫酸ニコチンはどお? 誰でも作れるけど実際触っただけで死ぬもんかね
294 :
名無しのオプ :2012/05/07(月) 23:17:57.61 ID:7/8IV84E
臭いさえ何とかなればいいかも。 消臭剤か芳香剤混ぜたら、ごまかせるかな? あるいは足の裏に付いたなら、臭いはあんまり感じないだろう。
295 :
名無しのオプ :2012/05/07(月) 23:19:14.71 ID:7/8IV84E
ところで、ジメチル水銀やVX、硫酸ニコチンのように皮膚吸収性が高い毒って、 ジメチルスルホキシドと混ぜるとさらに吸収されるのか、逆効果になるのかどっちだろう?
296 :
名無しのオプ :2012/05/19(土) 00:43:18.01 ID:zLq1/Sa9
297 :
名無しのオプ :2012/05/19(土) 04:16:40.92 ID:2o21MGKk
何でスクリブドに載せないの? あそこ重いから?
298 :
名無しのオプ :2012/05/19(土) 05:02:32.09 ID:zLq1/Sa9
>>297 載せたら消されたwwwwwwwwwwwwwwww
299 :
名無しのオプ :2012/05/20(日) 22:25:03.38 ID:iO7Dh93W
300 :
名無しのオプ :2012/06/10(日) 00:29:48.36 ID:jwqP4nZT
>>298 おいおい、アルカイダの宣伝雑誌すら載ってるのに。
腹腹時計も載ってる。
それなのに、これくらいの日本語文献が消えてしまうの?
うーん、謎だ。
301 :
名無しのオプ :2012/06/14(木) 21:54:55.32 ID:mXOBFAo6
トリカブトについて質問です てっきり有名だから、簡単にバレる毒だと思っていたのですが 調べてみると、トリカブト殺人が発覚した事件というのは 多額の保険金がかかっていたとか何らかの理由があったからなんですね つまり被害者に特に殺される理由が見当たらない場合 病死・急死として処理され、司法解剖されない可能性は高いんでしょうか?
302 :
名無しのオプ :2012/06/23(土) 10:47:49.91 ID:2CK/y51Z
http://vipsister23.com/archives/5610262.html >8: オウムの法則 投稿日 : 2012年06月20日 00:33
>実はサリンやVXガスにチオ尿素やジメチルスルホキシドぶっ込んで
>人間を秒殺出来るようにして、
>チオ尿素は解毒剤PAMが効かないように改良される予定だった。
>こんなの撒かれたら日本完全AUT
こんな書き込みを見つけたんだが。
ジメチルスルホキシドは皮膚吸収増加効果だとして、チオ尿素はどういう効果だろう?
そもそも、これ初耳なんだが、出典はどこだろう?
303 :
名無しのオプ :2012/06/23(土) 10:52:18.02 ID:2CK/y51Z
>>301 死ぬ確率が低い年代の人の場合、疑われる傾向が強い。
生命表(死亡表)という統計表見ると、10代の人が死ぬ確率はものすごく低くて、
50代なら結構高くなってくるってことが分かる。
また、トリカブトのような毒はいわゆる化学物質という感じの物じゃないから、
簡単なキットでの検出は難しい。
地域差もあるが、毒殺が見逃される可能性は意外に高いよ。
ただ、最後に知人と食事をしたなんて情報は、十分に疑われる原因となる。
304 :
名無しのオプ :2012/07/08(日) 21:19:33.59 ID:rqK0V+7w
305 :
名無しのオプ :2012/07/08(日) 21:22:45.88 ID:rqK0V+7w
ていうかこの表って、生命保険の保険料を計算する元になるんだよね? じゃあ11歳の人と60歳の人で保険料が100倍違うの? そんなに違うってのは聞いたことがない。 でも、10倍くらい違うとしたら、保険金殺人は若い人に対してやるのが、 一番安上がりってことになる。 発覚を度外視すれば。
あぼーん
307 :
名無しのオプ :2012/09/24(月) 20:59:02.58 ID:m9+fv0iQ
308 :
名無しのオプ :2012/10/11(木) 00:04:00.07 ID:ziXBlO1+
TVで大岡越前が「其の方、ジギタリスを酒の中に入れたのであろう」とか言ってた
309 :
名無しのオプ :2012/10/21(日) 21:47:49.07 ID:kcOTIRB5
市販の風邪薬を毎日、3錠ぐらいコーヒーに混ぜて のませていたら肝機能障害とかで逝ってしまいますか?
310 :
どくた☆きりゆ :2012/11/12(月) 01:22:05.26 ID:Fi2lK+kt
>>307 お前高校1年生レベルの化学の知識すら無いだろ(ワラ
H3Oってのはオキソニウムイオンいわゆる水素イオンだ。
1)でメチルのグリニャール試薬を添加して、2)で酸性にしろという意味だ。
>>309 埼玉の保険金殺人では風邪薬のルルを1日に何十錠も飲ませてたらしいな。
3錠だと大人1回分だから足りないんじゃね?
