『読みました』報告・海外編Part.6

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464書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
ジョン・ディクスン・カー「幻を追う男」を読む。
ラジオドラマ集3作を収録。
御三家中では、こってりと書き込みタイプ(特に初期・中期)のジョンには、
会話文が多く演劇的な要素が多いアガサや論理重視だがわりとすっきりした
作風のエルと比較して、シナリオ向きではないのではと思われだが、
創元推理文庫収録のラジオドラマ台本や本書収録作品を読めば、その懸念も
ぶっ飛びであろうか。
・「誰がマシュー・コービンを殺したのか?」
タイトルはコック・ロビンのもじりでしょ。
ラジオらしいどんでん返しが面白い作。
トリックもジョンらしい早業が上手く決まっておる。
・「あずまやの悪魔」(オリジナル版)
読み終えてまず思う、はて、大のおのこ(ひとりは十代の青年だが、
肉親でもある)が2人もいて、おなごだけで現場へ行かせるか?
ということ。これは重要点。
・「幻を追う男」
ミステリとしてはガイシャに関する重要な事実が終盤まで読者に伏せられた
ままであり、本格ミステリのマエストロであるジョンらしくないNGぶり。
ただし、本作はジョン時代ロマンのラジオドラマ版と理解すれば、
御都合主義な展開を気軽に楽しめば良い程度のものなのかとも思う。