306 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :
「アガサ・クリスティを読んだ少年」
正直言うて、田舎町の事件そのものは、奇妙ではあるがミステリとして面白い
ものではない。しかし、ポワロオタなベルギー人少年の本家気取りぶりが、
何とも笑えるものあり。さすがに後にジュブナイルも多数著したという作者
らしいものを感じた。
「コナン・ドイルを読んだ男」
ホームズ談のパロディでもパスティーシュでもなく、ホームズネタ程度の作。
メーンテーマとなる暗号の謎解きも日本人には面白さは薄い。
ホームズ談の贋作は多いため、ブリテンとしては変った趣向を狙ったの
かもしれぬが、成功しているとは言い難いものあり。
「G・K・チェスタトンを読んだ男」
まず、事件がブラウン神父ネタで扱うにはミスマッチ感あり。
(ハードコアポルノとは・・・)
もっと辛気臭いぐらいの事件が適当。
カーテンに関する謎解きはまあまあの面白さだけに設定に工夫が欲しかった
ところである。
307 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/06/13(月) 21:47:20.17 ID:DDUe5lTj
「ダシール・ハメットを読んだ男」
これもハメットネタ程度の作。メーンストーリーは図書館内における手がかり解読による本探索、ハードボイルドとは程遠い内容である。
解決はマザー・グースネタだが、これまた多くの日本人には馴染が乏しいものである。主人公の最後の「そう、どちらも好きだったから」
に共感を抱く程度かな。(これは作者のブリテンの感でもあろうか)
「ジョルジュ・シムノンを読んだ男」
メーンの登場人物3人(2人の運送屋と屋敷の用心棒)はメグレ・シリーズの
傍役に出て来そうなキャラのようでもあるが、やはり米人作家の手になると
どこか違う感あり。仏的メランコリー不足か。
これもメグレネタという感じの作で、雰囲気は米ノワール風である。
「ジョン・クリーシーを読んだ少女」
ねらー待望な少女探偵登場!(w
だが、はて?ジョン・クリーシーって?
と思うたら、ギデオン警視シリーズのJ・J・マリックであった。
これも警察小説的要素は無く、英語ネタの謎解きがあるだけ。
「アイザック・アシモフを読んだ男たち」
そもそもヘンリー役を無視した黒後家蜘蛛の会もどきは有り得ないはずなの
だが?というのが読み始めた正直な感想。
当初の疑問解決に応じたエンディングと相成る。
わりと上手く本歌取りした感じの作ではなかろうか。