311 :
どくた☆きりゆ :2012/11/12(月) 01:31:52.79 ID:Fi2lK+kt
>>301 トリカブト事件が発覚した理由
・沖縄で死んだから(GHQ当地の名残りで、監察医制度のようなものが沖縄にはあるらしい)
・東北大学出身の医師が琉球大学に居たから。
詳しく説明すんのめんどくせえから、「事件からみた毒 トリカブトからサリンまで」という本を買って読め!!
312 :
名無しのオプ :2012/11/18(日) 17:46:34.46 ID:Is9Yv6fs
「小便小僧」 second opinion
http://junko717.exblog.jp/ 小便小僧の野郎が聖水を飛ばしやがる。
尻拭いは、俺たちか?
任せときな!手慣れた物さ!
my What do we live for?way
彼は40歳を過ぎてもおねしょをしていた。
だから、強い、睡眠薬を服用、起きれないから おねしょする。
「小便小僧」の惨状だ。
情け、容赦はご法度、ここは、医療、介護の現場だ。
小便小僧の野郎が聖水を飛ばしやがる。
尻拭いは、俺たちか?
任せときな!手慣れた物さ!
my What do we live for?way
彼はベッドで小便をするので、カビが発生して汚臭がしました。
だから、断熱シートを敷く小便が弾いて清潔なんだ。
「小便小僧」の惨状だ。
情け、容赦はご法度、ここは、医療、介護の現場だ。
313 :
名無しのオプ :2012/12/04(火) 17:03:13.65 ID:zDEtUP4s
コーヒーや紅茶に融解して、数時間程度のタイムラグが発生する遅効性の毒薬ってありませんか?
314 :
名無しのオプ :2012/12/04(火) 22:49:45.66 ID:BCZBDcvI
>>313 たぶんないんじゃないですかね?
「溶解して」ならありますが。
315 :
名無しのオプ :2012/12/05(水) 09:04:58.29 ID:FvVsMsym
>>314 「溶解して」ならどんなものがありますか?
316 :
どくた☆きりゆ :2012/12/05(水) 20:46:30.53 ID:EjkHTg4S
数時間程度なら、それこそフグ毒とトリカブトの混合物が。 でもコーヒーに溶けるのか、溶かして味が変わらないかとか不明だよ。
317 :
名無しのオプ :2012/12/06(木) 00:07:56.93 ID:j/n+gW1F
>>316 とりあえず、混合しなくてもフグ毒(テトロドトキシンン)だけでいいんじゃないかな。
wikipediaによれば、症状が出るまでに20分〜数時間ということだから、一応条件を
満たすでしょう。
もちろん、水によく溶けるし無味無臭と言われる。
トリカブト(アコニチン)は、水にはあまり溶けないということなので、ちょっと条件的に
厳しいかも。
記憶では苦味が(非常に)強いということを聞いた事があった気がするが、信頼できる
ソースはない。
アコニチン単独では即効性、テトロドトキシンが拮抗作用をもたらして、症状が出ない。
時間が経ってテトロドトキシンが分解されると、即効性の(はずの)アコニチンが症状を
表す。
症状からアコニチンを疑い検出されても、死亡直前に摂取したはずと判断されて、
アリバイ工作に使えるのだが…。
(テトロドトキシンの症状は出ないので、検査もされないだろうと)
実際には、この手法は有名になりすぎて、アリバイ工作としては使い物にならない。
必ずテトロドトキシンの検査もされて、バレバレだと思う。
318 :
名無しのオプ :2012/12/12(水) 22:04:23.56 ID:2OGvwuf9
test
319 :
名無しのオプ :2012/12/12(水) 22:05:03.40 ID:2OGvwuf9
test
320 :
名無しのオプ :2012/12/18(火) 12:03:44.12 ID:l518FnLw
現在の突然死の血液検査キット使用率ってどのくらいなの? 特定薬物検査じゃなくてね。
321 :
名無しのオプ :2013/01/03(木) 10:06:51.20 ID:AfOwJenh
知識のない人にシアン化カリウムと覚醒剤の区別は付く? また、覚醒剤を取り入れるように鼻からシアン化カリウムを摂取した場合効果はある? 覚醒剤をやろうとした人が間違えて青酸カリを摂取して死ぬかどうかが知りたい 死なずとも抵抗不可能な状態に陥ればそれでOK 覚醒剤の通常摂取量は0,05g、シアン化カリウムの致死量は0,15gらしいので 鼻の粘膜から青酸カリを摂取して効果があるならあるいは また取り入れてからどのぐらいの時間で効き目が…? 詳しい人オナシャス
322 :
名無しのオプ :2013/01/09(水) 18:10:26.14 ID:upv2JDMv
>>321 >知識のない人にシアン化カリウムと覚醒剤の区別は付く?
外見や触れた程度では区別は付かないと思う。
本やネットの知識だけで見分けるのも難しいだろうね、きっと。
>また、覚醒剤を取り入れるように鼻からシアン化カリウムを摂取した場合効果はある?
効果はある。
粘膜からの吸収率、吸収速度などがどうなるのかは判らない。
あと、鼻に塩水(海水)が入ると痛いように、塩を入れても痛いんだと思う(やったことはないけど)。
青酸カリを入れると、痛いような気がしなくもない。
痛いと仮定すると…
0.05gも0.15gも素人目には判らないだろうから、0.15gを取り分けて1回分だとして、吸わせたとする。
『痛い、痛い』と大騒ぎして、防御反応で鼻水が出てきて、ティッシュで何度も鼻をかんでほとんど
排出。
結果として効かないばかりか、「騙したな!!(覚醒剤ならそんなに痛くはないだろう)」とボコボコにされる。
青酸カリは大変苦いようですので、とりあえず、インスタントコーヒーでも吸いこんで実験してみてください。
323 :
名無しのオプ :2013/01/17(木) 16:29:13.42 ID:h2FY6aq6
ジャガイモの芽を煎じて毎日飲ませたら 体調不良になる?
324 :
名無しのオプ :2013/01/24(木) 20:36:37.10 ID:/rGZcdh1
化学物質についてはとりあえずMSDSぐらいググれ。 仕事でシアン化カリ使うが、シアンは非常に水に溶けやすい。100g/Lの液なら10〜20ml程度で致死量だがもっと溶かした液ならこれより少ない量にできる。 ただ上でも言われてるように鼻に異物が入ったら反射的に防ごうとしたりくしゃみ・鼻水が出るから微妙かな… シアンはアルカリだから普通皮膚や粘膜とか溶けるけど鼻水で中和→ガス発生→鼻水で鼻が詰まっててガス吸い込めないら死なないとか…書いててバカミスみたいな気がしてきた… 煎じたら火通るからジャガイモ無毒化な。
325 :
名無しのオプ :2013/01/26(土) 02:10:21.95 ID:v8aipxDt
よく、発がん性物質を与える的なものがありますが 実際、入手が楽で素人でも扱える発がん性物質ってなんですか? 1.2ヶ月でガンになるような物ってあるんですか?
326 :
名無しのオプ :2013/01/29(火) 17:01:40.45 ID:8KpGFwQz
ポトスの毒って人体に影響ある? 検索しても猫とか犬とか亀のことしか出てこない・・・
327 :
名無しのオプ :2013/02/28(木) 23:45:52.78 ID:m9FEoHHm
通販とかで売ってるトウゴマをすり潰してお茶みたいにいれて 飲んだら効果ありますか?
328 :
名無しのオプ :2013/03/03(日) 00:30:43.03 ID:u2cL7yTl
ここは、住人がいないね。 前レスでは、結構おもしろかったのに。 トウゴマなんて入手しやすいしミステリーネタに 面白そうな感じだけどな。
329 :
名無しのオプ :2013/03/03(日) 01:40:29.66 ID:29PMCs6r
その程度では無理じゃないかな。 トウゴマを絞って出来るのがひまし油。
330 :
名無しのオプ :2013/03/03(日) 08:35:58.32 ID:4/mX7L7D
331 :
名無しのオプ :2013/03/03(日) 21:45:08.78 ID:u2cL7yTl
実際、トウゴマの毒で事件て、いままであったのかな? トリカブトみたいに。
332 :
名無しのオプ :2013/04/03(水) 16:54:57.48 ID:lm2zwZjS
1978年8月26日、フランスのパリでウラジミールコストフ氏が、1978年9月7日、イギリスのロンドン でゲオルギーマルコフ氏が、それぞれリシンで暗殺されています。
333 :
名無しのオプ :2014/01/28(火) 21:16:01.04 ID:Q0nWHgf1
ばれない毒殺ってのはトリックとしても難しいねぇ
334 :
名無しのオプ :2014/06/25(水) 20:27:43.18 ID:CwjG53gf
さかなくんさんが知っているのって何だろう
335 :
名無しのオプ :2014/10/09(木) 22:32:34.24 ID:eIWxECmj
336 :
名無しのオプ :2014/11/28(金) 16:48:56.19 ID:wUzi3IBY
>>225 チメロサール使わないワクチン探すより、保存方法間違えて腐ったワクチン注射
されてアナフラトキシー・ショック起こすほうが怖いから俺はチメロサール入りでいい
337 :
sage :
2014/12/27(土) 23:41:01.52 ID:WqxBEsKJ 東大阪の池沼専業主婦 クズガキ量産してるヤンキーババア死ねって